タイトル: | 公開特許公報(A)_外用医薬組成物 |
出願番号: | 2003342635 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K45/00,A61K31/137,A61K31/4174,A61K31/5375,A61K47/10,A61K47/12,A61K47/22,A61P17/00,A61P17/06,A61P31/10 |
下尾 克也 JP 2005104924 公開特許公報(A) 20050421 2003342635 20030930 外用医薬組成物 小林製薬株式会社 000186588 三枝 英二 100065215 掛樋 悠路 100076510 小原 健志 100086427 斎藤 健治 100099988 藤井 淳 100105821 関 仁士 100099911 中野 睦子 100108084 下尾 克也 7A61K45/00A61K31/137A61K31/4174A61K31/5375A61K47/10A61K47/12A61K47/22A61P17/00A61P17/06A61P31/10 JPA61K45/00A61K31/137A61K31/4174A61K31/5375A61K47/10A61K47/12A61K47/22A61P17/00A61P17/00 101A61P17/06A61P31/10 8 OL 14 4C076 4C084 4C086 4C206 4C076AA08 4C076AA13 4C076AA24 4C076BB31 4C076CC31 4C076DD37 4C076DD41 4C076DD59 4C076FF34 4C084AA17 4C084MA13 4C084MA17 4C084MA28 4C084MA63 4C084NA05 4C084ZA892 4C084ZA902 4C084ZB352 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC38 4C086BC73 4C086MA02 4C086MA05 4C086MA07 4C086MA08 4C086MA09 4C086MA63 4C086NA05 4C086ZA89 4C086ZA90 4C086ZB35 4C206AA01 4C206AA02 4C206FA07 4C206KA01 4C206MA02 4C206MA05 4C206MA14 4C206MA83 4C206NA05 4C206ZA89 4C206ZA90 4C206ZB35 本発明は、抗真菌剤を有効成分とする外用医薬組成物に関する。さらに本発明は、抗真菌剤の殺菌力を増強する方法に関する。 水虫やたむし等の皮膚白癬や皮膚カンジダ症などの皮膚真菌感染性疾患の治療には、従来より抗菌剤、特に抗真菌剤が使用されている。例えば、特許文献1には、イミダゾール誘導体またはトリアゾール誘導体等の抗真菌剤の使用が提案され、また特許文献2には、ビフォナゾールやクロトリマゾールなどの抗真菌剤の使用が提案されている。しかしながら、抗真菌剤だけでは、その治療効果は充分でなく、その一方で、治療効果を増強するために抗真菌剤の使用量を増やすと、皮膚刺激性など、皮膚に対して悪影響を及ぼすことがある。また抗真菌剤の作用を補助するために、複数の薬剤を併用することも各種提案されているが(例えば、特許文献3等参照のこと)、その結果、皮膚に対して悪影響が生じる場合もある。特に、真菌感染によって損傷した皮膚患部に外用剤を適用する場合は、健康な皮膚に対して用いる場合よりも、より高い安全性が求められる(例えば、特許文献4等参照)。 このため、従来から、皮膚真菌感染性疾患の治療に際して、より安全な外用剤を提供するためにも、抗真菌剤の殺菌効果を高める方法が要望されている。特開昭57−120516号公報特開昭61−282316号公報特開2002−284702号公報特開平9−309827号公報 本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、抗真菌剤の殺菌効果を高めることによって皮膚真菌感染性疾患の治療に有効且つ安全に使用できる、外用医薬組成物を提供することである。さらに本発明の目的は、抗真菌剤の殺菌効果を増強する方法を提供することである。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討していたところ、抗真菌剤にビタミンA類またはビタミンE類のいずれか一方もしくは両方を組み合わせて用いることにより、抗真菌剤の殺菌効果が増強することを見いだして本発明を完成した。 本発明は、かかる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を有するものである:項1. 抗真菌剤、並びにビタミンA類及びビタミンE類よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する外用医薬組成物。 当該項1に記載する発明には、下記の態様の発明が含まれる:項1-1. 抗真菌剤、及びビタミンA類を含有する外用医薬組成物。項1-1-1.外用医薬組成物中の抗真菌剤の割合が、0.01〜20重量%である項1-1に記載する外用医薬組成物。項1-1-2.外用医薬組成物中のビタミンA類の割合が、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合(2種以上含む場合はその総和)に換算して0.01〜20重量%である項1-1または項1-1-1に記載する外用医薬組成物。項1-1-3.外用医薬組成物を100gに調整した場合に、ビタミンA類を1000〜100万ビタミンA単位の割合で含むものである、項1-1乃至項1-1-2のいずれかに記載する外用医薬組成物。項1-1-4.ピルビン酸またはその塩、脂肪酸アミド、及びニトロイミダゾール誘導体を含まない項1-1乃至項1-1-3のいずれかに記載の外用医薬組成物。項1-1-5.さらにビタミンE類を含有する項1-1乃至項1-1-4のいずれかに記載する外用医薬組成物。項1-1-6.外用医薬組成物中のビタミンE類の割合が、0.1〜20重量%未満である項1-1-5に記載する外用医薬組成物。項1-2. 抗真菌剤、及びビタミンE類を含有する外用医薬組成物。項1-2-1.外用医薬組成物中のビタミンE類の割合が、0.1〜20重量%未満である項1-2に記載する外用医薬組成物。項1-2-2.ビタミンE類が油溶性のものである項1-2または項1-2-1記載の外用医薬組成物。項1-2-3.ビタミンE類がビタミンEトコフェリル誘導体以外のものである項1-2乃至項1-2-2のいずれかに記載の外用医薬組成物。項1-2-4.スクワラン、ピルビン酸またはその塩、及びニトロイミダゾール誘導体を含まない項1-2乃至項1-2-3のいずれかに記載の外用医薬組成物。項1-2-5.さらにビタミンA類を含有する項1-2乃至項1-2-4のいずれかに記載する外用医薬組成物。項1-2-6.外用医薬組成物中のビタミンA類の割合が、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合(2種以上含む場合はその総和)に換算して0.01〜20重量%である項1-2-5に記載する外用医薬組成物。項1-2-7.外用医薬組成物を100gに調整した場合に、ビタミンA類を1000〜100万ビタミンA単位の割合で含むものである、項1-2-5または項1-2-6に記載する外用医薬組成物。 項2.抗真菌剤が、モルホリン系化合物、ベンジルアミン系化合物、イミダゾール系化合物、及びアリルアミン系化合物よりなる化合物群から選択される少なくとも1つである項1のいずれかに記載の外用医薬組成物。項3.抗真菌剤が、塩酸アモロルフィン、塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾール、及び塩酸テルビナフィンよりなる群から選択される少なくとも1種である項1に記載の外用医薬組成物。項4.白癬、皮膚カンジダ症、膣カンジダ症、膣トリコモナス症、癜風、乾癬及び脂漏性皮膚炎よりなる群から選択される皮膚真菌感染症の治療薬である項1乃至3のいずれかに記載の外用医薬組成物。 項5.抗真菌剤に、ビタミンA類及びビタミンE類よりなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、抗真菌剤の殺菌力増強方法。当該項5に記載する発明には、下記の態様の発明が含まれる:項5-1.抗真菌剤100重量部に対してビタミンA類を、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合はその総和として)、0.05〜200000重量部の割合で配合する項5に記載する殺菌力増強方法。項5-2.抗真菌剤1gに対して、ビタミンA類を、50〜10000万ビタミンA単位となるような割合で配合する項5または項5-1に記載する殺菌力向上方法。項5-3.抗真菌剤100重量部に対してビタミンE類を0.5〜200000重量部未満の割合で配合する項5又は項5-1に記載する殺菌力増強方法。項5-4.抗真菌剤が、モルホリン系化合物、ベンジルアミン系化合物、イミダゾール系化合物、及びアリルアミン系化合物よりなる化合物群から選択される少なくとも1つである項5乃至項5-3のいずれかに記載する殺菌力増強方法。項5-5.抗真菌剤が、塩酸アモロルフィン、塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾール、及び塩酸テルビナフィンよりなる群から選択される少なくとも1種である項5乃至5-4のいずれかに記載の殺菌力増強方法。項5-6.白癬、皮膚カンジダ症、膣カンジダ症、膣トリコモナス症、癜風、乾癬及び脂漏性皮膚炎よりなる群から選択される皮膚真菌感染症の治癒効果を向上する方法である、項5乃至5-5のいずれかに記載の殺菌力増強方法。 以下に、本発明を詳細に説明する。I.外用医薬組成物 本発明の外用医薬組成物は、抗真菌剤に加えて、ビタミンA類またはビタミンE類のいずれか一方、またはそれらの両方を含有することを特徴とするものである。 ここで抗真菌剤としては、真菌の生育を阻止あるいは該病原菌を致死させる性質を有する物質のことであり、例えばクロトリマゾール、エコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、テルコナゾール、オキシコナゾール、ビフォナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、フェンチコナゾール、ジノコナゾール、チオコナゾール、クロコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ナイスタチン、及びアンホテリシンB等のイミダゾール系化合物:アモロルフィン等のモルホリン系化合物;テルビナフィン等のアリルアミン系化合物:ブテナフィン等のベンジルアミン系化合物:シクロピロクスオラミン等のピリミジン系化合物:その他、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、モクタール、シッカニン、トリコマイシン、ピロールニトリン、エキサラミド、トルシクラート、トルナフタート、ハロプロジン、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩を挙げることができる。これらは1種または2種以上を混合して用いることもできる。 酸付加塩としては、上記化合物の塩酸塩、硝酸塩または酢酸塩等の無機酸塩、並びに乳酸、酒石酸またはマレイン酸などの有機酸塩を挙げることができる。具体的な酸付加塩としては、例えば塩酸クロコナゾール、塩酸ネチコナゾール、塩酸アモロルフィン、塩酸テルビナフィン、及び塩酸ブテナフィン等の塩酸付加塩;硝酸イソコナゾール、硝酸イコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、及び硝酸ミコナゾール等の硝酸付加塩を例示することができる。 好ましくは、イミダゾール系化合物、モルホリン系化合物、アリルアミン系化合物及びベンジルアミン系化合物のいずれかに属する化合物である。より具体的には、例えば塩酸ネチコナゾール(イミダゾール系化合物)、塩酸アモロルフィン(モルホリン系化合物)、塩酸テルビナフィン(アリルアミン系化合物)、及び塩酸ブテナフィン(ベンジルアミン系化合物)を挙げることができる。 本発明の医薬組成物におけるこれらの抗真菌剤の含有量は、真菌の生育を阻止あるいは該病原菌を致死する効果がある限り特に制限されないが、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。 本発明の外用医薬組成物は、大きく分けて、上記抗真菌剤に加えてビタミンA類を含有する外用医薬組成物、及び上記抗真菌剤に加えてビタミンE類を含有する外用医薬組成物の2つに分類することができる。以下、これらの外用医薬組成物について説明する。 (I-1) 抗真菌剤及びビタミンA類を含有する外用医薬組成物 本発明においてビタミンA類とは、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、及びこれらの薬学的に許容される塩、並びにこれらの薬学的に許容される誘導体を意味する。なお、ビタミンA類は単品(例えば、純品)であっても、また上記成分を含有する組成物(例えば、混合物または粗精製物)の形態であってもよい。ここで誘導体としては、ビタミンA類に属するものであって薬学的に許容されるものであればよく、具体的には、薬学上許容されるレチノールのC1〜C30エステル、好ましくはレチノールのC2〜C20エステルが含まれる。日本薬局方に収載されているビタミンA類としては、例えば肝油、強肝油、ビタミンA油、酢酸レチノール及びパルミチン酸レチノール等を挙げることができる。 本発明の外用医薬組成物におけるこれらのビタミンA類の含有量は、上記抗真菌剤の殺菌効果を増強する効果を有する範囲であれば、特に制限されない。通常、最終の外用医薬組成物を100gに調整した場合、その中にビタミンA類が1000〜100万ビタミンA単位、好ましくは1万〜50万ビタミンA単位、より好ましくは5万〜50万ビタミンA単位の割合で含まれていることが好ましい。この限りにおいて、特に制限されないが、外用医薬組成物100重量%中に配合するビタミンA類の割合は、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合はその総和として)、0.01〜20重量%の範囲を挙げることができる。好ましくは0.02〜10重量%、より好ましくは0.05〜2重量%の範囲である。 なお、本発明の外用医薬組成物は、本発明の効果を損なわないことを限度として、所望の他の薬効成分を含むこともできる。これらの薬効成分としては、例えば塩酸クロルヘキシン、塩化ベンザルコニウム、フェノール及び液状フェノールなどの殺菌・消毒剤;例えばジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及びマレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤;例えばクロタミトンなどの鎮痒剤;例えばサルチル酸などの角質軟化剤;例えばリドカイン、塩酸リドカイン及び塩酸ジブカイン等の局所麻酔剤;例えばグリチルレチン酸、及びβ−グリチルレチン酸等の抗炎症剤;例えばl−メントール等の局所刺激剤;酸化亜鉛などの収斂保護剤;グリセリン、ラノリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤;その他、副腎皮質ホルモン、サルファ剤、抗アレルギー剤、抗生物質、抗ウイルス剤、組織修復促進剤、免疫抑制剤、清涼化剤、ビタミンD3類、止血剤などを例示することができる。 本発明の外用医薬組成物は、後述するように、その他、製剤化並びにその安定化の為に、薬学上許容される各種の担体並びに添加剤を配合することもできる。但し、ピルビン酸またはその塩、脂肪酸アミド、及びニトロイミダゾール誘導体に属する化合物を含まないことが望ましい。 本発明の外用医薬組成物は、ビタミンとして上記ビタミンA類を配合するものであって、他のビタミン(例えば、ビタミンE類)を含有する必要はない。但し、配合を制限するものではなく、例えばビタミンE類を組み合わせて用いる場合には、ビタミンE類を0.1〜20重量%未満の範囲で配合することができる。好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。なお、ビタミンE類としては、後述するものを挙げることができる。 (I-2) 抗真菌剤及びビタミンE類を含有する外用医薬組成物 本発明においてビタミンE類とは、トコフェロール、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される誘導体を意味する。ここで誘導体としては、ビタミンE類に属するものであって薬学的に許容されるものであればよく、具体的には、薬学上許容されるトコフェロールのC1〜C30エステル、好ましくはトコフェロールのC2〜C20エステルが含まれる。日本薬局方に収載されているものとしては、例えばコハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール酢酸カルシウム、酢酸トコフェロール、及びトコフェロール等が挙げられる。日本薬局方収載外のものとしては、例えば酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、d-δ-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、ニコチン酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、リノール酸DL-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、及び天然ビタミンE等を挙げることができる。本発明が対象とするビタミンE類は、好適には油溶性のものである。ビタミンEトコフェリル誘導体(例えば、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール-1000-スクシナート等)などのように、水への溶解性が改善されたビタミンEの水溶性誘導体である必要は必ずしもない。 本発明の外用医薬組成物におけるこれらのビタミンE類の含有量は、上記抗真菌剤の殺菌効果を増強する効果を有する範囲であれば、特に制限されない。通常、0.1〜20重量%未満の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。 本発明の外用医薬組成物は、ビタミンとして上記ビタミンE類を配合するものであって、他のビタミンを含有する必要はない。但し、配合を制限するものではなく、例えばビタミンA類を組み合わせて用いることもできる。この場合、最終の外用医薬組成物を100gとした場合、その中にビタミンA類が1000〜100万ビタミンA単位、好ましくは1万〜50万ビタミンA単位、より好ましくは5万〜50万ビタミンA単位の割合で含まれるように調整することができる。この限りにおいて、特に制限されないが、外用医薬組成物100重量%中に配合するビタミンA類の割合としては、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合はその総和として)、0.01〜20重量%の範囲を挙げることができる。好ましくは0.02〜10重量%、より好ましくは0.05〜2重量%の範囲である。 なお、ビタミンA類としては前述のものを挙げることができる。ビタミンE類とA類の両方を含む製剤として、トコフェロール・ビタミンA油(1g中トコフェロール20mg、ビタミンA油5mg[5,000ビタミンA単位])(ユベラJuvela軟膏:サンノーバーエーザイ社製)を挙げることができる。 抗真菌剤、ビタミンE類及びビタミンA類の3成分を含む本発明の外用医薬組成物において、各成分の含有量の特に好ましい組み合わせは、抗真菌剤0.01〜20重量%、ビタミンE類0.1〜20重量%未満、及びビタミンA類0.01〜20重量%(1000〜100万ビタミンA単位/100g医薬組成物);好ましくは抗真菌剤0.1〜10重量%、ビタミンE類0.1〜15重量%、及びビタミンA類0.02〜10重量%(1万〜50万ビタミンA単位/100g医薬組成物);より好ましくは抗真菌剤0.1〜5重量%、ビタミンE類0.1〜10重量%、及びビタミンA類0.05〜2重量%(5万〜50万ビタミンA単位/100g医薬組成物)である。 なお、本発明の外用医薬組成物は、本発明の効果を損なわないことを限度として、他の所望な薬効成分を含むこともできる。これらの薬効成分としては、例えば塩酸クロルヘキシン、塩化ベンザルコニウム、フェノール及び液状フェノールなどの殺菌・消毒剤;例えばジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及びマレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤;例えばクロタミトンなどの鎮痒剤;例えばサルチル酸などの角質軟化剤;例えばリドカイン、塩酸リドカイン及び塩酸ジブカイン等の局所麻酔剤;例えばグリチルレチン酸、及びβ−グリチルレチン酸等の抗炎症剤;例えばl−メントール等の局所刺激剤;酸化亜鉛などの収斂保護剤;グリセリン、ラノリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤;その他、副腎皮質ホルモン、サルファ剤、抗アレルギー剤、抗生物質、抗ウイルス剤、組織修復促進剤、免疫抑制剤、清涼化剤、ビタミンD3類、止血剤などを例示することができる。 本発明の外用医薬組成物は、後述するように、その他、製剤化並びにその安定化の為に、薬学上許容される各種の担体並びに添加剤を配合することもできる。但し、スクワラン、ピルビン酸またはその塩、及びニトロイミダゾール誘導体に属する化合物を含まないことが望ましい。 前述する(I-1)及び(I-2)の外用医薬組成物はいずれも、特にその剤形が制限されるものではなく、例えば、基材中に上記各成分(抗真菌剤、ビタミンA類及び/又はビタミンE類)を溶解または混合分散させて、粉末状、クリーム状、ペースト状、ジェリー状、ゲル状、乳液状、液状などの形態に調製したもの(例えば、散剤、軟膏剤、坐剤(膣錠を含む)、リニメント剤、クリーム剤、ローション剤、噴霧剤等)、基材や粘着剤中に上記各成分を溶解または混合分散させたものを支持体上に展延したもの(例えばハップ剤、プラスター剤、テープ剤等)などを挙げることができる。 なお、上記基剤としては、前述する条件のもと、本発明で用いる各成分が、基剤中に均一に融解・配合・分散されうるものであって薬学的に許容されるものであればよく、散剤、軟膏剤、坐剤(膣錠を含む)、リニメント剤、クリーム剤、ローション剤、噴霧剤などの基剤として従来公知のものを用いることができる。例えば、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドンなどのポリマー;ミツロウ、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、アボカド油、椿油、落花生油、牛脂、豚脂、ラノリン等、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの油脂類;白色ワセリン;流動パラフィン、シリコーン油、揮発性シリコーン油、ペトロラタム等の鉱油;ハイドロカーボンゲル軟膏(例えば、プラスチベース(商品名;大正製薬(株)製));ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸;乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル類;セチルアルコール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ポリエチレングリコール;モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル等の非イオン性界面活性剤;セチル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、N-アシルグルタミン酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤;エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;トリエタノールアミン;水などを挙げることができる。 上記支持体は、その剤形(例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ剤など)に応じて適宜選択される。例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム、アルミニウムシート、織布、不織布など、並びにこれらの積層シートを挙げることができる。 上記粘着剤は、薬学的に許容されるものであればよく、従来公知のものを用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。 さらに必要に応じて、アスコルビン酸、トコフェロール、クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤;デヒドロ酢酸、サリチル酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、及びチモールなどの防腐剤;ポリエチレングリコール、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びカルボキシプロピルセルロース等の増粘剤;クエン酸、乳酸、塩酸、及びホウ酸などの酸、またはリン酸二水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びトリエタノールアミン等のアルカリなどの緩衝剤(pH調整剤);カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機充填剤などを配合することもできる。 本発明の外用医薬組成物は、その形態に応じて汎用の外用製剤について慣用的に用いられる製造方法に従って調製することができる。本発明の外用医薬組成物は、皮膚患部に塗布若しくは噴霧または挿入して使用することができる。 その使用量は、患部の症状の程度や大きさ、疾患の種類等によって異なるが、通常、1日あたり0.01〜10gを、1回若しくは複数回にわけて使用される。 本発明の外用医薬組成物が対象とする外用疾患は、真菌によって生じる感染症(皮膚真菌症、皮下真菌症、及び粘膜真菌症)、及びそれによって生じる二次的疾患であり、具体的には白癬菌によって生じる白癬(白癬菌症);カンジダ菌によって生じる皮膚カンジダ症や膣カンジダ症:トリコモナス原虫の感染によって生じる膣トリコモナス症;癜風菌によって生じる癜風;その他、乾癬及び脂漏性皮膚炎などを例示することができる。白癬(白癬菌症)には、白癬菌によって生じる皮膚疾患である汗疱性白癬、小水疱性斑状白癬、頭部浅在性白癬(しらくも)、頑癬、足部白癬・手部白癬(みずむし)、体部白癬(たむし・ぜにたむし)、陰股部白癬(いんきんたむし)、及び毳毛部白癬などが含まれる。 本発明の外用医薬組成物((I-1)、(I-2))は、抗真菌剤にビタミンA類または/及びビタミンE類を組み合わせて用いることにより、抗真菌剤を単独で使用するよりも殺菌効果に優れている。このため、目的に応じて、抗菌力はそのままに使用量を低減することも可能であり、効能及び副作用の点から好ましい皮膚外用剤である。 II.抗真菌剤の殺菌力を増強する方法 本発明の方法は、抗真菌剤にビタミンA類及びビタミンE類よりなる群から選択される少なくとも1種を組み合わせて使用することによって実施することができる。 ここで、対象とする抗真菌剤としては、前記(I)に記載するものを挙げることができる。好ましくは、モルホリン系化合物、ベンジルアミン系化合物、イミダゾール系化合物、及びアリルアミン系化合物に属するものである。具体的には、塩酸アモロルフィン、塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾール、及び塩酸テルビナフィンを挙げることができる。 当該抗真菌剤に組み合わせて用いられるビタミンA類としては、前記(I)に記載するものを挙げることができる。好ましくは、肝油、強肝油、ビタミンA油、酢酸レチノール及びパルミチン酸レチノールであり、より好ましくは肝油、ビタミンA油、及びパルミチン酸レチノールを挙げることができる。 抗真菌剤と組み合わせて用いられるビタミンA類の配合割合としては、抗真菌剤の殺菌力、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌力を増強・向上する割合であれば特に制限されず、用いる抗真菌剤の種類に応じて適宜選択調整することができる。例えば、抗真菌剤1gに対して、50〜10000万ビタミンA単位となるような範囲でビタミンA類を用いることができる。好ましくは1000〜500万ビタミンA単位、より好ましくは1万〜500万ビタミンA単位となるような範囲での使用である。なお、この限りにおいて特に制限されないが、抗真菌剤100重量部に対するビタミンA類の割合は、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合はその総和として)、0.05〜200000重量部の範囲を挙げることができる。好ましくは0.2〜10000重量部、より好ましくは1〜2000重量部の範囲である。 また抗真菌剤に組み合わせて用いられるビタミンE類としては、前記(I)に記載するものを挙げることができる。好ましくはコハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、コハク酸トコフェロール酢酸カルシウム、酢酸トコフェロール、及びトコフェロールであり、より好ましくは酢酸トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール、及びトコフェロールを例示することができる。 抗真菌剤と組み合わせて用いられるビタミンE類の配合割合としては、抗真菌剤の殺菌力、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌力を増強・向上する割合であれば特に制限されず、用いる抗真菌剤の種類に応じて適宜選択調整することができる。例えば、抗真菌剤100重量部に対して、ビタミンE類を0.5〜200000重量部未満、好ましくは1〜20000重量部、より好ましくは2〜10000重量部の割合で配合することができる。 前述するようにビタミンA類またはビタミンE類はそれぞれ単独で抗真菌剤と組み合わせて用いられることによって、抗真菌剤が単独で奏する殺菌力、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌力を増強・向上することができるが、ビタミンA類とビタミンE類とを組み合わせることもできる。この場合の、ビタミンA類とビタミンE類との組み合わせとしては、例えばビタミンA油と酢酸トコフェロールとの組み合わせ、ビタミンA油と酢酸d-α-トコフェロールとの組み合わせ、パルミチン酸レチノールと酢酸トコフェロールとの組み合わせを挙げることができる。またこの場合のビタミンA類の配合割合としては、抗真菌剤1gに対して、ビタミンA類が50〜10000万ビタミンA単位、好ましくは1000〜500万ビタミンA単位、より好ましくは1〜500万ビタミンA単位となるような割合を挙げることができる。この限りにおいて特に制限されないが、抗真菌剤100重量部に対するビタミンA類の割合は、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合はその総和として)、0.05〜200000重量部の範囲である。好ましくは0.2〜10000重量部、より好ましくは1〜2000重量部の範囲である。また、抗真菌剤100重量部に対するビタミンE類の割合としては、0.5〜200000重量部未満、好ましくは1〜20000重量部、より好ましくは2〜10000重量部の範囲を挙げることができる。 本発明の方法によれば、抗真菌剤にビタミンA類または/及びビタミンE類を組み合わせて用いることにより、抗真菌剤単独の殺菌効果、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌力を増強することができる。よって本発明は、抗真菌剤の殺菌効果、または抗真菌剤を含む組成物の殺菌効果を増強するために有効に利用することができる。抗真菌剤の殺菌力を増強することによって、抗真菌剤やそれを含む組成物(外用医薬組成物)の水虫やたむし等の白癬症やカンジダ症などの皮膚真菌感染症の治癒効果を向上することができる。また、抗真菌剤の殺菌力を増強することによって、有効な殺菌効果を維持しながら外用医薬組成物に配合する抗真菌剤を減量することが可能であり、その結果、経済的であり、しかも可能性として生じ得る副作用を防止することができる。 第1の発明である外用医薬組成物は、抗真菌剤にビタミンA類またはビタミンE類のいずれか少なくとも一方が含まれているので、真菌、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌効果が、抗真菌剤を単独で使用する場合よりも高く、またビタミンA類またはビタミンE類のいずれか少なくとも一方とを併用することにより、殺菌効果はそのままに抗真菌剤を減量することが可能で、その結果、可能性として生じ得る副作用を防止することができる。ゆえに本発明の外用医薬組成物は、より安全で、効き目の優れた白癬治療剤(例えば、水虫・たむし用治療薬)、癜風治療剤、カンジダ症治療剤またはトリコモナス治療剤、並びに真菌感染によって二次的に生じる皮膚疾患の治療剤など、外用剤として有効に使用することができる。 また第2の発明によれば、抗真菌剤にビタミンAまたはビタミンEのいずれか少なくとも一方を併用することにより、抗真菌剤の真菌に対する殺菌効力、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌効力を増強することができる。 以下、実施例等を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1〜3及び比較例1 表1に示す各成分を混合して、全成分が基材に溶解するまで攪拌して、ローション剤を調製した。 試験例1 モルモットの実験的白癬に対する治療効果(殺菌力評価) 上記で得られたローション剤(実施例1〜3、比較例1)を供試剤として、逆培養試験法に基づいて、本発明の外用医薬組成物の白癬に対する治療効果を調べた。 まず、ハートレー系雄性モルモット(8週齢6匹:体重400〜600g)に実験的に白癬を発症させ、治療効果を検討した。まず、モルモットの背部(脊柱より左右2cm離した体側部、各2cm x2cm、5カ所/匹)の毛を毛抜きで抜毛したのち、当該部位を2cm角の布粘着テープで2回ストリッピングし、皮膚角質層上部を除去した。翌日(菌接種当日)、再度抜毛部位を2cm角の布粘着テープで1回ストリッピングし、皮膚角質層上部を除去し、菌接種直前に酒精綿で当該皮膚表面を消毒した。この部分に、2×107分生子/mlに調製した接種菌(Tricophyton mentagrophytes TIMM 1189)の胞子懸濁液0.1mlを塗布した。 各モルモットにつき、菌接種した皮膚表面5部位のうち4部位に実施例1〜3及び比較例1のローション0.3ml塗布し、残り1部位は無処置対照箇所(菌液接種のみ)とした。ローションの塗布は、菌接種5日後から1日1回、10日間連続して行った。 <逆培養試験>(1) 菌接種後15日目にエーテル麻酔下で安楽死させる。(2) 各被験部位の皮膚を切り取る。(3) 0.1%ゼットコンク液20mLを加えた50mLの遠心管に摘出した皮膚を入れ、ボルテックスミキサーを用いて約30秒間攪拌し消毒する。(4) 生理食塩水20mLを加えた50mLの遠心管に消毒後の皮膚を入れて、約30秒間攪拌して消毒剤を洗浄する。(5) 皮膚を適当な大きさの6個の小片に分割する。(6) 各小片の皮膚表皮側を下にした状態で抗生剤添加サブロー寒天平板培地上に載せ、恒温培養装置で27℃、14日間培養する。培養結果の判定は培養開始後15日目に行う。(7) 皮膚小片の周囲に、T. mentagrophytesのコロニーが、1個でも発育したものを菌陽性と判断する。小片別菌陰性率(%)は、被験物質群毎に下式により求める。 小片別菌陰性率(%)=〔菌陰性小片数/総小片数〕 × 100 なお、上記塩酸テルビナフィンに代えて、塩酸アモロルフィン、塩酸ブテナフィン、または塩酸ネチコナゾール、をそれぞれ用いた場合も同様の結果が得られた。 処方例1 下記の処方に従って、常法によりスプレー剤を調製した。塩酸アモロルフィン 0.2(g)ビタミンA油(100万ビタミンA単位/g) 1.0リドカイン 0.5イソプロピルメチルフェノール 0.06l-メントール 0.2dl-カンフル 0.1ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル 1.0ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4.0タルク 3.0アルコール 29.94液化石油ガス 60.0 合 計 100.0 g。 処方例2 下記の処方に従って、常法によりクリーム剤を調製した。塩酸ブテナフィン 1.0(g)酢酸トコフェロール 2.0 リドカイン 2.0ジフェンヒドラミン 1.0イソプロピルメチルフェノール 0.1l-メントール 0.2dl-カンフル 0.1ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル 1.0ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4.0タルク 3.0アルコール 25.6液化石油ガス 60.0 合 計 100.0g。 処方例3 下記の処方に従って、常法により液剤を調製した。塩酸ネチコナゾール 1.0(g)パルミチン酸レチノール(100万ビタミンA単位/g) 0.5 酢酸d-α-トコフェロール 1.0 塩化ベンゼトニウム 0.1l-メントール 1.0dl-カンフル 0.1アルコール 96.3 合 計 100.0g。 本発明によれば、殺菌力に優れ、また皮膚刺激性が緩和な外用医薬組成物を提供することができる。特に本発明の外用医薬組成物は、白癬菌による感染によって生じる皮膚疾患、例えば水虫やたむし等の白癬、またカンジダ症に対して有効に使用することができる。さらに本発明によれば、抗真菌剤の特に白癬菌に対する抗菌活性を増強することができる。また、本発明によれば、抗真菌剤の抗菌活性の増強によって使用量を低減することができ、これによって抗真菌剤が生じ得る不都合な副作用(例えば、皮膚刺激性)を緩和低減することが可能となる。抗真菌剤、並びにビタミンA類及びビタミンE類よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する外用医薬組成物。外用医薬組成物中の抗真菌剤の割合が、0.01〜20重量%である請求項1に記載する外用医薬組成物。外用医薬組成物中のビタミンE類の割合が、0.1〜20重量%未満である請求項1または2に記載する外用医薬組成物。外用医薬組成物100重量%中のビタミンA類の割合が、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタミンA酸、3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合(2種以上含む場合はその総和)に換算して0.01〜20重量%であって、外用医薬組成物を100gに調整した場合に、ビタミンA類を1000〜100万ビタミンA単位の割合で含むものである、請求項1乃至3のいずれかに記載する外用医薬組成物。抗真菌剤が、モルホリン系化合物、ベンジルアミン系化合物、イミダゾール系化合物、及びアリルアミン系化合物よりなる化合物群から選択される少なくとも1つである請求項1乃至4のいずれかに記載の外用医薬組成物。抗真菌剤が、塩酸アモロルフィン、塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾール、及び塩酸テルビナフィンよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至5のいずれかに記載の外用医薬組成物。白癬、皮膚カンジダ症、膣カンジダ症、膣トリコモナス症、癜風、乾癬及び脂漏性皮膚炎よりなる群から選択される皮膚真菌感染症の治療薬である請求項1乃至6のいずれかに記載の外用医薬組成物。抗真菌剤に、ビタミンA類及びビタミンE類よりなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、抗真菌剤の殺菌力増強方法。 【課題】 抗真菌剤の殺菌効果を高めることによって皮膚真菌感染性疾患の治療に有効且つ安全に使用できる外用医薬組成物を提供する。また、抗真菌剤の殺菌効果を増強する方法を提供する。【解決手段】 外用医薬組成物については、抗真菌剤、並びにビタミンA類及びビタミンE類よりなる群から選択される少なくとも1種を配合して外用医薬組成物を調製する。抗真菌剤の殺菌力向上方法については、抗真菌剤に、ビタミンA類及びビタミンE類よりなる群から選択される少なくとも1種を配合する。【選択図】なし