生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_打錠用滑沢剤
出願番号:2003366447
年次:2005
IPC分類:7,A61K47/44,A61K9/20,A23L1/00


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藤川 恵理子 高瀬 嘉彦 内田 一仁 JP 2005126397 公開特許公報(A) 20050519 2003366447 20031027 打錠用滑沢剤 太陽化学株式会社 000204181 藤川 恵理子 高瀬 嘉彦 内田 一仁 7A61K47/44A61K9/20A23L1/00 JPA61K47/44A61K9/20A23L1/00 D 3 OL 4 4B035 4C076 4B035LE01 4B035LG12 4B035LK19 4B035LP26 4B035LP36 4C076AA37 4C076BB01 4C076EE53C 4C076FF09 4C076GG01 本発明は打錠する際にキャッピング、スティッキング及びバインディング等を起こさない硬化油脂からなる滑沢剤、及びそれを用いた錠剤に関するものである。 錠剤において、粉末や粉状の原料を打錠する必要がある。打錠においては、脱型の際に錠剤の上杵側に帽子状にはがれるキャッピング、打錠中に粉が杵に付着し杵離れが悪く、錠剤表面に傷がつくスティッキング、錠剤と臼の摩擦が大きく打錠後の錠剤の排出性が悪くなるバインディングを生じることがあり、これがひどくなるとスムーズに打錠できなくなる。 そこで打錠においては滑沢剤を使用することにより、原料粉体の流動性を向上させ、打錠機の臼に一定量が充填されるようにすると同時に、打錠の際のキャッピング、スティッキング及びバインディング等を防止し、錠剤の表面に光沢を与える。そのために従来から精製タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物硬化油脂、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、特許文献1参照)やショ糖脂肪酸エステルなどの食品用乳化剤等が滑沢剤として使用されてきた。そのうち、ステアリン酸マグネシウムの場合は、少量の使用で滑沢剤としての効果を出すことができるが、食品添加物として認められていないためその用途が医薬品に限定される。精製タルクは、食品への使用量に制限があり、また滑沢剤としての効果も小さいためあまり用いられない。また、食品用乳化剤は滑沢効果が優れ、一般的に使用されているが、健康志向の錠剤では、食品への表示上の問題のため食品用乳化剤を敬遠する場合がある。また、天然素材である植物硬化油脂も使用されてきたが、従来の植物硬化油脂は平均粒子径が50〜100μmであるため滑沢効果が小さく、充分な効果を発揮するには大量に使用しなくてはならないため、味が悪くなったり硬度が低下するなどの欠点があった。特開昭60−105632(第1−4頁) 本発明は従来の技術の課題を解決すべくなされたもので、錠剤を打錠する際のキャッピング、スティッキング及びバインディングを、食品用乳化剤を用いることなく防止する滑沢剤を提供することを目的とする。 本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、平均粒径が20μm未満の硬化油脂を滑沢剤として使用することによって、キャッピング、スティッキング及びバインディングを起こさない錠剤を得られることを見出し、本発明に至った。 本発明によれば、健康志向により食品用乳化剤を用いなくても、キャッピング、スティンキング及びバインディングを起こさない良好な錠剤が得られる。 以下本発明を詳細に説明する。本発明における錠剤とは、粉末や粉状の原料を打錠により固めて成型したもので、医薬品、菓子、食品、化粧品、栄養補助食品など分野は問わない。 本発明における硬化油脂とは、常温で固体の動植物由来の硬化油脂で、特に限定されるものではないが、動物由来では牛脂、ラードなど、植物由来ではナタネ硬化油、大豆硬化油などが例として挙げられる。また、本発明品の硬化油脂は、特に限定されるものではないが、健康志向の錠剤では植物由来原料が好まれるため、植物油脂が望ましく、更に望ましくはナタネ硬化油である。また、2種以上の硬化油脂を混合してもよい。また、本発明における硬化油脂は、特に限定されるものではないが、融点が低いと滑沢剤としての性能が不十分になるため、融点が60℃以上である極度硬化油脂が望ましく、さらに望ましくは融点が65℃以上である。 本発明における硬化油脂は、平均粒径が20μm未満であり、さらに望ましくは10μm未満である。本発明における平均粒径とは、粒径の累積分布が50%を与える粒径の事である。また、一般的に微粉末化する事により粒子間の凝集が悪化する可能性が指摘されているが、本発明品は微粉末にする事による粒子間の凝集の悪化は認められていない。しかし、さらに微粒子間の凝集の防止や流動性を向上を行い、また、硬度低下を防止するために、本発明品の滑沢性能や健康志向に差し支えない程度に植物抽出多糖類や無機塩類を本発明品の硬化油脂に加えることが好ましい。 本発明品における無機塩類とは例としてカルシウム塩やマグネシウム塩などが挙げられ、特に限定されるものではないが、カルシウム塩が望ましく、さらに炭酸カルシウム、リン酸三カルシウムが望ましい。また、健康志向の錠剤では、それらが主成分である卵殻カルシウム、貝殻カルシウム、海藻カルシウムなど天然素材の無機塩類がさらに望ましい。また、本発明における植物抽出多糖類とは特に限定されるものではないが、植物の果実や種子から抽出された多糖類で、例として大豆多糖類、グアーガムおよびその酵素分解物、タマリンド、ペクチンなどが挙げられ、その中でも大豆多糖類、グアーガム酵素分解物が望ましい。 本発明品の添加量は、要求される機能によって特に限定されるものではないが、添加量が多いと硬度低下や風味低下の可能性があるため、添加量5%以下が望ましい。また、本発明における滑沢剤は直接錠剤製造法、湿式錠剤製造法のどちらでも用いることができる。 以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、平均粒径は日本レーザー社製のレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS−BF」にて測定を行い、評価は肉眼観察により行った。実施例 下記の配合で混合後、直接打錠法により打錠機で打錠圧1.0トン、錠剤重量300mg±5/錠で打錠を行い打錠時間は15分とした。 ブドウ糖 785g 砂糖 100g クエン酸顆粒 20g 重曹顆粒 40g コーンスターチ 40g 滑沢剤 15g 1000g滑沢剤実施例(1)ナタネ硬化油微粉末品(融点68.2℃、平均粒径17.5μm)(2)ナタネ硬化油微粉末品(融点68.2℃、平均粒径6.5μm)(3)大豆硬化油微粉末品(融点67.3℃、平均粒径18.6μm)(4)ナタネ硬化油微粉末品(融点68.2℃):グアーガム酵素分解物=7:3(平均粒径8.3μm)(5)ナタネ硬化油微粉末品(融点68.2℃):卵殻カルシウム=9:1(平均粒径7.4μm)比較例(1)ナタネ硬化油粉末品(融点68.2℃、平均67.9μm)(2)大豆硬化油粉末品(融点67.3℃、平均粒径70.8μm) 評価基準:◎ 全くなし、〇 わずかにあり、△ 時々あり、× 頻繁にあり 表1の評価結果に示したごとく、本発明による平均粒径が20μm未満である硬化油脂を含有することを特徴とする打錠用滑沢剤は、従来の植物性硬化油脂に比べ、キャッピング、スティッキング及びバインディングを起こさないことが明らかとなった。 本発明によれば、健康志向により食品用乳化剤を敬遠する場合でも良好な錠剤が得られ、食品産業に大いに貢献するものである。平均粒径が20μm未満である硬化油脂を含有することを特徴とする打錠用滑沢剤。硬化油脂が植物性油脂であることを特徴とする請求項1記載の打錠用滑沢剤。請求項1または2記載の打錠用滑沢剤を添加してなることを特徴とする錠剤。 【課題】 打錠においては、脱型の際に錠剤の上杵側に帽子状にはがれるキャッピング、打錠中に粉が杵に付着し杵離れが悪く、錠剤表面に傷がつくスティッキング、錠剤と臼の摩擦が大きく打錠後の錠剤の排出性が悪くなるバインディングを生じることがあり、これがひどくなるとスムーズに打錠できなくなるため、滑沢剤を使用することにより、原料粉体の流動性を向上させ、打錠機の臼に一定量が充填されるようにすると同時に、打錠の際のキャッピング、スティッキング及びバインディング等を防止し、錠剤の表面に光沢を与える。しかし従来の滑沢剤は食品添加物として認められていない、表示上の問題のため食品用乳化剤は敬遠される等の問題があった。本発明は、食品用乳化剤を用いることなく防止する滑沢剤を提供することを目的とする。【解決手段】 平均粒径が20μm未満である硬化油脂を含有することで本課題を解決する。


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