生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_β−2’−または3’−ハロヌクレオシド
出願番号:2003506646
年次:2005
IPC分類:7,A61K31/7064,A61K31/7068,A61K31/7076,A61K45/00,A61P31/14,A61P31/18,A61P35/00,C07H19/06,C07H19/16


特許情報キャッシュ

チユー,チユン・ケイ オツトー,マイケル・ジエイ シー,ジユンシン シナジ,レイモンド・エフ チヨイ,ヨンソク グミナ,ジユゼツペ チヨン,ヨフーン スタイバー,リーベン・ジエイ JP 2005503358 公表特許公報(A) 20050203 2003506646 20020624 β−2’−または3’−ハロヌクレオシド フアーマセツト・リミテツド 503143471 ユニバーシテイ・オブ・ジヨージア・リサーチ・フアウンデーシヨン・インコーポレイテツド 503469555 エモリー・ユニバーシテイ 501178433 川口 義雄 100062007 一入 章夫 100113332 小野 誠 100114188 大崎 勝真 100103920 坪倉 道明 100124855 チユー,チユン・ケイ オツトー,マイケル・ジエイ シー,ジユンシン シナジ,レイモンド・エフ チヨイ,ヨンソク グミナ,ジユゼツペ チヨン,ヨフーン スタイバー,リーベン・ジエイ US 60/300,356 20010622 US 60/305,386 20010713 7 A61K31/7064 A61K31/7068 A61K31/7076 A61K45/00 A61P31/14 A61P31/18 A61P35/00 C07H19/06 C07H19/16 JP A61K31/7064 A61K31/7068 A61K31/7076 A61K45/00 A61P31/14 A61P31/18 A61P35/00 C07H19/06 C07H19/16 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,CH,CY,DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2002020245 20020624 WO2003000200 20030103 400 20031222 4C057 4C084 4C086 4C057AA17 4C057BB02 4C057BB07 4C057CC02 4C057CC05 4C057CC06 4C057DD01 4C057LL12 4C057LL14 4C057LL17 4C057LL28 4C057LL32 4C057LL40 4C084AA19 4C084ZA751 4C084ZB331 4C084ZB332 4C084ZC551 4C084ZC552 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA04 4C086EA16 4C086ZA75 4C086ZB33 4C086ZC55 【技術分野】【0001】本出願は、2001年6月22日出願の米国特許仮出願第60/300,356号および2001年7月13日出願の米国特許仮出願第60/305,386号に対して優先権を主張するものである。【0002】本発明は、製薬化学の分野に存し、詳細には、β−2’−または3’−ハロヌクレオシドならびにそれらの調製法および使用を記載する。【0003】本明細書に記載する本発明は、国立衛生研究所(米国)による承認番号AI32351およびAI25899、ならびに承認番号1R37AI−41890および1RO1AI−32351のもと、政府の援助で成されたものである。米国政府は、この発明に対して一定の権利を有する。【背景技術】【0004】5−ヨードウラシルおよび5−フルオロウラシルなどの合成ヌクレオシドは、長年にわたって癌の治療に用いられてきた。1980年代以降、合成ヌクレオシドは、HIVおよび肝炎の治療のための興味の対象にもなっている。【0005】1981年、後天性免疫不全症候群(AIDS)がヒト免疫系を深刻な危険にさらし、ほぼ例外なく死を導く疾病として特定された。1983年、AIDSの病因がヒト免疫不全ウイルス(HIV)であると、判定された。1985年、合成ヌクレオシド3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)がヒト免疫不全ウイルスの複製を阻害するという報告が成された。それ以降、2’,3’−ジデオキシイノシン(DDI)、2’,3’−ジデオキシチジン(DDC)および2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロチミジン(D4T)を含む多数の他の合成ヌクレオシドがHIVに対して有効であると証明された。これらの合成ヌクレオシドは、細胞キナーゼによる5’−三リン酸塩への細胞のリン酸化後、ウイルスDNAの成長鎖に組み込まれ、その結果、3’−ヒドロキシル基の不在に起因する連鎖反応の停止が生じる。それらは、ウイルス酵素の逆転写も阻害する。【0006】インビボまたはインビトロでのHIVの複製の阻害に様々な合成ヌクレオシドが成功したことによって、多数の研究者が、ヌクレオシドの3’位の炭素原子をヘテロ原子に置換したヌクレオシドを設計し、試験することとなった。BioChem Pharma,Inc.に譲渡された欧州特許公開第0 337 713号、および米国特許第5,041,449号は、抗ウイルス活性を示す2−置換−4−置換−1,3−ジオキソランを開示している。同じく、BioChem Pharma,Inc.に譲渡された米国特許第5,047,407号および欧州特許公開第0 382 526号は、多数の2−置換−5−置換−1,3−オキサチオランヌクレオシドが、抗ウイルス活性を有することを開示しており、具体的には、2−ヒドロキシメチル−5−(シトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(以後、BCH−189と呼ぶ)が、毒性を殆ど伴わずにHIVに対してAZTとほぼ同じ活性を有することを報告している。【0007】cis−2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(「FTC」)は、強いHIV活性を有することも開示されている。Schinaziら,「cis−5−フルオロ−1−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−シトシンのラセミ体およびエナンチオマーによるヒト免疫不全ウイルスの選択的抑制(Selective Inhibition of Human Immunodeficiency viruses by Racemates and Enantiomers of cis−5−Fluoro−1−[2−(Hydroxymethyl)−1,3−Oxathiolane−5−yl]−Cytoshine)」,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,11月 1992,2423−2431。米国特許第5,210,085号、同5,814,639号および同5,914,331号も参照のこと。【0008】人間の深刻な健康上の問題を引き起こすもう一つのウイルスは、B型肝炎ウイルス(以後、「HBV」と呼ぶ)である。HBVは、タバコに次ぐ人間の癌の原因である。HBVが癌を誘発するメカニズムは不明である。腫瘍の発生を直接引き起こすこともあるし、または慢性炎症、肝硬変、および感染随伴細胞再生を通して腫瘍の発生を間接的に引き起こすこともあると主張されている。【0009】宿主が感染に気付かない2ヶ月から6ヶ月の潜伏期間の後、HBV感染によって、急性肝炎および肝損傷が導かれ、それに起因して、腹部疼痛、黄疸および一定の酵素の血液中レベル上昇が生じる。HBVは、肝臓の広範な部分を破壊する急速進行性で、多くの場合致命的な形の疾病である劇症肝炎を引き起こす。【0010】急性肝炎の患者は、典型的には回復する。しかし、一部の患者では、高レベルのウイルス抗原が、長期期間、または無期限に血液中に存続し、それに起因して慢性炎症が生じる。慢性炎症は、慢性持続性肝炎を導く。慢性持続性HBV感染患者は、発展途上国では最も一般的である。1991年半ばまでに、アジアだけでHBVの慢性的なキャリアは、約225,000,000人存在し、世界的には、ほぼ300,000,000人のキャリアが存在した。慢性持続性肝炎は、疲労、肝硬変、および肝細胞癌、原発性肝癌を生じうる。【0011】西側先進国において、HBV感染の危険性が高いグループには、HBVのキャリアまたは彼らの血液サンプルと接触した者が挙げられる。HBVの疫学は、後天性免疫不全症候群のものと非常に類似しており、それが、AIDSまたはAIDS関連複合体の患者の間でHBV感染が一般的である原因である。しかし、HBVは、HIVより感染性が高い。【0012】FTCおよび3TCは、両方とも、HBVに対して活性を示す。Furmanら,「cis−5−フルオロ−1−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−シトシンの(−)および(+)エナンチオマーの抗B型肝炎ウイルス活性、細胞毒性および同化プロフィール(The Anti−Hepatitis B Virus Activities,Cytotoxicities,and Anabolic Profiles of (−) and (+) Enantiomers of cis−5−Fluoro−1−[2−(Hydroxymethyl)−1,3−oxathiolane−5−yl]−Cytosine)」,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,12月 1992,pp2686−2692;およびChengら,Journal of Biological Chemistry,第267(20)巻,pp.13938−13942(1992)。ヒトにおいてHBVに対して活性を示す他の化合物には、L−FMAU(Triangle Pharmaceuticals,Inc.ジョージア大学研究財団およびイェール大学からライセンスを受けたもの)、ならびにL−dTおよびL−dC(Idenix Pharmaceuticals Inc.)が挙げられる。【0013】HCVは、トランスフェクション後および散在性非A型、非B型肝炎についての主因物質である(Alter,H.J.(1990)J.Gastro.Hepatol.1:78−94;Dienstag,J.L.(1983)Gastro 85:439−462)。判別検査の進歩にも拘わらず、HCVは、多くの国々において急性ウイルス性肝炎の少なくとも25%を未だに占めている(Alter,H.J.(1990)上記;Dienstag,J.L.(1983)上記;Alter,M.J.ら(1990a)J.A.M.A.264:2231−2235;Alter M.J.ら(1992)N.Engl.J.Med.327:1899−1905;Alter,M.J.ら(1990b)N.Engl.J.Med.321:1494−1500)。HCVによる感染は、長年にわたって臨床症状を経験したことがない慢性感染(および感染性)キャリアの大部分に潜伏している。急性感染から慢性感染への高い進行率(70%から100%)および肝臓病への高い進行率(>50%)、その世界的な分布、ならびにワクチンの不足のために、HCVは、罹患率および死亡率の有意な原因になっている。現在、3タイプのインターフェロンおよびインターフェロンとリバビリンの組合わせがC型肝炎の治療に用いられている。治療する患者の選択は、症状の存在または不在によってではなく、生化学的所見、ウイルス学的所見、および必要な際には肝臓生検所見によって決定されうる。【0014】インターフェロンは、注射によって投与され、また、頭痛を含むインフルエンザ様症候群、発熱、倦怠、食欲喪失、悪心、嘔吐、うつ病および毛髪の薄化を含む多数の副作用を有しうる。骨髄を衰えさせることによって、白血球および血小板の生産にも干渉しうる。血球および血小板をモニターするために定期的な血液検査が必要である。リバビリンは、突然の激しい貧血および先天性異常を引き起こすことがあり、そのため、女性は、それを摂取している間および治療後6ヶ月間は、妊娠を避けるべきである。副作用の重症度およびタイプは、各個人によって異なる。HCVの子供の治療は、現在承認されておらず、研究中である。50%から60%の患者が最初は治療に応じるが、ウイルスのクリアランスの永続は、約10%から40%の患者にしか起こらない。治療は長期にわたりうり、二回目は、最初の治療後に再発した患者に投与される。生体工学により作られたコンセンサスインターフェロン単独での再治療により、1年間治療を受けた患者の58%においてウイルスが除去される。副作用は発生するが、この薬物療法は、通常、充分に許容される。併用療法(インターフェロンとリバビリン)は、治療の6ヵ月後、47%においてウイルスの除去を示した。両方の薬物からの副作用が、顕著であろう。【0015】腫瘍は、細胞成長の不規則で無秩序な増殖である。腫瘍は、浸潤性および転移性の特性がある場合、悪性、すなわち癌性である。浸潤性は、腫瘍が周辺組織に侵入し、それらの組織の境界を規定する基底膜を突破する傾向を指し、その結果、多くの場合、体循環系に侵入することとなる。転移は、腫瘍が体の他の領域に移動し、最初の出現部位から離れた増殖領域を確立する傾向を指す。【0016】癌は、現在、米国において2番目に大きな死因である。米国では、1994年には1,208,000の新規診断が予想されながら、8,000,000人を越える人々が、癌と診断されている。この国では、年間、500,000人を越える人々が、この疾病によって死亡している。【0017】癌は、分子レベルでは充分に理解されていない。一定のウイルス、一定の化学物質、または放射線などの発癌性物質に対する細胞の暴露が、「抑制」遺伝子を不活性化する、または「癌遺伝子」を活性化するDNA修飾を導くことは、知られている。抑制遺伝子は、成長調節遺伝子であり、これらが突然変異すると、細胞成長をもはや制御することはできない。癌遺伝子は、最初は正常な遺伝子(前癌遺伝子と呼ばれている)であり、突然変異または発現状況の修飾により形質転換遺伝子になる。形質転換遺伝子の産物によって、不適切な細胞成長が生じる。20を越える異なる正常細胞遺伝子が、遺伝子修飾によって癌遺伝子になりうる。形質転換細胞は、細胞形態学、細胞対細胞の相互作用、膜内容物、細胞骨格構造、蛋白質分泌、遺伝子発現および死亡率(形質転換細胞は、無期限に成長しうる)を含む多くの点で正常な細胞と異なる。【0018】身体の様々な細胞タイプのすべてが、良性または悪性腫瘍細胞に形質転換されうる。最も頻度の高い腫瘍部位は、肺であり、続いて結腸直腸、乳房、前立腺、膀胱、膵臓、そして卵巣である。他の頻度の高い癌のタイプには、白血病、中枢神経系の癌(脳癌を含む)、黒色腫、リンパ腫、赤白血病、子宮癌、および頭頚部癌が挙げられる。【0019】癌は、現在、主に、三年の治療(外科手術、放射線および化学療法)のうちの一つまたは併用を以って治療されている。外科手術には、疾病組織の全摘出が挙げられる。外科手術は、一定の部位、例えば、乳房、結腸および皮膚に位置する腫瘍の摘出には、場合によっては有効であるが、背骨などの他の領域に位置する腫瘍の治療、または白血病などの散在性腫瘍性状態の治療に用いることはできない。【0020】化学療法は、細胞複製または細胞代謝の破壊を伴う。これは、白血病、ならびに乳癌、肺癌および精巣癌の治療に、最も多くの場合、用いられている。【0021】癌の治療用には、現在、天然産物およびそれらの誘導体;アンタサイクリン(anthacyclines);アルキル化剤;抗増殖薬(代謝拮抗物質とも呼ばれる);およびホルモン薬といった、5つの主要な種類の化学療法薬がある。化学療法薬は、多くの場合、抗腫瘍薬と呼ばれる。【0022】アルキル化剤は、グアニンおよび可能な場合にはDNA内の他の塩基をアルキル化し、架橋させて、細胞分裂を停止させることにより作用すると考えられる。典型的なアルキル化剤には、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、アルキル硫酸塩、シスプラチンおよび様々なニトロソウレアが挙げられる。これらの化合物の短所は、悪性細胞ばかりでなく、骨髄、皮膚、胃腸粘膜および胎児組織のものなどの自然に分裂する他の細胞にも結合することである。【0023】代謝拮抗物質は、典型的に、可逆性もしくは不可逆性酵素阻害剤、または核酸の複製、翻訳もしくは転写を別様に干渉する化合物である。【0024】抗癌活性を示す幾つかの合成ヌクレオシドが、確認されている。強い抗癌活性を有するよく知られているヌクレオシド誘導体は、5−フルオロウラシルである。5−フルオロウラシルは、例えば、癌腫、肉腫、皮膚癌、消化器官の癌、および乳腺癌を含む悪性腫瘍の治療の際に臨床使用されている。しかし、5−フルオロウラシルは、悪心、脱毛、下痢、口内炎、白血球血小板減少症、食欲不振、色素沈着および浮腫などの深刻な副作用をもたらす。抗癌活性を有する5−フルオロウラシルの誘導体は、米国特許第4,336,381号、ならびに特開昭50−50383、同50−50384、同50−64281、同51−146482および同53−84981に記載されている。【0025】米国特許4,000,137号は、メタノールまたはエタノールとイノシン、アデノシンまたはシチジンの過酸化酸化生成物が、リンパ球性白血病に対して活性を有することを開示している。【0026】シトシンアラビノシド(シタラビン、araCおよびサイトサールとも呼ばれる)は、デオキシシチジンのヌクレオシド類似体であり、これは、1950年に最初に合成され、1963年に臨床医学に導入された。これは、現在、急性骨髄性白血病の治療の際に重要な薬物である。これは、急性リンパ球性白血病に対しても活性であり、程度は劣るが、慢性骨髄性白血病および非ホジキンリンパ腫に有用である。araCの一次作用は、核内DNA合成の阻害である。Handschumacher,R.およびCheng,Y.,「プリンおよびピリミジン代謝拮抗物質(Purine and Pyrimidine Antimetabolites)」,J.Hollandらによる,Cancer Medicine,第XV−1章,第3版,Lea and Febigol,publishers。【0027】5−アザシチジンは、主として、急性骨髄性白血病および骨髄形成異常症候群の治療の際に用いられる。【0028】2−フルオロアデノシン−5’−リン酸(フルダラ、FaraAとも呼ばれる)は、慢性リンパ球性白血病の治療の際に最も活性な薬剤の一つである。この化合物は、DNA合成を阻害することによって作用する。F−araAでの細胞の処理は、G1/S期の境界およびS期の細胞の蓄積を随伴し、それ故、これは、細胞周期S期特異性の薬物である。活性代謝物質、F−araATPの導入によって、DNA鎖の伸長は阻害される。F−araAは、リボヌクレオチドリダクターゼ(dATPの生成の責任を担う重要な酵素)に対して効力のある阻害剤でもある。【0029】2−クロロデオキシアデノシンは、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫およびヘアリーセル白血病などの低悪性度B細胞新生物の治療の際に有用である。【0030】新しいヌクレオシドの設計において、ヌクレオシドの炭水化物環にフルオロ置換基を組み込む試みが、多数、行われてきた。フッ素が置換基として提唱されてきたのは、C−F結合長(1.35Å)がC−O結合長(1.43Å)に非常に類似しているのでヒドロキシル基の等極性で等配電子の模擬体として役立つため、およびフッ素が水素結合受容体であるためである。フッ素は、最小の立体的な乱れで分子の有意な電子変化を生じることができる。分子内の別の基をフッ素置換すると、高強度のC−F結合(C−H=100kcal/molに対して、116kcal/mol)に起因して、基質代謝の変化が生じうる。【0031】多数の文献によって、2’−アラビノフルオロヌクレオシド(すなわち、2’−フルオロ基が、立体配置上「上(up)」にあるヌクレオシド)の合成および使用が報告されている。B型肝炎およびヘルペスに対して活性を示す2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシルヌクレオシドが幾つか報告されている。例えば、Foxらの米国特許第4,666,892号;Lopezらの米国特許第4,221,773号;Suら,Nucleosides.136。「幾つかの1−(2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−アルキルウラシルの合成および抗ウイルス効果。幾つかの構造と活性の関係(Synthesis and Antiviral Effects of Several 1−(2−Deoxy−2−fluoro−β−D−arabinofuranosyl)−5−alkyluracils.Some Structure−Activity Relationships)」,J.Med.Chem.,1986,29,151−154;Borthwickら,「炭素環式2’−Ara−フルオロ−グアノシンの合成および酵素分解:効力のある新規抗ヘルペス薬(Synthesis and Enzymatic Resolution of Carbocyclic 2’−Ara−fluoro−Guanosine:A Potent New Anti−Herpetic Agent)」,J.Chem.Soc.Chem.Commun,1998;Watanabeら,「活性な抗エイズヌクレオシド3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)および2’,3’−デオキシチミジン(AZT)ならびに2’,3’−デオキシシチジン(DDC)の2’−「up」−フルオロ類似体の合成および抗HIV活性(Synthesis and Anti−HIV Activity of 2’−”UP”−Fluoro Analogues of Active Anti−Aids Nucleosides 3’−Azido−3’−deoxythumidine(AZT) and 2’,3’−deoxythymidine(AZT) and 2’,3’−deoxycytidine(DDC))」,J.Med.Chem.1990,33,2145−2150;Martinら,「ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)に対するピリミジンデオキシリボヌクレオシドのモノフルオロおよびジフルオロ類似体の合成および抗ウイルス活性(Synthesis and Antiviral Activity of Monofluoro and Difluoro Analogues of Pyrimidine Deoxyribonucleosides against Human Immunodeficiency Virus(HIV−1))」,J.Med.Chem.1990,33,2137−2145;Sterzyckiら,「幾つかの2’−フルオロ含有ピリミジンヌクレオシドの合成および抗HIV活性(Synthesis and Anti−HIV Activity of Several 2’−Fluoro−Containing Pyrimijine Nucleosides)」,J.Med.Chem.1990、ならびにまた、Sterzyckiらによって出願された欧州特許第0 316 017号;およびMontgomeryら,「9−(2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル−グアニン:2’−デオキシグアノシンの代謝安定性細胞毒性類似体(9−(2−Deoxy−2−Fluoro−β−D−arabinofuranosyl−guanine:A Metabolically Stable Cytotoxic Analogue of 2’−Deoxyguanosine)」を参照のこと。米国特許第5,246,924号は、「FEAU」とも呼ばれる1−(2’−デオキシ−2’−フロオロ−β−D−アラビノフラノシル)−3−エチルウラシル)の投与を含む肝炎感染の治療法を開示している。米国特許第5,034,518号は、アデノシンのための基質として役立つ化合物の能力を低下させることによりアデニンヌクレオシドの代謝を修飾することによって抗癌活性を示す2−フルオロ−9−(2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノ−フラノシル)アデニンヌクレオシドを開示している。欧州特許公開第0 292 023号は、一定のβ−D−2’−フルオロアラビノヌクレオシドがウイルス感染に対して活性であることを開示している。【0032】米国特許第5,128,458号は、抗ウイルス薬としてβ−D−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオリボヌクレオシドを開示している。米国特許第5,446,029号は、2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロヌクレオシドが抗肝炎活性を有することを開示している。【0033】欧州特許公開第0 409 227 A2号は、B型肝炎の治療用に、一定の3’−置換β−D−ピリミジンおよびプリンヌクレオシドを開示している。【0034】L−FMAU(2’−フルオロ−5−メチル−β−L−アラビノフラノシル−ウラシル)が、効力のある抗HBVおよび抗FBV薬であることも開示されている。Chuら,「B型肝炎ウイルスおよびエプスタイン−バーウイルスのための新規抗ウイルス薬としての2’−フルオロ−5−メチル−β−L−アラビノフラノシルウラシルの使用(Use of 2’−Fluoro−5−methyl−β−L−arabinofuranosyluracil as a Novel Antiviral Agent for Hepatitis B Virus and Epstein−Barr Virus)」,Antimicrobial Agent and Chemotherapy,4月 1995,979−981;Balakrishnaら,「新規L−ヌクレオシド、2’−フルオロ−5−メチル−β−L−アラビノフラノシルウラシルによるB型肝炎ウイルスの抑制(Inhibition of Hepatitis B Virus by a Novel L−Nucleoside,2’−Fluoro−5−Methyl−β−L−arabinofuranosyl Uracil)」,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,Feb 1996,380−356;米国特許第5,587,362号、同第5,567,688号および同第5,565,438号を参照のこと。【0035】米国特許第5,426,183号および同第5,424,416号は、2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロヌクレオシドおよび2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオシドの調製法を開示している。精製ヒトデオキシシチジンキナーゼおよびシチジンデアミナーゼと2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)との反応速度研究「(Kineic Studies of 2’,2’−difluorodeoxycytidine(Gemcitabine) with Purified Human Deoxycytidine Kinase and Cytidine Deaminase)」,BioChemical Pharmacology,第45巻(第9号)4857−1861ページ,1993も参照のこと。【0036】Erikssonらの米国特許第5,446,029号は、一定の2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロヌクレオシドがB型肝炎活性を有することを開示している。米国特許第5,128,458号は、3’置換基がH、アジドまたはフルオロである一定の2’,3’−ジデオキシ−4’−チオリボヌクレオシドを開示している。国際公開公報第94/14831号は、一定の3’−フルオロ−ジヒドロピリミジンヌクレオシドを開示している。国際公開公報第92/08727号は、単純ヘルペス1型および2型の治療用に、β−L−2’−デオキシ−3’−フルオロ−5−置換ウリジンヌクレオシドを開示している。【0037】欧州特許公開第0 352 248号は、HIV、ヘルペスおよび肝炎の治療用の幅広い種類のL−リボフラノシルプリンヌクレオシドを開示している。ある種の2’−フッ素化プリンヌクレオシドは、この幅広い種類の中に入るが、この明細書中のこれらの化合物の製造方法に関する情報は、この明細書中に与えられておらず、それらは、この明細書において特別に開示されているヌクレオシドまたはヌクレオシドの好ましいリストの中にはない。その明細書は、3’−リボフラノシルフッ素化ヌクレオシドの製造法を開示しているものである。類似の明細書は、Aktiebolagent Astraによって出願された国際公開公報第88/09001号において見出される。【0038】欧州特許公開第0 357 571号は、AIDSの治療用の幅広い種類のβ−Dおよびα−Dピリミジンヌクレオシドを開示しており、この幅広い種類の中には、一般に、2’位または3’位をフッ素基で置換することができるヌクレオシドが含まれる。しかし、この幅広い種類の中には、2’−フッ素化ヌクレオシドまたはそれらの生成方法の特別な開示はない。【0039】欧州特許公開第0 463 470号は、2’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシシチジンなどの2’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドを製造する際の公知中間体である、(5S)−3−フルオロ−テトラヒドロ−5−[(ヒドロキシ)メチル]−2−(3H)−フラノンの調製法を開示している。【0040】米国特許第5,817,799号および同第5,336,764号は、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロアラビノシルヌクレオシドを合成する際の中間体である、β−D−2’−フルオロアラビノフラノシルヌクレオシドおよびそれらの生成方法を開示している。【0041】米国特許第4,625,020号は、1,3,5−トリ−O−アシル−リボフラノースから保護エステル基を有する1−ハロ−2−デオキシ−2−フルオロアラビノフラノシル誘導体を生成する方法を開示している。【0042】米国特許第6,348,587号および国際公開公報第99/43619号は、一定の2’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジヒドロ−4’−((S,CH2またはCHF))−ヌクレオシドを含む一定の2’−フルオロヌクレオシド、およびHIV、肝炎(B型またはC型)または増殖性状態の治療のためのそれらの使用を開示している。【0043】国際公開公報第01/90121号および同第01/92282号は、一定の2’−ハロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−4’−(O、S、SO2またはCH2)−ヌクレオシドをそれぞれ含む、HCVおよびフラビウイルスおよびペスチウイルスの治療用の多種多様なヌクレオシドを開示している。【0044】4’−チオヌクレオシドの最初の例は、1964年にReistらによって報告されており、彼らは、天然アデノシンの4’−チオ相当物を合成した(Reist,E.J.;Gueffory,D.E.;Goodman,L.,「4−チオ−D−およびL−リボフラノースならびに対応するアデニンヌクレオシドの合成(Synthesis of 4−thio−D−& L−ribofuranose and corresponding adenine nucleosides)」,J.Am.Chem.Soc.1964,86,5658−5663)。【0045】Youngらによる報告は、L−4’−チオ−d4C類似体が顕著な抗HBVおよび抗HIV活性も示すこの種類のヌクレオシドの重要性を強調している(Young,R.J.;Shaw−Ponter,S;Thomson,J.B.;Miller,J.A.;Cumming,J.G.;Pugh,A.W.;Rider,P.,「エナンチオマー2’,3’−ジデオキシ−および2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−4’−チオヌクレオシドの合成および抗ウイルス評価(Synthesis and antiviral evaluation of enantiomeric 2’,3’−dideoxy− and 2’,3’−didehydro−2’,3’−dideoxy−4’−thionucleosides)」,Bioorg,Med,Chem.Lett.1995,5,2599−2604)。【0046】それ以来、9−(4−チオ−D−キシロフラノシル)アデニン(Reist,E.J.;Fisher,L.V.;Gueffroy,E.;Goodman,L.「隣接基の関与。チオアシロニウムイオン中間体経由でのジチオ五炭糖の調製(Neighboring−group participation. Preparation of dithiopentose sugars via a thioacylonium ion intermediate)」,J.Org.Chem.1968,33,189−192)、9−(4−チオ−D−アラビノフラノシル)アデニン(Reist,E.J.;Fisher,L.V.;Gueffroy,E.;Goodman,L.「隣接基の関与。チオアシロニウムイオン中間体経由でのジチオ五炭糖の調製(Neighboring−group participation. Preparation of dithiopentose sugars via a thioacylonium ion intermediate)」,J.Org.Chem.1968,33,189−192)、および4’−thio−araC(Ototani,N,;Whistler,R.L.「2,2’−アンヒドロ−1−β−D−アラビノフラノシルシトシンの4’−チオ類似体の調製および抗腫瘍活性(Preparation and antitumor activity of 4’−thio analogs of 2,2’−anhydro−1−β−D−arabionfuranosylsytosine)」,J.Med.Chem.1974,17,535−537)を含む、幾つかの種類の4’−チオヌクレオシドが報告されている(Whistler,R.L,;Doner,L.W.;Nayak,U.G.,「4−チオ−D−アラビノフラノシルピリミジンヌクレオシド(4−Thio−D−arabinofuranosylpyrimidine nucleosides)」,J.Org.Chem.1971,36,108−110;Bobek,M.;Bloch,A.;Parthasarathy,R.;Whistler,R.L.,「5−フルオロ−4’−チオウリジンおよび幾つかの関連ヌクレオシドの合成および生物活性(Synthesis and biological activity of 5−fluoro−4’−thiouridine and some related nucleosides)」,J.Med.Chem.1975,18,784−787)。【0047】しかし、光学的に純粋な4’−チオヌクレオシドの合成の難しさが、これらの類似体のさらなる合成の障害となっており、現在までにほんの少しの例しか知られていない(Fu,Y.−L.;Bobek,M.,In Nucleic Acid Chemstry;Townsend,L.;Tipson,R.S.,Eds.;John Wiley & Sons:New York、1978;pp317−323)。さらに、1991年に、WalkerおよびSecristが、ピリミジン2’−デオキシ−4’−チオヌクレオシドの合成を独自に報告する[Dyson,M.R.;Coe,P.L.;Walker,R.T.,「E−5−(2−ブロモビニル)−4’−チオ−2’−デオキシウリジンの合成および抗ウイルス特性(The sysnthesis and antiviral properties of E−5−(2−bromovinyl)−4’−thio−2’−deoxyuridine)」,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1991,741−742;Dyson,M.R.;Coe.P.L.;Walker,R.T.「幾つかの4’−チオ−2’−デオキシヌクレオシド類似体の合成および抗ウイルス活性(The sysnthesis and antiviral activity of some 4’−thio−2’−deoxy nucleoside analogs)」,J.Med.Chem.1991,34,2782−2786;Secrist,J.A.;Tiwari,K.N.;Riordan,J.M.;Montgomery,J.A.「2’−デオキシ−4’−チオピリミジンヌクレオシドの合成および生物活性(Synthesis and biological activity of 2’−deoxy−4’−thiopyrimidine nucleosides)」,J.Med.Chem.1991,34,2361−2366]までは、生物学的に興味深い2’−デオキシ−4’−チオヌクレオシドは合成されておらず、その後、シャープでない非対称エポキシ化を用いる2’−デオキシ−4’−チオヌクレオシドの代替合成[Uenishi,J.;Motoyama,M.;Nishiyama,Y.;Wakabayashi,S.,「環状キサントゲン酸塩の立体制御調製−4−チオフラノースおよび4’−チオヌクレオシドへの新規合成経路(Stereocontrolled preparation of cyclic xanthate−A novel sysnthetic route to 4−thiofuranose and 4’−thionucleoside)」,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1991,1421−1422;Uenishi,J.;Thakahashi,K.;Motoyama,M,;Akashi,H.;Sasaki,T.「D−2’−デオキシ−4’−チオおよびL−2’−デオキシ−4’−チオピリミジンヌクレオシドの合成および抗腫瘍活性(Syntheses and antitumor activities of D−2’−deoxy−4’−thio and L−2’−deoxy −4’−thio pyrimidine nucleosides)」,Nucleosides Nucleotids 1994,13,1347−1361]、4’−チオ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの合成[Secrist,J.A.;Riggs,R.M.;Tiwari,K.N.;Montgomery,J.A.「4’−チオ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの合成および抗HIV活性(Synthesis and anti−HIV activity of 4’−thio−2’,3’−dideoxynucleosides)」,J.Med.Chem.1992,35,533−538]および4’−チオアラビノヌクレオシドの合成[Secrist,J.A.;Tiwari,K.W.;Shortancy−Fowler,A.T.;Messini,L.;Riordan,J.M.;Montgomery,J.A.「一定の4’−チオ−D−アラビノフラノシルプリンヌクレオシドの合成および生物活性(Synthesis and biological activity of certain 4’−thio−D−arabinofuranosylpurine nucleosides)」,J.Med.Chem.1998,41,3865−3871;Yoshimura,Y.;Watanabe,M.;Satoh,H,;Ashida,N.;Ijichi,K.;Sakata,S.;Machida,H,;Matsuda,A.「4’−チオアラビノヌクレオシドの容易な代替合成およびそれらの生物活性(A facile, Alternative sysnthsis of 4’−thioarabinonucleosides and their biological activities)」,J.Med.Chem.1997,40,2177−2183]、ならびに2’−修飾2’−デオキシ−4’−チオシチジンの合成[Yoshimura,Y.;Kitano,K.;Yamada,K.;Satoh,H.;Watanabe,M.;Miura,S.;Sakata,S.;Sasaki,T.;Matsuda,A.「D−グルコースからの2’−修飾2’−デオキシ−4’−チオシチジンの新規合成(A novel synthesis of 2’−modified 2’−deoxy−4’−thiocytidines from D−glucose)」,J.Org.Chem.1997,62,3140−3152]が報告されている。合成4’−チオ−2’−デオキシ、4’−チオ−2’,3’−ジデオキシおよび4’−チオアラビノヌクレオシドは、効力のある抗ヘルペス活性、抗HIV活性および抗サイトメガロウイルス活性をそれぞれ有することが示され、一部の類似体、特に、4’−チオチミジンおよび2’−デオキシ−4’−チオシチジンは、効力のある細胞毒性を示した。4’−チオヌクレオシドは、ヌクレオシドホスホリラーゼによって触媒されるグルコシル結合の加水分解に対して通常は耐性であり、これは、ヌクレオシドホスホリラーゼについての基質である幾つかの代謝不安定性「4’−オキシ」抗ウイルス薬と比較される4’−チオヌクレオシドの利点の一つである[Parks,R.E.Jr,;Stoeckler,J.D.;Cambor,C.;Savarese,T.M.;Crabtree,G.W.;Chu,S.−H.,In Molecular Action and Targes for Cancer Chemotherapeutic Agents;Sartorelli,A.C.,Lazo,J.S.,Bertino,J.R.,Eds.;Academic Press:New York,1981;pp229−252;Desgranges,C.;Razaka,G.;Rabaud,M.;Bricaud,H.;Blazarini,J.;De Clercq,E.「精製ヒトチミジンホスホリラーゼおよび無損傷血小板による(E)−5−(2−ブロモビニル)−2’−デオキシウリジン(BVDU)および他の5−置換−2’−デオキシウリジンの加リン酸分解(Phosphorolysis of (E)−5−(2−bromovinyl)−2’−deoxyuridine(BVDU) and other 5−substituted−2’−deoxyuridines by purified human thymidine phosphorylase and intact blood−platelet)」,Biochem.Pharmacol.1983,32,3583−3590;Samuel,J.;Gill,M.J.;Iwashina,T.;Tovell,D.R.;Tyrrell,D.L.;Knaus,E.E.;Wiebe,L.I.「イヌにおけるE−5−(2−[I−131]ヨードビニル)−2’−デオキシウリジンの薬物動態および代謝(Pharmacokinetics and metabolism of E−5−(2−[I−131]iodovinyl)−2’−deoxyuridine in dogs)」,Antimicrob.Agents Chemother.1986,29,320−324]。【0048】4’−チオヌクレオシドは、可能性のある抗ウイルス薬として、最近、相当注目されているにもかかわらず、多分、合成が難しいからであろうか、それらの2’,3’−不飽和類似体は、充分に研究されていない。公知の合成法は、二硫化物アニオンによるジメシル酸塩の求核攻撃[Yoshimura,Y.;Watanabe,M.;Satoh,H.;Ashida,N.;Ijichi,K.;Sakara,S.;Machida,H.;Matsuda,A.「4’−チオアラビノヌクレオシドの容易な代替合成およびそれらの生物活性(A facile, alternative synthesis of 4’−thioarabinonucleosides and their biological activities)」,J.Med.Chem.1997,40,2177−2183;Yoshimura,Y.;Kitano,K.;Yamada,K.;Satoh,H.;Watanabe,M.;Miura,S.;Sakata,S.;Sasaki,T.;Matuda,A.「D−グルコースからの2’−修飾2’−デオキシ−4’−チオシチジンの新規合成(A novel synthesis of 2’−modified 2’−deoxy−4’−thiocytidines form D−glucose)」,J.Org.Chem.1997,62,3140−3152)]、ジチオアセタールの閉環[Secrist,J.A.;Tiwari,K.N.;Shortnacy−Fowler,A.T.;Messini,L.;Riordan,J.M.;Montgomery,J.A.「一定の4’−チオ−D−アラビノフラノシルプリンヌクレオシドの合成および生物活性(Synthesis and biological activity of certain 4’−thio−D−arabinofuranosylpurine nucleosides)」,J.Med.chem.1998.41.3865−3871]、またはチオ酢酸エステルの還元環化[Secrist,J.A.;Riggs,R.M.;Tiwari,K.N.;Montgomery,J.A.「4’−チオ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの合成および抗HIV活性(Synthesis and anti−HIV activity of 4’−thio−2’,3’−dideoxynucleosides)」,J.Med.Chem.1992,35,533−538]のいずれかを用いている。【0049】ヒト末梢血単核(PBM)細胞において効力のある抗HIV活性(EC50 0.12μM)を示すβ−L−2’−F−4’−Sd4Cの立体選択的合成が報告された[Choi,Y.;Choo,H.;Chong,Y.;Lee,S.;Olgen,S.;Schinazi,R.F.;Chu,C.K.「L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオシチジンの合成および効力のある抗HIV活性(Synthesis and potent anti−HIV activity of L−2’,3’−didehydro−2’,3’−dideoxy−2’−fluoro−4’−thicytidine)」,Org.Lett.2002,4,305−307]。【0050】後天性免疫不全症候群、AIDS関連複合体、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスが、世界的に流行レベルに達しており、感染患者に対して悲惨な影響を及ぼすことを考えると、これらの疾病を治療するために新規で、有効で、宿主に対して毒性が低い製剤の提供が、未だ、強く必要とされている。さらに、新規抗増殖薬の提供も必要とされている。【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0051】従って、本発明の目的は、HIVに感染している人間の患者または他の宿主動物を治療するための方法および組成物を提供することである。【0052】本発明のもう一つの目的は、B型またはC型肝炎に感染している人間の患者を治療するための方法および組成物を提供することである。【0053】本発明のさらなる目的は、新規抗増殖薬を提供することである。【0054】本発明のさらにもう一つの目的は、本発明のβ−ハロヌクレオシドの新規調製法を提供することである。【課題を解決するための手段】【0055】本発明は、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、そうした化合物を含む医薬組成物、ならびに前記化合物または組成物を投与することを含むHIV感染、HBV感染または異常細胞増殖を治療または予防するための方法を包含する。加えて、本発明は、こうした化合物、ならびに関連β−Dおよびβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法を包含する。【0056】本発明の一つの実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(I):【0057】【化1】(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもある、またはアルキル化もしくはアシル化形などのプロドラッグ形で提供されることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0058】本発明の特定の副次的実施態様において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(II):【0059】【化2】(式中、R1、XおよびYは、上で定義したとおりであり;Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン(特にジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0060】本発明のもう一つの副次的実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(III):【0061】【化3】(式中、R1、X、Y、X1およびY1は、上で定義したとおりである)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0062】特定の副次的実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(IV):【0063】【化4】(式中、R1、X、Y、X1、R2およびR3は、上で定義したとおりである)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0064】好ましい実施形態において、式(I)から(IV)の化合物に関するXは、Oである。【0065】別の好ましい実施形態において、式(I)から(IV)の化合物に関するXは、Sである。【0066】好ましい実施形態において、式(I)から(IV)の化合物に関するYは、Fである。【0067】本発明の一つの実施形態において、式(I)から(IV)の化合物は、β−D立体配置である。本発明の別の実施形態において、式(I)から(IV)の化合物は、β−L立体配置である。【0068】本発明の第二の実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(V):【0069】【化5】(式中、R1、YおよびBASEは、上で定義したとおりである)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0070】本発明の特定の副次的実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(VI):【0071】【化6】(式中、R1、Y、X1、X2およびY1は、上で定義したとおりである)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0072】本発明のもう一つの副次的実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(VII):【0073】【化7】(式中、R1、X、Y、X1、およびY1は、上で定義したとおりである)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0074】特定の副次的実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(VIII):【0075】【化8】(式中、R1、X、Y、X1、R2およびR3は、上で定義したとおりである)のβ−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0076】好ましい実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物に関するXは、Oである。【0077】別の好ましい実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物に関するXは、Sである。【0078】好ましい実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物に関するYは、Fである。【0079】本発明の一つの実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物は、β−D立体配置である。本発明の別の実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物は、β−L立体配置である。【0080】上に示したβ−ハロヌクレオシドは、β−D立体配置であるが、これらのβ−ハロヌクレオシドがβ−L立体配置、β−D立体配置のいずれであってもよいことは、理解できよう。【0081】本発明のβ−ハロヌクレオシドは、ウイルス感染、および特に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染および/またはB型肝炎ウイルス(HBV)感染の治療または予防の際に有用である生物活性分子である。本化合物は、腫瘍および癌を含む異常細胞増殖の治療にも有用である。本発明のもう一つの実施形態において、本活性化合物は、いずれも、HCVの治療に有用である。活性の範囲は、本明細書に記載のアッセイにおいてまたは別の確認アッセイで本化合物を評価することによって、容易に判定することができる。【0082】例えば、一つの実施形態において、抗ウイルス化合物の効力は、本明細書にさらに詳細に記載されている方法に従って、インビトロでウイルスのプラーク数を50%減少させるために必要な濃度(すなわち、化合物のEC50)に基づいて測定される。好ましい実施形態において、本化合物は、インビトロで、15マイクロモル未満、または好ましくは10マイクロモル未満のEC50を示す。【0083】もう一つの実施形態において、宿主におけるウイルス感染、および特に、HIVまたはHBV感染を治療または予防するために、上の式のものを含む本活性化合物またはその誘導体もしくは塩は、抗HIV薬または抗肝炎薬などの別の抗ウイルス薬と併用で、また交代で投与される。選択的に、宿主における腫瘍および癌などの異常細胞増殖を治療するために、上の式のものを含む本活性化合物またはその誘導体もしくは塩は、抗腫瘍薬などの別の抗増殖薬と併用また交代で投与される。一般に、併用療法では、有効な用量の二つ以上の薬剤が一緒に投与され、これに対して、交代療法の間、有効な用量の各薬剤が、逐次的に投与される。用量は、その薬物の吸収率、不活性化率および排泄率、ならびに当業者に知られている他の因子に依存するだろう。用量値が、緩和すべき状態の重症度によっても変化するだろうということにご留意いただきたい。さらに、あらゆる個々の被験者のための特定の用法−用量および投与計画が、個々の必要性および組成物を投与するまたは組成物の投与を管理する人の職業的判断に従って時間の経過とともに調整されるべきであることも理解されよう。【0084】本明細書中で開示されている化合物と併用することができる抗ウイルス薬の非限定的な例には、2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(FTC);2−ヒドロキシメチル−5−(シトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(3TC)の(−)−エナンチオマー;カルボビル、アシクロビル、インターフェロン、ファムシクロビル、ペンシクロビル、AZT、DDI、DDC、D4T、アバカビル、L−(−)−FMAU、L−DDAリン酸プロドラッグ、およびβ−D−ジオキソランヌクレオシド[β−D−ジオキソラニル−グアニン(DG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)など)、非ヌクレオシド室温阻害剤(ネビラピン、MKC−442、DMP−226(サスティバ)など)、ならびにまた、プロテアーゼ阻害剤(インジナビル、サキナビル、AZT、DMP−450など]などが挙げられる。【0085】本化合物は、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)、ネコ免疫不全ウイルス、およびサル免疫不全ウイルスの治療にも用いることができる。[Wang,S.,Montelaro,R.,Schinazi,R.F.,Jagerski,B.,and Mellors,J.W.:「ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)に対するヌクレオシドおよび非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)の活性(Activity of nucleoside and non−nucleoside reverse transcriptase inhibitors(NNRTI) against equine infectious anemia virus(EIAV))」,First National Conference on Human Retro viruses and Related Infections,Washington,DC,12月.12−16,1993;Sellon D.C.,「ウマ伝染性貧血(Equine Infectious Anemia)」,Vet.Clin.North Am.Equine Pract.United States,9:321−336,1993;Philpott,M.S.,Ebner,J.P.,Hoover,E.A.,「定量的ポリメラーゼ連鎖反応を用いるネコ免疫不全ウイルスのための9−(2−ホスホニルメトキシエチル)アデニン療法の評価(Evaluation of 9−(2−phosphonylmethoxyethyl)adenine therapy for feline immunodeficiency virus using a quantitative polymerase chain reaction)」,Vet.Immunol.Immunopathol.35:155166,1992]。【0086】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中の、有効量の本発明の活性化合物を含む、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特に、HBVまたはHIV感染の治療および/または予防用の医薬組成物も提供する。【0087】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中の、有効量の本発明の活性化合物を含む、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防用の医薬組成物も提供する。【0088】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中、一つ以上の他の有効な抗ウイルス薬、特に、抗HBV薬または抗HIV薬と併用で有効量の本発明の活性化合物を含む、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特に、HBVまたはHIV感染の治療および/または予防用の医薬組成物も提供する。【0089】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中、抗腫瘍薬などの一つ以上の他の有効な抗増殖薬と併用で有効量の本発明の活性化合物を含む、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防用の医薬組成物も提供する。【0090】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中の、有効量の本発明の活性化合物を宿主に投与することを含む、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特に、HBVまたはHIV感染の治療および/または予防法も提供する。【0091】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中の、有効量の本発明の活性化合物を宿主に投与することを含む、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防法も提供する。【0092】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中、一つ以上の他の有効な抗ウイルス薬、特に、抗HBV薬または抗HIV薬と併用で有効量の本発明の活性化合物を宿主に投与することを含む、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特に、HBVまたはHIV感染の治療および/または予防法も提供する。【0093】本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中、抗腫瘍薬などの一つ以上の他の有効な抗増殖薬と併用で有効量の本発明の活性化合物を宿主に投与することを含む、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防法も提供する。【0094】本発明は、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特にHBVまたはHIV感染の治療および/または予防のための、場合によっては医薬適合性の担体中の、本発明の活性化合物の使用も提供する。【0095】本発明は、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防のための、場合によっては医薬適合性の担体中の、本発明の活性化合物の使用も提供する。【0096】本発明は、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特にHBVまたはHIV感染の治療および/または予防のための、場合によっては医薬適合性の担体中の、一つ以上の他の有効な抗ウイルス薬、特に、抗HBVまたは抗HIV薬と併用での本発明の活性化合物の使用も提供する。【0097】本発明は、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防のための、場合によっては医薬適合性の担体中の、抗腫瘍薬などの一つ以上の他の有効な抗増殖薬との併用での本発明の活性化合物の使用も提供する。【0098】本発明は、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特にHBVまたはHIV感染の治療および/または予防用の医薬品を製造する際の、場合によっては医薬適合性の担体中の、本発明の活性化合物の使用も提供する。【0099】本発明は、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防用の医薬品を製造する際の、場合によっては医薬適合性の担体中の、本発明の活性化合物の使用も提供する。【0100】本発明は、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特にHBVまたはHIV感染の治療および/または予防用の医薬品を製造する際の、場合によっては医薬適合性の担体中の、一つ以上の他の有効な抗ウイルス薬、特に、抗HBVまたは抗HIV薬と併用および/または交代での本発明の活性化合物の使用も提供する。【0101】本発明は、宿主、好ましくは人間におけるウイルス感染、特にHCV感染の治療および/または予防用の医薬品を製造する際の、場合によっては医薬適合性の担体中の、一つ以上の他の有効な抗ウイルス薬、特に、抗HCV薬と併用および/または交代での本発明の活性化合物の使用も提供する。【0102】本発明は、宿主、好ましくは人間における腫瘍および癌などの異常細胞増殖の治療および/または予防用の医薬品を製造する際の、場合によっては医薬適合性の担体中の、抗腫瘍薬などの一つ以上の他の有効な抗増殖薬と併用および/または代用での本発明の活性化合物の使用も提供する。【0103】本発明は、本発明の化合物の調製ならびに本発明の化合物の調製に有用である本明細書中で開示されている中間体の調製に有用な合成方法も提供する。【0104】詳細には、発明の一つの実施形態において、(a)下記式(A):【0105】【化9】(この式中、P’’は、独自に、水素、またはアルキル、アシルもしくはシリルなどの適する酸素保護基であり;およびLGは、Oアシル、特にOAcなどの適する脱離基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(A)の化合物とプリンまたはピリミジン塩基を結合させて、下記式(B):【0106】【化10】の化合物を得る段階;(c)上記式(B)の化合物を脱離させ、必要な場合には脱保護して、下記式(I)の化合物を得る段階を含む、下記式(I):【0107】【化11】(式中、Y、R1およびBASEは、上で定義したとおりであり;ならびにXは、O、SまたはSO2である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドの調製法を提供する。【0108】本発明のもう一つの特定の実施形態において、(a)下記式(C):【0109】【化12】(この式中、各Pは、独自に、H、またはアルキル、アシルもしくはシリルなどの適する保護基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(C)の化合物と場合によっては保護されているアセトアルデヒドとを結合させて、下記式(D):【0110】【化13】(この式中、各P’は、独自に、アルキル、アシルもしくはシリルなどの適する酸素保護基である)を得る段階;(c)上記式(D)の化合物を酸化して、下記式(E):【0111】【化14】の化合物を得る段階;(d)上記式(E)の化合物をハロゲン化して、下記式(F):【0112】【化15】(この式中、各Yは、独自に、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである)の化合物を得る段階;(e)上記式(F)の化合物を、必要な場合には選択的に脱保護し、環化し、必要な場合には活性化して、式(A)の化合物を得る段階を含む、式(A)の化合物の調製法を提供する。【0113】選択的に、本発明のもう一つの特定の実施形態において、(a)下記式(G):【0114】【化16】(この式中、各PおよびP’’は、独自に、アルキル、アシルまたはシリルなどの適する酸素保護基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(G)の化合物を活性化して、下記式(H):【0115】【化17】(この式中、LG’は、チオノ蟻酸フェニルなどの適する脱離基である)の化合物を得る段階;(c)上記式(H)の化合物を還元して、下記式(J):【0116】【化18】の化合物を得る段階;(d)上記式(J)の化合物を、必要な場合には選択的に脱保護し、酸化して、下記式(K):【0117】【化19】の化合物を得る段階;(f)上記式(K)の化合物をハロゲン化して、下記式(L):【0118】【化20】の化合物を得る段階;(g)上記式(L)の化合物を、必要な場合には選択的に脱保護し、活性化して、式(A)の化合物を得る段階を含む式(A)の化合物の調製法を提供する。【0119】本発明の一つの実施形態において、式(I)の化合物を還元して、式(V)の化合物を得ることができる。【0120】詳細には、本発明の第二の実施形態において、(a)下記式(M):【0121】【化21】(この式中、各PおよびP’は、独自に、アルキル、アシルまたはシリルなどの適する酸素保護基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(M)の化合物を活性化して、下記式(N):【0122】【化22】(この式中、LGは、Oアシル、特にOAcなどの適する脱離基である)の化合物を得る段階;(c)上記式(N)の化合物とプリンまたはピリジン塩基とを結合させて、下記式(O):【0123】【化23】の化合物を得る段階;(d)必要な場合には選択的に脱保護し、ハロゲン基で置換して、式(V)の化合物を得る段階を含む、下記式(V):【0124】【化24】(この式中、Y、R1およびBASEは、上で定義したとおりである)のβ−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドの調製法を提供する。【0125】詳細には、本発明の第三の実施形態において、(a)下記式(P):【0126】【化25】(この式中、P’は、アルキル、アシルまたはシリルなどの適する酸素保護基であり;S−Actは、S−アシル、特にS−Acなどの活性硫黄部分であり;およびORは、O−アルキル、特にOMeまたはOEtなどの適する酸素脱離基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(P)の化合物を環化して、下記式(Q):【0127】【化26】の化合物を得る段階;(c)上記式(Q)の化合物を求電子試薬と反応させて、下記式(R):【0128】【化27】(この式中、LG’’は、フェニルセレンまたは硫化フェニルなどの適する脱離基である)の化合物を得る段階;(d)上記式(R)の化合物を活性化して、下記式(S):【0129】【化28】(この式中、LGは、Oアシル、特にOAcなどの適する脱離基である)の化合物を得る段階;(e)上記式(S)の化合物とプリンまたはピリミジン塩基とを結合させて、下記式(T):【0130】【化29】の化合物を得る段階;(f)上記式(T)の化合物を脱離させ、必要な場合には、場合によっては脱保護して、下記式(IX)の化合物を得る段階を含む、下記式(IX):【0131】【化30】(この式中、R1、YおよびBASEは、上で定義したとおりである)のβ−Dまたはβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法を提供する。【0132】本発明の特定の実施形態において、(a)下記式(U):【0133】【化31】(この式中、各P’は、独自に、H、またはアルキル、アシルもしくはシリルなどの適する保護基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(U)の化合物を活性硫黄と反応させて、式(P)の化合物を得る段階を含む、式(P)の化合物の調製法を提供する。【0134】一つの実施形態において、式(U)の化合物は、(場合によっては、トリフェニルホスフィンの存在下で)ヨウ素などの求核ハロゲンと先ず反応させ、その後、活性硫黄と反応させる。【0135】あるいは、本発明のもう一つの特定の実施形態において、適切に保護されたD−またはL−グルタミン酸から、式(P)の化合物が得られる。D−またはL−グルタミン酸は、購入することができ、これを、その後、当技術分野においてよく知られている手段によってチオ誘導体に転化させることができる。そうしたプロトコルの例は、Cerbvinka,O.;Hub,L.,「不斉反応。XXVII.γ−ブチロラクトン−γ−カルボン酸およびγ−バレロラクトン−γ−カルボン酸の絶対配置(Asymmetric reactions.XXVII.,Absolute configurations of γ−butyrolactone−γ−carboxylic acid and γ−valerolactone−γ−carboxylic acid)」,Collect.Czech,Chem.Commun.1968,33,2927−2932;Hanessian,S.;Murray,P.J.,「天然生合成経路の立体化学的制御:単一キラルプロジェニターからポリプロピオン酸塩由来の構造を合成するための一般戦略(Stereochemical control of nature’s biosynthetic pathways:A general strategy for the synthesis of polypropionate−derived structural units from a single chiral progenitor)」,Tetrahedron 1987,43,5055−5072;Secrist III.J.A;Riggs,R.H.;Tiwari,K.N.;Montgomery,J.A.,「4’−チオ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの合成および抗HIV活性(Synthesis and anti−HIV activity of 4’−thio−2’,3’−dideoxynucleosides)」,J.Med.Chem.1992,35,533−538である。【0136】本明細書中で開示する本発明は、場合によっては医薬適合性の担体中の、有効量のβ−D−もしくはβ−L−2’−ハロヌクレオシド、医薬適合性の誘導体(5’位、またはプリンもしくはピリミジン上でアルキル化またはアシル化されている化合物を含む)、またはその医薬適合性の塩を投与することを含む、人間または他の宿主動物におけるHIV、B型もしくはC型肝炎、または異常細胞増殖を治療するための方法および組成物である。本発明の化合物は、抗ウイルス(すなわち、抗HIV−1、抗HIV−2、抗B型肝炎ウイルス)活性もしくは抗増殖活性のいずれかを有するか、またはそうした活性を示す化合物へと代謝される。本明細書中で開示する本発明は、そうしたβ−D−またはβ−L−2’−ハロヌクレオシドの調製法、ならびにβ−D−またはβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法も包含する。【0137】要約すると、本発明は、以下の特徴を包含する:(a)本明細書中に記載されているとおりのβ−Lおよびβ−Dハロヌクレオシド(I)から(VIII)、ならびにそれらの医薬適合性の誘導体および塩;(b)本明細書中に記載されているとおりのβ−Lおよびβ−Dハロヌクレオシド(I)から(VIII)ならびにそれらの医薬適合性の誘導体および塩の合成;(c)例えば、HIV、B型(もしくはC型)肝炎ウイルス感染の治療もしくは予防または異常細胞増殖の治療のための、薬物療法の際に使用するための、本明細書中に記載されているとおりのβ−Lおよびβ−Dハロヌクレオシド(I)から(VIII)ならびにそれらの医薬適合性の誘導体および塩;(d)医薬適合性の担体または希釈剤と共にβ−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩を含む医薬調合物;(e)別の抗ウイルス薬または抗増殖薬などの別の有効成分と共にβ−Lもしくはβ−Dハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩を含む医薬調合物;(f)有効量のβ−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩を投与することを含む、HIV感染、B型肝炎ウイルス感染または異常細胞増殖にかかっている宿主を治療する方法;(g)別の抗ウイルス薬または抗増殖薬などの別の有効成分と併用または交代で、有効量のβ−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩を投与することを含む、HIV感染、B型肝炎ウイルス感染または異常細胞増殖にかかっている宿主を治療する方法;(h)例えば、HIV感染、B型肝炎ウイルス感染または異常細胞増殖の治療または予防のための、薬物療法の際の、β−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩の使用;(f)抗ウイルス薬としてのβ−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩の使用;(g)抗増殖薬としてのβ−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩の使用;(h)例えば、HIV感染、B型肝炎ウイルス感染または異常細胞増殖の治療または予防のための、薬物療法の際、別の抗ウイルス薬または抗増殖薬などの別の有効成分と併用または交代でのβ−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩の使用;(i)HIV感染、B型肝炎ウイルス感染または異常細胞増殖の治療または予防のための、β−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩の使用;(j)HIV、B型肝炎ウイルス感染または異常細胞増殖の治療または予防用の医薬品を製造する際の、β−Dもしくはβ−Lハロヌクレオシド(I)から(VIII)またはその医薬適合性の誘導体またはその塩の使用;ならびに(k)下にさらに詳細に記載するようなβ−Lおよびβ−D−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法。【0138】I.活性化合物本発明の一つの実施形態において、β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(I):【0139】【化32】(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0140】本発明の特定の副次的実施形態において、β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記一般式(II):【0141】【化33】(式中、R1、XおよびYは、上で定義したとおりであり;Y1は、OR2、NR2R3またはSR2であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン、OR4、NR4R5またはSR4から成る群より独自に選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン(特に、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0142】本発明のもう一つの副次的実施形態において、β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記一般式(III):【0143】【化34】(式中、R1、X、Y、X1およびY1は、上で定義したとおりである)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0144】本発明のもう一つの副次的実施形態において、β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記一般式(IV):【0145】【化35】(式中、R1、X、Y、X1、R2およびR3は、上で定義したとおりである)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0146】好ましい実施形態において、式(I)から(IV)の化合物に関するXは、Oである。【0147】別の好ましい実施形態において、式(I)から(IV)の化合物に関するXは、Sである。【0148】好ましい実施形態において、式(I)から(IV)の化合物に関するYは、Fである。【0149】本発明の一つの実施形態において、式(I)から(IV)の化合物は、β−D立体配置である。本発明の別の実施形態において、式(I)から(IV)の化合物は、β−L立体配置である。【0150】本発明の第二の実施形態において、β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(V):【0151】【化36】(式中、R1、YおよびBASEは、上で定義したとおりである)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0152】本発明の特定の副次的実施形態において、β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(VI):【0153】【化37】(式中、R1、Y、X1、X2およびY1は、上で定義したとおりである)の化合物、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0154】本発明のもう一つの副次的実施形態において、β−Dおよびβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(VII):【0155】【化38】(式中、R1、X、Y、X1およびY1は、上で定義したとおりである)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0156】特定の副次的実施形態において、β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドは、下記式(VIII):【0157】【化39】(式中、R1、X、Y、X1、R2およびR3は、上で定義したとおりである)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグである。【0158】好ましい実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物に関するXは、Oである。【0159】別の好ましい実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物に関するXは、Sである。【0160】好ましい実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物に関するYは、Fである。【0161】本発明の一つの実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物は、β−D立体配置である。本発明の別の実施形態において、式(V)から(VIII)の化合物は、β−L立体配置である。【0162】一つの重要な実施形態において、プリンまたはピリミジン塩基は、アルキル化形(例えば、シクロプロピルを含む低級アルキル)またはアシル化形(例えば、エステル化形もしくはアセチル化形を含むがそれらに限定されない)で提供される。【0163】II.定義本明細書中で用いられる場合、用語「アルキル」は、特にそれ以外の指定がない限り、C1〜C10の飽和直鎖、分枝鎖または環状、第一、第二または第三級炭化水素を指し、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルが挙げられる。アルキル基は、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホン酸塩(これらは、非保護であるか、または必要な場合には、当業者に知られているように、例えば、Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991において教示されているように保護されている)から成る群より選択された一つ以上の部分で場合によっては置換されていてもよい。上記文献を参照してここに組み込まれる。【0164】本明細書中で用いられる場合、特にそれ以外の指定がない限り、用語「低級アルキル」は、C1〜C4の飽和直鎖、分枝鎖または適切な場合には環状(例えば、シクロプロピル)アルキル基を指す。用語「アルキルアミノ」または「アリールアミノ」は、それぞれ、1つまたは2つのアルキルまたはアリール置換基を有するアミノ基をそれぞれ指す。【0165】本明細書中で用いられる場合、別様に定義されていない限り、用語「保護された」は、酸素、窒素またはリン原子に付加して、そのさらなる反応を防止する、または他の目的のための基を指す。有機合成の当業者には、多種多様な酸素および窒素保護基が知られている。本明細書中で用いられる場合、用語「アリール」は、特にそれ以外の指定がない限り、フェニル、ビフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルを指す。アリール基は、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホン酸塩(これらは、非保護であるか、または必要な場合には、当業者に知られているように、例えば、Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991において教示されているように保護されている)から成る群より選択された一つ以上の部分で場合によっては置換されていてもよい。【0166】用語「アルカリール」または「アルキルアリール」は、アリール置換基を有するアルキル基を指す。用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アルキル置換基を有するアリール基を指す。【0167】本明細書中で用いられる場合、用語「ハロ」には、クロロ、ブロモ、ヨードおよびフルオロが含まれる。【0168】用語「プリン塩基」または「ピリミジン塩基」には、アデニン、N6−アルキルプリン、N6−アシルプリン(この場合、アシルは、C(O)(アルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルである)、N6−ベンジルプリン、N6−ハロプリン、N6−ビニルプリン、N6−アセチレン型プリン、N6−アシルプリン、N6−ヒドロキシアルキルプリン、N6−チオアルキルプリン、N2−アルキルプリン、N2−アルキル−6−チオプリン、チミン、シトシン、5−フルオロシトシン、5−メチルシトシン、6−アザピリミジン(6−アザシトシンを含む)、2−および/または4−メルカプトピリミジン、ウラシル、5−ハロウラシル(5−フルオロウラシルを含む)、C5−アルキルピリミジン、C5−ベンジルピリミジン、C5−ハロピリミジン、C5−ビニルピリミジン、C5−アセチレン型ピリミジン、C5−アシルピリミジン、C5−ヒドロキシアルキルプリン、C5−アミドピリミジン、C5−シアノピリミジン、C5−ニトロピリミジン、C5−アミノピリミジン、N2−アルキルプリン、N2−アルキル−6−チオプリン、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニルおよびピラゾピリミジニルが含まれるが、それらに限定されない。プリン塩基には、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、2−クロロ−2−アミノプリン、イノシンおよび6−クロロプリンが挙げられるが、それらに限定されない。この塩基上の酸素および窒素官能基は、必要な場合または所望される場合には保護することができる。適する保護基は、当業者によく知られており、トリメチルシリル、ジメチルへキシルシリル、t−ブチルジメチルシリルおよびt−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基、アシル基(アセチルおよびプロピオニルなど)、メタンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルが挙げられる。【0169】用語「アシル」は、エステル基の非カルボニル部分が、直鎖、分枝鎖または環状のアルキルまたは低級アルキル、アルコキシアルキル(メトキシメチルを含む)、アラルキル(ベンジルを含む)、アリールオキシアルキル(フェノキシメチルなど)、アリール(ハロゲンで場合によっては置換されているフェニルを含む)、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシ、スルホン酸エステル(メタンスルホニルを含むアルキルまたはアラルキルスルホニルなど)、一、二または三リン酸エステル、トリチルまたはモノメトキシトリチル、置換ベンジル、トリアルキルシリル(例えば、ジメチル−t−ブチルシリル)またはジフェニルメチルシリルから選択される、カルボン酸エステルを指す。前記エステル中のアリール基は、最適にはフェニル基を含む。アシルは、天然または合成アミノ酸部分も含む。【0170】本明細書中で用いられる場合、用語「実質的に無い」または「実質的に不在である」は、そのヌクレオシドの指定のエナンチオマーを少なくとも95%から98%またはそれ以上、好ましくは、99%から100%含むヌクレオシド組成物を指す。【0171】同様に、用語「単独の」は、少なくとも85または90重量%、好ましくは95重量%から98重量%、さらにいっそう好ましくは99重量%から100重量%のヌクレオシドを含み、残りには他の化学種またはエナンチオマーを含むヌクレオシド組成物を指す。【0172】本明細書中で用いられる場合、用語「宿主」は、細胞系統および動物、好ましくは人間を含む、ウイルスを複製することができる単細胞もしくは多細胞生物、または異常細胞増殖の状態を模擬することができる単細胞もしくは多細胞生物を指す。例えば、HIV、HBVまたはHCVの場合、宿主は、本発明の化合物が複製または機能を修飾することができるウイルスゲノムの一部を所有することができる、あらゆる単細胞または多細胞生物である。用語「宿主」は、具体的には、感染細胞、ウイルスゲノムの全部または一部でトランスフェクトされた細胞、ならびに動物、特に、霊長類(チンパンジーを含む)および人間を指す。本発明の大部分の動物適用において、宿主は、人間の患者である。しかし、一定の適応症において、本発明による獣医学的適用(チンパンジーなど)が明らかに予想される。【0173】用語「医薬適合性の塩またはプロドラッグ」は、患者に投与されるとヌクレオシド化合物を生ずる、ヌクレオシド化合物のあらゆる医薬適合性の形(エステル、リン酸エステル、エステルの塩、アシル化もしくはアルキル化生成物または関連誘導体など)を説明するために、本明細書を通して用いられる。医薬適合性の塩には、医薬適合性の無機塩基および酸または有機塩基および酸から誘導されたものが挙げられる。適する塩には、製薬分野においてよく知られている他の非常に多数の酸の中でも、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されたものが挙げられる。医薬適合性のプロドラッグは、宿主体内で代謝され、例えば、加水分解または酸化されて、本発明の化合物を生成する化合物を指す。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能基部分に生物学的に不安定な保護基を有する化合物が挙げられる。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて、活性化合物を生じることができる化合物が挙げられる。本発明の化合物は、フラビウイルスもしくはペスチウイルスに対して抗ウイルス活性を有するか、またはそうした活性を示す化合物へと代謝される。【0174】III.医薬適合性の誘導体本活性化合物は、受容者に投与されるとその親化合物を直接または間接的に生じることができるあらゆる誘導体として投与することができる。さらに、化合物の生物活性を修飾し、場合によっては、親化合物より活性を増大させることができる。このことは、誘導体を調製し、本明細書中に記載の方法または当業者に知られている他の方法に従ってその抗ウイルス活性を試験することにより、容易に評価することができる。【0175】化合物が、安定で非毒性の酸性または塩基性の塩を生成するために充分に塩基性または酸性である場合、医薬適合性の塩として化合物を投与することが適切であろう。医薬適合性の塩の例は、生理学的に許容されうるアニオンを生成する酸で生成された有機酸付加塩、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩およびα−グリセロリン酸塩である。硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩および炭酸塩を含む適する無機塩を生成することもできる。【0176】医薬適合性の塩は、当技術分野においてよく知られいる標準的な手順を用いて、例えば、アミンなどの充分に塩基性の化合物と、生理学的に許容されうるアニオンを生じる適する酸とを反応させることによって、得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムもしくはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩を作ることもできる。【0177】本明細書に記載のいずれのヌクレオシドも、ヌクレオシドプロドラッグとして投与して、そのヌクレオシドの活性、バイオアベイラビリティ、安定性を増大させるか、または別様にそのヌクレオシドの性質を変化させることができる。多数のヌクレオチドプロドラッグ配位子が知られている。一般に、ヌクレオシドの一、二または三リン酸塩のアルキル化、アシル化または他の親油性修飾は、そのヌクレオチドの安定性を増大させる。そのリン酸部分の一つ以上の水素を置換することができる置換基の例は、アルキル、アリール、ステロイド、炭水化物(糖を含む)、1,2−ジアシルグリセロールおよびアルコールである。多くが、R.Jones and N.Bischofberger,Antiviral Research,27(1995)1−17に記載されている。これらは、いずれも、望ましい効果を達成するために本開示ヌクレオシドと併用することができる。【0178】本活性ヌクレオシドは、次の参考文献に開示されているような5’−ホスホエーテル脂質または5’−エーテル脂質として提供することもできる:Kucera,L.S.,N.Iyer,E.Leake,A.Raben,Modest E.K.,D.L.W.,and C.Piantadosi,1990,「感染性HIV−1生産を抑制し、欠陥ウイルスの生成をもたらす新規膜相互作用性エーテル脂質類似体(Novel membrane−interactive ether lipid analogs that inhibit infectious HIV−1 production and induce defective virus formation)」,AIDS Res.Hum.Retro Viruses,6:491−501;Piantadosi,C.,J Marasco C.J.,S.L.Morris−Natschke,K.L.Meyer,F.Gumus,J.R.Surles,K.S.Ishaq,L.S.Kucera,N.Iyer,C.A.Wallen,S.Piantadosi,and E.J.Modest.,1991,「新規エーテル脂質ヌクレオシドコンジュゲートの合成および抗HIV活性についての評価(Synthesis and evaluation of novel ether lipid nucleoside conjugates for anti−HIV activity)」,J.Med.Chem.34:1408.1414;Hosteller,K.Y.,D.D.Richman,D.A.Carson,L.M.Stuhmiller,G.M.T.van Wijk,and H.van den Bosch,1992,「3’−デオキシチミジン二リン酸ジミリストイルグリセロール、3,−デオキシチミジンの脂質プロドラッグ、によるCEMおよびHT4−6C細胞における1型ヒト免疫不全ウイルス複製の非常に強化された阻害(Greatly enhanced inhibition of human immunodeficiency virus type 1 replication in CEM and HT4−6C cells by 3’−deoxythymidine diphosphate dimyristoylglycerol,a lipid prodrug of 3,−deoxythymidine)」,Antimicrob.Agents Chemother.36:2025.2029;Hosetler,K.Y.,L.M.Stuhmiller,H.B.Lenting,H.van den Bosch,and D.D.Richman,1990,「アジドチミジンおよび他の抗ウイルスヌクレオシドのリン脂質類似体の合成および抗レトロウイルス活性(Synthesis and antiretroviral activity of phospholipid analogus of azidothymidine and other antiviral nucleoside)」,J.Biol.Chem.265:61127。【0179】ヌクレオシドへの共有結合組み込みを、好ましくはそのヌクレオシドの5’−OH位で行うことができる適する親油性置換基、または親油性製剤を開示している米国特許の非限定的な例は、米国特許第5,149,794号(1992年9月22日、Yatvinら);同第5,194,654号(1993年3月16日、Hostetlerら);同第5,223,263号(1993年6月29日、Hostetlerら);同第5,256,641号(1993年10月26日、Yatvinら);同第5,411,947号(1995年3月2日、Hostetlerら);同第5,463,092号(1995年10月31日、Hostetlerら);同第5,543,389号(1996年8月6日、Yatvinら);同第5,543,390号(1996年8月6日、Yatvinら);同第5,543,391号(1996年8月6日;Yatvinら);および同第5,554,728号(1996年9月10日、Basavaら)が挙げられる。これらの特許は、すべて、本明細書に参照して組み込まれる。本発明のヌクレオシドに結合することができる親油性置換基、または親油性製剤を開示している外国特許公報には、国際公開公報第89/02733号、同第90/00555号、同第91/16920号、同第91/18914号、同第93/00910号、同第94/26273号、同第96/15132号、欧州特許第0 350 287号、同第93917954.4号、および国際公開公報第91/19721号が挙げられる。【0180】ヌクレオシドプロドラッグの非限定的な例は、次の参考文献に開示されている:Ho,D.H.W.(1973)「人間およびマウスの組織における1β−D−アラビノフラノシルシトシンのキナーゼおよびデアミナーゼの分布(Distribution of Kinase and deaminase of 1β−D−arabinofuranosylcytosine in tissues of man and muse)」,Cancer Res.33,2816−2820;Holy,A.(1993)「等極性リン修飾ヌクレオチド類似体(Isopolar phosphorous−modified nucleotide analogues)」,In:De Clercq(Ed.),Advances in Antiviral Drug Design,第I巻,JAI Press,pp.179−231;Hong,C.I.,Nechaev,A.,and West,C.R.(1979a)「コルチゾルおよびコルチゾンの1−β−D−アラビノフラノシルシトシンコンジュゲートの合成および抗腫瘍活性(Synthesis and antitumor activity of 1−β−D−arabino−furanosylcytosine conjugate of cortisol and cortisone)」,Biochem.Biophys.Rs.Commun.88,1223−1229;Hong,C.I.,Nechaev,A.,Kirisits,A.J.Buchheit,D.J.and West,C.R.(1980)「抗腫瘍薬としての可能性を秘めたヌクレオシドコンジュゲート。3.コルチコステロイドおよび選択された親油性アルコールの1−(β−D−アラビノフラノシル)シトシンコンジュゲートの合成および抗腫瘍活性(Nucleoside conjugates as potential antitumor agents. 3.Synthesis and antitumor activity of 1−(β−D−arabinofuranosyl)cytosine conjugate of corticosteroids and selected lipophilic alcohols)」,J.Med.Chem.28,171−177;Hosteller,K.Y.,Stuhmiller,L.M.,Lenting,H.B.M.van den Bosch,H.and Richman J.,Biol.Chem.265,6112−6117;Hosteller,K.Y.,Carson,D.A.and Richman,D.D.(1991),「ホスファチジルアジドチミジン:CEM細胞における抗レトロウイルス作用のメカニズム(Phosphatidylazidothymidine:mechanism of antiretroviral action in CEM cells)」,J.Biol.Chem.266,11714−11717;Hosteller,K.Y.,Korba,B.Sridhar,C.,Gardener,M.(1994a)「マウスでのB型肝炎感染細胞におけるホスファチジル−ジデオキシシチジンの抗ウイルス活性および肝摂取増進(Antiviral activity of phosphatidyl−dideoxycytidine in hepatitis B−infected cells and enhanced hepatic uptake in mice)」,Antiviral Res.24,59−67;Hosteller,K.Y.,Richman,D.D.,Sridhar,C.N.,Felger,P.L.,Felgner J.,Ricci,J.,Gardener,M.F.,Selleseth,D.W.and Ellis,M.N.(1994b)「ホスファチジルアジドチミジンおよびホスファチジル−ddC:マウスリンパ組織における吸収ならびにヒト免疫不全ウイルス感染細胞およびラッシャー白血病ウイルス感染マウスにおける抗ウイルス活性の評価(Phosphatidylazidothymidine and phosphatidyl−ddC:Assessment of uptake in mouse lymphoid tissues and antiviral activities in human immunodeficiency virus−infected cells and in rauscher leukemia virus−infected mice)」,Antimicrobial Agents Chemother.38,2792−2797;Hunston,R.N.,Jones,A.A.,McGuigan,C.,Walker,R.T.,Balzarini,J.,and DeClercq,E.(1984)「2’−デオキシ−5−フルオロチミジンから誘導された幾つかの環状ホスホトリエステルの合成および生物学的性質(Synthesis and biological properties of some cyclic phosphotriesters derived from 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Ueda,T.(1998)Pharm.Bull.36,209−217。有用なリン酸塩プロドラッグ基の例は、S−アシル−2−チオエチル基(「SATE」とも呼ばれる)である。【0182】IV.HIVまたはHBVのための併用および交代療法HIVおよびHBVの薬物耐性変種が、抗ウイルス薬での長期治療後に出現することは、認知されている。薬物耐性は、最も典型的には、ウイルス複製に用いられる酵素をコードしている遺伝子の突然変異によって発生し、前記酵素は、最も典型的には、HIVの場合、逆転写酵素、プロテアーゼまたはDNAポリメラーゼであり、HBVの場合には、DNAポリメラーゼである。最近、主薬によってもたらされる異なる突然変異形を誘導する第二の、およびことによると第三の抗ウイルス化合物と併用または交代でその化合物を投与することによって、HIV感染に対する薬物の効力を持続、増大または再生できることが、証明された。選択的に、そうした併用または交代療法によって、薬物の薬物動態、生体内分布または他のパラメータを変化させることができる。一般に、併用療法は、ウイルスに対して同時に複数のストレスを誘導するため、典型的には交代療法より好ましい。【0183】一つの実施形態において、HIV治療用の第二の抗ウイルス薬は、逆転写酵素阻害剤(「RTI」)でありうり、これは、合成ヌクレオシド化合物(「NRTI」)であってもよいし、非ヌクレオシド化合物(「NNRTI」)であってもよい。別の実施形態において、HIVの場合、第二(または第三)の抗ウイルス薬は、プロテアーゼ阻害剤でありうる。他の実施形態において、第二(または第三)の化合物は、ピロリン酸塩類似体、すなわち、融合結合型阻害剤でありうる。多数の抗ウイルス化合物に関するインビトロおよびインビで収集された耐性データを集めたリストは、Schinaziら,「薬物耐性を随伴するレトロウイルス遺伝の突然変異(Mutation in retroviral gene associated with drug resistance)」,International Antiviral News,1997において見出すことができる。【0184】HBVの治療のための併用または交代療法に好ましい化合物には、3TC、FTC、L−FMAU、インターフェロン、β−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)、およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)、ファムシクロビル、ペンシクロビル、BMS−200475、ビスポムPMEA(アデホビル、ジピボキシル);ロブカビル、ガンシクロビル、およびリババリンが挙げられる。【0185】HIV治療のために本明細書中で開示されている化合物と併用または交代で用いることができる抗ウイルス薬の好ましい例には、cis−2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(FTC);2−ヒドロキシメチル−5−(シトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(3TC))の(−)−エナンチオマー;カルボビル、アシクロビル、ホスカルネット、インターフェロン、AZT、DDI、DDC、D4C、CS−87(3’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−ウリジン)、およびβ−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)などのβ−D−ジオキソランヌクレオシド、MKC−442(6−ベンジル−1−(エトキシメチル)−5−イソプロピルウラシルが挙げられる。【0186】好ましいプロテアーゼ阻害剤には、クリキシバン(Merck)、ネルフィナビル(Agouron)、リトナビル(Abbott)、サキナビル(Roche)、DMP−226(Sustiva)およびDMP−450(DuPont Merck)が挙げられる。【0187】開示されているヌクレオシドのいずれかと併用または交代で投与することができる化合物のさらに包括的なリストには、コハク酸(1S,4R)−4−[2−アミノ−6−クロロプロピル−アミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(「1592」、カルボビル類似体;GlaxoWellcome);3TC:(−)−β−L−2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン(GlaxoWellcome);a−APA R18893:a−ニトロ−アニリン−フェニルアセトアミド;A−77003;C2不斉系プロテアーゼ阻害剤(Abbott);A−75925:C2不斉系プロテアーゼ阻害剤(Abbott);AAP−BHAP:ビスへテロ−アリールピペラジン類似体(Upjohn);ABT−538:C2不斉系プロテアーゼ阻害剤(Abbott);AzddU:3’−アジド−2’,3’−ジデオキシウリジン;AZT:3’−アジド−3’−デオキシチミジン(GlazoWellcome);AZT−p−ddI:3’−アジド−3’−デオキシチミジリル−(5’,5’)−2’,3’−ジデオキシイノシン酸(Ivax);BHAP:ビスヘテロアリール−ピペラジン;BILA 1906:N−{1S−[[[3−[2S−{(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル}−4R]−3−ピリジニルメチル)チオ]−1−ピペリジニル]−2R−ヒドロキシ−1S−(フェニルメチル)−プロピル]アミノ]−カルボニル]−2−メチルプロピル}−2−キノリンカルボキサミド(Bio Mega/Boehring−Ingelheim);BILA 2185:N−(1,1−ジメチルエチル)−1−[2S−[[2−2,6−ジメチルフェノキシ)−1−オキソエチル]アミノ]−2R−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]4R−ピリジニルチオ)−2−ピペリジンカルボキサミド(Bio Mega/Boehring−Ingelheim);BM+51.0836:チアゾロ−イソ−インドリノン誘導体;BMS 186,318:アミノジオール誘導体HIV−1プロテアーゼ阻害剤(Bristol−Myers−Squibb);d4API:9−[2,5−ジヒドロ−5−(ホスホノメトキシ)−2−フラネル]アデニン(Gilead);d4C:2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシシチジン;d4T:2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン(Bristol−Myers−Squibb);ddC;2’,3’−ジデヒドロシチジン(Roche);ddI:2’,3’−ジデヒドロイノシン(Bristol−Myers−Squibb);DMP−266:1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−2−オン;DMP−450:{[4R−(4−a,5−a,6−b,7−b)]−ヘキサヒドロ−5,6−ビス(ヒドロキシ)−1,3−ビス(3−アミノ)フェニル]−メチル)−4,7−ビス−(フェニルメチル)−2H−1,3−ジアゼピン−2−オン}−ビスメシレート(Avid);DXG:(−)−β−D−ジオキソラン−グアノシン(Triangle);EBU−dM:5−エチル−1−エトキシメチル−6−(3,5−ジメチルベンジル)−ウラシル;E−EBU:5−エチル−1−エトキシメチル−6−ベンジルウラシル;DS:硫酸デキストラン;E−EPSeU:1−(エトキシメチル)−(6−フェニルセレニル)−5−エチルウラシル;E−EPU:1−(エトキシメチル)−(6−フェニルチオ)−5−エチルウラシル;FTC:β−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−3’−チアシチジン(Triangle);HBY097:S−4−イソプロポキシ−カルボニル−6−メトキシ−3−(メチルチオ−メチル)−3,4−ジヒドロキノキサニル−2(1H)−チオン;HEPT:1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−6−(フェニルチオ)チミン;HIV−1:ヒト免疫不全ウイルス1型;JM2763:1,1’−(1,3−プロパンジイル)−ビス−1,4,8,11−テトラアザ−シクロテトラデカン(Johnson Matthey);JM3100:1,1’−[1,4−フェニレンビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(Johnson Matthey);KNI−272:(2S,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸含有トリペプチド;L−697,593;5−エチル−6−メチル−3−(2−フタルイミド−エチル)ピリジン−2(1H)−オン;L−735,524:ヒドロキシ−アミノ−ペンタンアミドHIV−1プロテアーゼ阻害剤(Merck);L−697,661;3−{[(−4,7−ジクロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]アミノ}−5−エチル−6−メチルピリジン−2(1H)−オン;L−FDDC:(−)−β−L−5−フルオロ−2’,3’−ジデオキシシチジン;L−FDOC:(−)−β−L−5−フルオロ−ジオキソランシトシン;MKC442:6−ベンジル−1−エトキシメチル−5−イソプロピルウラシル(I−EBU;Triangle/Mitsubishi);Nevirapine:11−シクロプロピル−5,11−ジヒドロ−4−メチル−6H−ジピリドール−[3,2−b:2’,3’−e]−ジアゼピン−6−オン(Boehringer−Ingelheim);NSC648400:1−ベンジルオキシメチル−5−エチル−6−(α−ピリジルチオ)ウラシル(E−BPTU);P9941:[2−ピリジルアセチル−IlePheAla−y(CHOH)]2(Dupont Merck);PFA:ホスホノホルメート(foscarnet;Astra);PMEA:9−(2−ホスホニルメトキシエチル)アデニン(Gilead);PMPA:(R)−9−(2−ホスホニルメトキシプロピル)アデニン(Gilead);Ro31−8959:ヒドロキシエチルアミン誘導体HIV−1プロテアーゼ阻害剤(Roche);RPI−312:ペプチジルプロテアーゼ阻害剤、1−[(3s)−3−(n−α−ベンジルオキシカルボニル)−1−アスパラギニル)−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル]−n−t−ブチル−1−プロリンアミド;2720:6−クロロ−3,3−ジメチル−4−(イソプロペニルオキシカルボニル)−3,4−ジヒドロ−キノキサリン−2−(1H)−チオン;SC−52151:ヒドロキシ−エチル尿素同配体プロテアーゼ阻害剤(Searle);SC−55389A:ヒドロキシエチル−尿素同配体プロテアーゼ阻害剤(Searle);TIBO R82150:(+)−(5S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−5−メチル−6−(3−メチル−2−ブテニル)イミダゾ[4,5,1−jk][1,4]−ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオン(Janssen);TIBO 82913:(+)−(5S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−9−クロロ−5−メチル−6−(3−メチル−2−ブテニル)イミダゾ[4,5,1jk]−[1,4]−ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオン(Janssen);TSAO−m3T:[2’,5’−ビス−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3’−スピロ−5’−(4’−アミノ−1’,2’−オキサチオール−2’,2’−ジオキシド)]−β−D−ペントフラノシル−N3−メチルチミン;U90152:1−[3−[(1−メチルエチル)−アミノ]−2−ピリジニル]−4−[[5−[(メチルスルホニル)−アミノ]−1H−インドール−2−イル]カルボニル]ピペラジン;UC:チオカルボキシアニリド誘導体(Uniroyal);UC−781:N−[4−クロロ−3−(3−メチル−2−ブテニルオキシ)フェニル]−2−メチル−3−フラノカルボチオアミド;UC−82:N−[4−クロロ−3−(3−メチル−2−ブテニルオキシ)フェニル]−2−メチル−3−チオフェンカルボチオアミド;VB 11,328:ヒドロキシエチル−スルホンアミドプロテアーゼ阻害剤(Vertex);VX−478:ヒドロキシエチルスルホンアミドプロテアーゼ阻害剤(Vertex);XM 323:環状尿素プロテアーゼ阻害剤(Dupont Merck)が含まれる。【0188】本活性化合物は、リババリン、インターフェロン、インターロイキンまたはそれらいずれかの安定化プロドラッグと併用または交代で投与することもできる。さらに広く説明すると、本化合物は、下に挙げる薬物のいずれかと併用または交代で投与することができる。【0189】【表1】【0190】V.増殖状態の治療のための併用療法もう一つの実施形態において、本化合物は、抗増殖薬として用いられる時、治療の有効性を増す別の化合物と併用で投与することができる。こうした別の化合物には、抗葉酸剤、5−フルオロピリミジン(5−フルオロウラシルを含む)、β−L−1,3−ジオキソラニルシチジンまたはβ−L−1,3−ジオキサニル5−フルオロシチジンなどのシチジン類似体、代謝拮抗物質(プリン代謝拮抗物質、シタラビン、フダラビン、フロキシウリジン、6−メルカプトプリン、メトトレキセートおよび6−チオグアニンを含む)、ヒドロキシ尿素、分裂阻害剤(CPT−11、Etoposide(VP−21)、タキソール、ならびにビンクリスチンおよびビンブラスチンなどのビンカアルカロイドを含む)、アルキル化剤(ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホファミド、メクロレタミン、メルファランおよびチオテパを含むが、これらに限定されない)、非古典的アルキル化剤、白金含有化合物、ブレオマイシン、抗腫瘍性抗生物質、アントラサイクリン(ドキソルビシンおよびダンノマイシンなど)、アントラセンジオン、トポイソメラーゼII型阻害剤、ホルモン薬[コルチコステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾンおよびメチルプレドニゾン)、アンドロゲン(フルオキシメステロンおよびメチルテストステロンなど)、エストロゲン(ジエチルスチルベストロールなど)、抗エストロゲン(タモキシフェンなど)、LHRH類似体(ロイプロリドなど)、抗アンドロゲン(フルタミドなど)、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール、およびメドロキシプロゲステロンを含むが、これらに限定されない]、アスパラギナーゼ、カルムスチン、ロムスチン、ヘキサメチルメラニン、ダカルバジン、ミトーテン、ストレプトゾシンン、シスプラチン、カルボプラチン、レバミゾール、およびロイコボリンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物は、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、マクロファージコロニー刺激因子およびコロニー刺激因子などの酵素治療薬および免疫系調節薬と併用することもできる。【0191】VI.活性化合物の調製法A.β−3’−ハロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドの調製方法グリセルアルデヒドからこの方法に重要な出発原料は、適切に保護されたD−またはL−グリセルアルデヒドである。D−またはL−グリセルアルデヒド、またはその硫黄類似体は、購入することができ、これを、その後、標準的なケトンを用いて保護することができる。一つの実施形態において、前記D−もしくはL−グリセルアルデヒド、またはその硫黄類似体は、Greeneら,Protective Group in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991に教示されているようにアセトンを用いて保護される。【0192】その後、下に示すようeに、前記保護グリセルアルデヒドまたはその硫黄類似体を、適切に保護されている求核アセトアルデヒド、例えば、適切に保護されている有機金属試薬と結合させて、アルコールを得ることができる。この有機金属試薬は、リチウム、銅またはマグネシウムなどのいずれかの実行可能な金属(しかし、最も好ましくはマグネシウム)から誘導することができる。好ましい実施形態において、適切に保護された求核アセトアルデヒドは、臭化(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−マグネシウムである。【0193】【化40】【0194】必要な温度を達成することができ、反応成分を可溶化することができるあらゆる反応溶媒を選択することができる。非限定的な例は、ヘキサンおよびシクロヘキサンなどのアルキル溶媒、トルエン、アセトン、酢酸エチル、ジチアン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ピリジン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミドまたはそれらのあらゆる組合せを含む(しかし、これらに限定されない)いずれかの非プロトン性溶媒であり、好ましくは、無水THFである。【0195】結合反応は、望ましい結果を達成するあらゆる温度、すなわち、分解の促進または過剰な副生成物を伴うことなく許容されうる速度で反応が進行するために適するあらゆる温度で行うことができる。好ましい温度は、THFを用いた還流状態である。【0196】【化41】【0197】その後、その結合生成物を、当業者に知られている第二アルコールをケトンに酸化するいずれかの酸化法を用いて、適切なケトンに酸化することができる。適する酸化方法論の例には、クロメート酸化、マンガネートおよび過マンガネート酸化、ジョーンズ試薬での酸化、コリン試薬での酸化、コーリー試薬での酸化、オペナウアー酸化およびスウェルン酸化が挙げられるが、好ましくは、温和な条件のスウェルン酸化を用いる。【0198】【化42】【0199】二ハロゲン化に適する当技術分野において知られているいずれかのハロゲン化試薬を用いて、ケトンをハロゲン化することができる。特定の実施形態では、フッ素化生成物が望ましく、従って、三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(DAST)を用いてフッ素化を達成することができる。ハロゲン化後、化合物を選択的に脱保護することができる。【0200】【化43】【0201】選択的脱保護は、Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991において教示されているものを含む、当技術分野において知られているいずれかの手段を用いて達成することができる。例えば、XがOである時には、脱保護された第一ヒドロキシルは、Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991において教示されているように、温和な条件を用いて、第二ヒドロキシルで選択的に再び保護することができる。【0202】その選択的に保護された生成物を、酸性条件下で環化し(すなわち、アルデヒドを脱保護し、第二アルコールと結合させ)、場合によっては、その後、得られた第二アルコールを活性化することができる。例えば、HClの1M溶液、続いて濃硫酸、および無水酢酸を伴う酢酸の処理は、化合物を環化し、得られたアルコールを活性化してアセテートにするために充分である。【0203】【化44】【0204】その活性化された環化生成物を、その後、当技術分野において知られているいずれかの手段を用いて、プリンまたはピリミジン塩基に結合させて、保護されたβ−Dまたはβ−L−3’,3’−ジハロヌクレオシドを得ることができる。例えば、好ましくは塩基のシリル化によって活性化されたプリンまたはピリミジン塩基を、四塩化スズおよび四塩化チタンなどのルイス酸、またはトリメチルシリルトリフレートを用いて、その環に結合させる。【0205】【化45】【0206】次に、前記β−Dまたはβ−L−3’,3’−ジハロヌクレオシドを、当技術分野において知られているいずれかの方法によって、場合によっては脱保護することができ、その後、ハロゲンのうちの一つを当技術分野において知れられている、または本明細書中、実施例に開示されているいずれかの手段によって脱離させて、所望のβ−2’,3’−ジデオキシ−−2’,3’−ジデヒドロ−ハロ−ヌクレオシドを得ることができる。最終的に、当技術分野において知られているいずれかの手段によって、その5’−ヒドロキシルを脱保護することができる。【0207】【化46】【0208】糖環からこの方法に重要な出発原料は、適切に保護された5−炭素D−またはL−糖環、またはその硫黄類似体である。前記D−またはL−糖、またはその硫黄類似体は、ピラノースまたはフラノース、好ましくはフラノースとして購入することができる。しかし、糖がピラノースである場合、Maら,J.Med.Chem.1996,39(14),2835およびCooperwoodら,Nucleosides Nucleotides 2000,19(1&2),219に教示されているように、その4’および5’を選択的に保護して、フラノースを得ることができる。【0209】【化47】【0210】その後、前記保護フラノース、またはその硫黄類似体を活性化して、活性化ヒドロキシルを生じることができ、これは、その後、脱離させることができる。【0211】【化48】【0212】その後、前記デヒドロ生成物を選択的に脱保護して、遊離第二ヒドロキシルを得ることができ、これを、その後、当業者に知られている第二アルコールをケトンに酸化するいずれかの酸化法を用いて適切なケトンに酸化することができる。適する酸化方法論の例には、クロメート酸化、マンガネートおよび過マンガネート酸化、ジョーンズ試薬での酸化、コリン試薬での酸化、コーリー試薬での酸化、オペナウアー酸化およびスウェルン酸化が挙げられるが、好ましくは、無水クロムを用いる。【0213】【化49】【0214】前記ケトンは、二ハロゲン化に適する当技術分野において知られているいずれかのハロゲン化剤を用いて、ハロゲン化することができる。特定の実施形態では、フッ素化生成物が望ましく、従って、フッ素化は、DASTを用いて達成することができる。ハロゲン化後、化合物を選択的に脱保護し、好ましくは一反応釜で活性化する。【0215】【化50】【0216】その後、当技術分野において知られている手段を用いて、前記活性化環化生成物をプリンまたはピリミジン塩基に結合させて、保護β−Dまたはβ−L−3’,3’−ジハロヌクレオシドを得ることができる。例えば、好ましくは塩基のシリル化によって活性化されたプリンまたはピリミジン塩基を、四塩化スズおよび四塩化チタンなどのルイス酸、またはトリメチルシリルトリフレートを用いて、その環に結合させる。【0217】【化51】【0218】その後、前記β−Dまたはβ−L−3’,3’−ジハロヌクレオシドを当技術分野において知られているいずれかの手段によって、場合によっては保護し、その後、当技術分野において知られている、または本明細書中、実施例に開示されているいずれかの手段によって、ハロゲンのうちの一つを脱離させて、所望のβ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ハロ−ヌクレオシドを得ることができる。最終的に、当技術分野において知られているいずれかの手段によって、その5’−ヒドロキシルを脱保護することができる。【0219】【化52】【0220】B.β−3’−ハロ−ヌクレオシドの調製方法ラクトールからこの方法に重要な出発原料は、適切に保護されたD−またはL−ラクトールである。前記D−またはL−ラクトールは、購入することができ、または当技術分野において知られているいずれかの手段によって製造することができる。一つの実施形態では、チオラクトールが望ましく、これは、Secrist III,J.A.;Tiwari,K.N.;Riordan,J.M.;Montgomery,J.A.,「2’−デオキシ−4−‘チオピリジンヌクレオシドの合成および生物活性(Sunthesis and biological activity of 2’−deoxy−4−‘thio pyrimidine nucleosides)」,J.Med.Chem.1991,34,2361−2366;Tiwari,K.N.;Montgomery,J.A.;Secrist III,J.A.,「1−(2−デオキシ−4−チオ−a−L−トレオ−ペントフラノシル)チミンの合成および生物活性(The sysnthesis and biological activity of 1−(2−deoxy−4−tio−a−L−threo−pentofuranosyl)thymine)」,Nucleosides & Nucleotides,1993,12(8),841−846が記載しているプロトコルをを用いて、製造することができる。【0221】その後、ラクトールを活性化し、当技術分野において知られているいずれかの手段を用いて、プリンまたはピリミジン塩基に結合させて、保護β−Dまたはβ−L−3’,3’−ジハロヌクレオシドを得ることができる。例えば、好ましくは塩基のシリル化によって活性化されたプリンまたはピリミジン塩基を、四塩化スズおよび四塩化チタンなどのルイス酸、またはトリメチルシリルトリフレートを用いて、その環に結合させる。【0222】【化53】【0223】その後、前記β−Dまたはβ−Lヌクレオシドを場合によって脱保護することができ、また、その第二アルコールを、当技術分野において知れられているいずかの手段または本発明に記載の方法論によって、適切なハロゲンで置換することができる。【0224】【化54】【0225】C.β−2’−ハロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−チオヌクレオシドの調製方法グリセルアルデヒドからこの方法に重要な出発原料は、適切に保護されたD−またはL−グリセルアルデヒドである。前記D−またはL−ラクトールは、購入することができ、これを、その後、標準的なケトンを用いて保護することができる。一つの実施形態において、前記D−またはL−グリセルアルデヒドは、Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991において教示されているようにアセトンを用いて保護される。【0226】その後、前記保護グリセルアルデヒドを、当技術分野においてよく知られている手段または本明細書に開示されている方法によって結合および環化することができる。例えば、環化化合物は、Chong,Y.;Gumina,G.;Chu,C.K.,Tetrahedron Asymmetry,2000,11,4853−4875に記載されている手順に従って、製造することができる。【0227】【化55】【0228】その後、当技術分野において知られているいずれかの還元剤を用いて、前記環化生成物を選択的に還元して、2’,3’−ヒドロ生成物を得ることができる。例えば、炭素担持パラジウムを用いて、ラクトンを選択的に還元することができる。【0229】【化56】【0230】その後、例えば、トリフェニルホスフィンおよびイミダゾールの存在下、ヨウ素での、ラクトンの4’位に対する選択的求核攻撃によって、前記還元生成物を脱環化することができる。その後、その求核因子は、当技術分野において知られている簡単な置換反応によって、求核性硫黄、好ましくは、KSAcなどの硫化物で置換することができる。【0231】【化57】【0232】得られた活性化エステルは、その後、酸無水物などで場合によっては活性化された、DIBAL−Hなどの当技術分野において知られている実行可能な還元剤を用いて還元して、アシル部分(例えば、無水酢酸を用いて)を得、環化して、チオラクトンを得ることができる。【0233】【化58】【0234】その後、前記チオラクトンを、LiHMDSなどの強塩基でエノール化し、簡単な操作で溶離に脱離させることができる求電子試薬(LG)に結合させる。こうした部分には、フェニルセレンおよび硫化フェニルが挙げられる。【0235】【化59】【0236】その後、前記チオラクトンを酸無水物などで場合によっては活性化されたDIBAL−Hなどの当技術分野において知られているいずれかの還元剤で還元して、アシル部分(例えば、無水酢酸を用いて)を得、当技術分野において知られているいずれかの手段を用いてプリンまたはピリミジン塩基に結合させて、保護β−Dまたはβ−L−3’,3’−ジハロヌクレオシドを得ることができる。例えば、好ましくは塩基のシリル化によって活性化されたプリンまたはピリミジン塩基を、四塩化スズおよび四塩化チタンなどのルイス酸、またはトリメチルシリルトリフレートを用いて、その環に結合させる。【0237】【化60】【0238】チオラクトンを塩基に結合させた後、LGを操作し、すなわち、フェニルセレンの場合には、mCPBAなどの酸化剤で酸化し、脱離させて、保護β−2’ハロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−チオヌクレオシドを得、これを、当技術分野において知られているいずれかの手段によって、場合によっては脱保護することができる。【0239】【化61】【0240】グルタミン酸からこの方法に重要な出発原料は、適切に保護されたD−またはL−グルタミン酸である。前記D−またはL−グルタミン酸は、購入することができ、その後、これを、当技術分野においてよく知られている手段によってチオ誘導体に転化させる。こうしたプロトコルの例は、Cervinka,O.;Hub,L.,「不斉反応。XXVII.γ−ブチロラクトン−γ−カルボン酸およびγ−バレロラクトン−γ−カルボン酸の絶対配置(Asymmetric reactions. XXVII.Absolute configurations of γ−butyrolactone−γ−carboxylic acid and γ−valerolactone−γ−carboxylic acid)」,Collect.Czech.Chem.Commum.1968,33,2927−2932;Hanessian,S.;Murray,P.J.,「天然生合成経路の立体化学的制御:単一キラルプロジェニターからポリプロピオン酸塩由来の構造を合成するための一般戦略(Stereochemical control of nature’s biosynthetic pathways:A general strategy for the synthesis of polypropionate−derived structural units from a single chiral progenitor)」,Tetrahedron 1987,43,5055−5072;Secrist III.J.A;Riggs,R.H.;Tiwari,K.N.;Montgomery,J.A.,「4’−チオ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの合成および抗HIV活性(Synthesis and anti−HIV activity of 4’−thio−2’,3’−dideoxynucleosides)」,J.Med.Chem.1992,35,533−538である。【0241】【化62】【0242】本発明の特定の副次的実施形態において、β−D−またはβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法は、下記式(X):【0243】【化63】(式中、R1、Y、X1、X2およびY1は、上で定義したとおりである)のβ−D−またはβ−L−2’−ハロ−4’−チオプリン、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグの調製法である。【0244】本発明のもう一つの副次的実施形態において、β−D−またはβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法は、下記式(XI):【0245】【化64】(式中、R1、Y、X1およびY1は、上で定義したとおりである)のβ−D−またはβ−L−2’−ハロ−4’−チオピリミジン、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグの調製法である。【0246】特定の副次的実施形態において、β−D−またはβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法は、下記式(XII):【0247】【化65】(式中、R1、X、Y、X1、R2およびR3は、上で定義したとおりである)のβ−D−またはβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシド、またはそのエナンチオマー、またはその医薬適合性の塩もしくはプロドラッグの調製法である。【0248】好ましい実施形態において、式(IX)から(XII)の化合物に関するYは、Fである。【0249】別の好ましい実施形態において、式(IX)から(XII)の化合物に関するYは、Fである。【0250】上に示したβ−ハロヌクレオシドは、β−D立体配置であるが、これらのβ−ハロヌクレオシドがβ−L立体配置、β−D立体配置のいずれであってもよいことは、ご理解いただけよう。【0251】本発明の一つの実施形態において、式(IX)から(XII)の化合物は、β−D立体配置である。本発明の別の実施形態において、式(IX)から(XII)の化合物は、β−L立体配置である。【0252】本発明の方法をさらに理解するために以下の操作実施例を提供する。これらの実施例は、説明のためのものであり、本発明の範囲を制限する意味は持たない。本合成法の一般的な範囲を逸脱することなく、本明細書に記載する特定の溶媒、試薬または反応条件を、同等の、類似のまたは適する溶媒、試薬または反応条件に換えることができる。【0253】実施例融点は、Mel−temp II装置で測定し、未補正である。NMRスペクトルは、TMSを初期標準物質として、1H NMRについては400MHzで、13C NMRについては100MHzで、Bruker 400 AMX スペクトロメータを用いて記録した。化学シフト(δ)は、百万分率(ppm)で報告し、シグナルは、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、またはbs(広い一重線)として報告する。IRスペクトルは、Nicolet 510P FT−IRスペクトロメータを用いて測定した。質量スペクトルは、Micromass Autospec 高分解能質量スペクトロメータで記録した。TLCは、Analtech Co.から購入したUniplate(シリカゲル)を用いて行った。カラムクロマトグラフィーは、フラッシュクロマトグラフィーについてはシリカゲル−60(220メッシュから440メッシュ)を用い、または真空フラッシュカラムクロマトグラフィーについてはシリカゲルG(TLCグレード、>440メッシュ)を用い、行った。UVスペクトルは、Beckman DU 650分光光度計を用いて得た。元素分析は、Atlantic Microlab,Inc.,Norcross,GA、またはGalbraith Laboratories,Inc.,Knoxville,TNが行った。HPLCは、Model 600コントローラ、Model 996光ダイオードアレー探知機およびModel 717プラス自動型サンプラーを装備したWaters HPLC システム(Millipore Corporation,Mildord,MA)で行った。Millennum 2010 ソフトウエアを、システム制御、データ収集および処理のために用いた。旋光度の測定には、キラライザー旋光検出器、Perkin−Elmer Model 241MC旋光計(Wilton,CT)を用いた。【実施例1】【0254】1−[(S)−2,2−ジメチル−(1,3)−ジオキソラン−4−イル]−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−2−オール(2、図1)60℃の臭化(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−マグネシウム(THF中0.5M、325mL、162.5mmol)の溶液に、THF(100mL)中のD−グリセルアルデヒド(19.1g、147mmol)の溶液を45分かけて一滴ずつ添加した。得られた溶液をもう一時間攪拌し、その後、氷/水浴に移し、その後、塩化アンモニウム飽和水溶液で処理した。その反応混合物をジエチルエーテルによって徹底的に抽出した。有機相をMgSO4で乾燥させた。溶媒除去後、残留物を、フラッシュシリカゲルカラム(35%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、アルコール2(黄色の油、30.1g、94%)を生じた。1H NMR(CDCl3)δ1,339、1.356、1.401、1.429(s,6H)、1.75−1.90(m,2H)、2.834(d,J=3.28Hz、D2O交換可能0.57H)、3.062(br s,D2O交換可能,0.43H)、3.755−4.113(m,8H)、5.070(m,1H)、MS(FAB)m/z 218(M+)。【実施例2】【0255】1−[(S)−2,2−ジメチル−(1,3)−ジオキソラン−4−イル]−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−2−オール(3、図1)乾燥CH2Cl2中のDMSOの溶液(8.58mL)に、−78℃の(ClCO)2(5.25mL)を一滴ずつ添加した。5分後、その溶液に、CH2Cl2中の2(12.0g、54.9mmol)を一滴ずつ、5分間で添加した。さらに15分後、トリエチルアミン(38.2mL)を得られた溶液に添加した。その後、その反応溶液を温めた。標準的な処理の後、残留物をフラッシュシリカゲルカラム(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3(黄色の油、11.4g、95%)を生じた。1H NMR(CDCl3)δ1.354(S,3H),1.453(S,3H),2.953(m,2H),3.83(m,2H),3.95(m,2H),4.027(m,1H),4.154(m,1H),4.417(m,1H),5.268(m,1H),MS(FAB)m/z 216(M+)。【実施例3】【0256】1−[(S)−2,2−ジメチル−(1,3)−ジオキソラン−4−イル]−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ペンタン(4、図1)0℃で、乾燥CH2Cl2中のDAST(15mL)の溶液に、CH2Cl2中の3(8.5g、39.4mmol)を一滴ずつ添加した。得られた溶液を室温で24時間攪拌した。その後、その反応混合物を0℃の重炭酸ナトリウム飽和溶液に注入した。標準的な処理の後、残留物をフラッシュシリカゲルカラム(10%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、4(黄色の油、4.8g、51.3%)を生じた。1H NMR(CDCl3)δ1.340(s,3H),1.424(s,3H),2.23−2.41(m,2H),3.85(m,2H),3.97(m,2H),4.09(m,2H),4.24−4.33(m,1H),5.121(t,1H),MS(FAB)m/z 238(M+)。【実施例4】【0257】3−ジフルオロ−5−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−2S−1,2−ジオール(5、図1)0℃、1,4−ジオキサン中の4(4.8g、20.2mmol)の溶液に、2.5%HCl水溶液を添加した。得られた溶液を室温で一晩攪拌し、その後、重炭酸ナトリウムによって中和した。標準的な処理の後、残留物をフラッシュシリカゲルカラム(60%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、5(無色の油、3.6g、90%)を生じた。1H NMR(CDCl3)δ2.30−2.52(m,2H),3.577(d,J=5.88Hz,D2O交換可能,1H),3.83−4.10(m,7H),5.090(q,1H),MS(FAB)m/z 198(M+)。【実施例5】【0258】1−ベンズオキシ−3−フルオロ−5−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−2S−オール(6、図1)乾燥ピリジン(5mL)中の5(3.1g)の溶液に、0℃の塩化ベンゾイル(1.82mL)を一滴ずつ添加した。得られた溶液を室温で1時間攪拌した。ピリジンを除去した後、残留物をCH2Cl2に溶解し、NaHCO3飽和水溶液によって洗浄し、MgSO4で乾燥させた。濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラム(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、6(無色の油、4.0g、85%)を生じた。1H NMR(CDCl3)δ2.43(m,2H),3.84(m,2H),3.95(m,2H),4.03(m,1H),4.19(m,1H),4.48(m,1H),4.59(m,1H),5.08(m,1H),7.38(m,2H),7.51(m,1H),8.01(m,1H),MS(FAB)m/z 302(M+)。【実施例6】【0259】1−アセチル−5−O−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−D−リボフラノース(7、図1)メタノール(15mL)中の6(1.6g、5.3mmol)の溶液に、HCl/ジエチルエーテル溶液(1.0M、15mL)を添加した。得られた溶液を攪拌し、1時間還流させた。冷却後、その反応溶液をNaHCO3で中和した。標準的な処理の後、残留物を次の段階に用いた。濃硫酸(40μL、0.75mmol)を、氷酢酸(15mL)中の得られた残留物と無水酢酸(3mL、32.0mmol)の氷冷溶液に添加した。得られた溶液を室温で30分間攪拌した。その後、その反応混合物を重炭酸ナトリウムの氷冷飽和溶液(100mL)に注入し、ジクロロメタン(3x100mL)で抽出した。標準的な処理の後、残留物をフラッシュシリカゲルカラム(10%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、アノマー混合物(2:1)7(黄色の油、1.5g、95%)を生じた。1H NMR(CDCl3,400MHz)δ2.02,2.10(s,3H),2.53−2.65(m,1H),2.74−2.88(m,1H),4.46−4.66(m,3H),6.442,6,399(d,J=5.85,5.76Hz,1H),7.38−7.51(m,2H),7.57(m,1H),7.98−8.12(m,2H),MS(FAB)m/z 301(MH+)。【実施例7】【0260】N4−ベンゾイル−1−(5−O−ベンジル−2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−β−L−リボフラノシル)シトシン(8、図1)1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)(30mL)中のN4−ベンゾイルシトシン(900mg、4.20mmol)および硫酸アンモニウム(28mg、0.212mmol)の混合物を4時間還流させ、その後、真空下、30℃から35℃で溶媒を除去した。その残留油に、無水アセトニトリル(15mL)中の7(630mg、2.1mmol)の溶液を添加し、その後、0℃に冷却しすると同時に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf、0.60mL、3.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温で3時間攪拌し、その後、重炭酸ナトリウムの氷冷飽和溶液(25mL)に注入した。有機相を分離して、ブライン(5mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをフラッシュシリカゲルカラム(50%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、8(白色の固体、350mg、36%)を得た。融点166℃から167℃(分解);[α]24D 80.50°(c 0.50,CHCl3);UV(MeOH)λmax259.5,301.0;1H NMR(CDCl3)δ2.57(m,J=15.6,10.5,5.3Hz,1H,H2’β),3.26(m,J=15.6,12.8,7.0Hz,1H,H2’α,),4.57(ddd,J=18.0,9.7,4.8Hz,1H,H4’),4.71(dd,J=12.5,5.5Hz,1H,H5’b),4.75(dd,J=12.5,4.3Hz,1H,H5’a),6.30(t,J=6.1Hz,1H,H1’,),7.65−7.44(m,7H),8.10−7.88(m,5H),8.81(bs,1H);HRMS(FAB)実測値,m/z 456.1377,計算値C23H20F2N3O5,m/z 456.1371(MH+)。元素分析.計算値C23H19F2N3O5:C,60.66;H,4.21;N,9.23。実測値:C,60.50,H,4.19,N,9.00。【実施例8】【0261】1−(2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−β−L−リボフラノシル)シトシン(9、図1)飽和アンモニア/メタノール溶液(10mL)中の8(140mg、0.30mmol)の混合物を室温で4時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮乾固させた。残留物をフラッシュシリカゲルカラム(10%メタノール/クロロホルム)によって精製して、9(白色の固体、80mg、100%)を得た。融点194℃から196℃(分解);[α]24D 45.56°(c 1.0,MeOH);UV(MeOH)λmax276.5(ε18160)(pH2),268.0(ε13280)(pH7)、268.5(ε13580)(pH11);1H NMR(CD3OD)δ2.51(m,1H,H2’),2.90(m,1H,H2’),3.83(m,2H,H5’),4.17(m,1H,H4’),5.93(d,J=7.3Hz,1H,H5),6.27(t,J=6.8Hz1H,H1’),7.97(d,J=7.3Hz,1H,H6’),;HRMS(FAB)実測値,m/z 248.0841,計算値C9H12F2N3O3,m/z 248.0847(MH+)。元素分析.計算値C9H11F2N3O3・0.1 H2O:C,43.41;H,4.53;N,16.88。実測値:C,43.45;H,4.50;N,16.54。【実施例9】【0262】1−(2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−L−グリセロ−ペント−2−エノ−フラノシル)シトシン(10、図1)無水DMF(3mL)中の9(90mg、0.36mmol)およびナトリウムメトキシド(150mg、1.1mmol)の混合物を室温で一晩攪拌し、その後、Dowex 50 wx8(H+)によって中和した。濾過および濃縮後、その粗製固体をシリカゲルカラム(10%メタノール/クロロホルム)によって精製して、10(白色の固体、54mg,60%)を得た。融点182℃から183℃(分解);[α]22D −5.34°(c 0.39,MeOH);UV(MeOH)λmax276.0(ε11990)(pH2),267.5(ε8010)(pH7),264.5(ε8060)(pH11);1H NMR(CD3OD)δ3.766,3.771(m,2H,H5’)4.733(m,1H,H4’),5.438(m,1H,H2’),5.887(d,J=7.5Hz,1H,H5),6.975(m,1H,H1’),8.137(d,J=7.5Hz,1H,H6’),HRMS(FAB)実測値,m/z 228.0776,計算値C9H11FN3O3,m/z 228.0784(MH+)。元素分析.計算値C9H10FN3O3:C,47.58;H,4.44;N,18.50。実測値:47.34;H,4.45;N,18.27。【実施例10】【0263】5−O−ベンゾイル−1,2−O−イソプロピリデン−α−L−リボフラノース(11、図2a)Maら,J.Med.Chem,1996,39(14),2835およびCooperwoodら,Nucleosides Nucleotides 2000,19(1&2),219−236参照。【実施例11】【0264】5−O−ベンゾイル−3−O−ベンジル−1,2−O−イソプロピリデン−α−L−リボフラノース(12、図2a)無水THF(120mL)中の11(20.00g、67.96mmol)の溶液を0℃の水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物、4.00g、100mmol)の懸濁液にゆっくりと添加し、その混合物を室温で1時間攪拌した。得られた懸濁液にヨウ化テトラブチルアンモニウム(2.50g、6.77mmol)を添加し、その後、0℃に再び冷却すると同時に、臭化ベンジル(9.0mL、75.67mmol)を添加した。その反応混合物を室温で9時間、暗所で攪拌し、その後、0℃に冷却して、氷冷水(100mL)で注意深く(発泡に注意)反応を停止させ、その後、酢酸エチル(3x350mL)で抽出した。併せた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮乾固させた。得られた粗製12(暗黄色の油、34.40g、理論収率の132%)を、さらに精製せずに、次の段階で用いた。【0265】12.黄色の油:1H NMR(CDCl3,400MHz)δ7.93(m,2H),7.56(m,1H),7.43−7.21(m,7H),5.78(d,1H,H1,J=3.7Hz),4.81(d,1H,J=12,1Hz),4.66−4.62(m,2H,H2,H4),4.57(d,1H,J=12.1Hz),4.39−4.33(m,2H,H5),3.79(dd,1H,H3,J=8.9,4.3Hz),1.63(s,3H),1.39(s,3H);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ166.11,137.08,132.97,129.65,128.45,128.21,128.05,127.97,113.06,104.09,77.22,76.92,76.31,72.11,62.87,26.72,26.43;MS(FAB)m/z 385(MM+)。【実施例12】【0266】5−O−ベンゾイル−3−O−ベンジル−1−メチル−β−L−リボフラノース(13、図2a)メタノール(700mL)中の粗製12(33.24g)の氷冷溶液に、ジオキサン(350mL)中のHClの4.0M溶液を添加して、その混合物を室温で90分間攪拌し、その後、重炭酸ナトリウム飽和溶液(200mL)、続いて固体重炭酸ナトリウム(125g)で反応を停止させた。減圧下で揮発成分を蒸発させて約250mLにし、その水性残留物を酢酸エチル(3x500mL)で抽出した。併せた有機抽出物をMgSO4で乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製生成物を得、これを真空TLCグレードシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンから1:3の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、21.46g(11から91%)の13を黄色の油として得た。【0267】13.黄色の油:1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.04(m,2H),7.57(m,1H),7.44(m,2H),7.38−7.26(m,5H),4.90(s,1H,H1),4.63(d,1H,J=11.6Hz),4.58(d,1H,J=11.6Hz),4.50(dd,1H,J=11.1,3.2Hz),4.38−4.29(m,2H,H5),4.24(m,1H),4.08(m,1H),3.30(s,3H);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ166.28,136.71,133.08,129.82,129.66,128.66,128.40,128.34,128.01,108.27,79.06,78.98,73.06,72.94,64.98,55.00;HRMS(FAB)実測値,m/z 359.1517,計算値C20H23O6,m/z 359.1495(MH+)。元素分析.計算値C20H22O6:C,67.03;H,6.19。実測値:C,66.87,H,6.22。【実施例13】【0268】5−O−ベンゾイル−3−O−ベンジル−2−デオキシ−1−メチル−β−L−リボフラノース(14、図2a)クロロチオノ蟻酸フェニル(9.3mL、67.24mmol)を無水トルエン(700mL)中の13および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(16.32g、133.58mmol)の溶液に添加し、得られた明黄色のスラリーを90℃で3時間攪拌した。その反応混合物を、その後、0℃に冷却し、黄色の固体を濾過して取り出し、少量の無水トルエンで洗浄した。その有機濾液に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、0.92g、5.60mmol)を添加し、その後、還流させながら、無水トルエン中の水素化トリブチル錫(37.4mL、139.04mmol)およびAIBN(0.92g、5.60mmol)の溶液を30分かけて添加した。その反応混合物をさらに30分還流させて、無色の濁った混合物を得、これを減圧下で濃縮乾固させた。この粗製生成物を真空カラムTLCグレードシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンから1:9の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、14.14g(74%)の14を無色の油として得た。【0269】14.無色の油:[α]22D 45.11°(c 5.58,CHCl3);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.05(m,2H),7.57(m,1H),7.44(m,2H),7.32−7.26(m,5H),5.12(dd,1H,H1,J=5.3,1.3Hz),4.53(s,2H),4.46−4.33(m,3H,H3,H4),4.30(td,1H,H3,J=6.6,3.8Hz),3.32(s,3H),2.33(ddd,1H,H2β,J=13.2,6.9,1.3),2.16(ddd,1H,H2α,J=13.2,6.5,5.3);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ166.30,137.61,133.04,129.93,129.67,128.44,128.35,127.82,127.67,105.41,81.60,79.32,71.88,65.62,54.93,39.38;HRMS(FAB)実測値,m/z 343.1543,計算値C20H23O5,m/z 343.1545 (MH+)。元素分析.計算値C20H22O5:C,70.16;H,6.48。実測値:C,69.90,H,6.42。【実施例14】【0270】5−O−ベンゾイル−2−デオキシ−1−メチル−β−L−リボフラノース(15、図2a)無水エタノール(200mL)中の14(4.27g、12.47mmol)および10%Pd/C(2.65g、2.49mmol)の混合物を、室温、H2圧50psiで72時間水素化した。得られた混合物をCeliteで濾過して、エタノールで洗浄し、真空下で濃縮して粗製生成物を得、これをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:2 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、1.88g(60%)の15を淡黄色の油として得た。【0271】15.淡黄色の油:[α]23D 65.85°(c 5.23,CHCl3);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.07(m,2H),7.57(m,1H),7.46−7.41(m,2H),5.10(dd,1H,H1,J=5.2,1.3Hz),4.56(m,1H,H3),4.48(dd,1H,H5a,J=11.6,4.9Hz),4.38(dd,1H,H5b,J=11.6,5.7Hz),4.20(dd,1H,H4,J=10.2,5.1Hz),3.31(s,3H),2.76(m,交換可能,3’−OH),2.31(ddd,1H,H2β,J=13.3,6.8,1.3),2.12(ddd,1H,H2α,J=13.3,6.8,5.2);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ166.59,133.07,129.66,129.58,128.28,104.97,83.53,71.93,65.25,54.85,41.39;HRMS(FAB)実測値,m/z 253.1083,計算値C13H17O5,m/z 253.1076(MH+)。元素分析.計算値C13H16O5:C,61.90;H,6.39。実測値:C,61.57,H,6.38。【実施例15】【0272】メチル5−O−ベンゾイル−2−デオキシ−β−L−グリセロ−ペントフラノシド−3−ウロース(15、図2a)三酸化クロム(2.73g、27.30mmol)を室温で無水ピリジン(4.5mL、55.64mmol)と無水ジクロロメタン(50mL)の攪拌混合物に添加し、室温で15分間攪拌を継続した。その後、無水ジクロロメタン(20mL)中の15(1.72g、6.82mmol)の溶液を添加し、続いて直ちに無水酢酸(2.6mL、27.51mmol)を添加した。15分後、その暗褐色の溶液を酢酸エチル(400mL)で処理して、得られた混合物をTLCグレードシリカゲルパッドに通して濾過し、それを酢酸エチル(1回分500mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、トルエン(3x100mL)と共に蒸発させて、真空下で溶媒を除去して、1.50g(88%)の16を橙色の油として得た。【0273】16.橙色の油:[α]23D 64.89°(c 1.25,OHCl3);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.08(m,2H),7.57(m,1H)7.46−7.42(m,2H),5.37(d,1H,H1,J=5.6Hz),4.66(dd,1H,H5a,J=11.7,3.2Hz),4.46(dd,1H,H5b,J=11.7,6.1Hz),4.40(dd,1H,H4,J=6.1,3.2Hz),3.40(s,3H),2.82,(dd,1H,H2α,J=18.3,5.6),2.12(d,1H,H2β,J=18.3);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ210.70,166.17,133.11,129.73,129.69,128.33,102.36,77.63,64.55,55.07,43.54;HRMS(FAB)実測値,m/z 251.0920,計算値C13H15O5,m/z 251.0919(MH+)。元素分析.計算値C13H14O5・0.07Tol:C,63.12;H,5.72。実測値:C,63.51,H,5.37。【実施例16】【0274】5−O−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−β−L−リボフラノース(17、図2a)三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(3.0mL、22.71mmol)を無水ジクロロメタン(25mL)中の16(1.40g、5.59mmol)の溶液に添加し、その反応混合物を36時間還流させた。得られた溶液を、その後、重炭酸ナトリウムの氷冷飽和溶液(50mL)に注意深く注入し、ジエチルエーテル(4x100mL)で抽出した。併せた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて、濾過し、濃縮して粗製油を得、それをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:9 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、1.01g(66%)の17を黄色の油として得た。【0275】17.黄色の油:[α]23D 40.78°(c4.28,CHCl3);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.08(m,2H),7.57(m,1H),7.45(m,2H),5.15(dt,1H,H1,J=5.7,1.7Hz),4.63−4.41(m,3H,H4,H5),3.40(s,3H),2.67(tdd,1H,H2α,J=16.6,15.0,5.7Hz),2.49(tdd,1H,H2β,J=15.0,9.0,2.0Hz);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ166.05,133.14,129.71,128.38,128.32(t,JC−F=252.8Hz),103.70(dd,JC−F=7.1,4.2Hz),79.46(dd,JC−F=32.1,24.9Hz),62.94(dd,JC−F=7.5,4.5Hz),55.38,42.26(t,JC−F=24.3Hz);HRMS (FAB)実測値,m/z 273.0950,計算値C13H15F2O4,m/z 273.0938(MH+)。元素分析.計算値C13H14F2O4:C,57.35;H,5.18。実測値:C,57.64,H,5.30。【実施例17】【0276】1−アセチル−5−O−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−β−L−リボフラノース(18、図2a)濃硫酸(80μL、1.50mmol)を氷酢酸中の17(200mg、0.73mmol)および無水酢酸(300μL、3.20mmol)の氷冷溶液に添加し、その反応混合物を0℃で5分間、その後、室温でさらに10分間攪拌した。得られた混合物を重炭酸ナトリウムの氷冷飽和溶液(100mL)に注入し、ジクロロメタン(3x100mL)で抽出した。併せた抽出物を水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、トルエン(3x10mL)と共に蒸発させて、210mg(95%)の5:3のエピマー混合物18を黄色の粗製油として得、これを、さらに精製せずに、次の反応で用いた。【0277】18.黄色の油:1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.06−8.02(m,4H),7.57(m,2H),7.47−7.43(m,4H),6.45[d,1H,H1(主異性体),J=5.3Hz],6.41[d,1H,H1(副異性体),J=5.9Hz],4.65−4.49(m,6H,H4,H5),2.11(s,3H),2.04(s,3H);13C NMR(CDCl3,100MHz)(主異性体)δ169.72,165.91,133.28,129.68,128.43,127.50(dd,JC−F=254.9,251.6Hz),95.34(dd,JC−F=7.7,4.5Hz),79.10(dd,JC−F=33.0,24.7Hz),61.01(dd,JC−F=7.7,2.4Hz),41,91(t,JC−F=25.1Hz),21.03;(副異性体)δ169.62,165.91,133.27,129.73,128.41,127.35(dd,JC−F=255.1,251.3Hz),95.83(dd,JC−F=7.6,3.8Hz),80.31(dd,JC−F=32.0,25.0Hz),62.12(dd,JC−F=7.8,3.5Hz),41.27(t,JC−F=24.8Hz),21.00;MS(FAB)m/z 301(MH+)。【実施例18】【0278】N4−ベンゾイル−1−(5−O−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−β−L−リボフラノシル)シトシン(19、図2a)およびN4−ベンゾイル−1−(5−O−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−α−L−リボフラノシル)シトシン(20、図2a)1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)中のN4−ベンゾイルシトシン(225mg、1.05mmol)および硫酸アンモニウム(7mg、0.053mmol)の混合物を4時間還流させ、その後、真空下、30℃から35℃で溶媒を除去した。その残留油に、無水アセトニトリル(10mL)中の18(210mg、0.70mmol)の溶液を添加し、その後、0℃に冷却しすると同時に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf、0.19mL、1.05mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、その後、ジクロロメタンで50mLに希釈して、重炭酸ナトリウムの氷冷飽和溶液(25mL)に注入した。有機相を分離して、ブライン(5mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(3:97 メタノール/クロロホルム)によって精製して、第一溶離生成物として80mgの20(25%)および第二溶離生成物として100mgの19(31%)を得た。両方の異性体は、無色の油であり、これらは、ジエチルエーテルおよび一滴のメタノールと研和すると、白色の固体になった。【0279】19.白色の固体:融点166℃から167℃(分解);[α]24D −89.75°(c 0.31,CHCl3);UV(MeOH)λmax259.5,301.0;1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.81(bs,1H),8.10−7.88(m,5H),7.65−7.44(m,7H),6.30(t,1H,H1’,6.1Hz),4.75(dd,1H,H5’a,J=12.5,4.3Hz),4.71(dd,1H,H5’b,J=12.5,5.5Hz),4.57(ddd,1H,H4’,J=18.0,9.7,4.8Hz),3.26(dtd,1H,J=15.6,12.8,7.0Hz),2.57(m,1H,H2’β,J=15.6,10.5,5.3Hz);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ166.48,165.91,162.58,154.55,143.35,133.59,133.31,129.63,129.07,128.60,127.53,125.71(t,JC−F=253.6Hz),96.90,84.39(dd,JC−F=6.6,3.6Hz),79.80(dd,JC−F=31.5,25.1Hz),60.77(d,JC−F=4.8Hz),41.69(t,JC−F=23.7Hz);HRMS(FAB)実測値,m/z 456.1377,計算値C23H20F2N3O5,m/z 456.1371(MH+)。【0280】20.白色の固体:融点176℃から178℃(分解);[α]24D 42.61°(c 1.19,CHCl3);UV(MeOH)λmax259.0;1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.89(bs,1H),8.06−7.89(m,5H),7.65−7.47(m,7H),6.29(dd,1H,H1’,J=7.3,3.2Hz),4.82(m,1H,H4’),4.69(dd,1H,H5’a,J=12.4,3.8Hz),4.57(dd,1H,H5’b,J=12.4,4.6Hz),3.21(dddd,1H,H2’β,J=15.4,12.8,7.3,5.4Hz),2.82(dtd,1H,H2’a,J=15.4,7.5,3.2Hz);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ166.54,165.80,162.77,154.62,143.48,133.51,133.19,129.58,128.94,128.60,127.58,126.51(dd,JC−F=255.7,249.3Hz),96.71,86.83(dd,JC−F=8.1,2.0Hz),80.78(dd,JC−F=31.7,25.2Hz),61.47(t,JC−F=5.3Hz),41.14(t,JC−F=24.0Hz);HRMS(FAB)実測値,m/z 456.1374,計算値C23H20F2N3O,m/z 456.1371(MH+)。【実施例19】【0281】N4−ベンゾイル−1−(5−O−ベンゾイル−2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−α/β−L−リボフラノシル)チミン(25、図2b)替わりに、無水アセトニトリル(10mL)中の17(170mg、0.62mmol)、チミン(160mg、1.27mmol)およびN,O−ビス−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド(0.83mL、3.12mmol)の混合物を室温で3時間攪拌した。得られた透明な溶液を0℃のTMSOTf(0.17mL、0.94mmol)で処理し、その後、放置して室温にし、72時間攪拌した。得られた混合物をジクロロメタンで100mLに希釈し、重炭酸ナトリウム(50mL)の氷冷飽和溶液(50mL)に注入した。有機相を分離し、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、その後、MgSO4で乾燥させて、濾過し、濃縮して粗製生成物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:49 メタノール/クロロホルム)によって精製して、120mgの25(53%)を黄色の油として得た。【0282】25.黄色の油:UV(MeOH)λmax263.5;1H NMR(CDCl3,400MHz)δ9.60[bs,1H(主異性体)],9.55(bs,1H(副異性体)),8.04(m,4H),7.59(m,2H),7.49(m,4H),7.22[d,1H,H6(副異性体),J=1.2Hz],7.18[d,1H,H6(主異性体),J=1.2Hz],6.42[t,1H,H1,(副異性体),J=7.0Hz],6.33(dd,1H,H1’(主異性体),J=7.5,5.0Hz),4.81−4.73(m,2H,H4’),4.62−4.53(m,4H,H5’),3.10−2.94(m,2H,H2’),2.83−2.76(m,1H,H2’),2.57−2.43(m,1H,H2’);13C NMR(CDCl3,100MHz)(主異性体)δ165.87,163.78,150.25,135.05,133.47,126.67(dd,JC−F=255.7,251.1Hz),111.71,84.84(t,JC−F=5.9Hz),80.15(dd,JC−F=31.3,24,5Hz),61.51(dd,JC−F=6.7,4.1Hz),40.34(t,JC−F=24.3Hz),12.59;(副異性体)δ165.84,163.45,150.25,133.82,133.59,125.91(dd,JC−F=255.1,252.3Hz),112.39,81.18(t,JC−F=5.9Hz),79.11(dd,JC−F=31.6,24.6Hz),60.88(dd,JC−F=6.1,3.1Hz),40.47(t,JC−F=23.9Hz),12.32;HRMS(FAB)obsd,m/z 367.1122,計算値C17H17F2N2O5,m/z 367.1106(MH+)。元素分析.計算値C17H17F2N2O5・0.03 CHCl3:C,55.30;H,4.37;N,7.57。実測値:C,54.92;H,4.40;N,7.37。【実施例20】【0283】1−(2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−β−L−リボフラノシル)シトシン(21、図2a)および1−(2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−α−L−リボフラノシル)シトシン(22、図2a)飽和アンモニア/メタノール溶液(それぞれ、10または5mL)中の19(70mg、0.15mmol)または20(40mg、0.09mmol)の混合物を室温で4時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮乾固させた。残留物を分取TLC(1:9 メタノール/クロロホルム)によって精製して、38mgの21(100%)または20mgの22(100%)を白色の固体として得た。【0284】21.白色の固体:融点194℃から196℃(分解);[α]24D 51.89°(c 1.15,MeOH);UV(MeOH)λmax276.5(ε18160)(pH2),268.0(pH7)(ε13280)(pH7),268.5(ε13580)(pH11);1H NMR(CD3OD,400MHz)δ7.97(d,1H,H6,J=7.3Hz),6.27(t,1H,H1’,J=6.8Hz),5.93(d,1H,H5,J=7.3Hz),4.17(m,1H,H4’),3.83(m,2H,H5’),2.90(m,1H,H2’),2.51(m,1H,H2’);13C NMR(DMSO−d6,100MHz)δ168.19,158.46,142.62,128.71(dd,JC−F=255.1,247.4Hz),97.04,84.73(dd,JC−F=6.7,4.9Hz),83.74(dd,JC−F=29.5,25.0Hz),60.73(t,JC−F=4.8Hz),42.14(t,JC−F=23.4Hz),12.29;HRMS(FAB)実測値,m/z 248.0850,計算値C9H12F2N3O3,m/z 248.0847(MH+)。元素分析.計算値C9H11F2N3O3・0.1 H2O 43.41;H,4.53;N,16.88。実測値:C,43.63;H,4.50;N,16.48。【0285】22.白色の固体:[α]25D 28.23°(c 0.27,MeOH)UV(MeOH)λmax277.5(ε15010)(pH2),269.0(ε10130)(pH7),269.0(ε10150)(pH11)1H NMR(CD3OD,400MHz)δ7.69(d,1H,H6,J=7.5Hz),6.21(dd,1H,H1‘,J=7.4,3.6Hz),5.90(d,1H,H5,J=7.5Hz),4.49(m,1H,H4’),3.79(dd,1H,H5’,J=12.5,3.6Hz),3.74(ddd,1H,H5’,J=12.5,4.0,1.5Hz),3.01(m,1H,H2’),2.63(m,1H,H2’);13C NMR(CD3OD,100MHz)δ168.37,158.54,142.57,129.28(dd,JC−F=254.3,247.2Hz),96.48,87.75(dd,JC−F=8.7,3.6Hz),84.93(dd,JC−F=29.3,25.3Hz),61.24(t,JC−F=5.4Hz),42.63(t,JC−F=23.9Hz),12.29;HRMS(MB)obsd,m/z 248.0829,calcd for C9H12F2N3O3,m/z 248.0847(MH+)。【0286】化合物21から22と類似に、1−(2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−β−L−リボフラノシル)チミン(26、図2b)および1−(2,3−ジデオキシ−3,3−ジフルオロ−α−L−リボフラノシル)チミン(27、図2b)を得た。【0287】26.白色の固体:融点140℃(分解);UV(MeOH)λmax264.0(ε11700)(pH2),263.5(ε12170)(pH7),264.0(ε8660)(pH11);1H NMR(DMSO−d6,400MHz)δ11.43(bs,1H),7.64(s,1H,H6),6.21(t,1H,H1,J=7.2),5.25(t,1H,5’−OH),4.11(m,1H,H4’),3.67(m,2H,H5’),2.83(m,1H,H2’),2.65(m,1H,H2’),1.78(s,3H);13C NMR(DMSO−d6,100MHz)δ163.59,150.36,135.40,127.26(dd,JC−F=255.8,246.7Hz),110.20,80.97(dd,JC−F=28.5,24.4Hz),80.32(dd,JC−F=7.1,4.1Hz),58.50,38.54(t,JC−F=23.6Hz),12.29;HRMS(FAB)実測値,m/z 263.0849,計算値C10H13F2N2O4,m/z 263.0843(MH+)。元素分析.計算値C10H12F2N2O4・0.14 Et2O:C,46.53;H,4.95;N,10.28。実測値:C,46.28;H,4.90;N,9.88。【0288】27.白色の固体:融点145℃から148℃(分解)[α]・・・D 26.50°(c 0.15,CHCl3);UV(MeOH)λmax265.5(ε12820)(pH2),263.5(ε12590)(pH7),264.0(ε10030)(pH11);1H NMR(DMSO−d6,400Hz)δ11.41(bs,1H),7.52(s,1H,H6),6.21(t,1H,H1’,J=6.4),5.13(t,1H,5’−OH),4,50(m,1H,H4’),3.59(m,2H,H5’),2.97−2.73(m,2H,H2’),1.78(s,3H);13C NMR(DMSO−d6,100MHz)δ163.77,150.38,136.32,127.77(dd,JC−F=252.3,249.2Hz),109.82,83.47(t,JC−F=6.0Hz),81.75(dd,JC−F=28.5,24.3Hz),58.76,38.57(t,JC−F=23.6Hz),12.17;HRMS(FAB)実測値,m/z 263.0835,計算値C10H13F2N2O4,m/z 263.0843(MH+)。元素分析.計算値C10H12F2N2O4・0.5 MeOH:C,45.33;H,5.07;N,10.07。実測値:C,45.49;H,4.96;N,9.76。【実施例21】【0289】1−(2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−L−グリセロ−ペント−2−エノ−フラノシル)シトシン(23、図2a)無水DMF(5mL)中の21(30mg、0.12mmol)とナトリウムメトキシド(50mg、0.37mmol)の混合物を室温で一晩攪拌し、その後、1mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で反応を停止させた。真空下で揮発成分を蒸発させることによって、粗製固体を得、それを非常に短いシリカゲルフラッシュカラムでのクロマトグラフィー(クロロホルムから1:15のメタノール/クロロホルム)によって精製して、15mg(54%)の23を白色の固体として生じた。【0290】23.白色の固体:融点182℃から183℃(分解);[α]22D 6.67°(c 0.54,MeOH);UV(MeOH)λmax276.0(ε11990)(pH2),267.5(ε8010)(pH7),264.5(ε8060)(pH11);1H NMR(CD3OD,400MHz)δ8.14(d,1H,H6,J=7.5Hz),7.01(m,1H,H1’),5.90(d,1H,H5’,J=7.5Hz),5.46(m,1H,H2’),4.76(m,1H,H4’),3.80(m,1H,H5’),3.79(m,1H,H5’);13C NMR(CD3OD,100MHz)δ168.31,163.40(d,JC−F=284.8Hz),159.05,144.05,102.34(d,JC−F=9.7Hz),95.68,88.42(d,JC−F=14.9Hz),81.96(d,JC−F=24.7Hz),61.82(d,JC−F=2.2Hz);HRMS(FAR)実測値,m/z 228.0778,計算値C9H11FN3O3,m/z 228.0784(MH+)。元素分析.計算値C9H10FN3O3:C,47.58;H,4.44;N,18.50。実測値:C,47.47;H,4.44;N,18.17。【0291】化合物23と類似に、1−(2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−L−グリセロ−ペント−2−エノ−フラノシル)チミン(28、図2b)を得た。【0292】28.白色の固体:融点146℃から148℃(分解);[α]22D 32.19°(c 0.20,CHCl3);UV(MeOH)λmax264.0(ε10080)(pH2),264.5(ε10130)(pH7),264.5(ε7710)(pH11);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ8.94(bs,1H),7.70(s,1H,H6),7.05(s,1H,H1’),5.26(s,1H,H2’),4.73(s,1H,H4’),3.94(m,2H,H5’),3.30(bs,1H,5’−OH)1.86(s,3H);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ164.01,161.54(d,JC−F=287.8Hz),150.50,136.85,110.83,99.64(d,JC−F=10.2Hz),85.65(d,JC−F=14.8Hz),79.98(d,JC−F=24.5Hz),60.56(d,JC−F=1.8Hz),12.28;HRMS(FAB)実測値,m/z 243.0789,計算値C10H12FN2O4,m/z 243.0781(MH+)。元素分析.計算値C10H11FN2O4:C,49.59;H,4.58;N,11.57。実測値:C,49.33;H,4.30;N,11.78。【実施例22】【0293】(S)−(−)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−2−ブテン−4−オリド(D−2、図3a)この化合物を調製するための詳細な方法は、次の文献に記載されている:「抗ウイルス薬としての可能性を秘めたD−およびL−炭素環式4’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの異なる合成(A divergent sysnthesis of D− and L−carbocyclic 4’−fluoro−2’,3’−dideoxynucleosides as potential antiviral agent)」,Chong,Y.;Gumina,G.;Chu,C.K.,Tetrahedron Asymmetry,2000,11,4863−4875。【実施例23】【0294】(R)−(+)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−2−ブテン−4−オリド(L−2、図4a)この化合物を調製するための詳細な方法は、次の文献に記載されている:「2’−フルオロ−2’,3’−不飽和L−ヌクレオシドの合成ならびに抗HIVおよび抗HBV活性(Synthesis and anti−HIV and anti−HBV activities of 2’−fluoro−2’,3’−unsaturated L−nucleosides)」,Lee,K.;Choi,Y.;Gullen E.;Schlueter−Wirtz,S.;Schinazi,R.F.;Cheng,Y.C.;Chu,C.K.,J.Med.Chem.1999,42,1320−1328。【実施例24】【0295】(2S,4S)−(+)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−γ−ブチロラクトン(D−3、図3a)EtOAc 200mL中のラクトンD−2(14.8g、39.9mmol)の溶液に、H2雰囲気下で3時間、2.0gのPd/C(5% w/w)を添加した。その反応混合物をセライトパッドに通して濾過した後、濾液を濃縮し、ヘキサン中5%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物D−3(13.9g、37.5mmol、収率94%)を白色の固体として得た。融点87℃から89℃;[α]24D 15.5°(c 0,85,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.70−7.35(m,10H),5.26(dt,J=51.2,8.8Hz,1H),4.54−4.47(m,1H),3.93(dd,J=11.4,2.3Hz,1H),3.71(dd,J=11.4,3.6Hz,1H),2.65(ddt,J=13.1,8.4,6.6Hz,1H),2.54(ddt,J=24.2,13.2,9.0Hz,1H),1.04(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ171.30(d,J=21.3Hz),135.59,135.30,132.52,132.20,129.76,129.35,127.82,127.63,89.30(d,J=191.0Hz),76.24(d,J=6.1Hz),63.73,30.14(d,J=20.0Hz),26.58,19.12;元素分析.計算値C21H25FO3Si:C,67.71;H,6.76。実測値:C,67.70;H,6.79。【実施例25】【0296】(2R,4R)−(−)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−γ−ブチロラクトン(L−3、図4a)EtOAc 500mL中の化合物L−2(25g、67.5mmol)の溶液を、H2雰囲気下で3時間、2.5gの炭素担持パラジウム(5% w/w)で処理した。セライトパッドに通して濾過した後、濾液を濃縮し、ヘキサン中7%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物L−3(23.8g、64.1mmol、収率95%)を白色の固体として得た。融点88℃から89℃;[α]24D−15.3°(c 0.835,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.69−7.38(m,10H),5.27(dt,J=51.4,8.9Hz,1H),4.54−4.47(m,1H),3.92(dd,J=11.7,2.4Hz,1H),3.74(dd,J=11.7,3.7Hz,1H),2.67(ddt,J=13.2,8.6,6.6Hz,1H),2.54(ddt,J=24.4,13.2,9.0Hz,1H),1.06(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ171.19(d,J=21.3Hz),135.62,135.51,132.73,132.40,129.97,129.95,127.97,127.84,89.82(d,J=193.0Hz),76.31(d,J=6.1Hz),63.94,30,26(d,J=20.0Hz),26.64,19.21;FABMS m/z 373(M+H)+;元素分析.計算値C21H25FO3Si:C,67.71;H,6.76。実測値:C,67.71;H,6.78。【実施例26】【0297】(2S,4S/R)−5−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−2−フルオロ−4−ヨードペンタン酸メチルエステル(D−4、図3a)および(2R,4R/S)−5−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−2−フルオロ−4−ヨードペンタン酸メチルエステル(L−4、図4a)EtOHの5%水溶液中の化合物D−3(7.49g、20.1mmol)の混合物を、室温で2時間、固体NaOH(0.885g、22.1mmol)で処理した。得られた混合物を濃縮し、250mLのトルエンと共に2回蒸発させて、乾固させた。その粗製カルボン酸ナトリウム塩を15mLのDMSOに溶解し、0℃の硫酸ジメチル(2.29mL、24.2mmol)で処理した。添加後、氷浴を取外した。その反応混合物を1時間攪拌し、その後、氷冷水(500mL)に注入して、エチルエーテル(3x200mL)で抽出した。併せた有機相を水(3x200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて、濃縮乾固させた。その粗製メチルエステルを、60℃で4時間、トルエン(300mL)中のI2(7.65g、30.1mmol)、イミダゾール(4.11g、60.4mmol)およびPh3P(10.55g、40.2mmol)で処理した。得られた混合物にNaHCO3(200mL)水溶液を添加し、ヨウ素色が持続するまでヨウ素を少しずつ添加して、残留するPh3Pを除去した。ヨウ素色が消えるまでNa2S2O3水溶液を一滴ずつ添加して、残留するヨウ素を除去した。得られた混合物を分取漏斗に注入して、300mLのトルエンで希釈し、ブラインで洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中7%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物D−4(7.52g、14.6mmol、収率73%)を薄黄色の油として得た。1H NMR(CDCl3)主生成物について:δ7.71−7.33(m,10H),5.08(ddd,J=47.9,7.2,5.0Hz,1H),4.31−4.17(m,1H),3.96−3.76(m,2H),3.79(s,3H),2.75−2.08(m,2H),1.10(s,9H),副生成物について:δ7.71−7.33(m,10H),5.16(ddd,J=48.2,10.3,2.1Hz,1H),4.31−4.17(m,1H),3.96−3.76(m,2H),3.81(s,3H),2.75−2.08(m,2H),1.08(s,9H);HRMS(FAB)実測値,m/z 515.0945,計算値C22H29FIO3Si,m/z 515.0915(M+H)+;元素分析.計算値:C22H28FIO3Si・0.2C6H14:C,52.41;H,5.84;I,23.87。実測値:C,52.30;H,5.55;I,23.83。【0298】粗製化合物D−3の1H NMRは、C2でのエピマーによる汚染が無いことを示していた。【0299】【化66】【0300】どの炭素中心がエピマー化されているかを確認するために、ヒドロキシメチルエステルD−3aを塩基性条件下で再び閉環して、出発2−フルオロブテノリドD−3を得た(図式1)。この化合物のスペクトルデータ(1Hおよび13C NMR)は、出発化合物のものとマッチし、これは、鹸化およびその後のメチル化中に有意なエピマー化が存在しなかったことを示唆していた。しかし、幾つかの異なる反応条件下でのヨウ素化によって、高温およびより長い時間ではC4において一部エピマー化が生じることが確認された。4時間、60℃、ミツノブ条件下のヒドロキシメチルエステルD−3aの処理は、エピマー化を最小にする最適条件であることがわかった。ヨードエステル4のエピマー混合物を、DMF中、チオ酢酸カリウムによる求核攻撃に付して、チオアセテートのエピマー混合物D−5を得た。チオアセテート5のDIBAL媒介還元、その後のモファット型の酸化によって、対応するチオラクトンD−6およびD−6aを収率54%で生じた。この段階で、二つのエピマーをシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって分離することができた。フェニルセレニル化を確実にしている間、シリルエノールエーテルとしてエノラートを捕捉することによって、C2位をsp2−混成化した。そのフェニルセレニル基がそのシリルエノールエーテルの最小制約α面に近づいて、対応するエナンチオマーD−7およびL−7を得る(図3a)。これらの二つの化合物の旋光度の値は、反対符合とマッチした{D−7について;[α]24D 54.0°(c 0.606、CHCl3)、およびL−7について;[α]24D −56.4°(c 0.542、CHCl3)}。これらは、ミツノブ条件下でのヨウ素化中、C4でのエピマー化が、最終的に確認された。従って、エピマー化生成物L−7は、L−鏡像異性体の合成のための重要な中間体として再利用することができる。【0301】固体NaOH(1.44g、36.0mmol)で処理した化合物L−3(12.2g、32.6mmol)を用い、同様の手順に従って、化合物L−4(13.7g、26.6mmol、収率82%)を薄黄色の油として得た。1H NMR(CDCl3)主生成物についてδ7.75−7.35(m,10H),5.10(ddd,J=48.4,7.5,5.2Hz,1H),4.33−4.18(m,1H),3.95−3.78(m,2H),3.82(s,3H)2.80−2.40(m,2H),1.10(s,9H),副生成物についてδ7.75−7.35(m,10H),5.18(ddd,J=49,2,10.8,2.3Hz,1H),4.33−4.18(m,1H),3.95−3.78(m2H),3.83(s,3H),2.45−2.10(m,2H),1.09(s,9H);HRMS(FAB)実測値,m/z 515.0972,計算値C22H29FIO3Si,m/z 515.0915 (M+H)+;元素分析.計算値C22H28FIO3Si・0.05C6H14:C,51.63;H,5.58;I,24.46。実測値:C,51.84;H,5.53;I,24.52。【実施例27】【0302】(2S,4R/S)−4−アセチルスルファニル−5−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−2−フルオロペンタン酸メチルエステル(D−5、図3a)および(2R,4S/R)−4−アセチルスルファニル−5−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−2−フルオロペンタン酸メチルエステル(L−5、図4a)DMF 12mL中の化合物D−4(11.72g、22.8mmol)の溶液を、室温で8時間、固体KSAc(5.2g、45.7mmol)で処理した。得られた混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(2x200mL)で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中10%のEtOAcでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物D−5(9.2g、19.9mmol、収率87%)を赤褐色の油として得た。1H NMR(CDCl3)主生成物についてδ7.61−7.32(m,10H),5.22−4.88(m,11H),3.89−3.65(m,3H),3.78(s,3H),2.41−2.07(m,2H),2.29(s,3H),1,05(s,9H),主生成物についてδ7.61−7.32(m,10H),5.22−4.88(m,1H),3.89−3.65(m,3H),3.78(s,3H),2.41−2.07(m,2H),2.27(s,3H),1.06(s,9H);HRMS(FAB)実測値,m/z 463.1770,計算値C24H32FO4SSi,m/z 463.1775 (M+H)+;元素分析.計算値C24H31FO4SSi:C,62.31;H,6.75;S,6.93。実測値:C,62.03;H,6.03;S,6.98。【0303】固体KSAc(6.08g、53.2mmol)で処理した20mLのDMF中の化合物L−4(13.7g、26.6mmol)を用い、同様の手順に従って、生成物L−5(11.14g、24.1mmol、収率91%)を赤褐色の油として得た。1H NMR(CDCl3)主生成物についてδ7.67−7.35(m,10H),5.12−4.92(m,1H),3.93−3.68(m,3H),3.81(s,3H),2.44−2.10(m,2H),2.32(s,3H),1.057(s,9H),主生成物についてδ7.67−7.35(m,10H),5.12−4.92(m,1H),3.93−3.68(m,3H),3.81(s,3H),2.44−2.10(m,2H),2.30(s,3H),1.062(s,9H);HRMS(FAB)実測値,m/z 463.1789,計算値C24H32FO4SSi,m/z 463.1775(M+H)+;元素分析.計算値C24H31FO4SSi:C,62.31;H,6.75;S,6.93。実測値:C,62.36;H,6.69;S,7.04。【実施例28】【0304】(2S,4S)−(+)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−γ−チオブチロラクトン(D−6、図3a)および(2R,4R)−(−)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−γ−チオブチロラクトン(L−6、図4a)トルエン(200mL)中の化合物D−5(9.2g、19.9mmol)の溶液を、−78℃で1時間、ヘキサン中1MのDIBAL−H 43.7mLで処理した。9.6mLのMeOHで反応を停止させ、1時間、室温まで温めて、NaHCO3水溶液(19mL)およびEtOAc(200mL)をその混合物に添加した。得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固させた。その粗製チオラクトールを、室温で24時間、Ac2O(19mL)およびDMSO(20mL)で処理した。その反応混合物を、氷冷水(300mL)を入れた分液漏斗に注入し、エチルエーテル(3x300mL)で抽出した。併せた有機相を水(3x300mL)で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中5%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物D−6(4.2g、10.8mmol、収率54%)およびD−6a(0.7g、1.8mmol、収率9%)を黄色の油として得た。D−6について:[α]25D 28.2°(c 1.08,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.68−7.37(m,10H),5.07(ddd,J=50.5,10.2,6.9MHz,1H),3.96−3.78(m,3H),2.70−2.62(m,1H),2.18−2.05(m,1H),1.07(s,9H)13;C NMR(CDCl3)δ200.69(d,J=18.0MHz),135.53,132.68,132.60,130.01,127.86,93.27(d,J=197.0MHz),66.64,43.98(d,J=7.0MHz),32.61(d,J=19.4MHz),26.69,19.23;元素分析.計算値C21H23FO2SSi:C,64.91;H,6.48;S,8.25。実測値:C,64.88;H,6.51;S,8.15.D−6aについて;[α]27D−46.7°(c 0.5,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.66−7.40(m,10H),5.18(dt,J=44.4,7.0Hz,1H),4.02(quint,J=5.0Hz)3.86(dd,J=10.8,5.0Hz,1H),3.84(dd,J=10.8,5.0Hz,1H),2.88−2.78(m,2H),1.07(s,9H);元素分析.(C21H25FO2SSi)C,H,S。【0305】同様に、(2R,4R)−(−)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−γ−チオブチロ−ラクトン(L−6、図4a)を製造した。トルエン(200mL)中の化合物L−5(11.1g、24.1mmol)の溶液を、−78℃で1時間、ヘキサン中1MのDIBAL−H 53mLで処理した。12mLのMeOHで反応を停止させ、1時間、室温まで温めて、NaHCO3水溶液(23mL)およびEtOAc(200mL)をその混合物に添加した。得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固させた。その粗製チオラクトールを、室温で24時間、Ac2O(34mL)およびDMSO(35mL)で処理した。その反応混合物を、氷冷水(300mL)を入れた分液漏斗に注入し、エチルエーテル(3x300mL)で抽出した。併せた有機相を水(3x300mL)で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中5%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物L−6(5.08g、13.1mmol、収率54%)を黄色の油として得た:[α]25D 29.4°(c 1.18,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.68−7.37(m,10H),5.07(ddd,J=50.5,10.2,6.9MHz,1H),3.96−3.78(m,3H),2.72−2.62(m,1H),2.18−2.07(m,1H),1.07(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ200.70(d,J=17.4MHz),135.50,132.66,132.58,129.99,127.85,93.26(d,J=196.9MHz),66.61,43,97(d,J=7.1MHz),32.58(d,J=19.6MHz),26.68,19.21;元素分析.計算値C21H25FO2SSi:C,64.91;H,6.48;S,8.25。実測値:C,65.15;H,6.58;S,8.12。【実施例29】【0306】(2R,4S)−(+)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−γ−チオブチロ−ラクトン(D−7、図3a)および(2S,4R)−(−)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−γ−チオブチロ−ラクトン(L−7、図4a)THF(60mL)中の化合物D−6(4.74g、12.2mmol)の溶液に、THF中1MのLiHMDS 14.7mLを、−78℃でゆっくりと添加し、その反応混合物を同温で1時間攪拌した。TMSCl(2.01mL、15.9mmol)を反応混合物に一滴ずつ添加し、その混合物を放置して室温に温めた。得られた混合物を室温で30分間攪拌し、−78℃に冷却した。THF(20mL)中のPhSeBr(4.37g、18.3mmol)の溶液を迅速に添加し、その混合物を−78℃で1時間攪拌した。混合物をエチルエーテル(300mL)で希釈し、水(4x100mL)で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中3%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物D−7(4.77g、8.76mmol、収率72%)を薄黄色のシロップとして得た。[α]24D 54.0°(c 0.606,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.68−7.35(m,15H),3.96−3.89(m,1H),3.87(dd.J=10.2,5.1Hz,1H),3.80(dd.J=10.1,7.1Hz,1H),2.49(dd.J=13.4,4.0Hz,1H),2.22(td.J=13.5,10.5Hz,1H),1.06(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ196.32(d,J=23.1Hz),137.01,135.52,132.63,132.50,130.02,129.99,129.38,127.87,124.78,105.12(d,J=260.6Hz),65.66,44.58(d,J=2.9Hz),39.13(d,J=21.4Hz),26.69,19.20;元素分析.計算値C27H29FO2SSeSi:C,59.65;H,5.38;S,5.90。実測値:C,60.10;H,5.46;S,5.85。【0307】同様に、THF(60mL)中の化合物L−6(5.08g、13.1mmol)の溶液に、THF中1MのLiHMDS 15.7mLを、−78℃でゆっくりと添加し、その反応混合物を同温で1時間攪拌した。TMSCl(2.16mL、17mmol)を反応混合物に一滴ずつ添加し、その混合物を放置して室温に温めた。得られた混合物を室温で30分間攪拌し、−78℃に冷却した。THF(20mL)中のPhSeBr(4.69g、19.6mmol)の溶液を迅速に添加し、その混合物を−78℃で1時間攪拌した。混合物をエチルエーテル(300mL)で希釈し、水(4x100mL)で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中3%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物L−7(5.28g、9.69mmol、収率74%)を薄黄色のシロップとして得た。[α]24D 56.4°(c 0.542,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.70−7.35(m,15H),3.97−3.77(m,3H),2.49(dd,J=13.3,4.5Hz,1H),2.22(td,J=14.4,10.5Hz,1H),1.05(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ196.34(d,J=22.7Hz),137.03,135.53,132.63,132.50,130.03,129.39,127.87,124.79,105.13(d,J=260.6Hz),65.67,44.59(d,J=2.9Hz),39.13(d,J=21.4Hz),26.70,19.21;HRMS(FAB)。実測値,m/z 545.0873,計算値C27H30FO2SSeSi,m/z 545.0885(M+H)+;元素分析.計算値C27H29FO2SSeSi・0.15CHCl3:C,58.07;H,5.23;S,5.70。実測値:C,57.88;H,5.36;S,5,76。【0308】替わりに、L−6を、9.69mmolスケールで、D−6aから同じように調製した。D−7aを収率74%で薄黄色のシロップとして得た:[α]24D 56.4°(c 0.542,CHCl3);1H NMR(CDCl3)δ7.70−7.35(m,15H),3.97−3.77(m,3H),2,49(dd,J=13.3,4.5Hz,1H),2.22(td,J=14.4,10.5Hz,1H),1.05(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ196.34(d,J=22.7Hz),137.03,135.53,132.63,132.50,130.03,129.39,127.87,124.79,105.13(d,J=260.6Hz),65.67,44.59(d,J=2.9Hz),39.13(d,J=21.4Hz),26.70,19.21;HRMS(FAB)実測値,m/z 545.0873,計算値C27H30FO2SSeSi,m/z 545.0885(M+H)+;元素分析(C27H29FO2SSeSi・0.15CHCl3)C,H,S。【実施例30】【0309】(1R/S,2R,4S)−1−O−アセチル−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−D−リボフラノシド(D−8、図3a)トルエン(100mL)中の化合物D−7(4.77g、8.76mmol)の溶液を、−78℃で1時間、ヘキサン中1MのDIBAL−H 17.5mLで処理した。4mLのMeOHで反応を停止させ、1時間、室温まで温めて、NaHCO3水溶液(8mL)およびEtOAc(100mL)をその混合物に添加した。得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固させた。CH2Cl2(100mL)中のその粗製チオラクトールの溶液を、室温で3時間、Ac2O(2.48mL、26.3mmol)、TEA(3.66mL、26.3mmol)および触媒量の4−DMPAで処理した。得られた混合物を濃縮し、ヘキサン中3%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、アセテートD−8(4.4g、7.48mmol、収率85%)を薄黄色の油として得た。1H NMR(CDCl3)δ7.70−7.32(m,15H),6.03,5.99(d&s,J=7.6Hz,1H),3.76−3.60(m,3H),2.60−2.53(m,1H),2.41−2.31(m,1H)2.13,2.01(2s,3H),1.04,0.99(2s,9H);元素分析.計算値C29H28FO3SSeSi:C,59.27;H,5.66;S,5.46。実測値:C,59.61;H,5.72;S,5.57。【実施例31】【0310】(1S/R,2S,4R)−1−O−アセチル−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−L−リボフラノシド(L−8、図4a)トルエン(100mL)中のL−7(4.98g、9.14mmol)の溶液を、−78℃で1時間、ヘキサン中1MのDIBAL−H 18.3mLで処理した。4mLのMeOHで反応を停止させ、1時間、室温まで温めて、NaHCO3水溶液(8mL)およびEtOAc(100mL)をその混合物に添加した。得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固させた。CH2Cl2(100mL)中のその粗製チオラクトールの溶液を、室温で3時間、Ac2O(2.6mL、28mmol)、TEA(3.8mL、28mmol)および触媒量の4−DMPAで処理した。得られた混合物を濃縮し、ヘキサン中3%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、アセテートL−8(4.48g、7.61mmol、収率83%)を薄黄色の油として得た。1H NMR(CDCl3)δ7.70−7.32(m,15H),6.03,5.99(d&s,J=7.6Hz,1H),3.76−3.60(m,3H),2.60−2.53(m,1H),2.41−2.31(m,1H)2.13,2.01(2s,3H),1.04,0.99(2s,9H);元素分析.計算値C29H28FO3SSeSi:C,59.27;H,5.66;S,5.46。実測値:C,59.24;H,5.68;S,5.42。【実施例32】【0311】(+)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニル−セレニル−4−チオ−β−D−リボフラノシル]シトシン(D−9、図3a)HMDS(15mL)およびCH3CN(15mL)中のN4−ベンゾイルシトシン(0.505g、2.35mmol)の混合物を5時間還流させた。真空ポンプを用いて溶媒を除去した後、CH3CN 15mL中のアセテートD−8(0.460g、0.786mmol)の溶液を、そのシリル化N4−ベンゾイルシトシンが入った反応フラスコに添加し、その後、TMSOTf(0.28mL、1.4mmol)を室温で一滴ずつ添加した。16時間後、1mLの飽和NaHCO3で反応を停止させ、得られた混合物を濃縮した。その粗製混合物を100mLのCH2Cl2で希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。その粗製生成物をヘキサン中30%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、シトシン誘導体D−9(0.269g、0.362mmol、収率46%)を泡沫として得た。濃縮すると、バルキーなα−フェニルセレニル基のために、β−アノマーが過剰に生じた(Chu,D.K.;Babu,J.R.;Beach,W.;Ahn,S.K.;Huang,H,;Jeong,L.S.;Lee,S.J.,「チミンでの2−(フェニルセレニル)−2’,3’−ジデオキシリボース誘導体の高立体選択的グリコシル化:3’−デオキシ−2’,3’−ジデヒドロチミジンおよび3’−デオキシチミジンの合成(A highly stereoselective glycosylation of 2−(phenylselenyl)−2,3−dideoxyribose derivative with thymine:Synthesis of 3’−deoxy−2’,3’−didehydrothymidine and 3’−deoxythymidine)」,J.Org.Chem.1990,55,1418−1420)。[α]24D 179.0°(c 0.50,CH2Cl2);UV(MeOH)λmax308nm;1H NMR(CDCl3)δ8.82(br s,1H),8.12(d,J=6.5Hz,1H),7.92(d,J=7.3Hz,2H),7.69−7.27(m,19H),6.91(d,J=15.6Hz,1H),3.87−3.72(m,2H),3.68−3.58(m,1H),2.62−2.47(m,2H),1.02(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ161.94,155.42,147.17,136.96,135.60,135.54,133.21,132.83,129.96,129.92,129.41,129.20,129.03,127.78,127.60,125.73,106.39(d,J=248.8Hz),96.87,66.74(d,J=17.6Hz),66.29,47.21,42.39(d,J=22.2Hz),26.73,19.15;元素分析.計算値C38H38FN3O3SSeSi:C,61.44;H,5.16;N,5.66;S,4.32。実測値:C,61.52;H,5.42;N,5.47;S,4.21。【0312】アセテートD−8と様々なピリミジンの縮合のために、同様の手順を行って、様々な他の(+)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニル−セレニル−4−チオ−β−D−リボフラノシル]ピリミジンを得ることができる。【0313】例えば、アセテートD−8とピリミジンの縮合反応のための上記一般手順を用いて、(+)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニル−セレニル−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−5−フルオロシトシン(D−10、図3a)を製造した。化合物D−10は、0.850mmolスケールでは収率52%で得られた。[α]24D 202.6°(c 0.410,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax332.5nm;1H NMR(CDCl3)δ12.70(br s,1H),8.33(d,J=7.5Hz,2H),7.87(dd,J=5.9,1.7Hz,1H),7.72−7.28 (m,18H),6.73(d,J=16.3Hz,1H),3.92−3.76(m,2H),3.67−3.58(dt J=11.5,6.8Hz,1H),2.63−2.46(m,2H),1.07(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ151.88(d J=19.2Hz),147.15,139.01(d,J=237.9Hz),136.78,235.90,135.49,135.47,133.00,132.71,130.01,129.96,129.91,129.51,129.18,128.24,127.76,126.85(d,J=34.4Hz),124.74,105.60(d,J=247.5Hz),67.01(d,J=18.6),66.43,47.19,41.64(d,J=21.0Hz),26.68,19.09。【0314】加えて、アセテートD−8とピリミジンの縮合反応のための上記一般手順を用いて、チミン類似体(D−11、図3a)を製造した。化合物D−11は、0.850mmolスケールでは収率45%で得られた。[α]25D 137.8°(c 0.42,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax(CH2Cl2)266.0nm;1H NMR(CDCl3)δ9.13(br s,1H),7.74−7.25(m,16H),6.72(d,J=18.1Hz,1H),3.87−3.73(m,2H),3.67−3.57(m,1H),2.62−2.44(m,2H),1.83(s,3H),1.07(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ163.25,150.93,137.22(d,J=6.1Hz),136.88,135.48,132.94,132.90,129.87,129.46,129.15,127.74,125.16,110.67,106.15(d,J=247.03Hz),66.76,65.85(d,J=18.3Hz),46.79,42.04(d,J=21.0Hz),26.70,19.17,12.59。【0315】同様に、アセテートD−8とピリミジンの縮合反応のための上記一般手順を用いて、ウラシル類似体(D−12、図3a)を製造した。化合物D−12は、0.766mmolスケールでは収率53%で得られた。[α]23D 136.5°(c 0.36,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax262.5nm;1H NMR(CDCl3)δ9.26(br s,1H),7.72(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),3.87−3.72(m,2H),3.62−3.58(ps quin,J=6.2Hz,1H),2.55−2.41(m,2H),1.03(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ162.77,150.77,141.80(d,J=5.0 hz),136.94,135.58,135.51,132.80,132.77,129.93,129.61,129.26,127.79,125.12,106.24(d,J=248.7Hz),102.31,66.06,65.99(d,J=14.6Hz),46.86,41.58(d,J=21.8Hz),26.75,19.18。【0316】プリン類似体の合成にはさらに注意深い処理が必要であった。重要な中間体D−8を6−クロロプリンおよび2−フルオロ−6−クロロプリンと縮合して、対応するヌクレオシドD−21およびD−22をそれぞれ収率65%および66%で得た。クリーンで高収率の転化を達成するためには、0℃でのTMSOTfの添加後、反応混合物を6時間、室温で攪拌し、その後、2時間60℃で攪拌するといったように、反応混合物温度の注意深い制御が必要だった。6−クロロプリン誘導体D−21を、mCPBA、ピリジンで順次処理することによりシン脱離させて(syn−eliminated)、2’,3’−不飽和ヌクレオシドD−23とそのΔ1,2−異性体D−24の不可分混合物(1H NMRにより3:1と判定された)を収率81%で得た。スチールボンベ中、100℃のアンモニアメタノール溶液での処理によるD−23とD−24の混合物のアミノ化によって、アデノシン類似体を得、これを、THF中、TBAFによって脱保護して、2’−フルオロ−4’−チオ−2’,3’−不飽和アデノシン24を収率61%で得た。しかし、Δ1,2−異性体D−24は、その不安定さに起因して、反応条件下およびシリカゲルカラムクロマトグラフィーのもとで生き残れなかった。同様に、2−フルオロ−6−クロロプリン誘導体D−22をmCPBAで処理し、続いてピリジンで処理して、シン脱離生成物D−25とそのΔ1,2−異性体D−26の不可分混合物を収率71%で得た。乾燥アンモニアガスを、室温で16時間、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)中のD−25およびD−26の溶液中でバブリングして、2−アミノ−6−クロロプリン誘導体D−29および2−フルオロ−6−アミノプリン誘導体D−30をそれぞれ収率45%および25%で得、これらを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって迅速に分離した。Δ1,2−異性体D−26は、反応条件および精製条件で生き残れるほど安定ではなかった。【実施例33】【0317】(−)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−D−リボフラノシル]シトシン(L−9、図4a)HMDS(15mL)およびCH3CN(15mL)中のN4−ベンゾイルシトシン(0.548g、2.55mmol)の混合物を5時間還流させた。真空ポンプを用いて溶媒を除去した後、CH3CN 15mL中のアセテートL−8(0.500g、0.849mmol)の溶液を、そのシリル化N4−ベンゾイルシトシンが入った反応フラスコに添加し、その後、TMSOTf(0.31mL、17mmol)を室温で一滴ずつ添加した。16時間後、1mLの飽和NaHCO3で反応を停止させ、得られた混合物を5分の1の体積に濃縮した。その粗製混合物を100mLのCH2Cl2で希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。その粗製生成物をヘキサン中30%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、シトシン誘導体L−9(0.330g、0.404mmol、収率48%)を泡沫として得た。[α]24D−16.38°(c 0.486,CH2Cl2);UV(MeOH)λmax308nm;1H NMR(CDCl3)δ8.82(br s,1H),8.12(d,J=6.5Hz,1H),7.92(d,J=7.3Hz,2H),7.69−7.27(m,19H),6.91(d,J=15.6Hz,1H),3.87−3.72(m,2H),3.68−3.58(m,1H),2.62−2.47(m,2H),1.02(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ161.94,155.42,147.17,136.96,135.60,135.54,133.21,132.83,129.96,129.92,129.41,129.20,129.03,127.78,127.60,125.73,106.39(d,J=248.8Hz),96.87,66.74(d,J=17.6Hz),66.29,47.21,42.39(d,J=22.2Hz),26.73,19.15;元素分析.計算値C38H38FN3O3SSeSi・0.2Et2O:C,61.51;H,5.32;N,5.55;S,4.23。実測値:C,61.88;H,5.55;N,5.56;S,4.21。【0318】アセテートL−8とピリミジンの縮合反応のための上記一般手順を用いて、(−)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−5−フルオロシトシン(L−10、図4a)を製造した。化合物L−10は、0.849mmolスケールでは収率59%で得られた:[α]24D−209.1°(c 0.693,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax332.5nm;1H NMR(CDCl3)δ12.70(br s,1H),8.33(d,J=7.5Hz,2H),7.87(dd,J=5.9,1.7Hz,1H),7.72−7.28(m,18H),6.73(d,J=16.3Hz,1H),3.92−3.76(m,2H),3.67−3.58(dt J=11.5,6.8Hz,1H),2.63−2.46(m,2H),1.07(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ151.88(d J=19.2Hz),147.15,139.01(d,J=237.9Hz),136.78,135.90,135.49,135.47,133.00,132.71,130.01,129.96,129,91,129.51,129.18,128.24,127.76,126.85,(d,J=34.4Hz),124.74,105.60(d,J=247.5Hz),67.01(d,J=18.6Hz),66.43,47.19,41.64(d,J=21.0Hz)26.68,19.09;FABMS m/z 762(MH)+;元素分析.計算値C38H37F2N3O3SSeSi:C,59.99;H,4.90;N,5.52;S,4.21。実測値:C,59.97;H,5.05;N,5.44;S,4.23。【0319】アセテートL−8の縮合反応のためのこの一般手順は、様々なピリミジンとの縮合に適用可能である。【0320】アセテートL−8とピリミジンの縮合反応のための上記一般手順を用いて、(−)−1−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−L−リボフラノシル]チミン(L−11、図4a)を製造した。化合物L−11は、0.849mmolスケールでは収率38%で得られた:[α]26D−130.6°(c 0.464,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax(CH2Cl2)266.0nm;1H NMR(CDCl3)δ9.13(br s,1H),7.74−7.25(m,16H),6.72(d,J=18.1Hz,1H),3.87−3.73(m,2H),3.67−3.57(m,1H),2.62−2.44(m,2H),1.83(s,3H),1.07(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ163.25,150.93,137.22(d,J=6.1Hz),136.88,135.48,132.94,132.90,129.87,129.46,129.15,127.74,125.16,110.67,106.15(d,J=247.03Hz),66.76,65.85(d,J=18.3Hz),46.79,42.04(d,J=21.0Hz),26.70,19.17,12.59;FABMS m/z 655(M+H)+;元素分析.計算値C32H35FN2O3SSeSi・0.1CH2Cl2:C,58.22;H,5.36;N,4.23;S,4.84。実測値:C,58.05;H,5.46;N,4.20;S,4.98。【0321】アセテートL−8とピリミジンの縮合反応のための上記一般手順を用いて、(−)−1−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−L−リボフラノシル]ウラシル(L−12、図4a)を製造した。化合物L−12は、0.849mmolスケールでは収率48%で得られた:[α]23D−129.2°(c 0.578,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax262.5nm;1H NMR(CDCl3)δ9.26(br s,1H),7.72(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),7.68−7.30(m,15H),6.63(d,J=17.4Hz,1H),5.56(dd,J=8.2,1.9Hz,1H),3.87−3.72(m,2H),3.62−3.58(ps quin,J=6.2Hz,1H),2.55−2.41(m,2H),1.03(s,9H);13C NMR(COCl3)δ162.77,150.77,141.80(d,J=5.0hz),136.94,135.58,135.51,132.80,132.77,129.93,129.61,129.26,127.79,125.12,106.24(d,J=248.7Hz),102.31,66.06,65.99(d,J=14.6Hz),46.86,41.58(d,J=21.8Hz),26.75,19.18;元素分析.計算値C31H33FN2O3SSeSi:C,58.20;H,5.20;N,4.38;S,5.01。実測値:C,58.18;H,5.33;N,4.33;S,4.95。【実施例34】【0322】(−)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]シトシン(D−13、図3a)CH2Cl2 5mL中の化合物D−9(0.229g、0.310mmol)の溶液に、CH2Cl2 5mL中のmCPBA(57%から86%、69mg)の溶液を−78℃で添加し、その混合物を−78℃で30分間攪拌した。その後、ピリミジン(0.07mL、0.9mmol)を添加し、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。その反応混合物を50mLのCH2Cl2で希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。その粗製生成物をヘキサン中40%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、脱離生成物D−13(0.107g、0.225mmol、収率72%)を泡沫として得た。[α]25D−140.2°(c 0.366,CH2Cl2);UV(MeOH)λmax308nm;1H NMR(CDCl3)δ8.95(br s,1H),7.91(dd,J=7.5Hz,2H),7.69−7.38(m,15H),7.03(s,1H),5.82(s,1H),4.23−4.15(m,1H),3.83(dd,J=10.4,6.1Hz,1H),3.78(dd,J=10.4,6.3Hz,1H),1.10(s,9H);13C NMR(COCl3)δ171.09,166.78,162.14,155.06,155.04(d,J=280.8Hz),144.49,135.58,135.50,133.19,132.96,132.76,132.43,130.11,128.97,127.89,127.58,111.29(d,J=16.6Hz),98.40,67.75,61.91(d,J=23.6Hz),46.83(d,J=7.2Hz),26.82,19.24;元素分析.計算値C32H3FN3O3SSi:C,65.88;H,5.66;N,7.07;S,5.39。実測値:C,66.01;H,5.88;N,6.82;S,5.20。【0323】2’,3’−不飽和ヌクレオシドを得るための、mCPBAを用いるシン脱離(syn−elimination)反応のための一般手順。【0324】mCPBAを用いるシン脱離反応のために、同様の手順を実施して、様々な他の2’,3’−不飽和ヌクレオシドを得ることができる。【0325】例えば、mCPBAを用いるシン脱離反応のための上記一般手順を用いて、(−)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−5−フルオロシトシン(D−14、図3a)を製造した。化合物D−14は、0.465mmolスケールでは収率69%で得られた。[α]25D−150.5°(c 0.345,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax331.0nm;1H NMR(CDCl3)δ12.80(br s,1H),8.30(d,J=7.3Hz,2H),7.72−7.38(m,14H),6.95(s,1H),5.80(s,1H),4.23−4.15(m,1H),3.84(dd,J=10.5,6.2Hz,1H),3.79(dd,J=10.2,6.6Hz,1H),1.10(s,9H);13C NMR (CDCl3)δ152.88(d,J=281.3Hz),152.08(d,J=19.1Hz),147.13,140.42(d,J=241.0Hz),135.86,135.59,135.50,133.17,132.59,132.39,130.18,130.15,130.11,128.33,127.93,124.05(d,J=36.2Hz),111.24(d,J=16.5Hz),67.77,61.85(d,J=23.54 hz),47.05(d,J=7.1Hz),26.79,19.23。【0326】加えて、mCPBAを用いるシン脱離反応のための上記一般手順を用いて、(−)−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]チミン(D−15、図3a)を製造した。化合物D−15は、0.375mmolスケールでは収率69%で得られた。[α]26D−43.2°(c 0.34,CH2Cl2);UV(CD2Cl2)λmax266.0nm;1H NMR(CDCl3)δ9.45(br s,1H),7.72−7.35(m,10H),7.02(s,1H),6.96(s,1H),5.81(s,1H),4.22−4.13(m,1H),3.85(dd,J=10.5,6.5Hz,1H),3.77(dd,J=10.2,7.0Hz,1H),1.74(s,3H),1.08(s,9H);13C NMR(COCl3)δ163.47,154.97(d,J=281.2Hz),150.78,135.52,135.43,134.52,132.79,132.51,130.03,127.84,112.65,110.45(d,J=16.8Hz),68.23,60.49(d,J=23.7Hz),46.74(d,J=7.1Hz),26.74,19.23,12.54。【0327】同様に、mCPBAを用いるシン脱離反応のための上記一般手順を用いて、(−)−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]ウラシル(D−16、図3a)を製造した。化合物D−16は、0.391mmolスケールでは収率58%で得られた。[α]25D−72.1°(c 0.35,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax262.5nm;1H NMR(CDCl3)δ9.34(br s,1H),7.70−7.35(m,11H),6.93(s,1H),5.75(s,1H),5.44(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),4.22−4.14(m,1H),3.85(dd,J=10.6,5.9Hz,1H),3.81(dd,J=10.5,5,6Hz,1H),1.09(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ162.78,154.79(d,J=280.9Hz),150.59,139.55,135.59,135.49,132.79,132.37,130.13,130.10,127.92,127.90,110.70(d,J=16.9Hz),104.01,67.33,60.74(d,J=23.7Hz),46.88(d,J=7.2Hz),26.87,19.31。【0328】シン脱離反応のための上記一般手順を用いて、9−[(1R,4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−6−クロロプリン(D−23、図3b)および9−[(4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−1,2−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−6−クロロプリン(D−24、図3b)も製造した。化合物D−23とD−24(3:1)の混合物は、1.48mmolスケールでは収率86%で、薄黄色の泡沫として得られた。UV(CH2Cl2)λmax264.5nm;1H NMR(CDCl3),主生成物についてD−23:δ8.69(s,1H),8.12(s,1H),7.69−7.35(m,10H),6.87(s,1H),5.87(s,1H),4.33−4.25(m,1H),3.96(dd,J=10.2,6.8Hz,1H),3.86(ps t,J=8.8Hz,1H),1.08(s,9H);副生成物についてD−24δ8.82(s,1H),8.19(s,1H),7.69−7.35(m,10H)4.05−3.78(m,3H),3.25(ddd,J=16.6,9.2,3.1Hz,1H),3.03(dd,J=16.6,5.2Hz,1H),1.08(s,9H);元素分析.計算値C26H26ClFN4OSSi:C,59.47;H,4.99;N,10.67;S,6.11。実測値:C,59.58;H,5.03;N,10.41;S,6.09。【0329】同様に、シン脱離反応のための上記一般手順を用いて、9−[(1R,4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−6−クロロ−2−フルオロプリン(D−25、図3b)および9−[(4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−1,2−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−6−クロロ−2−フルオロプリン(D−26、図3b)も製造した。化合物D−25とD−26の混合物は、1.14mmolスケールでは、収率71%で、薄黄色の泡沫として得られた。UV(CH2Cl2)λmax266.0nm;1H NMR(CDCl3)主生成物についてD−25:δ8.08(s,1H),7.69−7.36(m,10H),6.68(s,1H),6.75(s,1H),5.86(s,1H),4.32−4.23(m,1H),3.94(dd,J=10.2,6.0Hz,1H),3.87−3.83(m,1H),1.08(s,9H),副生成物についてD−26δ8.12(s,1H),7.75−7.31(m,10H)4.04−3.80(m,3H),3.24(ddd,J=16.3,9.3,3.1Hz,1H),3.01(ddd,J=16.8,5.1,0.6Hz,1H),1.08(s,9H)。【実施例35】【0330】(+)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]シトシン(L−13、図4a)CH2Cl2 5mL中の化合物L−9(0.169g、0.228mmol)の溶液に、CH2Cl2 5mL中のmCPBA(57%から86%、69mg)の溶液を−78℃で添加し、その混合物を−78℃で30分間攪拌した。その後、ピリミジン(0.07mL、0.9mmol)を添加し、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。その反応混合物を50mLのCH2Cl2で希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。その粗製生成物をヘキサン中30%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、脱離生成物L−13(0.107g、0.183mmol、収率80%)を泡沫として得た。[α]24D 128.81°(c 0.515,CH2Cl2);UV(CH2Cl2);UV(MeOH)λmax308nm;1H NMR(CDCl3)δ8.95(br s,1H),7.91(d,J=7.5Hz,2H),7.69−7.38(m,15H),7.03(s,1H),5.82(s,1H),4.23−4.15(m,1H),3.83(dd,J=10.4,6.1Hz,1H),3.78(dd,J=10.4,6.3Hz,1H),1.10(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ171.09,166.78,162.14,155.06,155.04(d,J=280.8Hz),144.49,135.58,135.50,133.19,132.96,132.76,132.43,130.11,128.97,127.89,127.58,111.29(d,J=16.6Hz),98.40,67.75,61.91(d,J=23.6Hz),46.83(d,J=7.2Hz),26.82,19.24;元素分析.計算値C32H32FN3O3SSi・0.1C6H14:C,65.88;H,5.66;N,7.07;S,5.39。実測値:C,66.01;H,5.88;N,6.82;S,5.20。【0331】mCPBAを用いるシン脱離反応のためのこの一般手順を用いて、様々な2’,3’−不飽和ヌクレオシドを得ることができる。【0332】シン脱離反応のための上記一般手順を用いて、(+)−N4−ベンゾイル−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−5−フルオロシトシン(L−14、図4a)を製造した。化合物L−14は、0.493mmolスケールでは収率73%で得られた。[α]26D 152.58°(c 0.485,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax331.0nm;1H NMR(CDCl3)δ12.80(br s,1H),8.30(d,J=7.3Hz,2H),7.72−7.38(m,14H),6.95(s,1H),5.80(s,1H),4.23−4.15(m,1H),3.84(dd,J=10.5,6.2Hz,1H),3.79(dd,J=10.2,6.6Hz,1H),1.10(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ152.88(d,J=281.3Hz),152.08(d,J=19.1Hz),147.13,140.42(d,J=241.0Hz),135.86,135.59,135.50,133.17,132.59,132.39,130.18,130.15,130.11,128.33,127.93,124.05(d,J=36.2Hz),111.24(d,J=16.5Hz),67.77,61.85(d,J=23,54 hz),47.05(d,J=7.1Hz),26.79,19.23;FABMS m/z 604 (M+H)+;元素分析.計算値C32H31FN3O3SSi:C,63.66;H,5.18;N,6.96;S,5.31。実測値:C,63.69;H,5.30;N,6.78;S,5.26。【0333】シン脱離反応のための上記一般手順を用いて、(+)−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]チミン(L−15、図4a)を製造した。化合物L−15は、0.326mmolスケールでは収率76%で得られた。[α]26D 50.7°(c 0,530,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax266.0nm;1H NMR(CDCl3)δ9.45(br s,1H),7.72−7.35(m,10H),7.02(s,1H),6.96(s,1H)5.81(s,1H),4.22−4.13(m,1H),3.85(dd,J=10.5,6.5Hz,1H),3.77(dd,J=10.2,7.0Hz,1H),1.74(s,3H),1.08(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ163.47,154.97(d,J=281.2Hz),150.78,135.52,135.43,134.52,132.79,132.51,130.03,127.84,112.65,110.45(d,J=16.8Hz),68.23,60.49(d,J=23.7Hz),46.74(d,J=7.1Hz),26.74,19.23,12.54;HRMS(FAB)実測値,m/z 497.1725,計算値C26H30FN2O3SSi,m/z 497.1730(M+H)+;元素分析.計算値C26H29FN2O3SSi・0.1CHCl3:C,61.64;H,5.65;N,5.38;S,6.30。実測値:C,61.34;H,5.82;N,5.36;S,6.13。【0334】シン脱離反応のための上記一般手順を用いて、(+)−1−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]ウラシル(L−16、図4a)を製造した。化合物L−16は、0.411mmolスケールでは収率68%で得られた。[α]26D 77.7°(c 0.492,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax262.5nm;1H NMR(CDCl3)δ9.34(br s,1H),7.70−7.35(m,11H),6.93(s,1),5.75(s,1H),5.44(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),4.22−4.14(m,1H),3.85(dd,J=10.6,5.9Hz,1H),3.81(dd,J=10.5,5.6Hz,1H),1.09(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ162.78,154.79(d,J=280.9Hz),150.59,139.55,135.59,135.49,132.79,132.37,130.13,130.10,127.92,127.90,110.70(d,J=16.9Hz),104.01,67.33,60.74(d,J=23.7Hz),46.88(d,J=7.2Hz),26.87,19.31;HRMS(FAB)実測値,m/z 483.1572,計算値C25H25FN2O3SSi,m/z 483.1574(M+H)+;元素分析.計算値C25H27FN2O3SSi:C,62.21;H,5.64;N,5.80;S,6.64。実測値:C,62.41;H,5,68;N,5.71;S,6.52。【0335】シン脱離反応のための上記一般手順を用いて、9−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロプリン(L−23、図4b)および9−[(4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−1,2−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロプリン(L−24、図4b)も製造した。化合物L−23とL−24の混合物(3:1)は、1.10mmolスケールでは、収率81%で、薄黄色の泡沫として得られた。UV(CH2Cl2)λmax264.5nm;1H NMR(CDCl3)formajor L−23:δ8.69(s,1H),8.12(s,1H),7.67(t,J=14.4Hz,4H),7.50−7.36(m,6H),6.87(s,1H),5.87(s,1H),4.33−4.24(m,1H),3.96(dd,J=10.2,6.8Hz,1H),3.86(dd,J=10.0,7.5Hz,1H),1.08(s,9H);副生成物についてL−24:δ8.81(s,1H),8.18(s,1H),7.70−7.35(m,l0H)4.03−3.83(m,3H),3.25(ddd,J=16.8,9.3,3.3Hz,1H),3.03(ddd,J=16.6,5.7,1.2Hz,1H),1.08(s,9H);元素分析.計算値C26H26CIFN4OSSi・0.4C6H14:C,60.96;H,5.69;N,10.01;S,5.73。実測値:C,60.96;H,5.50;N,10.13;S,5.93。【0336】シン脱離反応のための上記一般手順を用いて、9−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロ−2−フルオロプリン(L−25、図4b)および9−[(4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−1,2−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロ−2−フルオロプリン(L−26、図4b)を製造した。化合物L−25とL−26の混合物は、1.12mmolスケールでは、収率71%で、薄黄色の泡沫として得られた。UV(CH2Cl2)λmax266.0nm;1H NMR(CDCl3)主生成物についてL−25:δ8.01(s,1H),7.63−7.28(m,10H),6.68(s,1H),5.79(s,1H),4.25−4.18(m,1H),3.86(td,J=10.2,6.5Hz,1H),3.82−3.77(m,1H),1.01(s,9H),副生成物についてL−26δ8.12(s,1H),7.75−7.31(m,10H)4.04−3.80(m,3H),3.24(ddd,J=16.3,9.3,3.1Hz,1H),3.01(ddd,J=16.8,5.1,0.6Hz,1H),1.08(s,9H);元素分析.計算値C26H25CIF2N4OSSi:C,57,50;H,4.64;N,10.32;S,5.90。実測値:C,57.42;H,5.02;N,9.93;S,5.65。【実施例36】【0337】(−)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]シトシン(D−17、図3a)THF 15mL中の保護シチジンD−13(0.135g、0.225mmol)の溶液を、THF中1MのTBAF 0.31mLで2時間処理した。その混合物を濃縮し、シリカゲルのショートパッドに通して濾過した。濾液を濃縮した後、さらに精製せず、その粗製生成物を室温で、30分間、アンモニアメタノール溶液で処理した。溶媒を除去した後、残留物をCH2Cl2中5%のMeOHでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、シチジン類似体D−17(0.048g、0.186mmol、収率84%)を白色の固体として得た:融点89℃から91℃(分解);[α]24D−171.3°(c0.44,MeOH);UV(H2O)λmax279.5nm(ε19,900,pH2).272.0nm(ε15,900,pH7)272.5nm(ε16,200,pH11);1H NMR(DMSO−d6)δ7.83(d,J=7.4Hz,1H),7.33,7.37(2br s,2H),6.85(s,1H),5.94(s,1H),5.84(d,J=7.5Hz,1H),5.28(t,J=5.4Hz,1H,D2O交換可能),4.02(m,1H),3.59−3.62(m,2H);元素分析.計算値C9H10FN3O2S・0.6H2O・0.5MeOH:42.36;H,4.74;N,15.94;S,12.16。実測値:C,42.07;H,4.45;N,15.62;S,12.06。【0338】他の(−)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]ヌクレオシドの二連続脱保護のために、同様の手順を用いることができる。【0339】例えば、二連続脱保護のための上記一般手順を用いて、D−14から(−)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−5−フルオロシトシン(D−18、図3a)を製造した。化合物D−18は、0.296mmolスケールでは収率90%で得られた。[α]25D−208.3°(c0.42,MeOH);UV(H2O)λmax286.0nm(ε8,600,pH2).282.0nm(ε7,500,pH7),282.0nm(ε6,900,pH11);1H NNR(MeOH−d4)δ8.39(d,J=6.6Hz,1H),6.92(s,1H),5.84(s,1H),4.17(s,1H),3.84(dd,J=11.8,3.7Hz,1H),3.68(br d,J=10.6,1H)。【0340】同様に、二連続脱保護のための上記一般手順を用いて、D−15から(−)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]チミン(D−19、図3a)を製造した。化合物D−19は、0.235mmolスケールでは、収率88%で、白色の固体として得られた:融点174℃から176℃;[α]25D−46.5°(c0.29,MeOH);UV(H2O)λmax268.5nm(ε5,700,pH2).268.5nm(ε5,500,pH7),269.0nm(ε4,500,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.03(s,1H),6.87(ps t,J=1.0,1H),5.86(s,1H),4.17(m,1H),3.84(dd,J=11.9,4.0Hz,1H),3.77(ddd,J=11.9,3.7,1.7Hz,1H),1.88(d,J=1.2,3H)。【0341】二連続脱保護のための上記一般手順を用いて、D−16から(−)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]ウラシル(D−20、図3a)を製造した。化合物D−20は、0.193mmolスケールでは収率89%で得られた:融点184℃から185℃;[α]25D−136.4°(c 0.47,MeOH);UV(H2O)λmax263.0nm(ε9,100,pH2).263.5nm(ε7,800,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.11(dd,J=8.1,0.8Hz,1H),6.87(s,1H),5.89(s,1H),5.77(d,J=8.1Hz,1H),4.19−4.13(m,1H),3.80(dd,J=11.7,4.5Hz,1H),3.71(ddd,J=11.7,4.1,1.4Hz,1H)。【0342】同様に、脱シリル化の一般手順を用いて、(+)−9−[(1R,4S)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−2−フルオロアデノシン(D−33、図3b)を製造した。化合物D−33は、0.22mmolスケールでは収率70%で得られた:融点>300℃;[α]26D 17.1°(c 0.15,MeOH);UV(H2O)λmax261.0nm(ε12,700,pH2).261.0nm(ε12,700,pH2).261.0nm(ε12,900,pH7),260.5nm(ε13,100,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.44(s,1H),6.77(s,1H),5.92(s,1H),4.27−4.22(m,1H),3.89(dd,J=11.7,4.9Hz,1H),3.82(ddd,J=12.0,4.6,1.2Hz,1H);元素分析.計算値C10H9F2N5OS・0.4Et2O:C,44.24;H,4.16;N,22.24;S,10.18。実測値:C,44.28;H,3.97;N,22.39;S,10.29。【0343】選択的に、TBAFを用ることにより、t−ブチルフェニルエーテルの類似の脱シリル化に、同様の手順を用いることができる。【実施例37】【0344】(+)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]シトシン(L−17、図4a)THF 15mL中の不飽和シチジンL−13(0.180g、0.307mmol)の溶液を、THF中1MのTBAF 0.37mLで2時間処理した。その混合物を濃縮し、シリカゲルのショートパッドに通して濾過した。濾液を濃縮した後、さらに精製せず、その粗製生成物を室温で、30分間、アンモニアメタノール溶液で処理した。溶媒を除去した後、残留物をCHCl3中5%のMeOHでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、シチジン類似体L−17(0.066g、0.27mmol、収率88%)を白色の固体として得た:融点89℃から91℃(分解);[α]24D 205.3°(c 0.140,MeOH);UV(H2O)λmax279.5nm(ε19,900,pH2).272.0nm(ε15,900,pH7),272.5nm(ε16,200,pH11);1H NMR(DMSO−d6)δ7.83(d,J=7.4Hz,1H),7.33,7.37(2 br s,2H),6.85(s,1H),5.94(s,1H),5.84(d,J=7.5Hz,1H),5.28(t,J=5.4Hz,1H,D2O交換可能),4.02(m,1H),3.59−3.62(m,2H);元素分析.計算値C9H10FN3O2S・0.32CH2Cl2:C,41.39;H,3.97;N,15.54;S,11.86。実測値:C,41.15;H,4.10;N,15.55;S,11.82。【0345】保護不飽和ヌクレオシドの連続脱保護のために、上記一般手順を用いて、類似の脱保護不飽和ヌクレオシドを調製することができる。【0346】連続脱保護のための上記一般手順を用いて、(+)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−5−フルオロ−シトシン(L−18、図4a)を製造した。化合物L−18は、0.346mmolスケールでは収率88%で得られた:融点189℃から190℃;[α]24D 169.2°(c 0.159,MeOH);UV(H2O)λmax286.0nm(ε8,600,pH2).282.0nm(ε7,500,pH7),282.0nm(ε6,900,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.39(d,J=6.6Hz,1H)6.92(s,1H),5.84(s,1H),4.17(s,1H),3.84(dd,J=11.8,3.7Hz,1H),3.68(br d,J=10.6,1H);元素分析.計算値C9H,10FN3O2S:C,41.38;H,3.47;N,16.08;S,12.27。実測値:C,41.45;H,3.60;N,15.95;S,12.14。【0347】同様に、脱シリル化の蒸気一般手順を用いて、(+)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]チミン(L−19、図4a)を製造した。化合物L−29は、0.248mmolスケールでは、収率91%で、白色の固体として得られた:融点174℃から176℃;[α]24D 50.4°(c 0.180,MeOH);UV(H2O)λmax268.5nm(ε5,500,pH7).269.0nm(ε4,500,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.03(s,1H),6.87(ps t,J=1.0,1H),5.86(s,1H),4.17(m,1H),3.84(dd,J=11.9,4.0Hz,1H),3.77(ddd,J=11.9,3.7,1.7Hz,1H),1.88(d,J=1.2,3H);元素分析.計算値C10H11FN2O3S・0.35Et2O:C,48.18;H,5.14;N,9.86;S,11.28。実測値:C,48,49;H,4.88;N,10.07;S,11.59。【0348】脱シリル化反応のための上記一般手順を用いて、(+)−1−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]ウラシル(L−20、図4a)を製造した。化合物L−20は、0.280mmolスケールでは収率92%で得られた:融点184℃から185℃;[α]24D 132.9°(c 0.103,MeOH);UV(H2O)λmax263.0nm(ε9,100,pH2).263.0nm(ε9,700,pH7),263.5nm(ε7,800,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.11(dd,J=8.1,0.8Hz,1H),6.87(s,1H),5.89(s,1H),5.77(d,J=8.1Hz,1H),4.19−4.13(m,1H),3.80(dd,J=11.7,4.5Hz,1H),3.71(ddd,J=11.7,4.1,1.4Hz,1H);元素分析.計算値C9H9FN2O3S・0.03CHCl3:C,43.76;H,3.67;N,11.30;S,12.94。実測値:C,43.77;H,3.91;N,11.13;S,12.62。【0349】同様に、TBAFを用ることにより、t−ブチルフェニルエーテルの類似の脱シリル化のために、同様の手順を用いることができる。【実施例38】【0350】(+)−9−[(1R,2R,4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロプリン(D−21、図4a)HMDS 60mL中の6−クロロプリン(0.947g、6.12mmol)と硫酸アンモニウム(0.135g、1.02mmol)の混合物を5時間還流させた。HMDSを蒸発させて、黄色の固体を得た。シリル化6−クロロプリンが入っているこのフラスコに、1,2−ジクロロエタン(30mL)中のアセテートD−8(1.2g、2.04mmol)の溶液を添加した。得られたスラリーを−25℃に冷却し、TMSOTf(0.74mL、4.08mmol)を−25℃で一滴ずつ添加した。その反応混合物を−25℃から−10℃で3時間、室温で8時間、そして40℃で5時間攪拌した。得られた混合物を300mLのCH2Cl2で希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。その粗製生成物をヘキサン中11%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物D−21(1.01g、1.48mmol、収率73%)を薄黄色の泡沫として得た。[α]24D 75.4°(c 1.08,CHCl3);UV(CH2Cl2)λmax264.5nm;1H NMR(CDCl3)ε8.69(s,1H),8.31(d,J=2.9Hz,1H),7.70−7.13(m,15H),6.63(d,J=14.7Hz,1H),3.96(ps t,J=8.2Hz,1H),3.88(ps td,J=7.6,1.8Hz,1H),3.80−3.73(m,1H),2,75−2.63(m,1H),2.60(td,J=14.7,7.8Hz,1H),1.05(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ151.84,150.87,144.98(d,J=5.7Hz),136.32,135.60,135.53,132.85,132.76,131.21,130.02,129.96,129.44,128.99,128.79,127.82,124.34,105.10(d,J=248.1Hz),66.64,65.68(d,J=20.3Hz),47.33,41.68(d,J=20.7Hz),26.74,19.17;元素分析.計算値C32H32ClFN4OSSeSi・0.5EtOAc:C,56.23;H,5.00;N,7.71;S,4.42。実測値:C,56.66;H,5.26,N,740,S,4.51。【0351】他のプリンとアセテートD−8の縮合反応のために、同様の手順を行った。【0352】例えば、アセテートD−8の縮合反応のための同一般手順を用いて、(+)−9−[(1R,2R,4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−6−クロロ−2−フルオロプリン(D−22、図3b)を製造した。化合物D−22は、1.70mmolスケールでは収率67%で得られた。[α]23D 81.0°(c 1.37,CHCl3);UV(CH2Cl3)λmax270.0nm;1H NMR(CDCl3)δ8.27(d,J=2.9Hz,1H),7.70−7.14(m,15H),6.45(d,J=14.0Hz,1H),3.97(dd,J=9.7,7.3Hz,1H),3.89(ps td,J=7.6,1.2Hz,1H),3.80−3.72(m,1H),2.76−2.63(m,1H),2.60(td,J=14.8,7.9Hz,1H),1.06(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ157.00(d,J=220.8Hz),153.53(d,J=17.1Hz),152.4(d,J=17.3Hz),145.53,136.26,135.59,135.52,132.80,132.70,130,03,129.97,129.79(d,J=4.9Hz),129.49,129.00,127.83,124.19,104.99(d,J=248.5Hz),66.53,65.90(d,J=20.7Hz),47.36,41.48(d,J=20.7Hz),26.75,19.17;元素分析.計算値C32H31Clf2N4OSSeSi・0.2ヘキサン:C,55.58;H,4.75;N,7.81;S,4.47。実測値:C,55.55;H,4.68;N,7,74;S,4.36。【実施例39】【0353】(−)−9−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロプリン(L−21、図4b)HMDS 30mL中の6−クロロプリン(0.789g、5.10mmol)と硫酸アンモニウム(0.112g、0.85mmol)の混合物を5時間還流させた。HMDSを蒸発させて、黄色の固体を得た。シリル化6−クロロプリンが入っているこのフラスコに、1,2−ジクロロエタン(30mL)中のアセテートL−8(1.0g、1.70mmol)の溶液を添加した。得られたスラリーを−25℃に冷却し、TMSOTf(0.62mL、3.40mmol)を−25℃で一滴ずつ添加した。その反応混合物を−25℃から−10℃で3時間、室温で8時間、そして40℃で5時間攪拌した。得られた混合物を300mLのCH2Cl2で希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。その粗製生成物をヘキサン中11%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物L−21(0.754g、1.10mmol、収率65%)を薄黄色の泡沫として得た。[α]24D−90.0°(c 1.287,CHCl3);UV(CH2Cl2)λmax264.5nm;1H NMR(CDCl3)δ8.60(s,1H),8.23(d,J=1.7Hz,1H),7.63−7.01(m,15H),6.55(d,J=14.7Hz,1H),3.88(ps t,J=8.5Hz,1H),3.80(ps t,J=8.7Hz,1H),3.72−3.62(m,1H),2.67−2.46(m,2H),0.96(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ151.76,151.73,150.77,144.92(d,J=5.7Hz),136.24,135.53,135.46,132.77,132.68,131.13,129.95,129.89,129.35,128.91,127.75,124.26,105.04(d,J=248.1Hz),66.56,65.60(d,J=20.4Hz),47.30,41.59(d,J=20.9Hz),26.69,19.10;元素分析.計算値C32H32ClFN4OSSeSi:C,56.34;H,4.73;N,8.21;S,4.70。実測値:C,56.00;H,4.81;N,8.04;S,4.73。【0354】他のプリンとアセテートL−8の縮合反応のために、同様の手順を行った。【0355】アセテートL−8の縮合反応のための上記一般手順を用いて、(−)−9−[(1S,2S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロ−2−フルオロプリン(L−22、図4b)を製造した。化合物L−22は、1.70mmolスケールでは収率66%で得られた。[α]24D −86.5°(c 1.44,CHCl3);UV(CHCl3)λmax266.0nm;1H NMR(CDCl3)δ8.20(s,1H),7.62−7.06(m,15H),6.37(d,J=13,9Hz,1H),3.89(dd,J=9.7,6.9Hz,1H),3.80(td,J=7.8,1.3Hz,1H),3.72−3.64(m,1H),2.68−2.57(m,1H),2.52(td,J=12.9,7.7Hz,1H),0.98(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ157.03(d,J=220.8Hz),153.55(d,J=16.7Hz),152.44(d,J=17.3Hz),145.53,136.28,135.61,135.54,132.82,132.72,130.05,129.99,129.80(d,J=4.6Hz),129.51,129.03,127.84,124.20,105.00(d,J=248.3Hz),66.56,65.92(d,J=21.1Hz),47.38,41.51(d,J=20.9Hz),26.76,19.19;元素分析.計算値C32H31ClF2N4OSSeSi:C,54.89;H,4.46;N,8.00;S,4.58。実測値:C,54.81;H,4.64;N,7.81;S,4.63。【実施例40】【0356】(−)−9−[(1R,4S)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]アデニン(D−27、図3b)化合物D−23と化合物D−24の混合物(0.342g、0.65mmol)を、80℃で12時間、スチールボンベを用いてアンモニアメタノール溶液で処理した。溶媒を蒸発させ、残留物を真空下で3時間乾燥させた。THF 30mL中のその乾燥させた粗製生成物の溶液を、室温で3時間、THF中1MのTBAF 0.3mLで処理した。得られた混合物を濃縮し、CH2Cl2中5%から10%のMeOHでの分取TLCクロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物D−27(0.099g、0.37mmol、収率57%)を白色の固体として得た。融点190℃から191℃;[α]25D−33.7°(c 0.164,7:1 CH2Cl2:MeOH);UV(H2O)λmax257.5nm(ε9,600,pH2).259.0nm(ε9,500,pH7),259.0nm(ε9,800,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.52(s,1H),8.20(s,1H),6.88(s,1H),5.93(s,1H),4.31−4.24(m,1H),3.90(dd,J=11.6,4.4Hz,1H),3.81(ddd,J=11.5,4.1,1.2Hz,1H);13C NMR(MeOH−d4)δ157.43,156.31(d,J=277.9Hz),153.98,150.51,141.22,120.10,111.65(d,J=17.1Hz),65.63,60.38(d,J=24.7Hz),49.73(d,J=7.7Hz);元素分析.計算値C10H10FN5OS・0.06Et2O:C,45.26;H,3.93;N,25.77;S,11.80。実測値:C,45.33;H,4.07;N,25.38;S,11.59。【実施例41】【0357】(−)−9−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]アデニン(L−27、図4b)化合物L−23と化合物L−24の混合物(0.241g、0.46mmol)を、80℃で12時間、スチールボンベを用いてアンモニアのメタノール溶液で処理した。溶媒を蒸発させ、残留物を真空下で3時間乾燥させた。THF 30mL中のその乾燥させた粗製生成物の溶液を、室温で3時間、THF中1MのTBAF 0.5mLで処理した。得られた混合物を濃縮し、CH2Cl2中5%から10%のMeOHでの分取TLCクロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物L−27(0.075g、0.28mmol、収率61%)を白色の固体として得た。融点192℃から194℃;[α]26D−38.1°(c 0,165,MeOH);UV(H2O)λmax258.0nm(ε9,500,pH2).259.0nm(ε8,900,pH7),259.5nm(ε8,600,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.52(s,1H),8.20(s,1H),6.89(s,1H),5.93(s,1H),4.28(s,1H),3.90(dd,J=11.5,4.2Hz,1H),3,81(dd,J=11.4,3.2Hz,1H);13C NMR(MeOH−d4)δ157.46,156.31(d,J=278.2Hz),154.01,150.51,141.21,120.10,111.64(d,J=17.0Hz),65.65,60.38(d,J=24.6Hz),49.81(d,J=9.1Hz);HRMS(FAB)実測値,m/z 268.0669,計算値C10H11FN5OS,m/z 268.0668(M+H)+;元素分析.計算値C10H10FN5OS・0.3H3OH:C,44.68;H,4.08;N,25.29;S,11.58。実測値:C,44.49;H,4.03;N,25.46;S,11.33。【実施例42】【0358】(+)−9−[(1R,4S)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−ヒポキサンタン(D−28、図3b)無水MeOH(20mL)中の化合物D−23と化合物D−24の混合物(0.323g、0.62mmol)を、60℃で24時間、2−メルカプトエタノール(0.17mL、2.46mmol)およびNaOMe(0.136g、2.52mmol)で処理した。得られた混合物を0.1mLの氷AcOHで反応停止させて、濃縮し、CH2Cl2中4%のMeOHを用いてシリカゲルのショートパットに通して濾過した。濾液を濃縮乾固させた。その粗製生成物を、室温で3時間、THF中1MのTBAF 0.68mLで処理した。その反応混合物を濃縮し、CH2Cl2中7%のMeOHでの分取TLCクロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物D−28(0.135g、0.50mmol、収率81%)を白色の固体として得た:融点143℃から145℃(分解);[α]27D 21.5°(c 0.132,7:1,CH2Cl2:MeOH);UV(H2O)λmax247.5nm(ε10,200,pH2).248.0nm(ε10,000,pH7),253.5nm(ε10,700,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.51(s,1H),8.07(s,1H),6.90(s,1H),5.93(s,1H),4.28−4.23(m,1H),3.88(dd,J=11.7,4.7Hz,1H),3.80(dd,J=10.5,4.0Hz,1H);13C NMR(MeOH−d4)δ158.85,156.22(d,J=248.4Hz),150.04,147.13,140.66,125.29,111.77(d,J=17.0Hz),65.50,60.51(d,J=24.8Hz),49.83(d,J=7.3Hz);元素分析.計算値C10H9FN4O2S・0.17CH2Cl2:C,43.21;H,3.33;N,19.82;S,11.34。実測値:C,43.26;H,3.61;N,19.61;S,11.01。【実施例43】【0359】(−)−9−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−ヒポキサンチン(L−28、図4b)無水MeOH(20mL)中の化合物L−23と化合物D−24の混合物(0.216g、0.41mmol)を、60℃で24時間、2−メルカプトエタノール(0.12mL、1.65mmol)およびNaOMe(0.091g、1.69mmol)で処理した。得られた混合物を0.1mLの氷AcOHで反応停止させて、濃縮し、CH2Cl2中4%のMeOHを用いてシリカゲルのショートパットに通して濾過した。その濾液を濃縮乾固させた。その粗製生成物を、室温で3時間、THF中1MのTBAF 0.84mLで処理した。その反応混合物を濃縮し、CH2Cl2中7%のMeOHでの分取TLCクロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物L−28(0.050g、0.19mmol、収率46%)を白色の固体として得た:融点143℃から145℃(分解);[α]23D−23.7°(c 0.324,7:1,CH2Cl2:MeOH);UV(H2O)λmax246.5nm(ε12,000,pH2).248.0nm(ε10,600,pH7),253.5nm(ε10,900,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.51(s,1H),8.07(s,1H),6.90(s,1H),5,93(s,1H),4.26(s,1H),3.88(dd,J=11.6,4.7Hz,1H)),3.80(dd,J=10.7,3.2Hz,1H);13C NMR(MeOH−d4)δ158.86,156.22(d,J=278.3Hz),150.03,147.13,140.65,125.28,111.76(d,J=17.1Hz),65.48,60.51(d,J=24.5Hz),49.82(d,J=7.9Hz);HRMS(FAB)実測値,m/z 269.0517,計算値C10H9FN4O2S,m/z 269.0509(M+H)+;元素分析.計算値C10H9FN4O2S・0.63MeOH:C,44.26;H,4.03;N,19.42;S,11.12。実測値:C,43.86;H,3.65;N,19.45;S,11.09。【0360】化合物L−28の調製手順を用い、同じように(+)−9−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボ−フラノシル]−グアノシン(L−32、図4b)を製造した。化合物L−32は、0.16mmolスケールでは収率61%で得られた:融点210℃(分解);[α]25D 75.2°(c 0.15,DMSO);UV(H2O)λmax256.0nm(ε11,100,pH2).255.0nm(ε12,500,pH7),266.0nm(ε10,700,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ7.98(s,1H),6.61(s,1H),5.83(s,1H),4.22−4.14(m,1H),3.84−3.74(m,2H);13C NMR(DMSO−d6)δ160.12,157.49(d,J=278.1Hz),157.44,154.47,138.61,119.83,114.34(d,J=17.0Hz),67.90,61.00(d,J=24.5Hz),51.73(d,J=7.6Hz),44.06(d,J=9.1Hz)。【実施例44】【0361】(−)−2−アミノ−9−[(1R,4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−6−クロロプリン(D−29、図3b)、6−アミノ−9−[(1R,4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−2−フルオロプリン(D−30、図3b)および6−アミノ−9−[(4S)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−1,2−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−2−フルオロプリン(D−31、図3b)乾燥アンモニアガスを、室温で5時間、1,2−ジメトキシエタン(25mL)中の化合物D−25とD−26の混合物(0.430g、0.79mmol)の攪拌溶液中でバブリングした。減圧下で溶媒を除去し、残留物をヘキサン中20%のEtOAcでの分取TLCクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物D−29(0.190g、0.352mmol、収率45%)および化合物D−30と化合物D−31の混合物(0.116g、0.22mmol、収率28%)を得た。化合物D−29について:[α]24D−70.4°(c 0.40,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax303.5nm;1H NMR(CDCl3)δ7.74(s,1H),7.68−7.36(m,10H),6.65(s,1H),5.82(s,1H),5.37(s,1H),4.25−4.19(m,1H),3.90(dd,J=10.1,7.0Hz,1H),3.81(dd,J=9.8,7.4Hz,1H),1.07(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ159.11,154.78(d,J=281.2Hz),153.48,151.49,139.92,135.57,135.48,132.76,132.48,130.12,130.09,127.91,127.88,125.30,109.95(d,J=16.5Hz),68.01,58.33(d,J=24.0Hz),47.46(d,J=7.1Hz),26.76,19.19;元素分析.計算値C26H27ClFN5OSSi・0.6CH2Cl20.5EtOAc:C,54.08;H,5.11;N,11.03;S,5.05。実測値:C,53.73,H,4.99,N,10.98;S,5.12:化合物D−30とD−31の混合物;UV(CHCl3)λmax261.0nm;1H NMR(CDCl3)主生成物についてD−30:δ7.77(s,1H),7.73−7.38(m,1H),6.71(s,1H),6.41,6.40(2s,2H),5.82(s,1H),4.27−4.19(m,1H),3.93−3.82(m,2H),1.08(s,9H);副生成物についてD−31:δ7.82(s,1H),7.73−7.38(m,10H)4.00−3.75(m,3H),3.20(ddd,J=16.5,9.2,3.1Hz,1H),2.99(ddd,J=16.5,4.9,1.1Hz,1H),1.08(s,9H)。【実施例45】【0362】(+)−2−アミノ−9−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−6−クロロプリン(L−29、図4b)、6−アミノ−9−[(1S,4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−2−フルオロ−プリン(L−30、図4b)および6−アミノ−9−[(4R)−5−O−(t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−1,2−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]−2−フルオロプリン(L−31、図4b)乾燥アンモニアガスを、室温で5時間、1,2−ジメトキシエタン(25mL)中の化合物L−25とL−26の混合物(0.430g、0.79mmol)の攪拌溶液中でバブリングした。減圧下で溶媒を除去し、残留物をヘキサン中20%のEtOAcでの分取TLCクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物L−29(0.190g、0.352mmol、収率45%)および化合物L−30と化合物L−31の混合物(0.106g、0.20mmol、収率25%)を得た。化合物L−29について:[α]24D−74.0°(c 0.236,CH2Cl2);UV(CH2Cl2)λmax300.0nm;1H NMR(CDCl3)δ7.74(s,1H),7.70−7.37(m,10H),6.65(s,1H),5,83(s,1H),5,18(s,2H),4.26−4.22(m,1H),3.90(dd,J=10.1,7.2Hz,1H),3.81(dd,J=9.8,7.3Hz,1H),1.07(s,9H);13C NMR(CDCl3)δ159.11,154.78(d,J=281.2Hz),153.48,151.49,139.92,135.57,135.48,132.76,132.48,130.12,130.09,127.91,127.88,125.30,109.95(d,J=16.5Hz),68.01,58.33(d,J=24.0Hz),47.46(d,J=7.1Hz),26.76,19.19;元素分析.計算値C26H27ClFN5OSSi・0.3EtOAc:C,57.66;H,5.24;N,12.36;S,5.66。実測値:C,57.87;H,5.35;N,12.41;S,5.62:化合物L−30およびL−31の混合物;UV(CHCl3)λmax261.0nm;1H NMR(CDCl3)主生成物についてL−30:δ7.80(s,1H),7.74−7.31(m,10H),6.95(br s,2H),6.72(s,1H),5.83(s,1H),4.29−4.19(m,1H),3.94(dd,J=10.2,6.6Hz,1H),3.87(dd,J=10.1,7.1Hz,1H),1.08(s,9H);副生成物についてL−31:δ7.84(s,1H),7.74−7.31(m,10H),6.95(br s,2H),4.02−3.79(m,3H),3.20(ddd,J=16.5,9.2,3.1Hz,1H),3.00(dd,J=16.7,4.6Hz,1H),1.08(s,9H)。【実施例46】【0363】(−)−9−[(1R,4S)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−D−リボフラノシル]グアノシン(D−32、図3b)化合物28の調製手順参照。表題化合物D−32は、0.29mmolスケールでは収率61%で得られた:融点210℃(分解);[α]25D−73.7°(c 0.152,DMSO);UV(H2O)λmax254.0nm(ε11,600,pH2).255.0nm(ε12,400,pH7),265.0nm(ε12,500,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.14(s,1H),6.73(s,1H),5.93(s,1H);13C NMR(DMSO−d6)δ160.12,157.49(d,J=278.1Hz),157.44,154.47,138.61,119.83,114.34(d,J=17.0Hz),67.90,60.99(d,J=24.5Hz),51.73(d,J=7.6Hz),44.06(d,J=9.1Hz);元素分析.計算値C10H10FN5O2S・0.11CHCl3:C,40.97;H,3.44;N,23.63;S,10.82。実測値:C,41.35;H,3.62;N,23.32;S,11.09。【実施例47】【0364】(−)−9−[(1S,4R)−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロ−2−フルオロ−4−チオ−β−L−リボフラノシル]−2−フルオロ−アデノシン(L−33、図4b)脱シリル化の上記一般手順参照。表題化合物L−33は、0.20mmolスケールでは収率70%で得られた:融点>300℃;[α]26D−17.8°(c 0.200,MeOH);UV(H2O)λmax260.5nm(ε12,700,pH2).260.5nm(ε12,700,pH7),261.5nm(ε12,200,pH11);1H NMR(MeOH−d4)δ8.44(s,1H),6.77(s,1H),5.92(s,1H),4.28−4.21(m,1H),3.89(dd,J=11.6,4.7Hz,1H),3.85−3.79(m,1H);13C NMR(DMSO−d5)δ160.12;元素分析.計算値C10H9F2N5OS・0.24Et2O:C,43.44;H,3.79;N,23.11;S,10.58。実測値:C,43.30;N,23.47;S,10.28。【実施例48】【0365】4(S)−(アセチルチオ)−5−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]ペンタン酸メチルエステル(31、図5)表題化合物は、次の文献に従って、L−グルタミン酸から調製した:Cervinka,O.;Hub,L.,「不斉反応。XXVII.γ−ブチロラクトン−γ−カルボン酸およびγ−バレロラクトン−γ−カルボン酸の絶対配置(Asymmetric reactions. XXVII. Absolute configurations of γ−butyrolactone−γ−carboxylic acid and γ−valerolactone−γ−carboxylic acid)」,Collect.Czech.Chem.Commun.,1986,33,2927−2932;Hanessian,S.;Murray,P.J.,「天然生合成経路の立体化学的制御:単一キラルプロジェニターからポリプロピオン酸塩由来の構造を合成するための一般戦略(Stereochemical control of nature’s biosythetic pathways:A general steregy for the synthesis of polypropionate−derived structural units from a single chiral progenitor)」,Tetrahedron 1987,43,5055−5072;Secrist III.J.A;Riggs,R.H.;Tiwari,K.N.;Montgomery,J.A.;「4’−チオ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの合成および抗HIV活性(Synthesis and anti−HIV activity of 4’−thio−2’,3’−dideoxynucleosides)」,J.Med.Chem.1992,35,533−538。【0366】L−類似体(化合物35)を、D−類似体と同じ手順を用いて、D−グルタミン酸から調製した(図5参照)。【実施例49】【0367】4(S)−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−γ−チオブチロラクトン(32、図5)トルエン(100mL)中の化合物31(6g、13.5mmol)の溶液を、−78℃で1時間、ヘキサン中1MのDIBAL−H 29.4mLで処理した。7.2mLのMeOHで反応を停止させ、1時間、室温まで温めて、NaHCO3水溶液(15mL)およびEtOAc(90mL)をその混合物に添加した。得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固させた。その粗製チオラクトールを、室温で24時間、Ac2O(12.75mL)およびDMSO(13.5mL)で処理した。その反応混合物を、氷冷水(100mL)が入った分液漏斗に注入し、エチルエーテル(3x120mL)で抽出した。併せた有機溶媒を水(3x100mL)で洗浄して、Na2SO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中5%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物32(2.69g、収率57%)を黄色の油として得た。1H NMR(CDCl3)δ7.68−7.65、7.47−7.39(2m,10H)、3.81−3.50(m,3H)、2.22−2.13(m,2H)、2.03−1.97(m,2H)、1.06(s,9H)。【0368】L−類似体(化合物36)は、D−類似体のものと同じ手順を用いて35から調製した(図5参照)。【実施例50】【0369】4(S)−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フェニルセレニル−γ−チオブチロラクトン(33、図5)THF(30mL)中の化合物32(2.223g、6mmol)の溶液にN−フルオロジベンゼンスルホンイミド(NFSi、1.893g、6mmol)を添加した。その溶液を−78℃に冷却し、LiHMDS(THF中1Mの溶液、7.2mL、7.2mmol)を1時間かけて一滴ずつ添加した。−78℃で2時間攪拌した後、その溶液を放置して室温に温め、1時間攪拌した。飽和NH4Cl(1mL)で反応を停止させ、その混合物をEtOAcと飽和NaHCO3の混合物に注入した。有機層を飽和NaHCO3およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を除去した後、残留物を、ヘキサン中5%のEt2Oで溶離するシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物33(1.35g、収率58%)を黄色の油として得た。【0370】1H NMR(CDCl3)δ7.62−7.36(m,10H),5.07(m,1H),3.95−3.77(m,3H),2.70−2.61(m,1H),2.18−2.05(m,1H),1.06(s,9H)。【0371】L−類似体(化合物37)は、D−類似体のものと同じ手順を用いて36から調製した(図5参照)。【実施例51】【0372】(2R,4S)−(+)−4−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−2−フルオロ−2−フェニルセレニル−γ−チオ−ブチロ−ラクトン(D−7、図5)THF(15mL)中の化合物33(1.166g、3mmol)の溶液に、THF中1MのLiHMDS 3.6mLを−78℃でゆっくりと添加し、その反応混合物を−78℃で1時間攪拌した。TMSCl(0.49mL、3.9mmol)を反応混合物に一滴ずつ添加し、その混合物を放置して室温に温めた。得られた混合物を室温で30分間攪拌し、−78℃に冷却した。THF(6mL)中のPhSeBr(1.07g、4.5mmol)の溶液を迅速に添加し、その混合物を−78℃で1時間攪拌した。混合物をエチルエーテル(120mL)で希釈し、水(4x30mL)で洗浄して、Na2SO4で乾燥させ、濾過して、濃縮し、ヘキサン中3%のEt2Oでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物D−7(1.16g、収率71%)を薄黄色のシロップとして得た。1H NMR(CDCl3)δ7.68−7.35(m,15H),3.96−3.89(m,1H),3.87(dd,J=10.2&5.1Hz,1H),3.80(dd,J=10.1&7.1Hz,1H),2.49(dd,J=13.4&4.0Hz,1H),2.22(td,J=13.5&10.5Hz,1H),1.06(s,9H)。【0373】L−類似体(化合物L−7)は、D−類似体のものと同じ手順を用いて37から調製した(図5参照)。【0374】最終目的化合物(D−17〜20、D−27〜28、D−32〜33、およびL−17〜20、L−27〜28、L−32〜33)は、前の部分で記載したものと同じ手順を用いて、D−7およびL−7から合成した。【実施例52】【0375】1−O−アセチル−2−デオキシ−4−チオ−3,5−O−p−トルイル−D−エリトロ−ペントフラノシド(D−I、図8)1−O−アセチル−2−デオキシ−4−チオ−3,5−O−p−トルイル−D−エリトロ−ペントフラノシド(D−I、図8)、ならびに1−O−アセチル−2−デオキシ−4−チオ−3,5−O−p−トルイル−L−エリトロ−ペントフラノシド(L−III、図13)および酢酸チオラクトールD−II、D−III、D−IV、L−I、L−IIおよびL−IV(図6および7)は、次の参考文献に従って調製した:Secrist III,J.A.;Tiwari,K.N.;Riordan,J.M.;Montgomery,J.A.「2’−デオキシ−4−‘チオピリミジンヌクレオシドの合成および生物活性(Synthesis and biological activity of 2’−deoxy−4−‘thiopyrimidine nucleosides)」,J.Med.Chem.1991,34,2361−2366;Tiwari,K.N.;Montgomery,J.A.;Secrist,III.J.A.,「1−(2−デオキシ−4−チオ−a−L−トレオ−ペントフラノシル)−チミンの合成および生物活性(The synthesis and biological activity of 1−(2−deoxy−4−thio−a−L−threo−pentofuranosyl)−thymine)」,Nucleosides & Nucleotides,1993,12(8),841−846。【実施例53】【0376】1−(D−デオキシ−4−チオ−3,5−ジ−O−トルイル−β−D−エリトロ−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル(60、X=F、図8)HMDS(40mL)中の5−フルオロウラシル(975mg、7.5mmol)および硫酸アンモニウム(10mg)の懸濁液を、窒素雰囲気下で2時間、還流させながら加熱した。過剰のHMDSを真空下で蒸発させた。残留物に無水CH3CN(25mL)中のD−I(2.14g、5mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、TMSOTf(1.361g、6mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で20分間、その後、室温で2時間攪拌した。その後、その混合物をCH2Cl2で希釈して、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて、濾過し、濃縮乾固させた。残留物を、CH2Cl2/MeOH(99:1)で溶離するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、CH2Cl2/ヘキサンから再結晶させて、表題化合物60(式中、Xはフッ素である)(872mg、35%)を固体として得た。1H NMR(CDCl3)δ7.98(d,1H,H−6)、7.96−7.25(m,8H,芳香族性)、6.69(dd,1H,H−1’)、5.76(m,1H,H−3’)、4.68(m,2H,H−5’)、4.05(m,1H,H−4’)、2.75、2,41(2m,2H,H−2’)、2.42(s,6H,2CH3)。【0377】化合物60(式中、Xは、メチルである)、68、76、84、92、99、106および113(それぞれ、図8、9、10、11、12、13、14および15参照)は、式中のXがフッ素である60について上に記載したものと同様の手順を用いて調製した。【実施例54】【0378】1−[2−デオキシ−N3−(2−メトキシエトキシメチル)−4−チオ−3,5−ジ−O−トルイル−β−D−エリトロ−ペントフラノシル]−5−フルオロウラシル(61、X=F、図8)乾燥THF(8mL)中の60(式中、Xは、フッ素である)(748mg、1.5mmol)の溶液に、Et3N(455mg、4.5mmol)、続いてMEMCl(280mg、2.25mmol)を添加した。その混合物を、2時間、還流させながら加熱し、その後、蒸発乾固させた。残留物をCH2Cl2に溶解して、水で洗浄し、乾燥させて、真空下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、9:1)によって精製して、表題化合物61(式中、Xは、フッ素である)(651mg、74%)を固体として得た。1H NMR(CDCl3)δ7.99(d,1H,H−6),7.96−7.25(m,8H,芳香族性),6.69(dd,1H,H−1’),5.76(m,1H,H−3’),4.66(m,2H,H−5’),4.05(m,1H,H−4’),3.82−3.51(m,4H,OCH2CH2O),3.31(s,3H,OCH3),2.75,2.41(2m,2H,H−2’),2.42(s,6H,2CH3)。【0379】化合物61(式中、Xは、メチルである)、69、77および85(それぞれ、図8、9、10および11参照)は、式中のXがフッ素である61について上に記載したものと同様の手順を用いて調製した。【実施例55】【0380】1−[2−デオキシ−N3−(2−メトキシエトキシメチル)−4−チオ−β−D−エリトロ−ペントフラノシル]−5−フルオロウラシル(62、X=F、図8)室温で、無水MeOH(10mL)中の61(式中、Xは、フッ素である)(587mg、1mmol)の溶液に、NaOMe(MeOH中1Mの溶液、3mL、3mmol)を添加し、その反応混合物を室温で1時間攪拌した。その混合物をDowex 50Wの添加により中和して、濾過した。その樹脂をMeOHで洗浄し、併せた濾液を濃縮した。残留物を、CH2Cl2/MeOH(4:1)で溶離するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物62(式中、Xは、フッ素である)(322mg、92%)を固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ8.16(d,1H,H−6),6.24(dd,1H,H−1’),5.30−5.21(m,2H,OH−3’およびOH−5’),4.36(m,1H,H−3’),3.51−3.81(m,6H,OCH2CH2OおよびH−5’),3.33(s,3H,OCH3),3.31(m,1H,H−4’),2.23(m,2H,H−2’)。【0381】化合物62(式中、Xは、メチルである)、70、78、86、93および100(それぞれ、図8、9、10、11、12および13参照)は、式中のXがフッ素である62について上に記載したものと同様の手順を用いて調製した。【実施例56】【0382】1−[2−デオキシ−N3−(2−メトキシエトキシメチル)−4−チオ−5−O−トリチル−β−D−エリトロ−ペントフラノシル]−5−フルオロウラシル(63、X=F、図8)無水ピリジン(10mL)中の62(式中、Xは、フッ素である)(701mg、2mmol)と塩化トリフェニルメチル(669mg、2.4mmol)の混合物を、3時間、還流させながら加熱した。その後、その混合物を室温に冷却し、攪拌しながらゆっくりと氷水に注入した。沈殿を濾過して取り出し、水で洗浄して、真空下で乾燥させ、アセトン/ヘキサンから結晶させて、表題化合物63(式中、Xは、フッ素である)(1.02g、86%)を固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ8.12(d,1H,H−6),7.40−7.23(m,トリチル),6.24(dd,1H,H−1’),5.25−5.21(m,1H,OH−3’),4.35(m,1H,H−3’),3.81−3.50(m,6H,OCH2CH2OおよびH−5’),3.32(s,3H,OCH3),3.30(m,1H,H−4’),2.23(m,2H,H−2’)。【0383】化合物63(式中、Xは、メチルである)、71、79、87、94、101、108および115(それぞれ、図8、9、10、11、12、13、14および15参照)は、式中のXがフッ素である63について上に記載したものと同様の手順を用いて調製した。【実施例57】【0384】1−[2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−N3−(2−メトキシエトキシメチル)−4−チオ−5−O−トリチル−β−D−エリトロ−ペントフラノシル]−5−フルオロウラシル(64、X=F、図8)−78℃で無水CH2Cl2(10mL)中の63(式中、Xは、フッ素である)(889mg、1.5mmol)の溶液に三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(764mg、4.5mmol)を添加し、その混合物を、窒素雰囲気下、−78℃で1時間攪拌した。KF(261mg、4.5mmol)を−78℃でその反応混合物に添加し、その反応混合物を放置して室温に温めた。室温で1時間攪拌した後、NaHCO3飽和水溶液およびCHCl3を添加した。有機相を飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて、真空下で蒸発させた。残留物を、CH2Cl2/MeOH(99:1)で溶離するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物64(式中、Xは、フッ素である)(776mg、87%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ8.10(d,1H,H−6)、7.37−7.26(m,トリチル)、6.26(dd,1H,H−1’)、5.34(dd,1H,H−3’)、3.81−3.50(m,6H,OCH2CH2OおよびH−5’)、3.48(m,1H,H−4’)、3.32(s,3H,OCH3)、2.45(m,2H,H−2’)。【0385】化合物64(式中、Xは、メチルである)、72、80および88(それぞれ、図8、9、10および11参照)は、式中のXがフッ素である64について上に記載したもと同様の手順を用いて調製した。【実施例58】【0386】1−[5−O−アセチル−2,3−ジオキシ−3−フルオロ−4−チオ−β−D−エリトロ−ペントフラノシル]−5−フルオロウラシル(65、X=F、図8)0℃で、Ac2O(5mL)中の64(式中、Xは、フッ素である)(714mg、1.2mmol)の溶液に、BF3−Et2O(511mg、3.6mmol)、続いてLiBr(313mg、3.6mmol)を添加した。その混合物を、窒素下、室温で3日間攪拌し、その後、蒸発乾固させた。残留物をCHCl3で抽出し、その抽出物を水で洗浄して、乾燥させ、真空下で蒸発させた。残留物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)で溶離するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物65(式中、Xは、フッ素である)(242mg、66%)を薄黄色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ8.13(d,1H,H−6),6.32(dd,1H,H−1’),5.36(dd,1H,H−3’),4.43(m,2H,H−5’),3.49(m,1H,H−4’),2.45(m,2H,H−2’),2.06(s,3H,CH3)。【0387】化合物65(式中、Xは、メチルである)、73、81および89(それぞれ、図8、9、10および11参照)は、式中のXがフッ素である65について上に記載したもと同様の手順を用いて調製した。【実施例59】【0388】1−[2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−4−チオ−β−D−エリトロ−ペントフラノシル]−5−フルオロシトシン(66、X=F、図8)0℃で無水CH3CN(10mL)およびEt3N(0.4mL)中の65(式中、Xは、フッ素である)(166mg、0.54mmol)の溶液に、TIPSCl(343mg、1.1mmol)およびDMAP(66mg、0.54mmol)を添加した。その反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で1日攪拌し、その後、NH4OH(28%、5mL)を添加した。室温で24時間攪拌した後、蒸発によって溶媒を除去し、残留物を、CH2Cl2/MeOH(95:5)で溶離するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物66(式中、Xは、フッ素である)(81mg、57%)を薄黄色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ8.18(d,1H,H−6),7.80,7.60(2br,2H,NH2),6.28(d,1H,H−1’),5.36(dd,1H,H−3’),5.19(t,1H,OH−5’),3.63(m,1H,H−4’),3.60−3.48(m,2H,H−5’),2.40(m,2H,H−2’)。【0389】化合物66(式中、Xは、メチルである)、74、82、90、96、103、110よび117(それぞれ、図8、9、10、11、12、13、14および15参照)は、式中のXがフッ素である66について上に記載したもと同様の手順を用いて調製した。【実施例60】【0390】1−[2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−4−チオ−β−D−エリトロ−ペントフラノシル]−5−フルオロウラシル(67、X=F、図8)2MのNH3−MeOH(6mL)中の65(式中、Xは、フッ素である)(61mg、0.2mmol)の溶液を、室温で一晩、共栓フラスコに入れておいた。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、95:5)に付すことよって、表題化合物67(式中、Xは、フッ素である)(49mg、94%)を白色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d5)δ11.76(br,1H,NH),8.26(d,1H,H−6),6.34(d,1H,H−1’),5.36(dd,1H,H−3’),5.17(t,1H,OH−5’),3.65(m,1H,H−4’),3.61−3.47(m,2H,H−5’),2.42(m,2H,H−2’)。【0391】化合物67(式中、Xは、メチルである)、75、83および91(それぞれ、図8、9、10および11参照)は、式中のXがフッ素である67について上に記載したもと同様の手順を用いて調製した。【実施例61】【0392】1−[2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−4−チオ−β−D−トレオ−ペントフラノシル]−5−フルオロシトシン(97、X=F、図12)80% AcOH(5mL)中の96(式中、Xは、フッ素である)(101mg、0.2mmol)の溶液を、90℃で1時間加熱した。蒸発させ、続いてトルエンと共蒸発させて、シリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH 95:5)に付すことによって、表題化合物97(式中、Xは、フッ素である)(28mg、53%)を白色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ7.85(d,1H,H−6),7.82,7.61(2br,2H,NH2),6.16(d,1H,H−1’),5.35(dd,1H,H−3’),5.19(t,1H,OH−5’),3.64(m,1H,H−4’),3.62−3.50(m,2H,H−5’),2.58,2.26(2m,2H,H−2’)。【0393】化合物97(式中、Xは、メチルである)、98、104、105、111、112、118よび119(図12、13、14および15参照)は、式中のXがフッ素である97について上に記載したもと同様の手順を用いて調製した。【実施例62】【0394】1−(3−デオキシ−4−チオ−β−D−トレオ−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル(107、X=F、図14)−78℃で無水CH2Cl2(10mL)中の106(式中、Xは、フッ素である)(664mg、1.5mmol)の溶液にBBr3(CH2Cl2中1Mの溶液、7.5mL)をゆっくりと添加し、その反応混合物を−78℃、窒素下で、4時間攪拌した。MeOH(5mL)の添加によって反応を停止させ、ピリジンによって中和した。蒸発によって溶媒を除去した後、残留物を、CH2Cl2/MeOH(4:1)で溶離するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物107(式中、Xは、フッ素である)(303mg、77%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ8.20(d,1H,H−6),6.24(dd,1H,H−1’),5.65(br,1H,OH−2’),5.19(t,1H,OH−5’),4.01(m,1H,H−2’),3.70−3.58(m,2H,H−5’),3.20(m,1H,H−4’),2.23(m,1H,H−3’),1.76(m,1H,H−3’)。【0395】化合物107(式中、Xは、メチルである)および114(それぞれ、図14および15参照)は、式中のXがフッ素である107について上に記載したもと同様の手順を用いて調製した。【0396】【表2】【0397】【表3】【0398】【表4】【0399】【表5】【0400】VII.生物活性定量実時間PCR(「Q−RT−PCR」)によって、抗ウイルス化合物の候補を評価することができ、同時に、宿主の核酸レベルに対する影響に評点を付ける。これらのアッセイには、(i)HIV−1遺伝子型Bウイルス量アッセイ、(ii)HBVウイルス量アッセイ、(iii)BVDVウイルス量アッセイ、(iv)ヒトβ−アクチン遺伝子アッセイ、(v)ミトコンドリアCOXII遺伝子アッセイ、および(vi)rRNA遺伝子アッセイが含まれる。【0401】β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオシチジン(それぞれ、D−17およびL−17)、β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオ−5−フルオロシチジン(それぞれ、D−18およびL−18)、β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ−シチジン(それぞれ、10および23)、ならびにβ−D−およびβ−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ−5−フルオロシチジン(それぞれ、10−Fおよび23−F)の抗ウイルス有効度および細胞毒性を評価した。対照化合物として、AZT(3’−アジド−3’−デオキシチミジン)、3TC[(−)−β−2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン]、D−ddC(β−D−2’,3’−ジデオキシシチジン)、リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)、(+)−BCH−189[(+)−β−2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン]、FIAU(1−(2−デオキシ−2−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノシル)−5−ヨードシチジン)、D4T(β−D−2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン)、ACV[9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニン]およびD−D4FC(β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン)も評価した。【0402】すべての化合物を、(i)野生型(xxBRU)および3TC耐性(184V)HIV−1に対して;(ii)誘発性HepAD38細胞系統においてHBV生産を抑制するそれらの能力について;および(iii)実際に感染しているMDBK細胞においてBVDV生産を抑制するそれらの能力について試験した。HIV−1遺伝子型B、本質的には記載されているようなHBV(24)、およびウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)のために、3つの定量PCRアッセイ(Q−PCR)を設計した(Taqman 7700 chemistry,PE BioSystems)。後者のウイルスは、多くの場合、C型肝炎ウイルス(HCV)のための代用モデルとして用いられる(16、21)。すべてのウイルス(HBV、HIV、BVDV)および宿主ターゲット(β−アクチン遺伝子、ミトコンドリアCOXII遺伝子、rRNA遺伝子)についての定量増幅アッセイ(TaqMan RT−PCR)を、細胞およびウイルスのDNAおよび/またはRNAレベルの正確な定量を可能ならしめるように設計した。【0403】ウイルス量アッセイの設計(特に、HIV−1についてのもの)は、一般に、ウイルスゲノムの際めて変異性の性質によって複雑化される(25、30、31)。プライマーおよびプローブは、限られた量の変異性を示し、且つ、6−log範囲を超える卓越した直線性を示し、且つ、抗ウイルス研究室において日常的に用いられているウイルス株の遺伝的変異性を変換させる領域を基に設計した。診断目的のプライマーおよびプローブの現行の選択を異なる地理的起原からの臨床サンプルに対してより広く適用できるようにするには、本質的には他の適用について記載されている(2、13)ように、特異性、感受性、再現性、異なる遺伝子型/クレードに関する直線範囲の最適化および他の市販試薬での標準化を研究することが必要となろう。【0404】幾つかの化合物は、野生型HIV−1株に対して強い抗ウイルス活性を示した(EC90値範囲0.16から5.16μM)が、3TC耐性HIV−1に対して試験した時のこれらの化合物についてのEC90の顕著な増加(EC90値範囲53から>100μM)は、注目された。両方の種類の化合物のβ−Lエナンチオマーは、対応するβ−D−エナンチオマーより効力があった。一方の化合物は、AD38細胞におけるHBVの生産を抑制した(EC90=1.0μM)。これらの化合物は、ヒトPBM細胞およびHepG2細胞において本質的には細胞毒性ではなかった(IC50>87μM)。10μMのヌクレオシド類似体と共に7日間インキュベーションした後、ミトコンドリアDNAレベルに対する影響は、観察されなかった。これらの研究は、酸素の代わりに4’−チオを有するシトシンヌクレオシド類似体の糖環の修飾によって、野生型ウイルスを抑制する効力はあるが、3TC耐性ウイルスに対する効力は低下した化合物が生じることを証明している。【実施例63】【0405】毒性アッセイHepG2およびヒトPBM細胞(5x104/ウエル)を、漸増濃度の試験化合物の存在下で、96ウエルプレートに播種し、37℃、5%CO2のインキュベータでインキュベートした。HepG2については3日間、またはヒトPBM細胞については5日間インキュベーションした後、細胞生存度およびミトコンドリア活性を、MTS−またはMTT染色法を用いる比色分析(Promega,Madison,WI)で測定した。8つの化合物を日常的なMTTまたはMTS毒性分析で試験した。これらは、評価した細胞(HepG2およびヒトPBM細胞)において87μMより高いIC50値を有した(表1)。【0406】【表6】【実施例64】【0407】HIV−1細胞培養以前に記載された(27)ように、ヒトPBM細胞(細胞数1x106/T25フラスコ)を2または3日間、PHAで刺激し、100TCID50で野生型(LAIおよびxxBRU)または3TC耐性(xxBRU 184V)HIV−1株のいずれかに感染させた。その培養物を、系列1−log希釈での試験化合物の存在下に5日間置いた。その後、ヒトPBM細胞を、延伸分離(10分、400xg、4℃)によって培養上清から除去した。この清澄上清をRTアッセイまたはQ−RT−PCRアッセイのいずれかで試験した。【実施例65】【0408】HIV−1 RTアッセイ1mL分の培養上清中に存在するウイルス粒子を、高速遠心分離(2時間、20,000xg、4℃)によって濃縮した。その後、上清を除去し、ウイルスペレットを100μLのウイルス可溶化バッファ(VSB:0.5%Triton X−100;0.8M NaCl、0.5mM フェニルメチルスルホニル、20%グリセロール、50mM Tris.HCl pH7.8)に計量分配した。10μL分取のRT−VSBを75μLのRTカクテル(60mM Tris.HCl pH7.8、12mM MgCl2、6mM DDT、6μg/mLポリ(rA)n−oligo(dT)10−12、1.2mM dATP、および80μCi/mL 3H−TTP)と混合し、2時間、37℃でインキュベートした。その後、100μLの10%TCAを添加し、組み込まれた3H−TTPの総量を測定した。【実施例66】【0409】ヒトPBM細胞におけるHIV−1 Q−RT−PCRアッセイ培養上清中に存在するウイルスRNAを、市販のカラム(QIAamp Viral RNA mini Kit,Qigen,Valencia,CA)を用いて作った。消光蛍光プローブ分子を増幅されたウイルスDNAにハイブリダイゼーションさせた後、そのプローブの分解によって生じる蛍光シグナルの増加をモニターすることによって、ウイルスRNAを実時間で検出した(Taqman 7700 chemistry,Applied Biosystems,Foster City,CA)。TaqManプローブおよびプライマーは、Primer Express software(Applied Biosystems)を用いて設計した。それらは、グループM HIV−1ゲノムのコドン230と257の間のHIV−1 RT遺伝子からの81塩基対の長いフラグメントに対して相補的な、非常に保存された配列をカバーする。【0410】プローブ5’−6FAM−TTTCTGGCAGCACTATAGGCTGTACTGTCCATT−TAMRA−3’;センスプライマー:5’−TGGGTTATGAACTCCATCCTGAT−3’;およびアンチセンスプライマー5’−TGTCATTGACAGTCCAGCGTCT−3’。【0411】製造業者(Applied Biosystems)が記載したとおりの試薬および条件を用いて、合計5μLのRNAをRT増幅させた。標準曲線は、複製数1.41x102/mLから複製数>1.41x108/mLの範囲であった。複製数は、Roche Amplicor HIV−1 Monitor test(商標)(Roche Diagnostics,Branchburg,NJ)を用い、1−log系列希釈の臨床HIV−1遺伝子型B分離株(高ウイルス量が得られるように、インビトロで弱毒化したもの)を基に較正した。10〜6希釈サンプルは、閾サイクル(Ct=サンプルが検出可能となるPCRサイクルの閾値)=35.52で正となり、この値は、Roche monitor HIV−1 version II assayでは複製数1,410/mLに相当した。3−logにわたるウイルスの動的範囲が確認された時、二つの方法論の間には卓越した相関関係(r2〜1)が存在した。Q−RT−PCRは、複製数141/mL(Ct=38.85)の検出の下限を有し、6−logのウイルス希釈にわたって直線であった。従って、現在設計されているプライマーおよびプローブセットによって、臨床サンプルとHIV−1インビトロ製剤の両方の信頼できる定量が可能であった。【0412】PHA刺激ヒトPBM細胞を用いる5日間アッセイにおいて、本抗ウイルス化合物を、3つのHIV−1株(LAI、xxBRU、および3TC耐性xxBRU−184V)に対して、AZT、3TCおよびD−D4FCと比較した。培養上清液中に存在するHIV−1を次の二つの異なる方法論によって定量した:i)log複製数/mLで読みとるQ−RT−PCR;およびii)logカウント毎分/mL(CPM/mL)で読みとる細胞上清に対する内在性ウイルスRTアッセイ。培地に抗ウイルス化合物を添加すると同時に、用量に関連したウイルス生産の低下が観察された。これらの結果の幾つかの代表例を図16に示す。二つの方法論によって異なるパラメータ(ウイルスRNA対活性RT酵素)を測定したが、結果は、互に、さほど差がなかった。HIV−1 Q−RT−PCRの結果を、以前に確立された細胞ベースの抗ウイルス薬評価アッセイ(細胞上清中の内在性HIV−1のRT重合活性)(27)と比較した。【0413】ウイルスRNA、すなわちRT活性を90%減少させるために有効な濃度(EC90)として表した、3つのHIV−1ウイルス株についてのデータの一覧を表2に与える。【0414】【表7】【実施例67】【0415】AD38細胞におけるHBV Q−RT−PCRアッセイHepAD38細胞系統は、テトラサイクリンで調節することができる条件下でHBVを複製する(12、15)。この薬物の存在下では、細胞上清には、実質的にウイルスDNAがないが、培地からテトラサイクリンを除去すると、これらの細胞は、上清にウイルス様粒子を分泌する(12)。HepAD38細胞を、96ウエルプレート中、細胞数5x104/ウエルで播種培地(DMEM/F12 + 10%FBS、50μg/mL ペニシリン、50μg/mL ストレプトマイシン、100μg/mL カナマイシン、400μg/mL G418、および0.3μg/mL テトラサイクリン)に播種し、5%CO2湿潤雰囲気下、37℃で2日間、インキュベートした。播種培地を除去し、細胞をPBSで3回洗浄した。その後、化合物を含有しないか、試験化合物を含有するか、対照薬物を10μMで含有する200μLのアッセイ用培地(DMEM/F12 + 10%FBS + P/S/K)とともに、細胞をインキュベートした。5日間インキュベートした後、細胞上清を回収し、HBV DNAを定量するまで、−70℃で保管した。QiaAmp DNA blood Mini kit(Qiagen)を用いて、HBV DNAを上清から抽出し、核酸を200μLに溶出した。ウイルスDNAをQ−PCRで検出した。TaqManプローブおよびプライマーは、Primer Express software(Applied Biosystems)を用いて設計し、これは、HBsAg中に存在するDNA配列に相補的な、非常に保存された配列をカバーした(24)。製造業者(Applied Biosystems)が記載したとおりの試薬および条件を用いて、合計5μLのDNAを増幅した。標準曲線は、少なくとも6−logの動的範囲を示し、複製数2x102/mLから複製数>2x108/mLの範囲をとった(示していない)。【0416】HepAD38細胞中のHBVの経時的ウイルス誘導を調査した(図17)。2日のHBV抑制(培地を含有するテトラサイクリンを用いる)後、これらの細胞を10μMの3TCともに、または3TCを伴わずに5日間インキュベートし、下記の観察を成した:(i)播種後、直ちに、細胞上清中のウイルスDNAを検出したが、3つのサンプリングポイント(播種培地中、0日、1日目および二日目)を通して量は変化しなかった。これは、上清中のHBV DNA配列の存在が、細胞破壊片からの物質を表すことを示している;(ii)テトラサイクリンは、HBV DNA発現の可能性を完全に奪う;(iii)誘導から5日後、細胞上清中のHBV DNAが約2.5−log増加する;ならびに(iv)10μMの3TCは、上清へのウイルスDNAの放出をほぼ1.5−logまで防止する。【0417】HBVに対する8つの候補化合物についてのEC90値をAD38細胞において測定した。期待どおり、3TCは、効力のある抑制(EC90=2.9μM)を示し、一方、化合物23は、匹敵する活性(EC90=1.0μM)を有した。他のすべての化合物は、EC90が、100μMより大きかったので、不活性と考えられた(表3)。【0418】試験化合物の抗HBV活性に対する多くの研究には、定量HBVサザンブロット法を用い、HepG2.2.15細胞系が利用されている(1,14)。Q−PCR法を用い、HepG2.2.15系を利用すると、10μMの3TCでは、最大低下0.6−logで、動的範囲が非常に狭くなることが分かった。従って、AD38系(12、15)は、Q−PCR法で評価し(図17)、細胞上清中のHBV DNAの約2.5−logのウイルス生産動的範囲が観察された。加えて、10μMの3TCに5日間暴露することによって、上清へのウイルスDNAの放出が、ほぼ1.5−log低下した。AD38細胞におけるQ−PCRアプローチは、HepG2.2.15法と比較して、広い動的範囲、短いインキュベーション時間をもたらし、且つ、放射性の検出の必要がなかった。8つの候補化合物および3TCをAD38細胞において試験し、期待どおり、3TCは、細胞上清中のHBV DNA量の有力な減少(EC90=3μM)を示した。細胞上清中のHBV DNAを減少することができた試験化合物は、化合物23(EC90=1μM)だけだった。しかし、この化合物は、3TC耐性HIV−1に対する効力が586倍低いことがわかった(表2)。それ故、化合物23が、3TC耐性HBVに対する効力も低いことが予想される。これは、L−ヌクレオシドであるので(29)、これらのデータは、β−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ糖構造が、β−L−2’,3’−ジデオキシ−3’−チア構造を有する化合物と同様の活性および耐性プロフィールを有することを示している。興味深いことに、シチジンの5位におけるフッ素原子の付加(化合物23−F)は、HBVに対してほぼ不活性(EC90=68μM)の化合物を生じるが、β−L−2’,3’−ジデオキシ−3’−チア構造を有する類似体[(−)−FTC、エムトリシタビン]は、EC50値0.24μMで、効力のあるHBV抑制を示した(22)。【実施例68】【0419】MDBK細胞におけるBVDV Q−RT−PCRアッセイメディン・ダービーウシ腎(MDBK)細胞を、10%加熱不活性化ウマ血清を補充したDMEM/F12中、37℃、加湿した5%CO2雰囲気下で保持した。細胞を96ウエルプレートに細胞数5x103/ウエルで播種し、1時間インキュベートした。BVDV(NADL株)を用いて、単層中の細胞をMOI0.02で感染させた。感染から45分後、接種ウイルスを除去し、細胞を二回洗浄した。培地、または試験化合物を含有する培地をこれらの細胞に添加し、その後、24時間インキュベートした。細胞上清液を回収し、遠心分離(2分間、3,000g、室温)によって清澄にし、ウイルスRNAを調製した(QIAamp Viral RNA mini Kit;Qiagen)。ウイルスRNAを実時間RT−PCRで検出した。プライマーおよびプローブは、Primer Express software(Applied Biosystems)を用いてBVDV NS5B領域用に設計した;プローブ:5’−6FAM−AAATCCTCCTAACAAGCGGGTTCCAGG−TAMRA−3’;センスプライマー:5’−AGCCTTCAGTTTCTTGCTGATGT−3’;およびアンチセンスプライマー:5’−TGTTGCGAAAGGACCAACAG−3’。【0420】少なくとも6−logの直線範囲を有する標準曲線を得た(データは示さない)。リバビリン(Schering−Plough,Raritan,NJ)をこれらの実験の正の対照として用いた。リバビリンは、効力のある抑制(EC90=5μM)を示したが、試験化合物は、いずれも、感染細胞からのウイルスの放出を防止しなかった(EC90>200μM、表3)。【0421】【表8】【実施例69】【0422】ミトコンドリアDNAおよびRNA遺伝子についてのQ−RT−PCRアッセイQ−RT−PCR法を用いて、関連ヒト細胞における本発明の化合物によるミトコンドリアγ−DNAポリメラーゼの阻害の可能性も評価した。ウイルス性または増殖性疾患の治療に有用なヌクレオシド類似体は、患者において遺伝性ミトコンドリア疾患(すなわち、肝臓脂肪症、乳酸アシドーシス、ミオパシー、腎毒性、末梢神経障害、多発性対称性脂肪腫症、および膵炎))に似た毒性を示す(3、18)。三リン酸塩形の活性ヌクレオシド化合物は、3’−OHを欠き、そのため、連鎖停止反応によりウイルス複製が停止するので、これらのヌクレオシド類似体もヒトDNAポリメラーゼγの基質である関係から、ミトコンドリアDNA複製の阻害が生じ、その後、毒性副作用が生じる(11、19)。細胞内のミトコンドリアDNAレベルの直接定量可能なデータを提供する試みでは、Q−PCR法を設計し、COXII DNAレベルの相対定量を、比較Ct法を用いて計算した。D−ddCおよび(+)−BCH−189を対照とし、ミトコンドリアCOXII DNAレベルの低下を確認した(7)。また、以前の観察と一致して、FIAUおよびD4Tでの処理後、正規化ミトコンドリアDNAレベルの変化は観察されなかった(6、8、23)。COXII DNAレベルにおいてなんらかの有意な低下を示した試験化合物はなかった。しかし、本明細書に記載されているQ−PCR法では、ミトコンドリアDNAへの抑制因子の組み込みの可能性、ならびにミトコンドリアの形態変化(クリスタの損失)、乳酸の生産および脂質小滴の形成といった他のミトコンドリア異常は予測されない。【0423】American Tissue Culture Collection(ATCC,Manassas,VA)から入手した低継代数HepG2細胞を、コラーゲンをコーチングした96ウエルプレートに、細胞数5,000/ウエルで播種した。試験化合物を、最終濃度が10μMになるように、培地に添加した。培養7日目、市販のカラム(RNeasy 96 kit,Qiagen)を用いて細胞核酸を調製した。これらのキットは、RNAとDNAを共に精製するので、全核酸は、カラムから140μLの水に溶出された。ターゲットとリファレンスの両方に適するプライマーおよびプローブ(Primer Express software,Applied Biosystemsを用いて設計したもの)を用い、多重Q−PCRプロトコルで、ミトコンドリアシトクロムCオキシダーゼサブユニットII(COXII)遺伝子およびβ−アクチンまたはrRNAを5μLから増幅した;COXIIについて:センスプライマー5’−TGCCCGCCATCATCCTA−3’;プローブ5’−TET−TCCTCATCGCCCTCCCATCCC−TAMRA−3’;およびアンチセンスプローブ5’−CGTCTGTTATGTAAAGGATGCGT−3’;β−アクチンのエキソン3(GenBank E01094)について:センスプライマー5’−GCGCGGCTACAGCTTCA−3’;プローブ5’−6FAM−CACCACGGCCGAGCGGGA−TAMARA−3’;およびアンチセンスプローブ5’−TCTCCTTAATGTCACGCACGAT−3’。【0424】rRNA遺伝子プライマーおよびプローブは、Applied Biosystemsから購入した。1−log希釈全HepG2 DNAを用いた標準曲線は、5−logより長きにわたって直線状であった。加えて、ターゲット(COXII DNA)とリファレンス(β−アクチンCNAまたはrRNA)の増幅の効率は、ほぼ等しかった。ΔCt線(Ct β−アクチン−Ctミトコンドリアのもの)の傾斜が0.1未満であった(示していない)からである。両方の遺伝子について等しい増幅効率が得られたので、比較サイクル閾(Ct)法を用いて、ミトコンドリアDNAポリメラーゼγの阻害の可能性を調査した。比較Ct法は、ターゲット(COXII遺伝子)の量が内在性リフェレンス(βアクチン遺伝子またはrRNA遺伝子)に対して正規化され、キャリブレータ(7日目の薬物対照なし)に相関する計算式を用いる。このアプローチのための計算式は、2−ΔΔCt(User bulletin #2、Applied Biosystems)によって与えられている。【0425】宿主DNAポリメラーゼに対するこれらの化合物の可能な阻害効果の結果を研究するために、核およびミトコンドリアDNAレベルを定量し、未処理の対照と比較した。細胞を、7日間、各化合物10μMとともにインキュベートし、その後、全核酸抽出およびrRNA遺伝子およびミトコンドリアCOXII遺伝子の多重Q−PCRを行った。mitDNAおよびβ−アクチン遺伝子については、対照化合物に暴露した細胞からの核酸も多重に増幅した。その結果を、比較Ct法を用いて、表4に提供する。【0426】【表9】与えた値は、二倍増幅した3つの異なる細胞集団の平均である。二倍サンプルの標準偏差(SD)は、狭い(ΔCt値範囲0.01〜0.3、示していない)が、異なる細胞集団の結果と併せると、SDは増大した(ΔCt値範囲0.10〜0.98)。【0427】D−ddCおよび(+)−BCH−189について、COXII DNAの有意な低下(それぞれ、ΔCt2.27および2.16)が観察されたが、いずれの試験化合物についてもCOXII DNAの有意な増加は観察されなかった。rRNA試験において、対照と比べ、試験化合物のΔCt値に有意な違いは観察されなかった。β−アクチン試験では、D−ddC処理培養物における少量ではあるが有意な増加(ΔCt−0.62)が注目されたが、この増加は、PCR−プライマー効果による可能性が最も高い。【0428】正規化、および未処理の対照に対して正規化した後、D−ddCおよび(+)−BCH−189は、COXII DNAの総量を、2ΔΔCtより大きく、有意に低下させたが、8つの新規試験化合物は、いずれも、いかなる有意なCOXII DNAの低下も示さなかった。【0429】この系列のヌクレオシド類似体に関して、次のような一般的結論を出すことができる:(i)β−L−エナンチオマーは、対応するβ−D−エナンチオマーより効力がある;(ii)化合物は、3TC耐性HIV−1に対してあまり効力がなく、これは、3TC選択184ウイルス株との交差耐性を示している;(iii)D−D4FGの抗ウイルス活性は、3’位にフッ素部分を導入することにより、非常に低下する;(iv)5−フルオロシトシンの修飾によって活性は改善されず、毒性パターンを有意には変化させなかった(すべての化合物について、IC50>87μM);および(v)一段階Q−RT−PCRアッセイは、内在性RTアッセイに匹敵する結果をもたらすので、放射性の実験の必要がない。この研究は、酸素の代わりに4’−チオを有するシトシンヌクレオシド類似体(特に、化合物L−17およびL−18)の糖環の修飾によって、3TC耐性ウイルスに対する効力が低下した化合物を生じることも示している。【実施例70】【0430】アデノシンデアミナーゼ(ADA)の反応速度の研究アデノシン類似体D−27の代謝安定性を理解するために、アデノシンデアミナーゼ(ADA)結合効率および脱アミノ化の反応速度の研究を行った(Marquez,V.E.;Tseng.C.K.−H.;Mitsuya,H.;Aoki,S.;Kelley,J.A.;Ford,H.Jr.;Roth,J.S.;Broder,S.;Johns,D.G.;Driscoll,J.S.,「HIVに対する活性薬剤としての酸安定性2’−フルオロプリンジデオキシヌクレオシド(Acid−stable 2’−fluoro purine dideoxynucleosides as active agents against HIV)」),J.Med.Chem.1990,33,978−985)。アッセイは、15μMから100μMの範囲の基質濃度および0.15ユニットのアデノシンデアミナーゼ(ウシ腸粘膜からのEC.3.5.4.4)を有するリン酸緩衝溶液(pH7.4)中、25℃で行った。そのアッセイを、UV分光計を用い、265nmでモニターした。最初に、120分間、0.24単位のアデノシンデアミナーゼの存在下、D−β−2’−F−4’−S−d4A 24(200μM)でアッセイを行って、それがこの酵素の基質であるかどうかを判定した。ある時間(t)における各基質の濃度(ct)は、吸収の全変化(A0−A∞)が、その基質の消失に直接関係すると仮定して、その時間(t)における吸収(At)から計算した35。各基質の反応についての濃度対時間のデータを図の曲線にフィッティングすることによって、各基室濃度についての初期加水分解速度を、手作業で測定した。これらの初期速度のラインウィーバー・バークプロットから、各基質についてのVmax(最大速度)およびKM(ミカエリス定数)を得、緩衝溶液2mL中、0.15単位の酵素(M.W.33,000)でkcatも計算した。0.15単位の酵素を用い、20μMで、D−β−2’−F−4’−S−d4A 24およびアデノシンのt1/2も測定した。【0431】表5に示すように、アデニン誘導体D−27は、哺乳動物のアデノシンデアミナーゼ(ウシ腸粘膜からのもの、EC.3.5.4.4)に対して緊密に結合する(KM=18.3μM)ことがわかったが、代謝回転数(kcat=0.94s−1)は、非常に低く、これは、アデニン誘導体D−27がADAに強く結合することができたとしても、対応するイノシン誘導体に対する結合がADAによって触媒されることはほとんどないことを示している。ADAの他の基質と比較して、β−D−2’−F−4’−Sd4A D−27は、Km値およびkcat値が非常に低く、触媒効率(kcat/Km)は、β−FddAのものと同じように低い(Ford,H.Jr.;Dai,F.;Mu.L.;Siddiqui,M.A.;Nicklaus,M.C.;Anderson,L.;Marquez,V.E.;Barchi,J.J.Jr.,「アデノシンデアミナーゼは、結合と触媒作用のために別々の糖環配座を好む:反応速度および構造の研究(Adenosine deaminase prefers a distinct sugar ring conformation for binding and catalysis:Kinetic and structural studies)」,Biochemistry,2000,39,2581−2592)。アデノシンデアミナーゼは、プリン異化経路の主要な非活性化酵素の一つであるので、治療の観点から、アデノシン類似体D−27のこの代謝安定性は、重要な意味を持つ(Kredich,N.J.;Hershfeld,M.S.,In The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Disease;Scriver,C.R.;Beaudet,A.L.;Sly,W.S.;Valle,D.,Eds.;McGraw−Hill:New York,1989;pp 1045−1075)。【0432】【表10】【実施例71】【0433】細胞毒性アッセイ合成ヌクレオシド、シチジン(D−17)、5−フルオロシチジン(D−18)、アデノシン(D−27)および2−フルオロアデノシン(D−33)の細胞毒性を、ヒトPBM、CEMおよびベロ細胞において評価した。2−フルオロアデノシン類似体(D−33)は、抗ウイルス能ならびに高い細胞毒性(PBM、CEMおよびベロ細胞に関して、それぞれ、IC50 1.5、1.1および7.6μM)を示したのに対し、他の化合物は、100μM以下の細胞毒性を示さなかった。【0434】CEM細胞(American Type Culture Collection,Rockville,MDから入手したT−リンパ芽球用細胞系統)およびベロ細胞(アフリカミドリザルの腎臓)において、化合物を、未感染PHA刺激ヒトPBM細胞に対するそれらの潜在的毒性効果について評価した。PBM細胞は、健康な血清陰性のドナー(HIV−1およびB型肝炎ウイルス)の全血から、一段階フィコール・ハイパーク不連続勾配遠心法によって得た。log期のベロ、CMEおよびPHA刺激ヒトPBM細胞を、それぞれ細胞数5x103、2.5x103および5x104/ウエルの密度で播種した。これらの細胞のすべてを、10倍系列希釈の試験薬を収容した96ウエル細胞培養プレートにプレーティングした。それらの培養物を、37℃、加湿5%CO2−空気の中で、ベロ、CEMおよびPBM細胞について、それぞれ、3,4および5日間インキュベートした。インキュベーションが終了した時点で、MTTテトラゾリウム染料溶液(Cell titer 96(登録商標),Promega,Madison,WI)を各ウエルに添加し、一晩インキュベートした。停止可溶化溶液(Promega,Madison,WI)dえ反応を停止させた。それらのプレートを5時間インキュベートして、確実にホルマザン結晶を溶解した。ELISAプレートリーダー(Bio−tek instruments,Inc.,Winooski,VT,Model #EL 312e)を用い、波長570nmでプレートを読みとった。50%効果法を用い、濃度−反応曲線から、50%阻害濃度(IC50)を判定した。エラー!ブックマークの定義なし。【実施例72】【0435】PBM細胞におけるHIVアッセイヒト末梢血単核(PBM)細胞中において、HIV−1に対する合成した化合物の抗ウイルス活性を評価した。それらの中で、シチジン(D−17)、5−フルオロシチジン(D−18)、アデノシン(D−27)および2−フルオロアデノシン(D−33)は、並〜強の抗ウイルス活性(それぞれ、EC50 1.3,11.6、8.1および1.2μM)を示した。同様に、合成したピリミジン(L−17〜L−20)およびプリン(L−27、L−28、L−32およびL−33)ヌクレオシドを評価した。【0436】健康な血清陰性のドナーからのヒト末梢血単核(PBM)細胞(Atlanta Red Crossから入手したもの)をフィコール・ハイパーク不連続勾配遠心法によって単離した。使用前2日から3日間、細胞をフィトヘマグルチニンA(Difco,Sparks,MD)で刺激した。疫病管理予防センター(the Centers for Disease Control and Prevention)(Atlanta,GA)から入手したHIV−1LAIを、この抗ウイルスアッセイの基準ウイルスとして用いた。分子感染性クローンHIV−1xxBruおよびHIV−1M184Vpittは、Dr.Hohn Mellors(ピッツバーグ大学)から入手した。フラスコ(T25)アッセイには細胞数1x107(T25)あたり100のTCID50で、または24ウエルプレートアッセイには細胞数6x105/ウエルあたり200のTCID50で、1時間、大量感染を行った。10倍系列希釈の試験化合物を収容したプレートまたはフラスコに細胞を添加した。アッセイ培地は、加熱不活性化16%ウシ胎仔血清、1.6mMのL−グルタミン、80IU/mLのペニシリン、80μg/mLのストレプトマイシン、0.0008%のDEAE−デキストラン、0.045%の重炭酸ナトリウムおよび26IU/mLの組換えインターロイキン−2(Chiron Corp,Emeryville,CA)を補充したRPMI−1640であった。このアッセイのための正の対照として、AZTを用いた。対照として、未処理、未感染PBM細胞を、並列式で、等量の細胞濃度で増殖させた。細胞培養物を加湿5%CO2−空気中、37℃で5日間保持し、逆転写酵素(RT)活性用に上清を回収した。【0437】上清を12,000rpmで2時間遠心分離して、ウイルスをペレット化した。そのペレットを、0.5%のTriton X−100、0.8MのNaCl、0.5mMのフッ化フェニルメチルスルホニル、20%のグリセロールおよび0.05MのTris(pH8)を含有する100μLのウイルス可溶化バッファ(VSB)に渦攪拌で可溶化した。10μLの各サンプルを75μLのRT反応混合物(0.06MのTris(pH7.8)、0.012MのMgCl2、0.006Mのジチオトレイトール、0.006mg/mLのポリ(rA)nオリゴ(dT)12−18、96μg/mLのdATPおよび0.08mCi/mLの3H−チミジン三リン酸1μM(Moravek Biochemicals,Brea,CA))に添加し、37℃で2時間インキュベートした。ピロリン酸ナトリウム0.05%を含有する10%トリクロロ酢酸100mLの添加によって反応を停止させた。Packard Harvester(Meriden,CT)を用いて、酸不溶性産物を濾紙上に回収し、Packard Direct Beta Counter(Meriden,CT)でそのRT活性を読みとった。RTの結果は、ミリリットルあたりのカウント毎分(CPM)で表した。50%効果法(Belen’kii,S.M.;Schinazi R.S.,「信頼区間を伴う複式薬物効果分析(Multiple drug effect analysis with confidence interval)」,Antiviral Res.1994,25,1−11)を用い、濃度−反応曲線から、抗ウイルス50%有効濃度(EC50)および90%有効濃度(EC90)を判定した。【0438】合成したピリミジン(D−17からD−20)およびプリン(D−27、D−28、D−32およびD−33)ヌクレオシドを、ヒトPBM細胞においてインビトロでHIV−1に対して評価し、AZTを正の対照として含めた。試験したヌクレオシドの中で、二つのピリミジンヌクレオシド、シチジンD−17(EC50 1.3μM)および5−フルオロシチジンD−18(EC50 11.6μM)および合成したすべてのプリンヌクレオシド、アデノシンD−27(EC50 8.1μM)、イノシンD−28(EC50 43.6μM)、グアノシンD−32(EC50 80.5μM)および2−フルオロアデノシンD−33(EC50 1.2μM)が、並〜強のウイルス活性を示した。2−フルオロアデノシン類似体D−33は、抗ウイルス能ならびに高い細胞毒性(PBM、CEMおよびベロ細胞に関して、それぞれ、IC50 1.5、1.1および7.6μM)を有したのに対し、100μM以下の細胞毒性を示した他の化合物はなかった。β−D−2’−Fd4Nヌクレオシド11(b)と比較して、この系列を通して、シチジン、5−フルオロシトシンおよびアデノシン類似体は、最も効力があり、ほぼすべてのプリンヌクレオシドは、並〜強の活性を示すという、抗ウイルス活性の一般的傾向があった。しかし、β−D−2’−Fd4Nヌクレオシド11(b)は、それらの4’−チオ同族体より一貫して効力があり、これは、二つのタイプのヌクレオシドが類似の構造的特徴を有しうり、キナーゼレベルでは同じように認識することができるが、それらがウイルスポリメラーゼ(HIV−1逆転写酵素)と相互作用する方法は、多少異なるに違いないことを示唆している(分子モデリングの研究については、下記参照)。結果を表6に要約する。【0439】【表11】【0440】同様に、合成したピリミジン(L−17からL−20)およびプリン(L−27、L−28、L−32およびL−33)ヌクレオシドをインビトロでのそれらの抗HIV活性および細胞毒性について評価した。結果を表7に要約する。これらのヌクレオシドの中で、二つのピリミジンヌクレオシド、シチジンL−17(EC50 0.12μM)および5−フルオロシチジンL−18(EC50 0.15μM)は、最も効力がある抗HIV−1活性を示し、プリンヌクレオシド、アデノシンL−27(EC50 1.7μM)、イノシンL−28(EC50 15.5μM)、グアノシンL−32(EC50 43.5μM)および2−フロオロアデノシンL−33(EC50 11.5μM)も中程度の抗ウイルス活性を示したのに対し、2−フルオロアデノシン L−33では有意な細胞毒性が観察された(PBM、CEMおよびベロ細胞について、それぞれ、IC50 13.3、10.4および66.1)。しかし、合成した他のすべてのヌクレオシドは、有意な細胞毒性を示さなかった。酸素原子(β−L−2’F−d4N)を硫黄原子(β−L−2’F−4’S−d4N)に置換したにもかかわらず、抗HIV活性は、一般に、維持された。【0441】【表12】【実施例73】【0442】ラミブジン耐性(HIV−1M184V)突然変異株に対する抗ウイルス活性ラミブジン(3TC、(−)−β−2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン)は、多剤併用療法(highly active antiretrovial therapy,HAART)の重要な構成要素であり、HIV−1感染のための併用療法の際、最も一般的に用いられている(Carpenter,C.C.J.;Fischl,M.A.;Hammer,S.M.;Hirsch,M.S.;Jacobsen,D.M.;Katzenstein,D.A.;Montaner,J.S.G.;Richman,D.D.;Saag,M.S.;Schooley,R.T.;Thompson,M.A.;Vella,S.;Yeni,P.G.;Volberding,P.A.,Antiretroviral therapy for HIV infection in 1998:updated recommendations of the International AIDS Society−USA Panel .JAMA,1998,280,78−86)。3TC単独療法の結果、3TC耐性ウイルス変種の淘汰が生じ、それによって、血漿ウイルス量は、すぐにもとに戻る(Kavlick,M.F.;Shirasaka,T.;Kojima,E.;Pluda,J.M.;Hiu,F.;Yarchoan,R.;Mitsuya,H.,「(−)−2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジンの投与を受けた患者から単離したHIV−1の遺伝子型および表現型の特性付け(Genotypic and phenotypic characterization of HIV−1 isolated from patients receiving (−)−2’,3’−dideoxy−3’−thiacytidine)」,Antivir.Res.1995,28,133−146)。HIV−1 RTの触媒ドメインの残基184(M184V)での単一の突然変異によって高レベルの3TC耐性が生じ、それに起因して、3TCの50%阻害濃度が少なくとも1000倍増加する(Schinazi,R.F.;Lloyd,Jr.R.M.;Nguyen,M.−H.;Cannon,D.L.;McMillan,A.;Ilksoy,N,;Chu,C.K.;Liotta,D.C.;Bazmi,H.Z.;Mellors,J.W.,「オキソチオラン−シトシンヌクレオシドに耐性のヒト免疫不全ウイルスの特性付け(Characterizatin of human immunodeficeincy viruses resistant to oxthiolane−cytosine nucleosids)」,Antimicrob.Agents Chemother.1993,37,875−881;Tisdale,M.;Kemp,S.D.;Parry,N.R.;Larder,B.A.,「逆転写酵素のYMDD領域における突然変異に起因する3’−チアシチジン阻害剤耐性ヒト免疫不全ウイルス1型のインビトロでの迅速な淘汰(Rapid in vitro selection of human immunodeficiency virus type 1 resistant to 3’−thiacytidine inhibitors due to a mutation in the YMDD region of reverse transcriptase)」,Proc.Natl.Acad.Sic.USA 1993,90,5653−5656)。それが原因となって、抗AIDS併用療法は失敗する。それ故、M184V突然変異体HIV−1 RTに対して活性な新薬候補を発見する必要に迫られている。シトシン(D−17)および5−フルオロシトシン類似体(D−18)を、二つの正の対照、AZTおよび3TCと共に、ヒトPBM細胞においてインビトロでラミブジン耐性突然変異株に対して評価した(表8)。L−エナンチオマー、すなわち、シトシン類似体(L−17)の抗ウイルス活性も、β−D−2’F−d4FC(Lee,K,;Choi,Y.;Gumina,G.;Zhou,W.;Schinazi,R.F.;Chu,C.K.,「抗HIV−1薬としての2’−フルオロ−2’,3’−不飽和D−ヌクレオシドの構造と活性の関係(Structure−activity relationships of 2’−fluoro−2’,3’−unsaturated D−nucleosides as anti−HIV−1 agents)」,J.Med.Chem.2002,45,1313−1320)、β−D−2’F−4’S−d4c(Chong,Y.;Choo,H.;Choi,Y.;Schinazi,R.F.;Chu,C.K.,「D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの立体選択的合成および抗ウイルス活性(Stereoselective synthesis and antiviral activities of D−2’,3’−didehydro−2’,3’−dideoxy−2’−fluoro−4’−thionucleosides)」,J.Med.Chem.Submitted for publication)およびβ−L−2’F−d4C(Lee,K.;Choi,Y.;Gullen,E.;Schlueter−Wirtz,S.;Schinazi,R.F.;Cheng,Y.−C.;Chu,C.K.,「2’−フルオロ−2’,3’−不飽和L−ヌクレオシドの合成ならびに抗HIVおよび抗HBV活性(Synthesis and anti−HIV and anit−HBV activities of 2’−fluoro−2’,3’−unsaturated L−nucleosides)」,J.Med.Chem.1999,42,1320−1328)などの他の2’,3’−不飽和ヌクレオシドとともに評価した(表8)。【0443】【表13】【実施例74】【0444】分子モデリング配座解析:D−β−2’−F−d4CおよびD−β−2’−F−4’−S−d4C(D−17)の初期配座を、Spartan5.1.1(Wavefunctions,Inc.Irvine,CA)のビルダーモジュールによって構築し、計算は、すべて、Silicon Graphics O2ワークステーションを用いて行った。初期配座をクリーンアップし、Spartan 5.1.1において、RHF/3−21G*基底関数を用い、量子力学的アブイニシオ計算により構造最適化を行った。【0445】HIV−1逆転写酵素に対する結合親和性の研究:酵素−基質複合体のすべての分子モデリングは、Silicon Graphics Octane2ワークステーションのSybyl 6.7(Tripos Associates,St.Louis,MO)を用いて行った。酵素−配位子複合体の酵素部位は、HIV−1 RTとTTPの共有結合性触媒複合体およびプライマー−テンプレート二重鎖のX線構造(PDB登録1rtd)29を基に構築した。p66サブユニットにおけるLys1とPro243の間の残基および7:4(テンプレート−プライマー)二重鎖から成るNRTI結合部位のモデルを構築した。構造最適化の研究によって得られた各阻害剤の構造最適化構造を初期デカルト座標として用いた。テンプレートのオーバーハングにおけるn+1thヌクレオシドの複素環部分を修飾して、入ってくるNRTIに相補的な塩基にした。このように、もとのX線構造(1rtd)29の中のアデニン部分を修飾して、グアニンにした。前記X線構造29において見出されたものに対するねじれ角を調整することによって、阻害剤の三リン酸塩を、酵素の活性部位に手作業でドッキングさせた。活性部位の二つのMg原子に対して形式電荷(+2)を有する酵素−配位子複合体に、Gasteiger−Huckel電荷を与えた。次に、Kollman−All−Atom電荷をSybylの生体高分子モジュールから酵素部位にロードした。フッ素パラメータは、文献(ウェブサイト:http://www.amber.uscf.edu/amber/Questions/fluorine.html;Cornell,W.D.;Cieplak,P.;Bayly,C.I.;Gould,I.R.;Merz,K.M.;Ferguson,D.M.;Spellmeyer,D.C.;Fox,T.;Caldwell,J.W.;Kollman,P.A.,[蛋白質、核酸および有機分子のシュミレーションのための第二世代の力場(A 2nd generation force−field for the simulation of proteins,nucleic acids,and organic−molecules)」,J.Am.Chem.Soc.1995,117,5179−5197;Dunits,J.D.;Taylor,R.,「有機フッ素は、水素結合を決して受け入れない(Organic fluorine hardly ever accepts hydrogen bonds)」,Chem,Eur.J.1997,3,89−98参照)およびMM2パラメータから入手し、パラメータファイルに入力した。阻害剤および/または点突然変異の組合せによって生じる局所的な歪を無くすために、組み合わせた阻害剤と突然変異残基から6Å内側の残基を、一つの反復から次の反復へのエネルギー変化が0.05kcal/mol未満になるまで、アニーリングした。反復数が5,000に達するまで、Kollman−All−Atom Force Fieldを用いて、アニーリングした酵素−阻害剤複合体を最小化した。【0446】キナーゼに利用可能な結晶構造はないので、分子モデリングの研究は、ポリメラーゼレベルに基づくものであった。Huangら,「HIV−1逆転写酵素の、二重結合性触媒複合体の構造。薬物耐性のための意味(Structure of a covalently trapped catalytic complex of HIV−1 reverse transcriptase:Implictions for drug resistance)」,Science,1998,282,1669−1675をもとに、チミジン三リン酸およびDNA二重鎖と複合させたHIV−1 RTの結晶構造に従って、幾つかのヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)の三リン酸塩の分子モデリングの研究を行った。β−D−2’−Fd4Nおよびその対応する4’−チオ同族体の配座を比較した。シチジン類似体(β−D−2’−Fd4N11(b)およびβ−D−2’−F−4’−Sd4N(D−17)に対して量子力学的計算(RHF/3−21G*)を行い、それらの構造最適化構造を比較した(図18−a)。二つの構造は、4’位以外は重ね合わせ可能であった。長いほうのC−S結合長により生じた4’−チオ糖環内部の歪に起因して、C1’、C2’、C3’およびC4’により形成された面のほうに4’−硫黄原子が0.5Å移動した。4’−硫黄原子の面外移動のもう一つの理由は、4’−酸素とは異なり、4’−硫黄原子は、ゴーシュ効果がないため、5’−OHとの水素結合を形成できないことである。しかし、ヌクレオシドのN1およびC5’原子の極めて重要な配座は、良好な調和状態にあり、これは、これらの二つのタイプのヌクレオシドに対してキナーゼが同様の許容度を有することを意味しうる。一方、β−D−2’−Fd4N11(b)およびβ−D−2’−F−4’−Sd4N(D−17)の三リン酸塩が、HIV−1逆転写酵素の活性部位に結合すると、4’−硫黄原子での4’−酸素の等配電子置換は、前記ヌクレオシド三リン酸と活性部位残基(特に、Try115およびM3t184)との間の相互作用に対して効果を発揮する(図18−bおよび18−c)。HIV−1RTに結合したβ−D−2’−Fd4N11(b)およびβ−D−2’−F−4’−Sd4N(D−17)のエネルギー最小構造は、ヌクレオシド阻害剤が、Arg72、Met184および3’−OHポケット残基(Asp113、Tyr115、Phe116およびGln151)によって形成された、よく規定された結合ポケットに位置することを示している(図18−b)(Lee,K.;Chu,C.K.,「抗ウイルス薬としてのL−ヌクレオシドの作用様式を理解するための分子モデリングアプローチ(Molecular modeling approach to understanding the mode of action of L−nucleosides as antiviral agents)」,Antimicrob.Atents Chemother。2001,45,138−144)。Arg72の役割は、それが結合ポケットに移動すると、水素結合により三リン酸部分と結合したヌクレオチドならびにヌクレオシド三リン酸の複素環部分との非特異的疎水性相互作用を安定化するため、注目に値する(図18−b)。これらのd4−ヌクレオチドのさらに特徴的な結合様式は、ヌクレオチドのC2’−C3’フルオロビニル部分と近接Tyr115の芳香族環との間に可能なπ−π相互作用であり、これは、2’,3’−不飽和ヌクレオシドの高い抗ウイルス活性の一つの理由となりうる(図18−b)(Takagi,R.;Nakamura,M.;Hashizume,M.;Kojima,S.;Ohkata,K.,「キラル助剤としての(−)−8−フェニルメチル基によって誘導される3−アリール−2−ホスホノアクリレートの立体選択的シクロプロピル化(Stereoselective cyclopropanation of 3−aryl−2−phosphonoacrylates induced by the (−)−8−phenylmethyl group as a chiral auxiliary)」,Tetrahedron lett.2001,42,5891−5895)。C’2位でのフッ素置換は、C2’−3’二重結合を電子プアーにするため、Tyr115の電子リッチな芳香族環とのπ−π相互作用が増大する。β−D−2’−Fd4Cおよびβ−D−2’−F−4’−Sd4C(D−17)の結合様式は、ほぼ同じであるにもかかわらず、β−D−2’−F−4’−Sd4Cの抗ウイルス活性低下は、π−π相互作用の低下によって説明することができる。硫黄による陰性酸素の置換によって、β−D−2’−F−4’−Sd4C(D−17)における糖環内部の電荷が脱分極し、これによって、フルオロビニル部分とTyr115の芳香族環との間のπ−π相互作用が低下することとなる。その面外位置および大きなバンデルワールス半径のため、β−D−2’−F−4’−Sd4N糖部分の4’−硫黄原子は、Met184に隣接している(図18−c)。その結果、嵩高い副鎖を持つVal184へのMet184の突然変異によって、β−D−2’−F−4’−Sd4N糖部分の4’−硫黄原子とVal184の副鎖の間に有意な立体障害が生じる。これは、β−D−2’−F−4’−Sd4C(D−17)およびβ−D−2’−F−4’−Sd4FC(D−18)に対するHIV−1M184Vの高い交差耐性の理由の一つであろう(表9、図18−c)。【0447】β−D−2’−FD4ヌクレオシドの4’−酸素の4’−硫黄での等配電子置換によって、HIV−1 RTの活性部位に対するβ−D−2’−F−4’−Sd4の結合様式に実質的な変化が生じ、その結果、インビトロでの抗HIV−1活性が低下する。ラミブジン耐性突然変異株(HIV−1M184V)は、β−D−2’−F−4’−Sd4ヌクレオシドに対して有意な交差耐性を示した。これは、より大きなバンデルワールス半径ならびに4’−硫黄原子のMet184への極めて近接した状態によって説明することができる。【0448】同様に、分子モデリングの研究を、代表的なL−シチジン類似体(β−L−2’F−d4Cおよびβ−L−2’F−4’S−d4C L−17)に対して行った。さらに、これら二つの構造最適化構造は、4’−酸素および4’−硫黄の位置を除き、互いに、正確に重ね合わせられた。硫黄原子のほうが酸素原子より長いバンデルワールス半径を有するので、二つのシチジン類似体を重ね合わせた時、4’−硫黄は、4’−酸素のわずかに外側に位置した。しかし、ヌクレオシドキナーゼに結合するための重要な要因と考えられている複素環塩基と5’−ヒドロキシ基の間の距離は、図19−aに示されているように、これらの二種では類似している(Wang,P.;Hong,J.H.;Cooperwood,J.S.;Chu,C,K,「L−ヌクレオシドの最近の進歩:化学および生物学(Recent advances in L−nucleosides:chemistry and biology)」,Antiviral Rs.1998,40,19−44;Herdewijin,P.,「ヌクレオシドにおける抗ウイルス活性のための構造要件(Structural requirements for activiral activity in nucleosides)」,Drug Discov.Today,1997,2,235−242)。β―L−2’F−4’S−d4C L−17およびβ−L−2’F−d4Cは、両方とも、デオキシシチジンキナーゼなどのヌクレオシドキナーゼの基質となる可能性を秘めている。最初のリン酸化段階が律速段階と考えられるので、合成ヌクレオシドの最初のリン酸化後、それらの三リン酸塩は、ヌクレオチドキナーゼによって容易に合成することができた(Gaubert,G.;Gosselin,G.;Boudou,V.;Imbach,J.−L,;Eriksson,S.;Maury,G.,「2’−デオキシアデノシン、2’−デオキシグアノシンおよびそれらの類似体に対するヒトデオキシシチジンキナーゼおよびヒトデオキシグアノシンキナーゼの低いエナンチオ選択性(Low enatioselectivities of human deoxycytidine kinase and human deoxyguanoshin kinase with respect to 2’−deoxyadenoshine,2’−deoxyguanoshine and their anlolgs)」,Biochimie,1999,81,1041−1047)。構造最適化β―L−2’F−4’S−d4C L−17およびβ−L−2’F−d4C、β―L−2’F−4’S−d4CTPおよびβ−L−2’F−d4CTPの三リン酸塩を、HIV−1 RTの欠失触媒部位(p66サブユニットのLys1〜Pro243)に手作業でドッキングさせ、Kollman−All−Atom力場を用いて、それらの複合体のエネルギーを最小化した(Weiner,S.J.;Kollman,P.A.;Nguyen,D.T.;Case,D.A.,「蛋白質および核酸をシュミレーションするための全原子力場(An all atom force field for simulations for proteins and nucleic acids)」,J.Comput.Chem.1986,7,230−252)。両方の最小化構造は、β―L−2’F−4’S−d4C L−17およびβ−L−2’F−d4Cの三リン酸塩が、HIV−1 RTの活性部位に緊密に結合していることを示していた(図19−cおよび19−d)。図19−aに示したような構造的類似に加え、HIV−1 RTに対するそれらの結合様式も幾つかの面で類似していた。HIV−1 RTの活性部位におけるArg72は、β―L−2’F−4’S−d4C L−17およびβ−L−2’F−d4Cの三リン酸塩の結合に重要な役割を果たしている:Arg72のグアニジニウム部分が前記活性部位に近づいて、β―L−2’F−4’S−d4CTPおよびβ−L−2’F−d4CTPの三リン酸塩との多重水素結合を確立し、その結果、ヌクレオシド三リン酸は、安定化することとなる。3’−OHポケット残基の一部(Asp113およびAla114)である主鎖アミドも、水素結合相互作用によって三リン酸塩を安定させる。β―L−2’F−4’S−d4C L−17の4’−硫黄原子は、β−L−2’F−d4の4’−酸素と比較して、Arg72に近いにもかかわらず、4’−硫黄原子とArg72のグアニジニウム部分との間には不安定にする立体障害がなく、これが、活性部位でのβ―L−2’F−4’S−d4C L−17の安定な配向を可能ならしめていた(図19−b)。配座解析およびモデリングの研究からの結合親和性は、β―L−2’F−4’S−d4C L−17およびβ−L−2’F−d4Cが類似した構造を有すること、硫黄原子の置換は、ポリメラーゼレベルでは充分許容されることを示しており、これらのことによって、野生型ウイルスRTにおけるそれらの類似した抗ウイルス能を説明することができる。しかし、Val184の分枝メチル基は、L−2’F−2’,3’−不飽和ヌクレオシドの糖部分が突起している空間を占有する傾向があるので、HIV−1 RTにおけるM184V突然変異に起因して、活性部位でのL形ヌクレオシド三リン酸の配置に一連の問題が生じる。生じた立体障害は、L−2’F−2’,3’−不飽和ヌクレオシド三リン酸/RT複合体を不安定にした(図19−e)。このことは、L−ヌクレオシドの非常に低下した相対的な結合エネルギーによって確認することができる(表9)。一方、D形糖部分は、反対側に位置したため、β−D−2’F−d4CTP/RT複合体の構造は、Val184とヌクレオシド三リン酸の糖部分との間のいかなる有意な立体化学的なクラッシュも示さない(図19−f)。従って、3TC耐性突然変異体に対するβ−D−2’F−d4Cの抗ウイルスデータによって、3TC耐性株に対する抗ウイルス活性の保持が予測される。その5−フルオロ類似体、β−D−2’F−d4FCの効力ある抗HIV−1M184V活性は、この考えを支持している。これに関連して、M184V RTが天然D形β−D−2’F−4’S−d4Cに対して交差耐性であることは、興味深い24。分子モデリングの研究は、4’−硫黄の、より長いバンデルワールス半径およびより長C−S結合長が、4’−硫黄原子をVal184の充分近くに配置させ、その結果、立体障害が生じ、それによって、相対的な結合親和性および抗ウイルス能が低下することを示した。【0449】ピリミジン類似体、β―L−2’F−4’S−d4C L−17およびβ―L−2’F−4’S−d4−5FC L−18は、HIV−1に対して効力ある抗ウイルス活性を示した。しかし、シチジン類似体、β―L−2’F−4’S−d4C L−17は、3TC耐性突然変異体RTに対していかなる有意な抗ウイルス活性も示さなかった。分子モデリングの研究をもとに、β―L−2’F−4’S−d4Nおよびβ―L−2’F−d4Nの類似した抗HIV−1活性パターンは、それらの配座および構造の類似性によって説明することができる。糖部分の不自然なL配座は、3TC耐性RTにおけるVal184の副鎖と立体障害を生じ、それが、RT−ヌクレオシド類似体複合体を不安定にすることがわかった。【0450】【表14】【0451】本発明を、本発明の好ましい実施形態を参照しながら説明した。本発明の変型および変更は、上述した本発明の詳細な説明から、当業者には明らかであろう。これらの変型および変更は、本発明の範囲に包含されると考える。【図面の簡単な説明】【0452】【図1】本発明による、D−グリセルアルデヒドからのβ−3’−フルオロ−2’,3’−不飽和D−シトシンの合成の非限定的な具体例である。【図2A】本発明による、L−ラクトースからのβ−3’−フルオロ不飽和L−ヌクレオシド、詳細には、β−3’−フルオロ不飽和L−シトシン(2a)およびβ−3’−フルオロ不飽和L−チミジン(2b)の合成の二つの非限定的な具体例である。【図2B】本発明による、L−ラクトースからのβ−3’−フルオロ不飽和L−ヌクレオシド、詳細には、β−3’−フルオロ不飽和L−シトシン(2a)およびβ−3’−フルオロ不飽和L−チミジン(2b)の合成の二つの非限定的な具体例である。【図3A】本発明による、ピリミジン(3a)およびプリン(3b)β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図3B】本発明による、ピリミジン(3a)およびプリン(3b)β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図4A】本発明による、ピリミジン(4a)およびプリン(4b)β−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図4B】本発明による、ピリミジン(4a)およびプリン(4b)β−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図5】本発明による、それぞれL−およびD−グルタミン酸からの、β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図6】本発明による、2−デオキシ−4−チオ−糖の合成の非限定的な具体例である。【図7】本発明による、3−デオキシ−4−チオ−糖の合成の非限定的な具体例である。【図8】本発明による、β−D−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図9】本発明による、β−L−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図10】本発明による、β−D−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図11】本発明による、β−L−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図12】本発明による、β−D−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図13】本発明による、β−L−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図14】本発明による、β−D−2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図15】本発明による、β−L−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロ−4’−チオヌクレオシドの合成の非限定的な具体例である。【図16】試験化合物の抗HIV−1活性についての用量−反応曲線の例である。パネルA:AZT;パネルB:3TC;パネルC:化合物L−17;パネルD:化合物23。(◆)RTアッセイ xxBRU;(■)Q−RT−PCR xxBRU;(▲)RTアッセイ xxBRU−184V;(X):Q−RT−PCR xxBRU−184V。CPM/mL:カウント毎分/mL。【図17】HepAD38細胞へのHBVの導入の経時的推移の非限定的な具体例である。(■)未処理細胞からの、培地中のHBV DNAレベル;(◆)3TC(10μM)で処理した細胞からの、培地中のHBV DNAレベル。ウイルス量の違いは、(培地からテトラサイクリン除去後)二日目の時点からの変化として表されている。点線は、同じ日における二つのサンプリングポイントを表している。【図18】β−D−2’−ハロヌクレオシドについての分子モデリングの非限定的な例である。(a)D−2’−F−4’−Sd4C(17)とD−2’−Fd4Cとを重ね合わせ、構造を最適化した構造;(b)HIV−1 RTの活性部位に対するD−2’−F−4’−Sd4C(17)の結合モデル;(c)野生型HIV−1 RT(左)およびM184V突然変異体RT(右)と複合した、D−2’−F−4’−Sd4C(17)のエネルギー最小構造。【図19】β−L−2’−ハロヌクレオシドについての分子モデリングの非限定的な例である。(a)β−L−2’F−d4Cとβ−L−2’F−4’S−d4Cとを重ね合わせ、構造を最適化した構造;(b)β−L−2’F−4’S−d4CTPとArg72の相互作用を示すCPK構造;(c)HIV−1逆転写酵素の活性部位にドッキングした後のβ−L−2’F−4’S−d4CTPの最小構造;(d)HIV−1逆転写酵素の活性部位にドッキングした後のβ−L−2’F−d4CTPの最小構造;(e)β−L−2’F−4’S−d4CTPの糖部分とV184の副鎖の間の立体障害を示す、M184からV184への突然変異後のβ−L−2’F−4’S−d4CTP/RT複合体;および(f)立体障害を示さない、突然変異後のβ−D−2’F−d4CTP/RT複合体。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(II):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(III):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(IV):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Oである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Sである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 Yが、Fである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VI):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VII):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VIII):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Oである、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Sである、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。 Yが、Fである、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、一つ以上の他の有効な抗HIV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、一つ以上の他の有効な抗HBV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、一つ以上の他の有効な抗増殖薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主における以上細胞増殖の治療および/または予防法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(II):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(III):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(IV):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Oである、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Sである、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。 Yが、Fである、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、一つ以上の他の有効は抗HIV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、一つ以上の他の有効は抗HBV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防法。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを、一つ以上の他の有効は抗増殖薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で投与することを含む、宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VI):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VII):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VIII):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Oである、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Sである、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。 Yが、Fである、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。 前記一つ以上の他の有効な抗HIV薬が、2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(FTC);カルボビル、アシクロビル、インターフェロン、ファムシクロビル、ペンシクロビル、AZT、DDI、DDC、D4T、アバカビル、L−(−)−FMAU、L−DDAリン酸プロドラッグ、およびβ−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)、およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)、ネビラピン、MKC−442、DMP−266(サスティバ)、インジナビル、サキナビル、およびDMP−450から成る群より選択される、請求項28に記載の方法。 前記一つ以上の他の有効な抗HBV薬が、2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(FTC);カルボビル、アシクロビル、インターフェロン、ファムシクロビル、ペンシクロビル、AZT、DDI、DDC、D4T、アバカビル、L−(−)−FMAU、L−DDAリン酸プロドラッグ、およびβ−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)、およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)、ネビラピン、MKC−442、DMP−266(サスティバ)、インジナビル、サキナビル、およびDMP−450から成る群より選択される、請求項29に記載の方法。 (a)下記式(A):(この式中、P’’は、独自に、水素または適する酸素保護基(アルキル、アシルもしくはシリル)であり;およびLGは、適する脱離基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(A)の化合物とプリンまたはピリミジン塩基を結合させて、下記式(B):の化合物を得る段階;(c)上記式(B)の化合物を脱離させ、必要な場合には脱保護して、下記式(I)の化合物を得る段階を含む、下記式(I):(この式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドの調製法。 LGが、OAcである、請求項39に記載の方法。 (a)下記式(C):(この式中、各Pは、独自に、Hまたは適する保護基(アルキル、アシルもしくはシリル)である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(C)の化合物と場合によっては保護されているアセトアルデヒドとを結合させて、下記式(D):(この式中、各P’は、独自に、適する酸素保護基(アルキル、アシルもしくはシリル)である)を得る段階;(c)上記式(D)の化合物を酸化して、下記式(E):の化合物を得る段階;(d)上記式(E)の化合物をハロゲン化して、下記式(F):(この式中、各Yは、独自に、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである)の化合物を得る段階;(e)上記式(F)の化合物を、必要な場合には選択的に脱保護し、環化し、必要な場合には活性化して、式(A)の化合物を得る段階を含む、式(A)の化合物を調製するための工程をさらに含む、請求項39に記載の方法。 (a)下記式(G):(この式中、各PおよびP’’は、独自に、適する酸素保護基(アルキル、アシルまたはシリル)である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(G)の化合物を活性化して、下記式(H):(この式中、LG’は、適する脱離基である)の化合物を得る段階;(c)上記式(H)の化合物を還元して、下記式(J):の化合物を得る段階;(d)上記式(J)の化合物を、必要な場合には選択的に脱保護し、酸化して、下記式(K):の化合物を得る段階;(f)上記式(K)の化合物をハロゲン化して、下記式(L):の化合物を得る段階;(g)上記式(L)の化合物を、必要な場合には選択的に脱保護し、活性化して、式(A)の化合物を得る段階を含む式(A)の化合物を調製する工程をさらに含む、請求項39に記載の方法。 式(I)の化合物を還元して、式(V)の化合物を得る段階をさらに含む、請求項39に記載の方法。 (a)下記式(M):(この式中、各PおよびP’は、独自に、適する酸素保護基(アルキル、アシルまたはシリル)である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(M)の化合物を活性化して、下記式(N):(この式中、LGは、適する脱離基である)の化合物を得る段階;(c)上記式(N)の化合物とプリンまたはピリジン塩基とを結合させて、下記式(O):の化合物を得る段階;(d)必要な場合には選択的に脱保護し、ハロゲン基で置換して、下記式(V)の化合物を得る段階を含む下記式(V):(この式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、SまたはSO2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドの調製法。 (a)下記式(P):(この式中、P’は、適する酸素保護基(アルキル、アシルまたはシリル)であり;S−Actは、活性硫黄部分であり;およびORは、適する酸素脱離基である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(P)の化合物を環化して、下記式(Q):の化合物を得る段階;(c)上記式(Q)の化合物を求電子試薬と反応させて、下記式(R):(この式中、LG’’は、適する脱離基(フェニルセレンまたは硫化フェニル)である)の化合物を得る段階;(d)上記式(R)の化合物を活性化して、下記式(S):(この式中、LGは、適する脱離基である)の化合物を得る段階;(e)上記式(S)の化合物とプリンまたはピリミジン塩基とを結合させて、下記式(T):の化合物を得る段階;(f)上記式(T)の化合物を脱離させ、必要な場合には、場合によっては脱保護して、下記式(IX)の化合物を得る段階を含む、下記式(IX):(この式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−2’−ハロ−4’−チオヌクレオシドの調製法。 (a)下記式(U):(この式中、各P’は、独自に、Hまたは適する保護基(アルキル、アシルもしくはシリル)である)の場合によっては保護されている化合物を得る段階;(b)上記式(U)の化合物を活性硫黄と反応させて、式(P)の化合物を得る段階を含む、式(P)の化合物を調製する工程をさらに含む、請求項45に記載の方法。 D−またはL−グルタミン酸から式(P)の化合物を調製するための工程をさらに含む、請求項45に記載の方法。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防のための医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(II):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項48から50のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(III):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項48から50のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(IV):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項48から50のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Xが、Oである、請求項48から54のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Xが、Sである、請求項48から54のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Yが、Fである、請求項48から54のいずれか一項に記載の医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防のための医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VI):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項57から59のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VII):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項57から59のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VIII):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項57から59のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Xが、Oである、請求項57から62のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Xが、Sである、請求項57から62のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Yが、Fである、請求項57から62のいずれか一項に記載の医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを一つ以上の他の有効な抗HIV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを一つ以上の他の有効な抗HBV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(I):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを一つ以上の他の有効な抗増殖薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主における以上細胞増殖の治療および/または予防のための医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(II):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項66から68のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(III):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項66から68のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(IV):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;R2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項66から68のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Xが、Oである、請求項66から71のいずれか一項に記載の方法。 Xが、Sである、請求項66から71のいずれか一項に記載の方法。 Yが、Fである、請求項66から71のいずれか一項に記載の方法。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを一つ以上の他の有効は抗HIV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHIV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを一つ以上の他の有効は抗HBV薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主におけるHBV感染の治療および/または予防のための医薬組成物。 有効治療量の下記一般式(V):(式中、R1は、水素、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体であり;Xは、O、S、SO2またはCH2であり;Yは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;およびBASEは、場合によっては置換されていることもあるプリンまたはピリミジン塩基である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシドまたはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグを一つ以上の他の有効は抗増殖薬と併用および/または交代で、場合によっては医薬適合性の担体との併用で含む、宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防のための医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VI):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1およびX2は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より独自に選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項75から77のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VII):(式中、Y1は、OH、OR2、NH2、NHR2、NR2R3、SH、SR2またはハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)であり;X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項75から77のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記β−Dまたはβ−L−3’−ハロヌクレオシドが、場合によっては医薬適合性の担体との併用での下記一般式(VIII):(式中、X1は、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、OH、OR4、NH2、NHR2、NR4R5、SHまたはSR4から成る群より選択され;ならびにR2、R3、R4およびR5は、独自に、H、直鎖、分枝鎖もしくは環状アルキル(特にシクロプロピル)、ジアルキルアミノアルキレン、ジメチルアミノメチレン、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アミノ酸残基、一、二もしくは三リン酸塩、またはリン酸塩誘導体である)のβ−Dもしくはβ−L−3’−ハロヌクレオシド、またはその医薬適合性の塩またはそのプロドラッグである、請求項75から77のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Xが、Oである、請求項75から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Xが、Sである、請求項75から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。 Yが、Fである、請求項75から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。 前記一つ以上の他の有効な抗HIV薬が、2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(FTC);カルボビル、アシクロビル、インターフェロン、ファムシクロビル、ペンシクロビル、AZT、DDI、DDC、D4T、アバカビル、L−(−)−FMAU、L−DDAリン酸プロドラッグ、およびβ−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)、およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)、ネビラピン、MKC−442、DMP−266(サスティバ)、インジナビル、サキナビル、およびDMP−450から成る群より選択される、請求項75に記載の方法。 前記一つ以上の他の有効な抗HBV薬が、2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(FTC);カルボビル、アシクロビル、インターフェロン、ファムシクロビル、ペンシクロビル、AZT、DDI、DDC、D4T、アバカビル、L−(−)−FMAU、L−DDAリン酸プロドラッグ、およびβ−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)、およびβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)、ネビラピン、MKC−442、DMP−266(サスティバ)、インジナビル、サキナビル、およびDMP−450から成る群より選択される、請求項76に記載の方法。 薬物療法の際の請求項48から85に記載のいずれか一つの医薬組成物の使用。 宿主におけるHIVの治療および/または予防のための請求項48から85に記載のいずれか一つの医薬組成物の使用。 宿主におけるHBV感染の治療および/または予防のための請求項48から85に記載のいずれか一つの医薬組成物の使用。 宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防のための請求項48から85に記載のいずれか一つの医薬組成物の使用。 宿主におけるHIV感染の治療および/または予防のための医薬品を製造する際の請求項48から85に記載のいずれか一つの医薬組成物の使用。 宿主におけるHBV感染の治療および/または予防のための医薬品を製造する際の請求項48から85に記載のいずれか一つの医薬組成物の使用。 宿主における異常細胞増殖の治療および/または予防のための医薬品を製造する際の請求項48から85に記載のいずれか一つの医薬組成物の使用。 本発明は、β−ハロヌクレオシドの化合物および組成物、ならびに前記化合物または組成物の投与を含むHIV、HBVまたは異常細胞増殖の治療法を包含する。


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