生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法
出願番号:2003370337
年次:2005
IPC分類:7,C07D307/89


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真見 博司 JP 2005132772 公開特許公報(A) 20050526 2003370337 20031030 ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法 新日本理化株式会社 000191250 真見 博司 7C07D307/89 JPC07D307/89 Z 3 OL 7 4C037 4C037RA11 本発明は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂などの原料として有用なジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法、より詳しくは、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応し、高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を工業的に効率良く製造する方法に関する。 従来、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法としては、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を融解して加熱脱水する方法(特許文献1、特許文献2)、又は、ジフェニルエーテルなどの溶媒中で加熱脱水する湿式熱脱水法(特許文献3)などが知られている。 また、類似酸無水物であるビフェニルテトラカルボン酸二無水物の製造方法として、相当するテトラカルボン酸を無水酢酸溶媒中で脱水する方法(特許文献4)などが知られている。特開平3−294272特開平1−197476米国特許第3106568号特開昭62−116572 しかしながら、これらの方法は何れも夫々問題点を有しており、工業的に実施するには満足し得るものではない。即ち、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を融解して加熱脱水する方法は、テトラカルボン酸の融点が高く、高温を要するため、得られた酸無水物が着色し、用途によっては別途精製工程が必要になる。また、溶媒を使用する湿式熱脱水法でも、220℃以上の高温を要し、且つ、使用する高沸点溶媒の除去が困難であるため、得られた酸無水物をシクロヘキサン等の低沸点溶媒により洗浄する必要があるなど、工程が煩雑となる。更に、無水酢酸溶媒中で脱水する方法は、多量の無水酢酸を使用するため、コストがかかり、生産性も悪いなど経済性の点で問題がある。また、均一反応系から冷却して目的結晶を分離するため、無水酢酸が分解して生成した酢酸やケテン、更にはケテンが重合した着色タール状物などが目的物の取り込まれ、着色や純度低下の原因となる等の問題もある。 本発明は、生成物の着色や溶媒の残存がなく、経済的で工業的に有利なジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討の結果、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応してジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造するに際し、特定量の脂肪族モノカルボン酸無水物を使用し、比較的低温で無水化することにより、工業的に有利に高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、一般式(1)[式中、R1,R2は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アルコキシ基又はフェノキシ基を表し、同一又は異なっても良い。a、bはそれぞれ0〜3の整数を示す。]で表されるジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応してジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造するに際し、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸(A)と炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物(B)の使用量がモル比(A):(B)=1:3〜10、且つ、重量比(A):(B)=1:0.8〜2.5を満たす量であり、反応温度が70〜120℃であることを特徴とする。 本発明の方法を適用することにより、生成物の着色や溶媒の残存が少なく、工業的に容易に高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造することができる。 本発明に係るジフェニルスルホンテトラカルボン酸とは、一般式(I)で表されるテトラカルボン酸の総称である。[式中、R1,R2は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アルコキシ基又はフェノキシ基を表し、同一又は異なっても良い。a、bはそれぞれ0〜3の整数を示す。] 具体的には、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2−クロロ−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,2’−ジクロロ−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,2’−ジメチル−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,2’,5,5’−テトラメチル−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸等が例示される。 これらのジフェニルスルホンテトラカルボン酸は、例えば、相当するテトラアルキルジフェニルスルホンの試薬酸化や空気酸化、又は、フタル酸と硫酸とのスルホン二量化反応など、如何なる製法により得られたジフェニルスルホンテトラカルボン酸をも使用できる。できるだけ高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を得るためには、溶媒による再結晶などにより何らかの精製処理をしたものが好ましい。 本発明の製造方法に係る炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ吉草酸、無水カプロン酸、無水エナント酸、無水カプリル酸、ギ酸−酢酸無水物、プロピオン酸−酢酸無水物、酪酸−酢酸無水物、イソ吉草酸−酢酸無水物、カプロン酸−酢酸無水物、エナント酸−酢酸無水物、カプリル酸−酢酸無水物などが例示できる。これらの酸無水物は単独で使用しても2種以上を併用しても良い。反応性、経済性、又は入手の容易さの観点から特に無水酢酸が好ましい。 反応に供するジフェニルスルホンテトラカルボン酸(A)と炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物(B)の使用量は、モル比(A):(B)=1:3〜10、及び、重量比(A):(B)=1:0.8〜2.5を満たす量である。脂肪族モノカルボン酸無水物が所定範囲より少ない場合は、脱水反応が不十分となり、得られる酸無水物中に不純物として未反応のジフェニルスルホンテトラカルボン酸又は中間体のジフェニルスルホンジカルボン酸一無水物が残存し易くなる。一方、脂肪族モノカルボン酸無水物を所定範囲より多く使用した場合は、経済的に不利であると共に、得られる酸無水物の溶解性が高くなり、副生成物の着色物質や脂肪族モノカルボン酸含量が多くなる。なお、脂肪族モノカルボン酸無水物として無水酢酸を用いる場合の使用量は、モル比(A):(B)=1:3.9〜5.9、重量比(A):(B)=1:1.0〜1.5が好ましい。 反応温度は70〜120℃であり、特に80〜110℃が好ましい。反応温度が70℃未満では十分な反応速度が得られず、且つ、未反応のジフェニルスルホンテトラカルボン酸又は中間体のジフェニルスルホンジカルボン酸一無水物が残存しやすい。一方、120℃を超える温度では、脂肪族モノカルボン酸無水物がケテン系化合物などに分解し、更に重合してタール状物質を生成しやすく、これらが目的物のテトラカルボン酸無水物を汚染して着色するため好ましくない。 なお、上記のような脂肪族モノカルボン酸無水物の使用量と温度条件下では、反応系はジフェニルスルホンテトラカルボン酸が完全に溶解した状態ではなく、一部が溶解した不均一な状態(スラリー状態)となる。本発明の製造方法では、このような不均一な状態で反応を行うことにより、結晶の成長が抑制され、比較的粒径の小さい(粒子径d50:10〜300、d10:1〜100、d90:20〜800程度の)目的物が得られる。その結果、着色不純物や脂肪族モノカルボン酸無水物の混入を低減でき、容易に高品質の目的物が得られる。 反応時間は、脂肪族モノカルボン酸無水物の使用量や諸条件によって異なるが、通常0.5〜10時間程度、工業的な観点からは1〜6時間になるように条件を選択するのが好ましい。 反応は、常圧下、窒素等の不活性ガス存在下、加圧下、減圧下のいずれの条件下においても実施することができる。また、反応で生成した脂肪族モノカルボン酸を系外に留出させながら実施することもできる。 更に、本発明に係る反応において、溶媒は必要としないが、反応条件下において不活性であれば溶媒を用いることもできる。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の鎖状及び環状の炭化水素類、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、ジグライムと称する。)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(以下、トリグライムと称する。)、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の鎖状及び環状のエーテル類が挙げられる。 反応後、そのまま冷却又は生成した脂肪族モノカルボン酸を系外に留出させて濃縮後、結晶を濾過、乾燥することにより、目的のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を高純度で得ることができる。 かくして得られるジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物は、生成物の着色や溶媒の残存が少なく、無水酸量が高い(無水酸量99.5%以上)高品質なものである。 以下、実施例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、各例における分析値は以下の方法により求めた。純度(%) 高速液体クロマトグラフィーにより測定し、面積%で求めた。無水酸量(%) ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の理論全酸価(627mgKOH/g)に対する[2×(生成物の全酸価−生成物の半酸価)]の百分率を算出して求めた。尚、半酸価とは、酸無水物を無水アルコールと反応して開環(半エステル化)し、カルボン酸基を水酸化カリウムで中和した値である。DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)溶液色相 生成物をN,N−ジメチルアセトアミドの10wt%溶液とし、その色数(ハーゼン)をJIS K 0071-1(1998)に準じて測定した。脂肪族モノカルボン酸含量(ppm) 生成物を所定量の水に加熱溶解し、その水溶液中の脂肪族モノカルボン酸量をガスクロマトグラフィーで測定した。粒子径(μm) (株)堀場製作所製「レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置LA−910」を使用し、イオン交換水を分散媒として、超音波処理後測定した。結果は、体積基準のメジアン径d50、10%粒子径d10、90%粒子径d90で表した。合成例(3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸の合成) 3,3’,4,4’−テトラメチルジフェニルスルホン137g(0.50モル)を、臭化コバルト20ミリモル、酢酸マンガン5ミリモル及び臭化水素20ミリモルを含有する1Lの酢酸溶液に加え、空気圧5MPa下、180℃で1時間酸化反応した。冷却後、析出した結晶を濾別し、600mlの水に加熱溶解した。この溶液を、陽イオン交換樹脂300mlを充填したガラスカラムへ通液して重金属イオンを除去した後、室温まで冷却して晶析し、析出物を濾過した。ついで、得られた精製結晶を乾燥して、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸125g[収率70%、純度99.0%(HPLC)]を得た。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例で得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(0.10モル)及び無水酢酸59.1g(0.58モル)を仕込み、窒素気流下に、90℃で2時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.2g(収率96%)を得た。このものの純度は99.6%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は100、酢酸含量は800ppm、粒子径はd50:35μm、d10:7μm、d90:75μmであった。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例で得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(0.10モル)及び無水酢酸78.8g(0.77モル)を仕込み、窒素気流下に、80℃で1時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.7g(収率91%)を得た。このものの純度は99.7%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は80、酢酸含量は600ppmであった。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例で得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(0.10モル)及び無水酢酸47.3g(0.46モル)を仕込み、窒素気流下に、110℃で3時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.3g(収率96%)を得た。このものの純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は120、酢酸含量は1200ppmであった。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸(純度99.0%)39.4g(0.10モル)及び無水プロピオン酸59.1g(0.45モル)を仕込み、窒素気流下に、110℃で3時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、120℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物33.8g(収率94%)を得た。このもののHPLC純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は120、プロピオン酸含量は1200ppmであった。比較例1 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水酢酸360g(3.5モル)を仕込み、窒素気流下に、120℃で3時間撹拌した。反応系は均一であった。室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物30.9g(収率86%)を得た。このもののHPLC純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は800、酢酸含量は7400ppm、粒子径はd50:570μm、d10:12μm、d90:1180μmであった。比較例2 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水酢酸236g(2.3モル)を仕込み、窒素気流下に、135℃で3時間撹拌した。反応系は均一であった。室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物31.6g(収率88%)を得た。このもののHPLC純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は1000、酢酸含量は9800ppmであった。比較例3 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水プロピオン酸32.5g(0.25モル)を仕込み、窒素気流下に、100℃で4時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、120℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.4g(収率96%)を得た。このもののHPLC純度は99.4%、無水酸量は98.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は120、プロピオン酸含量は900ppmであった。比較例4 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水酢酸59.1g(0.58モル)を仕込み、窒素気流下に、130℃で3時間撹拌した。反応系は不均一であった。室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.3g(収率96%)を得た。このもののHPLC純度は99.4%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は800、酢酸含量は4400ppmであった。 本発明の製造方法により、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂などの原料として有用な、高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を工業的に効率良く得ることができる。 一般式(1)[式中、R1,R2は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アルコキシ基又はフェノキシ基を表し、同一又は異なっても良い。a、bはそれぞれ0〜3の整数を示す。]で表されるジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応してジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造するに際し、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸(A)と炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物(B)の使用量が、モル比(A):(B)=1:3〜10及び重量比(A):(B)=1:0.8〜2.5を満たす量であり、且つ、反応温度が70〜120℃であることを特徴とするジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法。 脂肪族モノカルボン酸無水物が無水酢酸である請求項1に記載のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法。 反応温度が80〜110℃である請求項1又は請求項2に記載のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法。 【課題】 高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を工業的に効率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応してジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造するに際し、特定範囲量の脂肪族モノカルボン酸無水物を使用し、比較的低温で無水化することにより、工業的に有利に高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造する。


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特許公報(B2)_ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法

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タイトル:特許公報(B2)_ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法
出願番号:2003370337
年次:2011
IPC分類:C07D 307/89


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真見 博司 JP 4622233 特許公報(B2) 20101112 2003370337 20031030 ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法 新日本理化株式会社 000191250 真見 博司 20110202 C07D 307/89 20060101AFI20110113BHJP JPC07D307/89 Z C07D 307/00−307/89 CA(STN) CASREACT(STN) REGISTRY(STN) 特開平01−197476(JP,A) 特開平03−294272(JP,A) 特開2003−246781(JP,A) 特開2002−281682(JP,A) 特開昭61−246175(JP,A) 特開2003−146964(JP,A) 3 2005132772 20050526 8 20060925 荒木 英則 本発明は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂などの原料として有用なジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法、より詳しくは、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応し、高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を工業的に効率良く製造する方法に関する。 従来、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法としては、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を融解して加熱脱水する方法(特許文献1、特許文献2)、又は、ジフェニルエーテルなどの溶媒中で加熱脱水する湿式熱脱水法(特許文献3)などが知られている。 また、類似酸無水物であるビフェニルテトラカルボン酸二無水物の製造方法として、相当するテトラカルボン酸を無水酢酸溶媒中で脱水する方法(特許文献4)などが知られている。特開平3−294272特開平1−197476米国特許第3106568号特開昭62−116572 しかしながら、これらの方法は何れも夫々問題点を有しており、工業的に実施するには満足し得るものではない。即ち、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を融解して加熱脱水する方法は、テトラカルボン酸の融点が高く、高温を要するため、得られた酸無水物が着色し、用途によっては別途精製工程が必要になる。また、溶媒を使用する湿式熱脱水法でも、220℃以上の高温を要し、且つ、使用する高沸点溶媒の除去が困難であるため、得られた酸無水物をシクロヘキサン等の低沸点溶媒により洗浄する必要があるなど、工程が煩雑となる。更に、無水酢酸溶媒中で脱水する方法は、多量の無水酢酸を使用するため、コストがかかり、生産性も悪いなど経済性の点で問題がある。また、均一反応系から冷却して目的結晶を分離するため、無水酢酸が分解して生成した酢酸やケテン、更にはケテンが重合した着色タール状物などが目的物の取り込まれ、着色や純度低下の原因となる等の問題もある。 本発明は、生成物の着色や溶媒の残存がなく、経済的で工業的に有利なジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討の結果、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応してジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造するに際し、特定量の脂肪族モノカルボン酸無水物を使用し、比較的低温で無水化することにより、工業的に有利に高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、一般式(1)[式中、R1,R2は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アルコキシ基又はフェノキシ基を表し、同一又は異なっても良い。a、bはそれぞれ0〜3の整数を示す。]で表されるジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応してジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造するに際し、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸(A)と炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物(B)の使用量がモル比(A):(B)=1:3〜10、且つ、重量比(A):(B)=1:0.8〜2.5を満たす量であり、反応温度が70〜120℃であることを特徴とする。 本発明の方法を適用することにより、生成物の着色や溶媒の残存が少なく、工業的に容易に高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造することができる。 本発明に係るジフェニルスルホンテトラカルボン酸とは、一般式(I)で表されるテトラカルボン酸の総称である。[式中、R1,R2は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アルコキシ基又はフェノキシ基を表し、同一又は異なっても良い。a、bはそれぞれ0〜3の整数を示す。] 具体的には、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2−クロロ−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,2’−ジクロロ−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,2’−ジメチル−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,2’,5,5’−テトラメチル−3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸等が例示される。 これらのジフェニルスルホンテトラカルボン酸は、例えば、相当するテトラアルキルジフェニルスルホンの試薬酸化や空気酸化、又は、フタル酸と硫酸とのスルホン二量化反応など、如何なる製法により得られたジフェニルスルホンテトラカルボン酸をも使用できる。できるだけ高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を得るためには、溶媒による再結晶などにより何らかの精製処理をしたものが好ましい。 本発明の製造方法に係る炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ吉草酸、無水カプロン酸、無水エナント酸、無水カプリル酸、ギ酸−酢酸無水物、プロピオン酸−酢酸無水物、酪酸−酢酸無水物、イソ吉草酸−酢酸無水物、カプロン酸−酢酸無水物、エナント酸−酢酸無水物、カプリル酸−酢酸無水物などが例示できる。これらの酸無水物は単独で使用しても2種以上を併用しても良い。反応性、経済性、又は入手の容易さの観点から特に無水酢酸が好ましい。 反応に供するジフェニルスルホンテトラカルボン酸(A)と炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物(B)の使用量は、モル比(A):(B)=1:3〜10、及び、重量比(A):(B)=1:0.8〜2.5を満たす量である。脂肪族モノカルボン酸無水物が所定範囲より少ない場合は、脱水反応が不十分となり、得られる酸無水物中に不純物として未反応のジフェニルスルホンテトラカルボン酸又は中間体のジフェニルスルホンジカルボン酸一無水物が残存し易くなる。一方、脂肪族モノカルボン酸無水物を所定範囲より多く使用した場合は、経済的に不利であると共に、得られる酸無水物の溶解性が高くなり、副生成物の着色物質や脂肪族モノカルボン酸含量が多くなる。なお、脂肪族モノカルボン酸無水物として無水酢酸を用いる場合の使用量は、モル比(A):(B)=1:3.9〜5.9、重量比(A):(B)=1:1.0〜1.5が好ましい。 反応温度は70〜120℃であり、特に80〜110℃が好ましい。反応温度が70℃未満では十分な反応速度が得られず、且つ、未反応のジフェニルスルホンテトラカルボン酸又は中間体のジフェニルスルホンジカルボン酸一無水物が残存しやすい。一方、120℃を超える温度では、脂肪族モノカルボン酸無水物がケテン系化合物などに分解し、更に重合してタール状物質を生成しやすく、これらが目的物のテトラカルボン酸無水物を汚染して着色するため好ましくない。 なお、上記のような脂肪族モノカルボン酸無水物の使用量と温度条件下では、反応系はジフェニルスルホンテトラカルボン酸が完全に溶解した状態ではなく、一部が溶解した不均一な状態(スラリー状態)となる。本発明の製造方法では、このような不均一な状態で反応を行うことにより、結晶の成長が抑制され、比較的粒径の小さい(粒子径d50:10〜300、d10:1〜100、d90:20〜800程度の)目的物が得られる。その結果、着色不純物や脂肪族モノカルボン酸無水物の混入を低減でき、容易に高品質の目的物が得られる。 反応時間は、脂肪族モノカルボン酸無水物の使用量や諸条件によって異なるが、通常0.5〜10時間程度、工業的な観点からは1〜6時間になるように条件を選択するのが好ましい。 反応は、常圧下、窒素等の不活性ガス存在下、加圧下、減圧下のいずれの条件下においても実施することができる。また、反応で生成した脂肪族モノカルボン酸を系外に留出させながら実施することもできる。 更に、本発明に係る反応において、溶媒は必要としないが、反応条件下において不活性であれば溶媒を用いることもできる。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の鎖状及び環状の炭化水素類、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、ジグライムと称する。)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(以下、トリグライムと称する。)、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の鎖状及び環状のエーテル類が挙げられる。 反応後、そのまま冷却又は生成した脂肪族モノカルボン酸を系外に留出させて濃縮後、結晶を濾過、乾燥することにより、目的のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を高純度で得ることができる。 かくして得られるジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物は、生成物の着色や溶媒の残存が少なく、無水酸量が高い(無水酸量99.5%以上)高品質なものである。 以下、実施例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、各例における分析値は以下の方法により求めた。純度(%) 高速液体クロマトグラフィーにより測定し、面積%で求めた。無水酸量(%) ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の理論全酸価(627mgKOH/g)に対する[2×(生成物の全酸価−生成物の半酸価)]の百分率を算出して求めた。尚、半酸価とは、酸無水物を無水アルコールと反応して開環(半エステル化)し、カルボン酸基を水酸化カリウムで中和した値である。DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)溶液色相 生成物をN,N−ジメチルアセトアミドの10wt%溶液とし、その色数(ハーゼン)をJIS K 0071-1(1998)に準じて測定した。脂肪族モノカルボン酸含量(ppm) 生成物を所定量の水に加熱溶解し、その水溶液中の脂肪族モノカルボン酸量をガスクロマトグラフィーで測定した。粒子径(μm) (株)堀場製作所製「レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置LA−910」を使用し、イオン交換水を分散媒として、超音波処理後測定した。結果は、体積基準のメジアン径d50、10%粒子径d10、90%粒子径d90で表した。合成例(3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸の合成) 3,3’,4,4’−テトラメチルジフェニルスルホン137g(0.50モル)を、臭化コバルト20ミリモル、酢酸マンガン5ミリモル及び臭化水素20ミリモルを含有する1Lの酢酸溶液に加え、空気圧5MPa下、180℃で1時間酸化反応した。冷却後、析出した結晶を濾別し、600mlの水に加熱溶解した。この溶液を、陽イオン交換樹脂300mlを充填したガラスカラムへ通液して重金属イオンを除去した後、室温まで冷却して晶析し、析出物を濾過した。ついで、得られた精製結晶を乾燥して、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸125g[収率70%、純度99.0%(HPLC)]を得た。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例で得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(0.10モル)及び無水酢酸59.1g(0.58モル)を仕込み、窒素気流下に、90℃で2時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.2g(収率96%)を得た。このものの純度は99.6%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は100、酢酸含量は800ppm、粒子径はd50:35μm、d10:7μm、d90:75μmであった。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例で得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(0.10モル)及び無水酢酸78.8g(0.77モル)を仕込み、窒素気流下に、80℃で1時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.7g(収率91%)を得た。このものの純度は99.7%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は80、酢酸含量は600ppmであった。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例で得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(0.10モル)及び無水酢酸47.3g(0.46モル)を仕込み、窒素気流下に、110℃で3時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.3g(収率96%)を得た。このものの純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は120、酢酸含量は1200ppmであった。 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸(純度99.0%)39.4g(0.10モル)及び無水プロピオン酸59.1g(0.45モル)を仕込み、窒素気流下に、110℃で3時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、120℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物33.8g(収率94%)を得た。このもののHPLC純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は120、プロピオン酸含量は1200ppmであった。比較例1 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水酢酸360g(3.5モル)を仕込み、窒素気流下に、120℃で3時間撹拌した。反応系は均一であった。室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物30.9g(収率86%)を得た。このもののHPLC純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は800、酢酸含量は7400ppm、粒子径はd50:570μm、d10:12μm、d90:1180μmであった。比較例2 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水酢酸236g(2.3モル)を仕込み、窒素気流下に、135℃で3時間撹拌した。反応系は均一であった。室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物31.6g(収率88%)を得た。このもののHPLC純度は99.5%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は1000、酢酸含量は9800ppmであった。比較例3 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水プロピオン酸32.5g(0.25モル)を仕込み、窒素気流下に、100℃で4時間撹拌した。反応系は終始不均一であった。室温まで冷却し、結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、120℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.4g(収率96%)を得た。このもののHPLC純度は99.4%、無水酸量は98.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は120、プロピオン酸含量は900ppmであった。比較例4 攪拌機、冷却器、温度計付きの四つ口フラスコに、合成例と同様にして得られた3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸39.4g(純度99.0%)(0.10モル)及び無水酢酸59.1g(0.58モル)を仕込み、窒素気流下に、130℃で3時間撹拌した。反応系は不均一であった。室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して減圧下に乾燥(0.7kPa、100℃)し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物34.3g(収率96%)を得た。このもののHPLC純度は99.4%、無水酸量は99.9%、DMAc溶液色相(ハーゼン)は800、酢酸含量は4400ppmであった。 本発明の製造方法により、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂などの原料として有用な、高品質のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を工業的に効率良く得ることができる。3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸を炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物と反応して3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を製造するに際し、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸(A)と炭素数2〜8の脂肪族モノカルボン酸無水物(B)の使用量が、モル比(A):(B)=1:3〜10及び重量比(A):(B)=1:0.8〜2.5を満たす量であり、且つ、反応温度が70〜120℃であることを特徴とする3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法。脂肪族モノカルボン酸無水物が無水酢酸である請求項1に記載の3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法。反応温度が80〜110℃である請求項1又は請求項2に記載の3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の製造方法。


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