タイトル: | 特許公報(B2)_オリゴヌクレオチド合成用のアクチベーター |
出願番号: | 2003510678 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07D 275/06,C07D 233/58,C07H 21/04 |
シンハ,ナンダ ゼダリス,ウィリアム・エドワード ミランダ,グレゴリー・キース JP 4574167 特許公報(B2) 20100827 2003510678 20020701 オリゴヌクレオチド合成用のアクチベーター アベシア・バイオテクノロジー・インコーポレーテッド 502449299 社本 一夫 100089705 増井 忠弐 100076691 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 シンハ,ナンダ ゼダリス,ウィリアム・エドワード ミランダ,グレゴリー・キース US 60/302,717 20010703 20101104 C07D 275/06 20060101AFI20101014BHJP C07D 233/58 20060101ALI20101014BHJP C07H 21/04 20060101ALI20101014BHJP JPC07D275/06C07D233/58C07H21/04 A C07D 275/06 C07D 233/58 C07D 213/18 C07H 21/04 CAplus(STN) REGISTRY(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 国際公開第99/062922(WO,A1) 特表2000−509724(JP,A) 特開平04−330093(JP,A) MORIGUCHI,J. ORG. CHEM.,2000年,V65,P8229-8238 34 GB2002003029 20020701 WO2003004512 20030116 2004533488 20041104 29 20050701 早乙女 智美発明の詳細な説明 発明の背景 合成オリゴヌクレオチドは、遺伝子病(genetic disease)及びウイルス疾患の検出に重要な診断ツールである。さらに、オリゴヌクレオチド及び修飾オリゴヌクレオチドは、遺伝子発現又はタンパク質機能を阻害する治療候補物質として興味深い。治療候補物質としての使用へのオリゴヌクレオチドの大量合成は、サイトメガロウイルス(CMV)の治療用オリゴヌクレオチド類似体のFDA承認以来ますます重要になってきて、他のいくつかのオリゴヌクレオチド類似体が現在臨床試験中である。それぞれの臨床試験にはキログラム量の精製オリゴヌクレオチド類似体が必要とされる。 ホスホロアミダイトの方法論を使用するオリゴヌクレオチドの製造には、ヌクレオシドホスホロアミダイト(phosphoramidite)とヌクレオシド又は新生(nascent)オリゴヌクレオチドの縮合を伴う。この縮合反応(本明細書ではカップリング反応とも呼ぶ)は、この反応を促進するアクチベーター(あるいは、カップリング剤としても知られる)を必要とする。最も一般的に使用されるアクチベーターは、求核アクチベーターの1H−テトラゾールである。しかしながら、1H−テトラゾールは爆発性であり、故に、大量合成における使用に危険であり得る。 1H−テトラゾールは弱酸であり、活性化の第一工程の間にホスホロアミダイトの三価リンをプロトン化する。次いで、テトラゾールアニオンは、第二のより遅い工程の間にホスホロアミダイトのジアルキルアミン基(例、N,N−ジイソプロピルアミン)に置き換わってテトラゾリル中間体を生じ、次いでこれがヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドの5’−一級アルコール基と迅速に反応する。t−ブチルジメチルシリル保護化リボヌクレオシドホスホロアミダイト又は2’−O−メチルヌクレオシドホスホロアミダイトのような立体障害性ホスホロアミダイトがオリゴヌクレオチド合成に使用されるときは、カップリング反応の速度を高めるために代替アクチベーターがしばしば必要とされる。5−エチルチオ−1H−テトラゾール、5−(p−ニトロフェニル)−1H−テトラゾール、及びベンゾイミダゾリウムトリフレートのような代替アクチベーターはしばしばテトラゾールより酸性であるので、三価リンのプロトン化の速度を加速し、それにより縮合の速度を高める。 しかしながら、テトラゾール、5−エチルチオ−1H−テトラゾール、5−(p−ニトロフェニル)−1H−テトラゾール、及びベンゾイミダゾリウムトリフレートは酸性であるので、それらは、典型的には酸に不安定な基であるホスホロアミダイトモノマーの5’−ヒドロキシ保護基の早まった脱保護(premature deprotection)を引き起こす場合がある。早まった脱保護は、所望の生成物より1塩基長く、所望の生成物から分離することが難しいオリゴヌクレオチド不純物(本明細書では、「N+1不純物」と呼ぶ)を生成する場合がある。一般に、RNA合成及び大量合成に必要なカップリング時間が長くなるほど、ホスホロアミダイトの早まった脱保護の増加をもたらす。 故に、オリゴヌクレオチドを診断及び治療目的の使用により容易に利用可能とするためには、ヌクレオシドホスホロアミダイトのヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドとの縮合を促進し、副生成物を増加することなく利用することが可能である非爆発性のアクチベーターが必要とされる。 発明の要約 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンがヌクレオシドホスホロアミダイトとヌクレオシドモノマー又は新生オリゴヌクレオチドの縮合を促進することが発見された。1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンは、構造式Iにより表すことが可能である:[構造式Iにおいて、pは、0であるか、又は1〜4の整数である。Rは、それぞれの存在につき(for each occurrence)、置換基であり、好ましくは、それぞれ独立して、ハロ、置換又は非置換脂肪族基、−NR11R12、−OR13、−OC(O)R13、−C(O)OR13、シアノ、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロシクリル、−CHO、COR13、−NHCOR13、置換又は非置換アラルキル、ハロゲン化アルキル(例、トリフルオロメチル及びトリクロロメチル)、又は−SR13である。好ましくは、Rが、ハロ、置換又は非置換脂肪族基、−NR11R12、−OR13、−OC(O)R13、−C(O)OR13、又はシアノである。あるいは、2つの隣接R基は、それらへ付いた炭素原子と一緒に6員の飽和又は不飽和環を形成する。好ましくは、形成される6員環が芳香環である。R11及びR12は、それぞれ独立して、−H、置換又は非置換脂肪族基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アラルキル基であるか;又はそれらへ付いた窒素原子と一緒にヘテロシクリル基を形成する。R13は、置換又は非置換脂肪族基、置換又は非置換アリール基、又は置換又は非置換アラルキル基である。X7は、O又はSである。好ましくは、X7がOである。X7がOであり、pが0であることが特に好ましい]。 好ましい態様において、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及び有機塩基の塩複合体(salt complex)は、ヌクレオシドホスホロアミダイトとヌクレオシドモノマー又は新生オリゴヌクレオチドの縮合を効率的に促進するために使用可能である。従って、本発明の1つの態様は、構造式Iにより表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと有機塩基の塩複合体である。 有機塩基の存在下で、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンは、特にオリゴヌクレオチド合成に典型的に使用される有機溶媒において良好な溶解性を有する。故に、本発明の別の態様は、有機溶媒、有機塩基、及び構造式Iにより表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンが含まれるアクチベーター溶液である。アクチベーター溶液中の1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及び有機塩基の濃度は、関わる溶媒中の1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンの溶解度まで可能である。好ましい態様において、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと有機塩基は、約0.01M〜約2M、例えば約0.05M〜約0.5Mの濃度範囲で存在する。通常、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと有機塩基は、約0.1M〜約0.25Mのように、0.25Mまでの濃度で存在する。より好ましい態様において、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと有機塩基は、同じモル濃度で存在する。好ましい態様において、有機溶媒はアセトニトリルを含む。別の好ましい態様において、有機溶媒は、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのような有機アミドを含む。 別の態様において、オリゴヌクレオチドは、カップリング剤が構造式Iにより表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンであるホスホロアミダイト化学を使用して合成可能である。カップリング剤は、フリーヒドロキシ若しくはチオール基を有するヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドとホスホロアミダイトとの間の縮合を促進する。好ましい態様において、有機塩基は、カップリング反応の間、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンとともに存在する。より好ましい態様において、有機塩基は、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと同じモル濃度で存在する。 ヌクレオシドホスホロアミダイトは、モノマーであっても、ダイマー又はトリマーのようなオリゴマーであってもよい。ヌクレオシドホスホロアミダイトがモノマーである場合、それは構造式IIaにより表すことが可能である:[構造式IIaにおいて、X1は、それぞれの存在につき、独立して、−O−又は−S−である。好ましくは、X1がどの存在でも−O−である。X2は、それぞれの存在につき、独立して、−O−、−S−、又は−NR−である。好ましくは、X2がどの存在でも−O−である。X3は、それぞれの存在につき、独立して、−O−、−S−、−CH2−、又は−(CH2)2−である。好ましくは、X3がどの存在でも−O−である。より好ましい態様において、X1、X2、及びX3は、どの存在でもすべて−O−である。R1は、アルコール保護基又はチオール保護基である。好ましくは、R1が酸に不安定な保護基である。R2は、それぞれの存在につき、独立して、−H、−F、−OR6、−NR7R8、−SR9、又はメチル若しくはアリルのような置換又は非置換脂肪族基である。R3は、それぞれの存在につき、独立して、−OCH2CH2CN、−SCH2CH2CN、置換又は非置換脂肪族基、−OR10、−SR10、−O−CH2CH2−Si(CH3)2C6H5、−O−CH2CH2−S(O)2−CH2CH3、−O−CH2CH2−C6H4−NO2、−S−CH2CH2−Si(CH3)2C6H5、−S−CH2CH2−S(O)2−CH2CH3、又は−S−CH2CH2−C6H4−NO2である。R4及びR5は、それぞれ独立して、置換又は非置換脂肪族基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アラルキルである。あるいは、R4及びR5は、それらへ結合した窒素と一緒にヘテロシクリル基を形成する。R6は、それぞれの存在につき、独立して、−H、置換又は非置換脂肪族基(例、メチル、エチル、メトキシエチル、又はアリル)、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アラルキル、アルコール保護基、又は−(CH2)q−NR18R19である。R7及びR8は、それぞれの存在につき、それぞれ独立して、H、置換又は非置換脂肪族基、又はアミン保護基である。あるいは、R7及びR8は、それらへ付いた窒素と一緒にヘテロシクリル基となる。R9は、それぞれの存在につき、独立して、−H、置換又は非置換脂肪族基、又はチオ保護基である。R10は、それぞれの存在につき、独立して、置換又は非置換脂肪族基、置換又は非置換アリール基、又は置換又は非置換アラルキル基である。R18及びR19は、それぞれ独立して、−H、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換ヘテロアリール基、置換又は非置換脂肪族基、置換又は非置換アラルキル基、置換又は非置換へテロアラルキル基、又はアミン保護基である。あるいは、R18及びR19は、それらへ付いた窒素と一緒にヘテロシクリル基を形成する。qは、1〜約6の整数である。Bは、−H、天然又は非天然ヌクレオ塩基(natural or unnatural nucleobase)、保護化ヌクレオ塩基、保護化天然又は非天然ヌクレオ塩基、複素環、又は保護化複素環である]。 別の態様において、ホスホロアミダイトは、ダイマー又はトリマーのようなオリゴマーであってよい。ヌクレオシドホスホロアミダイトのダイマー及びトリマー(trimer)をオリゴヌクレオチドのホスホロアミダイト合成において製造及び利用する方法が国際特許出願PCT/GB01/03973号に開示され、この教示全体は本明細書に援用される。 ヌクレオシドホスホロアミダイトの糖部分は、天然に存在するDNA及びRNAや構造式IIaにあるようなD配置をとってよく、又はそれはL配置をとってもよい。構造式IIbは、L−ヌクレオシドホスホロアミダイトを表す:[構造式IIbにおいて、X1、X2、X3、R1、R2、R3、R4、R5、及びBは、上記に定義される通りである]。 別の態様において、ヌクレオシドホスホロアミダイトのホスホロアミダイト基は糖環の5’位へ付く場合がある。この態様において、ヌクレオシドホスホロアミダイトは、構造式IIIa及びIIIbにより表すことが可能である:[構造式IIIa及びIIIbにおいて、X1、X2、X3、R1、R2、R3、R4、R5、及びBは、上記に定義される通りである]。 別の態様において、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンは、新生nマーオリゴヌクレオチド(即ち、n個のヌクレオ塩基を有するオリゴヌクレオチド)とヌクレオシドホスホロアミダイトの縮合を促進して(n+1)マーオリゴヌクレオチドを生じるために使用可能である。好ましくは、ヌクレオシドホスホロアミダイトを構造式IIaにより表すことが可能である。新生オリゴヌクレオチドは、構造式IVにより表すことが可能である:[構造式IVにおいて、X1、X2、X3、R2、R3、及びBは、上記に定義される通りである。それぞれのX4は、それぞれの存在につき、独立して、O又はSである。X5は、それぞれの存在につき、独立して、−OH又は−SHである。好ましくは、X5が−OHである。R16は、ヒドロキシ保護基、チオ保護基、アミノ保護基、−(CH2)q−NR18R19、固形支持体(solid support)、又は式:−Y2−L−Y2−R15の基のような、固形支持体へ付いた切断可能リンカーである。Y2は、それぞれの存在につき、独立して、単結合、−C(O)−、−C(O)NR17、−C(O)O−、−NR17−、又は−O−である。Lはリンカーであり、好ましくは、置換又は非置換脂肪族基、又は置換又は非置換芳香族基である。より好ましくは、Lがエチレン基である。R17は、−H、置換又は非置換脂肪族基、又は置換又は非置換芳香族基である。R15は、当業者に知られた固相オリゴヌクレオチド合成に適した固形支持体である。好適な固形支持体の例には、制御孔(controlled-pore)ガラス、ポリスチレン、ポリ(ジメチルアクリルアミド)のような微細孔性ポリアミド、及びポリエチレンでコートしたポリスチレンが含まれる。多くの態様において、R16は、スクシニル若しくはオキサロイルリンカーのような、固形支持体へ付いた切断可能リンカーを表す。nは、0であるか又は正の整数である]。 新生オリゴヌクレオチドを、ホスホロアミダイトと構造式Iにより表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンに接触させる。好ましい態様において、有機塩基はまた、新生オリゴヌクレオチドが1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと接触するときに存在する。より好ましくは、有機塩基が1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと同じモル濃度で存在する。新生オリゴヌクレオチドは、ホスホロアミダイトと反応して、構造式Vにより表される5’末端3価リン連結(5‘−terminal trivalent phosphorous linkage)を有する(n+1)オリゴヌクレオチドを生じる:[構造式Vにおいて、X1、X2、X3、X4、R1、R2、R3、R16、B、及びnは、上記に定義される通りである]。 次いで、構造式Vにより表されるオリゴヌクレオチドを酸化剤又は硫化剤と接触させて、構造式VIにより表される5価リン骨格を有するオリゴヌクレオチドを生じることが可能である:[構造式VIにおいて、X1、X2、X3、X4、R1、R2、R3、R16、B、及びnは、上記に定義される通りである]。 (n+1)オリゴヌクレオチドを酸化又は硫化した後で、ホスホロアミダイトと反応しなかったX5基は、当該技術分野で知られる慣用のキャッピング技術(capping techniques)によりキャッピングすることが可能である。例えば、未反応のX5基を塩基の存在下に酸塩化物又は無水物と反応させてよい。典型的には、X5基をピリジン中で塩化アセチル又は無水酢酸でキャッピングする。 酸化若しくは硫化工程の後、又はキャッピング工程の後で、(n+1)オリゴヌクレオチドは、R1を除去する試薬とそれを反応させることによって脱保護することが可能である。R1が酸に不安定な保護基であれば、(n+1)オリゴヌクレオチドを酸で処理してR1を除去する。R1が、t−ブチルジメチルシリル基又はトリイソプロピルシリル基のようなトリアルキルシリル基であれば、(n+1)オリゴヌクレオチドをフッ化物イオンで処理してR1を除去することが可能である。典型的には、フッ化テトラブチルアンモニウムのTHF溶液、又は(C2H5)3N・3HFのようなフッ化水素及び共役塩基を用いた処理により、t−ブチルジメチルシリル及びトリイソプロピルシリルを除去する。t−ブチルジメチルシリルを除去する方法は、その教示がそのまま本明細書に援用される、Green ら,「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(1991), ジョンウィリー・アンド・サンズ社、77-83頁、に見出し得る。上記の反応工程、又は反応サイクルは、所望の長さのオリゴヌクレオチドを生じるために、1回以上繰り返してよい。5’末端基が保護されているオリゴヌクレオチド生成物を得ることが所望される場合、反応サイクルの最終工程は、キャッピング工程がなされるならば、キャッピング工程であってよく、又は、キャッピング工程がなされなければ、反応の最終工程は、酸化若しくは硫化工程であってよい。酸化若しくは硫化工程又はキャッピング工程が最終工程である場合、オリゴヌクレオチドは、構造式VIIにより表すことが可能である:[構造式VIIにおいて、X1、X2、X3、X4、R1、R2、R3、R16、及びBは、上記に定義される通りである。mは整数である]。 あるいは、5’保護基を有さないオリゴヌクレオチドを得ることが所望されるならば、反応サイクルの最終工程は、R1の除去であってよい。R1の除去が最終工程である場合、オリゴヌクレオチドは、構造式VIIIにより表すことが可能である:[構造式VIIIにおいて、X1、X2、X3、X4、X5、R1、R2、R3、R16、B、及びmは、上記に定義される通りである]。 本発明の方法により生成されるオリゴヌクレオチドは、既定の保護基及び/又は固形支持体について当該技術分野で知られた方法を使用して、脱保護し、適宜固形支持体から切り離すことが可能である。 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンは、有機塩基の存在下で、テトラゾールと少なくとも同等の効率でホスホロアミダイト縮合反応を促進する。しかしながら、テトラゾールの代わりに1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンを使用するときは、望まれない副生成物がより少なく生成する。さらに、本発明の複合体は非爆発性であるので、特にオリゴヌクレオチドの大量合成において使用するのがテトラゾールより安全である。 発明の詳細な説明 本明細書に使用される脂肪族基には、完全に飽和しているか又は1以上の非共役二重結合を含有する直鎖若しくは分岐鎖C1〜C18炭化水素、又は完全に飽和しているか又は1以上の非共役二重結合を含有する環式C3〜C18炭化水素が含まれる。アルキル基は、完全に飽和している直鎖若しくは分岐鎖C1〜C8炭化水素又はC3〜C8環式炭化水素である。脂肪族基は、好ましくはアルキル基である。 アリール基には、炭素環式芳香族環系(例、フェニル)と1以上の炭素環式芳香族へ縮合した炭素環式芳香族環系(例、ナフチル及びアントラセニル)、又は1以上の非芳香族環へ縮合した芳香族環系(例、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)が含まれる。 本明細書に使用される複素環式基には、ヘテロアリール基とヘテロアリシクリル(heteroalicyclyl;複素脂環式)基が含まれる。本明細書に使用されるヘテロアリール基には、イオウ、窒素、又は酸素より選択される1以上のヘテロ原子を芳香族環に有する芳香族環系が含まれる。好ましくは、ヘテロアリール基が、1〜4のヘテロ原子を有する5若しくは6員の環系である。本明細書に使用されるヘテロアリシクリル基は、好ましくは、5〜6の原子を有し、窒素、酸素、及びイオウより選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む非芳香族環系である。複素環式基の例には、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチエニル、アゼチジニル、テトラヒドロフリル、ジオキサニル及びジオキセパニル、チエニル、ピリジル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、インダゾリル、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリミジン、ピラジン、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、ベンゾ(b)チエニル、ベンゾイミダゾール、インドール、テトラヒドロインドール、アザインドール、インダゾール、キノリン、イミダゾピリジン、プリン、ピロロ[2,3−d]ピリミジン、及びピラゾロ[3,4−d]ピリミジンが含まれる。 本明細書に使用されるアザヘテロシクリル化合物には、1以上の窒素原子を芳香族環に有するヘテロアリール基と少なくとも1つの窒素原子を非芳香族環系に有するヘテロアリシクリル基が含まれる。好ましくは、アザヘテロアリール化合物は、1〜3の窒素が芳香族環にある5若しくは6員の芳香族環を有する。好ましくは、アザヘテロアリシクリル化合物は、通常1又は2の窒素を環に含んでなる、5若しくは6員の環である。好ましいアザヘテロシクリル化合物は有機塩基である。有機塩基であるアザヘテロシクリル化合物の例には、ピリミジン、1−アルキルピラゾール、特に1−(C1-4アルキル)ピラゾール、1−アリールピラゾール、1−ベンジルピラゾール、ピラジン、N−アルキルプリン、特にN−(C1-4アルキル)プリン、N−アリールプリン、N−ベンジルプリン、N−アルキルピロール、特にN−(C1-4アルキル)ピロール、N−アリールピロール、N−ベンジルピロール、ピリジン、N−アルキルイミダゾール、特にN−(C1-4アルキル)イミダゾール、N−アリールイミダゾール、特にN−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、N−アルキルインドール、特にN−(C1-4アルキル)インドール、N−アリールインドール、N−ベンジルインドール、N−アルキルベンゾイミダゾール、特にN−(C1-4アルキル)ベンゾイミダゾール、N−アリールベンゾイミダゾール、N−ベンジルベンゾイミダゾール、トリアジン、チアゾール、1−アルキル−7−アザインドール、特に1−(C1-4アルキル)−7−アザインドール、1−アリール−7−アザインドール、1−ベンジル−7−アザインドール、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、及びピペラジンが含まれる。特に好ましいアザヘテロシクリル化合物は、ピリジン及び3−メチルピリジンのようなピリジン類と、N−メチルイミダゾールのようなN−(C1-4アルキル)イミダゾールである。 本明細書に使用されるアラルキル基は、アルキル基によりある部分へ連結した芳香族置換基である。好ましいアラルキル基には、ベンジル基が含まれる。 本明細書に使用されるヘテロアラルキル基は、アルキル基によりある部分へ連結したヘテロアリール置換基である。 有機塩基は、pH7でプロトンを受容する傾向を有する有機化合物である。好ましい有機塩基は、二級アミン、三級アミン、又はアザヘテロシクリル化合物であり、このそれぞれは1以上の置換基により置換されても、置換されなくてもよい。非プロトン性有機塩基は、プロトンを受容する前には、その化学構造に水素結合プロトンを有さない有機塩基である。三級アミン及び非プロトン性アザヘテロシクリル化合物のような非プロトン性有機塩基が、好ましくは本明細書に記載の1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと一緒に使用され、縮合反応を促進する。 三級アミンは、3つの炭素原子へ、しばしば3つのアリール、通常はフェニルへ、及び/又はアルキル基、通常は3つのアルキル基へ結合した窒素原子を有する有機塩基であり、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンのようなトリアルキルアミンが含まれる。さらに、三級アミンは、窒素原子が非プロトン性(aprotic)であるアザヘテロシクリル基であってよい。アザへテロシクリル基である三級アミンが好ましい。アザヘテロシクリル三級アミンの例は、N−アルキルピロリジン、N−アリールピロリジン、N−アルキルピロール、N−アリールピロール、N−アルキルモルホリン、N−アリールモルホリン、N−アルキルピペリジン、N−アリールピペリジン、N,N−ジアルキルピペラジン、N,N−ジアリールピペラジン、N−アルキル−N−アリールピペラジン、キヌクリジン、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンである。三級アミンは、アザへテロアリール若しくはアザへテロアリシクリル化合物であってもよい。 二級アミンは、単一の水素と2つの炭素原子へ結合した窒素を含んでなる有機塩基である。通常、窒素原子は2つのアルキル若しくはアリール基へ結合しているか、又はアザ複素環式基の一部を形成する。二級アミン化合物の例には、ジエチルアミン及びジイソプロピルアミンが含まれる。 脂肪族基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アザヘテロアリール基、及びヘテロアリシクリル(heteroalicyclyl)基に適した置換基には、アリール基、ハロゲン化アリール基、アルキル基、ハロゲン化アルキル(例、トリフルオロメチル及びトリクロロメチル)、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ベンジル、置換ベンジル、ハロゲン、特にクロロ及びフルオロ基、シアノ、ニトロ、−S−(脂肪族若しくは置換脂肪族基)、及び−S−(芳香族若しくは置換芳香族基)が含まれる。 アミン、ヒドロキシ、及びチオール保護基は、当業者に知られている。アミン保護基の例については、その教示がそのまますべて本明細書に援用される、Green ら,「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(1991), ジョンウィリー・アンド・サンズ社、309-405頁を参照のこと。好ましくは、アミンはアミド又はカルバメートとして保護される。ヒドロキシ保護基の例については、その教示がそのまま本明細書に援用される、同上、10-142頁を参照のこと。好ましいヒドロキシ保護基は、t−ブチルジメチルシリル基である。チオール保護基の例については、その教示がそのまま本明細書に援用される、同上、277-308頁を参照のこと。 酸に不安定な保護基は、ブロンステッド(Bronsted)若しくはルイス酸と該基を接触させることによって除去可能である保護基である。酸に不安定な保護基は、当業者に知られている。一般的な酸不安定保護基の例には、置換又は非置換トリチル基(同上、60-62頁)、置換又は非置換テトラヒドロピラニル基(同上、31-34頁)、置換又は非置換テトラヒドロフラニル基(同上、36-37頁)、又はピキシル基(同上、65頁)、が含まれる。トリチル基は、通常、アルコキシ基のような電子供与基により置換される。好ましい酸不安定保護基は、置換又は非置換トリチル、例えば4,4’−ジメトキシトリチル(以下、「DMT」)である。 ヌクレオシド塩基には、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、及びウラシルのような天然に存在する塩基と、7−デアザグアニン、7−デアザ−8−アザグアニン、5−プロピニルシトシン、5−プロピニルウラシル、7−デアザアデニン、7−デアザ−8−アザアデニン、7−デアザ−6−オキソプリン、6−オキソプリン、3−デアザアデノシン、2−オキソ−5−メチルピリミジン、2−オキソ−4−メチルチオ−5−メチルピリミジン、2−チオカルボニル−4−オキソ−5−メチルピリミジン、4−オキソ−5−メチルピリミジン、2−アミノプリン、5−フルオロウラシル、2,6−ジアミノプリン、8−アミノプリン、4−トリアゾロ−5−メチルチミン、及び4−トリアゾロ−5−メチルウラシルのような修飾塩基が含まれる。 保護化ヌクレオシド塩基は、該塩基の反応性官能基が保護されているヌクレオシド塩基である。同様に、保護化複素環は、該複素環の反応性置換基が保護されている複素環である。典型的には、ヌクレオシド塩基又は複素環は、アミド又はカルバメートのように、アミン保護基で保護し得るアミン基を有する。例えば、アデニン及びシトシンのアミン基は、典型的には、ベンゾイル保護基で保護され、グアニンのアミン基は、典型的には、イソブチリル基、アセチル基、又はt−ブチルフェノキシアセチル基で保護される。しかしながら、他の保護スキーム(protection schemes)も使用してよい。例えば、迅速な脱保護のためには、アデニン及びグアニンのアミン基をフェノキシアセチル基で保護し、シトシンのアミノ基をイソブチリル基又はアセチル基で保護する。ヌクレオ塩基若しくは複素環保護基の除去の条件は、使用する保護基に依存する。アミド保護基を使用する場合、それは、濃水酸化アンモニウム溶液、n−メチルアミン溶液、又はt−ブチルアミンの水酸化アンモニウム溶液のような塩基溶液でオリゴヌクレオチドを処理することによって除去することができる。 本明細書で使用する用語「オリゴヌクレオチド」には、天然に存在するオリゴヌクレオチド、例えば2’−デオキシリボ核酸(以下、「DNA」)及びリボ核酸(以下、「RNA」)と、修飾糖部分、修飾リン酸部分(modified phosphate moieties)、又は修飾ヌクレオ塩基を含有する核酸が含まれる。糖部分への修飾には、リボース環をヘキソース、シクロペンチル、又はシクロヘキシル環に置き換えることが含まれる。あるいは、天然に存在する核酸のD−リボース環をL−リボース環に置き換えてよく、又は、天然に存在する核酸のβ−アノマーをα−アノマーに置き換えてもよい。オリゴヌクレオチドはまた、1以上の非塩基性部分を含んでよい。修飾リン酸部分には、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、リン酸メチル、及びホスホロアミダイトが含まれる。こうした核酸類似体は当業者に知られている。上記の2以上の混合物を含んでなるオリゴヌクレオチドは、例えば、デオキシリボ及びリボヌクレオシドの混合物、特にデオキシリボヌクレオシドと2’−O−メチル若しくは2’−O−メトキシエチルリボヌクレオシドのような2’−O−置換リボヌクレオシドの混合物を含んでなるオリゴヌクレオチドから製造可能である。ヌクレオシドの混合物を含んでなるオリゴヌクレオチドの例には、リボザイムが含まれる。 キメラオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル及びホスホロチオエート連結の両方を有するオリゴヌクレオチドである。 合成オリゴヌクレオチドは、好ましくは、2〜約100のヌクレオ塩基を有する。より好ましくは、合成オリゴヌクレオチドは、2〜約75のヌクレオ塩基を有する。今日の治療上興味深い多くの合成オリゴヌクレオチドは、8〜40のヌクレオ塩基を含む。 オリゴヌクレオチドの合成は、溶液中でか又は固体支持体上で行うことができる。合成が溶液中である場合、R16は、アルコール、アミン、又はチオール保護基である。アルコール、アミン、又はチオール保護基は、オリゴヌクレオチドの合成の後で除去してよい。オリゴヌクレオチドを固形支持体上で合成する場合、R16は、固形支持体か、又は好ましくは、式:−Y2−L−Y2−R15の基のような、固形支持体へ付いた切断可能リンカーを表す。一般に、新生オリゴヌクレオチド及びホスホジエステルモノマーの縮合を促進するためにテトラゾールの代わりに1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン化合物を使用するオリゴヌクレオチドの液相合成若しくは固相合成は、アクチベーターとしてテトラゾールを使用するオリゴヌクレオチドの合成用に開発された方法に類似して行われる。縮合反応を促進するために1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンを使用するオリゴヌクレオチドの液相合成及び固相合成の典型的な条件の例を以下に示す。 オリゴヌクレオチドを製造する第一工程は、構造式IIaにより表されるホスホロアミダイトのようなヌクレオシドホスホロアミダイトを、構造式IVにより表される5−脱保護化ヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドのような、フリーヒドロキシ若しくはチオール基を有するヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドとカップリングさせることを伴う。カップリング反応の間、ヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドのヒドロキシ若しくはチオール基は、−NR4R5基に置き換わることによって、ヌクレオシドホスホロアミダイトと反応する。この合成が液体中でなされる場合、ヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドは、しばしば、約0.001M〜約1.0Mの濃度で存在し、そして好ましくは、ヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドは、約0.025M〜約0.5Mの濃度で存在する。ヌクレオシドホスホロアミダイトは、好ましくは、ヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドに対して約1.1当量〜約2当量の濃度で存在する。この縮合反応を促進するために、ヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドに対して約0.5当量〜、しばしば約2.5当量〜約5.0当量の1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンを加える。好ましくは、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンは、ピリジニウム塩、3−ピコリニウム塩、又はN−メチルイミダゾリウム塩のような有機塩基との塩複合体として加える。反応時間は、通常、約20分〜約60分であり、構造式Vにより表される新生オリゴヌクレオチドのような、末端三価リン連結を有する(n+1)新生オリゴヌクレオチドが生じる。 オリゴヌクレオチドを製造する第二工程は、新生オリゴヌクレオチドの末端三価リン基を酸化又は硫化することを伴う。液相合成において、酸化反応は、水存在下のI2、又は有機溶媒中の過酸化水素t−ブチルのような過酸化物といった酸化剤でオリゴヌクレオチドを処理することによってしばしば行う。I2と水を使用する場合、酸化溶液は、典型的には、塩基と微量の水の存在下に、約1.1〜約1.8当量のI2を含有する。この反応は、三級アルキルアミンのような塩基と約1%の水と組み合わせた、THFのような非プロトン性極性溶媒中で行う。非プロトン性溶媒の塩基に対する比は、約4:1(体積/体積)〜約1:4(体積/体積)である。約5分〜約20分の後で、この反応混合物を重亜硫酸ナトリウムの水溶液へ注ぎ込み、過剰のヨウ素を失活させてから、有機溶媒中へ抽出する。 あるいは、末端三価リン基は、オリゴヌクレオチド合成の当業者に知られたどのイオウ転移試薬を使用して硫化してもよい。イオウ転移試薬の例には、3H−ベンゾジチオール−3−オン 1,1−ジオキシド(「Beaucage試薬」とも呼ばれる)、ジベンゾイルテトラスルフィド、フェニルアセチルジスルフィド、N,N,N’,N’−テトラエチルチウラム(tetraethylthiuram)ジスルフィド、元素イオウ、及び3−アミノ−[1,2,4]ジチアゾール−5−チオン(その教示全体が本明細書に援用される、米国特許第6,096,881号を参照のこと)が含まれる。上記の試薬を使用するオリゴヌクレオチドの硫化の反応条件は、その教示がそのまま本明細書に援用される、Beaucage ら, Tetrahedron (1993), 49: 6123 に見出し得る。3−アミノ−[1,2,4]ジチアゾール−5−チオンは、好ましいイオウ転移試薬である。一般的には、約0.05M〜約0.2Mの濃度を有する、ピリジン/アセトニトリル(1:9)混合物又はピリジンのような有機溶媒中の3−アミノ−[1,2,4]ジチアゾール−5−チオンの溶液とオリゴヌクレオチドを接触させる。硫化反応は、通常、約30秒〜約2分で完了する。 オリゴヌクレオチドの酸化又は硫化の後で、未反応のどのフリーヒドロキシ若しくはチオール基も、後続のカップリング工程において反応し得ないようにするために、キャッピングしてよい。キャッピングの失敗した配列は、全長オリゴヌクレオチド生成物からより容易に分離することが可能である。ヒドロキシ若しくはチオール基と反応してホスホロアミダイトとそれが反応することを防ぐどんな試薬もキャッピング剤として使用してよい。典型的には、塩基の存在下での無水酢酸若しくは無水イソ酪酸のような無水物、又は塩化アセチル若しくは塩化イソブチリルのような酸塩化物をキャッピング試薬として使用する。 キャッピング反応が完了した後で、R1保護基を除去する。R1が酸に不安定な保護基である場合、オリゴヌクレオチドを酸で処理することによってR1を除去する。好ましくは、R1は、4,4’−ジメトキシトリチルのようなトリチル基である。R1がトリチル基である場合、ジクロロメタン又はトルエンのような有機溶媒中のジクロロ酢酸若しくはトリクロロ酢酸の溶液でオリゴヌクレオチドを処理することによってそれを除去することができる。R1保護基を除去したならば、反応サイクル(即ち、カップリング工程、酸化若しくは硫化工程、(場合により)キャッピング工程、及び脱保護工程)を、場合により、所望の長さオリゴヌクレオチドを得るために1回以上繰り返してよい。 キメラオリゴヌクレオチドは、1回以上の反応サイクルにおいて末端三価リン基を酸化すること、及び1回以上の異なる反応サイクルにおいて末端三価リン基を硫化することによって製造可能である。あるいは、キメラオリゴヌクレオチドは、R3基の一部が−OCH2CH2CNのような保護化ヒドロキシ基であり、R3基の一部が−SCH2CH2CNのような保護化チオール基であるホスホロアミダイトモノマーを選択することによって製造してもよい。この方法では、各反応サイクルにおけるカップリング工程の後でオリゴヌクレオチドを酸化する。 R1基が残っているオリゴヌクレオチド生成物を得ることが所望される場合、反応サイクルの最終工程は、キャッピング工程を行うならばキャッピング工程であってよく、また、キャッピング工程を行わなければ、反応の最終工程は、酸化若しくは硫化工程であってよい。R1脱保護化オリゴヌクレオチドが所望されるならば、反応サイクルは、脱保護工程で終わってよい。通常、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりオリゴヌクレオチドを精製するのなら、R1保護化オリゴヌクレオチドが所望される生成物である。イオン交換クロマトグラフィー又は電気泳動によりオリゴヌクレオチドを精製するのなら、R1脱保護化オリゴヌクレオチドが通常は所望される生成物である。 フリーヒドロキシ基若しくはチオール基を有する、支持体に結合したヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドとヌクレオシドホスホロアミダイトの縮合を促進するために1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと、好ましくは有機塩基を使用するオリゴヌクレオチドの固相合成は、一般に、液相合成と同じ反応サイクル及び試薬を利用する。通常、はじめに、使用する特別の樹脂に適した固形支持体上にヌクレオシドを最大限ロード(load)する。例えば、ローディング(loading)は、1gの支持体につき約50μモル〜約700μモルであり得る。縮合工程において、アセトニトリルのような有機溶媒中に典型的には約0.01M〜約1M、好ましくは約0.1Mの濃度を有するヌクレオシドホスホロアミダイトの溶液を支持体に結合したヌクレオシドと反応させて、末端三価リン連結を有する新生オリゴヌクレオチドを生じる。構造式IIa又はIIbのいずれかにより表されるヌクレオシドホスホロアミダイトを使用すれば、新生オリゴヌクレオチドは、カップリング反応の完了後、5’末端三価リン連結を有することになる。構造式IIIa又はIIIbのいずれかにより表されるヌクレオシドホスホロアミダイトを使用すれば、新生オリゴヌクレオチドは、カップリング反応の完了後、3’末端三価リン連結を有することになる。好ましくは、使用するヌクレオシドホスホロアミダイトは、構造式IIaにより表すことが可能である。約0.015M〜約1.5M、しばしば約0.05M〜約0.5M、好ましくは0.1〜0.25Mの濃度を有する1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンの溶液は、通常、縮合反応の直前か又はその間に、ホスホロアミダイトモノマーを含有する溶液と混合する。好ましくは、有機塩基も、約0.015M〜約1.5M、しばしば約0.05M〜約0.5M、好ましくは0.1〜0.25Mの濃度でこの溶液中に存在する。好ましくは、有機塩基が1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと同じモル濃度で存在する。1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンは、ヌクレオシドホスホロアミダイトに対して触媒的である、即ち化学量論未満のモル比でも、又は化学量論的であるか又は化学量論より多いモル比でも利用してよい。多くの態様において、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンのヌクレオシドホスホロアミダイトに対するモル比は、約0.2:1〜5:1、しばしば0.25:1〜4:1、好ましくは約0.3:1〜2:1の範囲にあり、例えば約1:1である。次いで、支持体に結合した5’−脱保護化ヌクレオシドをこの混合物と約2分〜約10分、好ましくは約5分の間接触させる。 カップリング反応が完了した後で末端三価リン連結を酸化するのならば、新生オリゴヌクレオチドを含有する固形支持体を、I2及び水の混合物、又はアセトニトリル又はトルエンのような有機溶媒中の過酸化水素t−ブチルのような過酸化物のような酸化剤と接触させる。I2及びH2Oの混合物が好ましい酸化試薬である。I2及び水の混合物を使用する場合、他の水混和性有機溶媒も存在してよい。典型的には、三価リンヌクレオチド間連結を含有する、固形支持体に結合したオリゴヌクレオチドを、水、非プロトン性の水混和性溶媒、及び塩基の溶媒混合物中のI2溶液と接触させてよい。典型的な酸化溶液の例は、(2:80:20)水/テトラヒドロフラン/ルチジン(体積/体積/体積)の溶液中約0.05M〜約1.5M I2である。典型的には、このI2溶液で固形支持体を約30秒〜約1.5分間処理する。 あるいは、固形支持体に結合した新生オリゴヌクレオチドを、有機溶媒中のイオウ転移試薬の溶液と接触させて、三価リン基を硫化してもよい。例えば、支持体に結合したオリゴヌクレオチドを、アセトニトリル又はピリジンのような有機溶媒中の3−アミノ−[1,2,4]−ジチアゾール−5−チオンの溶液(約0.05M〜0.2M)と約30秒〜約2分間接触させてよい。 固相オリゴヌクレオチド合成においては、固形支持体に結合した新生オリゴヌクレオチドを、場合により、キャッピング試薬の溶液と約30秒〜約1分間接触させてよい。このキャッピング工程に続き、支持体に結合したオリゴヌクレオチドを酸溶液と約1分〜約3分間接触させることによって、脱保護工程を達成する。この反応サイクルは、場合により、所望の長さのオリゴヌクレオチドが合成されるまで、1回以上繰り返してよい。液相合成と同じように、反応サイクルがキャッピング工程又は酸化若しくは硫化工程のいずれかで終わるときは、R1保護化オリゴヌクレオチドが得られる。反応サイクルを脱保護工程で終えるときは、R1脱保護化オリゴヌクレオチドが得られる。 固相合成が完了したとき、オリゴヌクレオチドは、標準法により固形支持体から除去可能である。一般的には、オリゴヌクレオチド配列と、この工程の間にヌクレオ塩基保護基を除去することが所望されるかどうかに依存して、濃水酸化アンモニウムの溶液で固形支持体を25℃〜60℃で約0.5時間〜約16時間以上処理する。オリゴヌクレオチドは、有利にも、1以上のイオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、及び適正な溶媒からの沈殿のような、当該技術分野で知られた方法により精製される。例えば超濾過による生成物のさらなる処理も利用してよい。 本発明の特に好ましい側面は、ヌクレオシドホスホロアミダイト、好ましくはヌクレオシド3’−ホスホロアミダイトを、フリーヒドロキシ基、好ましくはフリーの5’−ヒドロキシ基を含んでなるヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドと、アクチベーターの存在下にカップリングすることを含んでなるオリゴヌクレオチドの合成法を含み、ここでアクチベーターは、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンとN−アルキルイミダゾール、好ましくはN−メチルイミダゾールの混合物を含む。 この特に好ましい態様において、ホスホロアミダイトは、通常、式:−P(OCH2CH2CN)N(CH(CH3)2)2の部分を含む。通常、この態様において、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及びN−アルキルイミダゾールのそれぞれの濃度は、0.1〜0.25Mであり、好ましくは、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンのN−アルキルイミダゾールに対するモル比が約1:1〜約1.5:1、最も好ましくは1:1である。この特に好ましい態様において、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンのホスホロアミダイトに対するモル比は、好ましくは、0.5:1〜2:1である。 本発明を以下の実施例により限定せずに例示する。 実施例1:1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及びピリジンの塩複合体の製造 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンをアセトニトリルに懸濁させ、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンに対して1.1当量のピリジンをこの懸濁液へ滴下した。添加の最後にこの溶液が澄明になり、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及びピリジンの塩複合体を微結晶性材料として溶液から分離した。この結晶をエーテル又はヘキサンのいずれかで洗浄し、ごく微量のピリジン及びアセトニトリルを除去した。1H NMR(DMSO)化学シフト(ppm):8.8 (2H, s), 8.2 (1H, q), 8.0 (1H, q) 及び 7.6-7.9 (6H, m)。 実施例2:1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及び3−ピコリンの塩複合体の製造 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及び3−ピコリンの塩複合体は、実施例1の記載と同じやり方で調製した。1H NMR(DMSO)化学シフト(ppm):8.8 (1H, s), 8.72 (1H, d), 8.27 (1H, d), 8.0 (2H, d), 7.77-7.93 (6H, m) 及び 2.45 (3H, s)。 実施例3:1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及びN−メチルイミダゾールの塩複合体の製造 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンをアセトニトリルに懸濁させ、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンに対して1.1当量のN−メチルイミダゾールをこの懸濁液へ滴下した。この反応混合物を減圧下で濃縮すると結晶性の塩が生じ、これをエーテル又はヘキサンのいずれかで洗浄し、ごく微量のN−メチルイミダゾール及びアセトニトリルを除去した。1H NMR(DMSO)化学シフト(ppm):13.9 (1H, s), 9.03 (1H, s), 7.59-7.75 (6H, m) 及び 3.88 (3H, s)。 実施例4:1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及び有機塩基の塩複合体を使用する、デオキシリボ−オリゴヌクレオチドの合成 オリゴヌクレオチドの合成は、DNA合成機Oligo Pilot II(アマーシャム・ファルマシア・バイオテク)で行った。合成に、わずかな変更を加えて、標準ホスホロアミダイト化学プロトコールに従った。ホスホロアミダイトモノマーの濃度はアセトニトリル中0.1Mであった。縮合工程の間、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンとピリジン、3−ピコリン、又はN−メチルイミダゾールの塩複合体をテトラゾールの代わりにアクチベーターとして使用した。塩複合体の濃度はアセトニトリル中0.25Mであった。1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン塩複合体を使用する鎖伸長に使用したカップリング時間は、テトラゾールがアクチベーターであるときに使用するカップリング時間と同様であった。縮合工程の後で、亜リン酸トリエステル連結を、ヨウ素溶液で安定なリン酸トリエステルへ、又はBeaucage試薬若しくは3−アミノ−1,2,4−ジチアゾール−5−チオンで安定なホスホロチオエートトリエステルへ変換した。合成の終わりに、完全保護化オリゴヌクレオチドが連結した固形支持体を濃水酸化アンモニウム中の10% t−ブチルアミンを用いて50℃で16〜20時間処理し、オリゴヌクレオチドを遊離させ、β−シアノエチル保護基とヌクレオ塩基保護基を除去した。この粗製オリゴヌクレオチドをイオン交換HPLC、キャピラリー電気泳動、及びMALDI−TOF質量分析法により分析し、テトラゾールをアクチベーターとして使用して製造したオリゴヌクレオチドと比較した。表1は、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド配列:5’TCT−CCC−AGC−GTG−CGC−CAT3’(配列番号1)を合成するために使用した条件を記載し、表2は、様々な合成から得られた結果を記載する。表1及び2に例示する塩複合体は、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及びN−メチルイミダゾールである。 表1:配列番号1の合成用の合成変数 表2:配列番号1の分析及び結果 本発明を、特にその好ましい態様を参照にして示して記載したが、当業者は、付帯の特許請求項により包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形式及び詳細において様々な変更を本発明においてなし得ることを理解されよう。配列表<110> Avecia Biotechnology, Inc. et al<120> Immobilization of oligonucleotides onto solid supports<130> SMC 60474-WO<160> 1<170> PatentIn version 3.1<210> 1<211> 18<212> DNA<213> Artificial Sequence<220><223> Sequence prepared in Example 4<400> 1tctcccagcg tgcgccat 18配列表 ホスホロアミダイト化学を使用してオリゴヌクレオチドを合成する方法であって、フリーヒドロキシ基若しくはチオール基を有するヌクレオシド又は新生(nascent)オリゴヌクレオチドとヌクレオシドホスホロアミダイトをカップリング剤及び有機塩基の存在下でカップリングすることを含んでなり、ここでカップリング剤は、以下の構造式:[式中: pは、0であるか、又は1〜4の整数であり; X7は、O又はSであり; Rは、それぞれの存在につき、ハロ基、脂肪族基、−NR11R12、−OR13、−OC(O)R13、−C(O)OR13、シアノ、アリール基、ヘテロシクリル基、−CHO、−COR13、−NHCOR13、アラルキル基、及び−SR13からなる群より選択される置換基であるか;又は2つの隣接R基が、それらへ付いた炭素原子と一緒に6員の飽和又は不飽和環を形成し;ここで: R11及びR12は、それぞれ、独立して、−H、脂肪族基、アリール基、アラルキル基であるか;又はそれらへ付いた窒素原子と一緒にヘテロシクリル基を形成し;そして R13は、脂肪族基、アリール基、又はアラルキル基である]により表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンである、前記方法。 有機塩基がアミンである、請求項1に記載の方法。 アミンが三級アミンである、請求項2に記載の方法。 三級アミンが、トリアルキルアミン、N−アルキルピロリジン、N−アリールピロリジン、N−アルキルピロール、N−アリールピロール、N−アルキルモルホリン、N−アリールモルホリン、N−アルキルピペリジン、N−アリールピペリジン、N,N−ジアルキルピペラジン、N,N−ジアリールピペラジン、N−アルキル−N−アリールピペラジン、キヌクリジン、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。 アミンがアザヘテロシクリル化合物である、請求項4に記載の方法。 アザヘテロシクリル化合物が、ピリミジン、1−アルキルピラゾール、1−アリールピラゾール、ピラジン、N−アルキルプリン、N−アリールプリン、N−アルキルピロール、N−アリールピロール、ピリジン、N−アルキルイミダゾール、N−アリールイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、N−アルキルインドール、N−アリールインドール、N−アルキルベンゾイミダゾール、N−アリールベンゾイミダゾール、トリアジン、チアゾール、1−アルキル−7−アザインドール、1−アリール−7−アザインドール、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、及びピペラジンからなる群より選択される、請求項5に記載の方法。 アザヘテロシクリル化合物が、ピリジン、3−メチルピリジン、又はN−メチルイミダゾールである、請求項6に記載の方法。 ヌクレオシドホスホロアミダイトがモノマーである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 ヌクレオシドホスホロアミダイトがダイマーである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 ホスホロアミダイトが、以下の構造式:[式中: それぞれのX1は、独立して、−O−又は−S−であり; それぞれのX2は、独立して、−O−、−S−、又は−NR14−であり; それぞれのX3は、独立して、−O−、−S−、−CH2−、又は−(CH2)2−であり; R1は、アルコール保護基又はチオール保護基であり; R2は、−H、脂肪族基、−F、−OR6、−NR7R8、又は−SR9であり; R3は、−OCH2CH2CN、−SCH2CH2CN、脂肪族基、−OR10、−SR10、−O−CH2CH2−Si(CH3)2C6H5、−O−CH2CH2−S(O)2−CH2CH3、−O−CH2CH2−C6H4−NO2、−S−CH2CH2−Si(CH3)2C6H5、−S−CH2CH2−S(O)2−CH2CH3、又は−S−CH2CH2−C6H4−NO2であり; R4及びR5は、それぞれ独立して、脂肪族基、アリール基、アラルキル基であるか;又は R4及びR5は、それらへ結合した窒素と一緒にヘテロシクリル基を形成し;そして R6は、−H、脂肪族基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ保護基、又は−(CH2)q−NR18R19であり; R7及びR8は、それぞれ独立して、H、脂肪族基、又はアミン保護基であるか;又は R7及びR8は、それらへ付いた窒素と一緒にヘテロシクリル基となり;そして R9は、H、脂肪族基、又はチオ保護基であり; R10は、それぞれの存在につき、独立して、脂肪族基、アリール基、又はアラルキル基であり、 R14は、−H、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり; R18及びR19は、それぞれ独立して、−H、アリール基、ヘテロアリール基、脂肪族基、アラルキル基、へテロアラルキル基、又はアミン保護基であるか;又は R18及びR19は、それらへ付いた窒素と一緒にヘテロシクリル基を形成し;そして qは、1〜6の整数であり;そして それぞれのBは、独立して、−H、天然若しくは非天然ヌクレオ塩基、保護化天然若しくは非天然ヌクレオ塩基、複素環、又は保護化複素環である]の1つにより表される3’−ホスホロアミダイトである、請求項8に記載の方法。 X7がOであり、pが0である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンのヌクレオシドホスホロアミダイトに対するモル比が0.2:1〜5:1の範囲にある、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 以下の構造式:[式中: それぞれのX1は、独立して、−O−又は−S−であり; それぞれのX2は、独立して、−O−、−S−、又は−NR14−であり; それぞれのX3は、独立して、−O−、−S−、−CH2−、又は−(CH2)2−であり; それぞれのX4は、独立して、O又はSであり; X5は、−OH又は−SHであり; それぞれのR2は、独立して、−H、脂肪族基、−F、−OR6、−NR7R8、又は−SR9であり; それぞれのR3は、独立して、−OCH2CH2CN、−SCH2CH2CN、脂肪族基、−OR10、−SR10、−O−CH2CH2−Si(CH3)2C6H5、−O−CH2CH2−S(O)2−CH2CH3、−O−CH2CH2−C6H4−NO2、−S−CH2CH2−Si(CH3)2C6H5、−S−CH2CH2−S(O)2−CH2CH3、又は−S−CH2CH2−C6H4−NO2であり; それぞれのR6は、独立して、H、脂肪族基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ保護基、又は−(CH2)q−NR18R19であり; R7及びR8は、それぞれ独立して、H、脂肪族基、又はアミン保護基であるか;又は R7及びR8は、それらへ付いた窒素と一緒にヘテロシクリル基となり;そして R9は、H、脂肪族基、又はチオ保護基であり; R10は、それぞれの存在につき、独立して、脂肪族基、アリール基、又はアラルキル基であり、 それぞれのR14は、独立して、−H、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり; R16は、ヒドロキシ保護基、チオ保護基、アミノ保護基、−(CH2)q−NR18R19、固形支持体、又は固形支持体へ付いた切断可能リンカーであり; R18及びR19は、それぞれ独立して、−H、アリール基、ヘテロアリール基、脂肪族基、アラルキル基、へテロアラルキル基、又はアミン保護基であるか;又は R18及びR19は、それらへ付いた窒素と一緒にヘテロシクリル基を形成し;そして qは、1〜6の整数であり; それぞれのBは、独立して、−H、天然若しくは非天然ヌクレオ塩基、保護化天然若しくは非天然ヌクレオ塩基、複素環、又は保護化複素環であり;そして nは、0であるか又は正の整数である]により表されるNマー(N−mer)オリゴヌクレオチド、又はヌクレオシドを、以下の式:[式中:R2、R3、X1、X2、X3、及びBは、先述のように定義され; R1は、アルコール保護基又はチオール保護基であり;そして R4及びR5は、それぞれ独立して、脂肪族基、アリール基、アラルキル基であるか;又は R4及びR5は、それらへ結合した窒素と一緒にヘテロシクリル基を形成する]により表されるヌクレオシドホスホロアミダイトと縮合する方法であって、 該オリゴヌクレオチド又はヌクレオシドを該ヌクレオシドホスホロアミダイトと以下の構造式:[式中: pは、0であるか、又は1〜4の整数であり; X7は、O又はSであり; Rは、それぞれの存在につき、ハロ基、脂肪族基、−NR11R12、−OR13、−OC(O)R13、−C(O)OR13、シアノ、アリール基、ヘテロシクリル基、−CHO、−COR13、−NHCOR13、アラルキル基、及び−SR13からなる群より選択される置換基であるか;又は2つの隣接R基が、それらへ付いた炭素原子と一緒に6員の飽和又は不飽和環を形成し;ここで: R11及びR12は、それぞれ、独立して、−H、脂肪族基、アリール基、アラルキル基であるか;又はそれらへ付いた窒素原子と一緒にヘテロシクリル基を形成し;そして R13は、脂肪族基、アリール基、又はアラルキル基である]により表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンと、有機塩基の存在下で接触させる工程を含んでなり、 それにより以下の構造式:により表される、5’末端の3価リン連結を有する(n+1)オリゴヌクレオチドを生じる、前記方法。 有機塩基と1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンの濃度が0.01M〜2Mである、請求項13に記載の方法。 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンのヌクレオシドホスホロアミダイトに対するモル比が0.2:1〜5:1の範囲にある、請求項13又は14に記載の方法。 a)5’末端の3価リン連結を有する(n+1)オリゴヌクレオチドを酸化剤若しくは硫化剤と接触させることによって、以下の構造式:により表される5価リン骨格を有するオリゴヌクレオチドを生じる工程; b)場合により、ホスホロアミダイトと反応しなかったX5基を、該X5基を酸塩化物又は無水物と反応させることによってキャッピングする工程; c)5価リン骨格を有する(n+1)オリゴヌクレオチドを、R1を除去する試薬とそれを反応させることによって脱保護する工程; d)場合により、先のカップリング工程、酸化若しくは硫化工程、キャッピング工程、及び脱保護工程を1回以上繰り返す工程をさらに含んでなる、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。 酸化若しくは硫化工程が最終工程であり、オリゴヌクレオチドが以下の構造式:[式中: mは、nより大きい整数である]により表される、請求項16に記載の方法。 脱保護工程が最終工程であり、製造されるオリゴヌクレオチドが以下の構造式:[式中: mは、nより大きい整数である]により表される、請求項16に記載の方法。 R16が固形支持体へ付いた切断可能リンカーである、請求項13〜18のいずれか1項に記載の方法。 a)オリゴヌクレオチドが各カップリング工程の後で酸化され、製造される該オリゴヌクレオチドがホスホジエステルオリゴヌクレオチドとなる; b)オリゴヌクレオチドが各カップリング工程の後で硫化され、製造される該オリゴヌクレオチドがホスホロチオエートオリゴヌクレオチドとなる;又は c)オリゴヌクレオチドが少なくとも1つのカップリング工程の後で酸化され、そして少なくとも1つのカップリング工程の後で硫化され、製造される該オリゴヌクレオチドがキメラオリゴヌクレオチドとなる、請求項16に記載の方法。 X7がOであり、pが0である、請求項13〜20のいずれか1項に記載の方法。 オリゴヌクレオチドが、その後に引き続いて精製される、請求項17又は18に記載の方法。 ヌクレオシドホスホロアミダイトを、フリーヒドロキシ基を含んでなるヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドとアクチベーターの存在下でカップリングすることを含んでなるオリゴヌクレオチドを合成する方法であって、ここで該アクチベーターが、1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及びN−アルキルイミダゾールの混合物を含む、前記方法。 ヌクレオシドホスホロアミダイトがヌクレオシド3’−ホスホロアミダイトであり、ヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドがフリー5’−ヒドロキシ基を含む、請求項23に記載の方法。 N−アルキルイミダゾールがN−メチルイミダゾールである、請求項23又は24に記載の方法。 ホスホロアミダイトが式:−P(OCH2CH2CN)N(CH(CH3)2)2の部分を含む、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オン及びN−アルキルイミダゾールのそれぞれの濃度が0.1〜0.25Mである、請求項23〜26のいずれか1項に記載の方法。 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンのN−アルキルイミダゾールに対するモル比が1:1〜1.5:1である、請求項23〜27のいずれか1項に記載の方法。 1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンのホスホロアミダイトに対するモル比が0.5:1〜2:1である、請求項23〜28のいずれか1項に記載の方法。 N−アルキルイミダゾールと、以下の構造式:[式中: pは、0であるか、又は1〜4の整数であり; X7は、O又はSであり;そして Rは、それぞれの存在につき、ハロ基、脂肪族基、−NR11R12、−OR13、−OC(O)R13、−C(O)OR13、シアノ、アリール基、ヘテロシクリル基、−CHO、−COR13、−NHCOR13、アラルキル基、及び−SR13からなる群より選択される置換基であるか;又は2つの隣接R基が、それらへ付いた炭素原子と一緒に6員の飽和又は不飽和環を形成し;ここで: R11及びR12は、それぞれ、独立して、−H、脂肪族基、アリール基、アラルキル基であるか;又はそれらへ付いた窒素原子と一緒にヘテロシクリル基を形成し;そして R13は、脂肪族基、アリール基、又はアラルキル基である]により表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンを含んでなる、塩複合体。 pが0であり、X7がOであり、そしてN−アルキルイミダゾールがN−メチルイミダゾールである、請求項30に記載の塩複合体。 オリゴヌクレオチドを合成する方法であって、 a)三級アミンと1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンを含む塩複合体の存在下で、5’−保護ヌクレオシドホスホロアミダイトを、フリーヒドロキシ基を含み且つ切断可能リンカーによって固形支持体へ付けられたヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドとカップリングし、それによって亜リン酸トリエステルを形成する工程; b)亜リン酸トリエステルを酸化又は硫化して5’−保護リン酸トリエステル又は5’−保護ホスホロチオエートトリエステルを生産する工程; c)場合により、キャッピング剤との反応によって、未反応のヒドロキシ基をキャッピングする工程; d)5’−保護リン酸トリエステル又は5’−保護ホスホロチオエートトリエステルから5’−保護基を除去し、5’−ヒドロキシ基を形成する工程; e)所望のオリゴヌクレオチド配列が組み立てられるまで、a)からd)までの工程を1回以上繰り返す工程;f)オリゴヌクレオチドを脱保護し、固形支持体からオリゴヌクレオチドを切断し、そしてオリゴヌクレオチドを精製する工程;を含んでなる、前記方法。 オリゴヌクレオチドを合成する方法であって、ヌクレオシドホスホロアミダイトを、フリーヒドロキシ基を含むヌクレオシド又は新生オリゴヌクレオチドと、アクチベーターの存在下でカップリングすることを含んでなり、ここでアクチベーターは、有機塩基と以下の構造式:[式中: pは、0であるか、又は1〜4の整数であり; X7は、O又はSであり; Rは、それぞれの存在につき、ハロ基、脂肪族基、−NR11R12、−OR13、−OC(O)R13、−C(O)OR13、シアノ、アリール基、ヘテロシクリル基、−CHO、−COR13、−NHCOR13、アラルキル基、及び−SR13からなる群より選択される置換基であるか;又は2つの隣接R基が、それらへ付いた炭素原子と一緒に6員の飽和又は不飽和環を形成し;ここで: R11及びR12は、それぞれ、独立して、−H、脂肪族基、アリール基、アラルキル基であるか;又はそれらへ付いた窒素原子と一緒にヘテロシクリル基を形成し;そして R13は、脂肪族基、アリール基、又はアラルキル基である]により表される1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−オンを含む塩を含む、前記方法。 有機塩基がピリジン、3−メチルピリジン、又はN−アルキルイミダゾールであり、X7がOであり、そしてpが0である、請求項33に記載の方法。