タイトル: | 特許公報(B2)_デオドラント組成物 |
出願番号: | 2003366253 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 8/26,A61K 8/36,A61K 8/365,A61K 8/49,A61Q 15/00 |
横田 百合子 徳永 義弘 JP 4293883 特許公報(B2) 20090417 2003366253 20031027 デオドラント組成物 ライオン株式会社 000006769 藤本 英介 100112335 神田 正義 100101144 宮尾 明茂 100101694 横田 百合子 徳永 義弘 JP 2003071307 20030317 20090708 A61K 8/26 20060101AFI20090618BHJP A61K 8/36 20060101ALI20090618BHJP A61K 8/365 20060101ALI20090618BHJP A61K 8/49 20060101ALI20090618BHJP A61Q 15/00 20060101ALI20090618BHJP JPA61K8/26A61K8/36A61K8/365A61K8/49A61Q15/00 A61K 8/00 − 8/99 A61Q 1/00 − 99/00 特開2003−026527(JP,A) 特開昭55−115817(JP,A) 特開昭54−070436(JP,A) 特表2002−509522(JP,A) 特開平05−262633(JP,A) 特開平05−339138(JP,A) 特開平08−301752(JP,A) 特表2001−507035(JP,A) 特表2003−501455(JP,A) 特開昭56−142206(JP,A) 特開平08−092011(JP,A) 特表平08−500831(JP,A) 特開平04−257514(JP,A) 特開昭52−102437(JP,A) 特開平08−073364(JP,A) 特開平08−073372(JP,A) 特開昭47−003850(JP,A) 特表2002−528566(JP,A) 特開平11−209234(JP,A) 特開2001−031520(JP,A) 特開平11−049640(JP,A) 特表平08−508745(JP,A) 特開2004−067665(JP,A) 特開2004−059490(JP,A) 特開昭57−081407(JP,A) 4 2004300132 20041028 14 20060803 北畑 勝彦 本発明は、デオドラント組成物に関し、更に詳しくは、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れた皮膚用に好適なデオドラント組成物に関する。 一般に、腋臭、汗臭、足臭などの体臭は、本人のみならず、周囲の者にとっても不快感を与えるため、体臭症者にとっては、心理的、精神的に非常に大きな負担となっている。 体臭の原因の一つとしては、汗や皮脂などの分泌物が皮膚常在菌によって分解されることにより発生するものと考えられている。 従来より、これらの体臭を減ずるため様々な剤型の各種デオドラント剤が市販されているが、これらのほとんどは、皮膚常在菌の増殖を抑制し、汗や皮脂の分解を阻止する殺菌剤や香料を用いて臭気をマスキングするマスキング剤を用いているものである。 しかしながら、デオドラント組成物における殺菌剤は、その殺菌効果を有する化合物の安全性の問題が指摘されており、使用可能な種類や適用量が定められていることが多く、十分な効果を出すための使用量が制限されるという問題があった。 また、デオドラント組成物におけるマスキング剤は、体臭と匂いが混じって十分に体臭を抑えることができなかったり、逆に不快な匂いを発生させるという問題があった。 従って、これらの殺菌剤やマスキング剤に頼りすぎないデオドラント組成物が要求されているのが現状である。 一方、菌の生育条件の一つにpHが関与しているといわれており、また、腋臭の強い人の腋窩部のpHは、腋臭の弱い人に比べて相対的に高いということが見い出されている。 このため菌の繁殖を防ぎ、製品の保存性を確保するために抗菌性物質、pKa値が4〜7である2価以上の有機酸を含有する化粧料等に有用な抗菌性組成物(特許文献1参照)や、汗や皮膚表面のpHを低く保つことで皮膚常在菌の増殖を抑制させる方法として、特定の弱有機酸と有機アミン化合物の塩を組み合わせた混合物によって、汗のpHを3〜6の範囲の実質的に一定の値に保つことを特徴とする化粧用防臭性組成物(特許文献2参照)が知られている。 また、腋臭の強弱にpHが関与していることに着目し、pH3.5〜5.5において緩衝能を含有する物質を含有し、有機酸を全量溶解配合してpH3.5〜5.5としてなる防臭剤(特許文献3参照)が知られている。 更に、本願発明の目的とは異なるが、組成物の色、においの劣化防止を目的としたものとして、特定の収斂剤、懸濁剤、低揮発性の担体液体、有機酸としてクエン酸、クエン酸を少なくとも一部溶解するに足る量の溶媒、噴射剤を配合したエアゾール型の発汗防止剤組成物(特許文献4参照)が知られている。 しかしながら、上記特許文献1〜4に記載されるデオドラント組成物等は、防臭効果、特に防臭効果の持続性において十分満足できるものではないという課題があり、依然として効果の高い皮膚用等に好適なデオドラント組成物が望まれている。 他方、クジンは、マメ科のクララの根であり、このクジン抽出物等は日本でも民間薬として、虫くだし、害虫駆除や、湿疹、寄生性皮膚病への外用剤に用いられており、殺菌作用があることはよく知られている。 このクジンを用いた抗菌・防腐剤等としては、ソフォラフラバノンGを必須成分として含有するクジンの有機溶媒抽出物を配合してなる抗菌・防腐剤、皮膚化粧料等(特許文献5及び6参照)が知られている。 しかしながら、上記特許文献5及び6に記載される抗菌・防腐剤、皮膚化粧料等は、単にクジン抽出物からのソフォラフラバノンGの抗菌効果及びその用途等を開示するものに過ぎないものであり、本願発明とはその目的、構成等が異なるものである。特開2002−322090号公報(特許請求の範囲、実施例等)特開昭52−102437号公報(特許請求の範囲、実施例等)特開平4−257514号公報(特許請求の範囲、実施例等)特開昭47−3850号公報(特許請求の範囲、実施例等)特開平8−73364号公報(特許請求の範囲、実施例等)特開平8−73372号公報(特許請求の範囲、実施例等) 本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れた皮膚用に好適なデオドラント組成物を提供すること、更に、これらの作用効果を更に向上せしめると共に、使用上の簡便性や清潔性からエアゾール剤型としたデオドラント組成物を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意研究した結果、特定のヒドロキシカルボン酸及び/又は水溶性のアルミニウム塩と、特定の常温で液体の脂肪酸とを組み合わせることにより、上記目的の防臭効果に優れ、かつその持続性も優れた皮膚用に好適なデオドラント組成物が得られることを見い出すことにより、本発明を完成するに至ったのである。 すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。(1) 下記A成分及びB成分を含有することを特徴とするデオドラント組成物。 A成分:クエン酸、リンゴ酸、酒石酸から選ばれる水溶性のヒドロキシカルボン酸0.1〜10質量%及び水溶性のアルミニウム塩5〜40質量% B成分:イソステアリン酸1〜10質量%(2) A成分の水溶性のアルミニウム塩がクロルヒドロキシアルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムから選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載のデオドラント組成物。(3) 更に、クジンフラボノイドを含有する請求項1又は2に記載のデオドラント組成物。(4) エアゾール剤型デオドラント組成物である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のデオドラント組成物。 本発明によれば、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れたデオドラント組成物が提供される。 以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。 本発明のデオドラント組成物は、第1発明として、水溶性のヒドロキシカルボン酸及び/又は水溶性のアルミニウム塩〔(A)成分〕と、常温で液体の脂肪酸〔(B)成分〕とを含有することを特徴とするものであり、第2発明は、実質的に溶解していないクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸から選ばれる少なくとも1種の有機酸を含有し、かつ、非水系であることを特徴とするものである。 以下において、「本発明」というときは、上記第1発明及び第2発明の両方を含む意味である。 本第1発明で用いる(A)成分は、水溶性のヒドロキシカルボン酸及び/又は水溶性のアルミニウム塩であることが必要である。 用いることができる水溶性のヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、サリチル酸などが挙げられる。 これらの中でも、特に、2価以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸が刺激性が少ないという点から望ましい。 2価以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などが挙げられる。 また、用いることができる水溶性のアルミニウム塩としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、ブロモヒドロキシアルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムなどが挙げられる。 これらの中でも、特に、クロルヒドロキシアルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムが刺激性が少ないという点から望ましい。 本発明において上記(A)成分は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。 これらの(A)成分のうち、水溶性のヒドロキシカルボン酸を単独で又は併用する場合、その含有量は、デオドラント組成物全量(但し、エアゾール組成物中では噴射剤を除く原液組成物全量、以下同様)に対して、0.1〜10質量%(以下、単に「%」という)とすることが好ましく、更に好ましくは、0.1〜5%とすることが望ましい。 この水溶性のヒドロキシカルボン酸の含有量が、0.1%未満であると、pHを下げるのに十分な効果が得られず、10%を超えると、皮膚のpHが下がりすぎることによる皮膚刺激が懸念される。 また、上記(A)成分のうち、水溶性のアルミニウム塩を単独で又は併用で用いる場合、その含有量は、デオドラント組成物全量に対して、5〜40%とすることが好ましく、更に好ましくは、5〜30%とすることが望ましい。 この水溶性のアルミニウム塩の含有量が、5%未満であると、制汗剤として十分な効果が得られず、40%を超えると、べたつき等の使用感触の低下、皮膚刺激等の懸念がある。 本発明で用いる(B)成分は、常温(25℃、以下同様)で液体の脂肪酸であることが必要である。 用いることができる常温で液体の脂肪酸としては、例えば、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。 これらの中でも、ニオイの点などからイソステアリン酸が好ましい。 本発明において上記(B)成分は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。 これらの(B)成分である常温で液体の脂肪酸の含有量は、デオドラント組成物全量に対して、1〜10%とすることが好ましく、更に好ましくは、1〜7%とすることが望ましい。 この(B)成分の含有量が1%未満であると、pHを維持するのに十分な効果が得られず、また、10%を超えると、脂肪酸の皮膚への刺激が懸念される。 本第1発明のデオドラント組成物には、上記(A)成分及び(B)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、デオドラント組成物に常用されている各成分(任意成分)を含有することができる。 本発明に用いることができる任意成分としては、例えば、油脂類、ワックス類、シリコーン類、酸化防止剤、有機粉体、無機粉体、界面活性剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、殺菌剤、抗炎症剤、アミノ酸、植物エキス、包接化合物等が挙げられる。 具体的には、ナイロン末、ポリエチレン末、無水ケイ酸、シリコーンパウダー、セルロース粉体、タルク、カオリン、マイカ等の使用性向上粉体、多孔質マグネシアシリカ粉体、合成層状ピロケイ酸酸マグネシウム粉体、アルギン酸カルシウム粉体(2次凝集物)、アパタイト粉体等の消臭粉体、メチルパラベン、エチルパラベン、安息香酸ナトリウム、エタノール類等の防腐剤、ベントナイト、グリチルレチン酸ステアリル等の皮膚保護剤、グリセリン、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤、アロエエキス、ユーカリエキス、クワエキス、シラカバエキス等の植物抽出エキス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等の粘度調整剤、ウロカニン酸、パラアミノ安息香酸、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、トコフェノール等の抗酸化剤、顔料、香料等が挙げられる。 本第1発明のデオドラント組成物は、用途に併せてロールオンタイプ、ミストスプレータイプ、ローションタイプ、クリームタイプ、シートタイプ、泡状タイプ、液状タイプ、スチィックタイプ、エアゾールタイプなどの形態をとることができるが、これらに限定されるものではない。 使用上の簡便性及び清潔性等の点から、エアゾール型とすることが好ましく、このエアゾール型とする場合には、噴射剤として、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ネオペンタン等の炭化水素系ガス(LPG)、及び、ジメチルエーテル(DME)等の液化ガスなどを用いることができる。これらに加えて、炭酸ガス、窒素ガスを用いてもよい。上記の噴射剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。 このように構成される第1発明のデオドラント組成物では、(A)成分である水溶性のヒドロキシカルボン酸及び/又は水溶性のアルミニウム塩で即効的に汗や皮膚表面のpHを低くし菌の生育を阻止せしめ、更に(B)成分の水に難溶な常温で液体の脂肪酸の併用により、その脂肪酸が徐々に溶解することで、肌上で徐々に溶けてそのpH(酸性)を長期間維持できることとなる。その結果、皮膚常在菌の増殖を長時間抑えることにより、持続性のある皮膚用等に好適なデオドラント組成物が得られることとなる。 次に、本第2発明のデオドラント組成物は、実質的に溶解していないクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸から選ばれる少なくとも1種の有機酸を含有し、かつ、非水系であることを特徴とするものである。 本第2発明に用いるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸から選ばれる有機酸は、防臭効果の更なる持続性の点から、組成物中に粉体として含有されるものである。 なお、本第2発明で用いるクエン酸は、無水クエン酸、クエン酸1水和物どちらもでもよいが、吸湿の面から無水クエン酸の方が好ましい。 これらの有機酸の平均粒子径は、好ましくは、1〜75μm、更に好ましくは、1〜45μmとすることが望ましい。 この平均粒子径が75μmを越えると、エアゾールスプレーから内容物を噴射したときに、噴霧不良を起こしたり、肌に当たったときに痛みを感じたりしてしまうことがある。なお、平均粒子径が1μm未満の場合は、有機酸の破砕に時間がかかり、好ましくない。 これら有機酸を微粉化する方法としては、例えば、スプレードライ法、粉砕が挙げられる。粉砕は、乳鉢にてすりつぶしても得られるが、ボールミル、スパイラルミル、ジェットミル、摩砕機等の機械を使用して得ることができる。 上記有機酸粉体の含有量は、デオドラント組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜10%、更に好ましくは、0.1〜5%とすることが望ましい。 この有機酸粉体の含有量が0.1%未満であると、効果が乏しく、また、10%を越えて含有すると、皮膚のpHが極端に酸性となり、中には皮膚刺激を伴う場合がある。 本第2発明のデオドラント組成物は、防臭効果の持続性を更に長時間延ばす点から、非水系とするものであり、非水系であれば、特に限定されず、エアゾールタイプ、ステックタイプ、油性ゲルタイプなどにより非水系とすることができる。 本第2発明のデオドラント組成物には、上記各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、デオドラント組成物に常用されている上述の各成分(任意成分)を含有することができる。 また、本第2発明のデオドラント組成物は、非水系であるので、エアゾールタイプ、ステックタイプ、油性ゲルタイプなどの形態をとることができる。エアゾール型とする場合には、噴射剤として、上述の各噴射剤を用いることができる。 特に、本題2発明のデオドラント組成物は、使用上の簡便性及び清潔性等の点から、非水系のエアゾール型とすることが好ましい。 このように構成される本第2発明のデオドラント組成物は、非水系であり、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸から選ばれる少なくとも1種の有機酸は粉体として存在し、この組成物を、例えば、エアゾールスプレータイプで用いると、非水系のエアゾール中でクエン酸等の有機酸は粉体として存在し、スプレーすると、クエン酸等は粉体(固体)のまま肌につき、汗等肌上の水分で溶解し、肌面のpHを下げて菌の生育を阻止し、その防臭効果を長時間に亘り発揮するものである。なお、予め溶解している有機酸の場合は、pHを即効的に下げるものであるが、本第2発明の場合は、持続性の面で更に優れた持続的防臭効果を発揮するものである。 本発明(上記第1発明及び第2発明)のデオドラント組成物は、上述の如く、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れたものであるが、更なる防臭効果、並びに、その持続性を更に相乗的に向上せしめる点から、クジン抽出物等が得られるクジンフラボノイドを含有せしめることが好ましい。 用いるクジンフラボノイドは、弱酸性を示すことから、クエン酸等と同様にpHの低下に寄与するものとなる。更に、殺菌作用がある。このため、クジンフラボノイドを上記第1発明及び第2発明のデオドラント組成物に含有せしめると、更に菌の増殖を相乗的に抑え、防臭効果、特にその持続性が更に向上することとなる。 このクジンフラボノイドの含有量は、デオドラント組成物全量に対して、0.0001〜10%、更に好ましくは、0.001〜5%とすることが望ましい。 このクジンフラボノイドの含有量が0.0001%未満であると、更なる効果を発揮することができず、10%を越えて含有すると、フラボノイド特有の着色が製品の外観を損ねることがある。 次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の表中の%は、質量%であり、全量100%である。〔実施例1〜4及び比較例1〜4、並びに参考例(第1発明)〕 下記表1に示す配合組成(原液)となるエアゾールタイプの皮膚用のデオドラント組成物を調製した。 得られたデオドラント組成物について、下記各方法により、皮膚pH、防臭効果について評価した。 これらの結果を下記表1に示す。(皮膚pHの測定法) 男女被験者20名の腋窩部に試料を適量塗布し、塗布直後、4時間後、8時間後の腋のpHをpHメーター(堀場製作所社製 pHメーターD-21)にて測定した。なお、エアゾールタイプの場合は、2秒間噴霧した。(防臭効果の評価法) 上記、男女被験者20名の片方の腋窩部に試料を適量塗布し、もう片方の腋には何も処理せず、その後、予め洗浄したガーゼを腋窩部に縫い付けたシャツを10名の被験者には4時間、残りの10名の被験者は8時間、着用してもらった。 ガーゼに付着した体臭を、専門パネラーが下記評価基準に基づいて官能評価した。なお、エアゾールタイプの場合は、2秒間噴霧した。<評価基準> 3点:無塗布部よりも非常に良い(臭わない) 2点:無塗布部よりもかなり良い(臭わない) 1点:無塗布部よりもやや良い(臭わない) 0点:無塗布部と同等 ◎:10人の被験者の平均点が2.5点以上 ○:10人の被験者の平均点が2点以上 △:10人の被験者の平均点が1点以上2点未満 ×:10人の被験者の平均点が1点未満 上記表1の結果から明らかなように、エアゾールタイプのデオドラント組成物において、本発明の範囲となる実施例1〜4は、本発明の範囲外の比較例1〜4に較べて、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れていることが判明した。〔実施例5〜8及び比較例5〜7、第1発明〕 下記表2及び表3に示す配合組成(原液)となるスティックタイプの皮膚用のデオドラント組成物(実施例5〜6、比較例5〜6)、ロールオンタイプの皮膚用のデオドラント組成物(実施例7〜8、比較例7)を調製した。 得られたデオドラント組成物について、上記各方法により、皮膚pH、防臭効果について評価した。 これらの結果を下記表2及び表3に示す。 上記表2及び3の結果から明らかなように、スチィックタイプ、ロールオンタイプのデオドラント組成物において、本発明の範囲となる実施例5〜8は、本発明の範囲外の比較例5〜7に較べて、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れていることが判明した。〔実施例9及び比較例8〜9(第2発明)〕 下記表4に示す有機酸粉体(各平均粒子径)を含有する配合組成(原液)のエアゾールタイプの皮膚用のデオドラント組成物を調製した。 得られたデオドラント組成物について、上記各方法により、皮膚pH、防臭効果について評価した。 これらの結果を下記表4に示す。 上記表4の結果から明らかなように、エアゾールタイプのデオドラント組成物において、本発明の範囲となる実施例9は、本発明の範囲外の比較例8〜9に較べて、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れていることが判明した。〔実施例10〜15(第2発明)〕 下記表5に示す有機酸粉体(各平均粒子径)を含有する配合組成(原液)の非水系エアゾールタイプの皮膚用のデオドラント組成物を調製した。 得られたデオドラント組成物について、上記各方法により、皮膚pH、防臭効果について評価した。 これらの結果を下記表5に示す。 上記表5の結果から明らかなように、非水系エアゾールタイプのデオドラント組成物となる本発明の実施例10〜15は、防臭効果に優れ、かつその持続性にも優れていることが判明した。 下記A成分及びB成分を含有することを特徴とするデオドラント組成物。 A成分:クエン酸、リンゴ酸、酒石酸から選ばれる水溶性のヒドロキシカルボン酸0.1〜10質量%及び水溶性のアルミニウム塩5〜40質量% B成分:イソステアリン酸1〜10質量% A成分の水溶性のアルミニウム塩がクロルヒドロキシアルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のデオドラント組成物。 更に、クジンフラボノイドを含有する請求項1又は2に記載のデオドラント組成物。 エアゾール剤型デオドラント組成物である請求項1〜3の何れか一つに記載のデオドラント組成物。