タイトル: | 特許公報(B2)_前立腺特異的膜抗原に対する修飾抗体およびその使用 |
出願番号: | 2003502017 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C07K 16/18,C12N 15/09,C12P 21/08,A61K 39/395,A61K 51/00,A61P 35/00,G01N 33/53,G01N 33/574 |
バンダー,ニール カール,フランシス・ジェイ ハミルトン,アニータ JP 4619651 特許公報(B2) 20101105 2003502017 20020530 前立腺特異的膜抗原に対する修飾抗体およびその使用 コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド 592035453 CORNELL RESEARCH FOUNDATION, INCORPORATED 小野 新次郎 100140109 社本 一夫 100089705 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 山口 晶子 100106080 バンダー,ニール カール,フランシス・ジェイ ハミルトン,アニータ US 60/295,214 20010601 US 60/323,585 20010920 US 60/362,810 20020308 20110126 C07K 16/18 20060101AFI20110111BHJP C12N 15/09 20060101ALI20110111BHJP C12P 21/08 20060101ALI20110111BHJP A61K 39/395 20060101ALI20110111BHJP A61K 51/00 20060101ALI20110111BHJP A61P 35/00 20060101ALI20110111BHJP G01N 33/53 20060101ALI20110111BHJP G01N 33/574 20060101ALI20110111BHJP JPC07K16/18C12N15/00 AC12P21/08A61K39/395 LA61K39/395 TA61K43/00A61P35/00G01N33/53 DG01N33/574 A C07K 16/00-46 C12N 15/00-15/90 PubMed GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq 国際公開第98/003873(WO,A1) Cancer Research,1999, Vol.59, pp.3192-3198 Cancer Research,1998, Vol.58, pp.4055-4060 Proceedings of the Annual Meeting of the American Association for Cancer Research,1998, Vol.39, p440, #2997 The Journal of Urology, 2000, Vol.163, No.4 Supplement, p.160, #712 52 ATCC HB-12101 ATCC HB-12109 ATCC PTA-4174 ATCC HB-12128 ATCC HB-12127 ATCC PTA-3709 US2002017068 20020530 WO2002098897 20021212 2004532639 20041028 181 20050524 伊達 利奈 (関連出願) 本出願は、米国仮出願第60/295,214号、2001年6月1日出願、第60/323,585号、2001年9月20日出願、および第60/362,810号、2002年3月8日出願に優先権を請求し、これらのすべての内容が本明細書に援用される。本発明は、米国防総省助成金番号DAMD17−98−1−8594のもとに、米国政府と共に行った。米国政府は、本発明に特定の権利を有する。 (発明の分野) 本発明は、ヒト前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに対する抗体、例えば修飾抗体、例えば脱免疫(deimmunized)抗体に関し、そして前立腺障害および癌を治療し、防止し、そして診断する際のその使用に関する。 (発明の背景) 前立腺癌は、米国男性において、癌での最も一般的な死因の1つである。1999年、およそ185,000の新たな症例が診断され、そしてこの疾患で37,500人が死亡した(NCI SEERデータ)。これは、男性で診断される癌すべての約40%を占める。1990年に米国に生まれた男性が、生涯で、臨床的に明らかな前立腺癌と診断される可能性は、およそ8分の1である。発生が近年増加する前であっても、前立腺癌は、男性において、最も蔓延している癌であった(Feldman, A.R.ら (1986) NEJM 315:1394−7)。 現在、前立腺癌がひとたび転移したならば(前立腺を超えて広がったならば)、該癌には、非常に限定された治療しかない。現在、全身療法は、多様な型のアンドロゲン(男性ホルモン)枯渇に限定される。大部分の患者は、初期には臨床的改善を示すであろうが、実質的に必ず、アンドロゲン独立細胞が発展する。したがって、内分泌療法は、姑息的であり、そして治癒的ではない。イメージング(例えば骨スキャンまたはCTスキャン)で検出可能な転移性疾患を持つ1387人の患者の研究において、ホルモン療法開始後の対象疾患進行(生化学的/PSA進行を除く)(すなわちアンドロゲン独立性の発展)までの中央値時間は、16〜48ヶ月であった(Eisenberger M.A.ら (1998) NEJM 339:1036−42)。これらの患者におけるすべての生存の中央値は、ホルモン治療開始から28〜52ヶ月であった(Eisenberger M.A.ら (1998) 上記)。アンドロゲン独立性の発展に続く、有効な標準的療法はなく、そして生存の中央値期間は、9〜12ヶ月である(Vollmer, R.T.ら (1999) Clin Can Res 5:831−7;Hudes G.ら, (1997) Proc Am Soc Clin Oncol 16:316a(概要);Pienta K.J.ら (1994) J Clin Oncol 12(10):2005−12;Pienta K.J.ら (1997) Urology 50:401−7;Tannock I.F.ら, (1996) J Clin Oncol 14:1756−65;Kantoff P.W.ら, (1996) J. Clin. Oncol. 15 (Suppl):25:110−25)。細胞傷害性化学療法は、この年齢群では許容性が劣っており、そして一般的に、無効であり、そして/または実用的でないとみなされる。さらに、前立腺癌は、細胞傷害性剤に比較的耐性である。したがって、化学療法措置は、この患者群において、有意な生存上の利益があると立証されていない。 良性過形成の部分的前立腺切除時に、低程度で低段階の前立腺癌が発見された場合、10年未満の余命の男性では、注意深く見守るのが適切である(W.J. Catalona, (1994) New Engl. J. Med., 331(15):996−1004)。こうした癌は、検出後、最初の5年間は、まれにしか進行しない。一方、より若い男性では、治癒的治療がしばしばより適切である。 前立腺癌が局在しており、そして患者の余命が10年以上である場合、根治的前立腺切除術が、疾患の根絶に対して最も優れた可能性を提供する。歴史的に、この処置の欠点は、癌が検出された時には、大部分の癌が手術の境界を超えて広がってしまっていることである。しかし、前立腺特異的抗原試験の使用によって、前立腺癌のより早期の検出が可能になってきている。その結果、手術はより広範囲でなくなり、合併症がより少なくなる。大きい、高程度の腫瘍を持つ患者では、根治的前立腺切除術による治療が成功する可能性がより低い。 手術後、血清前立腺特異的抗原濃度が検出可能であるならば、癌が持続していることが示される。多くの場合、前立腺特異的抗原濃度は、放射線治療によって減少させることが可能である。しかし、この濃度はしばしば、2年以内に再度増加する。 放射線療法はまた、根治的前立腺切除術の代替法としても広く使用されてきている。一般的に、放射線療法で治療される患者は、より高齢で、そしてより健康でなく、そしてより高い程度で、より臨床的に進行した腫瘍を持つ患者である。特に好ましい処置は、放射領域が、治療する組織の容量に対して適合する(conform)ように設計される、三次元の原体照射法を伴う、外部光線療法;超音波誘導を用いて、放射性化合物の種を移植する、組織内照射療法;並びに外部光線療法および組織内照射療法の併用である。 局所的に進行した疾患を持つ患者の治療には、根治的前立腺切除術または放射線療法前のまたはその後のホルモン療法が利用されてきている。ホルモン療法は、前立腺癌が散在してしまった男性を治療する主な型である。睾丸摘除術は血清テストステロン濃度を減少させ、一方、エストロゲン治療が同様に有益である。エストロゲンに由来するジエチルスチルベストロールが別の有用なホルモン療法であるが、これは、心臓血管傷害性を引き起こす点が不都合である。ロイプロリド、ブセレリン、またはゴセレリンなどのLHRHアゴニスト、あるいはアバレリクスなどの性腺刺激ホルモン放出ホルモンアンタゴニストいずれかを投与すると、テストステロン濃度が最終的に減少する。フルタミドおよび他の非ステロイド性抗アンドロゲン剤は、テストステロンがその細胞内受容体に結合するのを遮断する。その結果、これは、テストステロンの影響を遮断しながら、血清テストステロン濃度を増加させ、そして患者の性的能力を保持するのを可能にする−性的能力は、根治的前立腺切除術および放射線治療後の重要な問題である。 現存する療法の欠点を考慮すると、前立腺癌などの癌を防止し、そして治療する、改善された様式に対する必要性が存在する。 (発明の概要) 本発明は、とりわけ、ヒト前立腺特異的膜抗原(prostate specific membrane antigen)(PSMA)の細胞外ドメインに結合する、抗体、および特に修飾抗体、またはその抗原結合断片を提供する。修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片は、既定の種、例えばヒトに対するその非修飾対応物と比較して、より低い免疫原性を与える。修飾抗PSMA抗体、またはその断片は、高い親和性および特異性でヒトPSMAに結合し、そしてしたがって、in vivoおよびin vitroで、診断剤、予防剤、または療法剤として使用可能である。したがって、本発明は、抗体、および特に修飾抗PSMA抗体、抗体断片、およびその薬剤組成物と共に、こうした抗体および断片を作成するための核酸、組換え発現ベクターおよび宿主細胞を提供する。in vitroまたはin vivoいずれかで、PSMAを検出するために、あるいはPSMA発現細胞、例えばPSMA発現癌細胞、前立腺細胞または血管細胞を除去するかまたは殺すために、本発明の抗体を使用する方法もまた、本発明に含まれる。好ましくは、修飾抗体は、J591、J415、J533またはE99抗体由来の1以上の相補性決定領域(CDR)を有するものである。本明細書に論じるように、修飾抗体は、CDR移植抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、またはより一般的には、非ヒト抗体、例えばマウスJ591、J415、J533またはE99抗体由来のCDR、およびヒトにおいて、より免疫原性でない、例えばマウスCDRが天然に存在するマウスフレームワークより抗原性でないとして選択されるフレームワークを有する抗体であることが可能である。 本発明の抗体、例えば修飾抗体は、高い親和性および特異性で、PSMA、好ましくはヒトPSMAと相互作用し、例えばPSMAに結合する。例えば、抗体は、少なくとも107M−1、好ましくは108M−1〜1010M−1の間、または約109M−1の親和性定数でヒトPSMAに結合する。好ましくは、抗体は、PSMAの細胞外ドメイン、そして最も好ましくはヒトPSMAの細胞外ドメイン(例えばヒトPSMAのアミノ酸44〜750)と相互作用し、例えば該ドメインに結合する。 いくつかの態様において、抗PSMA抗体は、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533抗体が結合するエピトープのすべてまたは一部と結合する。抗PSMA抗体は、ヒトPSMAに対する、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533抗体の結合を阻害可能であり、例えば競合的に阻害可能である。抗PSMA抗体は、エピトープ、例えばコンホメーション性エピトープまたは直鎖エピトープに結合可能であり、このエピトープは結合されると、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533抗体の結合を妨げる。該エピトープは、J591,E99,J415、またはJ533抗体に認識されるエピトープに、空間的に近接しているかまたは機能的に関連していることが可能であり、例えば直鎖配列またはコンホメーション性空間において、重複するエピトープまたは隣接するエピトープであることが可能である。 いくつかの態様において、抗PSMA抗体は、ヒトPSMAのほぼアミノ酸120〜500、好ましくは130〜450、より好ましくは134〜437、または153〜347の領域内に完全にまたは部分的に位置するエピトープに結合する。好ましくは、該エピトープには、少なくとも1つのグリコシル化部位、例えば少なくとも1つのN連結グリコシル化部位(例えばヒトPSMAのほぼアミノ酸190〜200、好ましくはほぼアミノ酸195に位置するアスパラギン残基)が含まれる。 ヒトPSMAは、正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞と共に、癌性細胞、例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、精巣、結腸、直腸、肺(例えば非小細胞肺癌)、乳房、肝臓、神経(例えば神経内分泌)、グリア(例えばグリア芽腫)、膵臓(例えば膵管)、黒色腫(例えば悪性黒色腫)、または軟組織肉腫の癌性細胞に近接した血管内皮細胞の表面上に発現される。ヒトPSMAの発現は、膜貫通ドメインを含むN末端ドメインの一部が欠けているスプライシング変異体、PSM’がより豊富である、非悪性前立腺細胞上で実質的により低い。膜貫通ドメインを含有するN末端領域が欠けているため、PSM’は、主に細胞質内にあり、そして細胞膜上に位置していない。本発明の抗体、例えば修飾抗体は、PSMAを発現する細胞の細胞表面に結合する。PSMAは、通常、細胞膜から細胞にリサイクルされる。したがって、本発明の抗体は、PSMA再循環過程を通じて、PSMAと共に内部に入り、それによって、抗体にコンジュゲート化した剤、例えば標識剤、細胞傷害性剤、またはウイルス粒子(例えば細胞傷害性剤、例えばアポトーシス促進因子をコードする遺伝子を含有するウイルス粒子)の搬送を可能にする。したがって、本明細書に記載する抗体、例えば修飾抗体を用いて、生存する正常、良性過形成および癌性の前立腺上皮細胞と共に、癌性細胞に近接する血管内皮細胞をターゲッティングすることが可能である。 抗体、例えば修飾抗体は、好ましくは、単一特異性、例えばモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片である。抗体、例えば修飾抗体は、全長であることが可能であり(例えばIgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA(例えばIgA1、IgA2)、IgD、およびIgE、しかし好ましくはIgG)、または抗原結合断片のみを含むことが可能である(例えばFab、F(ab’)2またはscFv断片、あるいは1以上のCDR)。抗体、またはその抗原結合断片は、2つの重鎖免疫グロブリンおよび2つの軽鎖免疫グロブリンを含むことが可能であるし、または一本鎖抗体であることが可能である。抗体は、場合によって、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロンまたはミュー定常部遺伝子から選択される定常部を含むことが可能である。好ましい抗PSMA抗体には、実質的にヒト抗体、例えばヒトIgG1定常部由来の重鎖および軽鎖の定常部、その一部、またはコンセンサス配列が含まれる。 好ましい態様において、抗体(またはその断片)は、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、またはin vitro生成抗体から選択される組換えまたは修飾抗PSMA抗体である。他の態様において、抗PSMA抗体は、ヒト抗体である。1つの態様において、本発明の修飾抗体は、脱免疫抗PSMA抗体、例えばE99、J415、J533またはJ591の脱免疫型(例えば、それぞれ、ATCC寄託番号HB−12101、HB−12109、HB−12127、およびHB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の脱免疫型)である。好ましくは、修飾抗体は、J591またはJ415の脱免疫型(本明細書において、それぞれ、「deJ591」または「deJ415」と称される)である。最も好ましくは、抗体はJ591の脱免疫型である。 抗PSMA抗体のいかなる組み合わせも本発明の範囲内であり、例えばPSMAの異なる領域に結合する2以上の抗体、例えばPSMAの細胞外ドメイン上の2つの異なるエピトープに結合する抗体がある。 いくつかの態様において、抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン(または好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリン)が含まれる。好ましくは、各免疫グロブリンには、それぞれ、非ヒト抗PSMA軽鎖または重鎖の可変部由来のCDRに実質的に同一の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有する、軽鎖または重鎖の可変部が含まれる。例えば、抗体またはその抗原結合断片は:マウスJ591の重鎖可変部(図1Aに示す配列番号1、2、および3を参照されたい);マウスJ591の軽鎖可変部(図1Bに示す配列番号4、5、および6を参照されたい);マウスJ415の重鎖可変部(図5に示す配列番号29、30、および31を参照されたい);マウスJ415の軽鎖可変部(図6に示す配列番号32、33、および34を参照されたい);マウスJ533の重鎖可変部(図9Aに示す配列番号93、94、および95を参照されたい);マウスJ533の軽鎖可変部(図10Aに示す配列番号96、97、および98を参照されたい);マウスE99の重鎖可変部(図11Aに示す配列番号99、100、および101を参照されたい);またはマウスE99の軽鎖可変部(図12Aに示す配列番号102、103、および104を参照されたい)に由来する、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。他の態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片は、ATCC寄託番号HB−12126を有する細胞株に産生される抗体、またATCC寄託番号PTA−3709を有する細胞株に産生される脱免疫J591抗体の軽鎖または重鎖の可変部由来の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。他の態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片は、ATCC寄託番号HB−12109を有する細胞株に産生される抗体、またはATCC寄託番号PTA−4174を有する細胞株に産生される脱免疫J415抗体の軽鎖または重鎖の可変部由来の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。さらに他の態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片は、ATCC寄託番号HB−12127を有する細胞株に産生される抗体、またはATCC寄託番号HB−12101を有する細胞株に産生される抗体の軽鎖または重鎖の可変部由来の、少なくとも1つ、2つ、そして好ましくは3つのCDRを有することが可能である。 1つの好ましい態様において、修飾抗体またはその抗原結合断片には、同一の非ヒト抗PSMA抗体、例えばマウスJ591、J415、J533またはE99抗体由来の6つのCDRすべてが含まれる。いくつかの態様において、CDRは、配列番号1、2、3、4、5および6(マウスJ591重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12126を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709を有する細胞株に産生される脱免疫J591抗体のCDRのアミノ酸配列、あるいはそれに実質的に同一の配列を有する。他の態様において、CDRは、配列番号29、30、31、32、33、および34(マウスJ415重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12109を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−4174を有する細胞株に産生される脱免疫J415抗体のCDRのアミノ酸配列、あるいはそれに実質的に同一の配列を有する。他の態様において、CDRは、配列番号93、94、95、96、97、および98(マウスJ533重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12127を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはそれに実質的に同一の配列を有する。さらに他の態様において、CDRは、配列番号99、100、101、102、103、および104(マウスE99重鎖および軽鎖のCDRに対応する)のアミノ酸配列、ATCC寄託番号HB−12101を有する細胞株に産生される抗体のCDRのアミノ酸配列、またはそれに実質的に同一の配列を有する。 抗体J591、J415,J533およびE99のCDRのアミノ酸配列を以下の表1に提供する。 表1:CDR配列 修飾抗PSMA抗体またはその抗原結合断片の軽鎖または重鎖の免疫グロブリンは、ヒトまたは非ヒト、例えばげっ歯類の抗体に存在する軽鎖または重鎖の可変フレームワーク(例えばマウスJ591、J415、J533またはE99抗体重鎖または軽鎖の可変フレームワーク)に由来する軽鎖または重鎖の可変フレームワーク配列をさらに含むことが可能である。いくつかの態様において、軽鎖または重鎖の可変フレームワークは以下から選択可能である: i.ヒト軽鎖または重鎖の可変フレームワーク由来の、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、または80アミノ酸残基、例えば成熟ヒト抗体、ヒト生殖系列抗体配列、またはヒトコンセンサス抗体配列由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク残基を含む、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク; ii.ヒト軽鎖または重鎖の可変フレームワーク由来の、少なくとも5であるが30未満のアミノ酸残基、例えば成熟ヒト抗体、ヒト生殖系列抗体配列、またはヒトコンセンサス抗体配列由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク残基を含む、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク; iii.非ヒト抗体、例えばマウス抗体(例えば、配列番号7または8(それぞれ、マウスJ591の重鎖および軽鎖由来;図1Aおよび1Bを参照されたい)、配列番号35または36(それぞれ、マウスJ415の重鎖および軽鎖由来;図5および6を参照されたい)、配列番号109または114(それぞれ、マウスJ533の重鎖および軽鎖由来;図9Aおよび10Aを参照されたい)、あるいは配列番号119または124(それぞれ、マウスE99の重鎖および軽鎖由来;図11Aおよび12Aを参照されたい)に示すフレームワーク・アミノ酸配列を有する抗PSMA抗体)由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク、あるいは本明細書に記載するマウス抗体(例えば、ATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される、マウスJ591、J415、J533、またはE99抗体)のフレームワーク由来の、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、75、またはそれ以上のアミノ酸残基を含む、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク; iv.非ヒト抗体、例えばマウス抗体(例えば、配列番号7または8(それぞれ、マウスJ591の重鎖および軽鎖由来;図1Aおよび1Bを参照されたい)、配列番号35または36(それぞれ、マウスJ415の重鎖および軽鎖由来;図5および6を参照されたい)、配列番号109または114(それぞれ、マウスJ533の重鎖および軽鎖由来;図9Aおよび10Aを参照されたい)、あるいは配列番号119または124(それぞれマウスE99の重鎖および軽鎖由来;図11Aおよび12Aを参照されたい)に示すフレームワーク・アミノ酸配列を有する抗PSMA抗体)の軽鎖または重鎖の可変部のフレームワークの配列、あるいは本明細書に記載するマウス抗体(例えば、ATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される、マウス抗体)のフレームワークと、少なくとも60%、65%、70%、72%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するか、あるいは、少なくとも1、2、5またはそれ以上の残基、但し10、20、30または40未満の残基が異なるアミノ酸配列を有する、軽鎖または重鎖の可変フレームワーク;あるいは v.少なくとも5つのアミノ酸置換を有する、非ヒト、例えばマウス、例えばJ591またはJ415軽鎖または重鎖の可変部フレームワーク。 いくつかの態様において、非ヒト抗PSMA抗体またはその抗原結合断片の軽鎖可変部は、配列番号13、14、15、および16(脱免疫J591軽鎖FR1〜4に対応する;図2Bを参照されたい)または配列番号41、42、43、および44(脱免疫J415軽鎖(J415DIVK5)FR1〜4に対応する;図6を参照されたい)から選択される、少なくとも1、2、3、そして好ましくは4アミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体由来の、少なくとも1つ、2つ、3つ、そして好ましくは4つの軽鎖フレームワーク領域を有する。他の態様において、非ヒト抗PSMA抗体またはその抗原結合部分の重鎖可変部は、配列番号9、10、11、および12(脱免疫J591重鎖FR1〜4に対応する;図2Aを参照されたい)または配列番号37、38、39、および40(脱免疫J415重鎖(J415DIVH4)FR1〜4に対応する;図5を参照されたい)から選択される、少なくとも1、2、3、そして好ましくは4アミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の、少なくとも1つ、2つ、3つ、そして好ましくは4つの重鎖フレームワーク領域を有する。他の態様において、重鎖または軽鎖のフレームワークは、それぞれ、配列番号17または配列番号18(脱免疫J591フレームワーク配列に対応する;図2A〜2Bを参照されたい)、それぞれ、配列番号45または配列番号46(脱免疫J415フレームワーク配列J415DIVH4およびJ415DIVK5に対応する;図5または6を参照されたい)、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖のフレームワーク配列と、少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する。さらに他の態様において、重鎖または軽鎖のフレームワークは、それぞれ配列番号17または配列番号18、それぞれ配列番号45または配列番号46のアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖のフレームワーク配列と、少なくとも1、2、5、またはそれ以上の残基、但し10、20、30、または40未満の残基が異なるアミノ酸配列を有する。好ましくは、重鎖または軽鎖のフレームワーク領域には、それぞれ配列番号17または配列番号18、それぞれ配列番号45または配列番号46に示すアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖のフレームワーク配列が含まれる。 他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖または軽鎖の可変部は、それぞれ、配列番号21または配列番号22(脱免疫J591の重鎖および軽鎖の可変部に対応する;図2A〜2Bを参照されたい)、それぞれ、配列番号49または配列番号50(脱免疫J415の重鎖および軽鎖の可変部、J415DIVH4およびJ415DIVK5に対応する;図5または6を参照されたい)、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖の可変部配列と、少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する。他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖または軽鎖の可変部は、それぞれ配列番号21または配列番号22、それぞれ配列番号49または配列番号50のアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖の可変部配列と、少なくとも1、2、5、またはそれ以上の残基、但し10、20、30、または40未満の残基が異なるアミノ酸配列を有する。好ましくは、軽鎖または重鎖の可変部には、それぞれ配列番号21または配列番号22、それぞれ配列番号49または配列番号50に示すアミノ酸配列、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の重鎖または軽鎖の可変部配列が含まれる。 好ましい修飾抗PSMA抗体には、それぞれ、配列番号21および配列番号22(脱免疫J591の重鎖および軽鎖の可変部に対応する;図2A〜2Bを参照されたい)、それぞれ、配列番号49および配列番号50(脱免疫J415の重鎖および軽鎖の可変部、J415DIVH4およびJ415DIVK5に対応する;図5および6を参照されたい)に示すアミノ酸配列を有する、少なくとも1つ、好ましくは2つの軽鎖可変部、および少なくとも1つ、好ましくは2つの重鎖可変部が含まれ、あるいはATCC寄託番号PTA−3709またはPTA−4174を有する細胞株に産生される抗体の、少なくとも1つ、好ましくは2つの修飾軽鎖可変部配列および少なくとも1つ、好ましくは2つの重鎖可変部配列が含まれる。 他の態様において、抗PSMA抗体の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、ヒト軽鎖または重鎖の可変フレームワーク、例えば成熟ヒト抗体、ヒト生殖系列抗体配列、またはコンセンサス抗体配列由来の軽鎖または重鎖の可変フレームワーク残基由来の、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、16、または17アミノ酸残基が含まれる。 いくつかの態様において、ヒト軽鎖可変フレームワーク由来のアミノ酸残基は、ヒト生殖系列抗体配列の同一の位に見られる残基と同一である。好ましくは、ヒト軽鎖可変フレームワーク由来のアミノ酸残基は、ヒト生殖系列抗体配列の同一の位での最も一般的な残基である。好ましくは、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基8、9、10、11、20、22、60、63、76、77、78、80、83、87、103、104および106(表2に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部(例えばマウスJ591軽鎖可変部)のフレームワークと異なるか、またはヒト軽鎖可変フレームワーク(例えばヒト生殖系列、成熟、またはコンセンサス・フレームワーク配列)に由来する、少なくとも1、2、3、5、7、10アミノ酸残基を有する。好ましくは、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基8(プロリン)、9(セリン)、10(セリン)、11(ロイシン)、20(スレオニン)、22(スレオニン)、60(セリン)、63(セリン)、76(セリン)、77(セリン)、78(ロイシン)、80(プロリン)、83(フェニルアラニン)、87(チロシン)、103(リジン)、104(バリン)および106(イソロイシン)(表2に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択されるヒト軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、5、7、または10アミノ酸残基を有する。 脱免疫J591軽鎖可変部中のアミノ酸置換を、以下の表2に提供する。左のパネルは、Kabat, E.A.ら(1991)上記にしたがったアミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。 表2 他の態様において、抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基13、15、19、41、63、68、および80(図6に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部(例えばマウスJ415軽鎖可変部)のフレームワークと異なるか、またはヒト軽鎖可変フレームワーク(例えばヒト生殖系列、成熟、またはコンセンサス・フレームワーク)に由来する、少なくとも1、2、3、5、または7アミノ酸残基を有する。好ましくは、修飾抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基13(アラニン)、15(アラニン)、19(メチオニン)、41(スレオニン)、63(セリン)、68(グリシン)、および80(アラニン)(図6に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択されるヒトコンセンサス軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、5、または7アミノ酸残基を有する。 脱免疫J415軽鎖可変部中のアミノ酸置換を、以下の表3に提供する。左のパネルは、直鎖番号付けを用いたアミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。 表3 他の態様において、抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、配列番号8(マウスJ591由来;図1Bを参照されたい)、配列番号36(マウスJ415由来;図6を参照されたい)、配列番号114(マウスJ533由来;図10Aを参照されたい)、または配列番号124(マウスE99由来;図12Aを参照されたい)に示す軽鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも5であるが、80を超えないアミノ酸残基が含まれる。好ましくは、軽鎖可変フレームワークは、非ヒト軽鎖可変フレームワーク、例えば、それぞれ配列番号8または配列番号36に示すマウスJ591またはJ415軽鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワークと、少なくとも60%、65%、70%、72%、75%、80%、85%、90%、または94%の同一性を有するか、あるいは少なくとも5、7、10、20、または30アミノ酸残基、但し10、20、30、または40未満のアミノ酸残基が異なる。他の態様において、軽鎖可変フレームワークは、マウスJ591抗体(配列番号8;図1Bを参照されたい)由来、マウスJ415抗体(配列番号36;図6を参照されたい)由来、マウスJ533抗体(配列番号114;図10Aを参照されたい)由来、またはマウスE99抗体(配列番号124;図12Aを参照されたい)由来であるか、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワークである。 さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも5、10、15、16、17、18、19、20、21、22、または23アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばマウス)軽鎖可変フレームワーク(例えば配列番号8に示すようなマウスJ591軽鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)が含まれる。1つの態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワークには: 少なくとも5、6、7、または8の置換を有する、フレームワーク領域1; 少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域2; 少なくとも5、6、7、8、または9の置換を有する、フレームワーク領域3;あるいは 少なくとも2、3または4の置換を有する、フレームワーク領域4の1以上が含まれる。 さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または10アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばマウス)軽鎖可変フレームワーク(例えば配列番号36に示すようなマウスJ415軽鎖可変フレームワーク、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)が含まれる。いくつかの態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワークには: 少なくとも1、2または3の置換を有する、フレームワーク領域1; 少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域2;あるいは 少なくとも1、2または3の置換を有する、フレームワーク領域3の1以上が含まれる。 置換は:非ヒト残基の保存的置換、あるいは同一の位で、ヒト生殖系列、成熟またはコンセンサス・フレームワーク配列に見られる残基、例えば同一の位のヒト生殖系列配列における最も一般的な残基から選択可能である。いくつかの態様において、軽鎖可変フレームワークは、少なくとも3、4、そして好ましくは5の保存的置換を有する。他の態様において、軽鎖可変フレームワークは、少なくとも5、7、10、15、16、または17アミノ酸残基置換を有し、ここで、置換アミノ酸残基は、同一の位のヒト生殖系列フレームワーク配列における、最も一般的な残基である。 いくつかの態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワークは:残基3、8、9、10、11、20、21、22、42、58、60、63、76、77、78、80、83、87、100、103、104および106(表2に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位で、少なくとも1、2、3、5、7、10、11、15、16、17、19、20、21または22アミノ酸置換を有する。置換は:残基3(グルタミン)、8(プロリン)、9(セリン)、10(セリン)11(ロイシン)、20(スレオニン)、21(ロイシン)、22(スレオニン)、42(プロリン)、58(イソロイシン)、60(セリン)、63(セリン)、76(セリン)、77(セリン)、78(ロイシン)、80(プロリン)、83(フェニルアラニン)、87(チロシン)、100(プロリン)、103(リジン)、104(バリン)および106(イソロイシン)(表2に示すようなKabat番号付け)の1以上から選択可能である。 他の態様において、非ヒト軽鎖可変フレームワークは:残基13、15、19、41、63、68および80(表3に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位で、少なくとも1、2、3、5、または7アミノ酸置換を有する。好ましくは、修飾抗体の軽鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基13(アラニン)、15(アラニン)、19(メチオニン)、41(スレオニン)、63(セリン)、68(グリシン)および80(アラニン)(表3に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、ヒトコンセンサス軽鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、5、7アミノ酸残基を有する。 好ましくは、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基5、40、41、44、82a、83、87、および108(表4に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部(例えばマウスJ591重鎖可変部)と異なるか、またはヒト重鎖可変フレームワーク(例えばヒト生殖系列フレームワーク)に由来する、少なくとも1、2、3、5、7、または8アミノ酸残基を有する。好ましくは、組換え抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基5(バリン)、40(アラニン)、41(プロリン)、44(グリシン)、82a(セリン)、83(アルギニン)、87(スレオニン)、または108(ロイシン)(表4に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択されるヒト重鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1アミノ酸残基を有する。 脱免疫J591重鎖可変部中のアミノ酸置換を、以下の表4に提供する。左のパネルは、Kabat, E.A.ら(1991)上記にしたがったアミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。 表4 他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基20、87、94、95、および112(表5に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部(例えばマウスJ415重鎖可変部)と異なるか、またはヒト重鎖可変フレームワーク(例えばヒト成熟、コンセンサス、または生殖系列フレームワーク)に由来する、少なくとも1、2、3、4、5アミノ酸残基を有する。好ましくは、組換え抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片は:残基20(イソロイシン)、87(セリン)、94(アラニン)、95(バリン)、および112(バリン)(表5に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択されるヒト重鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも1、2、3、4、5アミノ酸残基を有する。 脱免疫J415重鎖可変部中のアミノ酸置換を、以下の表5に提供する。左のパネルは、直鎖アミノ酸番号を示し;中央のパネルは、マウス配列中の残基の置換および対応するマウス残基を示し;そして右のパネルは、ヒト生殖系列における対応する位で、最も一般的な残基を示す。 表5 他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、配列番号7(マウスJ591由来;図1Aを参照されたい)、配列番号35(マウスJ415由来;図5を参照されたい)、配列番号109(マウスJ533由来;図9Aを参照されたい)、または配列番号119(マウスE99由来;図11Aを参照されたい)に示す重鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク由来の、少なくとも5であるが、75または82を超えないアミノ酸残基が含まれる。好ましくは、重鎖可変フレームワークは、非ヒト重鎖可変フレームワーク、例えば、それぞれ配列番号7または配列番号35に示すマウスJ591またはJ415重鎖可変フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワークと、少なくとも60%、65%、70%、80%、82%、85%、90%、または94%の同一性を有するか、あるいは少なくとも5、10、20、または30残基、但し10、20、30、または40未満の残基が異なる。他の態様において、非ヒト重鎖可変フレームワークは、マウスJ591抗体(配列番号7;図1Aを参照されたい)由来、マウスJ415抗体(配列番号35;図5を参照されたい)由来、マウスJ533抗体(配列番号109;図9Aを参照されたい)由来、またはマウスE99抗体(配列番号119;図11Aを参照されたい)由来であるか、あるいはATCC寄託番号HB−12126、HB−12109、HB−12127またはHB−12101を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワークである。 さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも3、5、10、15、16、17、18、または19アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばマウス)重鎖可変フレームワーク(例えばマウスJ591重鎖可変フレームワーク(図1Aに示すような配列番号7)、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)が含まれる。1つの態様において、修飾抗PSMA抗体の非ヒト重鎖可変フレームワークには: 少なくとも4、5、または6の置換を有する、フレームワーク領域1; 少なくとも1、2、または3の置換を有する、フレームワーク領域2; 少なくとも3、4、または5の置換を有する、フレームワーク領域3;あるいは 少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域4の1以上が含まれる。 さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖可変フレームワーク、またはその抗原結合断片には、少なくとも1、2、3、4、または5アミノ酸置換を有する、非ヒト(例えばマウス)重鎖可変フレームワーク(例えばマウスJ415重鎖可変フレームワーク(図5に示すような配列番号35)、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)が含まれる。1つの態様において、修飾抗PSMA抗体の非ヒト重鎖可変フレームワークには: 少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域1; 少なくとも1、2、または3の置換を有する、フレームワーク領域3;あるいは 少なくとも1つの置換を有する、フレームワーク領域4の1以上が含まれる。 置換は:非ヒト残基の保存的置換、あるいは同一の位で、ヒト生殖系列、成熟またはコンセンサス配列に見られる残基、例えば同一の位のヒト生殖系列における最も一般的な残基から選択可能である。1つの態様において、重鎖可変フレームワークは、少なくとも3、4、5、6、そして好ましくは7の保存的置換を有する。好ましくは、重鎖可変フレームワークは、同一の位で、ヒト生殖系列において、最も一般的な残基による、少なくとも5、6、7、そして好ましくは8の置換を有する。 いくつかの態様において、非ヒト重鎖可変フレームワークは:残基5、11、12、16、17、19、40、41、44、75、76、82a、83、87、および108(表3に示すようなKabat番号付け)からなる群より選択される位での、少なくとも1アミノ酸置換を有する。置換は:5(バリン)、11(バリン)、12(リジン)、16(アラニン)、17(スレオニン)、19(リジン)、40(アラニン)、41(プロリン)、44(グリシン)、75(スレオニン)、76(アスパラギン酸)、82a(セリン)、83(アルギニン)、87(スレオニン)、および108(ロイシン)(表4に示すようなKabat番号付け)の1以上から選択可能である。 他の態様において、非ヒト重鎖可変フレームワークは:残基20、87、94、95および112(表5に示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される位での、少なくとも1アミノ酸置換を有する。置換は:残基20(イソロイシン)、87(セリン)、94(アラニン)、95(バリン)、および112(バリン)(表5に示すような直鎖番号付け)の1以上から選択可能である。 抗体J591、J415、J533およびE99の軽鎖および重鎖領域のフレームワーク領域のアミノ酸配列を、以下の表6に提供する。 表6:フレームワーク配列 他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいは好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA軽鎖可変部(例えば、それぞれ配列番号20(図1Bを参照されたい)または配列番号48(図6を参照されたい)に示すマウスJ591またはJ415軽鎖可変部、あるいはATCC寄託番号HB−12126または12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに:残基3、8、9、10、11、20、21、22、42、58、60、63、76、77、78、80、83、87、100、103、104および106(表2におけるようなKabat番号付け)、または残基13、15、19、41、63、68、および80(表3におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、1、2、3、4、5、6、7またはそれ以上の位で、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA軽鎖フレームワーク(例えば、それぞれ配列番号8(図1Bを参照されたい)または配列番号36(図6を参照されたい)に示すマウスJ591またはJ415軽鎖フレームワーク、あるいはATCC寄託番号HB−12126または12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変フレームワーク)と異なる軽鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト軽鎖可変部が含まれる。 他の好ましい態様において、重鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA重鎖可変部(例えば、それぞれ配列番号19(図1Aを参照されたい)または配列番号47(図5を参照されたい)に示すマウスJ591またはJ415重鎖可変部、あるいはATCC寄託番号HB−12126またはHB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つの相補性決定領域(CDR)、並びに:残基5、11、12、16、17、19、40、41、44、75、76、82a、83、87、および108(表4におけるようなKabat番号付け)、または残基20、87、94、95および112(表5におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、1、2、3、4、5またはそれ以上の位で、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA重鎖フレームワーク(例えば、それぞれ配列番号7(図1Aを参照されたい)または配列番号35(図5を参照されたい)に示すマウスJ591またはJ415重鎖可変部、あるいはATCC寄託番号HB−12126または12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)と異なる修飾重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。 さらに他の態様において、修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号20(図1Bを参照されたい)に示すマウスJ591軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに: 残基1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基1〜13の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基8〜20の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基17〜29の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38または39の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基27〜39の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42または43の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基30〜43の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、または57の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基45〜57の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、または68の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基56〜68の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、または83の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基71〜83の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け); 残基73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84または85の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基73〜85の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け);および 残基94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、または106の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基94〜106の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Bにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個の位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばマウスJ591軽鎖可変部(配列番号20またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)のフレームワークとは異なる修飾軽鎖フレームワークを含んでなる、修飾非ヒト軽鎖可変部が含まれる。 さらに他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの修飾重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号48(図37)に示すマウスJ415軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに: 残基5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基5〜18の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基11〜24の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基13〜26の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基17〜30の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基27〜40の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基31〜44の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、または69の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基56〜69の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、または73の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基60〜73の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、または83の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基70〜83の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83または84の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基71〜84の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85または86の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基73〜86の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け); 残基76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、または92の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基76〜92の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け);および 残基81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、または94の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基81〜94の1以上を含むT細胞エピトープ(図6におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7個の位で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばマウスJ415軽鎖可変部(配列番号48またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)のフレームワークとは異なる軽鎖フレームワークを含んでなる、修飾非ヒト軽鎖可変部が含まれる。 他の態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号19(図1Aを参照されたい)に示すマウスJ591重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに: 残基2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基2〜14の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基10〜22の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基16〜28の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、または42の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基30〜42の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基32〜44の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基43〜55の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、または58の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基46〜58の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基58〜70の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73または74の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基62〜74の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80または81の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基70〜81の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、または93の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基81〜93の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、95、または96の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基84〜96の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け); 残基91、92、93、95、96、97、98、99、100、101、102、または103の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基91〜103の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け);および 残基100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、または112の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基100〜112の1以上を含むT細胞エピトープ(図3Aにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、5、7、10個の位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号19のマウスJ591重鎖可変部またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)のフレームワークとは異なる重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。 他の態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号47(図5を参照されたい)に示すマウスJ415重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに: 残基10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基10〜23の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基16〜29の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基21〜34の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、または43の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基30〜43の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基35〜48の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、または56の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基43〜56の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58または59の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基46〜59の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、または62の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基49〜62の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、または77の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基64〜77の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、または93の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基80〜93の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け); 残基86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基86〜99の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け);および 残基104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、または117の1つ以上の、範囲内または隣接する位、あるいは残基104〜117の1以上を含むT細胞エピトープ(図5におけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5個の位で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号47のマウスJ591重鎖可変部またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変フレームワーク)のフレームワークとは異なる重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。 さらに他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号20(図1B)に示すマウスJ591軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばマウスJ591軽鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1、2、4〜7、12〜19、23、31〜41、43〜49、57、59、61、62、64〜75、79、82、83、85〜87、89、98、99、101、102、105、および106(図3Bにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、5、7、10、15、または20残基で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部由来の残基を有する、軽鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト軽鎖可変部が含まれる。軽鎖フレームワークは、3、8、9、10、11、20、21、22、42、58、60、63、76、77、78、80、83、87、100、103、および104(図3Bにおけるような番号付け)からなる群より選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、19、20またはそれ以上の残基から選択される位で、異なることが可能である。 さらに他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1つの軽鎖または重鎖の免疫グロブリン、あるいはより好ましくは、少なくとも1つの軽鎖免疫グロブリンおよび少なくとも1つの重鎖免疫グロブリンが含まれる。好ましくは、修飾軽鎖免疫グロブリンには、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA軽鎖可変部(例えば配列番号48(図6)に示すマウスJ415軽鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA軽鎖可変部、例えばマウスJ415軽鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1〜12、14、16〜18、20〜40、42〜62、64〜67、69〜79、および81〜107(図6におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、5、7、10、15、または20残基で、非ヒト抗PSMA軽鎖可変部由来の残基を有する、軽鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト軽鎖可変部が含まれる。修飾軽鎖フレームワークは、13、15、19、41、63、68および80(図6におけるような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、または7位で、異なることが可能である。 他の態様において、修飾抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号19(図1A)に示すマウスJ591重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA重鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1〜4、6〜10、13〜15、18、20〜25、36〜39、42、43、45〜49、67〜75、78〜83、85、86、88〜90、92〜98、105〜109、および111〜115(図3Aにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14残基で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部由来の残基を有する、修飾重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。修飾重鎖フレームワークは、5、11〜12、16〜17、19、26〜35、40〜41、44、50〜66、76〜77、84、87、91、99〜104、および110(図3Aにおけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14位で、異なることが可能である。 他の態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には、非ヒト、例えばマウス、抗PSMA重鎖可変部(例えば配列番号47(図5)に示すマウスJ415重鎖可変部、またはATCC寄託番号HB−12109を有するハイブリドーマ細胞株に産生される抗体の重鎖可変部)由来の3つのCDR、並びに非ヒト抗PSMA重鎖可変部のフレームワークと、少なくとも1つの位で異なるが、1〜19、21〜86、88〜93、96〜111、および113〜116(図5におけるような番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、または5残基で、非ヒト抗PSMA重鎖可変部由来の残基を有する、重鎖フレームワークを含んでなる、非ヒト重鎖可変部が含まれる。重鎖フレームワークは、20、87、94、95および112(図5に示すような番号付け)からなる群より選択される位で、異なることが可能である。 さらに別の側面において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には下記残基:残基1(グルタミン酸)、2(バリン)、4(ロイシン)、7(セリン)、8(グリシン)、11(ロイシン)、14(プロリン)、15(グリシン)、19(リジン)、20(イソロイシン)、21(セリン)、22(システイン)、25(セリン)、26(グリシン)、28(スレオニン)、29(フェニルアラニン)、32(チロシン)、36(トリプトファン)、37(バリン)、38(アルギニン/リジン)、39(グルタミン)、41(プロリン)、43(リジン)、44(グリシン)、45(ロイシン)、46(グルタミン酸)、47(トリプトファン)、51(イソロイシン)、67(アルギニン/リジン)、73(アスパラギン酸)、75(セリン)、80(チロシン)、85(セリン)、86(ロイシン)、87(アルギニン)、89(グルタミン酸)、90(アスパラギン酸)、91(スレオニン)、92(アラニン)、93(バリン)、94(チロシン)、95(チロシン)96(システイン)、100(トリプトファン)、101(アスパラギン)、105(トリプトファン)、106(グリシン)、107(グルタミン)、108(グリシン)、109(スレオニン)、112(スレオニン)、113(バリン)、114(セリン)、または115(セリン)(図3Aに示すような直鎖番号付け)の1以上より選択され、そして該残基の1以上より選択される位に位置する、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸残基を含んでなる、重鎖可変部が含まれる。 1つの態様において、抗PSMA抗体の重鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には: 残基1(グルタミン酸)、2(バリン)、4(ロイシン)、7(セリン)、8(グリシン)、11(ロイシン)、14(プロリン)、15(グリシン)、19(リジン)、20(イソロイシン)、21(セリン)、22(システイン)、および25(セリン)(図3Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13アミノ酸を有する、フレームワーク領域1; 残基26(グリシン)、28(スレオニン)、29(フェニルアラニン)、および32(チロシン)(図3Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4アミノ酸を有する、CDR1; 残基36(トリプトファン)、37(バリン)、38(アルギニン/リジン)、39(グルタミン)、41(プロリン)、43(リジン)、44(グリシン)、45(ロイシン)、46(グルタミン酸)、および47(トリプトファン)(図3Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10アミノ酸を有する、フレームワーク領域2; 51位(図3Aに示すような直鎖番号付け)での少なくとも1つのイソロイシンを有する、CDR2; 残基67(アルギニン/リジン)、73(アスパラギン酸)、75(セリン)、80(チロシン)、85(セリン)、86(ロイシン)、87(アルギニン)、89(グルタミン酸)、90(アスパラギン酸)、91(スレオニン)、92(アラニン)、93(バリン)、94(チロシン)、95(チロシン)、および96(システイン)(図3Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14アミノ酸を有する、フレームワーク領域3; 残基100(トリプトファン)および101(アスパラギン)(図3Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2アミノ酸を有する、CDR3;または 残基105(トリプトファン)、106(グリシン)、107(グルタミン)、108(グリシン)、109(スレオニン)、112(スレオニン)、113(バリン)、114(セリン)、および115(セリン)(図3Aに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9アミノ酸を有する、フレームワーク領域4の1以上が含まれる。 さらに別の態様において、修飾抗PSMA抗体の軽鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には下記残基:残基2(イソロイシン)、4(メチオニン)、5(スレオニン)、6(グルタミン)、8(プロリン)、10(セリン)、12(セリン)、14(セリン)、16(グリシン)、17(グルタミン酸/アスパラギン酸)、18(アルギニン)、20(スレオニン)、21(ロイシン)、22(スレオニン)、23(システイン)、24(リジン)、25(アラニン)、26(セリン)、29(バリン)、30(グリシン)、31(スレオニン)、33(バリン)、35(トリプトファン)、36(チロシン)、37(グルタミン)、38(グルタミン)、39(リジン)、40(プロリン)、43(セリン)、44(プロリン)、45(リジン)、47(ロイシン)、48(イソロイシン)、49(チロシン)、51(アラニン)、52(セリン)、54(アルギニン)、56(スレオニン)、57(グリシン)、59(プロリン)、61(アルギニン)、62(フェニルアラニン)、63(セリン)、64(グリシン)、65(セリン)、66(グリシン)、67(セリン)、68(グリシン)、69(スレオニン)、70(アスパラギン酸)、71(フェニルアラニン)、73(ロイシン)、74(スレオニン)、75(スレオニン)、76(セリン)、77(セリン)、79(グルタミン)、81(グルタミン酸)、82(アスパラギン酸)、85(アスパラギン酸)、86(チロシン)、87(チロシン)、88(システイン)、90(グルタミン)、95(プロリン)、97(スレオニン)、98(フェニルアラニン)、99(グリシン)、101(グリシン)、102(スレオニン)、103(リジン)、105(グルタミン酸/アスパラギン酸)または107(リジン)(図3Bにおけるような直鎖番号付け)の1以上より選択され、そして該残基の1以上より選択される位に位置する、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、20、30、40、50、60、または70アミノ酸を含んでなる、軽鎖可変部が含まれる。 1つの態様において、抗PSMA抗体の軽鎖免疫グロブリン、またはその抗原結合断片には: 残基2(イソロイシン)、4(メチオニン)、5(スレオニン)、6(グルタミン)、8(プロリン)、10(セリン)、12(セリン)、14(セリン)、16(グリシン)、17(グルタミン酸/アスパラギン酸)、18(アルギニン)、20(スレオニン)、21(ロイシン)、22(スレオニン)、および23(システイン)(図3Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15アミノ酸を有する、フレームワーク領域1; 残基24(リジン)、25(アラニン)、26(セリン)、29(バリン)、30(グリシン)、31(スレオニン)、および33(バリン)(図3Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7アミノ酸を有する、CDR1; 残基35(トリプトファン)、36(チロシン)、37(グルタミン)、38(グルタミン)、39(リジン)、40(プロリン)、43(セリン)、44(プロリン)、45(リジン)、47(ロイシン)、48(イソロイシン)、および49(チロシン)(図3Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12アミノ酸を有する、フレームワーク領域2; 残基51(アラニン)、52(セリン)、54(アルギニン)、および56(スレオニン)(図3Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4アミノ酸を有する、CDR2; 残基59(プロリン)、61(アルギニン)、62(フェニルアラニン)、63(セリン)、64(グリシン)、65(セリン)、66(グリシン)、67(セリン)、68(グリシン)、69(スレオニン)、70(アスパラギン酸)、71(フェニルアラニン)、73(ロイシン)、74(スレオニン)、75(スレオニン)、76(セリン)、77(セリン)、79(グルタミン)、81(グルタミン酸)、82(アスパラギン酸)、85(アスパラギン酸)、86(チロシン)、87(チロシン)、および88(システイン)(図3Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、21、22、23、24アミノ酸を有する、フレームワーク領域3; 残基90(グルタミン)、95(プロリン)、97(スレオニン)、および98(フェニルアラニン)(図3Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4アミノ酸を有する、CDR3;または 残基99(グリシン)、101(グリシン)、102(スレオニン)、103(リジン)、105(グルタミン酸/アスパラギン酸)、および107(リジン)(図3Bに示すような直鎖番号付け)からなる群より選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6アミノ酸を有する、フレームワーク領域4の1以上が含まれる。 本明細書に記載する抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片は、単独で使用可能であり、例えば、非誘導体型または非コンジュゲート型で、被験者に投与可能であるし、またはin vitroで使用可能である。他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、誘導体化するか、または別の分子実体、典型的には標識もしくは療法(例えば細胞傷害性または細胞分裂抑制性)剤に連結することが可能である。分子実体は、例えば別のペプチド、タンパク質(例えば組換えウイルス粒子の例えばウイルスコートタンパク質を含む)、非ペプチド化学的化合物、同位体などであることが可能である。抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、例えば化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合、または別の方式で、1以上の他の分子実体に、機能可能であるように連結することが可能である。例えば、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、蛍光標識、生物学的活性酵素標識、放射性同位体(例えば放射性イオン)、核磁気共鳴活性標識、発光標識、または発色団などの標識にカップリングすることが可能である。他の態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、療法剤、例えば細胞傷害性部分、例えば療法薬剤、放射性同位体、植物、真菌、もしくは細菌起源の分子、または生物学的タンパク質(例えばタンパク質毒素)もしくは粒子(例えばウイルスコートタンパク質を介して、例えば組換えウイルス粒子に)、あるいはそれらの混合物にカップリングすることが可能である。療法剤は、細胞内で活性である薬剤または他の剤、例えば本明細書に記載するような、短距離高エネルギーα放射体(エミッター)を含む、短距離放射能放射体であることが可能である。いくつかの好ましい態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、植物または細菌起源の分子(またはその誘導体)、例えばメイタンシノイド(例えばメイタンシノールまたはDM1メイタンシノイド、図15を参照されたい)、タキサン、またはカリケアマイシンにカップリングすることが可能である。放射性同位体は、α、β、またはγ放射体、あるいはβおよびγ放射体であることが可能である。療法剤として有用な放射性同位体には、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、およびロジウム(188Rh)が含まれる。例えば診断剤で使用するための、標識として有用な放射性同位体には、ヨウ素(131Iまたは125I)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)、およびトリチウム(3H)、または上に列挙される療法的同位体の1つが含まれる。また抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、別の抗体に連結して、例えば二特異性または多特異性抗体を形成することが可能である。 別の側面において、本発明は、例えば共有結合によって、プロテオソーム阻害剤またはトポイソメラーゼ阻害剤にカップリングした抗PSMA抗体、例えば本明細書に記載する抗体を特徴とする。[(1R)−3−メチル−1−[[(2S)−1−オキソ−3−フェニル−2−[(3−メルカプトアセチル)アミノ]プロピル]アミノ]ブチル]ボロン酸が適切なプロテオソーム阻害剤である。N,N’−ビス[2−(9−メチルフェナジン−1−カルボキサミド)エチル]−1,2−エタンジアミンが適切なトポイソメラーゼ阻害剤である。 別の側面において、本発明は、薬剤的に許容しうるキャリアー、賦形剤または安定化剤、および少なくとも1つの抗PSMA抗体、例えば本明細書に記載する修飾抗PSMA抗体(またはその断片)を含む、組成物、例えば薬剤組成物を提供する。好ましい態様において、抗体を標識または療法剤にコンジュゲート化する。1つの態様において、組成物、例えば薬剤組成物は、前述の抗PSMA抗体の2以上の組み合わせを含んでなる。例えば、組成物、例えば薬剤組成物は、例えば、別の抗PSMA抗体、または別の腫瘍細胞関連抗原、例えばEGF受容体、Her−2/neuなどに対する抗体と組み合わせた、脱免疫J591抗体を含んでなる。抗PSMA抗体および薬剤、例えば療法剤(例えば細胞傷害性薬剤または細胞分裂抑制性薬剤、例えば、DM1、カリケアマイシン、またはタキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、または免疫調節剤、例えばIL−1、2、4、6、または12、インターフェロン・アルファまたはガンマ、あるいはGM−CSFなどの免疫細胞増殖因子)の組み合わせもまた、本発明の範囲内である。 本発明はまた、本明細書に記載する重鎖および軽鎖の免疫グロブリンをコードする核酸配列も特徴とする。例えば、本発明は、本明細書に記載するような修飾抗PSMA抗体分子の、それぞれ、修飾重鎖および軽鎖の可変部をコードする、第一の核酸および第二の核酸を特徴とする。別の側面において、本発明は、本発明の核酸を含有する宿主細胞およびベクターを特徴とする。 別の側面において、本発明は、抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を産生する方法を特徴とする。該方法は: 重鎖可変部、例えば本明細書に記載するような修飾重鎖可変部をコードする第一の核酸を提供し; 軽鎖可変部、例えば本明細書に記載するような修飾軽鎖可変部をコードする第二の核酸を提供し;そして 前記の第一の核酸および第二の核酸を、前記軽鎖および重鎖の可変部の発現および組み立てを可能にする条件下で、宿主細胞に導入することを含む。 第一の核酸および第二の核酸は、連結されることも、またはされないことも可能であり、例えば、それぞれ、同一のまたは異なるベクター上に発現されることが可能である。 宿主細胞は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、または原核細胞、例えば大腸菌(E. coli)であることが可能である。例えば、哺乳動物細胞は、培養細胞または細胞株であることが可能である。典型的な哺乳動物細胞には、リンパ球細胞株(例えばNS0)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、COS細胞、卵母細胞、およびトランスジェニック動物由来の細胞、例えば乳腺上皮細胞が含まれる。例えば、本明細書に記載する修飾抗体をコードする核酸を、トランスジェニック動物において発現することが可能である。1つの態様において、核酸は、組織特異的プロモーター(例えば乳腺特異的プロモーター)の制御下に置かれ、そしてトランスジェニック動物において、抗体が産生される。例えば、抗体分子は、トランスジェニックウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギまたはげっ歯類などのトランスジェニック動物のミルク中に分泌される。 本発明はまた、細胞、例えば前立腺細胞(例えば癌性または非癌性前立腺細胞、例えば正常、良性または過形成性前立腺上皮細胞)、または悪性非前立腺細胞、例えばPSMAを発現する血管系、軟組織腫瘍、もしくは転移性病変を有する非前立腺固形腫瘍に見られる細胞(例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、結腸、直腸、肺、乳房または肝臓の癌および/またはその転移に見られる細胞)を除去するかまたは殺す方法も特徴とする。本発明の方法には、該細胞、または近くの細胞、例えば該細胞に近接する血管内皮細胞を、該細胞を除去するかまたは殺すのに十分な量の、本明細書に記載するような抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体と接触させることが含まれる。あるいは、本明細書に記載するような抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体、好ましくは修飾抗PSMA抗体断片を、ウイルス粒子、例えばウイルス粒子のコートタンパク質にコンジュゲート化することが可能である。抗PSMA/ウイルス粒子コンジュゲートを用いて、細胞に感染し、そして例えばアポトーシス促進性遺伝子を発現させる遺伝子操作ウイルス粒子で、前立腺細胞、例えば癌性前立腺細胞をターゲッティングし、それによって、該細胞を殺すか、または細胞増殖を阻害することが可能である。 該方法は、例えばin vitroまたはex vivoで、培養中の細胞に使用可能である。例えば、前立腺細胞(例えば悪性または正常、良性または過形成性前立腺上皮細胞)または非前立腺癌性細胞または転移性細胞(例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、精巣、結腸、直腸、肺(例えば非小細胞肺癌)、乳房、肝臓、神経(例えば神経内分泌)、グリア(例えばグリア芽腫)、膵臓(例えば膵管)、黒色腫(例えば悪性黒色腫)、または軟組織肉腫の癌性細胞)を、培地中、in vitroで培養することが可能であり、そして接触工程は、修飾抗PSMA抗体またはその断片を培地に添加することによって、達成可能である。該方法は、in vivo(例えば療法または予防)プロトコルの一部として、被験者に存在する細胞(例えば前立腺細胞または非前立腺癌性細胞または転移性細胞)に対して行うことが可能である。 本発明の方法を用いて、障害、例えば前立腺障害(例えば癌性または非癌性前立腺障害、例えば良性または過形成性前立腺障害)、または非前立腺障害(例えば癌、例えば悪性癌)を治療するかまたは防止するのに有効な量で、被験者に、本明細書に記載する抗体、好ましくは修飾PSMA抗体、またはその抗原結合断片を投与することによって、こうした障害を例えば治療するかまたは防止することが可能である。特に好ましい抗体には、J591、J415、J533またはE99のいずれか由来のCDRを有する修飾抗体、そして特に、これらの抗体の脱免疫型、特にdeJ591またはdeJ415が含まれる。治療または防止可能な前立腺障害の例には、限定されるわけではないが、前立腺炎におけるような尿生殖器炎症(例えば平滑筋細胞の炎症);良性腫脹、例えば結節過形成(良性前立腺肥大または過形成);並びに前立腺および/または精巣腫瘍の癌、例えば腺癌または癌腫が含まれる。本明細書に開示する方法および組成物は、前立腺癌に関連する転移性病変を治療するのに特に有用である。いくつかの態様において、患者は、1以上の前立腺切除術、化学療法、または他の抗腫瘍療法を経験しているだろうし、そして主な標的または単一の標的は、転移性病変、例えば骨髄またはリンパ節の転移であろう。非前立腺癌性障害の例には、限定されるわけではないが、固形腫瘍、軟組織腫瘍、および特に転移性病変が含まれる。固形腫瘍の例には、肺、乳房、リンパ系、胃腸(例えば結腸)、生殖器および尿生殖路(例えば腎細胞、尿路上皮細胞、膀胱細胞)、咽頭、CNS(例えば神経細胞またはグリア細胞)、皮膚(例えば黒色腫)、および膵臓に影響を及ぼすものなどの多様な器官系の悪性腫瘍、例えば肉腫、腺腫、および癌腫と共に、大部分の結腸癌、直腸癌、腎細胞癌腫、肝臓癌、肺非小細胞癌、小腸の癌および食道の癌などの悪性腫瘍を含む、腺癌が含まれる。本明細書に開示される方法および組成物は、前述の癌に関連する転移性病変を治療するのに特に有用である。いくつかの態様において、患者は、組織の外科的除去、化学療法、または他の抗癌療法の1以上を経験しているだろうし、そして主な標的または単一の標的は、転移性病変、例えば骨髄またはリンパ節の転移であろう。 好ましい態様において、被験者を治療して、障害、例えば前立腺障害を防止する。被験者は、障害のリスクがあるもの、例えば障害に罹患した親類を有する被験者、例えば、該障害を有するかまたは有した、祖父母、親、おじまたはおば、兄弟姉妹、または子どもを持つ被験者、あるいは該障害のリスクと関連付けられる遺伝的特質を有する被験者であることが可能である。好ましい態様において、障害は前立腺障害(例えば癌性または非癌性前立腺障害、例えば良性または過形成性前立腺障害)または非前立腺障害(例えば癌、例えば悪性癌)であり、そして被験者は、該障害を有するかまたは有した、祖父、父、おじ、兄弟、または息子の1以上を有するか、あるいは該障害のリスクと関連付けられる遺伝的特質を有する。 被験者は、哺乳動物、例えば霊長類、好ましくはより高次の霊長類、例えばヒト(例えば本明細書に記載する障害、例えば前立腺または癌障害を有するかまたはそのリスクがある患者)であることが可能である。1つの態様において、被験者は、前立腺癌を有する患者(例えば再発性または転移性前立腺癌を患う患者)である。 修飾抗PSMA抗体またはその断片、例えば本明細書に記載するような修飾抗PSMA抗体またはその断片を、被験者に全身投与(例えば経口、非経口、皮下、静脈内、直腸、筋内、腹腔内、鼻内、経皮投与、または吸入もしくは腔内設置によって)、局所投与、あるいは鼻、咽頭および気管支などの粘膜に適用することによって投与することが可能である。 本発明の方法、例えば治療法または防止法は:腫瘍サイズ;前立腺癌患者の癌マーカーのレベル、例えばPSA、アルカリホスファターゼ、または血清ヘモグロビンのレベル;例えば骨スキャンにおける新たな病変の出現率;新たな疾患関連症状の出現;例えば減少したかまたは安定した、軟組織塊のサイズ;生活の質、例えば疾患に関連する痛み、例えば骨の痛みの量;または臨床的結果に関連する他のパラメーターいずれかの1以上の、例えば変化(例えば増加または減少)に関して、被験者を監視する工程をさらに含むことが可能である。被験者を、以下の期間:治療開始前;治療中;または治療の1以上の要素が投与された後の1以上に、監視することが可能である。監視を用いて、同一の修飾抗PSMA抗体またはその断片でのさらなる治療の必要性を、あるいはさらなる剤でのさらなる治療の必要性を、評価することが可能である。一般的に、上述の1以上のパラメーターの減少は、被験者の状態が改善していることの指標となるが、血清ヘモグロビンレベルでは、増加が、被験者の状態の改善と関連する可能性がある。 本発明の方法は、被験者由来の核酸またはタンパク質を解析する、例えば被験者の遺伝子型を解析する工程をさらに含むことが可能である。1つの態様において、ヒトPSMAおよび/またはヒトPSMAシグナル伝達の上流または下流構成要素(単数又は複数)、例えばヒトPSMAの細胞外または細胞内活性化因子または阻害剤をコードする核酸を解析する。該解析を用いて、例えば代替治療間、例えば特定の投薬量、搬送様式、搬送時間、補助療法の包含、例えば第二の剤と併用した投与の適切性を評価するか、または選択し、あるいは一般的に、被験者のありうる薬剤応答表現型または遺伝子型を決定することが可能である。核酸またはタンパク質は、治療のいかなる段階でも解析可能であるが、好ましくは修飾抗PSMA抗体またはその断片の投与前に解析して、それによって修飾抗PSMA抗体またはその断片の、被験者の予防的または療法的治療に適した投薬量(単数又は複数)および治療措置(単数又は複数)(例えば治療あたりの量または治療頻度)を決定することが可能である。 修飾抗PSMA抗体またはその断片を、単独で、非コンジュゲート化型で用いて、それによって、例えば補体仲介細胞溶解および/またはエフェクター細胞仲介殺細胞など、抗体に依存する殺細胞機構によって、PSMA発現前立腺細胞または癌性細胞を除去するかまたは殺すことが可能である。他の態様において、修飾抗PSMA抗体またはその断片を、物質、例えば細胞傷害性剤または部分、例えば療法薬剤、放射能放射化合物、植物、真菌、もしくは細菌起源の分子、または生物学的タンパク質(例えばタンパク質毒素)もしくは粒子(例えばウイルスコートタンパク質を介して、例えば組換えウイルス粒子に)に結合させることが可能である。例えば、修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、α、β、またはγ放射体、あるいはβおよびγ放射体などの放射性同位体にカップリングすることが可能である。放射性同位体の例には、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、またはビスマス(212Biまたは213Bi)が含まれる。あるいは、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、生物学的タンパク質、植物または細菌起源の分子(またはその誘導体)、例えばメイタンシノイド(例えばメイタンシノールまたはDM1)と共にタキサン(例えばタキソールまたはタキソテール)、またはカリケアマイシンにカップリングすることが可能である。メイタンシノイドは、例えば、メイタンシノールまたはメイタンシノール類似体であることが可能である。メイタンシノール類似体の例には、修飾芳香族環を有するもの(例えばC−19−デクロロ(decloro)、C−20−デメトキシ、C−20−アシルオキシ)、および他の位に修飾を有するもの(例えばC−9−CH、C−14−アルコキシメチル、C−14−ヒドロキシメチルまたはアセロキシ(aceloxy)メチル、C−15−ヒドロキシ/アシルオキシ、C−15−メトキシ、C−18−N−デメチル、4,5−デオキシ)が含まれる。メイタンシノールおよびメイタンシノール類似体は、例えば、米国特許第6,333,410号に記載され、該特許の内容は、本明細書に援用される。カリケアマイシンは、例えば、ブロモ複合体カリケアマイシン(例えばアルファ、ベータまたはガンマブロモ複合体)、ヨード複合体カリケアマイシン(例えばアルファ、ベータまたはガンマヨード複合体)、またはその類似体および模倣体(mimics)であることが可能である。ブロモ複合体カリケアマイシンには、α1−BR、α2−BR、α3−BR、α4−BR、β1−BR、β2−BRおよびγ1−BRが含まれる。ヨード複合体カリケアマイシンには、α1−I、α2−I、α3−I、β1−I、β2−I、δ1−Iおよびγ1−BRが含まれる。カリケアマイシン、並びにその突然変異体、類似体および模倣体は、例えば米国特許第4,970,198号、1990年11月13日発行、第5,264,586号、1993年11月23日発行、第5,550,246号、1996年8月27日発行、第5,712,374号、1998年1月27日発行、および第5,714,586号、1998年2月3日発行に記載され、これらの内容は本明細書に援用される。メイタンシノールを、例えばN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(N−スクシンイミジル4−(2−ピリジルジチオ)ペンタノエートまたはSPPとしても知られる)、4−スクシンイミジル−オキシカルボニル−a−(2−ピリジルジチオ)−トルエン(SMPT)、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)ブチレート(SDPB)、2−イミノチオレーン、またはS−アセチル無水コハク酸を用いて、抗体にカップリングさせることが可能である。 本発明の方法および組成物は、他の療法様式と併用可能である。1つの態様において、本発明の方法には、被験者に、修飾抗PSMA抗体またはその断片、例えば本明細書に記載するような修飾抗PSMA抗体またはその断片を、細胞傷害性剤と併用して、前記障害を治療するかまたは防止するのに有効な量で投与することが含まれる。抗体および細胞傷害性剤は、同時にまたは連続して投与可能である。他の態様において、本発明の方法および組成物は、外科的方法および/または放射線方法と併用する。さらに他の態様において、該方法は、免疫調節剤、例えばIL−1、2、4、6、または12、あるいはインターフェロン・アルファまたはガンマ、あるいはGM−CSFなどの免疫細胞増殖因子と併用可能である。 抗PSMA抗体と併用投与可能な典型的な細胞傷害性剤には、微小管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、挿入(intercalating)剤、シグナル伝達経路に干渉可能な剤、アポトーシスを促進する剤および放射線が含まれる。 前立腺障害、例えば前立腺癌の療法において、抗PSMA抗体は、現存する療法様式、例えば前立腺切除術(部分的または根治的)、放射線療法、ホルモン療法、アンドロゲン除去療法、および細胞傷害性化学療法と併用可能である。典型的には、ホルモン療法は、患者におけるアンドロゲンレベルを減少させるように働き、そして黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体またはアゴニスト(例えばリュープロン、ゾラデックス、ロイプロリド、ブセレリン、またはゴセレリン)と共にアンタゴニスト(例えばアバレリクス)を投与することを伴うことが可能である。非ステロイド性抗アンドロゲン、例えばフルタミド、ビカルタミド(bicaltimade)、またはニルタミドもまた、ホルモン療法に使用可能であり、これと共に、ステロイド性抗アンドロゲン(例えば酢酸シプロテロンまたは酢酸メゲストロール(megastrol))、エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール)、外科的去勢、PROSCARTM、二次または三次ホルモン操作(例えばコルチコステロイド(例えばヒドロコルチゾン、プレドニゾン、またはデキサメタゾン)、ケトコナゾール、および/またはアミノグルテチミドを伴う)、5a−レダクターゼ阻害剤(例えばフィナステリド(finisteride))、ハーブ剤(例えばPC−SPES)、下垂体摘出術、および副腎摘出術もまた使用可能である。さらに、ホルモン療法は、断続的に、または上記治療のいずれかとの併用を用いて、例えばロイプロリドおよびフルタミドを併用して、行うことが可能である。 修飾抗PSMAおよび他の療法様式のいかなる併用および順序も使用可能である。修飾抗PSMAおよび他の療法様式を、活性な障害の期間中に、あるいは寛解またはより低活性な疾患の期間中に、投与することが可能である。修飾抗PSMAおよび他の療法様式は、治療前、治療と同時、治療後、または障害の寛解中に、投与可能である。 別の側面において、in vitroで、試料(例えば生物学的試料、例えば血清、精液または尿、あるいは組織生検、例えば前立腺病変または癌性病変由来の組織生検)におけるPSMAタンパク質の存在を検出する方法を特徴とする。本方法を用いて、本明細書に記載する障害、例えば前立腺障害または癌性障害を評価する、例えば該障害を診断するかまたは病期決定することが可能である。該方法には:(i)試料(および場合によって、参照、例えば対照試料)を、本明細書に記載するような修飾抗PSMA抗体、またはその断片と、抗PSMA抗体およびPSMAタンパク質の相互作用が生じるのを可能にする条件下で接触させ;そして(ii)抗PSMA抗体、および試料(および場合によって、参照、例えば対照試料)の間の複合体の形成を検出することが含まれる。複合体の形成は、PSMAタンパク質の存在の指標となり、そして本明細書に記載する治療の適切性または該治療に対する必要性の指標となることが可能である。例えば、参照試料、例えば対照試料に比較した、試料中の複合体形成の統計的に有意な変化は、試料中のPSMAの存在の指標となる。いくつかの態様において、該方法は、1より多い抗PSMA抗体、例えばPSMA上の異なるエピトープに結合する2つの抗PSMA抗体の使用を含むことが可能である。例えば、該方法は、例えば実施例19に記載するように、ELISAアッセイを伴うことが可能である。 さらに別の側面において、本発明は、in vivoで(例えば被験者においてin vivoイメージングで)PSMAの存在を検出する方法を提供する。該方法を用いて、被験者、例えば哺乳動物、例えば霊長類、例えばヒトの、本明細書に記載する障害、例えば前立腺障害または癌性障害を評価する、例えば該障害を診断するかまたは病期決定することが可能である。該方法には:(i)被験者に、修飾抗PSMA抗体(またはその抗原結合断片)を、修飾抗PSMA抗体(またはその断片)およびPSMAタンパク質の相互作用が生じるのを可能にする条件下で投与し;そして(ii)抗体または断片およびPSMA間の複合体の形成を検出することが含まれる。参照、例えば対照被験者または被験者のベースラインに比較した、被験者における複合体形成の統計的に有意な変化は、PSMA存在の指標となる。 他の態様において、本明細書に記載するような障害(例えば前立腺障害または癌性障害)を診断するかまたは病期決定する方法を提供する。該方法には:(i)障害を有するかまたは障害を有するリスクがある被験者を同定し;(ii)障害に罹患した組織または細胞の試料を得て;(iii)前記試料または対照試料と、本明細書に記載するような抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体または断片を、結合剤およびPSMAタンパク質の相互作用が生じるのを可能にする条件下で接触させ;そして(iv)複合体の形成を検出することが含まれる。参照試料、例えば対照試料に比較した、抗体(またはその断片)間の複合体形成の統計的に有意な増加は、障害の指標となるかまたは障害の病期の指標となる。 好ましくは、in vivoおよびin vitro診断法で用いる、修飾抗PSMA抗体またはその断片は、検出可能な物質で、直接または間接的に標識されて、結合している結合剤または結合していない結合剤の検出を容易にする。適切な検出可能物質には、多様な生物学的活性酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、常磁性(例えば核磁気共鳴活性)物質、および放射性物質が含まれる。いくつかの態様において、修飾PSMA抗体またはその断片を放射性イオン、例えばインジウム(111In)、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、イオウ(35S)、炭素(14C)、トリチウム(3H)、ロジウム(188Rh)、テクネチウム(99mTc)、プラセオジム、またはリン(32P)とカップリングする。 別の側面において、本発明は、被験者、例えばヒト被験者に、放射性同位体にコンジュゲート化した抗PSMA抗体を投与する際に、異なる組織が曝露される用量、例えば放射線量を決定する方法を提供する。該方法には:(i)放射性同位体、例えば111Inで標識された、本明細書に記載するような抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体を、被験者に投与し;(ii)大部分の、例えば50%、80%、90%、95%またはそれ以上の放射性同位体が被験者の体から除去されるまでの多様な時点で、異なる組織、例えば前立腺、肝臓、腎臓、または血液に位置する放射性同位体の量を測定し;そして(iii)解析した各組織が受け取った放射線の総線量を計算することが含まれる。いくつかの態様において、測定は、被験者への放射性標識抗PSMA抗体投与(第0日)後、スケジュールされた時点、例えば第1日、第2日、第3日、第5日、第7日、および第12日に行う。いくつかの態様において、1つの放射性同位体、例えばガンマ放射体、例えば111Inに関して、組織が受け取る放射線量を用いて、同一組織が、異なる放射性同位体、例えばベータ放射体、例えば90Yから受け取るであろう、期待される線量を計算することが可能である。 別の側面において、本発明は、前立腺疾患、例えば良性前立腺過形成もしくは前立腺癌、または非前立腺癌、例えばPSMAを発現する血管系を有する癌(例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、精巣、結腸、直腸、肺(例えば非小細胞肺癌)、乳房、肝臓、神経(例えば神経内分泌)、グリア(例えばグリア芽腫)、または膵臓(例えば膵管)の癌、黒色腫(例えば悪性黒色腫)、または軟組織肉腫)を有するか、または該疾患と診断された被験者が経験する痛みを治療する、例えば痛みを減少させる方法を特徴とする。該方法には、本明細書に記載するような抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体を、前立腺疾患または非前立腺癌と関連する痛みを治療する、例えば減少させるのに十分な量で、被験者に投与することが含まれる。いくつかの態様において、被験者は、例えば血清PSAレベルの上昇および痛みの感覚以外には、前立腺疾患または非前立腺癌の徴候を持たない可能性がある。痛みは、骨の痛みと共に、腫脹する前立腺のための閉塞性排尿症状、例えば排尿躊躇または尿流減少、頻尿または夜間多尿に関連する痛みであることが可能である。本発明の修飾抗PSMA抗体を用いた痛みの治療は、鎮痛薬、例えば麻薬の必要性を減少させるか、または劇的に低下させるか、または除去することさえ可能である。さらに、痛みを減少させることによって、治療法は、動きに関連する痛みの結果、機能不全となっていた、例えば肢の移動度を回復することが可能である。 いくつかの態様において、前立腺疾患または非前立腺癌と関連する痛みを治療する、例えば減少させるのに十分な量で、非コンジュゲート型で、修飾抗PSMA抗体を投与する。他の態様において、修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、本明細書に記載するように、誘導体型で、例えば別の機能する分子と連結させて、投与する。 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項から、より明らかになるであろう。 (発明の詳細な説明) 本発明は、とりわけ、ヒト前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに対する抗体、例えば修飾抗体、またはその抗原結合断片を提供する。修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片は、既定の種、例えばヒトに対するその非修飾対応物と比較して、より低い免疫原性を与えられている。ヒトPSMAは、正常、良性過形成性上皮細胞(例えば良性前立腺分泌腺房上皮)、および癌性前立腺上皮細胞(例えば前立腺上皮内異常増殖および前立腺腺癌)と共に、癌性細胞、例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、精巣、結腸、直腸、肺(例えば非小細胞肺癌)、乳房、肝臓、神経(例えば神経内分泌)、グリア(例えばグリア芽腫)、膵臓(例えば膵管)、黒色腫(例えば悪性黒色腫)、または軟組織肉腫の癌性細胞に近接した血管内皮細胞の表面上に発現される。本発明の抗体、例えば修飾抗体は、PSMAを発現する細胞の細胞表面に結合する。PSMAは、通常、細胞膜から細胞にリサイクルされる。したがって、本発明の抗体は、PSMA再循環過程を通じて、PSMAと共に内部に入り、それによって、抗体にコンジュゲート化した剤、例えば標識剤、細胞傷害性剤、またはウイルス粒子(例えば細胞傷害性剤、例えばアポトーシス促進因子をコードする遺伝子を含有するウイルス粒子)の搬送(delivery)を可能にする。 本発明をより容易に理解可能にするため、まず特定の用語を定義する。詳細な説明を通じて、さらなる定義を示す。 本明細書において、「PSMA」または「前立腺特異的膜抗原」タンパク質は、哺乳動物PSMA、好ましくはヒトPSMAタンパク質を指す。ヒトPSMAには、その内容が本明細書に援用される、Israeliら (1993) Cancer Res. 53:227−230;Suら (1995) Cancer Res. 55:1441−1443;US 5,538,866、US 5,935,818、およびWO 97/35616に開示されるPSMA cDNAの2つの選択的スプライシングmRNA変異体(それぞれ約2,653ヌクレオチドおよび約2,387ヌクレオチドを含有する)にコードされる2つのタンパク質産物、PSMAおよびPSM’が含まれる。PSMAの長い転写物は、トランスフェリン受容体と配列相同性を有し、そしてNAALADアーゼ活性を有する、II型膜貫通受容体として性質決定される、約100〜120kDa分子量のタンパク質産物をコードする(Carterら (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:749−753)。したがって、用語「ヒトPSMA」は、Israeliら (1993) Cancer Res. 53:227−230;Suら (1995) Cancer Res. 55:1441−1443;US 5,538,866、US 5,935,818、およびWO 97/35616に示されるようなアミノ酸配列を有するかまたは該アミノ酸配列に相同である(例えば少なくとも約85%、90%、95%同一である)か;あるいは(a)天然存在(自然発生)ヒトPSMA核酸配列(例えばIsraeliら (1993) Cancer Res. 53:227−230またはUS 5,538,866);(b)天然存在ヒトPSMA配列に縮重した核酸配列;(c)天然存在ヒトPSMA核酸配列に相同な(例えば少なくとも約85%、90%、95%同一の)核酸配列;または(d)ストリンジェントな条件下、例えば非常にストリンジェントな条件下で、前述の核酸配列の1つにハイブリダイズする核酸配列にコードされる、少なくとも2つのタンパク質産物、ヒトPSMAおよびPSM’を指す。 「抗PSMA抗体」は、PSMA、好ましくはヒトPSMAタンパク質と相互作用する(例えば結合する)抗体である。好ましくは、抗PSMA抗体は、PSMAの細胞外ドメイン、例えばヒトPSMAのほぼアミノ酸44〜750(アミノ酸残基は、US 5,538,866に開示されるヒトPSMA配列に対応する)に位置するヒトPSMAの細胞外ドメインと相互作用し、例えば結合する。1つの態様において、抗PSMA抗体は、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533のエピトープのすべてまたは一部と結合する。抗PSMA抗体は、ヒトPSMAに対する、本明細書に記載する抗体、例えばJ591、E99、J415、およびJ533の結合を阻害する、例えば競合的に阻害することが可能である。抗PSMA抗体は、エピトープ、例えばコンホメーション性または直鎖エピトープに結合することが可能であり、これらのエピトープは結合されると、本明細書に記載する抗体、J591、E99、J415、およびJ533の結合を妨げる。該エピトープは、J591、E99、J415、またはJ533抗体に認識されるエピトープに対して、空間的にごく近接していることが可能であるし、または機能的に関連することが可能であり、例えば、直鎖配列中で、またはコンホメーション的に重複するエピトープまたは隣接するエピトープであることが可能である。1つの態様において、抗PSMA抗体は、ヒトPSMAのほぼアミノ酸120〜500、好ましくは130〜450、より好ましくは134〜437、または153〜347の領域内に完全にまたは部分的に位置するエピトープに結合する(アミノ酸残基は、US 5,538,866に開示されるヒトPSMA配列に対応する)。好ましくは、該エピトープには、少なくとも1つのグリコシル化部位、例えば少なくとも1つのN連結グリコシル化部位(例えばヒトPSMAのほぼアミノ酸190〜200、好ましくはほぼアミノ酸195に位置するアスパラギン残基;アミノ酸残基は、US 5,538,866に開示されるヒトPSMA配列に対応する)が含まれる。 本明細書に記載する抗PSMA抗体、例えばマウスおよび修飾抗PSMA抗体を産生する細胞株が、ATCCに寄託されている。抗PSMA抗体各々を産生する細胞株のATCC命名を表7に列挙する。 表7 好ましい態様において、相互作用、例えば結合は、高い親和性(例えば少なくとも107M−1、好ましくは108M−1〜1010M−1の間、または約109M−1の親和性定数)および特異性で生じる。好ましくは、抗PSMA抗体は、細胞、例えばPSMA発現細胞(例えば前立腺細胞または癌性細胞)を処理し、例えば除去するかまたは殺す。抗PSMA抗体が細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺す機構は、本発明の実施に重要でない。1つの態様において、抗PSMA抗体は、該細胞および/または該細胞に近接する血管内皮細胞において発現されるPSMAに結合し、そしてPSMAと共に内部移行することが可能である。これらの態様において、抗PSMA抗体を用いて、第二の部分、例えば標識剤、標識剤、またはウイルス性剤を該細胞にターゲッティングすることが可能である。他の態様において、抗PSMA抗体は、PSMAの細胞外ドメインへの結合に際して、該細胞および/または該細胞に近接する血管内皮細胞の、宿主が仲介する殺傷、例えば補体またはADCCが仲介する殺傷を仲介可能である。該細胞は、抗PSMA抗体が該細胞または該細胞に近接する血管内皮細胞に直接結合することによって、該抗体に直接殺されることが可能である。あるいは、抗PSMA抗体は、近接する細胞への血流が減少し、それによって該細胞が殺されるかまたは除去されるように、抗PSMA抗体が結合する血管内皮細胞を処理して、例えば殺すかまたは除去して、あるいは別の方式で、該血管内皮細胞の特性を変化させることが可能である。抗PSMA抗体の例には、例えば単一特異性抗体、モノクローナル(例えばヒト)抗体、組換え抗体または修飾抗体、例えばキメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、およびin vitro生成抗PSMA抗体が含まれる。 本明細書において、用語「処理する」または「処理」は、被験者、例えば患者への抗PSMA抗体またはその抗原結合断片の適用または投与、あるいは被験者、例えば患者由来の、患者に戻される、単離組織または細胞への適用または投与と定義される。抗PSMA抗体またはその抗原結合断片は、単独で、または第二の剤と併用して投与可能である。被験者は、障害(例えば本明細書に記載するような障害)、障害の症状または障害に対する素因を有する患者であることが可能である。治療(treatment)は、障害、障害の症状または障害に対する素因を治癒(cure)、回復(heal)、軽減(alleviate)、免荷(relieve)、改変(alter)、修復(remedy)、改良(ameliorate)、緩和(palliate)、改善(improve)するかまたはこれらに影響を及ぼすことでありうる。理論に縛られることを望むのではなく、治療は、in vitroまたはin vivoで、細胞の阻害、除去、または殺傷を引き起こすか、あるいは別の方式で、細胞、例えば異常な細胞が、障害、例えば本明細書に記載する障害(例えば癌または前立腺障害)を仲介する能力を減少させると考えられる。 本明細書において、障害を治療するのに有効な抗PSMA抗体の量、または「療法的有効量」は、被験者への単回用量または多数回用量投与に際して、細胞、例えば前立腺細胞または癌細胞(例えばPSMA発現前立腺細胞または癌細胞、あるいはそれに近接する血管細胞)を治療するのに有効な、あるいはこうした治療の非存在下で期待されるものを超えて、本明細書に記載するような障害を持つ被験者の治癒、軽減、免荷または改善を延長するのに有効な、抗体の量を指す。本明細書において、腫瘍の「増殖を阻害する」は、その増殖および転移を遅延するか、中断するか、抑止するかまたは停止することを指し、そして必ずしも、腫瘍性増殖の完全な除去を示さない。 本明細書において、障害を防止するのに有効な抗PSMA抗体の量、または抗体の「予防的有効量」は、被験者への単回用量または多数回用量投与に際して、障害、例えば本明細書に記載するような癌または前立腺障害の開始または再発の発生を防止するかまたは遅延させるのに有効な、あるいはその症状を治療するのに有効な、抗PSMA抗体、例えば本明細書に記載するような抗PSMA抗体の量を指す。 用語「誘導する」、「阻害する」、「増強する」、「上昇させる」、「増加させる」、「減少させる」または例えば2つの状態間の定量的な相違を示す同様のものは、2つの状態間の相違、例えば統計的にまたは臨床的に有意な相違を指す。例えば、「PSMAを発現する過剰増殖細胞の増殖を阻害するのに有効な量」は、細胞の増殖速度が、未処理細胞とは異なる、例えば統計的に異なるであろうことを意味する。 本明細書において、「特異的結合」は、抗体が:(1)PSMA、例えばヒトPSMAタンパク質に、少なくとも1x107M−1の親和性で結合する特性、および(2)PSMA、例えばヒトPSMAタンパク質に、PSMA以外の非特異的抗原(例えばBSA、カゼイン)に結合する親和性より、少なくとも2倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上の親和性で優先的に結合する特性を指す。 本明細書において、用語「抗体」は、少なくとも1つ、そして好ましくは2つの重(H)鎖可変部(本明細書においてVHという形に省略する)、および少なくとも1つ、そして好ましくは2つの軽(L)鎖可変部(本明細書においてVLという形に省略する)を含んでなるタンパク質を指す。VHおよびVL領域は、さらに、「フレームワーク領域」(FR)と称される、より保存された領域が点在する、「相補性決定領域」(「CDR」)と称される超可変部に細分されることが可能である。フレームワーク領域およびCDRの範囲は正確に定義されている(本明細書に援用される、Kabat, E.A.ら (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242、およびChothia, C.ら (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917を参照されたい)。好ましくは、各VHおよびVLは、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で、アミノ末端からカルボキシ末端に配置される、3つのCDRおよび4つのFRで構成される。 抗体のVHまたはVL鎖には、重鎖または軽鎖の定常部のすべてまたは一部がさらに含まれることが可能である。1つの態様において、抗体は、2つの重鎖免疫グロブリンおよび2つの軽鎖免疫グロブリンの4量体であり、ここで重鎖および軽鎖の免疫グロブリンは、例えばジスルフィド結合によって、相互連結されている。重鎖定常部は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3で構成される。軽鎖定常部は、1つのドメイン、CLで構成される。重鎖および軽鎖の可変部は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常部は、典型的には、免疫系の多様な細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的補体系の第一の構成要素(Clq)を含む、宿主組織または因子への抗体の結合を仲介する。用語「抗体」には、IgA、IgG、IgE、IgD、IgM型(と共にそのサブタイプ)の損なわれていない(intact)免疫グロブリンが含まれ、該免疫グロブリンの軽鎖は、カッパまたはラムダ型のものであることが可能である。 本明細書において、用語「免疫グロブリン」は、免疫グロブリン遺伝子に実質的にコードされる、1以上のポリペプチドからなるタンパク質を指す。認識されるヒト免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ(IgA1およびIgA2)、ガンマ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、デルタ、イプシロンおよびミュー定常部遺伝子と共に、無数の免疫グロブリン可変部遺伝子が含まれる。全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25kDまたは214アミノ酸)は、NH2末端の可変部遺伝子(約110アミノ酸)およびCOOH末端のカッパまたはラムダ定常部遺伝子にコードされる。全長免疫グロブリン「重鎖」(約50kDまたは446アミノ酸)は、同様に、可変部遺伝子(約116アミノ酸)および他の前述の定常部遺伝子の1つ、例えばガンマ(約330アミノ酸をコードする)にコードされる。用語「免疫グロブリン」には:非ヒト供給源由来、例えば非ヒト抗体由来、例えばマウス免疫グロブリンまたは別の非ヒト免疫グロブリン由来、コンセンサス配列由来、あるいはファージディスプレーまたは多様性を生成する他の方法いずれかに生成される配列由来のCDRを有し;そして非ヒトフレームワークより、ヒトにおいて、より抗原性でない、例えば非ヒト免疫グロブリン由来のCDRの場合、該非ヒトCDRを得た非ヒトフレームワークより抗原性でないフレームワークを有する、免疫グロブリンが含まれる。免疫グロブリンのフレームワークは、ヒトフレームワーク、ヒトにおいて抗原性を減少させるよう修飾したヒト化非ヒトフレームワーク、例えばマウスフレームワーク、または合成フレームワーク、例えばコンセンサス配列であることが可能である。これらは、本明細書において、ときに、修飾免疫グロブリンと称される。修飾抗体、またはその抗原結合断片には、少なくとも1、2、3または4の修飾免疫グロブリン鎖、例えば少なくとも1または2の修飾免疫グロブリン軽鎖および/または少なくとも1または2の修飾重鎖が含まれる。1つの態様において、修飾抗体は、2つの修飾重鎖免疫グロブリンおよび2つの修飾軽鎖免疫グロブリンの4量体である。 本明細書において、「アイソタイプ」は、重鎖定常部遺伝子にコードされる抗体の種類(例えばIgMまたはIgG1)を指す。 用語、抗体の「抗原結合断片」(または単に「抗体部分」または「断片」)は、本明細書において、PSMA(例えばヒトPSMA)に特異的に結合する抗体部分、例えば1以上の免疫グロブリン鎖が全長でないが、PSMA(例えばヒトPSMAタンパク質)に特異的に結合する分子を指す。用語、抗体の「抗原結合断片」内に含まれる結合断片の例には(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でのジスルフィド架橋によって連結される2つのFab断片を含んでなる二価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら, (1989) Nature 341:544−546);および(vi)特異的に結合するのに十分なフレームワークを有する、単離相補性決定領域(CDR)、例えば可変部の抗原結合部分が含まれる。軽鎖可変部の抗原結合部分および重鎖可変部の抗原結合部分、例えばFv断片の2つのドメイン、VLおよびVHを、組換え法を用いて、単一タンパク質鎖として作成可能にする合成リンカーによって、連結することが可能であり、ここで、VLおよびVH領域は対形成して、一価分子を形成する(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えばBirdら (1988) Science 242:423−426;およびHustonら (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照されたい)。こうした一本鎖抗体もまた、用語、抗体の「抗原結合断片」内に含まれると意図される。当業者に知られる慣用的技術を用いて、これらの抗体断片を得て、そして損なわれていない抗体と同一の方式で、有用性に関して、該断片をスクリーニングする。 用語「単一特異性抗体」は、特定の標的、例えばエピトープに単一の結合特異性および親和性を示す抗体を指す。この用語には、「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」が含まれ、これらは、本明細書において、単一の分子組成の抗体またはその断片の調製物を指す。 用語「組換え」抗体は、本明細書において、例えば、宿主細胞にトランスフェクションされた組換え発現ベクターを用いて発現される抗体、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離される抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子に関してトランスジェニックである動物(例えばマウス)から単離される抗体、あるいはヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを伴う、他の手段いずれかによって調製されるか、発現されるか、生成されるか、または単離される抗体のような、組換え手段によって、調製されるか、発現されるか、生成されるか、または単離される抗体を指す。こうした組換え抗体には、ヒト化抗体、CDR移植抗体、キメラ抗体、脱免疫抗体、in vitro生成(例えばファージディスプレーによる)抗体が含まれ、そして場合によって、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する定常部が含まれることが可能である。 本明細書において、用語「実質的に同一」(または「実質的に相同」)は、第一および第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列が、類似の活性を有するように、第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列に対して、十分な数の同一または同等の(例えば類似の側鎖、例えば保存的アミノ酸置換によって)アミノ酸残基またはヌクレオチドを含有する、第一のアミノ酸またはヌクレオチド配列を指す。抗体の場合、第二の抗体は、第一の抗体と同一の特異性を有し、そして第一の抗体の少なくとも50%の親和性を有する。 2つの配列間の「相同性」の計算は、以下のように行うことが可能である。最適比較目的で、配列を並列させる(例えば最適並列のため、第一および第二のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入可能であり、そして比較目的のため、非相同配列を無視することが可能である)。好ましい態様において、比較目的のために並列される参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、そしてさらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。その後、対応するアミノ酸位またはヌクレオチド位でのアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列の位が、第二の配列において対応する位と同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められている場合、該分子はその位で同一である(本明細書において、アミノ酸または核酸「同一性」は、アミノ酸または核酸「相同性」と同等である)。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適な並列のために導入する必要がある、ギャップの数および各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有される同一の位の数の関数である。 配列の比較および2つの配列間の相同性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成可能である。好ましい態様において、2つのアミノ酸配列間の相同性パーセントは、Blossum62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか、および16、14、12、10、8、6、または4のギャップ荷重および1、2、3、4、5、または6の長さ荷重を用いて、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに取り込まれている、NeedlemanおよびWunsch (1970), J. Mol. Biol. 48:444−453のアルゴリズムを用いて決定される。さらに別の好ましい態様において、2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントは、NWSgapdna.CMPマトリックスおよび40、50、60、70、または80のギャップ荷重、および1、2、3、4、5、または6の長さ加重を用いて、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを用いて決定される。パラメーターの特に好ましい組(および分子が本発明の相同性限界内にあるかどうか決定するのに、どのパラメーターを適用すべきか、実施者がはっきりと知らない場合に使用すべきもの)は、12のギャップペナルティおよび4のギャップ伸長ペナルティ、および5のフレームシフトギャップペナルティを伴うBlossum62スコアリングマトリックスである。 本明細書において、用語「低ストリンジェンシー、中程度のストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または非常に高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする」は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を記載する。ハイブリダイゼーション反応を行う手引きは、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y.(1989), 6.3.1−6.3.6に見出すことが可能であり、該文献は本明細書に援用される。水性および非水性法がこの参考文献に記載され、そしてどちらも使用可能である。本明細書で称する特異的ハイブリダイゼーション条件は以下のとおりである:1)約45℃の6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、その後、少なくとも50℃の0.2xSSC、0.1%SDS中の2回の洗浄(洗浄温度は、低ストリンジェンシー条件では、55℃に増加させることが可能である)の低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件;2)約45℃の6xSSC中、その後、60℃の0.2xSSC、0.1%SDS中の1回以上の洗浄の中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件;3)約45℃の6xSSC中、その後、65℃の0.2xSSC、0.1%SDS中の1回以上の洗浄の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件;および好ましくは4)非常に高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、約65℃の0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS、その後、65℃の0.2xSSC、1%SDS中の1回以上の洗浄である。非常に高いストリンジェンシーの条件(4)が好ましい条件であり、そして別に明記されない限り、使用すべき条件である。 本発明の抗体およびその抗原結合断片が、ポリペプチド機能に実質的な影響を持たない、さらなる保存的または非本質的アミノ酸置換を有することが可能であると理解される。特定の置換が許容されうるかどうか、すなわち結合活性などの望ましい生物学的特性に不都合に影響を及ぼさないかどうかは、Bowie, JUら (1990) Science 247:1306−1310に記載されるように決定可能である。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基と交換されるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えばアスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。 「非本質的」アミノ酸残基は、生物学的活性を無効にすることなく、またはより好ましくは該活性を実質的に改変することなく、結合剤、例えば抗体の野生型配列から改変可能な残基であり、一方、「本質的」アミノ酸残基は、このような変化を生じる。 抗PSMA抗体 多くの種類の抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片が本発明の方法で有用である。抗体は、IgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、またはIgEを含む、多様なアイソタイプであることが可能である。好ましくは、抗体は、IgGアイソタイプ、例えばIgG1である。抗体分子は全長であることが可能である(例えばIgG1またはIgG4抗体)し、または抗原結合断片のみを含むことが可能である(例えばFab、F(ab’)2、Fvまたは一本鎖Fv断片)。これらには、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体、およびヒト抗体と共に、前述のものの抗原結合断片が含まれる。 モノクローナル抗PSMA抗体を本発明の方法で使用することが可能である。好ましくは、モノクローナル抗体は、PSMAの細胞外ドメイン(すなわち細胞外に位置するPSMAエピトープ)に結合する。ヒトPSMAに対する好ましいマウスモノクローナル抗体の例には、限定されるわけではないが、それぞれ、ATCC寄託番号HB−12101、HB−12109、HB−12127、およびHB−12126を有するハイブリドーマ細胞株に産生される、E99、J415、J533およびJ591が含まれ、これらはすべてUS 6,107,090およびUS 6,136,311に開示され、該特許の内容は、明確に本明細書に援用される。最も好ましくは、マウスモノクローナル抗体は、HB−12126に産生されるJ591である。 PSMAに対するさらなるモノクローナル抗体は、当該技術分野に知られる技術を用いて生成可能である。モノクローナル抗体は、慣用的なモノクローナル抗体方法論、例えばKohlerおよびMilstein, Nature 256:495 (1975)の標準的体細胞ハイブリダイゼーション技術を含む、多様な技術によって、産生可能である。一般的には、Harlow, E.およびLane, D. (1988) Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバーを参照されたい。 本発明の目的のために有用な免疫原には、PSMA(例えばヒトPSMA)を所持する細胞(例えば前立腺腫瘍細胞株、例えばLNCap細胞、あるいは新鮮または凍結前立腺腫瘍細胞);PSMA発現細胞(例えば前立腺腫瘍細胞株、例えばLNCap細胞、あるいは新鮮または凍結前立腺腫瘍細胞)の膜分画;単離または精製PSMA、例えばヒトPSMAタンパク質(例えば生化学的に単離したPSMA,またはその一部、例えばPSMAの細胞外ドメイン)が含まれる。PSMAに対する抗体を生成する技術がUS 6,107,090、US 6,136,311に記載され、該特許すべての内容は、明確に本明細書に援用される。 ヒトタンパク質に対して向けられるヒトモノクローナル抗体(mAb)は、マウス系でなくヒト免疫グロブリン遺伝子を持つトランスジェニックマウスを用いて生成可能である。目的の抗原で免疫した、これらのトランスジェニックマウス由来の脾臓細胞を用いて、ヒトタンパク質由来のエピトープに特異的親和性を持つヒトmAbを分泌するハイブリドーマを産生する(例えばWoodら、国際特許出願WO 91/00906、Kucherlapatiら、PCT公告WO 91/10741;Lonbergら、国際特許出願WO 92/03918;Kayら、国際特許出願92/03917;Lonberg, N.ら 1994 Nature 368:856−859;Green, L.L.ら 1994 Nature Genet. 7:13−21;Morrison, S.L.ら 1994 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851−6855;Bruggemanら 1993 Year Immunol 7:33−40;Tuaillonら 1993 PNAS 90:3720−3724;Bruggemanら 1991 Eur J Immunol 21:1323−1326を参照されたい)。 本発明で有用な抗PSMA抗体またはその断片はまた、望ましい抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコードするDNAで形質転換した宿主細胞に産生される組換え抗体であることも可能である。組換え抗体は、既知の遺伝子操作技術によって産生可能である。例えば、組換え抗体は、望ましい抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコードするヌクレオチド配列、例えばcDNAまたはゲノムDNAをクローニングすることによって、産生可能である。その後、両方の遺伝子が、それ自体の転写および翻訳発現調節配列に、機能可能であるように連結されるように、これらのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入する。発現ベクターおよび発現調節配列は、用いる発現宿主細胞に適合するように選択する。典型的には、両方の遺伝子を同一発現ベクターに挿入する。原核または真核宿主細胞が使用可能である。 真核細胞は、原核細胞より、適切にフォールディングされ、そして免疫学的に活性である抗体を組み立て、そして分泌する可能性がより高いため、真核宿主細胞における発現が好ましい。しかし、不適切なフォールディングのために不活性である産生抗体はいずれも、周知の方法(KimおよびBaldwin, “Specific Intermediates in the Folding Reactions of Small Proteins and the Mechanism of Protein Folding”, Ann. Rev. Biochem. 51, pp.459−89(1982))にしたがって再生可能である可能性がある。本発明によればやはり抗体相同体である、軽鎖二量体または重鎖二量体などの、損なわれていない抗体の一部を、宿主細胞が産生することが可能である。 上記方法に対する変動が本発明で有用であることが理解されるであろう。例えば、抗体の軽鎖または重鎖いずれか(しかし両方ではない)をコードするDNAで宿主細胞を形質転換することが望ましい可能性がある。また、組換えDNA技術を用いて、PSMA結合に必要でない、軽鎖および重鎖いずれかまたは両方をコードするDNAのいくつかまたはすべてを除去することも可能であり、例えば特定のアミノ酸を欠失させることによって、定常部を修飾することが可能である。こうした一部切除(truncated)DNA分子から発現される分子が、本発明の方法において有用である。さらに、1つの重鎖および1つの軽鎖が抗PSMA抗体であり、そして他の重鎖および軽鎖が、PSMA以外の抗原、またはPSMAの別のエピトープに特異的である、二官能性抗体を産生可能である。 当該技術分野に知られる組換えDNA技術によって、キメラ抗体を産生可能である。例えば、マウス(または他の種)モノクローナル抗体分子のFc定常部をコードする遺伝子を制限酵素で消化して、マウスFcをコードする領域を除去して、そしてヒトFc定常部をコードする遺伝子の同等の部分で置換する(Robinsonら、国際特許出願PCT/US86/02269;Akiraら、欧州特許出願184,187;Taniguchi, M.、欧州特許出願171,496;Morrisonら、欧州特許出願173,494;Neubergerら、国際特許出願WO 86/01533;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願125,023;Betterら(1988 Science 240:1041−1043);Liuら(1987) PNAS 84:3439−3443;Liuら, 1987, J. Immunol. 139:3521−3526;Sunら (1987) PNAS 84:214−218;Nishimuraら, 1987, Canc. Res. 47:999−1005;Woodら (1985) Nature 314:446−449;およびShawら, 1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553−1559を参照されたい)。 当該技術分野に知られる方法によって、抗体または免疫グロブリン鎖をヒト化することが可能である。ひとたびマウス抗体を得たら、可変部を配列決定することが可能である。CDRおよびフレームワーク残基の位置を決定することが可能である(本明細書に援用される、Kabat, E.A.ら (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242、およびChothia, C.ら (1987) J. Mol. Biol. 196:901−917を参照されたい)。軽鎖および重鎖の可変部は、場合によって、対応する定常部に連結することが可能である。 当該技術分野に認識される技術を用いて、マウス抗PSMA抗体を配列決定することが可能である。例えば、10%ウシ胎児血清を補ったRPMI1640培地中で、培養中、マウスハイブリドーマJ533、J415およびE99を発現するハイブリドーマを増殖させた。分泌される抗体のアイソタイプは、それぞれ、IgG1κ、IgG1κ、およびIgG3κと確認された。これらのモノクローナル抗体は、J591同様、前立腺特異的膜抗原の外部ドメインに結合する。J591、J533およびE99は、同一エピトープを認識し、一方、J415は独立のエピトープを認識する。107ハイブリドーマ細胞から、各モノクローナル抗体の総RNAを調製した。逆転写酵素、並びにマウスκ定常部プライマーおよびマウスIgG定常部プライマーを用いて、VHおよびVK cDNAを調製した。多様なマウスシグナル配列プライマー(VHでは6、そしてVKでは7)を用いたPCRによって、第一鎖cDNAを増幅した。増幅DNAをゲル精製し、そしてベクターpT7Blueにクローニングした。PCRによって、正しい挿入物に関して、得たVHおよびVKクローンをスクリーニングし、そしてジデオキシ鎖終結法によって、選択したクローンのDNA配列を決定した(表7を参照されたい)。 J415に由来する重鎖および軽鎖の可変部のDNAおよびアミノ酸配列を得て、そして図7B(VH)および8B(VK)に示す(表5も参照されたい)。CDRの位置を示す。J415 VHは、マウス重鎖サブグループIIIC(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ415 VHの配列を図7Cに示す。J415 VKは、マウス・カッパ鎖サブグループI(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ415 VKの配列を図8Cに示す。 重鎖および軽鎖の可変部のJ533をコードするDNAおよびアミノ酸配列を得て、そして図9A(VH)および10A(VK)に示す(表5もまた参照されたい)。CDRの位置を各図に示す。J533 VHは、マウス重鎖サブグループIIA(Kabat EAら, Sequences of proteins of Immunological Interest, US Department of Health and Human Services, 1991)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ533 VHの配列を図9Bに示す。J533 VKは、マウス・カッパ鎖サブグループIII(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したJ533 VKの配列を図10Bに示す。 重鎖および軽鎖の可変部のE99のDNAおよびアミノ酸配列を得て、そして図11A(VH)および12A(VK)に示す(表5もまた参照されたい)。CDRの位置を示す。E99 VHは、マウス重鎖サブグループIB(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したE99 VHの配列を図11Bに示す。E99 VKは、マウス・カッパ鎖サブグループI(Kabat EAら、前記)に割り当て可能である。このサブグループのコンセンサス配列に比較したE99 VKの配列を図12Bに示す。 抗体J415、deJ415、J591、deJ591、J533およびE99の可変部をコードするアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、以下の表8に提供する。 表8:抗体可変鎖配列 ヒト化抗体分子またはCDR移植抗体分子または免疫グロブリンは、CDR移植またはCDR置換によって産生可能であり、ここで、免疫グロブリン鎖の1、2、またはすべてのCDRを交換可能である。例えば、そのすべての内容が明確に本明細書に援用される、米国特許5,225,539;Jonesら 1986 Nature 321:552−525;Verhoeyanら 1988 Science 239:1534;Beidlerら 1988 J. Immunol. 141:4053−4060;Winter、US 5,225,539を参照されたい。 Winterは、本発明のヒト化抗体を調製するのに使用可能なCDR移植法を記載しており(UK特許出願GB 2188638A、1987年3月26日出願;Winter、US 5,225,539)、この内容は、明確に本明細書に援用される。特定のヒト抗体のCDRすべてを、非ヒトCDRの少なくとも一部と交換することが可能であるし、またはCDRのいくつかのみを、非ヒトCDRと交換することが可能である。あらかじめ決定した抗原に対するヒト化抗体の結合に必要な数のCDRを交換する必要があるのみである。 抗原結合に直接関与しないFv可変部の配列を、ヒトFv可変部由来の同等の配列と交換することによって、ヒト化抗体を生成可能である。ヒト化抗体を生成するための一般的な方法が、Morrison, S.L., 1985, Science 229:1202−1207、Oiら, 1986, BioTechniques 4:214、並びにQueenら、US 5,585,089、US 5,693,761およびUS 5,693,762に提供され、これらのすべての内容が本明細書に援用される。これらの方法には、重鎖または軽鎖の少なくとも1つから、免疫グロブリンFv可変部のすべてまたは一部をコードする核酸配列を単離し、操作し、そして発現することが含まれる。こうした核酸の供給源は、当業者に周知であり、そして例えば、上述のように、あらかじめ決定した標的に対する抗体を産生するハイブリドーマから得ることが可能である。その後、ヒト化抗体またはその断片をコードする組換えDNAを、適切な発現ベクターにクローニングすることが可能である。 また、本発明の範囲内には、特定のアミノ酸が置換されるか、欠失されるか、または付加されているヒト化抗体がある。特に、好ましいヒト化抗体は、抗原への結合を改善するような、フレームワーク領域におけるアミノ酸置換を有する。例えば、ヒト化免疫グロブリン鎖の、選択される少数のアクセプターフレームワーク残基を、対応するドナーアミノ酸と交換することが可能である。置換の好ましい位置には、CDRに隣接するかまたはCDRと相互作用可能なアミノ酸残基が含まれる(例えばUS 5,585,089を参照されたい)。ドナーからアミノ酸を選択する規準が、US 5,585,089、例えばUS 5,585,089の12〜16欄に記載され、この内容は本明細書に援用される。アクセプターフレームワークは、成熟ヒト抗体フレームワーク配列またはコンセンサス配列であることが可能である。 本明細書において、用語「コンセンサス配列」は、関連配列ファミリーにおいて、最も頻繁に存在するアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えばWinnaker, From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft, ドイツ・ワインハイム 1987)を参照されたい)。タンパク質ファミリーにおいて、コンセンサス配列中の各位は、ファミリーにおいて、その位に最も頻繁に存在するアミノ酸によって占められる。2つのアミノ酸が、同等に頻繁に存在する場合、どちらがコンセンサス配列に含まれることも可能である。「コンセンサス・フレームワーク」は、コンセンサス免疫グロブリン配列におけるフレームワーク領域を指す。 抗体をヒト化する他の技術が、Padlanら EP 519596 A1、1992年12月23日公開に記載される。 抗PSMA抗体、またはその抗原断片はまた、その内容が特に本明細書に援用される、WO 98/52976およびWO 00/34317に開示される方法によって、ヒトT細胞エピトープの特異的欠失または「脱免疫化」によって修飾可能である。簡潔には、抗PSMA抗体のマウス重鎖および軽鎖の可変部を、MHCクラスIIに結合するペプチドに関して解析可能であり;これらのペプチドは、潜在的なT細胞エピトープに相当する(WO 98/52976およびWO 00/34317に定義されるとおり)。潜在的なT細胞エピトープを検出するため、「ペプチドスレッディング」と称されるコンピュータモデリングアプローチが適用可能であり、そしてさらに、WO 98/52976およびWO 00/34317に記載されるように、マウスVHおよびVL配列に存在するモチーフに関して、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベースを検索することが可能である。これらのモチーフは、18の主要なMHCクラスII DRアロタイプのいずれかに結合し、そしてしたがって、潜在的なT細胞エピトープを構成する。検出される潜在的なT細胞エピトープは、可変部において、少数のアミノ酸残基を置換することによって、または好ましくは単一アミノ酸置換によって、除去可能である。ありうる保存的置換を作成する限り、排他的にではないが、しばしば、ヒト生殖系列抗体配列中のこの位に一般的なアミノ酸を使用することが可能である。ヒト生殖系列配列は、TomliNS0n, I.A.ら (1992) J. Mol. Biol. 227:776−798;Cook, G.P.ら (1995) Immunol. Today Vol.16(5):237−242;Chothia, D.ら (1992) J. Mol. Bio. 227:799−817に開示される。V BASEディレクトリは、ヒト免疫グロブリン可変部配列の包括的なディレクトリを提供する(TomliNS0n, I.A.ら MRC Centre for Protein Engineering, 英国ケンブリッジによって編集)。マウスのVHおよびVL遺伝子の突然変異誘発によって、抗PSMA抗体の脱免疫VHおよびVLを構築した後、突然変異誘発した可変配列を、場合によって、ヒト定常部、例えばヒトIgG1またはκ定常部に融合させることが可能である。 いくつかの場合、潜在的なT細胞エピトープには、抗体機能に重要であることが知られるかまたは重要であると予測される残基が含まれるであろう。例えば、潜在的なT細胞エピトープは、通常、CDRに偏る。さらに、潜在的なT細胞エピトープは、抗体構造および結合に重要なフレームワーク残基に存在することが可能である。これらの潜在的なエピトープを除去する変化は、いくつかの場合、例えば該変化を含む鎖および含まない鎖を作成して、そして試験することによる、さらなる吟味を必要とするであろう。可能な場合、CDRと重複する、潜在的なT細胞エピトープを、CDR外部の置換によって除去した。いくつかの場合、CDR内の改変が唯一のオプションであり、そしてしたがってこの置換を含む変異体および含まない変異体を試験すべきである。他の場合、潜在的なT細胞エピトープを除去するのに必要な置換は、抗体結合に重要である可能性があるフレームワーク内の残基位でのものである。これらの場合、この置換を含む変異体および含まない変異体を試験すべきである。したがって、いくつかの場合、いくつかの変異体の脱免疫重鎖および軽鎖の可変部を設計し、そして最適な脱免疫抗体を同定するため、多様な重鎖/軽鎖の組み合わせを試験した。その後、異なる変異体の結合親和性と、脱免疫の度合い、すなわち可変部に残る潜在的なT細胞エピトープの数を組み合わせて考慮することによって、最終脱免疫抗体を選択することが可能である。 発現のため、適切な宿主細胞、例えばNS0またはCHO細胞に組換え脱免疫抗体をトランスフェクションして、完全な組換え抗体を産生することが可能である。 1つの態様において、マウスのVHおよびVL遺伝子の突然変異誘発によって、マウスJ591領域の脱免疫VHおよびVLを構築した。マウスJ591可変部配列を図1A〜1Bに示す。マウスJ591重鎖および軽鎖の可変部における潜在的なエピトープ(ペプチドスレッディングプログラムを用いて同定)を、それぞれ、図3Aおよび3Bに示す。MHCクラスIIに結合すると予測される13量体ペプチドを下線で示し、CDRは図3Aの残基26〜35、50〜66、および99〜104、並びに図3Bの残基24〜34、50〜56、および89〜97に位置し、そして脱免疫重鎖および軽鎖の可変部において改変された残基はボックスに入れる。可能な場合、アミノ酸置換は、ヒト生殖系列重鎖および軽鎖の可変部に一般的に用いられるものである。ペプチドスレッディングソフトウェアを用いた、in silico解析に加えて、マウスJ591配列に存在するモチーフに関して、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベースを検索した。 マウスJ591重鎖可変部の以下の13量体(13量体の最初の直鎖残基番号によって標示)は、MHCクラスIIに結合すると予測され、そしてこれらは、2、10、16、30、32、35、43、46、58、62、70、81、84、91、および100であった(図3A)。マウスJ591重鎖可変部において残基に行う変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変された残基が、Kabat番号付け系に基づいて同定されていることに注目されたい): 5Q(R)Vは、残基2の潜在的なエピトープを除去し; 11,12LV(R)VKは、残基10の潜在的なエピトープを除去し; 12V(R)Kもまた、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し; 16,17TS(R)AT、および19R(R)Kは、残基16の潜在的なエピトープを除去し; 残基30のエピトープはCDR1に渡り、そしてしたがって改変せず; 40,41SH(R)APは、残基32および35の潜在的なエピトープを除去し; 44S(R)Gは、43のエピトープに関する結合スコアを減少させ、この13量体はCDR2に渡り; 残基46、58および62のエピトープはCDR2に渡り、そしてしたがって改変せず; 75,76SS(R)TDは、残基70の潜在的なエピトープを除去し; 82aR(R)S、83T(R)Rは、残基81および84の潜在的なエピトープを除去し; 87S(R)T、この変化は、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう作成され; 残基91のエピトープはCDR3に渡り、そしてしたがって改変せず;そして 108T(R)Lは、残基100の潜在的なエピトープを除去する。 MHCクラスII分子に結合すると予測される、マウスJ591軽鎖可変部の次の13量体(mer)(13量体の最初の直鎖残基番号によって標示)は、1、8、17、27、30、31、35、45、47、56、60、71、73、81、94であった(図3B)。マウスJ591軽鎖可変部において残基に行う変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変された残基が、Kabat番号付け系に基づいて同定されていることに注目されたい): 3V(R)Qは、残基1の潜在的なエピトープを除去し; 8−11HKFM(R)PSSLは、残基8(13)の潜在的なエピトープを除去し; 20−22SII(R)TLTは、残基17および20の潜在的なエピトープを除去し; 21I(R)Lもまた、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し; 残基27のエピトープはCDR1に渡り、そしてしたがって改変せず; 42Q(R)Pは、残基31のエピトープに関する結合スコアを減少させ; 残基44および47のエピトープはCDR2に渡り、そしてしたがって改変せず; 58V(R)Iは、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し; 60D(R)S、62T(R)Sは、残基56および60のエピトープを除去し; 76−78TNV(R)SSL、80S(R)P、83L(R)Fは、残基71、73、76および81のエピトープを除去し; 87F(R)YIは、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化し; 100A(R)Pおよび103M(R)Kは、残基94のエピトープを除去し;そして 104L(R)Vおよび106L(R)Iは、ヒトMHCクラスII結合ペプチドのデータベース由来のモチーフを除去するよう変化する。 脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のアミノ酸およびヌクレオチド配列を、それぞれ、図2A〜2Bおよび4A〜4Bに示す(表8も参照されたい)。 ヒトIgG1またはκ定常部を付加して、そして複合遺伝子をNS0細胞にトランスフェクションして、完全な組換え抗PSMA抗体を産生した。これらの抗体は、元来のマウス抗体と同程度に効率的にPSMA(LNCap細胞上)に結合し、そしてヒトにおいて、減少した免疫原性を有するか、またはまったく免疫原性を持たない。 脱免疫J415の設計は、脱免疫J591抗体の作成と類似であった。重鎖および軽鎖配列を、HB−12109と称するハイブリドーマからクローニングした。これらの配列を、対照抗体として使用するため、キメラ抗体としてクローニングし、配列決定し、そして発現させた。マウスV領域配列をペプチドスレッディングに供して、18の異なるヒトMHCクラスIIアロタイプへの結合の解析を通じて、潜在的なT細胞エピトープを同定した。マウス配列に関するペプチドスレッディング解析の結果を表9に示す。 表9:マウスJ415配列における潜在的なT細胞エピトープ +VHおよびVKに関して、それぞれ、EまたはN、アミノ酸番号1から、SまたはK、アミノ酸番号107および116と番号付けされる、潜在的なエピトープの第一のアミノ酸。 一次脱免疫VHおよびVL配列を定義した(J415D1VH1、J415D1VK1)。一次脱免疫配列の生成が、最終脱免疫分子の結合に影響を及ぼす可能性がある、少数のアミノ酸置換を必要とするため、3つの他の変異体VHSおよび7つの他のVLSを設計した(図5および6を参照されたい)。一次脱免疫VHおよびVL領域のヌクレオチド配列を、それぞれ、図7Aおよび8Aに示す。J415のマウスおよび脱免疫V領域のアミノ酸配列の比較を、VHに関しては図5に、そしてVLに関しては図6に示す。 マウスJ415重鎖可変部において残基に行ういくつかの変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変された残基が、図5に示す直鎖番号付けにしたがって同定されていることに注目されたい): 20L(R)Iは、残基10および16の潜在的なエピトープを除去し; 87N(R)Sは、残基80および86の潜在的なエピトープを除去し; 94、95GI(R)AVは、残基86の潜在的なエピトープを除去し;そして 112L(R)Vは、残基104の潜在的なエピトープを除去する。 マウスJ415軽鎖可変部において残基に行ういくつかの変化の根底にある原理の説明を以下に示す(改変された残基が、図6に示す直鎖番号付けにしたがって同定されていることに注目されたい): 13I Aは、残基5、11および13の潜在的なエピトープを除去し; 15V Aは、残基5、11および13の潜在的なエピトープを除去し; 19V−Mは、残基11、13および17の潜在的なエピトープを除去し; 41E−Tは、残基31の潜在的なエピトープを除去し; 63T−Sは、残基56および60の潜在的なエピトープを除去し; 68A−Gは、残基56および60の潜在的なエピトープを除去し;そして 80T−Aは、残基70、71、73、および76の潜在的なエピトープを除去する。 J415の脱免疫可変部を、重複PCR組換え法によって、構築した。クローニングしたマウスVHおよびVK遺伝子を、必要な脱免疫配列へのフレームワーク領域の突然変異誘発のためのテンプレートとして用いた。改変しようとする領域を含む、突然変異誘発プライマー対の組を合成した。ベクターVH−PCR1およびVK−PCR1(Riechmannら (1988) Nature 332:323−7)をテンプレートとして用いて、リーダーシグナルペプチド、リーダーイントロンおよびマウス免疫グロブリンプロモーターを含む5’隣接配列、並びにスプライシング部位およびイントロン配列を含む3’隣接配列を導入した。生じた脱免疫V領域をpUC19にクローニングし、そして各脱免疫VHおよびVLに関して、全DNA配列が正しいことを確認した。 脱免疫重鎖および軽鎖V領域遺伝子を、HindIIIからBamHI断片としてpUC19から切除し、この断片には、マウス重鎖免疫グロブリンプロモーター、リーダーシグナルペプチド、リーダーイントロン、VHまたはVL配列およびスプライシング部位が含まれる。これらを、それぞれヒトIgG1またはκ定常部、および哺乳動物細胞における選択のためのマーカーを含む発現ベクター、pSVgptおよびpSVhygに移した。発現ベクターにおいて、脱免疫VHおよびVLに関して、DNA配列が正しいことを確認した。 NS0(動物細胞培養欧州コレクション、英国ポートンから得た、非免疫グロブリン産生マウス骨髄腫(ECACC番号85110503))細胞への発現ベクターpSVgptJ415VHHuIgG1およびpSVhygJ415VKHuCKのトランスフェクションのため、それぞれ、3および6μgのプラスミドDNAを調製し、そしてその後、トランスフェクション効率を改善するため、Pvu1で直線化した。その後、エタノール沈殿させたDNAを、遠心分離によって採取し、そして0.4cmジーンパルサーキュベットにおいて、0.5mlの非選択ダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)(Life Technologies Inc.)に再懸濁した半集密(semi−confluent)フラスコのNS0細胞と混合した。細胞およびDNAを氷上で5分間冷却した後、170V、960μFのパルスを適用した。キュベットをさらに20分間氷上に戻し、その後、20mlの非選択DMEMを含有する75cm2フラスコに移して、24時間回復させた。その後、細胞を採取し、そして選択DMEMに再懸濁し、そして4x96ウェルプレートに、200μl/ウェルで蒔いた。NS0細胞へのdeJ591抗体重鎖および軽鎖のサブユニットをコードする発現ベクターのトランスフェクションのため、同様のプロトコルにしたがった。 NS0細胞株を培養し、選択し、そして拡大するため、37℃、5%CO2および10%FBSで、細胞を増殖させる。NS0細胞の日常的な培養用の非選択培地を調製するため、培地は、USA起源の10%ウシ胎児血清(Life Technologies、ウシ胎児血清、カタログ番号:16000)、抗生物質/抗真菌剤溶液(Life Technologies、カタログ番号:15240)、ゲンタマイシン(Life Technologies、カタログ番号:15710)、ピルビン酸ナトリウム(Life Technologies、カタログ番号:11360−039)を補ったダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)(Life Technologies、カタログ番号:31965−023)である。抗体産生のため、NS0細胞を飽和まで増殖させる際、キサンチンおよびミコフェノール酸を添加せず、そしてFBSを5%に減少させる。 NS0トランスフェクトーマ(transfectoma)の培養用の選択培地を調製するため、培地は、USA起源の10%ウシ胎児血清(Life Technologies、ウシ胎児血清、カタログ番号:16000)、抗生物質/抗真菌剤溶液(Life Technologies、カタログ番号:15240)、ゲンタマイシン(Life Technologies、カタログ番号:15710)、ピルビン酸ナトリウム(Life Technologies、カタログ番号:11360−039)、250μg/mlキサンチン(Sigmaカタログ番号:X−3627、0.5M NaOH中、25mg/mlで、ストックを作成)、および0.8μg/mlミコフェノール酸(Sigmaカタログ番号:M−3536、100%エタノール中、2.5mg/mlで、ストックを作成)を補ったダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)(Life Technologies、カタログ番号:31965−023)である。 およそ10日後、gpt遺伝子を発現する細胞コロニーが裸眼で可視であった。その後、ヒトIgG1/κスクリーニングELISAのため、以下のプロトコルを用いて、抗体産生に関してプレートをスクリーニングした。0.7より高い、高ODを持つウェルから、6つの単一のコロニーを選別して、24ウェル細胞培養プレートに移した。5〜6日以内に、細胞を、25cm2フラスコに拡大した。24ウェルおよび25cm2フラスコ中の飽和培養から、ヒトIgG1/κ ELISAのための以下のプロトコルを用いて、選択したクローンの抗体産生性をアッセイした。 プロトコルの詳細は以下のとおりである。ELISAプレート(Dynatech Immulon 2)を、炭酸塩/炭酸水素塩コーティング緩衝液pH9.6(Sigmaカタログ番号:C−3041)中、1:1000に希釈したヒツジαヒトκ抗体(The Binding Siteカタログ番号:AU015)を用いて、ウェルあたり100μlでコーティングする。コーティングしたプレートを4℃で一晩または37℃で1時間インキュベーションする。その後、プレートをPBST(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄する。ウェルあたり100μl、24ウェルプレートから25μl+75μlのPBSTで、96ウェルプレートに試料を添加する。ブランクウェルをPBSTのみで処理する。反応混合物を室温で1時間インキュベーションする。その後、プレートをPBST(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄する。二次抗体、ペルオキシダーゼをコンジュゲートしたヒツジαヒトIgGγ鎖特異的抗体(The Binding Siteカタログ番号:APO04)を、PBST中1:1000の比で、ウェルあたり100μl、添加する。混合物を室温で1時間インキュベーションする。その後、混合物をPBST(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄する。 基質を作成するため、5mlの10xペルオキシダーゼ緩衝液(Sigmaリン酸クエン酸緩衝液錠剤pH5.0、P−4809を用いて、10xペルオキシダーゼ緩衝液を作成する)を加えた45mlのH2Oに、OPD(o−フェニレンジアミン)(Sigmaカタログ番号:P−7288)の錠剤を1つ(20mg)溶解し、使用直前に10μlの30%(w/w)過酸化水素(Sigmaカタログ番号:H1109)を添加する。その後、ウェルあたり100μlの基質を添加し、そして室温で5分間または必要に応じてインキュベーションする。発色したら、25μlの12.5%H2SO4を添加することによって反応を停止することが可能である。結果を492nmで読み取る。 J591およびJ415脱免疫抗体の発現および拡大 最高の産生性を持つクローンを、75cm2フラスコ中に拡大し、そしてその後、2x175cm2フラスコ中に拡大した。175cm2フラスコの1つ由来の細胞を用いて、5%FBSを含有する非選択DMEMを含有する4x三重層フラスコ(500cm2、Nalge Nunc International)に接種し、他由来の細胞を、以下に詳述するNS0細胞を凍結するプロトコルに詳述されるように凍結した。 哺乳動物細胞を凍結保護し、そして液体窒素から細胞を復活させるため、以下の材料:ウシ胎児血清(Life Technologiesカタログ番号:16000)、DMSO(Sigmaカタログ番号:D4540)、2ml凍結試験管(NuncまたはGreiner)、および壁の厚みが1〜2cmのポリスチレンボックスが必要である。簡潔には、活発に増殖している細胞を遠心分離(1000rpm、5分間)によって採取し、そして10%DMSO/90%FBS中、約107細胞/mlで再懸濁する。おおまかな指針として、半集密まで増殖させた細胞を、75cm2フラスコの場合は1mlに、または175cm2フラスコの場合は2.5mlに再懸濁すべきである。必要な数の試験管を氷上で冷却し、そして標識する。1mlの部分を標識凍結試験管にアリコートする。凍結試験管を−70℃で、少なくとも4時間、または一晩、ポリスチレンボックスに入れておく。バイアルをケーン(cane)に移し、そして液体窒素中に入れる。保管記録は、キャニスターインデックスおよび中央細胞株インデックス系両方で行うべきである。 液体窒素から細胞を融解するため、液体窒素からバイアルを取り除き、そして水浴中で内容物を回転させながら、37℃でインキュベーションすることによって、迅速に融解する。バイアルの外側を70%メタノール変性アルコール(methylated spirits)で清浄化する。懸濁物を一般的な容器に移す。細胞株を増殖させるのに使用しようとする培地を10ml、滴加し、回転させて混合する。遠心分離(1000rpm、5分間)によって細胞を採取する。上清を廃棄する。細胞を20ml増殖培地に再懸濁し、そして75cm2フラスコに移す。生存度が低いと推測される場合、増殖培地に、20%まで過剰な血清を添加して、5mlのみを用いて、そして25cm2フラスコに移す。 10〜14日後、500ml〜1リットルの静置飽和培養を採取した。抗体精製のための以下のプロトコルを用いて、ProSepA(Millipore Ltd.)アフィニティークロマトグラフィーによって、抗体を精製した。ろ過によって精製抗体調製物を滅菌し、そして4℃で保管した。 抗体精製プロトコルは以下のとおりである:抗体を産生するNS0トランスフェクトーマ細胞株を、Nunc三重層フラスコにおいて、DMEM 5%FCS中、フラスコあたり250ml(総体積1l)で、10〜14日間、飽和近くまで増殖させる。馴化培地を収集し、そしてベンチ遠心分離装置5minsで、3000rpmで5分間回転させて、細胞を除去する。その後、1/10体積の1M Tris−HCl pH8(Sigmaカタログ番号:T3038)を細胞上清に添加して、これを0.1M Tris−HCl pH8.0にする。0.5〜1mlのProsep A(Milliporeカタログ番号:113 111824)を添加し、そして室温で一晩攪拌する。3000rpmで5分間回転させることによって、Prosep Aを収集し、その後、Biorad Poly−Prepカラム(カタログ番号:73 1−1550)に充填する。カラムを10mlPBSで洗浄し、その後、0.1MグリシンpH3.0で1ml分画に溶出する。100μlの1M Tris−HCl pH8(Sigma、上述のとおり)を含有する試験管に各分画を収集する。各分画の吸光度を280nmで測定する。抗体を含有する分画をプールし、そしてPBSに対して、室温で一晩透析する。0.2ミクロン・シリンジフィルターを通じたろ過によって、調製物を滅菌し、そして各分画の吸光度を280nmで測定する。ヒトIgGに関するELISAによって、抗体濃度を測定する。 精製抗体は、上述のヒトIgG1/κ ELISAのプロトコルを用いて、定量可能である。 J415脱免疫抗体の試験 上に詳述するようなプロトコルにしたがって、LNCap膜調製への結合に関する、ELISAにおいて、J415脱免疫抗体(脱免疫軽鎖サブユニットおよび脱免疫重鎖サブユニットの多様な組み合わせを含む)を試験した。ELISAプレートをLNCap膜調製物でコーティングし、そしてリン酸緩衝生理食塩水中の5%BSAを用いてブロッキングした。J415キメラ抗体(それぞれ、ヒト重鎖および軽鎖の定常部に融合させたマウス重鎖および軽鎖の可変部)および脱免疫抗体の2倍希釈を適用した。検出には、キメラ抗体およびマウス抗体それぞれに関して、西洋ワサビペルオキシダーゼをコンジュゲートしたヤギ抗ヒトIgGおよびロバ抗マウスを用いた。o−フェニレンジアミン基質を用いて発色させた。 脱免疫J415軽鎖バージョン5と組み合わせた脱免疫J415重鎖バージョン4で構成される抗体は、キメラ抗体に比較した際、LNCap細胞に同等の結合を示す。また、DIVK5を重鎖バージョン1および2と組み合わせた際、LNCap細胞への結合は、組織培養上清を解析した際、キメラ抗体のものと同等である。これらのデータは、精製抗体で確認可能である。軽鎖1、2、3をJ415重鎖バージョン1、2、3、および4のいずれかと組み合わせた際、抗体はまったく産生されなかった。脱免疫J415軽鎖バーション1、2、および3は、構造的グラウンド上で、不全である可能性がある。より高い親和性および減少した免疫原性のための最適な鎖の組み合わせは、DIVH4/DIVK5である。 脱免疫軽鎖バージョン5と組み合わせた脱免疫重鎖バージョン4で構成される抗体は、キメラ抗体に比較して、LNCapに対して同等の結合を示した。また、DIVK5を重鎖バージョン1および2と組み合わせた際、LNCap細胞への結合は、精製抗体を解析した際、キメラ抗体のものより2倍低い。 モノクローナル抗PSMA抗体はまた、組換えDNA技術の当業者に知られる他の方法によっても生成可能である。 損なわれていない抗体でない抗PSMA抗体もまた、本発明で有用である。こうした抗体は、上述の抗体のいずれに由来することも可能である。例えば、抗原結合断片と共に、上述の抗体由来の全長単量体、二量体または三量体ポリペプチド自体が有用である。この種の有用な抗体相同体には(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でのジスルフィド架橋によって連結される2つのFab断片を含んでなる二価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら, (1989) Nature 341:544−546);および(vi)単離相補性決定領域(CDR)、例えば抗原結合断片を提供するのに十分なフレームワークを伴う、1以上の単離CDRが含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは別個の遺伝子にコードされているが、組換え法を用いて、単一タンパク質鎖として作成可能にする合成リンカーによって、これらを連結することが可能であり、ここで、VLおよびVH領域は対形成して、一価分子を形成する(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えばBirdら (1988) Science 242:423−426;およびHustonら (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照されたい)。こうした一本鎖抗体もまた、用語、抗体の「抗原結合断片」内に含まれると意図される。当業者に知られる慣用的技術を用いて、これらの抗体断片を得て、そして損なわれていない抗体と同一の方式で、有用性に関して、該断片をスクリーニングする。 抗体断片はまた、化学的方法によって、例えば損なわれていない抗体を、ペプシンまたはパパインなどのプロテアーゼで切断し、そして場合によって切断産物を還元剤で処理することによっても産生可能である。あるいは、有用な断片は、一部切除重鎖遺伝子および/または軽鎖遺伝子で形質転換した宿主細胞を用いることによって、産生可能である。 抗体の他の部分、例えば定常部を欠失させるか、付加するか、または置換することによって修飾されているモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫抗体もまた、本発明の範囲内である。例えば、抗体は以下のように修飾可能である:(i)定常部を欠失させることによって;(ii)定常部を別の定常部、例えば抗体の半減期、安定性、もしくは親和性を増加させることを意味する定常部、または別の種もしくは別の抗体クラス由来の定常部と交換することによって;あるいは(iii)定常部における1以上のアミノ酸を修飾して、例えばとりわけグリコシル化部位の数、エフェクター細胞機能、Fc受容体(FcR)結合、補体固定を改変することによって。 1つの態様において、抗体の定常部は、例えば異なる種由来の、別の定常部によって交換可能である。この交換は、分子生物学技術を用いて実行可能である。例えば、VHまたはVLをコードする核酸を、軽鎖または重鎖の定常部をコードする別の核酸に、機能可能であるように連結することによって、抗体のVLまたはVH領域をコードする核酸を、それぞれ、全長軽鎖遺伝子または全長重鎖遺伝子に変換することが可能である。ヒト軽鎖および重鎖の定常部遺伝子の配列は当該技術分野に知られる。好ましくは、定常部はヒトであるが、他の種、例えばげっ歯類(例えばマウスまたはラット)、霊長類、ラクダ、ウサギ由来の定常部もまた使用可能である。これらの種由来の定常部が当該技術分野に知られる(例えばKabat, E.A.ら (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242を参照されたい)。 抗体定常部を改変する方法が当該技術分野に知られる。改変された機能、例えば細胞上のFcR、または補体のC1構成要素などのエフェクターリガンドに対する改変された親和性を持つ抗体は、抗体の定常部分の少なくとも1つのアミノ酸残基を異なる残基と交換することによって、産生可能である(例えば、その内容がすべて本明細書に援用される、EP 388,151 A1、US 5,624,821およびUS 5,648,260を参照されたい)。マウスまたは他の種の免疫グロブリンに適用した際、これらの機能を減少させるかまたは除去する、同様の種類の改変が記載可能である。 抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を誘導体化するか、または別の機能分子(例えば別のペプチドまたはタンパク質)に連結することが可能である。したがって、本発明の抗体および抗体部分は、免疫接着分子を含む、本明細書に記載する抗体の誘導体型および別の方式で修飾した型を含むと意図される。例えば、本発明の抗体または抗体部分は、別の抗体(例えば二特異性抗体または二重特異性抗体(diabody))、検出可能剤、細胞傷害性剤、薬剤、および/または抗体または抗体部分と別の分子の会合を仲介可能なタンパク質またはペプチド(ストレプトアビジン・コア領域またはポリヒスチジン・タグなど)などの、1以上の他の分子実体に機能的に連結する(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有会合または別の方式によって)ことが可能である。 誘導体化抗体の1つの種類は、2以上の抗体(同一種類または異なる種類の、例えば二特異性抗体を生成するため)を架橋することによって産生する。適切な架橋剤には、適切なスペーサーによって分離される2つの異なる反応性基を有するヘテロ二官能性のもの(例えばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、またはホモ二官能性のもの(例えばスベリン酸ジスクシンイミジル)が含まれる。こうしたリンカーは、Pierce Chemical Company、イリノイ州ロックフォードから入手可能である。 本発明の抗体または抗体部分を誘導体化(または標識)可能な、有用な検出可能剤には、蛍光化合物、多様な酵素、補欠分子族、発光物質、生物発光物質、蛍光放出金属原子、例えばユーロピウム(Eu)、および他のアンタニド類(anthanides)、および放射性物質(以下に記載)が含まれる。典型的な蛍光検出可能剤には、フルオレセイン、フルオレセイン・イソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリン等が含まれる。抗体はまた、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼ等の検出可能酵素で誘導体化することも可能である。抗体を検出可能酵素で誘導体化する場合、これは、酵素が使用して検出可能な反応産物を産生する、さらなる試薬を添加することによって、検出される。例えば、検出可能剤、西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能な発色反応産物を導く。また、補欠分子族(例えばストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン)で抗体を誘導体化することも可能である。例えば、抗体をビオチンで誘導体化して、そしてアビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定を通じて、検出することが可能である。適切な蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセイン・イソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン・フルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが含まれ;発光物質の例には、ルミノールが含まれ;そして生物発光物質の例には、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが含まれる。 標識抗体は、例えば:(i)アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準的技術によって、あらかじめ決定した抗原を単離すること;(ii)タンパク質の存在量および発現パターンを評価するため、あらかじめ決定した抗原を検出すること(例えば細胞溶解物または細胞上清において);(iii)例えば既定の治療措置の有効性を決定するため、臨床的試験法の一部として、組織中のタンパク質レベルを監視することを含む、いくつかの背景において、診断的および/または実験的に使用可能である。 抗PSMA抗体またはその抗原結合断片は、別の分子実体、典型的には標識または療法(例えば細胞傷害性または細胞分裂抑制性)剤または部分にコンジュゲート化することが可能である。 放射性同位体は、診断適用または療法適用で使用可能である。抗PSMA抗体にカップリング可能な放射性同位体には、限定されるわけではないが、α、β、またはγ放射体、あるいはβおよびγ放射体が含まれる。こうした放射性同位体には、限定されるわけではないが、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、ロジウム(188Rh)、イオウ(35S)、炭素(14C)、トリチウム(3H)、クロム(51Cr)、塩素(36Cl)、コバルト(57Coまたは58Co)、鉄(59Fe)、セレン(75Se)、またはガリウム(67Ga)が含まれる。療法剤として有用な放射性同位体には、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、およびロジウム(188Rh)が含まれる。例えば診断剤で使用するための標識として有用な放射性同位体には、ヨウ素(131Iまたは125I)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)、およびトリチウム(3H)、または上に列挙される療法的同位体の1以上が含まれる。 本発明は、放射標識抗PSMA抗体および該抗体を標識する方法を提供する。1つの態様において、抗PSMA抗体を標識する方法を開示する。該方法には、抗PSMA抗体、例えば本明細書に記載する抗PSMA抗体を、キレート剤、例えば1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)と接触させ、それによってコンジュゲート化抗体を産生することが含まれる。コンジュゲート化抗体を放射性同位体、例えば111インジウム、90イットリウムおよび177ルテチウムで放射標識し、それによって標識抗PSMA抗体を産生する。抗PSMA抗体を放射標識する詳細な方法は、以下のセクションおよび付随する実施例に、より詳細に記載される。例えば、抗PSMA抗体は、その内容が本明細書に完全に援用される、USSN 60/295,214、2001年6月1日出願に記載されるように、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)とカップリングさせることによって、111インジウム、90イットリウム、または177ルテチウムで放射標識することが可能である。抗PSMA抗体をキレートするための詳細な実験プロトコルが、USSN 60/295,214の実施例16に記載され、これは、本出願に特に援用され、そして以下の実施例1で再現される。 上に論じるように、抗体を療法剤とコンジュゲート化することが可能である。療法的に活性である放射性同位体にはすでに言及した。他の療法剤の例には、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド類、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド類、例えばメイタンシノール(米国特許第5,208,020号を参照されたい)、CC−1065(米国特許第5,475,092号、第5,585,499号、第5,846,545号を参照されたい)およびその類似体または相同体が含まれる。療法剤には、限定されるわけではないが、代謝拮抗剤(例えばメトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルダカルバジン(decarbazine))、アルキル化剤(例えばメクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、CC−1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン類(例えばダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソールおよびメイタンシノイド類)が含まれる。 本発明のコンジュゲートは、既定の生物学的反応を修飾するのに使用可能である。療法剤は、古典的な化学的療法剤に限定されると解釈してはならない。例えば、療法剤は、望ましい生物学的活性を所持するタンパク質またはポリペプチドであることが可能である。こうしたタンパク質には、例えばアブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、またはその構成要素(例えばシュードモナス外毒素の構成要素はPE38である)などの毒素;腫瘍壊死因子、インターフェロン、神経増殖因子、血小板由来増殖因子、組織プラスミノーゲンアクチベーターなどのタンパク質;または例えばリンホカイン類、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、または他の増殖因子などの生物学的反応修飾因子が含まれることが可能である。同様に、療法剤は、本発明の抗PSMA抗体にコンジュゲート化される(例えば化学的リンカーを介して)か、または融合される(例えばウイルスコートタンパク質を介して)ウイルス粒子、例えば組換えウイルス粒子であることが可能である。ウイルス核酸分子、例えば組換えウイルス核酸分子の、PSMAを発現する細胞、例えば前立腺癌細胞または腫瘍に関連する血管内皮細胞への導入は、抗PSMA抗体/ウイルス粒子コンジュゲートまたは融合体の結合およびエンドサイトーシスに続いて、起こることが可能である。 核酸、ベクターおよび宿主細胞 本発明の別の側面は、本発明の修飾抗体および抗原結合断片の組換え発現に使用可能な、単離核酸、ベクターおよび宿主細胞組成物に関する。1つの態様において、抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体(例えば脱免疫J591またはJ415抗PSMA抗体)、またはその抗原結合断片の、それぞれ、重鎖および軽鎖の可変部をコードするヌクレオチド配列を含んでなる、第一の単離核酸および第二の単離核酸を提供する。 修飾(脱免疫)抗PSMA J591免疫グロブリン軽鎖可変部のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図4Bに示す(それぞれ配列番号25および22)。非コード相補ヌクレオチド配列もまた、図4Bに示す(配列番号26)。J591脱免疫抗PSMA抗体軽鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号25のほぼヌクレオチド261〜329にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基1〜23(直鎖番号付け;配列番号13もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド330〜362にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基24〜34(直鎖番号付け;配列番号4もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド363〜407にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基35〜49(直鎖番号付け;配列番号14もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド408〜428にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基50〜56(直鎖番号付け;配列番号5もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド429〜524にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基57〜88(直鎖番号付け;配列番号15もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号25のほぼヌクレオチド525〜551にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基89〜97(直鎖番号付け;配列番号6もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号25のほぼヌクレオチド552〜581にコードされる、配列番号22のほぼアミノ酸残基98〜107(直鎖番号付け;配列番号16もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。 修飾(脱免疫)抗PSMA J591免疫グロブリン重鎖可変部のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図4Aに示す(それぞれ配列番号23および21)。非コード相補配列もまた、図4Aに示す(配列番号24)。J591脱免疫抗PSMA抗体重鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号23のほぼヌクレオチド261〜335にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基1〜25(直鎖番号付け;配列番号9もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド336〜365にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基26〜35(直鎖番号付け;配列番号1もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド366〜407にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基36〜49(直鎖番号付け;配列番号10もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド408〜458にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基50〜66(直鎖番号付け;配列番号2もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド459〜554にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基67〜98(直鎖番号付け;配列番号11もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号23のほぼヌクレオチド555〜572にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基99〜104(直鎖番号付け;配列番号3もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号23のほぼヌクレオチド573〜605にコードされる、配列番号21のほぼアミノ酸残基105〜115(直鎖番号付け;配列番号9もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。 修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン軽鎖可変部(J415DIVK1)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図8Aに示す(それぞれ配列番号56および57)。J415DIVK1の非コード相補ヌクレオチド配列もまた、図8Aに示す(配列番号58)。J415脱免疫抗PSMA抗体軽鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号56のほぼヌクレオチド261〜329にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基1〜23(直鎖番号付け;配列番号41もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド330〜362にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基24〜34(直鎖番号付け;配列番号32もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド363〜407にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基35〜49(直鎖番号付け;配列番号42もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド408〜428にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基50〜56(直鎖番号付け;配列番号33もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド429〜524にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基57〜88(直鎖番号付け;配列番号43もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号56のほぼヌクレオチド525〜551にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基89〜97(直鎖番号付け;配列番号34もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号56のほぼヌクレオチド552〜581にコードされる、配列番号57のほぼアミノ酸残基98〜107(直鎖番号付け;配列番号44もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。好ましい修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン軽鎖可変部(J415DIVK5)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号50および52に示し;J415DIVK5は、J415DIVK1に関して上に示すのと同一の方式で、その構成要素配列に分割することが可能である。 修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン重鎖可変部のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を図7Aに示す(それぞれ配列番号53および54)。非コード相補配列もまた、図7Aに示す(配列番号55)。J415脱免疫抗PSMA抗体重鎖可変部は、以下の領域を含有する:配列番号53のほぼヌクレオチド261〜335にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基1〜25(直鎖番号付け;配列番号37もまた参照されたい)に対応する、FR1ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド336〜365にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基26〜35(直鎖番号付け;配列番号29もまた参照されたい)に対応する、CDR1ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド366〜407にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基36〜49(直鎖番号付け;配列番号38もまた参照されたい)に対応する、FR2ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド408〜464にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基50〜68(直鎖番号付け;配列番号30もまた参照されたい)に対応する、CDR2ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド465〜560にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基69〜100(直鎖番号付け;配列番号39もまた参照されたい)に対応する、FR3ドメイン;配列番号53のほぼヌクレオチド561〜575にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基101〜105(直鎖番号付け;配列番号31もまた参照されたい)に対応する、CDR3ドメイン;および配列番号53のほぼヌクレオチド576〜608にコードされる、配列番号54のほぼアミノ酸残基106〜116(直鎖番号付け;配列番号40もまた参照されたい)に対応する、FR4ドメイン。好ましい修飾(脱免疫)抗PSMA J415免疫グロブリン重鎖可変部(J415DIVH4)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号51および49に示し;J415DIVH4は、J415DIVH1に関して上に示すのと同一の方式で、その構成要素配列に分割することが可能である。 当業者は、抗PSMA修飾抗体(例えばFRドメイン、例えばFR1〜4)をコードするヌクレオチド配列は、遺伝暗号および標準的分子生物学技術を用いて、本出願に記載されるヌクレオチド配列およびアミノ酸配列から得ることが可能であると認識するであろう。 1つの態様において、単離核酸は、図4A(配列番号23)、図7A(配列番号53)もしくは配列番号51(J415DIVH4)に示すようなヌクレオチド配列もしくはその相補体(例えば配列番号24または配列番号55)、ATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のヌクレオチド配列もしくはその相補体;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上の同一性を有する配列;あるいは図4A(配列番号23)、図7A(配列番号53)、配列番号51に示すヌクレオチド配列、もしくはその相補体(例えば配列番号24または配列番号55)、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のヌクレオチド配列、もしくはその相補体に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体重鎖可変部ヌクレオチド配列を含んでなる。 別の態様において、単離核酸は、図2A(配列番号21)もしくは図5(例えば配列番号49)に示すようなアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のアミノ酸配列;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列;あるいは図2A(配列番号21)、図5(例えば配列番号49)に示すようなアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の重鎖可変部のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体重鎖可変部アミノ酸配列をコードする。 別の態様において、単離核酸は、配列番号1、2、および3、または29、30および31、または93、94、および95、または99、100および101のアミノ酸配列、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDR配列から選択される抗PSMA抗体の重鎖可変部のCDRを、少なくとも1つ、好ましくは2つ、そして最も好ましくは3つコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる。さらに別の態様において、単離核酸は、図4A(配列番号23)、配列番号51、図7B(配列番号125)、図9A(配列番号73)、もしくは図11A(配列番号83)に示すCDR1、2、もしくは3をコードするヌクレオチド配列、またはその相補体、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列を含んでなる。 別の態様において、単離核酸は、配列番号9、10、11および12、または37、38、39および40、あるいはそれに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列から選択される抗PSMA修飾抗体の重鎖可変フレームワーク領域由来のアミノ酸配列を、少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、そして最も好ましくは4つコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる。 さらに別の態様において、単離核酸は、図4B(配列番号25)、図8A(配列番号56)、もしくは配列番号52に示すような配列、もしくはその相補体(例えば配列番号26または配列番号58)、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のヌクレオチド配列;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列;あるいは図4B(配列番号25)、図8A(配列番号56)、配列番号52に示すようなヌクレオチド配列、もしくはその相補体(例えば配列番号26または58)、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のヌクレオチド配列、もしくはその相補体に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体軽鎖可変部ヌクレオチド配列を含んでなる。別の態様において、単離核酸は、図2B(配列番号22)もしくは図6(例えば配列番号50)に示すような配列、ATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のアミノ酸配列;それに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上の同一性を有する配列;あるいは図2B(配列番号22)もしくは図6(配列番号50)に示すようなアミノ酸配列、またはATCC寄託番号PTA−3709もしくはPTA−4174を有するNS0細胞株に産生される抗体の軽鎖可変部のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、本明細書に記載するストリンジェントな条件(例えば非常にストリンジェントな条件)下でハイブリダイズ可能な配列を有する、抗PSMA修飾抗体軽鎖可変部アミノ酸をコードする。 別の態様において、単離核酸は、配列番号4、5、および6、または32、33および34、または96、97、および98、または102、103および104のアミノ酸配列から選択される抗PSMA抗体の軽鎖可変部のCDRを、少なくとも1つ、好ましくは2つ、そして最も好ましくは3つコードするヌクレオチド配列、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列を含んでなる。 さらに別の態様において、単離核酸は、配列番号25に示す軽鎖可変ヌクレオチド配列のCDR1〜3をコードする配列、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる。別の態様において、単離核酸は、配列番号13、14、15および16、または41、42、43および44から選択される抗PSMA修飾抗体の軽鎖可変フレームワーク領域由来のアミノ酸配列、あるいはそれに少なくとも85%、90%、95%、99%またはそれ以上同一である配列を、少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、そして最も好ましくは4つコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる。 好ましい態様において、抗PSMA抗体の軽鎖および重鎖の可変部をコードするヌクレオチド配列を有する、単離された第一の核酸および第二の核酸があり、各単離核酸は、配列番号1、2、3、4、5、および6、または29、30、31、32、33および34、または93、94、95、96、97、および98、または99、100、101、102、103、および104のアミノ酸配列から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、そして好ましくはすべてのCDR、あるいは本明細書に記載する配列と1または2アミノ酸が異なるCDRをコードする配列を有する。 核酸は、軽鎖または重鎖の可変部のみをコードすることが可能であるし、または、対応する可変部に機能可能であるように連結した、抗体軽鎖または重鎖の定常部もまたコードすることが可能である。1つの態様において、軽鎖可変部を、カッパまたはラムダ定常部から選択される定常部に連結する。好ましくは、軽鎖定常部はラムダ型(例えばヒト・ラムダ型)に由来する。別の態様において、重鎖可変部を、IgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEからなる群より選択される抗体アイソタイプの重鎖定常部に連結する。好ましくは、重鎖定常部は、IgG(例えばIgG1)アイソタイプ、例えばヒトIgG1由来である。 本発明の核酸は、特定の発現系に好ましい、または好ましくないコドンを有するように選択することが可能である。例えば、核酸は、配列が大腸菌、酵母、ヒト、昆虫、NS0、またはCHO細胞での発現に最適化されるように、少なくとも1つのコドンで、好ましくは少なくとも10%または20%のコドンが改変されているものであることが可能である。 好ましい態様において、核酸は提供される配列のものと、例えば以下のように:少なくとも1つであるが、10、20、30、または40ヌクレオチド未満;少なくとも1つであるが、対象の核酸のヌクレオチドの1%、5%、10%または20%未満、異なる(例えば置換、挿入、または欠失によって異なる)。この解析に必要であれば、最大相同性のため、配列を並列すべきである。欠失または挿入、あるいはミスマッチ由来の「ループ」アウトされた配列を相違とみなす。相違は、好ましくは、非必須残基(単数又は複数)または保存的置換(単数又は複数)をコードするヌクレオチドでの相違または変化である。 1つの態様において、第一の核酸および第二の核酸は連結され、例えば同一ベクター中に含有される。他の態様において、第一の核酸および第二の核酸は連結されておらず、例えば異なるベクター中に含有される。 別の側面において、本発明は、本発明の核酸、例えば第一の核酸および第二の核酸を含有する、宿主細胞およびベクター(例えば組換え発現ベクター)を特徴とする。 原核または真核宿主細胞が使用可能である。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書において、交換可能に用いられる。こうした用語は、特定の対象細胞のみでなく、こうした細胞の子孫または潜在的子孫も指す。突然変異または環境の影響によって、続く世代に特定の修飾が起こる可能性があるため、こうした子孫は、実際、親細胞に同一でない可能性があるが、それでも、本明細書で用いるような、用語の範囲内に含まれる。宿主細胞は、原核細胞、例えば大腸菌などの細菌細胞、または真核細胞、例えば昆虫細胞、酵母、または好ましくは哺乳動物細胞(例えば培養細胞または細胞株)いずれであることも可能である。他の適切な宿主細胞が当業者に既知である。 抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を発現させるのに好ましい哺乳動物宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)(例えばR.J. KaufmanおよびP.A. Sharp (1982) Mol. Biol. 159:601−621に記載されるような、DHFR選択可能マーカーと共に用いる、UrlaubおよびChasin, (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220に記載されるdhfr−CHO細胞を含む)、リンパ球細胞株、例えばNS0骨髄腫細胞およびSP2細胞、COS細胞、およびトランスジェニック動物由来の細胞、例えば乳腺上皮細胞が含まれる。 別の側面において、本発明は、ベクター、例えば組換え発現ベクターを特徴とする。本発明の組換え発現ベクターは、原核細胞または真核細胞における、修飾抗体、またはその抗原結合断片の発現のために、設計することが可能である。例えば、本発明のポリペプチドを、大腸菌、昆虫細胞(例えばバキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞で発現させることが可能である。適切な宿主細胞は、Goeddel, (1990) Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185, Academic Press, カリフォルニア州サンディエゴにさらに論じられる。あるいは、例えばT7プロモーター制御配列およびT7ポリメラーゼを用いて、組換え発現ベクターを、in vitroで転写し、そして翻訳することが可能である。 原核生物におけるタンパク質の発現は、融合または非融合タンパク質の発現を指示する構成的または誘導性プロモーターを含有するベクターを用いて、大腸菌で最も頻繁に行われる。融合ベクターは、コードされる抗体、通常、組換え抗体の定常部に、多くのアミノ酸を付加する。 抗体鎖遺伝子に加え、本発明の組換え発現ベクターは、機能可能であるように連結され、そして宿主細胞において、抗体鎖遺伝子の発現を調節する制御配列を所持する。 本発明の修飾抗体、またはその抗原結合部分の組換え発現のための典型的な系において、抗体重鎖および抗体軽鎖両方をコードする組換え発現ベクターを、リン酸カルシウム仲介トランスフェクションによって、dhfr−CHO細胞に導入する。組換え発現ベクター内で、抗体重鎖遺伝子および軽鎖遺伝子は、各々、遺伝子の高レベルの転写を駆動する、エンハンサー/プロモーター制御要素(例えばCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素またはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素など、SV40、CMV、アデノウイルスなどに由来するもの)に機能可能であるように連結されている。組換え発現ベクターはまた、メトトレキセート選択/増幅を用いて、該ベクターでトランスフェクションされているCHO細胞の選択を可能にする、DHFR遺伝子も所持する。選択される形質転換宿主細胞を培養して、抗体重鎖および軽鎖の発現を可能にして、そして損なわれていない抗体を培地から回収する。標準的な分子生物学技術を用いて、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞にトランスフェクションし、形質転換細胞を選択し、該宿主細胞を培養し、そして培地から抗体を回収する。 薬剤組成物 別の側面において、本発明は、組成物、例えば薬剤的に許容しうるキャリアーと共に配合した、本明細書に記載する修飾抗体分子が含まれる、薬剤的に許容しうる組成物を提供する。 本明細書において、「薬剤的に許容しうるキャリアー」には、生理学的に適合する、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、等張剤および吸収遅延剤等が含まれる。キャリアーは、静脈内、筋内、皮下、非経口、直腸、脊髄または表皮投与(例えば注射または注入による)に適している可能性がある。 本発明の組成物は、多様な型であることが可能である。これらには、例えば、液体溶液(例えば注射可能および注入可能溶液)、分散物または懸濁物、リポソームおよび座薬などの液体、半固形および固形投薬型が含まれる。好ましい型は、意図される投与様式および療法的適用に応じる。典型的な好ましい組成物は、注射可能または注入可能溶液の型である。好ましい投与様式は、非経口(例えば静脈内、皮下、腹腔内、筋内)である。好ましい態様において、抗体は、静脈内注入または注射によって投与される。別の好ましい態様において、抗体は、筋内または皮下注射によって投与される。 句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、本明細書において、通常、注射による、腸溶性および局所投与以外の投与様式を意味し、そして該句には、限定なしに、静脈内、筋内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入が含まれる。 療法組成物は、典型的には、製造および保管条件下で、無菌であり、そして安定であるべきである。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソーム、または高濃度の抗体に適した、他の整理された構造として、配合することが可能である。無菌注射可能溶液は、必要に応じて、上に列挙される成分の1つまたはそれらの組み合わせを含む適切な溶媒中に、必要な量の活性化合物(すなわち抗体または抗体部分)を取り込み、その後、ろ過滅菌することによって、調製可能である。一般的に、分散物は、基本的な分散媒体および上に列挙されるもの由来の必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル中に、活性化合物を取り込むことによって、調製される。無菌注射可能溶液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製法は、活性成分に加えて、先の無菌ろ過溶液由来のさらなる望ましい成分いずれかの粉末を生じる、真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングの使用によって、分散物の場合、必要な粒子サイズの維持によって、そして界面活性剤の使用によって、維持することが可能である。注射可能組成物の吸収の延長は、組成物中に、吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンを含むことによって、達成可能である。 本発明の修飾抗体および抗体断片は、当該技術分野に知られる多様な方法によって、投与することが可能であるが、多くの療法適用に関して、好ましい投与経路/投与様式は、静脈内注射または注入である。以下の実施例に記載するように、抗PSMA抗体は、10mg/分未満、好ましくは5mg/分以下の速度の静脈内注入によって投与され、約1〜100mg/m2、好ましくは約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2、そしてより好ましくは、約10mg/m2の用量に達することが可能である。当業者に理解されるであろうように、投与経路および/または投与様式は、望ましい結果に応じて多様であろう。特定の態様において、活性化合物は、移植物、経皮パッチおよびマイクロカプセルに入れた搬送系を含む、徐放配合物など、迅速な放出に対して化合物を保護するであろうキャリアーと共に調製可能である。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類、およびポリ乳酸などの、生物分解性、生体適合性ポリマーが使用可能である。こうした配合を調製するための多くの方法が特許されるかまたは当業者に一般的に知られる。例えばSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. RobiNS0n監修, Marcel Dekker, Inc., ニューヨーク, 1978を参照されたい。 特定の態様において、本発明の抗体または抗体部分は、例えば不活性希釈剤または吸収可能食用キャリアーと共に、経口投与することが可能である。該化合物(および望ましい場合、他の成分)はまた、硬または軟シェル・ゼラチンカプセルに封入するか、錠剤に圧縮するか、または被験者の食餌に直接取り込むことも可能である。経口療法的投与のため、化合物は賦形剤と共に取り込んで、そして摂取可能錠剤、頬側錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁物、シロップ、ウエーハ等の型で用いることが可能である。非経口投与以外で本発明の化合物を投与するため、化合物をその不活性化を防止する物質でコーティングするか、または化合物を該物質と共に投与することが必要である可能性がある。 療法組成物は、当該技術分野に知られる医学的装置を用いて投与することが可能である。 投薬措置を調整して、最適な望ましい反応(例えば療法反応)を提供する。例えば、単一の多量用量(bolus)を投与することが可能であるし、いくつかの分割用量を時間に渡って(over time)投与することが可能であるし、あるいは療法状況の要求に示されるように、比例して用量を減少させるかまたは増加させることが可能である。投与を容易にし、そして投薬量を均一にするため、非経口組成物を投薬単位型で配合することが、特に好適である。本明細書において、投薬単位型は、治療しようとする被験者の単位投薬量として適している、物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な薬剤的キャリアーと会合した、望ましい療法効果を生じると計算される、あらかじめ決定された量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位型の仕様は、(a)活性化合物の特有の特性および達成しようとする特定の療法効果、並びに(b)こうした活性化合物を治療のために化合する当該技術分野に生得的な、個体における感度の限界によって指定され、そしてこれらに直接応じる。 本発明の抗体または抗体部分の療法的または予防的有効量の典型的な限定されない範囲は、0.1〜20mg/kg、より好ましくは1〜10mg/kgである。実施例10および12に記載されるように、抗PSMA抗体は、10mg/分未満、好ましくは5mg/分以下の速度の静脈内注入によって投与され、約1〜100mg/m2、好ましくは約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2、そしてより好ましくは、約10mg/m2の用量に達することが可能である。投薬量値は、軽減しようとする異常の種類および重症度によって、多様である可能性があることに注目すべきである。特定の被験者いずれかに関して、個体の必要性、並びに該組成物を投与するか、またはその投与を監視する人物の専門的な判断にしたがって、時間に渡って、特定の投薬措置を調整すべきであり、そして本明細書に示す投薬量範囲は、例示のためのみであり、そして請求する組成物の範囲または実施を限定することを意図しないことが、さらに理解されるべきである。 本発明の薬剤組成物には、本発明の抗体または抗体部分の「療法的有効量」または「予防的有効量」が含まれることが可能である。「療法的有効量」は、望ましい療法的結果を達成するために必要な投薬量および期間の、有効な量を指す。修飾抗体または抗体断片の療法的に有効な量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重などの要因、並びに抗体または抗体部分が、個体において望ましい反応を引き出す能力に応じて多様である可能性がある。療法的に有効な量はまた、修飾抗体または抗体断片のいかなる有毒または有害な影響も、療法的に有益な効果に圧倒されるものである。「療法的に有効な投薬量」は、好ましくは、未処理被験者に比較して、測定可能なパラメーター、例えば腫瘍増殖率を、少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、そしてさらにより好ましくは少なくとも約80%、阻害する。化合物が測定可能なパラメーター、例えば癌を阻害する能力は、ヒト腫瘍における有効性を予測する、動物モデル系で評価することが可能である。あるいは、組成物のこの特性は、化合物が阻害する能力を調べることによって、in vitroの阻害の場合、当業者に知られるアッセイによって、評価することが可能である。 「予防的に有効な量」は、望ましい予防的結果を達成するために必要な投薬量および期間の、有効な量を指す。典型的には、予防的用量は、疾患前または疾患のより早い段階で、被験者において用いられるため、予防的に有効な量は、療法的に有効な量より少ないであろう。 やはり本発明の範囲内にあるのは、抗PSMA抗体、好ましくは修飾抗体、またはその抗原結合断片を含んでなるキットである。該キットには:使用説明書;他の試薬、例えば標識、療法剤、あるいは抗体を標識もしくは療法剤にキレートするか、または別の方式でカップリングするのに有用な剤、あるいは放射線防護組成物;投与用抗体を調製するための装置または他の材料;薬剤的に許容しうるキャリアー;および被験者に投与するための装置または他の材料を含む、1以上の他の要素が含まれることが可能である。使用説明書には、in vitroで、例えば試料、例えば癌または前立腺障害を有する患者由来の生検または細胞において、あるいはin vivoにおいて、PSMAを検出する抗PSMA抗体(またはその抗原結合断片)の診断的適用のための指示が含まれることが可能である。指示には、例えば癌または前立腺障害を持つ患者における、示唆される投薬量および/または投与様式を含む、療法的適用の指示が含まれることが可能である。他の指示には、抗体をキレート剤、標識または療法剤にカップリングすることに関する指示、あるいは例えば未反応コンジュゲーション構成要素から、コンジュゲート化抗体を精製するための指示が含まれることが可能である。上に論じるように、キットには、標識、例えば本明細書に記載する標識いずれかが含まれることも可能である。上に論じるように、キットには、療法剤、例えば本明細書に記載する療法剤が含まれることも可能である。キットには、抗体を標識もしくは療法剤にキレートするか、または別の方式でカップリングするのに有用な試薬、例えば本明細書に論じる試薬が含まれることも可能である。例えば、巨大環状キレート剤、好ましくは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)を含むことも可能である。DOTAは、別個の構成要素として供給することも可能であるし、またはすでに抗体にカップリングさせたDOTA(あるいは他のキレート剤またはコンジュゲート化剤)を供給することも可能である。キレート剤、例えばDOTAを抗体にカップリングさせるために、さらなるカップリング剤、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)などの剤を供給することが可能である。いくつかの適用において、抗体は、他の構成要素、例えばキレート剤または標識または療法剤、例えば放射性同位体、例えばイットリウムまたはルテチウムと反応するであろう。こうした場合、キットには、反応を実行する、1以上の反応容器、あるいは出発材料または反応中間体から最終産物を分離するのに使用するための分離装置、例えばクロマトグラフィーカラムが含まれることが可能である。 キットはさらに、1以上の別個の薬剤中に、適切なように配合した、診断剤または療法剤、例えば本明細書に記載するような診断剤または療法剤などの、少なくとも1つのさらなる試薬および/または1以上のさらなる抗PSMA抗体(またはその断片)を含有することが可能である。 キットはさらに、放射線防護剤を含有することが可能である。同位体、例えば90イットリウム(90Y)の放射線分解性が知られる。この放射線分解を克服するため、放射線防護剤が良性である限り、すなわち例えば90Yなどの同位体の抗体への標識反応を阻害しないか、または別の方式で該反応に不都合に影響を及ぼさない限り、例えば反応緩衝液において、放射線防護剤が含まれることも可能である。 本発明の配合緩衝液には、ヒト血清アルブミン(HSA)またはアスコルベートなどの放射線防護剤が含まれることが可能であり、これらの剤は、イットリウムまたは他の強い放射性核種のための放射線分解を最小限にする。他の放射線防護剤、すなわちフリーラジカル・スカベンジャー(フェノール、スルフィット(suffites)、グルタチオン、システイン、ゲンチシン酸、ニコチン酸、パルミチン酸アスコルビル、HOP(:O)H2Iグリセロール、ホルムアルデヒド・スルホキシル酸ナトリウム、Na2S20、Na2S203、およびS02など)が当該技術分野に知られ、そして本発明の配合緩衝液中にも使用可能である。 好ましいキットは、患者に投与するため、キレート剤コンジュゲート化タンパク質またはペプチドを、療法的放射性同位体で放射標識するのに有用なものである。該キットには(i)キレート剤コンジュゲート化抗体を含有するバイアル、(ii)放射標識抗体を安定化し、そして患者に投与するための配合緩衝剤を含有するバイアル、および(iii)放射標識法を行うための指示が含まれる。該キットは、例えば指示に推奨されるような、穏やかな(amiable)条件下で、十分な時間、キレート剤コンジュゲート化抗体を放射性同位体またはその塩に曝露することを提供する。十分な純度、比活性および結合特異性を有する放射標識抗体を産生する。放射標識抗体を適切な濃度に、例えば配合緩衝液中で希釈して、そしてさらなる精製を伴いまたは伴わずに、患者に直接投与することが可能である。キレート剤コンジュゲート化抗体は凍結乾燥型で供給可能である。 発明の使用 修飾抗体は、in vitroおよびin vivoで、診断的、療法的および予防的有用性を有する。例えば、これらの抗体を、培養中の細胞に、例えばin vitroでまたはex vivoで投与するか、あるいは被験者に、例えばin vivoで投与して、癌(前立腺癌および非前立腺癌)と共に、非癌性前立腺状態(例えば良性過形成性前立腺障害)などの、多様な障害を治療し、防止し、そして/または診断することが可能である。 本明細書において、用語「被験者」は、ヒトおよび非ヒト動物を含むと意図される。好ましいヒト動物には、PSMA発現細胞、例えば癌細胞または前立腺細胞の異常な機能に特徴付けられる障害を有するヒト患者が含まれる。本発明の用語「非ヒト動物」には、すべての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類などの、哺乳動物および非哺乳動物が含まれる。 1つの態様において、被験者はヒト被験者である。あるいは、被験者は、本発明の修飾抗体が交差反応するPSMA様抗原を発現する哺乳動物であることが可能である。本発明の修飾抗体分子を、療法目的のため、ヒト被験者に投与することが可能である(以下にさらに論じる)。さらに、修飾抗PSMA抗体(またはその断片)を、獣医学的目的のため、またはヒト疾患の動物モデルとして、修飾抗体が交差反応するPSMA様抗原を発現する非ヒト哺乳動物(例えば霊長類、ブタまたはマウス)に投与することが可能である。後者に関して、こうした動物モデルは、本発明の抗体の療法的有効性を評価するのに有用である可能性がある(例えば投薬量および投与の時間経過を試験する)。 療法的使用 1つの態様において、本発明は、細胞、例えば前立腺細胞(例えば癌性または非癌性の前立腺細胞、例えば正常、良性または過形成性の前立腺上皮細胞)、または悪性非前立腺細胞、例えば非前立腺固形腫瘍、軟組織腫瘍、または転移性病変に見られる細胞(例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、精巣、結腸、直腸、肺(例えば非小細胞肺癌)、乳房、肝臓、神経(例えば神経内分泌)、グリア(例えばグリア芽腫)、膵臓(例えば膵管)の癌および/または転移、黒色腫(例えば悪性黒色腫)、または軟組織肉腫に見られる細胞)を処理する、例えば除去するかまたは殺す方法を提供する。本発明の方法には、該細胞、または近くの細胞、例えば該細胞に近接する血管内皮細胞を、該細胞を処理する、例えば除去するかまたは殺すのに十分な量の、修飾抗PSMA抗体、例えば本明細書に記載するような修飾抗PSMA抗体と接触させる工程が含まれる。 本方法を、培養中の細胞に、例えばin vitroでまたはex vivoで用いることが可能である。例えば、前立腺細胞(例えば悪性または正常、良性または過形成性の前立腺上皮細胞)あるいは非前立腺癌性細胞または転移性細胞(例えば腎臓、尿路上皮、結腸、直腸、肺、乳房または肝臓の癌性細胞または転移性細胞)を、培地中、in vitroで培養して、そして修飾抗PSMA抗体またはその断片を培地に添加することによって、接触工程を達成することが可能である。該方法は、in vivo(例えば療法または予防)プロトコルの一部として、被験者に存在する細胞(例えば前立腺細胞または非前立腺癌性細胞または転移性細胞)に対して行うことが可能である。in vivo態様では、接触工程は被験者において達成され、そして該工程には、修飾抗PSMA抗体またはその断片が、該細胞、または該細胞に近接する血管内皮細胞に結合し、そして該細胞を処理する、例えば殺すかまたは除去するのを両方とも可能にするのに有効な条件下で、被験者に、修飾抗PSMA抗体またはその断片を投与することが含まれる。 治療または防止可能な前立腺障害の例には、限定されるわけではないが、前立腺炎におけるような尿生殖器炎症(例えば平滑筋細胞の炎症);良性肥大、例えば結節過形成(良性前立腺肥大または過形成);および前立腺および/または精巣腫瘍の癌、例えば腺癌または癌腫が含まれる。 本明細書において、用語「癌」には、組織病理学的な種類または侵襲性の段階にかかわりなく、癌性増殖または発癌過程のすべての種類、転移性組織あるいは悪性に形質転換された細胞、組織、または臓器が含まれると意図される。 非前立腺癌性障害の例には、限定されるわけではないが、固形腫瘍、軟組織腫瘍、および転移性病変が含まれる。固形腫瘍の例には、肺、乳房、リンパ系、胃腸(例えば結腸)、および尿生殖路(例えば腎細胞、尿路上皮細胞)、咽頭に影響を及ぼすものなどの多様な器官系の悪性腫瘍、例えば肉腫、腺腫、および癌腫が含まれる。腺癌には、大部分の結腸癌、直腸癌、腎細胞癌腫、肝臓癌、肺非小細胞癌、小腸の癌および食道の癌などの悪性腫瘍が含まれる。前述の癌の転移性病変もまた、本発明の方法および組成物を用いて、治療するかまたは防止することが可能である。 本方法は、肺、乳房、リンパ系、胃腸(例えば結腸)、膀胱、尿生殖路(例えば前立腺)、咽頭に影響を及ぼすものなどの多様な器官系の悪性腫瘍と共に、大部分の結腸癌、腎細胞癌腫、前立腺癌および/または精巣腫瘍、肺非小細胞癌、小腸の癌および食道の癌などの悪性腫瘍を含む腺癌を治療するのに有用である可能性がある。 他の態様において、本発明の抗体を、痛みを経験しているか、または痛みに関連する障害を患う被験者の診断および治療に使用することが可能である。好ましくは、被験者はヒト、例えば本明細書に開示する痛みまたは痛みに関連する障害を持つ患者である。例えば被験者は、前立腺疾患、例えば良性前立腺過形成または前立腺癌、あるいは非前立腺癌、例えばPSMAを発現する血管系を有する癌(例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、精巣、結腸、直腸、肺(例えば非小細胞肺癌)、乳房、肝臓、神経(例えば神経内分泌)、グリア(例えばグリア芽腫)、または膵臓(例えば膵管)の癌、黒色腫(例えば悪性黒色腫)、または軟組織肉腫)を有する可能性がある。痛みは、骨の痛みと共に、腫脹する前立腺のための閉塞性排尿症状、例えば排尿躊躇または尿流減少、頻尿または夜間多尿に関連する痛みであることが可能である。本発明の修飾抗PSMA抗体を用いた痛みの治療は、鎮痛薬、例えば麻薬の必要性を減少させるか、または劇的に低下させるか、または除去することさえ可能である。さらに、痛みを減少させることによって、治療法は、動きに関連する痛みの結果、機能不全となっていた、例えば肢の移動度を回復することが可能である。 修飾抗体分子を投与する方法を上述する。使用する分子の適切な投薬量は、被験者の年齢および体重、並びに使用する特定の薬剤に応じるであろう。修飾抗体分子は、リガンド結合に関する競合剤として使用して、望ましくない相互作用を阻害し、減少させることが可能である。 1つの態様において、抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体またはその抗原結合断片を用いて、in vivoで、癌性細胞および正常、良性過形成性、および癌性の前立腺上皮細胞を殺すかまたは除去することが可能である。例えば、抗PSMA抗体を用いて、本明細書に記載する障害を治療するかまたは防止することが可能である。抗体、例えば修飾抗体(またはその断片)自体を用いるか、あるいは第二の剤、例えば細胞傷害性薬剤、放射性同位体、またはタンパク質、例えばタンパク質毒素またはウイルスタンパク質にコンジュゲート化することが可能である。この方法には:修飾抗体を単独で、または細胞傷害性薬剤とコンジュゲート化して、こうした治療が必要な被験者に投与することが含まれる。 抗PSMA抗体(またはその断片)は、正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞を認識するため、修飾抗体が結合する細胞はいずれも破壊される。こうした投与は正常前立腺上皮細胞を破壊する可能性があるが、前立腺は生命または生存に必要でないため、これは問題ではない。前立腺は、受精能に間接的に寄与する可能性があるが、本発明の治療を受ける患者にとって、これが現実的な検討材料となる可能性は低い。癌性組織の場合、修飾抗体は、癌性細胞に近接する血管内皮細胞を認識するため、これらの血管内皮細胞への修飾抗体/細胞傷害性薬剤複合体の結合が該血管内皮細胞を破壊し、それによって近接する癌性細胞への血流を遮断し、そしてこうしてこれらの癌性細胞を殺すかまたは除去する。あるいは、修飾抗体は、癌性細胞に近接する血管内皮細胞への結合によって、癌性細胞に近接して局在化する。したがって、適切な修飾抗体(無差別的に、しかし短い範囲に渡ってのみ、細胞を殺すのに有効な物質を含有するものを含む)を使用することによって、癌性組織中の細胞(癌性細胞を含む)を選択的に殺すかまたは除去することが可能である。 本発明の抗体を用いて、多様な療法剤、例えば細胞傷害性部分、例えば療法薬剤、放射性同位体、植物、真菌、もしくは細菌起源の分子、または生物学的タンパク質(例えばタンパク質毒素)もしくは粒子(例えばウイルスコートタンパク質を介して、例えば組換えウイルス粒子)、あるいはそれらの混合物を搬送することが可能である。療法剤は、例えば本明細書に記載するような、短距離高エネルギーα放射体を含む、短距離放射能放射体などの、細胞内で活性である薬剤または他の剤であることが可能である。いくつかの好ましい態様において、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、植物または細菌起源の分子(またはその誘導体)、例えばメイタンシノイド(例えばメイタンシノールまたはDM1メイタンシノイド、図15を参照されたい)にカップリングすることが可能である。DM1は、メイタンシンのスルフィドリル含有誘導体であり、ジスルフィドリンカーを介して、これを抗体に連結することが可能であり、該リンカーは、標的細胞内部で、DM1を放出する。ジスルフィドリンカーは、他のリンカーより、保管中、および血清中、より高い安定性を示す。メイタンシンは、微小管の形成および現存する微小管の脱重合を妨げることによって、細胞殺傷を達成する細胞傷害性剤である。メイタンシンは、現在臨床的に使用されているドキソルビシン、メトトレキセート、およびビンカ・アルカロイドなどの抗癌剤より、100〜1000倍、より細胞傷害性である。あるいは、抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片をタキサン、カリケアマイシン、プロテオソーム阻害剤、またはトポイソメラーゼ阻害剤にカップリングすることが可能である。[(1R)−3−メチル−1−[[(2S)−1−オキソ−3−フェニル−2−[(3−メルカプトアセチル)アミノ]プロピル]アミノ]ブチル]ボロン酸が適切なプロテオソーム阻害剤である。N,N’−ビス[2−(9−メチルフェナジン−1−カルボキサミド)エチル]−1,2−エタンジアミンが適切なトポイソメラーゼ阻害剤である。 酵素的に活性である毒素およびその断片は、ジフテリア毒素A断片、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サクリン(sacrin)、特定のシナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、特定のジアンシン(Dianthin)タンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolacca americana)タンパク質(PAP、PAPIIおよびPAP−S)、モロディカ・チャランティア(Morodica charantia)阻害剤、クルシン(curcin)、クロチン、サボンソウ(Saponaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトギリン(mitogillin)、レストリクトシン(restrictosin)、フェノマイシン(phenomycin)、およびエノマイシン(enomycin)に例示される。好ましい態様において、抗PSMA抗体をメイタンシノイド、例えばメイタンシノール(米国特許第5,208,020号を参照されたい)、CC−1065(米国特許第5,475,092号、第5,585,499号、第5,846,545号を参照されたい)にコンジュゲート化する。免疫毒素の酵素的に活性であるポリペプチドを調製するための方法が、本明細書に援用されるWO84/03508およびWO85/03508、並びに以下の付随する実施例に記載される。抗体にコンジュゲート化することが可能な細胞傷害性部分の例には、アドリアマイシン、クロラムブシル、ダウノマイシン、メトトレキセート、ネオカルジノスタチン、および白金が含まれる。 正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞を殺すかまたは除去するため、第一の抗体、例えば修飾抗体を、プロドラッグ活性化因子と近接した際にのみ活性化されるプロドラッグにコンジュゲート化することが可能である。プロドラッグ活性化因子を、第二の抗体、例えば本発明にしたがった第二の修飾抗体、好ましくは前立腺特異的膜抗原分子の非競合部位に結合するものとコンジュゲート化する。2つの修飾抗体が競合的結合部位または非競合的結合部位のいずれに結合するかは、慣用的な競合的結合アッセイによって決定可能である。例えば、モノクローナル抗体J591、J533、およびE99は、前立腺特異的膜抗原分子の競合的結合部位に結合する。一方、モノクローナル抗体J415は、J591、J533、およびE99が結合する部位と非競合性である結合部位に結合する。したがって、例えば、第一の修飾抗体がJ591、J533、およびE99の1つであることが可能であり、そして第二の修飾抗体がJ415であることが可能である。あるいは、第一の修飾抗体がJ415であることが可能であり、そして第二の修飾抗体がJ591、J533、およびE99の1つであることが可能である。本発明の実施に使用するのに適した薬剤−プロドラッグ対が、Blakelyら, “ZD2767, an Improved System for Antibody−directed Enzyme Prodrug Therapy That Results in Tumor Regressions in Colorectal Tumor Xenografts,” (1996) Cancer Research, 56:3287−3292に記載されており、該文献は本明細書に援用される。 あるいは、抗体、例えば修飾抗体を、腫瘍部位に局在した場合、数細胞直径の殺傷を生じる、高エネルギー放射能放射体、例えばγ放射体である131Iなどの放射性同位体にカップリングすることが可能である。例えば、本明細書に援用される、S.E. Order, “Analysis, Results, and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy”, Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy, R.W. Baldwinら(監修), pp 303−316(Academic Press 1985)を参照されたい。他の適切な放射性同位体には、212Bi、213Bi、および211Atなどのα放射体、並びに186Reおよび90Yなどのβ放射体が含まれる。前立腺上皮細胞および癌内部の血管内皮細胞は比較的放射感受性であるため、放射療法が特に有効であると予期される。さらに、Lu117もまた、イメージング剤および細胞傷害性剤両方として、使用可能である。 131I、90Y、および177Luで標識した抗体を用いた放射免疫療法(RIT)が、集中的な臨床試験下にある。これら3つの核種の物理的特徴には、有意な相違があり、そしてその結果、腫瘍に対して最大放射線量を搬送するため、放射性核種の選択が重要である可能性がある。90Yのより高いベータエネルギー粒子は、大きい腫瘍に適している可能性があるが、小さい腫瘍、および特に骨転移(例えば前立腺癌に一般的であるもの)には必要でない可能性がある。131Iの比較的低エネルギーのベータ粒子が理想的であるが、放射ヨウ素標識した分子のin vivo脱ハロゲン化が、抗体を内部に入れるのに不都合な主な点である。対照的に177Luは、わずか0.2〜0.3mmの範囲の低エネルギーベータ粒子を有し、そして90Yに比較して、骨髄にはるかにより低い放射線量を搬送する。さらに、より長い物理的半減期(90Yに比較して)のため、腫瘍居留時間はより長い。その結果、より高い活性(より多いmCi量)の177Lu標識剤を、比較的少ない放射線量で、骨髄に投与することが可能である。多様な癌の治療において、177Lu標識抗体の使用を調べる、いくつかの臨床的研究があった(Mulligan Tら (1995) Clin Cancer Res. 1:1447−1454;Meredith RFら (1996) J Nucl Med 37:1491−1496;Alvarez RDら (1997) Gynecologic Oncology 65:94−101)。 本発明の抗体はまた、ウイルス粒子上に存在するウイルス表面タンパク質にコンジュゲート化するか、または融合させることも可能である。例えば、本発明の一本鎖抗PSMA抗体を、ウイルス表面タンパク質に融合させる(例えば融合タンパク質を形成する)ことが可能である。あるいは、本発明の全抗PSMA抗体、またはその断片を、ウイルス表面タンパク質に化学的にコンジュゲート化する(例えば化学的リンカーを介して)ことが可能である。好ましくは、ウイルスが抗PSMA抗体と共に内部に入り、そしてそれによってPSMA発現細胞が感染するように、ウイルスは、エンドサイトーシス膜と融合するもの、例えばインフルエンザウイルスである。ウイルスは、細胞性毒素として遺伝子操作することが可能である。例えば、ウイルスは、細胞に毒性である遺伝子、例えば細胞死促進遺伝子を発現するか、またはこうした遺伝子の発現を誘導することが可能である。好ましくは、こうしたウイルスは、ウイルス複製不能であろう。 抗体、例えば本発明の修飾抗体を用いて、天然補体または抗体依存細胞傷害性(ADCC)を介して、in vivoで、抗原発現細胞を直接除去することが可能である。補体に結合するIgG1、2、または3あるいはIgM由来の部分などの補体結合部位を有する、本発明の修飾抗体分子もまた、補体の存在下で使用可能である。1つの態様において、標的細胞を含んでなる細胞集団を、本発明の結合剤および適切なエフェクター細胞でex vivo処理するのを、補体または補体を含有する血清を添加することによって、補うことが可能である。本発明の修飾抗体またはその断片でコーティングした標的細胞の食作用は、補体タンパク質の結合によって改善可能である。別の態様において、修飾抗体またはその断片でコーティングした標的細胞もまた、補体によって溶解可能である。 特定の標識を検出するため、本発明の抗体、例えば修飾抗体を用いて、そして装置と共に、キットとして販売することが可能である。 本発明にやはり含まれるのは、PSMA関連障害を防止するため、本明細書に記載する抗体、例えば修飾抗体を用いることを伴う、細胞を殺すかまたは除去する方法である。例えば、これらの物質を用いて、前立腺癌または他の癌の発展または進行を防止するかまたは遅延させることが可能である。 前立腺癌および他の癌を治療するための本発明の療法の使用は、いくつかの利点を有する。本発明にしたがった修飾抗体は、癌性細胞(血管内皮細胞を含有する癌性組織の細胞など)および前立腺上皮細胞のみを標的とするため、他の組織には危害を加えない。その結果、こうした修飾抗体での治療は、特に年配の患者には、より安全である。本発明にしたがった治療は、抗体またはその結合部分などの高レベルの修飾抗体、プローブ、またはリガンドを、前立腺癌転移および他の多くの癌の転移が優位を占める骨髄およびリンパ節に導くため、特に有効であると予期される。さらに、前立腺癌の腫瘍部位は、大きさが小さい傾向があり、そしてしたがって細胞傷害性剤で容易に破壊されるため、本発明の方法は、前立腺癌を治療するのに特によく適している。本発明にしたがった治療は、前立腺癌の場合、血清前立腺特異的抗原、および/または病期、グリーソン・スコア、嚢外、精液、小胞または神経周囲浸潤、陽性辺縁(positive margin)、リンパ節関与、疾患に関連する痛み、例えば骨の痛みなどを含む、患者の癌の病理学的特徴などの臨床的パラメーターで効率的に監視することが可能である。あるいは、これらのパラメーターを用いて、こうした治療を使用すべき場合を示すことが可能である。 本発明はまた、前立腺疾患、例えば良性前立腺過形成または前立腺癌、あるいは非前立腺癌、例えばPSMAを発現する血管系を有する癌(例えば腎臓、尿路上皮(例えば膀胱)、精巣、結腸、直腸、肺(例えば非小細胞肺癌)、乳房、肝臓、神経(例えば神経内分泌)、グリア(例えばグリア芽腫)、または膵臓(例えば膵管)の癌、黒色腫(例えば悪性黒色腫)、または軟組織肉腫)を有するか、または該疾患と診断された被験者が経験する痛みを治療する、例えば痛みを減少させる方法も特徴とする。該方法には、本明細書に記載するような抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体を、前立腺疾患または非前立腺癌と関連する痛みを治療する、例えば減少させるのに十分な量で、被験者に投与することが含まれる。被験者は、例えば血清PSAレベルの上昇および痛みの感覚以外には、前立腺疾患または非前立腺癌の徴候を持たない可能性がある。前立腺癌患者は、しばしば、骨の痛みと共に、腫脹する前立腺のための閉塞性排尿症状、例えば排尿躊躇または尿流減少、頻尿または夜間多尿に関連する痛みを経験する。本発明の修飾抗PSMA抗体を用いた痛みの治療は、鎮痛薬、例えば麻薬の必要性を減少させるか、または劇的に低下させるか、または除去することさえ可能である。痛みを減少させることによって、治療法は、動きに関連する痛みの結果、機能不全となっていた、例えば肢の移動度を回復することが可能である。 本発明の抗体、例えば修飾抗体が、生存前立腺細胞に結合するため、これらの修飾抗体を用いて前立腺癌を治療する療法は、溶解した前立腺細胞の存在に依存しない。同じ理由で、生存正常、良性過形成、または癌性の前立腺上皮細胞(それと共に、癌内部の血管内皮細胞)の位置を決定する診断法およびイメージング法は、本発明の修飾抗体を使用することによって、非常に改善される。さらに、生存および死亡前立腺細胞を区別する能力は、特定の治療措置の有効性を監視するのに特に好都合である可能性がある。 本発明の抗体、例えば修飾抗体、またはその抗原結合部分は、正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞と共に、癌性細胞に近接する血管内皮細胞中の前立腺特異的膜抗原またはその部分の細胞外ドメインに結合する。その結果、正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞と共に、癌性細胞に近接する血管内皮細胞を殺すか、除去するか、または検出するために、本発明の方法を実施する際には、抗体、例えば修飾抗体が、固定細胞または細胞内抗原ドメインが別の方式で細胞外環境に曝露されている細胞だけでなく、こうした細胞すべてに結合する。その結果、抗体、例えば修飾抗体の結合は、これらの細胞が固定されているかまたはいないか、生存しているかまたは壊死しているかにかかわらず、前立腺上皮細胞が存在する領域に濃縮される。さらに、またはあるいは、これらの抗体、例えばこれらの修飾抗体、またはその結合部分は、正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞中の前立腺特異的膜抗原またはその部分に結合し、そして該抗原と共に内部に入る。 併用療法 本明細書に記載する抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体、またはその抗原結合断片を、他の療法と併用することが可能である。例えば、併用療法には、1以上のさらなる療法剤、例えば1以上の抗癌剤、細胞傷害性剤または細胞分裂抑制性剤、ホルモン治療、ワクチン、および/または他の免疫療法と同時配合され、そして/または同時投与される本発明の組成物が含まれることが可能である。他の態様において、抗PSMA抗体を、手術、放射線療法、凍結手術、および/または熱療法を含む、他の療法治療様式と併用投与する。こうした併用療法は、より低い投薬量で投与される療法剤を好適に利用して、したがって多様な単一療法に関連する、ありうる毒性または合併症を回避することが可能である。 「併用」投与する、は、本明細書において、2つ(またはそれ以上)の異なる治療を、被験者が該障害に苦しんでいる経過中に被験者に搬送すること、例えば2以上の治療を、被験者が該障害と診断された後で、そして該障害が治癒するかまたは除去される前に、搬送することを意味する。いくつかの態様において、治療が重複するように、1つの治療の搬送は、第二の搬送が始まる際になお行われている。これはときに、本明細書において、「同時」または「同時搬送」と称される。他の態様において、1つの治療の搬送は、他の治療の搬送が始まる前に終了する。どちらの場合でもいくつかの態様において、治療は、併用投与のため、より有効である。例えば、第一の治療の非存在下で第二の治療を投与した場合に見られるであろうより、第二の治療がより有効であり、例えばより少ない量の第二の治療で同等の効果が見られるか、または第二の治療がより高い度合いまで症状を減少させるし、あるいは第一の治療で同様の状況が見られる。いくつかの態様において、搬送は、症状の減少、または障害に関連する他のパラメーターの減少が、他の治療の非存在下で搬送された際に一方の治療で観察されるであろうより、大きいようなものである。2つの治療の効果は、部分的に相加的であるか、完全に相加的であるか、または相加的よりも高い可能性がある。搬送は、搬送される第一の治療の効果が、第二の治療が搬送される際に、なお検出可能であるようなものであることが可能である。 本発明の抗PSMA抗体は、限定されるわけではないが:手術(例えば根治的前立腺切除術);放射線療法(例えば放射領域が、治療する組織の容量に対して適合するように設計される、三次元の原体照射法を伴う、外部光線療法;超音波誘導を用いて、放射性化合物の種を移植する、組織内照射療法;並びに外部光線療法および組織内照射療法の併用);根治的前立腺切除術または放射線療法の前にまたはそれらの後に投与することが可能な、ホルモン療法(例えば血清テストステロン濃度を減少させるか、またはテストステロン活性を阻害する治療、例えば黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体またはアゴニスト(例えばリュープロン、ゾラデックス、ロイプロリド、ブセレリン、またはゴセレリン)またはアンタゴニスト(例えばアバレリクス)の投与)を含む、前立腺癌を治療するための現存する様式の1以上と併用投与可能である。非ステロイド性抗アンドロゲン、例えばフルタミド、ビカルチマド、またはニルタミドもまた、ホルモン療法に使用可能であり、これと共に、ステロイド性抗アンドロゲン(例えば酢酸シプロテロンまたは酢酸メゲストロール)、エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール)、PROSCARTM、二次または三次ホルモン操作(例えばコルチコステロイド(例えばヒドロコルチゾン、プレドニゾン、またはデキサメタゾン)、ケトコナゾール、および/またはアミノグルテチミドを伴う)、5a−レダクターゼ阻害剤(例えばフィナステリド)、ハーブ剤(例えばPC−SPES)、下垂体摘出術、および副腎摘出術も使用可能である。さらに、ホルモン療法は、断続的に、または上記治療のいずれかと併用して、例えばロイプロリドおよびフルタミドを併用して、行うことが可能である。 他の態様において、抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体を、免疫調節剤、例えばIL−1、24、6、または12、あるいはインターフェロン・アルファまたはガンマと併用投与する。以下の実施例14に記載するように、ヒト定常部を有する抗体およびIL−2の併用は、潜在的に、モノクローナル抗体の効力を増進すると予期される。IL−2は、NK細胞およびマクロファージに対するその影響によって、細網内皮系が抗原−抗体複合体を認識するのを増大させるよう機能するであろう。したがって、NK細胞がIFN、GM−CSF、およびTNFを放出するよう刺激することによって、これらのサイトカインは、Fc受容体の細胞表面密度と共に、これらの細胞の食作用能力を増加させるであろう。したがって、体液性アームおよび細胞性アーム両方のエフェクターアームが、人工的に増進されるであろう。正味の効果は、最大反応が得られることが可能であるように、モノクローナル抗体療法の効率を改善することであろう。少数の臨床試験が、IL−2とモノクローナル抗体を併用している(Albertiniら (1997) Clin Cancer Res 3:1277−1288;Frostら (1997) Cancer 80:317−333;Kossmanら (1999) Clin Cancer Res 5:2748−2755)。IL−2は、多量用量または連続注入いずれかで投与することが可能である。したがって、本発明の抗体は、IL−2と併用投与して、その療法能力を最大にすることが可能である。 診断的使用 1つの側面において、本発明は、PSMAタンパク質の存在をin vitroで(例えば癌性組織または前立腺組織由来の組織生検などの生物学的試料において)またはin vivoで(例えば被験者におけるin vivoイメージングにおいて)検出する診断法を提供する。該方法には:(i)修飾抗PSMA抗体またはその断片と試料を接触させ、または被験者に修飾抗PSMA抗体を投与し;(場合によって)(ii)参照試料、例えば対照試料(例えば血漿、組織、生検などの対照生物学的試料、あるいは対照被験者)を接触させ;そして(iii)抗PSMA抗体、および試料または被験者、あるいは対照試料または被験者間の複合体の形成を検出することが含まれ、ここで、対照試料または対照被験者に比較した、試料または被験者における複合体形成の変化、例えば統計的に有意な変化が、試料中にPSMAが存在する指標となる。 好ましくは、抗PSMA抗体(またはその断片)を、検出可能物質で直接または間接的に標識して、結合または非結合抗体の検出を容易にする。適切な検出可能物質には、上述のような、そして以下により詳細に記載されるような、多様な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質および放射性物質が含まれる。 抗PSMA抗体およびPSMA間の複合体形成は、PSMA抗原に結合する抗体(または抗体断片)または非結合抗体(または抗体断片)いずれかを測定するかまたは視覚化することによって、検出可能である。慣用的な検出アッセイ、例えば酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)または組織免疫組織化学を使用することが可能である。抗PSMA抗体を標識する代わりに、検出可能物質で標識された標準および非標識抗PSMA抗体を利用する競合的免疫アッセイによって、試料中のPSMAの存在をアッセイすることが可能である。このアッセイでは、生物学的試料、標識標準およびPSMA結合剤を組み合わせて、そして非標識抗体に結合した標識標準の量を決定する。試料中のPSMA量は、PSMA結合剤に結合した標識標準量に反比例する。 さらに別の態様において、本発明は、PSMA発現癌性組織(特にその中の血管内皮細胞)および正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞の存在をin vivoで検出する方法を提供する。該方法には、(i)被験者(例えば癌または前立腺障害を有する患者)に、検出可能マーカーにコンジュゲート化した抗PSMA抗体、好ましくは修飾抗体を投与し;(ii)PSMA発現組織または細胞に対する前記検出可能マーカーを検出する手段に、被験者を曝露することが含まれる。特に好ましい抗体には、J591、J415、J533またはE99のいずれか由来のCDRを有する修飾抗体、および特にこれらの抗体の脱免疫型、特にdeJ591またはdeJ415が含まれる。 本発明にしたがった診断イメージングに有用な標識の例は、131I、111In、123I、99mTc、32P、125I、3H、14C、および188Rhなどの放射標識、フルオレセインおよびローダミンなどの蛍光標識、核磁気共鳴活性標識、陽電子放出断層撮影(「PET」)スキャナーによって検出可能な陽電子放出同位体、ルシフェリンなどの化学発光物質、並びにペルオキシダーゼまたはホスファターゼなどの酵素マーカーである。経直腸プローブなどの短距離検出装置プローブによって検出可能な同位体などの、短距離放射能放射体もまた、使用可能である。これらの同位体および経直腸検出装置プローブは、併用した場合、前立腺窩再発および骨盤結節疾患を検出するのに特に有用である。当該技術分野に知られる技術を用いて、修飾抗体をこうした試薬で標識することが可能である。例えば、抗体を放射標識するのに関連する技術に関して、本明細書に援用される、WenselおよびMeares (1983) Radioimmunoimaging and Radioimmunotherapy, Elsevier, ニューヨークを参照されたい。また、本明細書に援用される、D. Colcherら (1986) Meth. Enzymol. 121:802−816もまた参照されたい。 放射標識修飾抗体の場合、修飾抗体を患者に投与し、修飾抗体が反応する抗原を所持する腫瘍に局在させ、そして例えばガンマカメラまたは放出断層撮影を用いた放射核スキャニングなどの既知の技術を用いて、in vivoで検出するかまたは「イメージング」する。例えば、本明細書に援用される、A.R. Bradwellら, “Developments in Antibody Imaging”, Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy, R.W. Baldwinら(監修), pp 65−85(Academic Press 1985)を参照されたい。あるいは、放射標識が陽電子を放出する場合(例えば11C、18F、15O、および13N)、Brookhaven National LaboratoryにあるPet VIと称するものなどの、陽電子放出横断軸(transaxial)断層撮影スキャナーを用いることが可能である。 当該技術分野に知られる標準的部分から、蛍光体および発色団で標識した修飾抗体を調製することが可能である。抗体および他のタンパク質は、約310nmまでの波長を有する光を吸収するため、蛍光部分は、310nmより高く、そして好ましくは400nmより高い波長で実質的な吸収を有するよう、選択すべきである。多様な適切な蛍光化合物および発色団が、本明細書に援用される、Stryer (1968) Science, 162:526およびBrand, L.ら (1972) Annual Review of Biochemistry, 41:843−868に記載される。本明細書に援用される、米国特許第3,940,475号、第4,289,747号、および第4,376,110号に開示されるものなどの慣用法によって、蛍光発色団基で修飾抗体を標識することが可能である。 上記の、多くの望ましい特性を有する蛍光物質の1つの群は、キサンテン色素であり、これらには、3,6−ジヒドロキシ−9−フェニルキサントヒドロール由来のフルオレセインおよびレサミン(resamine)および3,6−ジアミノ−9−フェニルキサントヒドロール由来のローダミンおよびリサニム(lissanime)ローダミンBが含まれる。9−o−カルボキシフェニルキサントヒドロールのローダミンおよびフルオレセイン誘導体は、9−o−カルボキシフェニル基を有する。フルオレセインイソチオシアネートおよびフルオレスカミンなどの、アミノ基およびイソチオシアネート基などの反応性カップリング基を有するフルオレセイン化合物が容易に入手可能である。蛍光化合物の別の群は、αまたはβ位にアミノ基を有するナフチルアミン類である。 生存および死亡前立腺上皮細胞を含有する領域間を区別するか、または生存および死亡前立腺上皮細胞を区別することが重要である場合、上述のように標識した本発明の抗体(または本発明の他の修飾抗体)を、対象の抗体を標識するのに用いた標識と区別可能な標識で標識した、生存前立腺上皮細胞のみまたは死亡前立腺上皮細胞のみを認識する、抗体または他の修飾抗体と共に、同時投与することが可能である。多様な位置または時間で2つの標識の濃度を監視することによって、生存および死亡の正常、良性過形成、および癌性の前立腺上皮細胞の空間的および時間的濃度変動を確かめることが可能である。特に、この方法は、生存および死亡の上皮前立腺細胞を両方認識する、本発明の標識抗体、並びに死亡上皮前立腺細胞のみを認識する標識7E11抗体(Horoszewiczら (1987) Anticancer Research 7:927−936)を用いて、行うことが可能である。 他の態様において、本発明は、被験者、例えばヒト被験者に、放射性同位体にコンジュゲート化した抗PSMA抗体を投与した際に、異なる組織が曝露される線量、例えば放射線量を決定する方法を提供する。該方法には:(i)放射性同位体で標識された、本明細書に記載するような抗PSMA抗体、例えば修飾抗PSMA抗体を、被験者に投与し;(ii)放射性同位体のある程度またはすべてが被験者の体から除去されるまでの多様な時点で、異なる組織、例えば前立腺、肝臓、腎臓、または血液に位置する放射性同位体の量を測定し;そして(iii)解析した各組織が受け取った放射線の総線量を計算することが含まれる。測定は、被験者への放射性標識抗PSMA抗体投与(第0日)後、スケジュールされた時点、例えば第1日、第2日、第3日、第5日、第7日および第12日に行うことが可能である。既定の組織に存在し、時間に渡って集積され、そして該放射性同位体の比活性を乗じた放射性同位体濃度を用いて、既定の組織が受け取った線量を計算することが可能である。1つの放射性同位体、例えばガンマ−放射体、例えば111Inで標識された抗PSMA抗体を用いて生成された薬理学的情報を用いて、同じ組織が、容易には測定不能である、異なる放射性同位体、例えばベータ−放射体、例えば90Yから受け取るであろう、予期される線量を計算することが可能である。 薬理ゲノミクス 予防的および療法的治療法両方に関して、こうした治療は、薬理ゲノミクスの分野から得られる知識に基づいて、特別に調整するかまたは修飾することが可能である。「薬理ゲノミクス」は、本明細書において、臨床的開発中の薬剤、および市場にある薬剤に対する、遺伝子配列決定、統計遺伝学、および遺伝子発現解析などのゲノミクス技術の適用を指す。例えば、Eichelbaum, M.ら (1996) Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 23:983−985およびLinder, M.W.ら (1997) Clin. Chem. 43:254−266を参照されたい。療法剤の代謝の相違は、薬理学的に活性である薬剤の用量および血中濃度間の関係を改変することによって、重度の毒性または療法的失敗を導く可能性がある。一般的に、2つの種類の薬理遺伝学的状態が区別可能である。薬剤が体に作用する方式を改変する(薬剤作用改変)単一の要因として伝達される遺伝的状態、または体が薬剤に作用する方式を改変する(薬剤代謝改変)単一の要因として伝達される遺伝的状態である。これらの薬理遺伝学的状態は、まれな遺伝子欠陥として、または天然存在多型として、いずれかで生じうる。より具体的には、該用語は、患者の遺伝子が薬剤に対する反応をどのように決定するか(例えば患者の「薬剤反応表現型」または「薬剤反応遺伝子型」)の研究を指す。したがって、本発明の別の側面は、個体の薬剤反応遺伝子型にしたがって、個体の予防的または療法的治療を調整する方法を提供する。 薬理ゲノミクス研究から生じる情報を用いて、個体の予防的または療法的治療の適切な投薬量および治療措置を決定可能である。この知識は、用量決定または薬剤選択に適用した際、不都合な反応または療法的失敗を回避することが可能であり、そしてしたがって療法組成物、例えば1以上の抗PSMA抗体またはその誘導体型(単数又は複数種類)からなる組成物を、障害、例えば本明細書に記載するような癌または前立腺障害を治療する手段として、患者に投与した際に、療法的または予防的効率を増進することが可能である。 1つの態様において、医師または臨床家は、薬剤組成物、例えば1以上の抗PSMA抗体、その誘導体型(単数又は複数種類)、および場合によって第二の剤からなる組成物を、被験者に投与するかどうかを決定する際に、適切な薬理ゲノミクス研究で得た知識の適用を考慮することが可能である。別の態様において、医師または臨床家は、患者に投与される薬剤組成物、例えば本明細書に記載するような薬剤組成物の投薬量、例えば治療あたりの量または治療頻度を決定する際に、こうした知識を適用することを考慮することが可能である。 さらに別の態様において、医師または臨床家は、臨床試験に参加した被験者群の、1以上の遺伝子座の遺伝子型を決定することが可能であり、ここで、被験者は障害、例えば本明細書に記載するような癌または前立腺障害を示し、そして臨床試験は、薬剤組成物、例えば1以上の抗PSMA抗体、および場合によって第二の剤からなる組成物の効力を試験するように設計され、そして医師または臨床家は、薬剤組成物への反応と、被験者の遺伝子型を相関させることを試みる。 寄託 ハイブリドーマE99、J415、J533、およびJ591は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の要件にしたがい、そしてこれを満足して、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(“A.T.C.C.”), 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110−2209に寄託されている。ハイブリドーマE99は、1996年5月2日に寄託され、そしてA.T.C.C.寄託番号HB−12101を得た。ハイブリドーマJ415は、1996年5月30日に寄託され、そしてA.T.C.C.寄託番号HB−12109を得た。ハイブリドーマJ533およびJ591は、1996年6月6日に寄託され、そしてそれぞれ、A.T.C.C.寄託番号HB−12127およびHB−12126を得た。 脱免疫J591を産生するNS0細胞株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110−2209に、2001年9月18日に寄託され、そして寄託番号PTA−3709を割り当てられた。脱免疫J415を産生するNS0細胞株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110−2209に、2002年3月21日に寄託され、そして寄託番号PTA−4174を割り当てられた。これらの寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条件下で維持されるであろう。この寄託は、当業者の便宜としてのみ行われ、そして寄託が35U.S.C.§112下で必要であることの是認ではない。 以下の発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、該実施例はさらなる限定と解釈してはならない。本出願全体で引用されるすべての参考文献、係属特許出願および公開特許の内容は、明らかに本明細書に援用される。 実施例 実施例1.111インジウム、90イットリウム及び177ルテチウムに対する抗PSMA抗体のキレート化 修飾抗PSMAモノクローナル抗体を、111インジウム、90イットリウム又は177ルテチウムで、該抗体の表面に存在する第1級アミンにキレーター1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N',N",N"'−4酢酸(DOTA)の4カルボン酸基の1つを直接カップリングさせることによって放射能標識することができる。次に、DOTAコンジュゲートした抗体(DOTA conjugated antibody)を精製し、滅菌濾過し、バイアルに入れる。使用前に、該精製抗体を、DOTAに結合する望ましい放射能標識と混合することができる。 キレート化方法 モノクローナル抗体deJ591を1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N',N",N"'−4酢酸(DOTA)とコンジュゲートさせ、続いて、111インジウム、90イットリウム及び177ルテチウムで放射能標識した。放射能標識及び品質管理試験を、臨床等級mAb deJ591の3つの個別のバイアルで行なった。 deJ591のコンジュゲーション及び精製に用いたすべての試薬は、発熱物質を含まない水から製造した。NH4OAC緩衝液及びリン酸ナトリウム緩衝液の特定の場合には、これらの溶液を、如何なる金属イオンをも除去するために、Chelex 100 (Bio-Rad, CA)で精製した。 抗体と、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N",N"'-4酢酸(DOTA)とのコンジュゲーション モノクローナル抗体deJ591を、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N”,N"'-4酢酸(DOTA)によって次のように修飾した。簡単に説明すると、deJ591 25mgを、24時間の期間にわたって、30 kDa microsep遠心分離濃縮器(Pall Filtron,MA)中で濃縮し、1%DTPA (pH 5.0)5x4mlで洗浄した。次に、抗体緩衝液を、同じ遠心分離手法を用いて、0.1Mリン酸塩(pH7.0)に変えた。水2ml中にDOTA (0.361mmole)146mgとN-ヒドロキシスクシンイミド(0.313mmole)36mgとを溶解して、NaOHでpHを7.3に調節してから、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド10mgを加えることによって、DOTAの活性エステルを調製した(下記参照)。 この反応混合物を氷上で1時間冷却してから、deJ591溶液に加えた。得られたDOTA-deJ591を、0.3M NH4OAc(20x4ml)による反復洗浄及び遠心分離濃縮によって、過剰なDOTA及び他の反応物質から分離した。精製コンジュゲートを次に0.22μmフィルターに通しての濾過によって滅菌して、滅菌ポリプロピレン・バイアルに入れて、4oCで貯蔵した。 DOTA-deJ591コンジュゲートの濃度を、280nmにおけるUV吸収を測定することによって分析し、2つの50μlアリコートに、トレーサー量の111Inをスパイクした InCl3(0.01M HCl)の1.30mM溶液20又は30μlを混合した。混合物を37℃で16時間インキュベートしてから、シリカゲル含浸ガラス繊維10cmストリップ(ITLC-SG, Gelman, prod.# 61885)及び1%DTPA(pH6.0)の溶離剤を用いて、ITLCによって分析した。抗体結合活性(antibody bound activity)は最初の状態に(at the origin)留まり、遊離111Inは111In-DTPA複合体として溶媒と共に前方に移動する。111In及び111In -DOTA-J591の相対的量を、0.5のRfでITLCストリップを切断し、2つの半体をNa(Tl)I検出器でカウントすることによって測定した。111InとDOTA-deJ591との間のモル反応比率及び、検出された111Inと111In-DOTA-J591との実測比率を考察することによって、結合部位の数を算出する。典型的に、5.1モルのDOTAがdeJ591にコンジュゲートする。表10は、deJ591の2つのコンジュゲーションからの結果を示す。 放射能比率 下記放射能標識手段は、111Inに関して述べるが、例えば90Y は177Luのような他の放射能標識によっても用いることができる。酢酸アンモニウム緩衝化DOTA-deJ591に111In(希HCl中)を加えることによって、放射能標識を達成した。該抗体に対するオートラジオリシスの影響を避けるために、反応時間を最小にし、投与の前に、反応混合物をサイズ排除カラムによって精製した。簡単には、111InCl3(8mCi,0.01M HCl)20μl、DOTA-deJ591 (4mg/ml,0.3M NH4OAc, pH 7)400μlから成る混合物を37℃で20分間反応させた。次に、反応混合物をPBS中無菌1%HSA 4x10ml(HSAはUS認可アルブミンの規格を満たす;Central Laboratory Blood Transfusion Service Swiss Red Cross, Bern, Switzerland,License No. 647製造)で平衡化した16ml Biogel-P6DG カラム(Bio-Rad, CA)上で分離した。反応混合物を該カラムに負荷させた後直ちに、これをさらに2mlの1%HSA PBSで洗浄してから、主要111In-DOTA-deJ591フラクションを5mlの1%HSA PBSで溶出した。次に、精製111In-DOTA-deJ591を滅菌濾過して、滅菌真空バイアルに入れた。この方法を用いて、7.6mCi 111In/mg DOTA-deJ591の比活性を得た。 111Inに関する代替放射能標識手段 下記放射能標識手段は、臨床研究及び安定性研究のための111In-DOTA-J591のルーチン調製に用いることができる。DOTA-J591溶液(8mg/ml,0.3M 酢酸アンモニウム,pH7)に、111In塩化物及び酢酸アンモニウム緩衝液(1 M)を添加することによって、放射能標識を達成する。該抗体に対するオートラジオリシスの影響を避けるために、反応時間は最小にされている。標識111In-DOTA-J591を、サイズ排除カラムを用いて精製し、0.2mミリポア膜フィルターを用いて滅菌濾過してから、患者に投与する。 簡単には、酢酸アンモニウム(111Inの各mCiに対して10μl)を、111In-塩化物溶液を含有する反応バイアルに加える。続いて、DOTA-J591溶液(111Inの各mCiに対して30ml又は0.24mg)を反応バイアルに加え、混合物を穏やかに混合し、37℃において20〜30分間インキュベートし、該混合物のアリコートを、ITLC (SG及び5mM DTPA,pH5)を用いて、標識効率を測定するために試験する。結合が最適であるならば(>70%)、10〜40mlの5mM DTPAの添加によって、反応を停止させる。 遊離111Inから111In-DOTA-J591を分離又は精製するために、1%ヒト血清アルブミン(US認可アルブミンの規格を満たす;Central Laboratory Blood Transfusion Service Swiss Red Cross,Bern,Switzerlandによって製造、License No.647)を含有するPBS4x10mlで予め洗浄したBiogel-P6DGカラム(Bio-Rad, CA)に、反応混合物を加える。このカラムから1%HSAを有するPBSを用いて111In-DOTA-J591を溶出し、標識抗体を含有するフラクション(典型的に5〜8ml)を滅菌容器中に回収する。ITLC(前記と同じ)を用いて放射化学純度を測定した後に、標識効率が>95%である場合には、0.2mフィルターを用いて標識複合体を滅菌バイアル中に濾過する。最終比活性は典型的に3〜5mCi/抗体mgである。 90Yによる放射能標識 手段は、111Inに関して上述した手段と、インキュベーション時間が10〜15分間であることを除いて、同様である。90Y-DOTA-J591の放射化学純度は>97%でなければならない。 177Luによる放射能標識 手段は、2つの変更を除いて、上記手段と同様である。酢酸アンモニウムの添加量は減少し(177Luの各mCiに対して3〜5ml)、インキュベーション時間は僅か5分間である。177Lu-DOTA-J591の放射化学純度は>97%であるべきである。 放射化学純度 放射能標識DOTA-deJ591調製物中の遊離111In量を、シリカゲル含浸ガラス繊維サポートと1%DTPA (pH 5.5)の移動相とによるインスタント薄層クロマトグラフィー方法を用いて評価した。簡単には、放射能標識DOTA-deJ591の一部を10 cm ITLC-SGストリップ (Gelman, prod. # 61885)上にスポットし、1% DTPA (pH 5.5)中で展開した。溶媒の先端が該ストリップの末端に達した直後に、該ストリップを溶媒から取り出し、0.5のRfで切断した。2部分を放射能に関して分析し、次式を用いて、放射化学純度を測定した: 放射化学純度=(Rf 0〜0.5中の放射能(activity))/(ストリップ中の総放射能) 免疫反応性 111In-DOTA-deJ591調製物の免疫反応性を、Lindmo方法(Lindmo T. et al. (1994) J. Immunol. Methods, 72:77-89, 1994)に従って評価した、この方法は、無限に過剰な抗原への放射能標識抗体の結合を推定する。簡単には、250μlの総試験量の0.2%BSA 10mM HEPES中に10,000cpmの111In-DOTA-deJ591及び種々な量のLNCaP細胞を含有する5種類の試験溶液を調製した(2通りに)。これらの溶液を4oCにおいて60分間インキュベートしてから、単離し(遠心分離によって)、氷冷PBSで洗浄した。次に、膜をガンマーカウンターで、添加した総放射能を示す基準と共にカウントした。データを次に、Lindmo法を用いて、結合した割合の逆数(reciprocal of the fraction bound)(y-軸)に対する基質濃度の逆数(reciprocal of the substrate concentration)(x-軸)としてプロットした。データを最小二乗線形回帰法(least squares linear regression method)(Sigma Plot)に従ってフィットさせて、yインターセプトを免疫反応性の逆数(reciprocal of the immunoreactivity)と見なした。LNCaP細胞に由来する膜を用いる同様な方法と、その後の該膜の遠心分離単離は、同様な結果を与えた。これらの結果は、72%の平均免疫反応性を与えた(表11参照)。 免疫組織化学 DOTAコンジュゲートし、部分精製されたバルク中間体deJ591に対して免疫組織化学を行なった。結果は、該調製物が前立腺組織に特異的であり、反応性が、裸の(naked)deJ591抗体と同じであることを示した。 増殖不能性(sterility) 111In-DOTA-deJ591調製物の増殖不能性を、USP 24/NF 19の方法に従ってチオグリコラート培地を用いて測定した。簡単には、111In-DOTA-deJ591調製物の4通りの0.1mlサンプルを15mlの流体チオグリコラート培地に移して、混合物を35℃で14日間インキュベートした。この培地を、4日目、7日目及び14日目に増殖の何らかの徴候に関して目視検査した。3調製物のすべては、増殖を示さなかった(表11参照)。 内毒素 111In-DOTA-deJ591調製物の内毒素を、USP 24/NF 19に従ってLimulus amebocyte溶解物 (lysate)アッセイを用いて測定した。簡単には、Limulus amebocyte溶解物キット(Bio Whittaker lot # 7L3790,感度0.125EU/ml)を、試験サンプル0.25mlによって再構成した。4通りの試験サンプル、人為的陽性試験サンプル、陰性対照及び陽性対照を37℃において60分間インキュベートした。陽性結果は、180°反転によって影響されなかった粘性ゲルの形成によって代表された。1つの調製物は、5EU/ml未満の値を示した。このアッセイは、投与直前まで患者投与量に対して繰り返すことができる(及び繰り返されるであろう)。 大規模製造/方法 DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体の大規模製造を下記パラグラフで述べる。上記方法論との主要な相違は、該抗体を濃縮し、ダイアフィルトレーションするためのmicrosep遠心分離濃縮器の代わりの撹拌セル(stirred cell)の使用と、該DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体から未反応のDOTA及び他の試薬を除去するためのSephadex G-25カラムの使用であった。これらの変更は、規模の増大によって必要になった。公称1000mg規模に関する出発物質の比率を表12に記載する。この方法は、出発物質の同様な比率を用いて、スケールアップすることができる。 汚染を最小にするために、無菌操作(aseptic practices)を観察し、製造中に定期的間隔で環境モニターリングを行なった。DOTA-deJ591抗体のコンジュゲーション及び精製に用いるすべての溶液、緩衝液及び試薬は、Water For Injection (WFI)によって製造された。DOTA部分による如何なる遊離金属残渣のキレート化をも避けるために、方法を通して、金属を含まない成分を製造に用いた。酢酸アンモニウム緩衝液及びリン酸ナトリウム緩衝液の特定の場合には、溶液をChelex 100で精製して、如何なる金属イオンをも除去した。滅菌した、発熱物質を含まない及び金属を含まない容器を用いて、反応物質を混合した。Class 100 規格を満たす範囲(area)で、最終バルク滅菌濾過を行なった。 Chelex 100 (BioRad 又は同等物)カラム上で金属を含まない0.1Mリン酸ナトリウム pH 7.1中に該抗体を緩衝液交換することによって、deJ591を調製した。次に、30kDカットオフ膜を備えたStirred Cell Unit(Millipore又は同等物)を用いて、抗体を約10mg/mlに濃縮した。濃縮済み抗体を次に、0.22μmフィルターに通して滅菌濾過した。 抗体1gをコンジュゲートするために、金属を含まないリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.1)中の0.87M N−ヒドロキシスクシンイミド2.7mlに、金属を含まないリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.1)中の0.49M DOTA 6.3mlを加えることによって、DOTAの活性エステルを調製した。この混合物に、0.1N水酸化ナトリウムを、DOTAが完全に溶解するまで加えた(0.1M水酸化ナトリウムの、DOTA/NHS溶液に対する比率約1:1)。pHは6.9〜7.2であった。溶液を2〜8℃で30分間以上冷却した。DOTA/NHS溶液に、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.1)中1.0M EDC 1.5mlを加えて、2〜8℃で1時間以上冷却させた。 抗体1gに活性DOTA エステルを加えて、2〜8℃において一晩(12〜14時間)インキュベートした。DOTAコンジュゲートした抗体を、金属を含まない0.3M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.2)中のSephadex G-25カラム(Pharmacia 又は同等物)上で精製した。DOTAコンジュゲートした抗体を含有する溶出液フラクションを、30kDカットオフ膜を備えたStirred Cellを用いて、約10mg/mlに濃縮した。DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体を次に、0.3M酢酸アンモニウム(pH7.2)中でディアフィルトレーションして、過剰な試薬を除去し、8.0mg/mlの最終濃度にまで希釈してから、0.22μmフィルターに通して滅菌濾過した。 DOTAコンジュゲートしたdeJ591を、濃度、免疫反応性、コンジュゲーション、内毒素及び増殖不能性に関して試験した。内毒素範囲は、1〜5mgの範囲である、必要な放射能標識DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体の低い臨床投与量に基づく。バッチサイズが小さいために増殖不能性の代わりに、バルク精製済みDOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体に対して生物負荷(bioburden)試験を行なった。増殖不能性(21 CFR 610)は、最終的なバイアル入り薬物生成物に対して行なわれる。免疫反応性の目標及びDOTAモル数/抗体は、以前の臨床経験に基づく。72%程度の低い免疫反応性値を有するDOTAコンジュゲートした抗体が、クリニックで上首尾に用いられている。DOTAモル数/抗体は、以前の臨床的ロットからの結果に基づく。 タンパク質濃度 DOTA-deJ591のサンプルを、280nmの波長において分光光度計での光学密度によって分析した。これらの算出に用いた吸光係数はA280,E0.1%1cm=1.4であった。この分析の作用範囲(0.2OD単位〜1.2OD単位、直線、CV2%未満)内の吸光度読取りを与えるように、試験サンプルを適当に希釈した。タンパク質濃度の受容される範囲は、8.0mg/ml±0.5mg/mlである。 内毒素 DOTA-deJ591のサンプルを、確証済みLimulus Amebocyte Lysate試験(LAL) Gel Clot Assay (BioWhittaker又は同等物)を用いて、発熱性物質に関して試験した。0.06EU/ml 感受性溶解物を用いて、ゲル・クロットアッセイに対するある種の化学物質の阻害レベルを克服するために、分析のための内毒素を含まない水中でサンプルを1:10又は1:25のいずれかで希釈した。加工(processing)中の各緩衝液又は中間体サンプルに関して2通りの測定を行なった、サンプル値は、該緩衝液に対して設定された希釈レベルで得られた値以下である必要があった。すべてのサンプルと共に、陽性及び陰性対照並びに阻害対照を実施した。提案された受容される範囲は、DOTA-deJ591 1mgにつき5EU以下であった。 生物負荷 DOTA-deJ591のアリコートを、流体チオグラート及び大豆−カゼイン・ブロスに直接接種した。14日間のインキュベーション後に、これらの培地を検査した。必然的に、両方の培地は14日間後に増殖を示さなかった。 免疫反応性 DOTA-deJ591調製物の免疫反応性を、過剰な抗原の無限量に対する放射能標識抗体の結合を推定するLindmo方法 (Lindmo T. et al.(1994) J. Immunol. Methods 72:77-89)に従って評価した。簡単には、0.2 % BSA 10 mM HEPESの総試験量250μl中に10,000cpmの111インジウム標識DOTA-deJ591及び種々な量のLNCaP細胞又は細胞膜を含有する5種類の試験溶液を調製した(2通り)。これらの溶液を4℃で60分間インキュベートしてから、単離し(遠心分離による)、氷冷PBSで洗浄した。次に、これらの膜をガンマーカウンターで、添加した総放射能を示す基準と共にカウントした。データを次に、Lindmo法を用いて、結合した割合の逆数(y-軸)に対する基質濃度の逆数(x-軸)としてプロットした。データを最小二乗線形回帰法(Sigma Plot)に従ってフィットさせて、yインターセプトを免疫反応性の逆数と見なした。免疫反応性の目標は75%以上であった。 DOTAモル数/抗体 結合DOTA数/抗体を、インジウムの自然発生同位体及び111インジウムによる飽和結合方法を用いて測定した。DOTA-deJ591の複数アリコ−ト(少なくとも2つ)に、10〜30μlの範囲内の種々の量の、トレーサー量の111Inをスパイクした InCl3(0.01 M HCl)の3.0mM溶液を混合した。混合物を37℃で16時間インキュベートしてから、シリカゲル含浸ガラス繊維10cmストリップ(ITLC-SG, Gelman,又は同等物)及び1% DTPA (pH 6.0)の溶離剤を用いて、ITLCによって分析した。抗体結合放射能は最初の状態に留まり、遊離111Inは111In-DTPA複合体として溶媒と共に前方に移動する。111In及び111In -DOTA-J591の相対的量を、0.5のRfでITLCストリップを切断し、2つの半体をNa(Tl)I検出器でカウントすることによって測定した。111InとDOTA-deJ591との間のモル反応比率及び、検出された111Inと111In-DOTA-J591との実測比率を考察することによって、結合部位の数を算出した。DOTA分子/抗体の目標数は4〜6であった。DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体のサンプルロットの分析結果を以下の表13に示す。 DOTAコンジュゲートしたdeJ591抗体の以前のロット(Biov983.2-2)及び現在のLot243101 に関するDOTAコンジュゲーション数を表14に示す。Lot Biov983.2-2に関するDOTAモル/抗体の平均数は5.06であり、Lot 243101に関しては5.96であった。抗体当りにコンジュゲートしたDOTAモルの数は、Lot 243101に関する方がやや高く、免疫反応性は、表15に示すように、影響されなかった。実際に、Lot 243101の免疫反応性は、比較ロットの免疫反応性よりも高く、このことは有利である。他の小規模臨床的ロットが90%より大きい免疫反応性値を有することは、注目すべきである(データ示さず)。 代替手段 DOTA-J591イムノコンジュゲート(immunoconjugate)の代替合成は、次の通りである:deJ591 956.5mgを6回ディアフィルトレーションした。該抗体を30kDa microsep 遠心分離濃縮器(Pall Filtron, MA)で、約15mg/mlまで濃縮し、金属を含まない0.1Mリン酸ナトリウム(pH7.1)で12.5倍に希釈した。この手段は6回行なった。0.1Mの金属を含まないリン酸塩緩衝液5.95ml中のDOTA598mg(1.48mmol)と、0.1Mの金属を含まないリン酸塩緩衝液2.7ml中のN−ヒドロキシスクシンイミド132mg(1.15mmol)とを混合することによって、DOTAの活性エステルを調製した。NaOHによって、pHを6.9〜7.2に調節してから、0.1Mの金属を含まないリン酸塩緩衝液1.45ml中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド144mg(0.75mmol)を添加した。この反応混合物を0.2ミクロン滅菌フィルターに通して濾過して、氷上で1時間冷却してから、deJ591溶液に加えて、2〜8℃で14〜18時間一晩インキュベートした。得られたDOTA-deJ591を、0.3Mの金属を含まない酢酸アンモニウム中で平衡化させたG-25カラムに通して精製することによって、過剰なDOTA及び他の反応物質から分離した。精製コンジュゲートを撹拌セルユニットで10mg/mlにまで濃縮し、0.3M酢酸アンモニウムで洗浄してから、0.22μmフィルターに通しての濾過によって滅菌して、滅菌ポリプロピレンバイアルに入れて2〜8℃において貯蔵した。 さらに他の代替手段は、コンジュゲーション工程に用いるDOTA-NHSモノ−活性エステルの量及び純度の良好な制御を達成するため、並びにDOTAがin-situ活性化されるときに生じる、予想外の化学的副反応を制限するために、純粋なDOTA-NHSモノ−活性エステル(Macrocyclicsから商業的に入手可能)を必要とするコンジュゲート工程を用いることである。in-situ活性化DOTA(即ち、抗体に加える前に精製されない活性化DOTA)の使用に付随する問題は、DOTA-NHSの可変な生成によるDOTA抗体の取り込み比率の変動;コンジュゲートした抗体から洗浄除去される必要があり、放射性同位体への結合に関して競合しうる、非常に過剰なDOTAの使用を包含する;未反応EDACは、リシンと、タンパク質上のグルタミン酸残基又はアスパラギン酸残基との架橋、したがって好ましくないタンパク質アグリゲートを生じうる;そして、タンパク質が架橋することを可能にし、金属配位のために必要である付加的なカルボキシレート基を用いる、活性化DOTA分子の有意な割合上に、2つ以上の活性エステルが形成される可能性がある。 DOTAへのそのコンジュゲーションに由来する、抗体結合活性の損失を最少にするために、抗体分子当りに約2〜10、好ましくは約5〜7個のDOTA分子を取り込むことが望ましい。DOTA-NHSモノ活性化エステル、抗体に比べて3〜30倍過剰なDOTA-NHSが、この好ましいレベルのDOTA取り込みを生じる。DOTA-NHSの抗体に対する投入比率(input ratio)7:1、9:1、11:1,15:1、20:1及び30:1を用いて、研究が現在行なわれている。 プロトコールは、次の通りである。出発物質:リン酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH7.1)中のJ591抗体10.5mg/ml、Chelex 100 樹脂(抗体10mg当り樹脂1ml)で処理;0.3M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)、Chelex 100 樹脂(緩衝液1L当り樹脂20ml)で処理;DOTA-NHS.PF6 (FW 646.4)、Macrocyclics、Dallas、TX。実験方法:3個のポリプロピレン・バイアルに別々に,J591抗体(10.5mg/ml、143mmol)2.0mlを装入して、氷上で30分間の期間にわたって冷却した。DOTA-NHS3.3mgを、金属を含まない水(Chelex 100樹脂で処理、氷上で30分間予め冷却)0.356ml中に溶解して、14.3nmol/μlの濃度にした。該3抗体溶液に、この新たに調製されたDOTA-NHS溶液70、90及び110μlを別々に加えた。反応混合物を室温において4時間の期間にわたって磁気撹拌バーでゆっくり撹拌し、次に緩衝液交換のために、CentriCon-30中で0.3M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0、Chelex 100処理)によって、15mlに希釈した。次に、濃縮物(約1.5ml)を再び15mlに希釈してから、1.5mlに濃縮した。これらの濃縮物を次に0.2ミクロンフィルターに通して濾過した。CentriCon管及びフィルターを少量の酢酸アンモニウム緩衝液で洗浄して、最終生成物中に濾過して加えた(それぞれ、総量2ml)。 DOTA-NHSの、抗体に対する投入比率7:1、9:1及び11:1を用いてDOTAにコンジュゲートした抗体は、90Y結合安定性及びタンパク質アグリゲート形成に関して分析されている。3種類のコンジュゲートのすべては、111In又は90Yによる標識の2〜3日間後に、PBS、DTPAキレートチャレンジャー、血清及びトランスフェリンの存在下で高い割合(high percentage)の安定性を示した。さらに、3種類のコンジュゲートのすべては、工程に関連したアグリゲート形成を殆ど又は全く示さなかった。DOTA-NHSの抗体に対するより高い投入比率を用いて製造された、残りの3コンジュゲートが現在分析されている。 抗体に対するDOTAのコンジュゲーションは、NHS活性化DOTAに限定されない。DOTA-NHSの代わりに、DOTA-HOBT活性エステルも、例えば、エチルクロロホルメート又はイソブチルクロロホルメート、p−ニトロフェニルエステルの混合無水物の使用のような、当該技術分野で知られた他の活性化方法と同様に、用いることができる。 実施例2.LNCaPヒト前立腺腫瘍を有するヌードマウスにおける131I−及び111In−標識deJ591及びマウスJ415の薬物動態及び生体内分布 PSMA陽性ヒトLNCaP腫瘍を有するヌードマウスにおいて、131I又は111Inで放射能標識されたモノクローナルdeJ591及びマウスJ415抗体の薬物動態、生体内分布及び腫瘍取り込みを分析した。放射能標識MAbsの腫瘍内分配を確認するために、オートラジオグラフィー分析を行なった。 deJ591及びJ415を、ヨードゲン方法(iodogen method)(Franker and Speck (1978), Biochem Biophys Res Commun 80:849-57参照)を用いて、400MBq/mg(21,23)の比活性に131Iによって放射能標識した。111Inの放射能標識に関しては、J415及びdeJ591抗体を最初に1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N",N"'-4酢酸(DOTA)とコンジュゲートさせ、次に111Inで標識して、200MBq/mgの比活性を生じた。 前立腺癌細胞系LNCaP、DU145及びPC3(American Type Culture Collection, Rockville, MD)を、10%ウシ胎仔血清を補充したRPMI 1640中、37℃、5%CO2含有雰囲気中で増殖させた。使用前に、細胞をトリプシン処理し、カウントし、Matrigel (Collaborative Biomedical Products, Bedford, MA)中に懸濁させた。生後8〜10週間のNu/Nu Balb C マウスの右及び左側腹部にMatrigel (BD Biosciences, Bedford MA)中の5x106LNCaP細胞の懸濁液を接種した。14〜18日間後に、腫瘍(10〜300mg)が発生した。PSMA陰性DU145 及びPC3細胞をヌードマウスに同じ方法で移植した。 PSMA陽性及びPSMA陰性腫瘍を有するマウスに、尾静脈から、PBS(pH 7.4、0.2% BSA)200μl中の80KBqのヨウ素化MAb(400 MBq/mg)を注入した。2、4又は6日間後に動物群(3〜8/群)を殺した。主要な器官及び腫瘍を回収した。組織サンプルを秤量し、自動NaI(Tl)カウンター中で適切な基準と共にカウントした。これらの測定相対的活性(measured relative activity)データ(cpm)をバックグラウンド補正して、注入量%/g(%ID/g)として表現する。これらのデータに最小二乗回帰分析(Microcal Origin, Northampton,MA)をも適応して、種々な作用剤の生物学的クリアランスを測定した。J415, J591及び7E11を111In(100MBq/mg)で標識した。80KBqの111In標識MAbを動物群に注入した。種々な器官及び腫瘍組織中の%ID/gを、注入後2〜6日目に、131I標識MAbに関して述べたと同様な方法で測定した。 イメージング研究のために、動物に2MBqの111In-DOTA-J591を注入した。注入後1、2、3、4及び6日目に、マウスをケタミン/キシラジン100mg/kg/10mg/kgIPによって鎮静させた。マウスを、ピンホール・コリメーターを装備したガンマ・カメラ(Transcam, ADAC Laboratories, Milpitas, CA)で造影した。111Inの245KeV光電ピークの20%ウインドウを用いて、256x256マトリックスで1000秒間イメージを得た。 数匹(n=20)に関して、回収した腫瘍サンプルを直ちに液体窒素中で冷却して、包埋剤(O.C.T. 4583, Sakura Finetec, Torrance CA)中で凍結させた。20ミクロン切片を切断して、腫瘍切片をアセトンで固定して、1枚の写真用フィルム(Biomax, Kodak, Rochester, NY)と直接接触させたか、又はフィルムへの暴露前にヘマトキシン/エオシンで染色した。対照動物から腫瘍を収集して、10μm切片に切断した。これらの切片をtris緩衝液(170mM,pH7.4、2mM CaCl2及び5mM KCl含有)中に15分間浸漬し、tris緩衝液(170mM、pH 7.4)で洗浄し、131I-J591 MAbと共に4℃で1時間インキュベートした。100nM J591 MAbの存在下で非特異的結合を測定した。これらの切片を次に、PBS(0.2% BSA含有)で3回、Tris緩衝液で1回洗浄してから、アセトンで固定し、次に写真用フィルムに暴露した。 131I標識MAbの生体内分布 LNCaP腫瘍を有するヌードマウスにおいて、131I標識されたdeJ591及びJ415の生体内分布及び腫瘍取り込みを131I-7E11の生体内分布及び腫瘍取り込みと比較した。注入後2日目に、deJ591、J415及び7E11は同じ腫瘍取り込み及び血液プール活性を有した。6日目に、J415の腫瘍取り込み(15.4±1.1)は、deJ591の腫瘍取り込み(9.58±1.1)に比べて有意に高かった。deJ591及びJ415の両方の血液活性は、7E11の血液活性に比べて有意に低かった。131I標識MAbに関して、腫瘍/血液比率及び腫瘍/筋肉比率は、J415ではJ591又は7E11によるよりも有意に高かった。 PSMA陽性LNCaP腫瘍における放射能標識MAb局在化の特異性を評価するために、選択された器官における131I標識deJ591及びJ415の取り込みを、関連性がないIgG抗体の取り込みに比較した。注入後1日目に、J415 (12.2±3.24)及びdeJ591 (8.55±1.29)の両方の腫瘍取り込み(注入量%/g)は、無関係抗体の取り込み(4.41±0.40)に比べて有意に高かった。肺、腎臓、筋肉における取り込みは、3種類の抗体のすべてで同じであった。第2対照研究では、131I-deJ591の腫瘍取り込みを、PSMA陰性前立腺腫瘍(PC3及びDU145)を有するヌードマウスにおいて測定した。注入後4日目に、131I-deJ591の腫瘍取り込みは、PC3腫瘍(n=10)ではわずか0.66±0.07% ID/gであり、DU145腫瘍(n=6)では0.55±0.03%ID/gであった。これとは対照的に、131I-J591の腫瘍取り込みは、PSMA陽性LNCaP腫瘍では11.4±1.49% ID/gであり、これはPSMA陰性腫瘍におけるよりも有意に高かった(p<0.01)。 111In標識MAbの生体内分布 111Inに関しては、deJ591及びJ415の腫瘍取り込みは、経時的に徐々に上昇し、7E11の腫瘍取り込みと全く同じであった。J415及びJ591の両方の血液クリアランスの動力学は、7E11に比べてより迅速である。注入後6日目に、J415 (2.63±0.23)及びdeJ591(2.52±0.16)の血液活性は、7E11(4.16±0.21)の血液活性の約50%である。その結果として、J415及びdeJ591による腫瘍/血液比率は、7E11の腫瘍/血液比率に比べて有意に高い。肝臓、脾臓及び腎臓におけるこれら3種類の抗体の取り込みには、軽微な差が存在するに過ぎなかった。 ヌードマウスの連続ガンマ・カメラ画像は、111In-DOTA-deJ591の強度な腫瘍蓄積を明確に示す。1日目には、右後4分体(right hind quarter)、血液プール及び肝臓上の単一腫瘍(約250mg)が良好に眼に見えるようになる。しかし、その後の画像では、血液プールから活性(activity)が除去されているが、腫瘍蓄積は、肝臓活性(liver activity)の蓄積に比べて、徐々により強度になる。 オートラジオグラフィー 静脈内注入後4〜6日目に、腫瘍試験片(n=20)をヘマトキシリン(H)及びエオシン(E)染色及びオートラジオグラフィーのために回収して、131I標識MAbの腫瘍内生体内分布を研究した。H及びE染色は、研究した試験片のすべてにおいて横断面積の平均50%になる、かなりの量の壊死を明らかにする。オートラジオグラフは、3種類の抗体のすべてに関して焦点的な、幾らか不均質な分布図を明らかにする。興味深いことには、PSMAint及びPSMAextに対するMAbによる生体内分布図は、殆ど逆のパターン(reciprocal pattern)を示す。即ち、7E11(anti-PSMAint)は、明白に、壊死部位への局在を好むが、J415及びJ591(anti-PSMAext)は、生存腫瘍部位内の明白な選択的蓄積を示す。131I-J591を組織切片上で直接インキュベートした場合のex vivoオートラジオグラフィーは、均質な結合パターンを示した。 結論 PSMA陽性LNCaP腫瘍における放射能標識J591及びJ415の局在は、非常に特異的である。これらの結果は、例えばdeJ591及びdeJ415のようなPSMA特異的インターナリジング抗体(internalizing antibodies)が、PSMA陽性腫瘍の治療のためにβ放射する放射性核種(131I, 90Y, 177Lu) のデリバリーを目標とする新規な治療法の開発のための理想的なMAbでありうることを、明確に実証する。 PSMAextに対するMAbは、7E11に対しては逆のパターンを有し、局在は生存腫瘍部位に集中した。7E11が充分に血管化した生存腫瘍部位を標的とすることができないことは、恐らく、ProstaScint(登録商標)が骨転移を造影することができないことを説明し、並びにRITトライアルでのその不成功を説明すると思われる。生存腫瘍を標的にすることによって、deJ591及びdeJ415のような、PSMAextに対するmAbは、より良好な治療効果を有する。さらに、それらが生存細胞を標的にすることができることは、骨髄中の充分に血管化された部位を局在化する(localize)、より充分な可能性を与える。 実施例3.90Y-DOTA-deJ591を用いる動物研究 in vitro及びin vivo動物モデルで、90Y-DOTA-deJ591は実質的な抗腫瘍活性を実証している。これらの研究では、免疫不全“ヌード”マウスにPSMA発現ヒト前立腺癌細胞(LNCaP)を筋肉内移植した。幾つかの研究では、同じ動物の反対側の大腿部にPSMA不在ヒト前立腺癌系(PC3)を同時移植した。癌を約2週間の期間にわたって“定着”させ、この期間に、癌は血液供給を発達させて、さらなる増殖を可能にする。治療開始時に、癌移植片は平均すると直径1.0cm(又は動物体重の約5%)になる。 4群のマウスに、1.3、3.7、5.55又は7.4MBqの90Y-DOTA-deJ591を単回注入した。1.3MBq投与量レベルでは、腫瘍増殖速度の最小の低下を含む混合反応が存在した。しかし、3.7〜7.4MBqの投与量では、明白な抗腫瘍投与量−反応関係が見られた。3.7、5.55及び7.4MBq投与量レベルでは、それぞれ、平均腫瘍容積の30,55及び90%減少と、腫瘍再増殖の10、35及び60日間の進行性投与量関連遅延が存在した。3.7〜5.55MBqを受容したマウスの70%より多くが対照よりも有意に長く生存し、平均生存時間(MST)は、対照の40日間に比べて、80〜100日間まで増加した。 3群のマウスは1.11、2.22又は3.33MBqの90Y-DOTA-huJ591を28日間毎に3回投与で受容した。1.11MBq投与量レベルでは、75〜80日間に最小の腫瘍増殖が生じた。2.22及び3.33MBq投与量レベルでは、60日目に平均腫瘍サイズの50〜70%減少が生じ、その後、腫瘍サイズは徐々に増加した。1.11及び2.22MBq投与量レベルでは、対照群に比べてMSTが約200%増加した(120日間対40日間)。 これらの研究は、90Y-DOTA-deJ591治療動物の生残の有意な改良を確認する。PSMA不在癌は治療に反応せず、該治療の特異性を実証する。 実施例4.177Lu-DOTA-deJ591を用いる動物研究 177Lu-DOTA-deJ591で治療された、LNCaP腫瘍を有するヌードマウスは、90Y-DOTA-deJ591治療マウスと同様な反応を示した。この研究では、LNCaP腫瘍を有するマウス(300〜400mg)を3群に分割した。対照群は治療を受けなかった。群2は200μCiの177Lu-DOTA-deJ591を受容し、群3は300μCiの177Lu-DOTA-deJ591を受容した。177Lu-DOTA-deJ591は、投与量に依存した形式で、平均腫瘍質量を、この2種類の投与量レベルで80〜97%減ずることができた。対照群は、腫瘍サイズの漸進的増加を示した、これは着実な体重損失を伴なった、該マウスは、低い体質量(body mass)のために53日間までに殺した。200μCiの177Lu-DOTA-deJ591で治療されたマウスは、注入後20日間までに腫瘍収縮を示したが、その後に、幾つかの動物では腫瘍再増殖が見られた。同じ群はまた、注入後20日目に、約90%(基準重量の)の体質量最低を有し、その後、出発質量の100〜105%までの平均体重の着実な上昇を有した。90日目に、11匹のマウスのうちの4匹は触知可能な腫瘍を有さなかった。300μCiの177Lu-DOTA-deJ591で治療されたマウスは、注入後40日間までに腫瘍収縮を有し、その後、幾つかの動物では腫瘍再増殖が見られた。同じ群はまた、注入後20日目に、約90%の体質量最低を有し、その後、出発質量の105〜110%までの平均体重の着実な上昇を有した。90日目に、11匹のマウスのうちの5匹は触知可能な腫瘍を有さなかった。 実施例5.131I-J591(マウス)によるヒト試験;ホルモン非依存性患者における、モノクローナル抗体(mAb)に前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメイン(PSMAext)を標的とさせるI相臨床試験 上昇するPSAレベルと、許容される血液学的機能、肝機能及び腎機能を有するホルモン非依存性患者は、マウスmAbJ591の単回投与量を受容した。投与量は、3〜6患者の群において段階的に増加した(0.5〜300mg)。各投与量は、“冷(cold)”mAbにプラスして、トレーサーとして10mCi131Iヨウ素で標識されたJ5911.0mg以下を包含した。投与量レベルは、次のように0.5〜300.0mgの範囲であった:0.5mg、1.0mg、2.0mg、5.0mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg及び300mg。血液及び尿を回収して、薬物動態、毒性及びヒト抗マウス抗体(HAMA)反応をモニターした。患者を注入日(0日)並びに2、4及び6日に造影して、mAbターゲッティングをフォローした。 ホルモン非依存性前立腺癌を有する33患者が、トレース標識131I-J591のI相生体内分布試験に参加した。これらの患者は、各場合に10mCi131Iとコンジュゲートした、0.5〜300.0mgの範囲内の投与量を受容した。疾病部位を慣用的研究(CT/MRI及び/又は骨スキャン)で造影された患者の約80%において、前立腺癌転移の既知部位を造影することができる。軟組織及び骨部位の両方をmAbスキャンで可視化することができた。ターゲッティングは前立腺癌に特異的であり、非癌部位への明らかな局在化はなかった。131I-mJ591の平均有効血清滞留時間は、44.0時間(メジアン47.4時間)であると測定された。評価可能な16患者のうちの8人は、ヒト抗マウス抗体(HAMA)反応を発達させた。即ち、それらの免疫系は、マウス由来抗体の異物性を認識した。1患者のみが、マウス抗体に関連した不利なイベントを有した。この患者は、マウスmAbに対する重度なアレルギー(アナフィラキシー)反応を有し、これは、患者がそれで以前に治療された他の実験薬物の精製に用いられた、マウス抗体への以前(不明)の暴露によるものであると後に判明した。要約すると、33患者をターゲッティングに関して評価した:33患者のうちの27人は陽性の骨スキャンを有し、27人のうちの24人(約90%)は陽性のモノクローン抗体スキャンを有した;33患者のうちの9人は陽性の軟組織(CTスキャン)を有し、これらの9人のうちの8人(約90%)は陽性のモノクローン抗体スキャンを有した。 マウス抗体を受容する大抵の免疫適合(immunocompetent)患者に生じるHAMA反応の発達は、異種由来抗体(foreign species-derived antibody)による反復治療を不可能にする。複数回治療を可能にするために、マウス抗体分子を、異種(マウス)アミノ酸配列を除去して、それらを遺伝学的に既知同種ヒト配列と置換する分子設計手法を用いて、“脱免疫化(de-immunized)”することができる。上述したように、マウスJ591は脱免疫化を受けて、“deJ591”を生じている。 結論として、PSMAextに対するmAbは、骨及び軟組織の両方の播種性前立腺癌部位をinvivoで特異的に標的とし、有意な“不利”局在化及び有意な毒性を示さなかった。 実施例6.90Y-DOTA-deJ591を用いる単一ヒト患者研究 単一患者をmAb deJ591で治療した。この患者は、大きい低分化型前立腺癌を有し、多重コースの外部ビーム・ラジオグラフィー並びに多重形式のホルモン及び非ホルモン化学療法に失敗していた。該患者は個人患者用INDで治療され、5か月間のコースにわたって、10mg〜200mgの範囲内のdeJ591投与量を全体で12回受容していた。4回投与量(#1、3、6及び11)を、薬物動態測定及び生体内分布のために131ヨウ素及び111インジウムのいずれかでトレース−放射能標識した。131I-deJ591の平均有効血清滞留時間は、投与量に依存して、31.9〜51.3時間の範囲であった。既知腫瘍部位への腫瘍局在化は、該5か月間にわたる放射能標識投与量の各々の後に良好であった。投与量12回分(dose twelve)を、血液に150rad未満の線量をデリバリーするように算出した治療量の90イットリウム(19mCi)で放射能標識した。この線量は、FDAと相談して決定されたものであり、外部ビームによって及び131ヨウ素によってデリバリーされる事前の放射能療法を考慮に入れたものであった。この患者では、検出可能なヒト抗脱免疫化(anti-deimmunized)抗体(免疫)応答は発生しなかった。該患者の血小板数は、90Y−DOTA-deJ591投与後5週間目に64,000に低下し(正常:150,000〜300,000)(骨髄への照射(radiation)の予想結果として)、その後、正常レベルに自然に回復した。他の血液学的又は非血液学的毒性は生じなかった。該患者は副作用を経験しなかった。該患者のPSAは、deJ591-DOTA-90Y投与時の63から36に減退した。腫瘍数又はサイズの測定可能な減少は生じなかった。この患者は、90Y-DOTA-deJ591による治療開始後11か月半で、彼の転移前立腺癌のために死亡した。 実施例7.111In-DOTA-deJ591によるヒト試験−前立腺特異的膜抗原/細胞外ドメイン(PSMAext)に対する111インジウム標識脱免疫化モノクローナル抗体(mAb)deJ591のI相試験 この実施例は、この遺伝子操作されたmAbのmAbターゲッティング、毒性、薬物動態(PK)及び免疫原性(ヒト抗脱免疫化Ab)を評価するためのdeJ591の臨床試験の結果を述べる。deJ591は、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)の強力な仲介体である。PSMAは腫瘍中に、但し、すべての癌の正常でない血管内皮に発現されるので、deJ591の診断的及び治療的有用性は前立腺癌を超えて他の癌にも及びうる。 再発進行性前立腺癌を有する患者は、111In-DOTA-deJ591の1週間毎に4回の投与を受けた。投与量は3患者ずつの群で段階的に増加し、62.5〜500mg/m2(総量)の範囲内であった。投与量レベルを表16に示す。各投与量は、mAb-DOTAキレートを介して0.1〜5mCi111Inでトレース標識されたdeJ591 0.02〜1.0mgを包含し、投与量の残部は非標識deJ591から成った。初回投与後に、患者を注入日(0日目)、1、2、4及び7日目に造影した。 血清PK、免疫反応及び毒性を、少なくとも12週間にわたって、各投与後に評価した。 最初に15患者がこの試験に参加した。13患者は4回の計画投与量のすべてを受容した;2患者は1回以下の投与量を受容した。1患者は、迅速な注入速度のために、彼の初回注入の5分間中に低血圧になった。治療を完了しなかった第2患者は、もはや彼を試験適格者にしなかった、迅速な疾患進行のために1週間後に研究から離脱した。この後者の患者も残りの13人の患者も、如何なる毒性及び副作用を経験しなかった。13患者のうちの10人は、陽性の骨スキャンを示し、10人すべてが骨部位への優れたmAbターゲッティングを実証した。3患者は、CTスキャンによって測定されるような軟組織疾患を有し、2人はこれらの部位へのmAbターゲッティングを実証したが、111In-DOTA-deJ591陰性であった第3患者は、18か月間内にサイズを変化させなかった照射済み骨盤腫瘤(pelvic mass)を有した。非前立腺癌部位へのmAbターゲッティングは認められなかった。患者のいずれも該抗体に対する免疫応答を発生させなかった。deJ591の血漿半減期は投与量によって変化した。 結論として、deJ591は非免疫原性であり、敏感にかつ特異的に骨及び軟組織を標的にする。 実施例8.111In-DOTA-deJ591によるヒト試験;ホルモン不応性(hormone refractory)前立腺癌のターゲッティング この実施例は、ホルモン不応性前立腺癌を有する患者における、mAbターゲッティング、生体内分布及び薬物動態を評価し、このmAbによる放射免疫療法の抗体投与量を最適化するためのdeJ591の臨床試験の結果を述べる。 ホルモン不応性前立腺癌を有する26患者に、185MBqの111In-DOTAで標識されたdeJ591 20mgから成る111In-DOTA-deJ591の単回投与量を注入した。すべての患者は111In-DOTA-deJ591注射の0日(注射日)、3及び6日目に全身及びSPECTイメージングを受けた。111In-DOTA-deJ591イメージング結果を、CT、MRI及び骨スキャンと比較した。すべての患者は3回の連続測定で上昇するPSAレベルを示した。 26患者のうちの22人は、ルーチンのイメージング理学療法で造影可能な疾患を有し、4患者は造影可能な疾患を有さなかった。イメージング・データは、造影可能な疾患を有した22人の患者のうちの16人(72.7%)における111In-DOTA-deJ591腫瘍ターゲッティングを明らかにした。ターゲッティングは3日目に最も良く見られた。SPECTイメージングで、付加的な(未知)部位は検出されなかった。標的転移部位は、12患者では骨又は骨髄中に、2患者では軟組織中に、2患者では骨及び軟組織の両方に存在した。 111In-DOTA-deJ591イメージングは、造影可能な疾患を有した22患者のうちの4人(18%)では偽陰性であった。非標的転移部位は、3患者では軟組織中に、1患者では骨及び軟組織の両方に存在した。 前立腺中の111In-DOTA-deJ591の蓄積は、無傷であるが照射された前立腺を有する患者では一般に最少であった。生理的部位のなかで、最高の取り込みは肝臓中で観察され、6日目に取り込みは27±1.7%であった。肝臓によって吸収された線量は、111Inでは2.8±0.25rad/mCiであり、90Yでは20.1±2.1rad/mCiであった。111In-DOTA-deJ591 の血漿クリアランス(T1/2)は、34±5時間であった。 111In-DOTA-deJ591は、ホルモン不応性前立腺腫瘍を特異的に標的とし、放射線又はサイトトキシンによってホルモン不応性進行前立腺癌を標的とするための効果的なビヒクルである。 実施例9.111In-DOTA-deJ591又は177Lu-DOTA-deJ591によるホルモン不応性前立腺癌のターゲッティング 111In-DOTA-deJ591に関して実施例8で述べたような、177Lu-DOTA-deJ591によるイメージング研究は、同様な結果を生じている。次の概要は、177Lu及び111Inに関して得られた結果の組み合わせを表す。 ホルモン不応性前立腺癌を有する39患者は、これまでに、deJ591を用いた幾つかの臨床試験のいずれかに参加していた。111In標識deJ591又は177Lu標識deJ591のいずれかによる核イメージングを、各試験の初期段階として行なった。γエミッターである111Inを、“裸の”mAbのトレーサーとして、又は90Y(放射性核種スキャンで造影しない、純粋なβエミッター)の投与前の代理イメージング剤として用いた。177Luはγ及びβ粒子の両方を放出し、直接のイメージングを可能にするので、177Luをイメージング剤及び治療剤の両方として用いることができる。抗体スキャンを、各患者に対して得られた標準イメージング研究(骨、CT又はMRスキャン)と比較して、転移部位へのdeJ591ターゲッティングの基礎的感度、特異性及び精度を評価した。骨転移及び軟組織転移を独立的に評価した。 骨転移に関しては23患者で、軟組織転移に関しては25患者で結果が得られている。15患者が骨スキャンで骨転移を有し、該骨転移は12患者(80%)においてdeJ591によって正確に標的とされた。これらの12患者において、骨スキャンで見られたすべての癌病巣は、deJ591スキャンで確認された。陰性骨スキャンを有する7患者のすべてが、deJ591スキャンで陰性であった(100%特異性)。軟組織転移に関しては、慣用的なイメージングで軟組織腫瘤(soft tissue masses)を有する9患者のうちの8人が、deJ591を用いた正確なターゲッティングを実証した(89%)。1人の偽陰性患者は、mAbスキャンで見られなかった、8mmと測定された後腹膜アデノパシーを有したが、その骨病巣はすべて標的とされた。立証された軟組織転移を有さない15患者は、陰性のmAbスキャンを有した(100%)。mAbスキャンで確認された病巣以外に初期標準イメージングで軟組織転移を有さない1患者は、その後に、標準イメージングで陽性であると判明した。全体的に見て、軟組織転移及び骨転移に関して標準イメージングとmAbスキャンとの間には91%一致が存在した。 deJ591は、大多数の患者において、既知骨転移又は軟組織転移を正確に標的とした。さらに、これまでは未検出の1転移部位が、mAbスキャンで実証され、後に、CTイメージングで確認された。deJ591は、転移前立腺癌病巣に対する、非常に敏感で、特異的な作用剤である。 実施例10.90Y-DOTA-deJ591によるヒト試験;再発した前立腺癌を有する患者における脱免疫化mAb deJ591-DOTA-90YttriumのI相試験 再発性/再発した前立腺癌を有する患者の90Y-DOTA-deJ591療法の投与量段階的上昇のI相試験を行なった。投与量は5mCi/m2から開始し、3〜6患者の群に対して+2.5〜5mCi/m2の増分で段階的に上昇させた。この研究の設計は次のように要約される:111In-DOTA-deJ591の生体内分布を測定し、関連した用量決定を行なうために、該抗体を患者に投与し、7〜10日後に、90Y-DOTA-deJ591を5.0、10、15、17.5及び20mCi/m2で投与した。すべての投与は、約5mg/分の速度で静脈内注入で行なった。deJ591-DOTAを、90Yの所定投与量に達するために3〜5mCi-90Y/mg抗体の比活性で標識し、残部は“冷”deJ591で総deJ591 20mgにした。投与量は、投与量レベルの間に6〜8週間を置いて投与した。90Y-DOTA-deJ591のその後の投与が考慮された。 この試験のための対象は、最終的療法(例えば、手術及び/又は照射)後に再発した前立腺癌を有し、彼らのために治療的標準療法は存在しない。 この試験の目的は、(1)再発性及び/又は転移性前立腺癌を有する患者における脱免疫化モノクローナル抗体(mAb)、deJ591-DOTA-90イットリウム(90Y)の反復(分割)投与量の毒性及び最大耐量(maximum tolerated dose)(MTD)を明確にすること;(2)deJ591-DOTA-90Yの薬物動態を明確にすること;(3)deJ591-DOTA-90Yに対するヒト抗脱免疫化抗体免疫応答を明確にすること;及び(4)deJ591-DOTA-90Yの反復(分割)投与量の予備効力(preliminary efficacy)(反応率)を明確にすることである。 治療プロトコール 90Y-DOTA-deJ591の結果として2度以上のアレルギー反応を発生させた患者は、もはやDOTA-deJ591を受容せず、毒性に関してフォローされることになる。 患者をdeJ591-DOTA-90Y投与後少なくとも12週間フォローした。患者の疾患が彼の最後の投与後12週間目に安定であった又は反応した場合には、患者を悪化するまでフォローした。 フォローアップ研究は、以下の表17に示した、指定時間における情報を集めることから成るものであった。 薬物動態: 111In -DOTA-deJ591の注射後、10分間、1、2、4、24時間並びに2、3、4及び7日目に血液サンプルを得た。血液アリコートを既知111In標準と共に測定することによって、血液中注入量%(%I.D.)を算出した。90Y- DOTA-deJ591後に、同じ間隔を置いて、同様な血液サンプルを採取した。血液アリコートを既知111In又は90Y標準と共に測定することによって、血液中の%I.D.を算出した。 毒性 NCI CTEP Common Toxicity Criteria (CTC),version2 (April, 1999)を用いた。CTEPはCTCを標準化しているので、NCIは、この資料にCTCを含めることを必要としない。すべての治療領域は、CTC version 2.0のコピーにアクセスすることができる。コピーをCTEPウェブサイトからダウンロードすることもできる。 投与量限定毒性(dose limiting toxicity)(DLT)の定義 血液学的毒性:4度顆粒球減少症[ANC<500/mm2];4度血小板減少症[血小板数<10,000/mm2];又はCTCによって定義されるような、熱性好中球減少症若しくは好中球減少性感染症。他の毒性:90Y-DOTA-deJ591に帰因する3度以上の非血液学的毒性。 最大耐量(MTD)の定義 0/6又は1/6患者がDLTを経験し、次に高い投与量レベルを有する2患者以上がDLTを経験する投与量レベルとしてMTDが定義される。MTDにひと度達したならば、その投与量で少なくとも6患者を評価して、投与計画の毒性及び90Y-DOTA-deJ591の薬物動態をより良好に決定すべきである。 アレルギー・イベントは次のように管理される:発疹、心因性掻痒症、蕁麻疹及び喘鳴は、臨床的な必要に応じて、ベナドリル及び/又はステロイドで治療される。アナフィラキシー又はアナフィラキシー様徴候若しくは症状は、臨床的な適応に応じて、ステロイド及び/又はエピネフリンによって治療することができる。 研究のためのみの特異的介入(specific interventions) mAbの薬物動態及び生体内分布を明確にするためのdeJ591の実際の投与及び関連研究の他に、行なわれた他の介入(実験(labs)、イメージング研究、事務所訪問)は標準的手段である。実験室試験の幾つかは、通常、前立腺癌のセッティング(setting)(例えば、免疫反応レベル)では行なわれない。他の実験室及びラジオグラフィー手段は、前立腺癌を有する患者の管理では標準的であるが、通常よりも大きな頻度で行なうことができる。 治療反応の基準 前立腺癌の進行は、PSAレベルの上昇、骨スキャンでの新しい病巣、新しい疾患関連症状、及び頻度は低いが、測定可能な軟組織腫瘤サイズの増大によって明らかになる。反応は一般に、生化学的に(PSA変化)又は測定可能な病巣(単数又は複数)のサイズ変化によって評価される。 生化学的(PSA)反応は、治療後の最低(nadir)PSAレベルを、治療開始直前に測定されたベースライン治療前PSAと比較することによって判定することができる。>50%の減少が多くの研究者によって実証されており(Petrylak, D.P. et al. (1992) Cancer 70:2870-78; Kelly W.K., et al. (1999) J Clin Oncol 11:607-15; Kantoff P.W., et al. (1999) J Clin Oncol 17:2506-13, 1999; Smith, D.C., et al. (1998) J Clin Oncol16:1835-43)、改良された生残と関連づけられている。さらに、Scher等(Scher H.I., et al. (1999) JNCI 91:244-51)は、治療開始後8週間又は12週間目に低下する又はベースラインからの増加を示さないPSAが、治療にも拘わらずそのPSAが上昇する患者に比べて、改良された生残と相関することを実証している。 測定可能な疾患を有する患者では:完全な反応は、物理的検査又はイメージング研究による、すべての測定可能な病巣の完全な消失と、2か月間以上新たな病巣が出現しないこととして定義される。部分的反応:すべての測定可能な病巣の最長垂線直径の積の合計の50%以上の減少として定義される。新たな病巣は生じえない。安定な疾患:部分反応の基準を満たさず、2か月間以上進行性疾患の徴候を示さない患者。進行性疾患は、インジケータ病巣の最長垂線直径の積の合計の25%を超える増加、新たな病巣の出現又は治療前ベースラインを超える前立腺特異的抗原の上昇として定義される。 反応の持続期間:典型的に、悪化(progression)の最初の徴候は、血清PSAの上昇である。この試験では、反応の持続期間は、治療開始(90Y-DOTA-deJ591)から、PSAの確認された上昇、測定可能な病巣(単数又は複数)の拡大、又はイメージング研究での新たな病巣のいずれかによって悪化が実証されるまでの時間間隔である。PSA上昇は、第2のPSA連続上昇によって確認されなければならず、持続期間は、治療開始から、最初のPSA上昇のときまでとして定義される。 結果: 20患者がこのプロトコールによって治療されており、この20人のうちの19人を現在評価することができる。20患者のすべてが1つ以上の形式のホルモン療法に失敗しており、20患者のうちの11人は少なくとも1つの化学療法計画に失敗していた。その上、患者のすべてが上昇するPSAレベル及び150,000の最小血小板数を有した。 血液化学、血液学及びPSAレベルを12週間以上モニターした。血液化学、又は肝臓若しくは腎臓機能に顕著な変化は見られなかった。血小板及び白血球レベルに血液学的変化は、すべての投与量レベルで見られなかった。毒性は用量依存性であり、可逆的な骨髄抑制(本来の血小板減少症)に限定された。3〜4度の血小板減少症が15〜20mCi/m2で見られた。最大耐量は、20mCi/m2以下であると推定された。 111In-deJ591イメージング研究に基づいた90Y-deJ591線量測定推定値は、肝臓、腎臓、脾臓及び骨髄への器官線量が、それぞれ、20、19,18及び1.7rad/mCiであることを示唆する。如何なる患者も免疫反応を発生させなかった。 用量依存性の抗腫瘍効果が認められた。最初の2線量レベル(5mCi/m2及び10mCi/m2)では、11患者のうちの5人(45%)は、治療にも拘わらず、上昇し続けるPSA値を有したが、11患者のうちの6人(55%)はPSAレベルの平均23%低下に達した。15mCi/m2では、4患者のうちの1人(25%)が悪化したが、4患者のうちの3人(75%)はPSAレベルの平均25%低下に達した。20mCi/m2では、4患者のすべてがPSAレベルの平均42%低下に達した。これらの4患者のうちの2人は、図13A及びBに示すように、3か月を越えて続く70〜85%のPSA低下を示す。PSA最低に達するまでの平均時間は治療後7週間(範囲:2〜13週間)であった。これらの患者には、測定可能な反応も見られている。PSAレベルが85%低下した患者は、多発性軟組織転移の90%収縮を有した。PSAが70%低下した患者は、40%という軟組織疾患の測定可能な軽減を有した。 結論: 90Y-DOTA-deJ591は、非免疫原性であり(これは反復治療を可能にする)、毒性は用量依存性の可逆的骨髄抑制に限定されている。重要なことには、90Y-DOTA-deJ591は、進行した前立腺癌を有する患者において用量依存性の抗腫瘍効果を有した。I相データは、90Y-DOTA-deJ591の単回投与(20mCi/m2以下)が、前立腺癌の治療のための最適の線量計測法によって安全であることを示唆している。さらに、線量計測法推定値は、多重投与も安全であることを示している。 実施例11.90Y-deJ591を受容した前立腺癌患者におけるPSA反応の徴候 90Y-DOTA-deJ591を受容した2患者は、放射能標識J591による治療前に上昇するPSAレベルを有した(図13A及び13B参照)。プロット上のX軸は時間(日数)を表す。この軸上の負数は、J591治療前の日数を示す。“0”時点で、患者は治療のための90Y-J591を受容した。グラフは、治療前の急激に上昇するPSAが数週間の治療内に鋭敏なターンをして、その後の長期間(少なくとも10週間)安定になることを実証する。PSAレベルの安定性は、進行性疾患が進行を停止したことを示唆する。高線量の放射能標識J591は、疾患負担の軽減及び/又は腫瘍増殖速度の停止の延長をもたらすことができる。さらに、反復投与も、腫瘍負担の絶対的減少並びに腫瘍増殖速度の停止の実質的延長をもたらすことができる。 実施例12.177Lu-DOTA-deJ591によるヒト試験;再発前立腺癌を有する患者における脱免疫化mAb deJ591-DOTA-177ルテチウムのI相試験 この実施例は、最終的療法(例えば、手術及び/又は照射)後に再発した前立腺癌を有する及び/又はホルモン非依存性であり、彼らのために標準療法が存在しない対象の臨床研究を述べる。これらの患者のための治療的療法は現在存在しない。その上、この実施例は177Lu標識deJ591を主として扱う。177 Luは、β−エミッター及びγ−エミッターの両方である。このようなものとして、177Luは放射線療法及びイメージングの両方に用いることができる。 この試験の目的は、(1)再発性及び/又は転移性前立腺癌(Pca)を有する前立腺癌患者における脱免疫化モノクローナル抗体(mAb)、deJ591-DOTA-177ルテチウム(177Lu)の毒性及び最大耐量(MTD)を明確にすること;(2)deJ591-DOTA-177Luの薬物動態を明確にすること;(3)deJ591-DOTA-177Luの生体内分布及び線量測定を明確にすること;(4)deJ591-DOTA-177Luに対するヒト抗脱免疫化抗体(免疫)応答を明確にすること;及び(5)deJ591-DOTA-177Luの予備効力(反応率)を明確にすることである。 治療プロトコール: 患者は、5mg/分以下の注入速度で投与されるdeJ591-DOTA-177Luの投与量を受容した。deJ591の総投与量は、依然として10mg/m2に固定されたままであった。177Lu線量(mCi/m2)は、各線量レベルに関して3〜6患者の群で段階的に上昇した(以下の表15参照)。DeJ591-DOTA-177Luは、所定の線量の177Luに達するように3〜10mCi/mg抗体の比活性で標識したものであり、残部は“冷”deJ591で10mg/m2総deJ591までにした。線量の段階的上昇(escalation)は、現行の線量レベルで少なくとも3患者が重篤な血液学的毒性なく6週間以上フォローされるまで、保留された。1つの線量レベルで最初の3患者のいずれかが6週間までに1度又は2度の血液学的毒性を経験する場合には、回復が始まるまで、又は8週間のさらなるモニターリングと毒性評価が行なわれるまで、段階的上昇は保留された。いずれかの患者が3度又は4度の血液学的毒性を経験する場合には、少なくとも6患者を該線量レベルで参加させて、段階的上昇の前に、少なくとも8週間又は回復が始まるまでフォローする必要があった。いかなる時にも、2例の線量限定毒性(dose-limiting toxicity)が特定の線量レベルで見られた場合には、該線量レベルでのさらなる参加は停止される。このような場合には、MTDの決定を助けるために、先行線量レベルに少なくとも6患者を参加させるべきである(以下の“毒性”項参照)。 177Lu -DOTA-deJ591の受容中に2度以上のアレルギー反応を発生させた患者は、もはやdeJ591を受容せず、毒性に関してフォローされた。 deJ591-DOTA-177Lu投与後、患者を少なくとも12週間フォローした。この治療後12週間目に患者の疾患が安定であるか又は反応している場合には、悪化するまで患者をフォローした。 表16に記載したものを除いて、フォローアップは表14に上述した通りであった。 177Lu-deJ591イメージング: 注入後1時間以内(0日目)及びその後2週間内の付加的な少なくとも5時点(例えば、1、3、5、10及び15日目)で、全身画像を得た。適当なコリメーターを装備したデュアル・ヘッドADACガンマカメラを用いて、ガンマカメラ画像を得た。主要器官(心臓、肝臓、脾臓、腎臓、骨髄、GI管及び膀胱)中の注入線量%(%I.D.)を、問題の領域(regions of interest)(ROI)を描画して(drawing)、各器官の相対的カウント及び各器官からのウォッシュアウトの動力学(kinetics of wash out)を測定することによって算出した。時には、SPECT研究を腹、骨盤及び/又は転移病巣が疑われる領域に対して行なった。可能な場合には、177Luの既知標準を用いて、腫瘍塊1g当りの注入線量%を算出した。 毒性: NCI CTEP Common Toxicity Criteria (CTC), version 2 (April, 1999)を用いた。CTEPはCTCを標準化しているので、NCIは、この資料内にCTCを含めることを必要としない。 すべての治療領域をCTC version 2.0のコピーにアクセスさせる。コピーをCTEPウェブサイトからダウンロードすることもできる。 3〜6人の患者が各線量レベルに参加した(又は参加することになる)。投与量の段階的上昇は、現行レベルで少なくとも3患者が血液学的毒性なく6週間フォローされるまで、抑制された。ある一定投与量レベルで初期3患者のいずれかが6週間までに1度又は2度の血液学的毒性を経験する場合には、さらに毒性を評価するまで、8週間まで段階的上昇を抑制する。いずれかの患者が3度又は4度の血液学的毒性を経験する場合には、少なくとも6患者が該投与量レベルで参加して、段階的上昇の前に、少なくとも8週間フォローされなければならなかった。いずれにせよ、3度又は4度の毒性の2例が特定の投与量レベルで観察された場合には、該投与量レベルでのさらなる参加は停止されることになる。 投与量限定毒性(DLT)の定義: 血液学的毒性:7日間を超える4度の顆粒球減少症(ANC<500μl)又は4度の血小板減少症(血小板<10,000)。他の毒性:177Lu-DOTA-deJ591に帰因する、3度以上の非血液学的毒性。 不利なイベントの定義: 不利なイベントとは、原因作用に関係なく、臨床試験中又は治療後4週間に被検患者(research partient)における不都合な医学的発生として定義される。これは、臨床的若しくは実験室的所見、併発性疾患又は、参加の時点(ベースライン)で存在する疾患若しくは状態の憎悪若しくは悪化を包含する。不利なイベントは、重篤な基準(以下参照)のいずれをも満たさない場合には、重篤ではない。 原因作用/帰因 すべての臨床的不利なイベント及び異常な実験的値を、実験的作用因子に対する可能な関係に関して評価した。原因作用/帰因の下記カテゴリー:明確、推定、可能、見込みなし、及び無関係を用いる。 ベースラインにおいて存在し、実験的療法中に重症度及び頻度において変化しなかった、及び/又は基礎的疾患に妥当に帰因することができる、臨床的に重要である、異常な臨床検査室値を治験担当医師(investigator)が評価し、“無関係”カテゴリーに記録した。それ故、このようなイベントを、この作用剤の安全性の評価に考慮しなかった。 先在状態: この試験では、先在状態(即ち、不利なイベントを報告する期間が始まる前に存在する障害)は、状態が悪化しない限り又は不利なイベントを報告する期間中にエピソードの頻度が増加しない限り、不利なイベントとして報告しない。 不利なイベントの定義: 各不利なイベントは、重篤な又は非重篤な、及び予測された又は予測されないとして分類した。不利なイベントは、それが死亡を生じた;それが生命をあやふくした(即ち、対象を死の直接の危険にさらした、遭遇された不利なイベント;より重症になった場合に、仮説的に死を生じたと思われる不利なイベントには該当しない);それが入院(in-patient hospitalization)を必要とした又は延長した;それが持続の又は重大な障害又は無能を生じた;及びそれが先天的な異常/先天性欠損を生じた場合には、重篤として分類された。 等級(grading) 毒性には、Common Toxicity Criteriaスケール又は下記を用いた、0〜4のスケールで等級を付けた:(1)0=非毒性。(2)1=弱毒性、通常一過性、特別な治療を必要とせず、一般に患者の活動を妨害しない。(3)2=簡単な治療手段によって改良することができる、中程度の毒性;通常の活動を損なう。(4)3=治療の介入を必要とし、通常の活動を妨害する、重度の毒性;入院を必要とすることもしないこともある。(5)4=入院を必要とする、生命をあやふくする毒性。(6)5=致命的毒性。 治療反応の基準: 前立腺癌は、PSAレベルの上昇、骨スキャンでの新しい病巣、新しい疾患関連症状及び頻度は低いものの、測定可能な軟組織腫瘤サイズの増大によって明らかになる。反応は、一般に、生化学的に(PSA変化)又は測定可能な病巣(単数又は複数)のサイズの変化によって評価される。 生化学的(PSA)反応は、上述したように評価した。測定可能な疾患を有する患者において:完全な反応は、物理的な検査又はイメージング研究による、すべての測定可能な病巣の完全な消失と、2か月間を越えて新しい病巣の出現のないこととして定義される。部分的反応は、すべての測定可能な病巣の最長垂線直径の積の合計の50%以上の減少として定義される。新しい病巣は存在しえない。安定な疾患:部分的反応の基準を満たさず、2か月間を越えて進行性疾患の徴候のない患者。進行性疾患は、測定不能な(immeasurable)病巣の最長垂線直径の積の合計の25%を超える増加、新しい病巣の出現又は治療前ベースラインを超える前立腺特異的抗原の増加として定義される。 反応の持続期間: 通常、悪化の第1徴候は、血清PSAの上昇である。この試験では、反応の持続期間は、治療開始から悪化がPSAの上昇、測定可能な病巣(単数又は複数)の拡大又は骨スキャンでの新しい病巣(単数又は複数)によって立証されるまでの時間間隔である。PSA上昇は、PSAの第2連続上昇によって確認されなければならず、持続期間は治療開始からPSAの最初の上昇までの時間として定義される。 結果: CT/Boneスキャンで立証された前立腺癌病巣とPSAレベル上昇とを有するホルモン不応性患者を、I相線量段階的上昇(10〜75mCi/m2)研究に参加させた。すべての患者が1種類以上のホルモン療法に失敗していた。 現在まで、19患者(3群の患者、3〜6人/群)が177Lu-DOTA-deJ591 (10 mg/m2)を受容した。各群が異なる線量の177Lu-DOTA-deJ591:10、15、30、45又は60mCi/m2(それぞれ、0.37、0.74、1.11、1.48又は1.85GBq)を受容した。血液サンプルを2週間採取し、同じ2週間に5回イメージング研究を行なった。血液化学、血液学及びPSAレベルを3か月間以上モニターした。 イメージング研究は、177Lu-DOTA-deJ591の特異的腫瘍局在化を示した。4患者が、177Lu-DOTA-deJ591イメージングで実証され、その後に慣用的なイメージングによって確認された、以前には未認識の転移巣を有した。線量測定推定値は、肝臓が7.6±3.3rad/mCiを受容した決定的な器官であることを示す。血液放射能(blood activity)に基づく骨髄への線量は0.7rad/mCiである。177Lu-DOTA-deJ591の血漿 T1/2は、43±11時間であった。血液化学、肝機能及び腎機能に有意な変化は見られなかった。種々な線量レベルで血液学的変化が観察されたが、60mCi/m2 線量レベルにおいてさえも、重大な毒性は見られなかった。 研究に参加した、最初の9患者は、177Lu-DOTA-deJ591の線量を10mCi/m2(3患者)、15mCi/m2(3患者)及び30mCi/m2(3患者)のレベルで受容した。すべての患者が1種類以上のホルモン療法に失敗しており、1患者(17%)は少なくとも1つの化学療法計画に失敗していた。毒性は最低であり、2度又は3度の不利なイベントを有する患者はなく、毒性は、可逆的な骨髄抑制、本来の血小板減少症に限定された。いずれの患者も177Lu-DOTA-J591に対して免疫反応を発生させなかった。 これらの最初の9患者には、線量関連抗腫瘍効果が認められた。10mCi/m2 線量レベルでの治療後に、2患者は、治療にも拘わらず上昇し続けるPSAレベルを有し、残りの患者はPSAレベルの安定化を示した。15mCi/m2では、2患者がPSAレベルの35%の平均低下を有し、1患者のPSAレベルは治療にも拘わらず進行した。PSAの最低値に達するまでの平均時間は、治療後4週間であった(範囲:2〜6週間)。PSAレベルの低下を示し、測定可能な疾患を有さなかった3患者のうちの1人は、治療後18週間目にもPSAレベルの50%低下を有し続けた(図14参照)。これらの患者の一部は、現在、再治療されており、177Lu-DOTA-deJ591の少なくとも3回投与を受けている。 結論: 177Lu-J591は非免疫原性(これは、反復治療を可能にすると考えられる)であり、これまで用いられた投与量において低毒性を有する。177Lu-J591は、進行した前立腺癌を有する患者において用量関連抗腫瘍効果を有する。約20mCi/m2であると推定される最大耐量を有する90Y-DOTA-deJ591とは対照的に、177Lu-DOTA-deJ591は30mCi/m2線量レベルにおいても安全である。177Lu-DOTA-deJ591は、131I-DOTA-deJ591(in vivoで脱ハロゲン化され、取り込まれるmAbのためには理想的ではない)及び90Y-DOTA-deJ591の両方に関連した欠点を除去するように思われる。腫瘍組織中の177Lu-DOTA-deJ591の長い滞留時間も、抗腫瘍反応を増強することができる。 実施例13.非前立腺癌のイメージング 免疫組織化学的研究は、前立腺上皮細胞の他に、無数の充実性腫瘍の血管内皮細胞によってもPSMAが発現されるが、良性組織における正常な血管内皮によっては発現されないことを示す。上述したように、PSMAのこの発現パターンは、実際にあらゆる充実性腫瘍において生じる。 血管傷害性療法のための治療剤としての111In-DOTA-deJ591の価値を評価し、111In-DOTA-deJ591の毒性及び最大耐量を特徴付け、111In-DOTA-deJ591の薬物動態及び生体内分布を測定し、免疫原性に関して評価するために、111In-DOTA-deJ591のIRB認可I相用量段階的上昇試験を開始した。適格な患者は、その腫瘍タイプが新生脈管構造(neovasculate)上にPSMAを発現することが知られている難治性充実性腫瘍悪性度(refractory solid tumor malignancies)を有する患者である。 15患者が5mg(3患者)、10mg(6患者)又は20mg(6患者)の111In-DOTA-deJ591を受容し、14日間後に第2回投与量を受容した。 該研究に参加した患者は、8人の腎細胞癌患者、4人の膀胱癌患者、2人の結腸癌患者、及び1人の膵臓癌患者を包含した。すべての患者が、111In-DOTA-deJ591注入から0日目(注入日)、2、5及び7日目に全身及びSPECTイメージングを受けた。111In-DOTA-deJ591イメージング結果をCTスキャン及び骨スキャンと比較した。 イメージングデータは、15患者のうちの10人(腎細胞癌7人、膀胱癌2人、及び結腸癌1人)における111In-DOTA-deJ591腫瘍ターゲッティングを明らかにした。ターゲッティングは2日目及び5日目に最も良く観察され、デリバリーされた抗体質量(anbody mass)に無関係であった。SPECTで付加的部位は検出されなかった。標的転移部位は、肺、大腿部、腹膜後、及び頚部リンパ節を包含した。1患者(腎細胞癌を有する)における脳転移が、111In-DOTA-deJ591イメージングによって最初に検出され、後にMRIによって確認された。111In-DOTA-deJ591イメージングは、15患者のうちの5人(膀胱癌2人、結腸癌1人、膵臓癌1人及び腎細胞癌1人)では偽陰性であった。非標的転移部位は、肝臓、腎臓床(renal bed)、膵臓、肺、及び腹腔リンパ節を包含した。検出されなかった肺病巣は、1cm未満のサイズであった。 客観的反応は生じなかったが、結腸癌患者はCEAの50%低下を有し、2患者は、癌痛覚及び動作状態(performance status)の改良を有した。肺、リンパ節及び/又は骨に伸展した疾患を有する、2人の異なる転移腎臓癌患者に、111インジウムで標識されたdeJ591を注入した。注入の2日間以内に撮影された患者の画像は、これらの異なる組織及び器官における既知腫瘍部位への該抗体の顕著な取り込みを実証した。抗体の該取り込みの程度は、実質的であり、かつ迅速である。 生理学的部位のなかで、最高の取り込みは肝臓で観察された。血漿クリアランス及び肝臓取り込みは、抗体質量に依存し;低い質量は迅速な血漿クリアランス及び高い肝臓取り込み(取り込み%として)を生じた。deJ5915mg、10mg及び20mgに対するの血漿クリアランス(T1/2)は、それぞれ、21±11時間、24±6時間及び37±8時間であった。同じ投与量レベルの肝臓取り込みは、それぞれ、28%±14%、17±7%及び13%±5%であった。 これらのデータに基づいて、プロトコールを6連続週間投与するように修正し(10、20、40及び80mg/週間投与量レベル)、患者が安定した疾患又は反応する疾患を有する場合には、8週間サイクルでの再治療をオプションとした。これまでに、9患者がこのスケデュールでの治療を現在受けている。 111In-DOTA-deJ591は、充実性腫瘍の血管内皮を特異的に標的とする。これらの試験は、deJ591が、放射能又はサイトトキシンによる充実性腫瘍血管内皮のターゲッティングのために有効なアプローチであることを実証する。 実施例14.再発性前立腺癌を有する患者における低用量皮下インターロイキン−2と組み合わせたmAb deJ591のII相試験 この試験のための対象は、最終的療法(例えば、手術及び/又は放射線)後に再発した前立腺癌を有する、及び/又はホルモン非依存性であり、かれらのために標準療法が存在しない対象である。これらの患者のために現在、治療的療法は存在しない。 この試験の目的は、(1)再発性及び/又は転移性前立腺癌を有する患者における1日低用量皮下IL-2と組み合わせたmAb deJ591の予備的効力(preliminary efficacy)(反応率)を明確にすること;(2)1日低用量皮下IL-2と組み合わせたmAb deJ591の毒性を研究すること;及び(3)免疫反応に対するIL-2の効果をin vitro測定することである。 低用量IL-2療法 IL-2は、T細胞、B細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞を含めた、あらゆる主要な種類のリンパ球の増殖を促進し、分泌能力を強化する(Smith K.A. (1988) Science 240:169)。抗原選択性T細胞及びB細胞クローンのIL-2刺激膨張が、抗原特異的免疫反応の大きさを決定するが、反応の性質は、付加的なサイトカイン、細胞溶解性分子及び抗体のIL-2促進分泌によって決定される(Smith K.A (1993) Blood 81:1414-1423)。さらに、IL-2は、NK細胞に対するその効果を通して、NK細胞と単球との相互作用を包含する抗原非特異的宿主反応を刺激する。これらの機能の結果として、IL-2は、当然、特に癌の免疫療法における免疫刺激剤として有益であることになる。しかし、IL-2の治療的使用は、IL-2の主要な効果の1つがIL-2反応性細胞による二次的サイトカイン(secondary cytokine)分泌の刺激から成るので、困難である。IL-2の可能な有益な効果の多くは、これらの二次的サイトカインに帰因することができ、これらの二次的サイトカインは、総合的免疫/炎症反応に寄与する、付加的な細胞種類、特に単球を強化し、活性化する。しかし、これらの同じ二次的サイトカインは、あまりに多量に産生されると、重度な毒性をも生じる可能性がある。IL-2は最初、150百万単位(MU)のChiron Corporation IL-2に相当する、非常に高用量で癌の治療に用いられた(Rosenberg S.A (1990) Sci. Am 262:62-69)。この高用量は、化学療法の用量段階的上昇及び用量増大原理を用いて決定され、重大な3又は4度の毒性を付随する。高用量のIL-2は、発熱、悪寒、倦怠、筋肉痛、悪心/嘔吐、低血圧、及びことによると死亡を含めた、重大な副作用を惹起することが知られている。 1990年代に、研究者たちは、連続低用量IL-2の免疫調節効果及び毒性を試験し始めた(Smith K.A (1993) Blood81:1414-1423; Caligiuri et al. (1991) J Clin Oncol 9:2110-2119; Caligiuri et al. (1993) J Clin Invest 91:123-132; Bernstein et al. (1995) Blood 86:3287-3294)。これらの研究は、1日に1.2MU程度の低い量のIL-2が最小の毒性でNK細胞の特異的膨張を生じることを実証した。Bernstein et al. (1995) Blood 86:3287-3294; Lalezari et al. (2000) HIV Clin Trials)。可能な副作用は、注入部位反応(通常は、注入部位における発赤)、無力症、インフルエンザ様症候群、悪心、下痢、及び好酸球増加症を包含する。低用量IL-2中のヒトCD3-、CD56+NK細胞の選択的膨張は、療法の2週間以内に開始し、治療の4〜6週間後にプラトー状態に達する(Smith K.A (1993) Blood 81:1414-1423; Fehniger et al. (2000) J Clin Invest106:117-124)。NK細胞は1か月間の療法後にPBMCsの60〜80%程度の多くを占めることができる(Smith K.A (1993) supra)。最近の研究は、NK細胞数の増加が、IL-2依存性NK細胞死の遅延と共に、骨髄プロジェニター(progenitors)からのNK細胞分化の強化に原因することを示唆している(Fehniger et al. (2000) supra)。低用量IL-2投与計画は、毒性を完全に回避するように特に設計されている。 モノクローナル抗体とIL-2との複合療法: モノクローナル抗体とIL-2との組み合わせは、恐らく、モノクローナル抗体の効力を強化する筈である。IL-2は、細網内皮系を増強して、NK細胞及びマクロファージに対するその効果によって抗原抗体複合体を認識するように機能する。したがって、NK細胞を刺激して、IFN、GM-CSF及びTNFを放出させることによって、これらのサイトカインはFc受容体の細胞表面密度並びにこれらの細胞の食細胞能力を高める。それ故、体液性アーム及び細胞アームの両方のエフェクター・アームは人為的に高められる。正味の効果は、最大の反応を得ることができるように、モノクローナル抗体療法の効率を改良することである。少数の臨床試験が、IL-2をモノクローナル抗体と組み合わせている(Albertini et al. (1997) Clin Cancer Res 3:1277-1288; Frost et al. (1997) Cancer 80:317-333; Kossman et al. (1999) Clin Cancer Res 5:2748-2755)。このような研究では、IL-2をボラス又は連続注入のいずれかによって静脈内投与した。高用量のIL-2は毒性が付随した。 前立腺癌におけるIL-2療法: 多様な研究が、in vitro及び前立腺癌動物モデルにおいて、前立腺癌細胞に対するIL-2の効果を試験している、Moody et al。インターロイキン−2トランスフェクトされた(interleukin-2 transfected)前立腺癌細胞は、in vivoで局所抗腫瘍効果を生じる(Prostate, 24: 244-251, 1994; Sokoloff et al. (1996) Cancer, 77: 1862-1872; Triest et al. (1998) Clin Cancer Res, 4: 2009-2014; Hautmann et al. (1999) Anticancer Res, 19: 2661-2663; Hillman et al. (1999) Cancer Detect.Prev. 23: 333-342)、とはいえ、進行した前立腺癌を有する患者におけるIL-2の臨床試験は殆ど存在しない。Hillman et al. (1999) supra; Maffezzini et al. (1996) Prostate, 28: 282-286; Morris et al. (2000) Cancer, 89: 1329-1348)。ホルモン不応性前立腺癌を有する患者においてI.V.中用量IL-2(1日に10〜15MUx4の範囲の用量)のII相試験を行なった。10患者のうちの6人において、PSAレベルの一時的な低下が観察された。このことが抗腫瘍活性からであるのかどうか、又はLNCaP細胞を用いたin vitro研究が報告しているように(Sokoloff et al.(1996) supra)、IL-2がPSA発現に影響したのかどうかは、不明である。いずれの患者においても、測定可能な疾患の退行(regression)は観察されなかった。進行性前立腺癌を有する患者における1日皮下低用量IL-2の効果は試験されていない。 特定の目的: (1)再発性及び/又は転移性前立腺癌を有する患者における1日低用量皮下IL-2と組み合わせたmAbdeJ591の予備的効力(反応率)を明確にすること。 (2)1日低用量皮下IL-2と組み合わせたmAbdeJ591の毒性を研究すること。 (3)末梢血単核細胞(PBMC)集団に対するIL-2の効果を測定すること。 (4)mAb deJ591によってADCCを誘発させる、このプロトコールへの患者からのIL-2活性化NK細胞の効果をin vitro測定すること。 治療プロトコール: 患者は、1日目から56日目まで1日低用量皮下rIL-2(1.2x106IU/m2/日)を受容する。3週間のIL-2投与後に、患者はdeJ591をI.V.(25mg/m2)によって1週間1回、3連続週間(22日目、29日目及び36日目)受容する。IL-2投与はこの期間中、その後さらに2週間続ける。この8週間計画は、治療の1サイクルを構成する。この1サイクルの終了時に、反応に関して、患者を評価する。治療に反応したか又は安定した疾患を有する患者が、追加の治療サイクルに適格である。少なくとも2週間離れた、PSAの少なくとも2つの連続上昇が存在する場合には、追加のサイクルが開始される。IL-2による3週間の入り(lead in)は、NK細胞集団を顕著に増加させるために充分である筈である。deJ591の用量は、I相111In標識deJ591試験からの予備的薬物動態データに基づくものである。抗体の用量は、この方法で治療された患者の追加のデータ分析に基づいて調節される。 単一サイクルの治療が開始されている。1サイクル後にX線立証によって進行している患者は、研究から除外する。X線立証によって反応したか、又はPSA値の>50%低下を有し、イメージングで安定した疾患を有するか、又は安定したPSAレベルを有し、イメージングで安定した疾患を有する患者は、3〜4週間毎に検査される。反応する又は安定した患者は、少なくとも2週間の間隔を置いた、PSAの2連続上昇後の再治療(第2の8週間サイクル)に、実験責任者の裁量及び患者のオプションで適格である。上昇したPSA(治療前の値の>25%)を有し、イメージングで安定した疾患を有する患者は、3〜4週間毎に検査される。再治療は、実験責任者の裁量である。再治療を受けるためには、患者は、<1/100の免疫反応タイターを有さなければならず、すべての初期適格及び排除基準(initial Eligibility and Exclusion criteria)を満たさなければならない。再治療は、患者に与えられた初期用量と同じ用量処方で行なわれる。 患者選択: 試験は、deJ591と組み合わせた低用量IL-2が前立腺癌に活性を有するかどうか確認するためのパイロット研究である。低用量IL-2が前立腺癌患者に活性を有する可能性がある。しかし、deJ591とIL-2との複合効果を研究することは興味深いので、患者をIL-2単独で治療しないこと、又は低用量IL-2での治療の3週間後にPSAが低下した場合に、抗体療法を遅延させないことが決定されている。顕著な活性が観察される場合には、その後にIL-2単独対IL-2とdeJ591の無作為化試験を行なう。前立腺癌患者の如何なる期がこのアプローチから利益を得ることができるかは、不明である。それ故、少なくとも10人の患者をそれぞれ次のサブグループで治療する:(1)生化学的再発、ホルモン・ナイーブ:根治的前立腺切除術又は放射線療法後のPSA上昇、転移性疾患の証拠なし;(2)生化学的再発、ホルモン不応性:先行の化学療法なしのホルモン療法後にPSA上昇(これらの患者はX線で立証された転移性疾患を有することも有さないこともありうる);及び(3)先行化学療法を受けており、ホルモン不応性。約30〜40人の患者がこの試験に参加する。 毒性: 毒性は、Cancer Therapy Evaluation Program Common Toxicity Criteria, Version 2.0 (April 1999)を用いてスコアを付ける。 IL-2用量修正: IL-2は、血液学的毒性(これは、EPO又はG-CSF又は輸血によって改善することができる)以外の薬物関連4度毒性があった場合には、如何なる研究のためにも永久的に中断する。研究中の如何なる時点でも、ALTが正常の上限の20倍以上である場合には、該患者におけるIL-2療法及びmAb療法の両方を永久的に中断する。容易に改善することができる電解質異常は、永久的な薬物中断を必要としない。 このプロトコールは、25%から0.9mU/M2までのIL-2の1回用量レベル減少を可能にする。IL-2を受容する対象は、かれらのIL-2を1度以上の毒性のために24〜48時間中断させることができる。IL-2を一時的に中断させうる毒性は、次のとおりである: 迅速に改善することができない1度以上の電解質異常;1度以上の呼吸毒性;3度の局所反応又は、潰瘍を含む、如何なる局部反応も;>38℃の発熱、又は耐え難いインフルエンザ様症候群若しくは硬直;IL-2に関連した又は関連しない、他の3度以上の毒性;オポチュニスティック感染に関連していると疑われる発熱;1度の疲労;及びEPO、G-CSF又は輸血によって改善されうる、2度の血液学的毒性。 かれらのIL-2を中断させる対象は、IL-2を、薬物停止後24〜48時間以内に同じ用量で又は1回用量レベルを減少して再開させることができる。該対象に対するIL-2用量は、後に、該対象及び現地実験者(local investigator)の裁量で、初期用量まで高めることができる。 mAb deJ591: アレルギー・イベントは、次のように管理する:発疹、心因性掻痒症、蕁麻疹及び喘鳴は、臨床的必要に応じて、ベナドリル及び/又はステロイドで治療する。アナフィラキシー又はアナフィラキシー様徴候若しくは症状は、臨床的な適応に応じて、ステロイド及び/又はエピネフリンによって治療される。患者は、心肺蘇生術の装備をした総合治験センター(general clinical research center)で治療される。 mAbを投与する3週間中に3又は4度の毒性を経験する患者では、両方の薬物を中断する。毒性が1度以下に戻った後に、mAb deJ591の用量を25%低下して、mAbによる治療を再開する。弱めた用量で3度又は4度の毒性が再発した場合には、mAb治療を中断する。IL-2治療は、8週間サイクルを完了させるために続ける。 治療反応の基準: 反応は、生化学的(PSA変化)及び/又は測定可能な病巣(単数又は複数)のサイズの変化のいずれかによって、前立腺癌に関する標準的反応基準を用いて評価する(Dawson N.A. (1999) Semin Oncol 26:174-184; Bubley, G.J., et al. (1999) J Clin Oncol, 17:3461-3467)。 生化学的(PSA)反応は、上述したように評価する。該疾患を測定する基準は、次のとおりである:完全な反応は、物理的検査又はイメージング研究による、すべての測定可能な病巣の完全な消失と、2か月間以上新たな病巣が出現しないこととして定義される。部分的反応:すべての測定可能な病巣の最長垂線直径の積(the products of the lomgest perpendicular diameters)の合計の50%以上の減少として定義される。新たな病巣は生じえない。安定な疾患:部分反応の基準を満たさず、2か月間を超えて進行性疾患の徴候を示さない患者。進行性疾患は、インジケータ病巣の最長垂線直径の積の合計の25%を超える増加、新たな病巣の出現又は治療前ベースラインを超える前立腺特異的抗原の上昇として定義される。 相関的研究: 免疫学的表現型検査(immunologic phenotyping):免疫蛍光検査及び表現型検査を、フローサイトメトリーを用いて行なって、PBMC集団を測定し、リンパ球サブセット(T細胞ではCD3、NK細胞ではCD56及び単球ではCD14)の発現を、既述されたように(Bernstein Z.P., et al. (1995) Blood 86:3287-3294; Lalezari J.P., et al. (2000) HIV Clin Trials)、定量する。 NK/Lak細胞による細胞溶解に関する51Cr放出アッセイ: 標準的クロム放出アッセイを用いて、PBMCs由来NK細胞の、PSMA発現標的細胞を溶解する(lyse)能力を測定する(Cox J.H., et al. (2000) Mol Biotechnol 15:147-154)。既述されたように(Cox J.H. (2000) supra)、Tリンパ球及び残留単球並びにB細胞を除去するために、Ficoll-Hypaque密度勾配、ナイロンウールカラム及びイムノマグネティック・ビーズによる負の選択を用いる一連の精製を用いて、PBMCsからNK細胞を単離する。細胞傷害性アッセイの日に、生存LNCaP細胞(標的細胞)を100μCi以上の51Crで、37℃において1時間標識し、洗浄し、RPMI中に5x104細胞/mlの濃度で再懸濁させる、0.2〜1.5cpm/細胞を目標とする。 付加的アッセイ: 例えばIL-2、TNF及びIFNのようなサイトカインの細胞内蓄積の発現を測定するためのアッセイは、Pala P. et al. (2000) J Immunol Methods 234:107-124に記載されている。治療前及び中の患者PBMCs内のこれらのサイトカインの発現を測定することができる。 統計的方法: 種々な時点で行なわれる測定による、あらゆる転帰変数(outcome variable)に関して、変動の反復測定分析(Repeated Measures Analysis of Variance)(RMANOVA)を行なって、如何なるパターンの変化をも長期間にわたって(over time)測定する。有意な時間効果を見出した後に、Bonferroni調整ペインワイズ・コントラスト(painwise contrasts)を算出して、どの時点が他の時点とは異なるのかを判断する。多重時点で得られたデータの分析を簡単化するために、長期間にわたって採取した測定値を“統合する(aggregate)”ことを選択することができる。PSAレベルの曲線下面積(AUC)分析を行なうことができる。或いは、“傾斜分析(slope analysis)”を行なうことができる。 結果の現状: 6患者が参加して、3人が8週間治療を完了しており;2患者はPSA安定化に基づいて再治療されている。3番目の患者は客観的な疾患悪化を有した。毒性は予想されており、マイナーな毒性は、疲労、注入部位反応及び無症候性甲状腺機能異常を包含する。IL-2媒介免疫調節を末梢血に対するフローサイトメトリーによって評価して、mAb治療の前後のリンパ球サブセットの発現を定量する。 実施例15:メイタンシノイド・サイトトキシンDM1へのdeJ591のコンジュゲーション この実施例は、deJ591-DM1イムノコンジュゲートの作製方法を述べる。この方法は、当該技術分野で知られた標準方法に基づくものであるので、例えばdeJ415のような、本発明の他の抗体を含めた、他の抗体に一般化することができる。 コンジュゲーション方法は、deJ591出発物質(Lot 1552−60S)5gを用いて行なう1実験と、deJ591出発物質(Lots 1552−168、1552−104及び1610−036)6.7g〜7.3gを用いる3実験を含む、幾つかの小規模実験に基づく。 コンジュゲーション方法に関与する工程は次のとおりである: (1)deJ591抗体5g〜7.5gを接線方向流濾過(tangential flow filtration)(10kD NMWCO膜)によって25〜30mg/mlにまで濃縮して、5倍量の50mMリン酸カリウム、2mM EDTA、pH6.0に対してディアフィルトレーションする。収率は典型的に98%〜100%である。 (2)濃縮抗体を、乳白光を発する場合には、0.2μフィルターに通して濾過し、次にN-スキシンイミジル4−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPP)によって、20〜22mg/ml抗体及び抗体1分子に付きSPP7分子の濃度で修飾する。この修飾は50mM リン酸カリウム、2mM EDTA、5%エタノール、pH6.0中で2.5±0.5時間行なわれる。修飾器(modification vessel)は500ml丸底フラスコである。 (3)修飾抗体を工程(2)の反応混合物から、ゲル濾過クロマトグラフィー及びSephadex G-25TMカラムを用いて分離する。該カラム負荷はカラム体積の約25%を表し、該クロマトグラフィーは 50mM リン酸カリウム、2mM EDTA、pH6.0中で、50cm/時の流速度で行なわれる。修飾抗体は、カラム体積の38〜75%で溶離する。典型的に、この工程の収率は95%〜100%であり、SPPの、抗体に対する比率は、約5.4〜5.9SPP分子/抗体である。 (4)約10mg/mlの濃度で、修飾抗体をDM1と、20±4時間コンジュゲートさせる(抗体にコンジュゲートしたSPP 1分子につきDM1 1.7分子を用いる)。典型的に、反応時間は16.25〜17.7時間であり、反応は、電磁気撹拌バーを備えた1L丸底ガラスフラスコ中で行なわれる。該コンジュゲーション反応は、3%DMA、10%スクロース(反応1mlにつきスクロース100mg)中で行なわれる。反応の終了時に、コンジュゲートした抗体を2.0μフィルターに通して濾過して、分光光度計読取りを行なう。 (5)コンジュゲートした抗体を未反応DM1から、Sephadex G-25TMカラムを用いるゲル濾過クロマトグラフィーによって分離する。カラム負荷はカラム体積の22〜23%を表し、流速度は約50cm/時である。該カラムを20mMスクシネート、5%スクロース(50mg/ml)、pH5.5中で平衡化させ、操作する。該抗体コンジュゲートは、カラム体積の約31%〜65%で溶離し、ピーク溶出の開始からピーク後縁の開始までを単一フラクションとして回収し、続いて、15x2%カラム体積フラクション中の残留ピーク物質を分画する。すべてのフラクションを、適当量の50%スクロースの添加によって、100mg/mlのスクロース(10%スクロース)に調節する。2%カラム体積フラクションを、分析サイジング(analytical sizing)(TSK 3000SWL)によって、分析して、選択したフラクション(フラクション1及び2)を主要ピークと共にプールする。フラクションを分析サイジングを用いて分析する、プーリング基準は、24分間ピークが総ピーク面積の<20%を表すことである。典型的に、この工程の収率は、反応混合物及び/又は精製混合物中にスクロースが存在しないラン1552−104を除いて、60%〜65%である。溶出した抗体濃度は3.8〜4.2mg/mlの範囲であり、DM1/抗体の比率は3.6〜3.9の範囲である。 (6)次に、10kD NMWCO接線方向流濾過膜を用いて、抗体コンジュゲートを7〜10mg/mlに濃縮し、5倍量の50mMスクシネート、10%スクロース、pH5.5に対してディアフィルトレーションする(入口圧力<10psi)。ディアフィルトレーション後に、抗体コンジュゲートを5mg/mlに調節する。この工程の典型的な収率は92%〜100%であり、最終タンパク質濃度は4.85〜5.1mg/mlである。 (7)最後に、該抗体コンジュゲートを0.2mフィルターに通して濾過して、指定量に等分する。工程収率は90%〜100%であり、最終DM1−抗体比率は3.5〜3.8である。 得られたdeJ591-DM1コンジュゲートを外観、濃度、DM1/抗体比率、内毒素、非特異的細胞傷害性、アセトン抽出可能なDM1、分析サイジング、還元及び非還元(reduced and non-reduced)SDS-PAGE、pH、生物負荷、比細胞傷害性(specific cytotoxicity)及びIEFに基づいて分析した。ロット1552−168、1552−104及び1552−036に関する選択した分析結果を、以下の表19に示す。 実施例16.前立腺癌細胞への細胞傷害性薬物の標的デリバリーのためのmAbの使用 抗PSMA抗体を、例えばメイタンシノイド・クラスの薬物のような、高い細胞傷害能力を有する物質にコンジュゲートさせることができる。メイタンシノイド類は、微小管の形成及び安定化を妨害することによって、それらの細胞傷害性効果を発揮する。メイタンシノイド類は、通常の化学療法剤(例えば、ドキソルビシン、メトトレキセート及びビンカアルカロイド)よりも100倍〜1000倍大きい細胞傷害能力を有する(Chari, R.V.J. et al. (1992) Cancer Res. 52: 127)。 マウス抗体及び脱免疫化J591抗体の両方(both murine and deimmunized J591 antibodies)は、立体障害(hindered)ジスルフィド結合を介して、メイタンシノイド、DM1にコンジュゲートされている。この結合は細胞内で切断されて、薬物放出を可能にする。該抗体の一定領域内の1つ以上のリシン残基を、ピリジルジチオ基を含有するリンカーにコンジュゲートさせた、次に、このピリジルジチオ基がメイタンシノイド毒素に結合した。IgG 1モル当りメイタンシノイド 3〜4モルの比率が好ましい。 DM1結合J591抗体の製造方法は、J591をピリジルチオ基とN-ヒドロキシスクシンイミド脱離基との両方を含有するリンカーと反応させることによって開始する。この場合に、該リンカーはN−スクシンイミジル 4−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(又はSPP)であったが、他のリンカーを用いることもできる。該反応の生成物は、表面露出(surface exposed)リシン基に結合する1つ以上のリンカー基(4−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート)を含有する修飾J591抗体を包含し、該リンカー基はピリジルジチオ反応基と、N−ヒドロキシスクシンイミド脱離基を保持する。次に、J591抗体を反応混合物及びN−ヒドロキシスクシンイミドから、例えばセファデックスG25を用いるゲル濾過によって、分離する。該修飾J591抗体を、該修飾抗体の表面上に今や存在するピリジルジチオ基と反応するチオール基を含有するDM1と反応させ、それによって、J591-DM1イムノコンジュゲート及びチオピリジンを製造する。J591-DM1イムノコンジュゲートを、反応混合物及びチオピリジンから、例えばセファクリルS300カラムを用いるサイズ排除クロマトグラフィーによって単離する。メイタンシノイド・コンジュゲートの製造方法は、米国特許第5,208,020号;第5,475,092号;第5,585,499号;第5,846,545号及び第6,333,410号に記載されており、これらの内容は本明細書に援用される。 in vivoで前立腺癌細胞の治療におけるマウスJ591-DM1イムノコンジュゲートの効力、毒性及び抗原選択性を評価する研究を以下で述べる。 実験1:in vivoでの効力、毒性及び用量−反応曲線の確立 LNCaP細胞の腫瘍異種移植片をBALB/cマウスの右側腹部に定着させた(5x106細胞皮下注入)。腫瘍が目に見えるようになる(7〜10mm)まで動物を観察した。次に、動物をPBS、非コンジュゲート化mAbJ591、非コンジュゲート化DM1、mAbJ591とDM1との両方(但し、非コンジュゲート化)、及びJ591-DM1イムノコンジュゲート(100、200、300及び400mcg/日、腹腔内、毎日x5日間)で治療した。mAbJ591を修飾して、ジチオピリジル基を導入して、次に、上述したように、立体障害ジスルフィド結合を介してDM1にコンジュゲートさせた。非コンジュゲート化mAbJ591及びDM1は、等モル濃度で供給した。 実験2:PSMA陽性腫瘍に対する選択性 LNCaP細胞(5x106細胞、右側腹部に皮下注入)及びPC3細胞(3x106細胞、左側腹部に皮下注入)の両方の腫瘍異種移植片をBALB/cマウスに定着させた。LNCaP腫瘍が目に見えるようになるまで動物を観察した(PC3腫瘍も存在したが、非常に小さい)。動物をJ591-DM1イムノコンジュゲート:300mcg/日、腹腔内、毎日x5日間で処置した。 実験3:該イムノコンジュゲートの最適投与スケジュールの決定 LNCaP細胞の腫瘍異種移植片をBALB/cマウスの右側腹部に皮下定着させた。腫瘍が目に見えるようになったときに、動物をPBS、非コンジュゲート化mAbJ591、J591-DM1イムノコンジュゲート(300mcg/日、静脈内、毎日x5日間;1コース投与)、J591-DM1イムノコンジュゲート(400mcg/日、静脈内、隔日、10日間に5回量;1コース投与)、及びJ591-DM1イムノコンジュゲート(300mcg/日、静脈内、毎日x5日間;合計で10回量のために2コース投与)で治療した。2コースのJ591-DM1イムノコンジュゲートを受容した動物に関して、第2の5日間コースは腫瘍容積最低(典型的に、第1コースの完了後21〜24日目に見られる)のときに投与された。 すべての動物を治療の前後に写真撮影して、同定のためにタグを付けた。腫瘍容積を測定し(長さx幅x深さ)、密接にフォローした。動物の体重を毒性の尺度としてフォローした。 結果:実験1: 非コンジュゲート化DM1(単独、又は非コンジュゲート化mAbJ591と一緒にした)で治療した、すべてのマウスは、治療の完了後48時間以内に死亡した。400mcg/日の用量でのイムノコンジュゲートは、マウスの50%にとって致死的であった。300mcg/日の用量では、腫瘍容積の顕著な減少が、幾つかの完全な反応及び最低の毒性を伴って認められた。しかし、これらの完全な反応は持続的ではなく、その後に、腫瘍容積が最低になった後2〜20日間に腫瘍サイズの増加が認められた。 結果:実験2: LNCaP腫瘍とPC3腫瘍との両方を有するマウスでは、J591-DM1イムノコンジュゲートによる治療後にLNCaP腫瘍容積は実質的に減少した。これらの動物では完全な反応は達成されなかったが、腫瘍容積最低は平均0.08cm3であった。治療後のPC3腫瘍容積の着実な増加によって認識されるように、PC3腫瘍増殖はJ591-DM1イムノコンジュゲートによって影響されなかった。 実験3: 投与経路は異なった(腹腔内に対して静脈内)が、1コースのJ591-DM1イムノコンジュゲートによる治療は、実験1から得られた結果に匹敵した。完全な反応が達成された(21〜24日目に)が、これらの結果は持続的ではなかった。400mcgの隔日投与で治療された動物では、毒性が実証された(体重損失>総体重の10%)が、すべての動物が最終的には生残した。腫瘍容積はすべての動物で減少したが、完全な反応は達成されなかった。2コースのJ591-DM1イムノコンジュゲートで治療されたすべての動物は、少なくとも66日目まで持続した完全な反応を達成した。 結論: マウスJ591抗PSMA抗体は、メイタンシノイド・クラスの薬物(例えば、DM1)に効果的にコンジュゲートさせることができる。これらのJ591-DM1イムノコンジュゲートは、in vivoで、PSMA陽性前立腺癌細胞への、この細胞傷害性薬物の非常に選択的な、抗原特異的標的デリバリーを生じる。300mcg/日の用量で、最少の毒性による最大の腫瘍容積減少が注目された。最適投与スケジュールは、第2回コースを腫瘍容積最低時(21〜24日目)に投与する、2回の5日間コースのJ591-DM1イムノコンジュゲートであるように思われる。 実施例17.deJ591-DM1イムノコンジュゲートの薬物動態及び効力 実施例16に記載した実験と並行して、付加的実験をdeJ591-DM1イムノコンジュゲートによって行なった。これらの実験と、それから得られた結果を以下に述べる。 deJ591-DM1及びDM1のin vitro薬物動態: 実験:LNCaP細胞を96穴プレートに、増殖アッセイのために1000細胞/穴の初期密度で植え付けた。deJ591-DM1又はDM1をある濃度範囲(0.01nM〜100nM)にわたって穴に加え、一定の時間(0.5、2、8、24、72及び144時間)にわたって細胞と接触させておいた。該期間の終了時に、薬物含有培地を取り出し、実験の開始から全体で144時間が経過するまで、培地を薬物を含まない培地と交換した。次に、増殖に対する薬物暴露の得られた結果を測定した。 結果:Kalns et al. (1995)(Cancer Research 55:5315-5322、この内容は本明細書に援用される)によって開発された方法論を用いた薬物動態分析は、変数(1)暴露時間及び(2)濃度から、観察された効果に対する相対的重要性を考慮するときに、該暴露時間は、DM1に比べてdeJ591-DM1に関してより重要であり、濃度の方がより重要な変数であることを実証する。 単回IV投与後のマウスにおけるdeJ591-DM1の血清レベル 実験:マウスに、 deJ591-DM1の静脈内14.5mg/kg用量を投与し、ヒト抗体に関するELISAアッセイを用いる試験物体(test article)の分析のために血清サンプルを回収した。サンプルは、3マウスの群から、6、24、48、72及び168時間目に回収した。データを二指数方程式(bi-exponential equation)に当てはめて、薬物動態パラメータを算出した。これらのパラメータを用いて、複数回投与後の血清レベルをシミュレートした。 結果:薬物動態データの分析は、ELISAアッセイで測定した、マウスにおけるdeJ591-DM1の血清半減期が130時間であることを実証した。 CWR22前立腺異種移植片に対する効力への投与間隔の効果 実験:雄SCIDマウスにCWR22前立腺腫瘍異種移植片の連続継代によって移植した。これらの腫瘍が200〜250mm3サイズ(外側キャリパー測定から推定)に達したときに、マウスを8匹ずつの処置群に無作為に分けて、ビヒクルのみ(7日間毎)を、又はdeJ591-DM1を、下記スケジュール(7、14、21若しくは28日間毎)のいずれかで投与された14.5mg/kg抗体コンジュゲート(240μg/kg DM1に相当)の用量で受容させた。すべての処置は静脈内投与した。腫瘍増殖及び動物健康を、研究を通じて、連続的にモニターし、腫瘍増殖を3日間毎に測定した。 結果:投与スケジュールの相違は、SCIDマウスにおけるCWR22異種移植片の観察された腫瘍増殖に明白な効果を及ぼす。腫瘍増殖は、それらが本出願人らのIACUCレギュレーション下で容認される最大サイズに達するまで、21又は28日間間隔のスケジュールでは緩慢な増殖として特徴付けることができる。7又は14日間投与間隔では、腫瘍増殖の見掛け上の遮断が生じ、最後の投与後約30日目に通常の増殖動力学(growth kinetics)が再開した。これらの結果は、薬物動態シミュレーションで考察した場合に、暴露期間と最低有効濃度の維持との間の相関関係を示唆する。 非コンジュゲート化抗体(deJ591)又は非コンジュゲート化腫瘍阻害剤(DM1)と比較したdeJ591-DM1の効力 実験:雄SCIDマウスにCWR22前立腺腫瘍異種移植片の連続継代によって移植した。これらの腫瘍が200〜250mm3サイズ(外側キャリパー測定から推定)に達したときに、マウスを8匹ずつの処置群に無作為に分けて、ビヒクルのみ、14.5mg/kg抗体コンジュゲート(240μg/kg DM1に相当)の用量でのdeJ591-DM1、deJ591-DM1と同じ用量でのdeJ591、又は240μg/kgの用量で投与されたDM1を受容させた。すべての処置は静脈内に、5回投与のために3日間毎のスケジュールで投与した。腫瘍増殖及び動物健康を、研究を通じて、連続的にモニターし、腫瘍増殖を3日間毎に測定した。 結果:非コンジュゲート化抗PSMA抗体(deJ591)は、CWR22異種移植片腫瘍増殖の速度及び程度の減少に有意な効果を及ぼさなかった。遊離薬物として投与されたDM1は、若干の腫瘍増殖遅延を生じたが、これは、同じモル当量の活性DM1による同じスケジュールで投与されたdeJ591-DM1に比べて、マイナーな反応であった。deJ591-DM1は、用量の最後の投与後約20日間にわたって、腫瘍増殖を抑制した。 異なる用量でのdeJ591-DM1の効力 実験:雄SCIDマウスにCWR22前立腺腫瘍異種移植片の連続継代によって移植した。これらの腫瘍が200〜250mm3サイズ(外側キャリパー測定から推定)に達したときに、マウスを8匹ずつの処置群に無作為に分けて、ビヒクルのみ、14.5mg/kg抗体コンジュゲート(240μg/kg DM1に相当)の用量又は7.25mg/kgの低用量でのdeJ591-DM1を受容させた。すべての処置は静脈内に、5回投与のために7日間毎のスケジュールで投与した。腫瘍増殖及び動物健康を、研究を通じて、連続的にモニターし、腫瘍増殖を3日間毎に測定した。 結果:deJ591-DM1によるCWR22異種移植片腫瘍増殖阻害に関して、用量−反応関係は明白である。このことは、2種類の異なる用量のdeJ591-DM1に関する7日間の投与間隔研究で実証される。高い用量では、腫瘍増殖が抑制され、初期腫瘍容積が若干減少する。低い用量では、該高い用量に比べて、初期腫瘍容積から同じ減少は存在せず、用量の最後の投与後約10日目に、通常の増殖動力学に迅速に復帰する。 実施例18.骨髄バイオプシーで実証された、進行性前立腺癌患者における骨髄関与 進行性前立腺癌への骨髄関与は、ルーチンには、検査されない。本出願人らは、進行したホルモン不応性前立腺癌患者に行なった骨髄バイオプシーの結果に関して報告する。 ホルモン不応性前立腺癌患者に、スクリーニング診断研究を行なって、2つのI相放射免疫療法(radioimmunotherapy)臨床試験に対する適格性を調べた。研究は、血清検査、骨スキャン、頭部、胸部、腹部及び骨盤のCTスキャン、並びに腸骨稜から採取した骨髄バイオプシーを包含した。これまでに、全体で39人の患者をスクリーニングした。 すべての患者は、イメージングでの骨若しくは軟組織転移及び/又は血清PSAレベルの3回連続上昇によって判断されて、進行した疾患を有した。すべての患者は、先行ホルモン療法を受けており、大部分は、根治的前立腺切除術(N=15)、放射線療法(N=19)及び/又は化学療法(N=19)を含めた、局所療法を受けていた。16患者(41%)は、骨髄バイオプシーで転移性前立腺癌の組織学的証拠を有した。スクリーニングされた39患者のうちの、13人(33%)は顕著な骨髄関与(>10%関与)を有し、このことは、かれらをこれらの臨床試験への参加に不適格にした。 骨髄関与を有する患者は、有意に高い血清アルカリホスファターゼ(ALP)レベル(メジアン374U/L対96U/L、p<0.001)及び有意に低い血清ヘモグロビン(メジアン11.6g/dl対12.7g/dl、p=0.02)を有した。先行化学療法及び/又は先行放射線療法を受けた患者間には、血清ヘモグロビンの差異は存在しなかった。ALPが正常(<120U/L)又は高い(>120U/L)場合には、それぞれ、0%及び75%の患者が、骨髄バイオプシーで転移性前立腺癌を有した(p<0.0001)。骨スキャンが3つ以上の異なる解剖学的部位(脊椎、胸郭、骨盤、四肢又は頭蓋冠)に骨転移を示した患者は、2つ以下の部位に比べて、骨髄関与を有する可能性が大きい(54%対9%、p=0.01)。年齢、初期Gleason合計(initial Gleason sum)、血清PSA、PSA倍加時間、軟組織転移の存在、先行局所治療若しくは化学療法、又は他の血液学的パラメータ(WBC、血小板カウント)は、2群間で有意に異ならなかった。 進行した前立腺癌患者における骨髄関与は、ルーチンには検査されないが、非常に少数の症例で存在する。現在の臨床病期研究は骨髄関与を有意に過少評価するが、アルカリホスファターゼの上昇又は血清ヘモグロビンの抑圧が相関関係にある可能性がある。この状況は、臨床試験において、可能な血液学的毒性を有すると見なすべきである。 実施例19.前立腺特異的膜抗原の定量のための新規なサンドイッチ固相酵素免疫検定法(Enzyme-Linked Immunoassay)(ELISA) 理想的には、血清PSMAは、簡単で、迅速な、再現可能及び定量的ELISAアッセイによって検出可能であるべきである。本出願人らの目的は、血清PSMAを測定するためのELISAアッセイを確立することであった。 96穴プレートに抗PSMA抗体を“キャプチャー(capture)”抗体として塗布した。次に、組換えPSMA(rPSMA)、精液、LNCaP溶解物、並びに基準(rPSMA範囲1.6〜1600ng/ml)を“スパイクされた(spiked)”雄及び雌からの血清の希釈物をこれらの穴に加えた。非競合性ビオチニル化抗PSMA抗体(PSMA上の異なるエピトープを認識する)を“検出(detection)”抗体として加えた。アビジン・ホスファターゼ、続いてp-ニトロフェニルホスフェート(基質)を加えた。次に、光学的密度を測定した。 該アッセイのための標準曲線は、5〜1600ng/mlの範囲を通じて直線であった(相関係数>0.99)。このアッセイを用いて、PSMAがLNCaP溶解物、精液及び“スパイクされた”血清中に検出された。 同等物 当業者は、ルーチンに過ぎない実験を用いて、本明細書に記載した本発明の特定の実施態様の多くの同等物を認識する、又は確認することができるであろう。このような同等物は、特許請求の範囲によって包含されるように意図される。図1A〜1Bは、それぞれ、マウスJ591重鎖および軽鎖の可変部のアミノ酸配列を示す。CDRの位置を図中に示し;アミノ酸番号付けはKabatの番号付けにしたがう(Kabat, E.A.ら(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242を参照されたい)。CDRがChothiaループおよびKabat超可変部を共に含むとみなされ、そして配列はこれにしたがって注釈付けされていることに注目されたい。重鎖:CDR1を配列番号1に示し;CDR2を配列番号2に示し;CDR3を配列番号3に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号7に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号19に示す。軽鎖:CDR1を配列番号4に示し;CDR2を配列番号5に示し;CDR3を配列番号6に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号8に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号20に示す。図2A〜2Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のアミノ酸配列を示す。CDRの位置を図中に示し;アミノ酸番号付けはKabatの番号付けにしたがう(Kabat, E.A.ら(1991)上記)。CDRがChothiaループおよびKabat超可変部を共に含むとみなされ、そして配列はこれにしたがって注釈付けされていることに注目されたい。重鎖:CDR1を配列番号1に示し;CDR2を配列番号2に示し;CDR3を配列番号3に示し;フレームワーク1を配列番号9に示し;フレームワーク2を配列番号10に示し;フレームワーク3を配列番号11に示し;フレームワーク4を配列番号12に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号17に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号21に示す。軽鎖:CDR1を配列番号4に示し;CDR2を配列番号5に示し;CDR3を配列番号6に示し;フレームワーク1を配列番号13に示し;フレームワーク2を配列番号14に示し;フレームワーク3を配列番号15に示し;フレームワーク4を配列番号16に示し;CDR領域を除くフレームワークを配列番号18に示し;そしてCDR領域を含むフレームワークを配列番号22に示す。図3A〜3Bに、マウスJ591および脱免疫の重鎖可変部(3A;それぞれ配列番号19および21)並びに軽鎖可変部(3B;それぞれ配列番号20および22)の並列を示す。マウスJ591 VHおよびVKの潜在的T細胞エピトープ(ペプチドスレッディングプログラムを用いて同定)を、それぞれ図3A〜3Bに示す。MHCクラスIIに結合すると予測される13量体ペプチドを下線によって示し;CDRは、図3Aの残基26〜35、50〜66、および99〜104、並びに図3Bの残基24〜34、50〜56、および89〜97に位置し;そして脱免疫重鎖および軽鎖の可変部で改変されている残基はボックスに入れる。可能な場合、アミノ酸置換は、ヒト生殖系列VH領域に一般的に用いられるものである。アミノ酸番号付けは直鎖であり、Kabatにしたがったものではない。図3A〜3Bに、マウスJ591および脱免疫の重鎖可変部(3A;それぞれ配列番号19および21)並びに軽鎖可変部(3B;それぞれ配列番号20および22)の並列を示す。マウスJ591 VHおよびVKの潜在的T細胞エピトープ(ペプチドスレッディングプログラムを用いて同定)を、それぞれ図3A〜3Bに示す。MHCクラスIIに結合すると予測される13量体ペプチドを下線によって示し;CDRは、図3Aの残基26〜35、50〜66、および99〜104、並びに図3Bの残基24〜34、50〜56、および89〜97に位置し;そして脱免疫重鎖および軽鎖の可変部で改変されている残基はボックスに入れる。可能な場合、アミノ酸置換は、ヒト生殖系列VH領域に一般的に用いられるものである。アミノ酸番号付けは直鎖であり、Kabatにしたがったものではない。図4A〜4Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図4Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図4Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。図4A〜4Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図4Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図4Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。図4A〜4Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図4Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図4Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。図4A〜4Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図4Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図4Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。図4A〜4Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図4Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図4Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。図4A〜4Bは、それぞれ、脱免疫J591重鎖および軽鎖の可変部のヌクレオチド配列を示す。図4Aは、脱免疫J591重鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号23および24)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図4Bは、脱免疫J591軽鎖可変部のコードおよび非コードヌクレオチド鎖(それぞれ配列番号25および26)の並列と共に、対応するアミノ酸配列(配列番号28)を示す。シグナルペプチドの位置およびCDR1〜3を、各並列に示す。図5は、J415抗体のマウス重鎖可変部およびいくつかの脱免疫重鎖可変部のアミノ酸配列の並列を示す。マウスアミノ酸配列を、J415VH(配列番号47)と示し;脱免疫配列を、J415DIVH1(配列番号54のアミノ酸残基18〜133)、J415DIVH2(配列番号59)、J415DIVH3(配列番号60)、およびJ415DIVH4(配列番号49)と示す。好ましい配列はJ415DIVH4(配列番号49)である。アミノ酸置換を、囲んだ残基で示す。コンセンサス配列は「大多数」と示す(配列番号61)。図6は、J415抗体のマウス軽鎖可変部およびいくつかの脱免疫軽鎖可変部のアミノ酸配列の並列を示す。マウスアミノ酸配列を、J415VK(配列番号48)と示し;脱免疫配列を、J415DIVK1(配列番号57のアミノ酸残基18〜124)、J415DIVK2(配列番号62)、J415DIVK3(配列番号63)、J415DIVK4(配列番号64)、J415DIVK5(配列番号50)、J415DIVK6(配列番号65)、J415DIVK7(配列番号66)、およびJ415DIVK8(配列番号67)と示す。好ましい配列はJ415DIVK5(配列番号50)である。アミノ酸置換を、囲んだ残基で示す。コンセンサス配列は「大多数」と示す(配列番号68)。図7Aは、脱免疫J415重鎖可変部(J415DIVH1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号53〜55)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVH1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。図7Aは、脱免疫J415重鎖可変部(J415DIVH1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号53〜55)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVH1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。図7Aは、脱免疫J415重鎖可変部(J415DIVH1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号53〜55)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVH1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。図7Bは、マウスJ415重鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号125、47、および126)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。図7Cは、マウスJ415重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号47)およびKabatサブグループ、マウスVHIIICのコンセンサス配列(MUVHIII、配列番号69)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号70)。図8Aは、脱免疫J415軽鎖可変部(J415DIVK1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号56〜58)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVK1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。図8Aは、脱免疫J415軽鎖可変部(J415DIVK1)の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号56〜58)を示す。シグナル配列、イントロンおよびJ415DIVK1アミノ酸配列の相対的な位置と共に、いくつかの制限部位を示す。図8Bは、マウスJ415軽鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号127、48、および128)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位もまた示す。図8Cは、マウスJ415軽鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号48)およびKabatサブグループ、マウス可変軽鎖のコンセンサス配列(MuVKI、配列番号71)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号72)。図9Aは、マウスJ533重鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号73〜75)を示す。CDRの相対的な位置および制限部位を示す。図9Bは、マウスJ533重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号74)およびKabatサブグループ、マウス可変重鎖のコンセンサス配列(MuVHIIA、配列番号79)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号80)。図10Aは、マウスJ533軽鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号76〜78)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。図10Bは、マウスJ533軽鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号77)およびKabatサブグループ、マウスMuVKIIIのコンセンサス配列(配列番号81)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号82)。図11Aは、マウスE99重鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号83〜85)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。図11Bは、マウスE99重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号84)およびKabatサブグループ、マウス可変重鎖のコンセンサス配列(MuVHIB、配列番号89)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号90)。図12Aは、マウスE99軽鎖可変部の核酸コード配列、アミノ酸配列、および核酸逆相補配列(それぞれ配列番号86〜88)を示す。CDRの相対的な位置およびいくつかの制限部位を示す。図12Bは、マウスE99軽鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号87)およびKabatサブグループ、マウス可変軽鎖のコンセンサス配列(MuVKI、配列番号91)の並列を示す。並列に基づく、コンセンサスの大多数の配列もまた示す(配列番号92)。図13Aは、90Y-DOTA-deJ591の単回用量で治療された2患者に関する時間の関数としての血清PSAレベルを示す。0日目は、90Y-DOTA-deJ591を投与した日に相当する。図13Bは、90Y-DOTA-deJ591の単回用量で治療された2患者に関する時間の関数としての血清PSAレベルを示す。0日目は、90Y-DOTA-deJ591を投与した日に相当する。図14は、177Lu-DOTA-deJ591の単回用量で治療された患者に関する時間の関数としての血清PSAレベルを示す。0日目は、177Lu-DOTA-deJ591を投与した日に相当する。図15は、DM1及びメイタンシン、DM1を抗体にコンジュゲートさせるために用いられるDM1のチオール反応基を有さない関連分子の化学構造を示す。配列表 配列番号:22として示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変部及び 配列番号:21として示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変部を含む、抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)抗体又はその抗原結合断片。 抗体又はその抗原結合断片が2個の重鎖及び2個の軽鎖を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。 抗体がさらに、ヒトアイソタイプIgG1の重鎖定常部を含む、請求項1または2に記載の抗体又はその抗原結合断片。 抗体又はその抗原結合断片が細胞傷害性部分にカップリングする、請求項1〜3のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合断片。 抗体又はその抗原結合部分が、キレート化剤又はリンカーによって細胞傷害性部分にカップリングする、請求項1〜4のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合断片。 該キレート化剤が1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)である、請求項5記載の抗体又はその抗原結合断片。 該リンカーがN−スクシンイミジル4−(2−ピリジルジチオ)ペンタノエート(SPP)である、請求項5記載の抗体又はその抗原結合断片。 該細胞傷害性部分が、放射線を放射する化合物、植物由来、真菌由来若しくは細菌由来の分子、及び生物学的タンパク質からなる群から選択される、請求項4〜7のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合断片。 該細胞傷害性部分が細菌由来の分子である、請求項8記載の抗体又はその抗原結合断片。 放射線を放射する該化合物が、α−放射体、β−放射体、γ−放射体、又はβ−及びγ−放射体である、請求項8記載の抗体又はその抗原結合断片。 放射線を放射する該化合物が、ヨウ素(131I)、ヨウ素(125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジミウム、ビスマス(212Bi)、ビスマス(213Bi)、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、及びロジウム(188Rh)から成る群から選択される、請求項8記載の抗体又はその抗原結合断片。 放射線を放射する該化合物が、イットリウム(90Y)又はルテチウム(177Lu)である、請求項8記載の抗体又はその抗原結合断片。 該細胞傷害性部分がメイタンシノイドである、請求項8記載の抗体又はその抗原結合断片。 該メイタンシノイドがメイタンシノール又はメイタンシノール類似体である、請求項13記載の抗体又はその抗原結合断片。 該メイタンシノイドがDM1である、請求項13記載の抗体又はその抗原結合断片。 該細胞傷害性部分が、イットリウム(90Y)及びルテチウム(177Lu)から成る群から選択される放射性同位体である、請求項6記載の抗体又はその抗原結合断片。 該細胞傷害性部分がメイタンシノイドである、請求項7記載の抗体又はその抗原結合断片。 該メイタンシノイドがメイタンシノール又はメイタンシノール類似体である、請求項17記載の抗体又はその抗原結合断片。 該メイタンシノイドがDM1である、請求項17記載の抗体又はその抗原結合断片。 該細胞傷害性部分が、細胞毒素、治療剤又は放射性同位体である、請求項4〜7のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合断片。 該放射性同位体がα−放射体、β−放射体、γ−放射体、又はβ−及びγ−放射体である、請求項20記載の抗体又はその抗原結合断片。 請求項1〜21のいずれかに記載の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片をコードするヌクレオチド配列を有する核酸。 抗PSMA抗体又はその抗原結合断片の製造方法であって、 配列番号:25の核酸残基261〜581として示されるヌクレオチド配列を含む第1核酸を用意する工程; 配列番号:23の核酸残基261〜605として示されるヌクレオチド配列を含む第2核酸を用意する工程;並びに 請求項1に記載の軽鎖可変部及び重鎖可変部の発現及びアッセンブリーを可能にする条件下で、前記第1核酸及び第2核酸を宿主細胞中に導入する工程を含む方法。 第1核酸及び第2核酸が連結される、請求項23記載の方法。 第1核酸及び第2核酸が連結されない、請求項23記載の方法。 該宿主細胞が真核細胞又は原核細胞である、請求項23記載の方法。 該宿主細胞が哺乳動物細胞である、請求項23記載の方法。 該哺乳動物細胞がCHO細胞である、請求項23記載の方法。 対象における前立腺癌を治療するための薬剤組成物であって、 請求項1〜21のいずれかに記載の抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)抗体又はその抗原結合断片の、前立腺癌が治療されるような有効量を含む薬剤組成物。 1種類以上の免疫調節剤と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項29に記載の薬剤組成物。 該免疫調節剤が、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−12、インターフェロンα、インターフェロンγ、GM−CSF及びGCSFから成る群から選択される、請求項30記載の薬剤組成物。 1種類以上の付加的な治療様式と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項29に記載の薬剤組成物。 該付加的な治療様式が、組織の部分的若しくは根治的除去、放射線療法、ホルモン療法、アンドロゲン除去療法及び細胞傷害性化学療法の1種類以上である、請求項32記載の薬剤組成物。 該対象が、1種類以上の既存治療様式によって治療されている、請求項29に記載の薬剤組成物。 該既存治療様式が、組織の部分的若しくは根治的除去、放射線療法、ホルモン療法、アンドロゲン除去療法及び細胞傷害性化学療法の1種類以上である、請求項34記載の薬剤組成物。 細胞傷害性剤と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項29に記載の薬剤組成物。 該細胞傷害性剤が、代謝拮抗剤、アルキル化剤、アントラサイクリン及び細胞分裂抑制剤から成る群から選択される、請求項36記載の薬剤組成物。 該細胞傷害性剤が、タキソール、サイトカラシンB、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルチシン、テノポシド、メイタンシノイド、マイトマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、シスプラチン及びアクチノマイシンD、シクロホスファミド、ブスルファン、1−デヒドロテストステロン、ストレプトゾトシン、ジブロモマンニトール、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、プロマイシン、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン並びにジヒドロキシアントラシンジオンから成る群から選択される、請求項36記載の薬剤組成物。 該細胞傷害性剤が、ビンブラスチン、ミトキサントロン及びエストラムスチンから成る群から選択される、請求項36記載の薬剤組成物。 前立腺癌を有する又は前立腺癌と診断された対象によって経験される痛覚の治療用薬剤組成物であって、請求項1〜21のいずれかに記載の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を、前立腺癌に関連した痛覚を治療するために充分な量で含む薬剤組成物。 PSMA発現腫瘍のin vivoイメージング用薬剤組成物であって、該イメージングが:(i)検出可能に標識した形で、請求項1〜3のいずれかに記載した抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片とPSMAタンパク質との相互作用が生じるのを可能にする条件下で対象に投与する工程;及び(ii)抗PSMA抗体又はその断片とPSMAとの間の複合体の形成を検出する工程を含み、基準に比べて、該対象における該複合体形成の統計的に有意な変化が、PSMAの存在を示す薬剤組成物。 該標識が、放射線を放射する化合物である、請求項41記載の薬剤組成物。 放射線を放射する該化合物が、α−放射体、β−放射体、γ−放射体、又はβ−及びγ−放射体である、請求項42記載の薬剤組成物。 放射線を放射する該化合物が、ヨウ素(131I)、ヨウ素(125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジミウム、ビスマス(212Bi)、ビスマス(213Bi)、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ロジウム(188Rh)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)及びトリチウム(3H)から成る群から選択される、請求項42記載の薬剤組成物。 放射線を放射する該化合物が、イットリウム(90Y)又はルテチウム(177Lu)である、請求項42記載の薬剤組成物。 放射線を放射する該化合物が、インジウム(111In)である、請求項42記載の薬剤組成物。 該抗PSMA抗体又はその断片が、キレート化剤によって該標識にカップリングされる、請求項41〜46のいずれかに記載の薬剤組成物。 該キレート化剤が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)である、請求項47記載の薬剤組成物。 該標識が、イットリウム(90Y)又はルテチウム(177Lu)である、請求項48記載の薬剤組成物。 前立腺癌の診断用薬剤組成物であって、該診断が:(i)該癌を有する、又は該癌を有する危険がある対象を同定する段階;(ii)該癌に罹患した組織又は細胞のサンプルを入手する段階;(iii)前記サンプル又は対照サンプルを、請求項1〜3のいずれかに記載した抗PSMA抗体又はその抗原結合断片と、抗PSMA抗体又はその断片とPSMAタンパク質との相互作用が生じるのを可能にする条件下で接触させる段階;及び(iv)複合体の形成を検出する段階を含み、該対照サンプルに比べて、抗PSMA抗体又はその断片の複合体形成の統計的に有意な増加が該癌を示す薬剤組成物。 請求項1〜21のいずれかに記載の抗PSMA抗体又はその断片、及び使用説明書を含むキット。 請求項1〜21のいずれかに記載の抗PSMA抗体を含む、前立腺癌治療用薬剤組成物。