タイトル: | 特許公報(B2)_チタンを含むゼオライト系触媒の活性化方法、及びその酸化反応における使用 |
出願番号: | 2003508480 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | B01J 29/89,C07C 249/04,C07C 251/44,C07B 61/00 |
アルカ ヴィットリオ ボスコロ ボスコレット アンジェロ フラカッソ ニコラ フルラン ピエロ メダ ラウラ JP 4355206 特許公報(B2) 20090807 2003508480 20020612 チタンを含むゼオライト系触媒の活性化方法、及びその酸化反応における使用 ポリメーリ エウローパ ソシエタ ペル アチオニ 502198696 POLIMERI EUROPA S.P.A. 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 アルカ ヴィットリオ ボスコロ ボスコレット アンジェロ フラカッソ ニコラ フルラン ピエロ メダ ラウラ IT MI2001A001363 20010628 20091028 B01J 29/89 20060101AFI20091008BHJP C07C 249/04 20060101ALI20091008BHJP C07C 251/44 20060101ALI20091008BHJP C07B 61/00 20060101ALN20091008BHJP JPB01J29/89 ZC07C249/04C07C251/44C07B61/00 300 B01J 29/89 C07C 249/04 C07C 251/44 C07B 61/00 CA(STN) 特開平07−148432(JP,A) 特開平07−242649(JP,A) 特開平08−225556(JP,A) 特開平09−118672(JP,A) 18 EP2002006500 20020612 WO2003002254 20030109 2004532125 20041021 11 20050613 磯部 香発明の詳細な説明 本発明は、チタンを含みxが0.0001-0.4である以下の式(I)を有するゼオライト系触媒の活性化方法に関する。 xTiO2(1−x)SiO2 (I) より具体的には、本発明は、前記物質をカルボン酸のアンモニウム塩の溶液で処理すること及びそれに続いて焼成を行うことを含むゼオライト系触媒の活性化方法に関する。 本発明は、上の方法によって得られた物質、及びそれらを触媒として使用する方法にも関する。 ゼオライト及びゼオライト系物質は一般的に、産業的に利益のある多数の反応において用いられる触媒を調製するための主要成分である。 例えばMFI型のゼオライトは、オキシムのアミドへの転位反応において用いられ得る触媒を調製するための原料物質として文献(欧州特許第242,960号)で知られている。 ケイ素を支持するヘテロ元素がチタンである(チタンシリカライト(Titanium Silicalite)TS-1)MFI型のゼオライトは、多数の酸化反応において用いられる触媒として知られている(米国特許第4,410,501号;米国特許第4,794,198号)。 添加した又は酸化反応条件下で発生させ得る化合物により生成した過酸化水素を酸化剤として採用する酸化反応において用いられるゼオライト系触媒の性能は、それら触媒に適切な活性化処理を行うことによって効果的に改良され得ることも文献で知られている。 例えば欧州特許第230,949号では、適切な酸性基中和剤で前処理したチタンシリカライトが、過酸化水素を用いたオレフィン化合物のエポキシ化反応において、その選択性を改良する。 しかしながら前記中和剤、特にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のものは、時間単位のH2O2変換率に関連して、前記触媒活性を多かれ少なかれ有意に減少させることが知られている。さらに前記中和剤は前記触媒中に蓄積し、前記触媒の構造安定性を維持すること及び再生が行われる焼成炉において耐熱抵抗を維持することの両方の点に関して、前記触媒活性の熱再生を不確かなものにする。 欧州特許第267,362号では、過酸化水素水溶液及び/又は1Lあたり少なくとも0.5当量の5以下のpKaを有する酸(好ましくはH2SO4、HCl、HNO3、H3PO4)の存在下で前処理したチタンシリカライトTS-1が、カルボニル化合物のアンモキシメーション(ammoximation)反応において特に活性がある。 欧州特許第958,861号では、過酸化水素の存在下で水性媒体においてフッ素イオン又はフッ素を含む種で活性化処理した後のチタンシリカライトTS-1が、アンモキシメーション過程においてその触媒特性を改良する。 しかしながら上述の活性化処理は、前記物質の腐食性並びに、特に、生じた加工廃棄物の処分及び処理に関する深刻な問題を引き起こすことから、運搬、保管及び使用の点で取り扱いが容易でない化学薬品を使用するという大きな不都合を有する。 前記中和剤の作用は、特にヒドロ-ハロゲン酸に関して、錯化により触媒的に不活性である最終的なTiO2相を生じるチタンの脱構造化を生ずることも知られている(欧州特許第958,861号)。 今現在驚くべきことに、酸化反応において、チタンを含むゼオライト系物質を過酸化水素又は前記反応条件下で過酸化水素を発生し得る化合物を用いて効果的に活性化することに加えて、上述の欠点も克服する方法を見出した。 特に本発明の目的は、チタンを含みxが0.0001-0.4、好ましくは0.001-0.04、より好ましくは0.01-0.03である式(I):xTiO2(1−x)SiO2 を有するゼオライト系触媒を用いる酸化反応において、前記触媒性能を改良する方法に関する。その方法は、直鎖又は分枝であり2-20の炭素原子総数を有し以下の一般式(II)を有するモノ-、ジ-、トリ-、テトラ-カルボン酸のアンモニウム塩の水溶液及び/又は水性有機溶液(aqueous-organic solution)を用いて前記触媒を処理することを含む。(式中、R基の一つはカルボキシルであるが、他のR基は同じであるか又は異なっており、水素、ヒドロキシル基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミン基、アミド基、ビニル基、ヒドロ-ハロゲン基、ニトリル基、ヒドロ-スルフィド基、スルホン酸基、リン酸基等より選択されてもよく;又はそれらは、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、芳香族基、アルキル芳香族基、アラルキル基、ヘテロ-芳香族基、及びこれらの基が水素、ヒドロキシル、カルボキシル、ハロゲン、アルコキシド、アミン、エステル、アミド、ビニル、ニトリル、ヒドロキシル、ヒドロ-スルフィド、カルボニル等より選択される一つ以上の原子又は基で置換された基より選択されてもよく;一般式(II)の中央の炭素原子は、N、O、S等より選択される一つ以上のヘテロ原子を有するヘテロ芳香族又は非へテロ芳香族であって飽和又は不飽和である環に属しても又は属さなくてもよく、式(II)における環状置換基である場合は、2つの隣り合うR基が中央の炭素に直接結合し、同時に環に属する。)前記処理は、0.2-5時間、0.2-10質量%のアンモニウム塩濃度で行われ、続いて濾過による前記触媒の分離及び300-650℃の温度で1-6時間、前記触媒の焼成が行われる。 特に、本発明の目的に有用なカルボン酸アンモニウムの例は、4.00-5.15、好ましくは4.55-4.95の範囲内のpKaを有するカルボン酸のものであって、溶解状態では6.6-7.4、より具体的には6.9-7.1のpHを生じるものである。 酢酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、アミノ安息香酸、ヘキサヒドロ安息香酸、フタル酸、ピリジンカルボン酸は、本発明の目的にとって特に適することが判明した。 チタンの一部をホウ素、アルミニウム、鉄又はガリウムのような他の金属によって置換したチタンシリカライトに、処理を行うこともできる。それらの置換チタンシリカライト及びその調製方法は、公開された欧州特許出願第226,257号、第226,258号、第266,825号及び第293,032号で開示されている。 本発明の触媒の処理は、XRD回析スペクトルのRietveld精緻化(refinement)から観察され得るように、初期値に関する単位格子体積の膨張を引き起こす。さらに、例えば酢酸アンモニウムで処理したTS-1サンプルのXPS分光法により、炭素シグナルC(1s)の中間の高さでの幅が285.0 eVの結合エネルギー(BE)に集中しており、未処理サンプルに関して3.0-3.7 eV増加することが示されている。特に、処理サンプルのC(1s)ピークは287.0 eVのBEで肩を有し、その肩は、TS-1自体に存在しないエステル基に関係付けることができ、熱処理後にも観察され得る。Si(2p)及びTi(2p)シグナルもそれぞれ2.8-3.4 eV及び3.3-3.9 eVに広がっており、このことは酢酸アンモニウムで処理した後に存在する種のより大きな不均一性を示している。 対照的に、例えばアルカリカチオン及び/又はアルカリ土類カチオンでアンモニウムイオンを置換したカルボン酸塩を用いて処理を行う場合には、格子体積の増加は観察されない(欧州特許第230,949号)。カルボン酸ナトリウムを用いて処理を行う場合は、実際に格子体積の収縮効果が生じる(実施例2及び表1)。 対照的に、アンモニウム塩のカルボン酸アニオンを上に明記したのと異なる酸アニオンで置換したもの、例えば塩化アンモニウム、重炭酸アンモニウム及びアンモニウム水和物の塩類の場合は、触媒の格子体積の約半分と等しい、それほど大きくない膨張が焼成後に得られた(実施例3、4及び表1)。 本発明の塩類における9.25のpKaを有するアンモニウムイオンの存在は、本発明の場合6.6-7.4、好ましくは6.9-7.1である処理溶液のpHを改変することなく、触媒を処理するのに必要なモル濃度を有することを可能にする。 処理において用いられるアンモニウム塩は、前記処理に続く触媒の熱処理でアンモニウムイオンが完全に分解されて、ゼオライト構造及び上述の酸より選択されるアニオンから除去されることから、触媒の使用前に容易かつ完全に除去することができる特殊な特徴も有する。このことにより、既知の技術(欧州特許第230,949号)で示される他のカチオンに伴って観察される構造上望ましくない前記カチオンの干渉現象(晶族の改変、欠陥の導入、構造自身の部分的又は完全な鉱化)のいずれもを排除することが保証される。既知の技術において、カルボン酸アンモニウム又は他のアンモニウム塩の使用は、分光分析前にゼオライト系触媒を洗浄するために前記中和剤の使用と排他的に関連することが指摘されるべきである。その洗浄は、合成プラントの物質から解離する又は前駆体中に不純物として存在する有機残留物(例えば鋳型となる薬品)及び/又は無機残留物(例えばAl及びFe)を除去するためである。しかしながら前記既知の技術は、処理操作手順又はそのように処理したゼオライト系触媒の特性及び/又は触媒応用に関して、いずれの表示も提供していない(R. Millini et al., J. Catalysis, 137, 497-503, 1992;C. Lamberti et al., J. Catalysis, 183, 222-231, 1999)。 手順上の観点から、本発明の処理は還流煮沸、初期湿式含浸(incipient wetness impregnation)及び固定層パーコレーションによって行われる。それらの処理技術は、容易に行われると同時に非常に効率的であることが好ましい。 還流煮沸処理は、前記触媒が前記塩の水溶液又は水性有機溶液に含まれる懸濁液を充分に攪拌すること、及び還流の値まで前記懸濁液の温度を上げることによって行われる。 触媒の活性化段階では、処理溶液中に存在する塩の濃度は、その溶液の0.2-10質量%、好ましくは2-6質量%、より好ましくは3-5質量%である。 前記処理は、0.5-5時間、好ましくは0.5-3時間、より好ましくは0.75-1.5時間で行われる。 前記処理のために選択される溶液は、水溶液又は水性有機溶液である。前記水性有機溶液では、有機溶媒が極性であってアルコール、ケトン、ニトリル、アミド等から選択され得るか、又はエステル、エーテル、パラフィン、芳香族化合物等のような無極性であり得る。 触媒は前記溶液から濾過によって分離され、どのような洗浄操作も行われることなく、マッフルの中に直接置かれて300-650℃、好ましくは450-600℃の温度で1-6時間、好ましくは3-5時間焼成される。 焼成温度は1-30℃/分、好ましくは5-20℃/分の速さで到達される。 初期湿式技術を用いて、真空下105-110℃でチタンシリカライトの予備乾燥が行われ、続いて触媒の細孔容積に等しい容積を有する溶液及び適切な塩含有量で実際の含浸が行われて、その後前記触媒が濾過されて550℃で3-5時間、焼成される。 固定層パーコレーション技術を用いて、前記塩の溶液及び/又は懸濁液は、処理される触媒に対してパーコレーションされて管状ジャケット付き反応器に入れられる。その溶出液はタンクに回収され、触媒に対して所望の濃度に交換するのに充分な回数、ポンプで反応器まで再循環させられる。 あるいは、溶媒のみをパーコレーションして、塩の細密な層を溶出し、触媒の上部を整えることが可能である。その場合でも、パーコレーションする生成物は、最初に通過した後、触媒まで都合良く再循環させられ得る。 触媒は前記反応器に入れられ、固体を通り抜ける液体の優先的浸透を排除するように均一に詰込まれて、処理の均質性が保証される。 本発明の方法は、有機基質の酸化反応において過酸化水素又は前記反応条件下で過酸化水素を生成し得る化合物を用いたTS-1の活性化に対して一般的に有効であるが、例えばシクロヘキサノンのようなカルボニル化合物のアンモキシメーション反応(米国特許第4,794,198号;欧州特許第496,385号)において特に有用であることが判明した。(実施例1) メカニカルスターラー、還流冷却器、温度計及びサーモスタット調節ジャケットを備え付けた1000 mLフラスコに、XRF(X線蛍光)により定量した総TiO2 2.93% w/wを含むTS-1 EniChem触媒 10 g、及びNH4OOCCH3(NH4Ac)(Carlo Erba PRE-ACS, min. tit. 98%)20 gを含むH2O 500 mL(対応するモル分率 RM(Ac/Ti)=1.5)を入れた。その触媒の水性懸濁液を還流温度まで加熱して、その値で1時間維持した。 NH4Acで処理した後、触媒を濾過によって溶液から分離し、H2O(又は他の溶媒)で洗浄せず、マッフルの中に置き、5℃/分で550℃まで加熱し、その温度で5時間維持した。このようにして得た触媒についてのXRF分析は、TiO2の総含有量が初期値と等しいことを示している。XRD回析計分析も斜方晶構造を示しており、スペクトルのRietveld精緻化により、初期値5371Å3から約14-17Å3の格子体積の増加が計算されて最終値5385-5388Å3となる。(実施例2) クエン酸ジアンモニウム(NH4Cit)20 gを前もって溶解した水溶液500 mLを用いて、実施例1と同じ触媒10 gを処理した。処理後、触媒を濾過によって分離し、中間の洗浄をせずにマッフルの中に直接入れて550℃で5時間置いた。このようにして得られた触媒についてのXRF分析は、TiO2の総含有量が初期値2.93%と等しいことを示している。XRD回析計分析も斜方晶構造を示しており、スペクトルのRietveld精緻化により、初期値5371Å3から約17Å3の格子体積の増加が計算されて最終値5388Å3となる。(比較例3) 酢酸ナトリウム(NaOOCCH3、NaAc)20 gを前もって溶解した水溶液500 mLを用いて、実施例1と同じ触媒10 gを処理した。処理後、触媒を濾過によって分離し、マッフルの中に直接入れて550℃で5時間置いた。このようにして得られた触媒についてのXRF分析は、TiO2の総含有量が初期値2.93%と等しいことを示している。XRD回析計分析も斜方晶構造を示しており、スペクトルのRietveld精緻化により、初期値5371Å3から約10Å3の格子体積の減少が計算されて最終値5361Å3となる。(比較例4) 実施例1と同じ触媒の3つのサンプル、各10 gずつを、それぞれ塩化アンモニウム(NH4Cl)0.44 M、重炭酸アンモニウム(NH4HCO3)0.50 M及び水酸化アンモニウム(NH4OH)7.7 Mの水溶液で処理した。各々の処理後、各触媒を濾過によって分離し、マッフルの中に直接入れて550℃で5時間置いた。表1は、斜方晶構造が維持されていたことを示すXRD回析計分析結果、及びRietveld精緻化による単一格子パラメータを表示している。酢酸及びクエン酸のアンモニウム塩について定量された14-18Å3の格子体積の膨張に対して、3つ全ての場合で、処理溶液のpH値に関わらず、TS-1の初期値5371Å3と比較して約8Å3のより限定された膨張が観察される。(実施例5) 実施例1の手順に従って調製した触媒を用いる、シクロヘキサノンの連続的アンモキシメーション反応を記述する。 反応は、メカニカルスターラーを備えた1 L 鋼製オートクレーブ;自動レベル制御;サーモスタット調節;定圧で操作するためのデバイス;反応溶媒、シクロヘキサノン及び過酸化水素溶液のための別々の注入口;並びに触媒を反応器内部に保持するのに適切な多孔率を有するフィルター栓を備えた反応溶液の排出口からなる装置で行った。 反応を、必要な濃度のNH3ガスを前もって吸収させた(液相に関して少なくとも2.5%)t-ブチルアルコールと水(88/12 w/w)との共沸混合物からなる反応溶媒、及び実施例1の触媒8.1 g(反応器中の溶液の1.9%に等しい)を0.5 Lに等しく定容量で反応器に供給することによって活性化し、適切な攪拌によって懸濁状態で維持した。 一旦前記反応器を85℃の温度、2.5 atmの圧力にしたら、試験の全継続時間の間Heと共にその状態を維持して、過酸化水素及びシクロヘキサノンの溶液を供給した。 本明細書で記述する試験の管理条件 (regime condition) 下で、t-ブチルアルコール254.4 g/h(反応器中の溶液の59質量%)、水34.7 g/h(8質量%)、NH3 23.9 g/h(5.5質量%)、50.01質量%の力価(H2O2 100%の5.9質量%に等しい)を有するH2O2水溶液50.9 g/h、及びシクロヘキサノン(One)67.2 g/h(15.6質量%)を供給した。 このようにして、溶液中、次のモル分率(RM)が得られる:RM (H2O2/One)=1.09;RM (NH3/One)=2.04;RM (NH3/H2O2)=1.87。 このような条件下で、いかなる触媒の補給も行わずに、触媒活性が枯渇するまで試験を行って、次の結果が得られた;試験継続時間 :310時間シクロヘキサノン(One)の変換 :98.6モル%(試験の間)オキシムに対する選択性 :99.9モル%Oneに対するオキシムの収率 :98.5モル%H2O2に対するオキシムの収率 :90.4モル%具体的な触媒消費量 :0.35 g触媒/Kg生成したオキシム(比較例6) 実施例5に記述するのと同じ装置及び操作手順を用いて、しかしながらいかなる連続的処理も行わない(そのままの)TS-1 EniChem触媒8.1 g(反応器中の溶液の1.9質量%)を用いて、シクロヘキサノンのアンモキシメーション反応を連続的に行った。 このようにして、管理条件下、本試験の反応溶液において次のモル分率(RM)が示される:RM (H2O2/One)=1.10;RM (NH3/One)=2.02;RM (NH3/H2O2)=1.84。 このような条件下でいかなる触媒の補給も行わずに、触媒活性が枯渇するまで試験を行って、次の結果が得られた;試験継続時間 :137時間シクロヘキサノン(One)の変換 :97.9モル%(試験の間)オキシムに対する選択性 :99.6モル%Oneに対するオキシムの収率 :97.5モル%H2O2に対するオキシムの収率 :90.1モル%具体的な触媒消費量 :0.79 g触媒/Kg生成したオキシム 以下の表2は、実施例5と比較例6との直接比較を示す。実施例5のNH4Acで処理した触媒の性能は、比較例6の(そのままの)未処理触媒の性能よりも非常に優れている。 過酸化水素又は反応条件下で過酸化水素を生成する化合物を用いる、有機基質の酸化方法であって、前記酸化方法が、チタンを含みxが0.0001〜0.4である式(I):xTiO2(1−x)SiO2からなるゼオライト系触媒の存在下におけるカルボニル化合物のアンモキシメーションからなり、前記触媒が、 直鎖又は分枝であり2〜20の炭素原子総数を有し以下の一般式(II)を有するモノ-、ジ-、トリ-、テトラ-カルボン酸のアンモニウム塩の水溶液及び/又は水性有機溶液で、0.2〜10質量%のアンモニウム塩濃度にて、前記触媒を0.2〜5時間処理すること; 続いて濾過により前記触媒を分離すること;及び 300〜650℃の温度で1〜6時間、前記触媒を焼成すること;からなる方法によって得られる、前記酸化方法。(式中、R基の一つはカルボキシルであるが、他のR基は同じであるか又は異なっており、水素、ヒドロキシル基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミン基、アミド基、ビニル基、ヒドロ-ハロゲン基、ニトリル基、ヒドロ-スルフィド基、スルホン酸基、リン酸基から選択でき;又はそれらはアルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、芳香族基、アルキル芳香族基、アラルキル基、ヘテロ芳香族基、及びこれらの基が水素、ヒドロキシル、カルボキシル、ハロゲン、アルコキシド、アミン、エステル、アミド、ビニル、ニトリル、ヒドロキシル、ヒドロ-スルフィド、カルボニルより選択される一つ以上の原子又は基で置換された基より選択されてもよく;一般式(II)の中央の炭素原子は、N、O、Sより選択される一つ以上のヘテロ原子を有するヘテロ芳香族又は非へテロ芳香族であって飽和又は不飽和である環に属しても又は属さなくてもよく、式(II)における環状置換基である場合は、2つの隣接するR基が前記中央の炭素に直接結合し、同時に環に属する。) 触媒がチタンシリカライトTS-1であり、xが0.001〜0.04である、請求項1記載の方法。 xが0.01〜0.03である、請求項2記載の方法。 シリカライトTS-1のチタンの一部がホウ素、鉄又はガリウムによって置換されている、請求項2記載の方法。 アンモニウム塩が、4.00〜5.15のpKaを有するカルボン酸の塩である、請求項1記載の方法。 カルボン酸が4.55〜4.95のpKaを有する、請求項5記載の方法。 カルボン酸が酢酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、アミノ安息香酸、ヘキサヒドロ安息香酸、フタル酸及びピリジンカルボン酸からなる群より選択される、請求項6記載の方法。 水溶液及び/又は水性有機溶液のpHが6.6〜7.4である、請求項1記載の方法。 pHが6.9〜7.1である、請求項8記載の方法。 塩濃度が2〜6%である、請求項1記載の方法。 塩濃度が3〜5%である、請求項10記載の方法。 処理が0.5〜3時間行われる、請求項1記載の方法。 処理が0.75〜1.5時間行われる、請求項12記載の方法。 水性有機溶液の溶媒がアルコール、ケトン、ニトリル、アミドより選択される極性溶媒、又はエステル、エーテル、パラフィン、芳香族化合物より選択される非極性溶媒である、請求項1記載の方法。 触媒が3〜5時間、450〜600℃の温度で焼成される、請求項1記載の方法。 焼成温度が1〜30℃/分の速度で到達される、請求項1記載の方法。 焼成温度が5〜20℃/分の速度で到達される、請求項16記載の方法。 シクロヘキサノンのアンモキシメーションが行われる、請求項1記載の方法。