タイトル: | 特許公報(B2)_第四級アンモニウムバイカーボネート及び第四級アンモニウムカーボネートの現場製造方法 |
出願番号: | 2003512192 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 209/20,C07C 211/63 |
ウォーカー、リー、イー JP 4326327 特許公報(B2) 20090619 2003512192 20020702 第四級アンモニウムバイカーボネート及び第四級アンモニウムカーボネートの現場製造方法 ロンザ インコーポレイテッド 592233462 浅村 皓 100066692 浅村 肇 100072040 安藤 克則 100107504 ウォーカー、リー、イー US 60/303,971 20010709 20090902 C07C 209/20 20060101AFI20090813BHJP C07C 211/63 20060101ALI20090813BHJP JPC07C209/20C07C211/63 C07C 209/20 C07C 211/63 CA/REGISTRY(STN) 特表平08−511543(JP,A) 特開昭63−132863(JP,A) 米国特許第02635100(US,A) 31 US2002021236 20020702 WO2003006419 20030123 2004521953 20040722 19 20050413 井上 千弥子 本発明は、第四級アンモニウムアルキルカーボネート〔例えば、第四級アンモニウムメトカーボネート(quaternary ammonium methocarbonate)〕、第四級アンモニウムバイカーボネート(quaternary ammonium bicarbonate)、及び第四級アンモニウムカーボネートを、対応する第三級アミンから現場で(in situ;その場で、インシチューで)製造する方法に関する。 本出願は、ここに参考として入れる2001年7月9日に出願された米国仮特許出願No.60/303,971号の権利を主張するものである。 ジデシルジメチルアンモニウムカーボネート及び塩化ジデシルジメチルアンモニウムのような第四級アンモニウム化合物は、抗菌活性を有することが知られている。例えば、米国特許第5,523,487号、第5,833,741号、及び第6,080,789号明細書を参照されたい。第四級アンモニウム化合物は、木材防腐剤として特に有用であることが判明している。しかし、塩化第四級アンモニウムは土壌中に急速に浸出することが判明している〔ニコラス(Nicholas)その他、Forest Prod. J.,41:41(1991)〕。結局、浸出を防ぐため、銅塩のような金属カップラーが塩化第四級アンモニウムにしばしば添加されている。 一方、第四級アンモニウムカーボネートは、一層浸出しにくく、金属カップラーを使用する必要はない。その結果、防腐剤市場では、第四級アンモニウムカーボネートに対する需要が増大しつつある。 米国特許第5,438,034号明細書には、第四級アンモニウムカーボネートを製造する方法が記載されている。この方法は、塩化第四級アンモニウムを金属水酸化物と反応させ水酸化第四級アンモニウムを形成し、次にその水酸化第四級アンモニウムを二酸化炭素と反応させて炭酸第四級アンモニウムを生成させている。しかし、水酸化第四級アンモニウムは非常に腐食性である。更に、最初の反応で副生成物として生ずる金属塩化物を反応生成物から濾過して除かなければならない。その工程はその方法のコストを増大し、効率を低下する。従って、第四級アンモニウムカーボネートを製造する別の方法が望まれている。 ワーンツ(Werntz)による米国特許第2,635,100号明細書には、トリ脂肪族アミンと、炭酸ジメチル及び炭酸エチレンのような炭酸のジ脂肪族炭化水素エステルとを、好ましくはアルコールの存在下で反応させることにより、第四級アンモニウムカーボネートを製造する方法を記載している。ワーンツは、第三級アミンと炭酸ジメチルとの反応が第四級アンモニウムメトカーボネートを生じたことを報告している。ワーンツは、炭酸エチレンをトリエチルアミン及びメタノールと反応させると、水酸化トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムの環式カーボネートが形成されることも報告している。溶媒、未反応アミン、及び環式エステルは蒸留により除去されている。炭酸ジメチルのような炭酸のジ脂肪族炭化水素エステルの多くは高価であり、従って、この方法による第四級アンモニウムカーボネートの製造コストを著しく増大する。 炭酸ジメチルは市販されており、その合成法は当分野でよく知られている。典型的には環式カーボネート、例えば、炭酸エチレン及び炭酸プロピレンは、メタノール又は他のアルコール及び触媒の存在下で炭酸ジメチル及びグリコールへ転化される。ロマノ(Romano)その他による米国特許第4,062,884号明細書には、第三級脂肪族アミンのような有機塩基の存在下でアルコールと環式カーボネートとを反応させることにより、ジアルキルカーボネートを製造する方法が記載されている。ロマノその他は、メタノール/炭酸エチレン/トリエチルアミン混合物の反応を記載している。3時間に亙るメタノール・ジメチルカーボネート共沸物の連続的蒸留により、炭酸エチレンからエチレングリコール及び炭酸ジメチルへの殆ど完全な転化を与える結果になっている。ロマノその他は、更にその反応に対し触媒作用を及ぼす有機塩基を、簡単な蒸留により反応容器から完全に回収できることも教示している。 第四級アンモニウムカーボネートを製造するための一層安価で効率的な方法が依然として要求されている。第四級アンモニウムカーボネートを製造する一段階、即ち、現場での方法はこれらの要求を満たし、有利であろう。 発明の要約 本出願人は、第三級アミン、メタノール、少なくとも一種類の環式カーボネート、脂肪族ポリエステル、及びエステルから、高い収率で第四級アンモニウムメトカーボネート塩及び第四級アンモニウムアルキルカーボネート塩を製造し、それらを次に第四級アンモニウムバイカーボネート、第四級アンモニウムカーボネート、又はその両方へ一段階反応(one−pot reaction)で転化する現場での方法(in situ method)を発見した。本発明の一つの態様により、その方法は、アミン及びメタノールを少なくとも一種類の環式カーボネート、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリカーボネート)、又はエステル(例えば、炭酸エステル)と反応させ、第四級アンモニウムメトカーボネートを生成させることを含んでいる。この方法は腐食性水酸化第四級アンモニウムを生ぜず、それを取扱う必要はない。更に、この方法は、副生成物としてグリコールを生ずるので有利である。グリコールは、第四級アンモニウムカーボネート及び第四級アンモニウムバイカーボネートを含む溶液に、それらの引火点を上昇させるため、また凍結防止剤としてしばしば添加されている。 別の態様は、第三級アミン、メタノール、及びエステルを反応させることにより、第四級アンモニウムアルキルカーボネート塩を製造する方法である。 本発明は、(a)前述の方法の一つにより第四級アンモニウムメトカーボネート又は第四級アンモニウムアルキルカーボネートを製造すること、及び(b)その第四級アンモニウムメトカーボネート又は第四級アンモニウムアルキルカーボネートを、対応する第四級アンモニウムバイカーボネート、第四級アンモニウムカーボネート、又はそれらの混合物へ転化することにより、第四級アンモニウムバイカーボネート、第四級アンモニウムカーボネート、又はそれらの混合物を製造する方法も与える。 本発明の詳細な記述 本出願人は、第三級アミン、メタノール、及び少なくとも一種類の環式カーボネート、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリカーボネート)、及び(又は)エステル(例えば、炭酸エステル)から高い収率で第四級アンモニウムメトカーボネート及びアルキルカーボネート塩を製造し、それらを次に第四級アンモニウムバイカーボネート、第四級アンモニウムカーボネート、又はそれらの混合物へ転化する一段階反応で行う現場での方法を発見した。 ここで用いられる用語「アルキル」には、直鎖及び分岐鎖アルキル置換基が含まれる。「アルキル」基は飽和炭化水素である。 第四級アンモニウムメトカーボネートの製造 本発明の方法は、式:(式中、R1、R2、及びR3は、独立に、C1〜C30アルキルである。)を有する第四級アンモニウムメトカーボネートを製造することができる。R1、R2、及びR3は、独立に、C1〜C20アルキルであるのが好ましく、一層好ましくは、独立に、C1〜C16アルキルである。最も好ましくはR1はメチルである。 また、R1、R2、及びR3の少なくとも一つは、C8〜C30アルキル、又はC8〜C20アルキルであるのが好ましい。一つの態様によれば、R1及びR2は、独立に、C1〜C20アルキルであり、一層好ましくは、独立に、C1〜C16アルキルであり、R3は、C8〜C20アルキルであり、一層好ましくは、C8〜C16アルキルである。 好ましい態様によれば、R2はC1〜C20アルキルである。別の態様によれば、R2はメチルである。更に別の態様によれば、R2はC8〜C12アルキルであり、一層好ましくはC10アルキルである。 好ましい態様によれば、R3はC8〜C12アルキルであり、一層好ましくはC10アルキルである。 別の好ましい態様によれば、R1はメチルであり、R2及びR3は独立にC8〜C20アルキルである。一層好ましくは、R2及びR3は独立にC8〜C12アルキルである。一層好ましくは態様によれば、R2及びR3はC10アルキルである。 更に別の好ましい態様によれば、R1及びR2はメチルであり、R3はC8〜C20アルキルである。一つの態様によれば、R3はC10〜C18アルキルであり、一層好ましくはC12又はC18アルキルである。別の態様によれば、R3はC8〜C12アルキルであり、一層好ましくはC10アルキルである。 代表的な第四級アンモニウムメトカーボネートには、ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネート、ドデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネート、ジオクチルジメチルアンモニウムメトカーボネート、オクタデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネート、ジオクタデシルジメチルアンモニウムメトカーボネート、トリオクチルメチルアンモニウムメトカーボネート、及び前述のいずれかの組合せが含まれるが、それらに限定されるものではない。 第四級アンモニウムメトカーボネートは、アミン及びメタノールを、少なくとも一種類の環式カーボネート、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリカーボネート)、又はエステル(例えば、炭酸エステル)と反応させることにより製造する。適当なアミンには、式、NR1R2R3(R1、R2、及びR3は、上で定義した通りである)を有するものが含まれるが、それらに限定されるものではない。好ましいアミンには、ジデシルメチルアミン、ドデシルメチルアミン、ジオクチルメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ジオクタデシルメチルアミン、トリオクチルアミン、及び前述のいずれかの組合せが含まれるが、それらに限定されるものではない。 適当な環式カーボネートには、式:(式中、R4は、水素又はC1〜C4アルキルであり、nは1〜10の整数であり。)を有するものが含まれるが、それらに限定されるものではない。R4は水素又はメチルであるのが好ましい。好ましい環式カーボネートには、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、及びそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。 適した脂肪族ポリエステルには、式:(式中、R5、R6、R7、及びR8は、独立に、水素又はC1〜C10アルキルであり、mは1〜1200の整数である。)を有するものが含まれるが、それらに限定されるものではない。一つの態様に従い、R5、R6、R7、及びR8は、独立に、水素又はC1〜C4アルキルである。R5、R6、R7、及びR8は、独立に、水素又はメチルであるのが好ましい。好ましい態様によれば、R5がメチルであり、R6、R7、及びR8が水素である。mは1〜100の範囲にあるのが好ましい。 一般に、反応は、アミンに対し、モル過剰のメタノール及び環式カーボネート、脂肪族ポリエステル、又はそれらの混合物を用いて行われ、即ち、メタノール及び環式カーボネート、脂肪族ポリエステル、又はそれらの混合物対アミンのモル比は1より大きい。アミン対環式カーボネート、脂肪族ポリエステル、又はそれらの混合物のモル比は、約1:1〜約1:10の範囲にあるのが好ましく、一層好ましくは約1:1.1〜約1:1.3の範囲にある。アミン対メタノールのモル比は約1:2〜約1:20の広い範囲にあり、好ましくは約1:3〜約1:10の範囲にある。 反応は、約120〜約160℃で行われるのが典型的であり、好ましくは約120〜約150℃、一層好ましくは約120〜約140℃で行われる。反応は、約60〜約200psiの範囲の圧力で行うことができる。反応は、約120〜約150psiの範囲の圧力で行うのが好ましい。 一般に、反応は、約3〜約40時間、好ましくは約5〜30時間行われる。 第四級アンモニウムメトカーボネートを生ずる反応工程は、副生成物としてエチレングリコール及びプロピレングリコールのようなグリコールも生ずる。例えば、環式カーボネートが炭酸プロピレンである場合、反応は次のようになる:(式中、R1、R2、及びR3は上で定義した通りである。) どのような理論によっても束縛されるものではないが、本発明者は、下に示すように、炭酸プロピレンが先ずメタノールと反応し、炭酸ジメチル及びプロピレングリコールを生ずると考えている。 アミンNR1R2R3は、この第一反応に触媒作用を及ぼす。本発明者は、更に形成された炭酸ジメチルがアミンと反応し、第四級アンモニウムメトカーボネートを生ずるものと仮定している。従って、反応は、第四級アンモニウムメトカーボネート及びプロピレングリコールを生ずる。 反応速度を向上させるため、即ち反応を加速するため、反応混合物に炭酸ジメチルを添加してもよい。炭酸ジメチルは、生成物中の第四級アンモニウムバイカーボネート及びカーボネート対グリコールの比をバランスさせる機能も果たす。アミン対炭酸ジメチル(反応前)のモル比は、約2:1〜約1:3の範囲にあるのが好ましく、一層好ましくは約1.25:1〜約1:1.25の範囲にある。 本発明者は、全カーボネート原料(即ち、全環式カーボネート及び脂肪族ポリエステル)対アミンの反応中のモル比は、約1:1〜5:1の範囲にあるが好ましく、一層好ましくは1.25:1〜2.5:1、最も好ましくは1:1.5〜1:2の範囲にあることを見出している。 このように、好ましい態様としての本発明の反応は、アミンを第四級アンモニウムメトカーボネートへ実質的に完全に転化するため、アミンに対しモル過剰のメタノール及び炭酸ジメチルを用いている。環式カーボネートは、実質的に完全にグリコール及び炭酸ジメチルへ転化されるのが好ましい。グリコールは生成物中に留まっていてもよい。 環式カーボネート対アミンのモル比は、反応生成物中に希望の重量比のグリコール対第四級アンモニウムメトカーボネートが得られるように変化させることができる。最終生成物中のメタノールは容易に蒸留除去することができるが、グリコールの除去は遥かにコストがかかる。一つの態様によれば、環式カーボネート対アミンのモル比は、1より僅かに大きく、例えば、約1:1.1〜約1:1.5、或は約1:1.1〜約1:1.3である。モル比を1に近く維持することにより、最終生成物中のプロピレングリコール対第四級アンモニウムメトカーボネート、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートの重量比は、一般に約1:3〜約1:7の範囲にあり、好ましくは約1:5である。 第四級アンモニウムメトカーボネートを形成した後、過剰のメタノール及び炭酸ジメチルを、簡単な蒸留により除去し、回収することができる。第四級アンモニウムメトカーボネートは、当分野で既知の方法により分離し、精製することができる。 第四級アンモニウムアルキルカーボネートの製造 本発明の別の態様により、式:(式中、R1、R2、及びR3は上で定義した通りであり、R9はC1〜C10アルキルである。)を有する第四級アンモニウムアルキルカーボネートが与えられる。一つの好ましい態様によれば、R9はC1〜C4アルキルである。一層好ましくはR9は、メチル、エチル、又はプロピルである。 代表的な第四級アンモニウムアルキルカーボネートには、ジデシルジメチルアンモニウムエチルカーボネート、ドデシルトリメチルアンモニウムエチルカーボネート、ジオクチルジメチルアンモニウムエチルカーボネート、オクタデシルトリメチルアンモニウムエチルカーボネート、ジオクタデシルジメチルアンモニウムエチルカーボネート、トリオクチルメチルアンモニウムエチルカーボネート、及び前述のいずれかの組合せが含まれるが、それらに限定されるものではない。 第四級アンモニウムアルキルカーボネートは、アミン及びメタノールをエステルと反応させることにより製造される。適当なアミンには上に記載したものが含まれるが、それらに限定されるものではない。 適当なエステルには、式:(式中、R9は上で定義した通りであり、R10はC1〜C10アルキルである。)を有するものが含まれるが、それらに限定されるものではない。一つの態様によれば、R10はC1〜C4アルキル、例えば、メチル、エチル、又はプロピルである。好ましいエステルは炭酸ジエチル(即ち、R9及びR10がエチルである場合)である。 一般に、反応は、アミンに対しモル過剰のメタノール及びエステルを用いて行われる。即ち、メタノール及びエステル対アミンのモル比は1より大きい。アミン対エステルのモル比は、約1:1〜約1:10の範囲にあるのが好ましく、一層好ましくは1:1.1〜約1:1.3の範囲にある。アミン対メタノールのモル比は、広くは約1:2〜約1:20の範囲にあり、好ましくは約1:3〜約1:10の範囲にある。 反応条件は、一般にメトカーボネートの製造について記載したものと同じである。 第四級アンモニウムアルキルカーボネートを生ずる反応工程は、式、R9OH、R10OHを有するアルカノール、又はそれらの混合物も生ずる。例えば、エステルが環式カーボネート、炭酸プロピレンである場合、反応は次のようになる:式中、R1、R2、R3、R9及びR10は上で定義した通りである。 どのような理論によって束縛されるものではないが、本発明者は、エステルが先ずメタノールと反応し、式、CH3OC(O)OR9、CH3OC(O)OR10のメチルエステル、或はそれらの混合物、及びR9OH、R10OH、又はそれらの混合物を形成すると考えている。アミンNR1R2R3は、この第一反応に触媒作用を及ぼす。更に本発明者は、形成されたメチルエステルがアミンと反応し、第四級アンモニウムアルキルカーボネートを生ずると仮定している。従って、反応は、第四級アンモニウムアルキルカーボネート及びアルカノール(R9OH、R10OH、又はそれらの混合物)を生ずる。第四級アンモニウムアルキルカーボネートのアルキルカーボネート陰イオンは、[OC(O)OR9]-、[OC(O)OR10]-、又はそれらの混合物にすることができる。 反応速度を向上するため、即ち、反応を加速するため、式、R9OC(O)OCH3、又はR10OC(O)OCH3の式の炭酸アルキルメチルを反応混合物へ添加してもよい。アミン対炭酸アルキルメチルのモル比(反応前)は、約2:1〜約1:3の範囲にあるのが好ましく、一層好ましくは約1.25:1〜約1:1.25の範囲にある。 本発明者は、全カーボネート原料(即ち、全エステル)対アミンの反応中のモル比は、約1:1〜5:1の範囲にあるのが好ましく、一層好ましくは1.25:1〜2.5:1、最も好ましくは1:1.5〜1:2の範囲にあることを見出している。 このように、好ましい態様としての本発明の反応は、アミンを第四級アンモニウムアルキルカーボネートへ実質的に完全に転化するため、アミンに対しモル過剰のメタノール及び炭酸アルキルメチルを使用している。エステルは、実質的に完全にアルカノール及び炭酸アルキルメチルへ転化される。アルカノールは生成物中に留まっている。 第四級アンモニウムアルキルカーボネートが形成された後、過剰のメタノール及び炭酸アルキルメチルは、簡単な蒸留により除去し、回収することができる。第四級アンモニウムアルキルカーボネートは、当分野で既知の方法により分離し、精製することができる。 第四級アンモニウムメトカーボネート又は第四級アンモニウムアルキルカーボネートから、対応する第四級アンモニウムバイカーボネートへの転化 本発明の方法により製造される第四級アンモニウムメトカーボネート又はアルキルカーボネートは、加水分解及び他の交換反応〔例えば、脱加水分解(de−hydrolysis)〕のような当分野で既知の方法により対応するバイカーボネート、カーボネート、又はそれらの混合物へ転化することができる。例えば、メトカーボネート又はアルキルカーボネートを水と一緒に周囲条件で撹拌し、反応(加水分解)を行わせ、対応するバイカーボネート及びアルカノール(メトカーボネートの場合にはメタノール、アルキルカーボネートの場合にはR9OH、R10OH、又はそれらの混合物)にすることができる。次に水を添加して、その水及び残留する全てのメタノールを蒸留除去するか、或はメトカーボネート又はアルキルカーボネートがバイカーボネートへ加水分解する場合に形成されたメタノール又は他のアルカノールを蒸留除去してもよい。蒸留は当分野で標準的な方法により、大気圧又は減圧で行うことができる。 バイカーボネートは、当分野で既知のどのような方法によってカーボネートへ転化してもよい。例えば、バイカーボネートは加熱して(例えば、水中で)、対応するカーボネート、二酸化炭素、及び水を生成させることができる。 もしメタノールをバイカーボネート溶液から蒸留除去するならば、その熱によりバイカーボネートの幾らか又は全てを対応するカーボネートへ転化することができる。 生成物中のメタノール及びアルカノールは、当分野で既知のいずれかの方法、例えば、上で論じたような蒸留により、反応中又は反応後、回収することができる。第四級アンモニウムバイカーボネートは、当分野で既知の方法により分離し、精製することができる。 本発明の方法は、式:を有する第四級アンモニウムバイカーボネート、及び式:(式中、R1、R2、及びR3は上で定義した通りである。)を有する第四級アンモニウムカーボネートを生成することができる。 好ましい態様によれば、転化により、第四級アンモニウムバイカーボネート及び第四級アンモニウムカーボネートの全重量を100%として、約70〜約90重量%の第四級アンモニウムバイカーボネート及び約10〜約30重量%の第四級アンモニウムカーボネートを含有する混合物を形成する結果になる。 本発明での混合、添加、及び反応工程は、当業者に既知の慣用的手段により達成することができる。どの個々の工程でも、反応物又は溶媒の添加順序は方法に影響を与えない。反応物及び(又は)溶媒は、どのような適当な反応容器でも順次又は同時に添加することができる。本発明の方法が、商業的規模の製造技術及び装置に適し、然も、小規模の製造に便利であることは重要である。 次の実施例は本発明を例示するものであり、限定するものではない。全ての部及び%は、別に指示しない限り、重量に基づいている。 A. アミンから対応する第四級アンモニウムメトカーボネートへの転化の測定 対応する第四級アンモニウムメトカーボネートへ転化されるアミンの量は、次のようにして決定した。第四級アンモニウムメトカーボネートが形成された後、与えられた試料にガスクロマトグラフィーを実施した。溶液のガスクロマトグラフィー測定は、ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)7673GC/SFC自動注入器を具えたヒューレット・パッカード5890型シリーズIIクロマトグラフを用いて実施された。その自動注入器は、300℃で注入器中へ1μlの溶液を注入するものである。カラム温度を100℃で出発させ、5分間保持した後、8℃/分で300℃へ上昇し、次に更に5分間保持した。 ガスクロマトグラフィー注入器中で、第四級アンモニウムメトカーボネートは分解した。例えば、ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートは、分解して主にデセン及びデシルジメチルアミン、及び少量のジデシルメチルアミンを生成した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートの純粋溶液中で、ジデシルメチルアミンピークは、全クロマトグラムの領域の13%を占めていた。ジデシルメチルアミンピークの面積が最初100%から、100%の転化を表す13%まで低下したことに従って、ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートへ転化したジデシルメチルアミン及び炭酸プロピレンの%を計算した。転化した他のアミンの量は、同様な方法で決定することができる。 標準ラウリル硫酸ナトリウム滴定剤及びブロモフェノールブルー指示薬を用いた二相滴定を行い、第四級アンモニウム化合物の形成を確認した。 B. 第四級アンモニウムメトカーボネートの製造 次の例は、磁気撹拌器及びタービン型プロペラを具えた1リットルのステンレス鋼パール(Parr)型4520反応器で行なった。反応器の温度を、水充填コイルにより冷却された内部及び外部電気加熱器を有するパール4843型制御器により±1°内に制御した。0〜200psiの範囲の圧力を測定することができるアッシュクロフト(Ashcroft)圧力ゲージを反応器に取付けた。反応器の内容物が60℃に到達するまで小さなブリードバルブ(bleed valve)を部分的に開いたままにし、反応器中の残留空気を除去し易くした。 例1 反応器に、295g(0.95モル)のジデシルメチルアミン〔92%(w/w)の純度及び8%(w/w)トリデシルアミン〕、153g(1.5モル)の炭酸プロピレン、及び177g(5.7モル)のメタノールを導入した。混合物を撹拌しながら140℃に28時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。 最初に溶液は二相からなっていた。上の層は本質的に純粋なジデシルメチルアミンであった。15時間後、溶液は単一相になった。15時間の加熱後の溶液の試料を室温へ冷却した時、それは曇り、二相へ分離した。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約90〜95%が、15時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートへ転化し、ジデシルメチルアミンの約99%が、28時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートへ転化した。 例2 反応器に、1:1.2:6.5のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を130℃に16時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初に、溶液は二相からなっていた。加熱後、溶液は二相のままであった。上の層はトリデシルアミンが多かった。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約75〜80%が、16時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例3 反応器に、1:1.6:10のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を130℃に20時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初に、溶液は二相からなっていた。16時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約85〜90%が、20時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例4 反応器に、1:2:10のモル比でジデシルメチルアミン(純度100%)、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に23時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。6時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約97〜100%が、23時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例5 反応器に233g(0.75モル)のジデシルメチルアミン〔純度96%(w/w)、4%(w/w)のトリデシルアミン〕、76.5g(0.75モル)の炭酸プロピレン、67.5g(0.75モル)の炭酸ジメチル、及び233g(7.5モル)のメタノールを導入した。混合物を140℃に8.5時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。2.5時間後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約75、95、及び99%が、2.5、5.5、及び8.5時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例6 反応器に、1:1:4:0.4のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、メタノール、及び炭酸ジメチルを導入した。混合物を150℃に20時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。20時間の加熱後、溶液は二相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約75%が、20時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例7 反応器に、1:1:10:1のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、メタノール、及び炭酸ジメチルを導入した。混合物を130℃に21時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。21時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約97%が、21時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例8 反応器に、1:1:7:0.7のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、メタノール、及び炭酸ジメチルを導入した。混合物を140℃に15時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。6時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約98%が、15時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例9 反応器に、1:1:4:1のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、メタノール、及び炭酸ジメチルを導入した。混合物を150℃に17時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。17時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約85%が、17時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例10 反応器に、1:1:7:0.7のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、メタノール、及び炭酸ジメチルを導入した。混合物を150℃に16時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。3時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約98%が、16時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例11 反応器に、1:1:10:1のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、メタノール、及び炭酸ジメチルを導入した。混合物を120℃に28時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。10時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの約98〜100%が、28時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例12 反応器に、1:1:10:1のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、メタノール、及び炭酸ジメチルを導入した。混合物を140℃に15時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの95〜98%が、15時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例13 反応器に、1:2:10のモル比でドデシルジメチルアミン、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に6時間加熱した。ドデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。 ガスクロマトグラフィーにより、ドデシルジメチルアミンの96%及び100%が、夫々3時間及び6時間の加熱後にドデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例14 反応器に、1:1:1:10のモル比でドデシルジメチルアミン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に3時間加熱した。ドデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。 ガスクロマトグラフィーにより、ドデシルジメチルアミンの100%が、3時間の加熱後にドデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例15 反応器に、1:2:10のモル比でジオクチルメチルアミン、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に14時間加熱した。ジオクチルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。5.5時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、ジオクチルメチルアミンの85%及び98%が、夫々5.5時間及び14時間の加熱後にジオクチルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例16 反応器に、1:2:10のモル比でオクタデシルジメチルアミン、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に5時間加熱した。オクタデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。 ガスクロマトグラフィーにより、オクタデシルジメチルアミンの97%が、5時間の加熱後にオクタデシルトリメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例17 反応器に、1:2:10のモル比でジオクタデシルメチルアミン、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に26時間加熱した。ジオクタデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。 ガスクロマトグラフィーにより、ジオクタデシルメチルアミンの80%が、ジオクタデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例18 反応器に、1:2:10のモル比でトリオクチルアミン、炭酸プロピレン、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に38時間加熱した。トリオクチルメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。38時間の加熱後、溶液は依然として二相からなっていた。 ガスクロマトグラフィーにより、トリオクチルアミンの85%が、38時間の加熱後にトリオクチルメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 例19 反応器に、1:2:10のモル比でジデシルメチルアミン、炭酸エチレン、及びメタノールを導入した。混合物を140℃に26時間加熱した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートが生成した。最初は、溶液は二相からなっていた。6時間の加熱後、溶液は一相からなっていた。更に26時間後、溶液は暗くなった。 ガスクロマトグラフィーにより、ジデシルメチルアミンの85%が、26時間の加熱後にジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートに転化していた。 C. 第四級アンモニウムバイカーボネートの製造 例20 例1からの混合物を冷却し、ドライアイス・アセトン浴中で冷却したフラスコに接続した蒸留ヘッド凝縮器及び真空系への接続部を有するヴィグロウカラム(Vigreux column)を具えた丸底フラスコに移した。フラスコを油浴中に入れ、真空度を0.2気圧へ下げながらゆっくり加熱した。浴温度をゆっくり75℃へ上昇させながら蒸留を3時間に亙り継続した。全部で165gの液体が収集された。炭酸ジメチル(密度1.07g/cc)と、メタノール(密度0.79g/cc)との既知の混合物に基づく密度曲線を用いて、例1からの混合物が20重量%の炭酸ジメチルを含有することが推定された。400gの水をフラスコに添加し、そのフラスコを油浴中に入れた。蒸留物の試料が0.98g/ccより大きな密度になるまで、真空をゆっくり適用し、55〜75℃の温度で約5時間に亙り水(全部で約250g)を蒸留除去した。生成物は、第四級アンモニウムバイカーボネート及びカーボネート(60%)、プロピレングリコール及び水、及び1%未満のメタノールの混合物約600gを含んでいた。更に110g水を添加し、混合物を希釈し、50重量%の第四級アンモニウムバイカーボネート及びカーボネート混合物、16重量%のプロピレングリコール、及び34重量%の水を含む生成物を生成させた。 例21 例7で得られた混合物中のメトカーボネートを、例20に記載した手順により対応するバイカーボネート及びカーボネートに転化した。得られた混合物は、50重量%の第四級アンモニウムバイカーボネート及びカーボネート混合物、10重量%のプロピレングリコール、及び40重量%の水を含有していた。 例22 ストリッピング凝縮器及び30ガロンの受容器を具えた50ガロンの反応器に、116.4ポンド(0.374ポンドモル)のジデシルメチルアミン、38.2ポンド(0.374ポンドモル)の炭酸プロピレン、33.7ポンド(0.374ポンドモル)の炭酸ジメチル、及び119.7g(3.740ポンドモル)のメタノールを導入した。反応器を140℃に加熱し、そこで6〜9時間維持した。反応器を150psigに維持した。140℃で6時間後、反応器から試料を取り、反応器中の第四級アンモニウム化合物及び遊離アミンの%を決定した。第四級アンモニウム化合物対未反応アミンの比率が97.5:2.5より大きくなるまで周期的に試料を採取した。第四級アンモニウム化合物は、NMRによりジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートとして同定された。 過剰のメタノール及び炭酸ジメチルを100℃、大気圧でのストリッピングにより、もはや蒸留物が収集されなくなるまで除去した。反応器を60℃に冷却した。ストリッピング凝縮器及び受容器の内容物を55ガロンのドラム中へ流出させた。ストリッピング凝縮器及び受容器へ完全なグリコール冷却を適用し、更に残留炭酸ジメチル及びメタノールをストリップ除去するため、充分な真空(〜4mmHg)を反応器系に適用した。もはや蒸留物が収集されなくなった時、反応器を窒素で大気圧まで通気した。受容器の内容物を55ガロンのドラム中へ流出させた。全部で129ポンドの炭酸ジメチル及びメタノールがドラムに収集された。 60℃の反応器の内容物に、109.6ポンドの水を添加した。反応器を80℃に加熱し、2〜3時間維持した。ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートを加水分解し、ジデシルジメチルアンモニウムバイカーボネート/カーボネートにした。更に水を添加し、第四級アンモニウム化合物の最終濃度が約50〜52%、プロピレングリコールが約9〜11%、及びメタノールが3.5%未満になるようにした。 上で言及した全ての特許、出願、論文、刊行物、及び試験方法は、参考のためここに入れてある。 上の詳細な記述を考慮して、当業者には本発明の多くの変化が示唆されるであろう。そのような種々の明白な変化は、特許請求の範囲の意図する全範囲内に入るものである。 式:(式中、R1及びR2は、独立に、C1〜C30アルキルであり、R3は、C8〜C30アルキルである。)を有する第四級アンモニウムメトカーボネートを製造する方法において、 (a) 式、NR1R2R3を有するアミン、 (b) 式:(式中、R4は、水素又はC1〜C4アルキルであり、nは1〜10の整数である。)を有する環式カーボネート、及び (c) メタノール、を反応させてメトカーボネートを形成することを含む、上記第四級アンモニウムメトカーボネート製造方法。 R1及びR2が、独立に、C1〜C20アルキルであり、R3がC8〜C20アルキルである、請求項1に記載の方法。 R1及びR2が、独立に、C1〜C16アルキルであり、R3がC8〜C16アルキルである、請求項1に記載の方法。 R1がメチルである、請求項3に記載の方法。 R2がC1〜C20アルキルである、請求項1に記載の方法。 R2がメチルである、請求項5に記載の方法。 R2がC8〜C12アルキルである、請求項5に記載の方法。 R2がC10アルキルである、請求項7に記載の方法。 R3がC8〜C20アルキルである、請求項1に記載の方法。 R3がC8〜C12アルキルである、請求項9に記載の方法。 R3がC10アルキルである、請求項10に記載の方法。 R1がメチルであり、R2及びR3が、独立に、C8〜C12アルキルである、請求項1に記載の方法。 R2及びR3がC10アルキルである、請求項12に記載の方法。 R1及びR2がメチルであり、R3がC8〜C20アルキルである、請求項1に記載の方法。 アミンを、ジデシルメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ジオクチルメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ジオクタデシルメチルアミン、トリオクチルアミン、及びそれらのいずれかの組合せからなる群から選択する、請求項1に記載の方法。 R4が、水素又はメチルである、請求項1に記載の方法。 環式カーボネートが炭酸エチレンである、請求項16に記載の方法。 環式カーボネートが炭酸プロピレンである、請求項16に記載の方法。 アミン対成分(b)のモル比が、1:1〜1:10の範囲にある、請求項1に記載の方法。 アミン対成分(b)のモル比が、1:1.1〜1:1.3の範囲にある、請求項19に記載の方法。 アミン対メタノールのモル比が、1:2〜1:20の範囲にある、請求項1に記載の方法。 反応工程を、120〜160℃で行う、請求項1に記載の方法。 反応工程を、120〜150℃で行う、請求項22に記載の方法。 反応工程を、120〜140℃で行う、請求項23に記載の方法。 炭酸ジメチルを回収する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。 炭酸ジメチルが付加的な反応剤として存在する、請求項1に記載の方法。 アミン対炭酸ジメチルのモル比が、2:1〜1:3の範囲にある、請求項26記載の方法。 前記アミンはジデシルメチルアミンであり、 前記環式カーボネートは、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、及びそれらの混合物からなる群から選択され、及び ジデシルジメチルアンモニウムメトカーボネートを形成する、 請求項1に記載の方法。 炭酸ジメチルが付加的な反応剤として存在する、請求項28に記載の方法。 環式カーボネートが炭酸プロピレンである、請求項28に記載の方法。 前記第四級アンモニウムメトカーボネートを、第四級アンモニウムバイカーボネートと第四級アンモニウムカーボネートとの混合物へ転化する更なる工程を含む、請求項1に記載の方法。