タイトル: | 特許公報(B2)_安定多形体のフリバンセリン、その製造方法及び薬剤を製造するためのその使用 |
出願番号: | 2003519029 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C07D 235/26,A61K 31/496,A61P 15/00,A61P 25/16,A61P 25/18,A61P 25/20,A61P 25/22,A61P 25/24,A61P 25/28 |
ボンバルダ カルロ デュビーニ エンリカ エザーヤ アントワーヌ JP 3822601 特許公報(B2) 20060630 2003519029 20020730 安定多形体のフリバンセリン、その製造方法及び薬剤を製造するためのその使用 ビダケム ソシエタ ペル アチオニ 504041479 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 平山 孝二 100114007 ボンバルダ カルロ デュビーニ エンリカ エザーヤ アントワーヌ EP 01118593.1 20010802 EP 01130180.1 20011219 20060920 C07D 235/26 20060101AFI20060831BHJP A61K 31/496 20060101ALI20060831BHJP A61P 15/00 20060101ALI20060831BHJP A61P 25/16 20060101ALI20060831BHJP A61P 25/18 20060101ALI20060831BHJP A61P 25/20 20060101ALI20060831BHJP A61P 25/22 20060101ALI20060831BHJP A61P 25/24 20060101ALI20060831BHJP A61P 25/28 20060101ALI20060831BHJP JPC07D235/26 CA61K31/496A61P15/00A61P25/16A61P25/18A61P25/20A61P25/22A61P25/24A61P25/28 C07D235/26 A61K 31/496 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特表平6−509575(JP,A) 9 EP2002008466 20020730 WO2003014079 20030220 2004537597 20041216 13 20041110 渕野 留香発明の詳細な説明 本発明は、多形体Aのフリバンセリン(flibanserin)、その製造方法及び薬剤を製造するためのその使用に関する。発明の背景 化合物1−[2−(4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)ピペラジン−1−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−2−オン(フリバンセリン)は、欧州特許出願EP-A-526434においてその塩酸塩形態が記載されており、その化学構造は次のとおりである。 フリバンセリンは、5−HT1A及び5−HT2レセプターに対する親和性(affinity)を示す。それは、従って、種々の疾患、例えば、うつ病、シゾフレニア、パーキンソン病、不安、睡眠障害、性的障害及び精神病、及び加齢に伴う記憶障害の治療に対して有望な治療剤である。 ある薬理活性は、当然のことながら、それが市場において薬剤として承認される前に、医薬的に活性な薬剤により満たされるべき基本的条件である。しかしながら、医薬的に活性な薬剤が満たさなければならない更なる多くの要件がある。これらの要件は、その活性物質の性質に関連する種々のパラメーターをベースとする。制限的なものではないが、これらのパラメーターの例は、種々の環境条件下での活性剤の安定性、医薬配合物製造の間のその安定性、及び最終医薬組成物中における活性剤の安定性である。医薬組成物を製造するために使用される医薬的に活性な物質は、できる限り純粋なものであるべきで、また、その長期保存に対する安定性が、種々の環境条件下で保証される必要がある。これは、例えば、実際に活性な物質の他に、その分解生成物を含む医薬組成物の使用を防止するために絶対的に必要とされる。そのようなケースにおいては、薬剤中における活性物質の含量が規定のもの未満となり得る。 配合物中における薬剤の均一分布は、重要な因子であり、これは、特に、薬剤が低投与量で与えられる必要がある場合にいえる。均一な分布を確実なものとするためには、活性物質の粒子サイズを、例えば粉砕により適切なレベルにまで低減され得る。その工程間に必要とされるハードな条件にもかかわらず、粉砕(又は微分化)の副作用としての医薬的に活性な物質の分解はできる限り避ける必要があるため、活性物質は粉砕工程間に高度に安定性であるべきである。活性物質が粉砕工程間に十分安定性である場合にのみ、再現可能な方法で特定量の活性物質を常に含む均質な医薬配合物を製造することが可能である。 所望の医薬配合物を製造するための粉砕工程において生じ得る他の問題は、この工程により生じるエネルギー入力及び結晶表面上におけるストレスである。ある環境下においては、これにより、多形変化(polymorphous)、非晶質構造における変化又は結晶格子における変化が生じ得る。医薬配合物の医薬的品質には、活性物質が、常に、同一の結晶形態を有することが求められるので、結晶性活性物質の安定性及び特性は、同様にこの観点から厳しい要件の対象となる。 医薬的に活性な物質の安定性は、また、特定の薬剤の有効期限を判断するために、医薬組成物において重要であり;ここで、その有効期限は、薬物を危険なしに投与できる期間の長さである。種々の保存条件下における上記医薬組成物中の薬物の高い安定性は、従って、患者及び製造業者の双方にとって更なる利点である。 上記要件とは別に、その物理的及び化学的安定性を改善可能な医薬組成物の固体状態への変化により、より安定性の低い同一薬剤より有意な利点が得られることに留意すべきである。 本発明の目的は、従って、上述したような医薬的に活性な物質に課される厳格な要件を満たす、新規な安定性の結晶形態にあるフリバンセリン化合物を提供することである。発明の詳細な記載 驚くべきことに、特定の多形型のフリバンセリンの遊離塩基が、上記要件を満たすことを見い出した。 更に、フリバンセリンの合成の間に付され得る条件の選択により、遊離塩基が、異なる結晶改質体(crystalline modification)、多形体A及びBにおいて生じることを見い出した。 これらの異なる改質体は、その製造工程において使用される工程条件の適切な選択により意図的に製造することができることを見い出した。 驚くべきことに、特定の反応条件を選択することにより結晶形態で得ることが可能な多形体Aが、上記厳格な要件を満たし、従って、本発明がベースとする課題を解決できることを見い出した。従って、本発明は、多形体Aのフリバンセリンに関する。多形体Aのフリバンセリンは、約161℃の融点により特徴付けられる(DSCにより測定;加熱速度10k/分)。 フリバンセリンのより安定性の低い改質体、多形体Bは、約120℃の融点を示す(DSCにより測定;加熱速度10k/分)。多形体Bが、粉砕により生じる機械的応力の影響下では殆ど安定性でないのに対して、多形体Aが、上記安定性の要件を満たすことが分かった。 他の態様によれば、本発明は、技術的規模で多形体Aのフリバンセリンを製造する方法に関する。本発明の方法を図解1に示す。 ベンズイミダゾロン2を、ピペラジン誘導体3と、塩基性反応条件下において、適切な溶媒中において反応させて、1を導く。2において、基Rはアミノ保護基を示す。使用される保護基は、アミノの働きを保護するために通常使用されるもののいずれであってもよい。例としては、以下のものから選ばれる基が挙げられる:アルキル、置換アルキル、ヘテロ置換アルキル、不飽和アルキル、アルキル置換ヘテロ原子、置換又は未置換フェニル、置換又は未置換ベンジル、アルキルオキシカルボニル基及びアリールオキシカルボニル基。好ましい保護基は、以下のものから選ばれる:ブチル、1,1−ジフェニルメチル、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、トリクロロエトキシメチル、ピロリジノメチル、シアノメチル、ピバロイルオキシメチル、アリル、2−プロペニル、t−ブチルジメチルシリル、メトキシ、チオメチル、4−メトキシフェニル、ベンジル、4−メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2−ニトロベンジル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−クロロ−フェノキシカルボニル、4−ニトロ−フェノキシカルボニル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニル。これらのうち、好ましい保護基は、t−ブトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル及び2−プロペニルから選ばれ、後者が最も好ましい。 3におけるXは、塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート又はp−トルエンスルホネートから選ばれる脱離基を表す。好ましくは、Xは、塩素、臭素又はヨウ素を示し、塩素が最も好ましい。適切な溶媒は、水、アルコール、水及びアルコールの混合物、極性非プロトン性溶媒及び水とそれらの混合物から選択される。好ましい溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び水と前記溶媒1種又は数種との混合物からなる群より選ばれる。好ましい溶媒は、水と容易に混和性のものである。好ましくは、水と、アルコール、メタノール、エタノール又はイソプロパノールとの混合物を溶剤として使用するのがよい。好ましい実施態様においては、水とイソプロパノールとの混合物が溶媒として使用される。使用される塩基は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムの炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムであり、好ましくは炭酸カリウムである。また、リチウム、ナトリウム及びカリウムの炭酸水素塩を用いることもできる。好ましくは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化カルシウム(アルコール又は水中)を使用してもよい。最も好ましい塩基は、水酸化ナトリウムである。塩基は、好ましくは、その水溶液形態で、好ましくは濃縮水溶液形態で、例えば、30〜50%質量/容量の濃度で添加するのがよい。好ましい実施態様においては、約45%質量/容量の濃度の水酸化物水溶液を使用する。 化合物2及び3は、1:1〜1:2のモル比で、好ましくは1:1〜1:1.5のモル比で容器に導入する。 上述したように、水とイソプロパノールとの混合物は、本発明の方法を行うための好ましい溶媒混合物として使用される。この溶媒混合物においては、水とイソプロパノールの質量比が10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜3:1、特に好ましくは7:1〜5:1である。化合物2の1モルあたり、約2〜10kg、好ましくは3〜8kg、より好ましくは4〜7kgの上記溶媒混合物を使用する。好ましい実施態様においては、反応を、塩基として約45%質量/容量の濃度で水酸化ナトリウム水溶液を用いて行う。化合物2のモルあたり、約0.1〜1.5kg、好ましくは0.2〜1.0kg、特に好ましくは0.3〜0.6kgの上記水酸化ナトリウム溶液を使用する。上記適切な溶媒中に化合物2、3及び塩基を含む反応混合物を、好ましくは、少なくとも50℃に加熱する。好ましい実施態様においては、反応温度は、60℃〜溶媒の沸点の範囲内にある。特に好ましい反応温度は、70〜90℃である。反応混合物は、上記温度で、約10分〜約12時間、好ましくは約15分〜約6時間、最も好ましくは約30分〜約3時間加熱する。反応混合物は、好ましくは上記温度で、約45〜60分加熱する。 次いで、保護基Rを開裂する。開裂条件は、基Rの選択に依存する。Rが、例えば、ベンジルである場合には、開裂は、適切な触媒(例えば木炭上のPd)の存在下で酢酸中での水素化により行われ、又はそれは、水性HBr中において開裂され得る。Rがメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニルである場合には、それは、例えば、水性アルカリ溶液、例えばNaOH(水性)又はKOH(水性)を用いて開裂され得る。Rがt−ブトキシカルボニルである場合には、それは、例えば、水性HCl又はHBr中において開裂され得る。Rが2−プロペニルである場合には、本発明の特に好ましい保護基Rの開裂は、酸性反応条件下で行われる。本発明の特に好ましい方法においては、2−プロペニル基が、強鉱酸、好ましくは臭化水素酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる酸、より好ましくは塩酸を用いて開裂される。塩酸は、ガス形態で又はその水溶液形態で添加することができ、水溶液での添加が好ましい。特に好ましいのは、その濃縮溶液(約36%質量/容量)形態での塩酸の添加である。2のモルあたり、少なくとも1モルの塩酸を添加すべきである。好ましくは、2のモルあたりに添加される濃縮塩酸(36%質量/容量)の量は、50〜500g、より好ましくは80〜250gである。特に好ましくは、約120〜160gの濃縮(36%w/v)水性塩酸を、使用される2のモルあたりに添加する。 約70〜90℃の温度で、約30〜70%、好ましくは約35〜60%の溶媒が蒸留により除去される。60〜80℃の温度で、残留物のpHが約5〜9、好ましくは約6〜8へと調整されるが、これは水性水酸化ナトリウム(45%w/v)の添加による。40〜55℃の温度で、そのpHは、水性水酸化ナトリウム(45%w/v)の添加により、約8〜9へと調整される。次いで、混合物を、約20〜40℃、好ましくは約30〜35℃に冷却し、遠心分離にかける。このようにして得られた残留物の洗浄を、導入される2のモルあたり約100〜750mlの水を用いて、好ましくは導入される2のモルあたり300〜400mlの水及びイソプロパノール(2のモルあたり約50〜250g、好ましくは約100〜200g)を用いて、及びその後、塩素除去まで水を用いて行う。場合により、そのようにして得られた生成物を、他の精製工程に付することができる。好ましくはその精製は、例えばアセトンによる1の結晶化により行われる。 本発明の1つの態様は、上記方法により得ることができるフリバンセリン多形体Aに関する。 以下の合成例は、多形体Aのフリバンセリンを製造する方法を説明するためのものである。それは、例示される可能な方法としてのみ理解されるべきであり、本発明がその内容に制限される訳ではない。実施例: 375kgの1−[(3−トリフルオロメチル)フェニル]−4−(2−クロロエチル)ピペラジンを、2500kgの水及び200kgの水性水酸化ナトリウム(45%)を含む反応器中へ充填した。撹拌下、169.2kgの1−(2−プロペニル)−1,3−ジヒドロ−ベンズイミダゾール−2H−オン、780kgのイソプロパノール、2000kgの水及び220kgの水性水酸化ナトリウム(45%)を添加した。反応混合物を75〜85℃に加熱し、160kgの濃塩酸及び200kgの水を添加した。反応混合物を、一定温度で約45分間撹拌した。水及びイソプロパノールの混合物(3000kg)の蒸留後、残留物を約65〜75℃に冷却し、pHの6.5〜7.5への調整を、125kgの水性水酸化ナトリウム(45%)の添加により行った。45〜50℃に冷却した後、pH値の8〜9への調整を、約4kgの水性水酸化ナトリウム(45%)の添加により行った。次いで、混合物を30〜35℃に冷却し、遠心分離にかけた。得られた残留物の洗浄を、340リットルの水及び126リットルのイソプロパノールを用いて、次いで塩素除去まで水を用いて行った。湿潤生成物を減圧下、約45〜55℃で乾燥し、それにより、358kgの粗フリバンセリン多形体Aが得られた。このようにして得られた粗生成物を、1750kgのアセトンを含む反応器中に充填し、得られた混合物を撹拌下で還流まで加熱した。得られた溶液をろ過し、ろ液を蒸留により濃縮した。その温度を約1時間0〜5℃で保持し、沈降固形物をろ過により単離し、55℃で少なくとも12時間乾燥した。最終収量は、280kgの純粋フリバンセリン多形体Aであった。 上述したように、フリバンセリン多形体AをDSC(示差走査熱量測定)により特徴付けた。多形体Aについて測定されたピーク温度は、約161℃であった。DSCによる特徴付けのために、TC 10-Aプロセッサ及びDSC 20セルを備えるMettler TA 3000システムを用いた。加熱速度は10k/分とした。 フリバンセリン多形体Aを、更に、パウダーX線回折により特徴付けた。多形体AについてのX線パウダー回折バターンは、次の条件に従って得た: 多形体Aについて得られたパウダーX線回折パターンを図1に記載する。適切な値を表1に記載する。表1: フリバンセリンの医薬的効果の観点から、本発明は、更に、フリバンセリン多形体Aの薬剤としての使用に関する。 本発明の更なる態様は、5−HT1A及び5−HT2レセプターに対する親和性を示す化合物の使用が治療的利益を有し得る疾患治療用医薬組成物を製造するためのフリバンセリン多形体Aの使用に関する。 本発明の更なる態様は、うつ病、シゾフレニア、パーキンソン病、不安、睡眠障害、性的障害、精神病及び加齢に伴う記憶障害から選ばれる疾患治療用医薬組成物を製造するためのフリバンセリン多形体Aの使用に関する。 特に、本発明は、性欲障害治療用医薬を製造するためのフリバンセリン多形体Aの使用に関する。 好ましい実施態様においては、本発明は、自発性欲疾患(Hypoactive Sexual Desire Disorder)、性欲喪失、性欲不足、性欲低下、性欲抑制、リビドー喪失、リビドー障害及び不感症から選ばれる疾患治療用医薬組成物を製造するためのフリバンセリン多形体Aの使用に関する。 本発明に特に好ましいものは、自発性欲疾患、性欲喪失、性欲不足、性欲低下、性欲抑制から選ばれる疾患治療用医薬組成物を製造するためのフリバンセリン多形体Aの使用である。特に好ましい実施態様においては、本発明は、自発性欲疾患及び性欲喪失からなる群より選ばれる疾患治療用医薬を製造するためのフリバンセリン多形体Aの使用に関する。 上述したフリバンセリン多形体Aの治療効果は、男性及び女性において達成することができる。しかしながら、更なる態様によれば、本発明は、女性の性的不全の治療用医薬の製造のためにフリバンセリン多形体Aの使用に関する。 フリバンセリン多形体Aの利点は、障害が一生存在するか又は伴うかにかかわらず、また、病因(器官−両、物理及び薬剤誘導−、精神、器官−両、物理及び薬剤誘導−、及び精神の組み合せ、又は未知のもの)に依存せずに観察することができる。 本発明の更なる特徴として、1種又は2種以上の医薬キャリヤー、希釈剤又は賦形剤に加えて、活性物質としてのフリバンセリン多形体Aを含む医薬組成物が提供される。医薬投与に関し、フリバンセリン多形体Aは、固形、液体又はスプレー形体で従来の医薬製剤中に導入することができる。組成物は、例えば、経口、直腸、非経口投与に適する形態で存在していてもよく:好ましい形態としては、例えば、カプセル、タブレット、被覆タブレット、アンプル、坐薬及び鼻内噴霧が挙げられる。 活性物質は、医薬組成物中に従来用いられていた賦形剤又はキャリヤー、例えば、タルク、アラビアガム、ラクトース、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、コーンスターチ、水性又は非水性ビヒクル、ポリビニルピロリドン、脂肪酸の半合成グリセリド、塩化ベンズアルコニウム、リン酸ナトリウム、EDTA、ポリソルベート80中に導入することができる。組成物は、遊離には、投与単位中に配合され、各投与単位は、単一投与量の活性成分を提供するように適合化される。各投与単位は、遊離には、0.1〜100mg、好ましくは0.1〜50mgを含んでいてもよい。図1は多形体Aについて得られたパウダーX線回折パターンを示す。 DSCを用いる熱解析による吸熱最大値が161℃である、結晶多形体A(A型)のフリバンセリン1。 請求項1に記載のA型を含むフリバンセリン1。 請求項1又は2に記載のフリバンセリン1:の製造方法であって、 第1反応工程において、ベンズイミダゾロン2:(式中、Rは適切なアミン保護基を示す)とピペラジン3:(式中、Xは、塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート及びp−トルエンスルホネートから選ばれる脱離基である)とを、水、アルコール、水及びアルコールの混合物、極性非プロトン性溶媒及び水とそれらの混合物から選ばれる適切な溶媒中において、適切な塩基の存在下で反応させること、及び 第2反応工程において、アミノ保護基Rを適切な開裂条件下で開裂することを特徴とする方法。 2と3との反応を、少なくとも50℃の温度で行う請求項3に記載の方法。 加熱を、約10分〜約12時間行う請求項4に記載の方法。 請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法により得ることが可能な多形体Aのフリバンセリン1。 薬剤として使用するための、請求項1、2及び6のいずれか1項に記載の多形体Aのフリバンセリン1。 請求項1、2及び6のいずれか1項に記載の多形体Aのフリバンセリン1を含む、うつ病、シゾフレニア、パーキンソン病、不安、睡眠障害、性的障害、精神病、及び加齢に伴う記憶障害から選ばれる疾患の治療用医薬組成物。 活性成分として、請求項1、2及び6のいずれか1項に記載の多形体Aのフリバンセリン1を、場合により1種又は2種以上の医薬的キャリヤー、希釈剤又は賦形剤との混合状態で含む医薬組成物。