タイトル: | 公開特許公報(A)_キチンキトサンカルシウムによる高カリウム血症改善剤 |
出願番号: | 2003385914 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K31/722,A61K35/56,A61P3/12,A61P7/00 |
木多見 卓也 JP 2005112838 公開特許公報(A) 20050428 2003385914 20031010 キチンキトサンカルシウムによる高カリウム血症改善剤 木多見 卓也 592165668 木多見 卓也 7A61K31/722A61K35/56A61P3/12A61P7/00 JPA61K31/722A61K35/56A61P3/12A61P7/00 1 1 書面 14 4C086 4C087 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA23 4C086MA43 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA51 4C086ZC21 4C087AA01 4C087AA02 4C087BB13 4C087BB18 4C087MA02 4C087MA43 4C087MA52 4C087NA14 4C087ZA51 4C087ZC21 本発明は、天然キチンキトサンによる高カリウム血症改善剤に関するものである。 高カリウム血症改善剤として使用されているポリスチレンスルフォン酸カルシウムゼリーは、合成樹脂ポリスチレンスルフォン基を結合し、この強酸をカルシウムで中和したイオン交換樹脂であり、淡黄白色乃至淡黄色のゼリーで味は甘い感じがする。服用は1日75〜150gを2〜3回に分けて経口投与するが、副甲状腺機能亢進症の患者に於いて、イオン交換で血中にカルシウム濃度が上昇する事があり、多発性骨髄腫の患者には血中カルシウム濃度が上昇する恐れがある。その副作用は消化器症状、便秘、食欲不振、嘔吐、下痢で結腸穿孔が現れる事もある。便秘腹痛等が起こる事もあり妊婦や小児への投与は未解決のものが多い。 イオン交換樹脂の発泡スチロールにスルフォン基を結合し、これにカルシウムで中和したアーガメイトゼリーが公知となっていたが、プラスチック特有の性質からくる障害はプラスチック以外の素材を改善せしめる必要があり、その大きな欠点はプラスチックの特性の消化吸収性のない欠点とイオン交換樹脂特有の吸着性とばらつきが生じやすい事である。そこで服用する時、人体を構成する細胞膜の素材であるキチンキトサンの金属キレート剤を代換え品として選択した。キチンキトサンはエビの殻やカニの甲羅殻やイカの軟骨を原料として作られ、人体を構成する蛋白質の一部であるから前者と異なり吸収されても障害はない。またカルシウムイオンと極めて結合しやすく安定した錯塩を作るので消化酵素が分解されてもポリスチレンの様に解重合するとスチレンモノマーの様に肝臓機能障害や胃腸機能障害を生ずる恐れがないばかりでなく、免疫増強に役立つ作用がある。 課題を解決しようとする課題 キチンはエビ殻やオキアミを原料とし、キトサンはカニ甲羅殻粉やイカの軟骨を原料として酸処理したものを苛性アルカリ処理したアルカリ性溶解液を瀘別して両液を混合して中和し、塩化カルシウム液又は中和沈殿せしめたものを水洗して精製し、アルコールで洗滌したものを乾燥してキチンキトサン液を作るが、高級品としてはキトサンがよりベターである。この乾燥粉はそのままでは不溶性であるが、ビタミンCやビタミンCとビタミンEの混合物やクエン酸や酒石酸、リンゴ酸を微量入れると水溶性となる。胃腸に導入すると酸の作用によって溶液は低粘化し吸着にはカルシウムイオンの存在が必要であるから、水酸化カルシウムや塩化カルシウムを添加すると吸着性が高くなり高カリウム除去に役立つ。従来使用のイオン交換樹脂であるポリスチレンスルフォン酸カルシウムゼリーの代換えとしてキチンキトサンやキトサンを基本剤として金属キレート化剤として使用するとポリスチレスルフォン酸の様な障害はほとんど生じないばかりでなく、吸収されたものは栄養剤として有効利用される。またキチンキトサンをビタミンCや乳酸やクエン酸で溶解してカルシウムで沈殿せしめたものを加えたペースト液を使用する場合と、ビタミンCと混合して粉末化にしたものを使用する。またキチンキトサンカルシウムとを併用する。 発明の効果 キチンキトサンの分子構造は次の如くである。このキチンキトサンは通常水に不溶性であるから吸収溶解性は無いが、これを強塩酸で加熱分解し素ブリッヂを切断し強苛性ソーダー水で加熱すると脱アセチル化されてアルカリ液に溶ける。これを中和する為に両者を混合して沈殿物を作る。これを水洗するとキチンキトサンが出来るから、これを瀘別しアルコールで脱水乾燥してキチンキトサンの精製粉末を作る。この粉末は酢酸やクエン酸、酒石酸、リンゴ酸水や乳酸に溶けやすくなる。このキチンキトサン精製粉末は、胃腸、肝臓、腎臓の過剰カリウム吸着に於いてはカルシウムイオンの存在がないとカリウム過剰障害の予防にはなり難いが、カルシウムがキトサンにキレート化すると、その過剰カリウムを吸着する事が可能となる。この過剰カリウム血症の改善の為にはキチンキトサンが不溶性の近い状態の方が吸着したり、カリウムを吸着したキチンキトサン固形粉化の排泄が行われ易くなる。即ち吸着する過剰カリウムの排泄には固形の状態で吸着されたままの状態で排泄されるのが有効である。またポリスチレン樹脂とは異なりキチンキトサンは人間の蛋白質の膜成分として有用なものであり、吸収されても障害はない。このキチンキトサンの精製に於いて、鮮度の高い原料を直ちに処理したエビ殻皮やカニ甲羅殻皮やイカ軟骨をドライアイス粉末と混合してミキサーにかけ冷凍粉砕したナノ粉砕粉を乾燥したものは、そのままカリウム吸着剤として利用されるので量産化にもなる。この炭酸ガスは他の液体窒素や水素、メタン等の液体ガスでも同様に冷却して粉砕すればナノ粉末を作る事が出来、生産性の向上にも役立つものである。またキトサンの脱アセチル化として、苛性ソーダーで加熱分解し、苛性ソーダー溶解液を中和する時に酸と塩化カルシウムで沈殿せしめたキトサン沈殿物を水洗して精製したものを使用し、あるいはカキ貝殻粉を添加すると生産コストは安価となる。特に米国ミシシッピ川河口の清流のカキ貝を採集後1年間天日乾燥した貝殻はアミノ酸のグリシン、燐酸炭酸カルシウムからなるカルシウム塩であり、よく水洗した粉末はカリウムをよく吸着するから増量混合剤として有用である。キトサンの脱アセチル化度によってカリウム吸着の性能は異にするが、脱アセチル化が進む程脂肪吸着阻害率も高くなり80%DACのものがよい結果を得た。キトサンの物理的特性は、粘度80mPas比容積4.3吸水性(30℃ml/g2hr)5〜9 膨潤度(ml/g2hr)9吸油性(g/10g)である。またキトサンは自重4.8倍のコール酸2.8倍のグルコール酸5.2倍のタウロコール酸5.3倍のドデシル硫酸7.2倍の牛胆汁酸と結合し沈殿する。従って服用すると体内のコレステロールプールを減少させ、血液中のコレステロールを低下せしめる効果がある。キトサンは血液中のアンジオテンシン変換酵素活性を低下させる効果がある。また患者にキトサン3〜6g供与した時、腸のフローラには大きな変化は認められず、腸内のアンモニア、フェノール、Pクレゾール及びインドール等の腐敗性物質の酸生が減少し、有機酸については酢酸プロピオン酸が増加しイソバレリアン酸は減少し好ましい腸内環境を提供した。従来使用されているポリスチレンスルフォン酸カルシウムはスチレンにジビニルベンゼンとの共重合によって作られ、これにスルフォン酸基を結合させカルシウムを付着させたもので、いわゆる陽イオン交換樹脂であり、このカルシウムは胃腸内の過剰カリウムを吸着し排泄せしめるのであるが、副甲状腺機能亢進症の患者ではイオン交換で血中のカルシウム濃度が上昇する恐れがあり、過量投与はよい結果を得る事が出来ない。その為に規則的に血清カリウム値及び血清カルシウム値を測定しながら投与する必要があり、また消化器症状に異変を起こしやすくその他便秘や嘔吐、食欲不振、吐き気、下痢が起こることがあった。これはポリスチレンスルフォン酸カルシウムに胃酸が作用して脱カルシウムが行われると、体内の過剰カリウムは除去されにく血液中にカルシウムが多く溶出する傾向がある。また体内でポリスチレンスルフォン酸が更に酵素や細菌により加水分解するとスチレンモノマーやスチレンスルフォン酸が発生すると、胃肝臓障害を引きおこす事もあり妊婦や授乳婦や小児への投与には注意が肝要であった。本発明の特徴はこのポリスチレンスルフォン酸カルシウムの陽イオン交換樹脂であるものを天然のカニやエビやイカの軟骨のキトサンを代換えさせる事によって、例えばキトサンが加水分解しても無害であり、カルシウムの付いた蛋白質でもあり吸収されると栄養価のあるものである。従ってこの天然キトサンをよく洗滌して余分な肉質の蛋白質を除去して水洗加熱乾燥したものを活性化すれば、従来のポリスチレンスルフォン酸カルシウ厶の様な高カリウム血症の改善に効果があり、スルフォン酸基がないので細胞形成にも障害は起こらない。また天然キトサンに脱アセチル化したキトサンに塩化カルシウムにカルシウムを結合したキトサンカルシウ厶を混合すると活性化を促進したものになり、脱カリウムが促進されて天然キトサンカルシウムに吸着される。この結果、天然キトサン量を増大すると脱アセチル化の加工手間が省略され、生産の向上と生産コストの低下をもたらす天然キトサン即ちカニ甲羅粉を活性化せしめるには、その粒子をナノ粉砕機でナノ粒子に加工し、酵素やアスペルギリウス菌で発酵したものが活性化が進む。また米国ミシシッピ川河口の清流に生息するカキ貝はグリシン、炭酸、燐酸カルシウムキレート化物が多いが、これを1年間天日乾燥して不用の肉質を分解して洗滌したカキ貝殻を添加するとアレルギー体質を改善すると共にカリウムも吸着する性質がありまたアレルギーを起こす要因を正常化する作用があり、この併用は体質改善に役立つ。またキトサンはコレステロールを低下せしめる効果もあるが、ポリスチレンスルフォン酸カルシウムにはその利点はない。 天然産カニ甲羅殻やイカの軟骨をナノ粉砕して加熱殺菌乾燥したキトサン粉末やエビ殻粉に精製キチンキトサンカルシウムを混合した粉末を高カリウム血症改善剤とする。また前者にはキトサン1モルにカルシウム1モルが結合していて、カリウムを吸着しやすくなる。これで精製キトサンカルシウムを作り混合すると迅速に吸着し排泄する。 図1は実施例のキトサン処理の工程図である。オートクレーブ(1)の撹拌器(2)を撹拌しながらコンベアー(3)からキトサン原料をホッパー(4)より投入し、予め強酸をタンク(6)からポンプ(7)で吸引してオートクレーブ(1)に導入し、加熱器(8)で加熱し溶解する。別のオートクレーブ(1’)にもホッパー(4’)からコンベアー(3’)で搬送し、強アルカリ液の入ったタンク(6’)よりポンプ(7’)で吸引してオートクレーブ(1’)に導入し、キトサン原料を溶解するが、(8’)は加熱器である。各オートクレーブ(1)及び(1’)の強酸、強アルカリキトサン溶解液をフィルター(9)(9’)で別に瀘別してタンク(10)(10’)にポンプで導入し、更に中和槽(11)に両液を入れて撹拌器(12)で撹拌しながら中和する。ホッパー(13)は塩化カルシウムを入れたもので必要に応じて混合する。この混合中和沈殿液(14)をフィルタープレス(15)で瀘別し、水洗を繰り返して行う。その瀘液を中和槽(11)に送り込み一部は浄化して排水する。瀘別した固形物(16)は台車(16’)によって洗滌槽(17)に導入し、隔膜袋(18)内に固形物を投入し水道水(19)によって洗滌し、電極(20)(21)で電解しながら電解精製してキトサンを精製し、これをフィルター(22)で瀘別したものを水洗を繰り返し行い、排水は浄化器(23)(23’)(23”)で行い排水する。このキトサン固形物は乾燥室(24)に導入して熱風乾燥し、コンベアー(25)に積載後密封包装してキトサン包装袋(26’)を作る。またこの乾燥したキトサン粉をホッパー(27)に入れてキトサン原料を液体ガスやドライアイス粉で粉砕機に入れて粉砕したものを2回繰り返し行い、これをホッパー(27)に入れて混合機で混合する。ホッパー(27”)はカキ貝ナノ粉を入れて混合機(28)で混合して粉砕機(29)で粉砕してコンベアー(25)に移行して包装して製品を作る。このキトサンカルシウム1g当たりカリウムの交換容量は日本薬局法の規格53〜71mg/g1.36〜1.82mEq/gに適合する。このキトサンカルシウムの交換容量を試験管の(塩化カリ液)で測定されるとカリウム交換容量に差は無い。高カリウ厶血症の両腎臓摘出ラットに3日間計7回経口投与した結果、両剤の血清カリウム値低下作用は同じであった。カリウム以外の電解質に対しても影響がなかった。経口投与の場合、消化吸収されるとことなく腸管内ごとに結腸付近でキトサンカルシウムのカルシウムイオンと腸管内のカリウムイオンが交換されてキトサンカルシウムは変化を受ける事なく、カルシウムが吸着された状態で排泄されて糞便中に入り、カリウムはキトサンカルシウムと共に排泄される。このキトサンカルシウムが天然のキトサンの粉砕物としてナノ粉体に粉砕されたものは極めてキトサンカルシウムが安定していて、糞便中にカリウムと共に入りやすい傾向があるから精製キトサンを加工しない天然キトサン粉末との組合せがよい結果を得る。一般キトサンをカニ甲羅殻粉から採集するには水洗し、脱水したものを250mHの超短波に2分間かけて消菌したものを使用して天然キトサンを得るが、鮮度の高い甲羅には肉質の付着物が多いのでこの場合には肉質を充分に洗い流し極超短波に2分間かけて更に、水洗しこれを乾燥して粉砕するが、一般のシュレッダー粉砕機だけでは活性化した天然キトサン殻粉は粗大粒子を多く含むのでドライアイス粉100gに混合したものを1万回転のミキサーに投入し粉砕し、更に100gのドライアイスを投入してミキサーで2回粉砕してナノ粉末を作る。この炭酸ガスのドライアイスを他の液体ガスに切り替える事も自由に行える。また天然のカニ甲羅や天然のイカ軟骨はカルシウムがキトサン1モルに対し、1モルのカルシウムが結合したものが多く、極めてキトサンカルシウムは安定化しているので、胃酸でキトサンカルシウムの表面が侵食されるだけで安定した構造を維持し、表面が侵食すると活性化した表面を作り腸内に入り腸壁に付着したカリウムを吸着し、天然カニ甲羅殻粉はそのまま排泄される。しかるに、精製したキトサン粉は脱カルシウムを一部で行い、弱酸の酢酸やクエン酸や乳酸にも容易に溶解するので、この精製キトサンを服用すると胃酸で一部を溶解して胃から腸に入り分解酵素で更に消化され腸から吸収されやすいので、キトサンカルシウムとして沈殿せしめたものを瀘別乾燥して使用する。従って生産性を高め、キトサンを不溶性とするためには天然のカニ甲羅粉やイカの軟骨をそのまま乾燥精製し、ナノ粉末に粉砕させたものがよい結果を得る。精製キトサンは吸収性が高いが吸収後のカルシウムが急激に増える事はなく、血液中のコレステロールは低下し公知のポリスチレンカルシウムの血症改善剤に対し更に付加価値が増大する。従来使用されている高カリウム血症改善剤のポリスチレンスルフォン酸カルシウムの構造を下記に示すが、このポリスチレンスルフォン酸カルシウムに胃腸壁面に付着するカリウムはカルシウムに吸着する。本発明のキトサンの構造は下記の如くである。そして、キトサンのカルシウムにカリウムは吸着される。このキトサンの分子は長い酸素ブリッヂを作るほど安定化し、不溶性となるのでポリスチレンスルフォン酸カルシウムと同様にカリウムを吸着後は消化吸収性が少なく、そのまま排泄にされるが、一部のキトサンは酸素ブリッヂが切断されたものは切断されるほどカルシウムカリウム蛋白質分解物と共に吸収されやすい。キチンの分子構造を示すと次の如くである。キチンの構造であるが、昆虫や甲殻類のほか菌類にも共通して見出されているのがα−キチンである。キチンの鎖が平行に配向し、水素結合により安定化されている。このα−キチンのほかにβ−キチンとγ−キチンがまれではあるがある種の昆虫の繭の中に見出されている。 生体内におけるキチンの構造(a)N−アセチルグルコサミン(GlcNAC)のβ−1,4結合によるホモポリマーのキチン(b)生体内ではキチン鎖が何本も束ねられてキチン繊維を形成するが、キチン鎖の配向に従ってα,β,γ−キチンと呼ばれている。これらのキチン繊維はさらにタンパク質の結合により安定化されているα−キチンのタンパク質との複合体キチン繊維のまわりにタンパク質がとりまいて原繊維を形成する。キチンのアルカリ処理については下記の図の通りである。キチンの金属吸着について少し述べると、カルボナールキチン及び脱アセチル化キチンは金属キレート化しやすい。CM−キチン及び脱アセチル化キチンはイオン交換樹脂として働く事は知られており、脱アセチル誘導体の重金属吸着能はよく研究されている。CM−キチンの金属吸着能について調べて見ると、CM化度が増えると吸着能も上昇するが、特にCa2+との吸着が他のイオンとまったく異なることが見出されている。他の吸着イオンはPHを酸性側にしたり、イオン強度を高める事により離脱することからイオン結合が示唆されるが、Ca2+だけは容易に離脱せずEDTAのようなキレート剤で離脱した。またMg2+吸着CM−キチンのCa2+を添加すると直ちに交換反応が起こりMg2+が遊離してくる。また低置換CM−キチン(水不溶性)を繊維化すると全てのイオン吸着能は上昇するが、Ca2+吸着特異は消失(他のイオンと同じPH移動で遊離する)していたことからGlcNAC残基の各官能基の立体配置が関与した特異吸着能であると考える。 キチンヘパリノイドの転換抗凝血性多糖のヘパリンを合成しようとする試みは数多くあるが、キチン,キトサンの化学構造を見るとヘパリン様物質(ヘパリノイド)へ転換する好都合な点が多いことに気付く。このキチンヘパリノイド合成経路を図で示したが、この▲4▼のNaをカルシウムに置換するとカリウムの吸着を高める。またサメのヒレの干物を粉砕したナノ粒子やフカの軟骨カルシウムも吸着カリウム剤として利用されカリウムの体内吸収も行われるが、高カリウム血症改善剤としては天然キトサンがよい結果を得る。カニ甲羅の脱アセチル化したキトサンを精製した後に塩化カルシウムで反応して再度カルシウムを結合させたキトサンは、カリウムの吸着速度は早くなるが、消化吸収されやすいので充分加熱したキトサンカルシウムをナノ粉砕するのがよい結果を得る。また米国ミシシッピ川の河口の淡水と海水との混合した清流に生息するカキ貝殻粉も吸着性が高いが、そのカルシウム貝殻粉は胃酸に溶解するので混在するキトサンカルシウムの吸着をより安定化するに役立つが、カキ貝殻単独使用のものは血液中のカルシウムが増大るので量を制限する必要がある。 図2は使用したキトサンの規格表を示し、脱アセチル化率は80%平均である。このキトサンはカニ甲羅を水酸化ナトリウムの5%を梢機で加熱し、脱蛋白を行う。次にこれを水洗して稀塩酸5%液で脱カルシウムを行ったものを中和水洗して瀘別乾燥して粗キトサンとしたものを30〜50%苛性ソーダー液で加熱溶解して脱アセチル化し、中和水洗して瀘別し乾燥したものを粉砕包装して精製キトサンを作る。このキトサンを別工場に於いて有機酸例えば、クエン酸または乳酸に溶解したものに5%苛性アルカリ水を入れて中和し、次に塩化カルシウムを入れてキトサンカルシウムを作りこれを水洗または電解隔膜分離器で精製したものを乾燥し殺菌加熱したものを使用した。 図3はキトサンの分子量と粘度との関係を示した特性である。キトサンカルシウムのカリウム吸着の特性は公知のポリスチレンスルフォン酸カルシウムは、高カリウム血症改善剤として使用する時は1日平均75〜150gを2〜3回に分割して投与する。即ち、ポリスチレンスルフォン酸カルシウムの純度は15〜30gに相当する。これに対するキトサンカルシウム量は1日平均30〜100gであり、純度は80%であり24〜80gのキトサンカルシウム量に相当するが、ポリスチレンスルフォン酸カルシウムの様な消化器に於ける便秘や嘔吐は生じない。また天然キトサンと精製脱アセチル化キトサンカルシウムの低カリウム血症のおこりは少いので、胃部の不快感はない。また妊産婦や小児への投与についてはほとんど影響を与えない。 このキチンキトサンの血症改善剤の配合例を示すと次の如くである。 例1 精製キチンまたは精製キトサンカルシウム 100部 例2 精製キチンキトサン粉 100部 天然カニ甲羅粉 100部 例3 精製キトサンカルシウム 100部 イカ軟骨粉 50部 例4 精製キトサンカルシウム 100部 精製天然カニ殻粉またはイカ軟骨粉 100部 例5 米国ミシシッピ産カキ貝殻粉 50部 天然カニ甲羅粉またはイカ軟骨粉 200部 例6 天然カニ甲羅粉またはイカ軟骨粉 200部 精製キトサンカルシウム 100部 従来ポリスチレンスルフォン酸カルシウムが腸内の過剰カリウムやナトリウムの吸収剤として使用されてきたが、このポリスチレ樹脂をスルフォン化したイオン交換樹脂は体内に入ると過剰の胃腸内の過剰カリウムやソーダーを吸着し、自然に排出されて体内のカリウムやソーダー量を調整する作用があったが、これが酵素の作用によって加水分解すると毒性のある事は言うまでもない。本願はこのイオン交換樹脂(陰イオン系)を栄養源が高くなり安全性の高いイオン交換剤としてキチンキトサンを主体とし免疫性を高める素材とした。特にキトサンは一般にエビ殻やカニの甲羅やイカの軟骨を原料として脱アセチル化を行い溶液とし、別に酸分解した液とを混合して中和沈殿しよく水洗して瀘別して白色凝集の固形物のキチンキトサンを回収してこれを活性化する為にビタミンCを微量添加するとカルシウムの存在下では高カリウムによる血症を吸着し、よって改善除去し慢性腎不全に伴う高カリウム過剰血症を改善する共に、従来のポリスチレンスルフォン酸カルシウムと異なり元々キチンキトサンが蛋白質から成立ち、基本的蛋白質細胞構成に役立つものであるから、ポリスチレンスルフォン酸カルシウムによる副作用としてジキタリス中毒作用やアルミニウム、マグネシウム、またはカルシウムを含有する制酸剤と併飲すると効果が半減し、また水酸化アルミニウムゲルや水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム等と併用すると全身性アルカローシスの症状が現れたりしたのが、ほとんど影響を受けなくなる利点がある。また小腸の穿孔、腸粘膜の壊死、大腸潰瘍、結腸壊死を引き起こす事がなく、カルシウム補給効果もある。 キチンキトサン処理の工程図 (実施例1)キトサンの規格表キトサンの分子量と粘度との特性 キチンキトサンをビタミンCやクエン酸や乳酸を水で溶解し、これに水酸化カルシウム液や塩化カルシウム液を加えて沈殿せしめたキチンキトサンカルシウムを瀘別洗滌して瀘別し、脱水乾燥したキチンキトサンカルシウム粉末に微量のビタミンCを混合した活性キチンキトサンカルシウムと天然キトサンカルシウム粉を併用した高カリウム血症改善剤。 【課題】従来使用されている高カリウム血症改善剤のポリスチレンスルフォン酸カルシウムは、過剰に投与すると副作用がおこり、便秘や吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢などを生じ高齢者や妊産婦や授乳婦や小児等は特に注意する必要があった。ポリスチレンスルフォン酸カルシウムに代わる副作用のない高カリウム血症改善剤を提供する。【解決手段】このポリスチレンスルフォン酸カルシウムに代えて、カニ甲羅やエビの皮殻から得られるキチンキトサンをビタミンCや乳酸やクエン酸で溶解し、カルシウム沈殿せしめることにより得られる天然キチンキトサンカルシウムと精製キチンキトサンとを併用して金属キレート化剤として使用する高カリウム血症改善剤。【選択図】 図1