生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アゼチジン型アミノ酸
出願番号:2003321809
年次:2005
IPC分類:7,C07D205/04,A61K31/397,A61K35/70,A61P9/12,A61P29/00,A61P35/00,C12P13/04


特許情報キャッシュ

秋久 俊博 浮谷 基彦 木村 由美子 真船 祥一 JP 2005089327 公開特許公報(A) 20050407 2003321809 20030912 アゼチジン型アミノ酸 学校法人日本大学 899000057 浅村 皓 100066692 浅村 肇 100072040 高松 武生 100107146 安藤 克則 100107504 秋久 俊博 浮谷 基彦 木村 由美子 真船 祥一 7C07D205/04A61K31/397A61K35/70A61P9/12A61P29/00A61P35/00C12P13/04 JPC07D205/04A61K31/397A61K35/70A61P9/12A61P29/00A61P35/00C12P13/04 4 OL 9 4B064 4C086 4C087 4B064AE03 4B064CA05 4B064DA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086BC02 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA42 4C086ZB11 4C086ZB26 4C087AA02 4C087AA04 4C087BC10 4C087CA10 4C087CA11 4C087CA38 4C087NA14 4C087ZA42 4C087ZB11 4C087ZB26 本発明は、アゼチジン型の新規構造をもつアミノ酸に関する。本発明の上記化合物は、好ましくは麹、特に好ましくは紅麹粉末を処理して得られる。 トリメチレンイミン環をもつアゼチジン型アミノ酸としてこれまで知られている化合物としては、セイヨウスズラン(Comvallaria majalis L.;ユリ科)の葉部から得られる(S)−(−)−アゼチジン−2−カルボン酸[(S)−(−)−azetidine-2-carboxylic acid](例えば、非特許文献1参照。)、合成物であるsyn−アゼチジン−2,4−ジカルボン酸(例えば、非特許文献2参照。)及び(+)−及び(−)−anti−アゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(+)−及び(−)−anti-azetidine-2,4-dicarboxylic acid](例えば、非特許文献3参照。)等がある。 しかし、上記文献には、(+)−モナスカミン酸(化合物1)及び(−)−モナスカミン酸(化合物2)についての記載はない。Cromwell、Phillips、Chem. Rev.79巻、331頁(1979)Kozikowski等、J. Med. Chem. 33巻、1561頁(1990)Kozikowski等、J. Med. Chem. 36巻、2706頁(1993) そこで本発明の課題は、新規な構造をもつアゼチジン型アミノ酸を提供することである。 種々の生理活性をもつ可能性のあるアミノ酸の探索を行うには、これまでにも血圧降下作用を示すγ−アミノ酪酸(GABA)や、コレステロール生合成阻害活性を有するモナコリンKが含まれることが明らかにされている紅麹[田辺伸和、食品と開発、33巻、18頁(1998)]の成分探索を行うのが最適と考えられる。紅麹はMonascus属の紅麹菌を穀類で培養を行うことにより得られるが、天然の赤色着色料(天然食品添加物)として生産利用されている。 本発明者等は、紅麹粉末を処理して得られる化合物に注目して鋭意研究を行った結果、2種のアミノ酸を見出し、それらが(+)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(+)−syn-2-isobutyl-4-methylazetidine-2,4-dicarboxylic acid][(+)−モナスカミン酸、(+)-monascumic acid;化合物1]及び(−)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(−)−syn-2-isobutyl-4-methylazetidine-2,4-dicarboxylic acid][(−)−モナスカミン酸、(−)−monascumic acid;化合物2]の構造をもつ新規なアゼチジン(トリメチレンイミン)型アミノ酸であることを明らかにし、本発明を完成するに至った。 よって本発明は、特に紅麹粉末成分に2種の新規アミノ酸を見出した点に重要な意味を有する。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明は、麹、好ましくは紅麹を処理して得られる2種の新規アゼチジン型アミノ酸、即ち(+)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(+)−モナスカミン酸;化合物1]及び(−)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(−)−モナスカミン酸;化合物2]に関する。 本発明におけるアゼチジン型アミノ酸を得るためには、不整子嚢菌綱ベニコウジカビ科のMonascus属に属する紅麹菌が用いられる。菌種としてはMonascus anka、M. major、M. pilosus、M. purpureus等が挙げられる。繁殖用の穀類としては、紅麹が繁殖可能なものであれば如何なるものでもよいが、米や小麦等のデンプン質なものが望ましい。培養方法としては、通常の製麹方法だけでなく、液体培養も可能である。これらの製麹方法、培養方法は、当該分野において公知である。紅麹色素は、工業用に生産されている液体または粉末状のものを使用することも可能である。 本発明においては、例えば、紅麹菌を穀類で培養して得られた培養物の乾燥粉末から、水、有機溶媒、あるいは水−有機溶媒混合物で抽出してアゼチジン型アミノ酸を得る。 抽出用の溶媒としては、特に水、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、アセトン等が好ましく、これらの溶媒を単独又は混合して用いることができる。得られた抽出物を処理してアゼチジン型アミノ酸が得られる。 合成syn−アゼチジン−2,4−ジカルボン酸は、小脳顆粒培養細胞においてN−メチル−D−アスパラギン酸塩受容体を低濃度(<50μモル)で変調させ、また、高濃度ではグルタミン酸塩様作用薬活性を示すことが明らかにされているが[Kozikowskiら、J. Med. Chem. 33巻、1561頁(1990)]、本発明のアゼチジン型アミノ酸(化合物1及び2)は、これと類似した構造をもち、したがって、本発明の化合物1及び2にもこれと同様の活性がある。また、紅麹等に検出されている、タンパク質非構成アミノ酸であるγ−アミノ酪酸(GABA)には、血圧降下作用が確認されているが、これと同様にタンパク質非構成アミノ酸である本発明のアゼチジン型アミノ酸(化合物1及び2)にも、これと同様の活性がある。 よって、本発明のアゼチジン型アミノ酸は、前記の性質に絡んだ、血圧降下剤等の有用な用途を有する。また、EVB−EA抑制効果、抗炎症効果をもち、発癌予防剤、抗炎症剤としての用途もある。 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。紅麹の調製 紅麹粉末は、精白米にMonascus pilosus IFO 4520を繁殖させるKohamaらの方法[Chem. Pharm. Bull.、35巻、2484頁(1987)]により得た。即ち、精白米を12時間水に浸漬し、水切りした後、121℃で30分間オートクレーブ中で蒸煮滅菌した。これに、Monascus pilosus IFO 4520を植菌し、30℃で14日間好気的条件下で培養した。得られた紅麹は水分含有率8%になるまで70℃で通風乾燥した。抽出及び分画 紅麹粉末(1.5kg)に12Lの70%エタノールを加え30分間攪拌抽出した。混合物は吸引濾過をし、残渣は3Lの70%エタノールで洗浄した。濾液と洗液の合液は50℃減圧下で溶媒の留去を行い、70%エタノール抽出物(152.9g)を得た。この抽出物は1Lの水に縣濁させ、酢酸エチル(0.5Lずつ5回)、続いてn−ブタノール(0.5Lずつ5回)で抽出した。酢酸エチル、n−ブタノール及び残っている水層はそれぞれ50℃で減圧溶媒留去を行い、酢酸エチル(26.1g)、n−ブタノール(23.2g)、及び水(100.4g)画分を得た。アミノ酸の単離 n−ブタノール画分の一部(20.0g)についてオクタデシルシリカ(100g;Chromatorex-ODS、100−200メッシュ;富士シリシア(株))カラムクロマトグラフィーを行った。カラムは次の混合溶媒で溶出させ、10(A〜J)画分に分画した:画分A[9.67g;メタノール−水(3:7)1.5L]、B[1.76g;メタノール−水(3:7)2.0L]、C[0.35g;メタノール−水(7:3)1.0l]、D[2.64g;メタノール−水(7:3)3.0L]、E[0.36g;メタノール−水(7:3)6.0L及びメタノール−水(9:1)1.0L]、F[0.46g;メタノール−水(9:1)1.0L]、G[0.58g;メタノール−水(9:1)2.0L及びメタノール0.5L]、H[0.59g;メタノール2.5L]、I[0.44g;メタノール2.5L及びメタノール−酢酸エチル(9:1)3.5L]、及びJ[0.44g;メタノール−酢酸エチル(1:1)1.5L及び酢酸エチル2.0L]。画分Bの一部(45mg)について分取HPLC[カラム:Pegasil ODS IIカラム(25cm x 内径10mm)センシュー科学社;溶出液:アセトニトリル−水−酢酸(10:90:3)、流速:3mL/分]を行い、化合物1[10mg;保持時間30分;(+)−モナスカミン酸]及び化合物2[30mg;保持時間26分;(−)−モナスカミン酸]を得た。これらの化合物の諸性質及びスペクトルデータを以下に示した。なお、NMRデータ(DMSO−d6中で測定)は表1に示した。(+)−モナスカミン酸(化合物1) 無色針状結晶、mp 122−123℃(酢酸エチルより結晶化)。[α]25D+3.7°(c 0.39、アセトン)。IR νmax(KBr)3420、3290(>NH)、1717、1681、1239(−COOH)cm−1。13C(100MHz)及び1H(400MHz)NMR(ピリジン−d5):C−2[TMC74.5(s)]、C−3[46.4(t);δH2.76(Ha,d,J=16.4Hz)、2.94(Hb,d、J=16.4Hz)]、C−4[79.0(s)]、C−5[22.3(q);1.84(s)]、C−6[45.1;1.76(Ha,brd、J=12.4Hz)、2.34(Hb,dd、J=8.3、12.4Hz)]、C−7[25.3(d);2.11(m)]、C−8あるいはC−9[25.1(q);1.01(d、J=6.6Hz)]、C−9あるいはC−8[22.5(q);1.15(d、J=6.6Hz)]、C−10[174.8(s);9.49(COOH、s)]、C−11[174.8(s);9.49(COOH、s)]。EIMS(%)m/z215[M]+(6)、197[M−H2O]+(26)、172[M−C3H7(イソプロピル)]+(41)、170[M−COOH]+(16)、158[M−C4H9(イソブチル)]+(6)、154[M−COOH−CH3−H]+(81)、141(6)、130(35)、112[M−C4H9−COOH−H]+(23)、88(100)、85(35)、70(17)、58(35)。高分解能EIMSm/z215.1157(計算値C10H17NO4[M]+、215.1157)。(−)−モナスカミン酸(化合物2) 無色針状結晶、mp 122−123℃(酢酸エチルより結晶化)。[α]25D−4.4°(c 0.36、アセトン)。IR νmax(KBr)3422、3290(>NH)、1718、1682、1239(−COOH)cm−1。EIMS(%)m/z215[M]+(16)、197(67)、172(80)、170(43)、158(16)、158(16)、154(100)、141(13)、130(70)、112(42)、88(97)、85(61)、70(25)、58(52)。高分解能EIMSm/z215.1160(計算値C10H17NO4[M]+、215.1157)。高分解能FABMSm/z216.1236(計算値C10H18NO4[MH]+、216.1235)。 以下には新規化合物1及び2の構造決定について述べた。 図1は、(+)−モナスカミン酸[(2S,4R)あるいは(2R,4S)]及び(−)−モナスカミン酸[(2R,4S)あるいは(2S,4R)]の化学構造を示す。 図2は、化合物1[(+)−モナスカミン酸;(2S,4R)あるいは(2R,4S)]及び化合物2[(−)−モナスカミン酸;(2R,4S)あるいは(2S,4R)]の代表的なNOE相関関係(←→)を示す。化合物1の構造決定 化合物1は高分解能EIMS([M]+m/z215.1157)及び13C NMR DEPTより、C10H17NO4の分子式をもつことが示された。本化合物は2個の第二級メチル基[δH0.81(d、J=6.4Hz)、0.88(d、J=6.6Hz);NMR測定溶媒:DMSO−d6]、1個の第三級メチル基[δH1.31(s)]、2個のメチレン基[δC43.7(t)、δH1.36(1H、dd、J=2.9、12.8Hz)及び1.71(1H、dd、J=9.0、12.8Hz);及びδC45.0(t)、δH1.99(1H、d、J=16.3Hz)及び2.45(1H,d、J=16.3Hz)]、1個のメチン基[δC23.7(d)、δH1.66(m)]、イミン基[δH1.91(1H,s);νmax3422、3290cm−1]に結合した2個のsp3第四級炭素[δC72.2(t)及び77.6(t)]、及び2個のカルボキシル基[νmax1717、1681、1239cm−1;δC172.8(s)及び173.6(s);δH7.94(2H,s)]をもつことが種々のスペクトル法により示された。また、代表的なMS開裂イオンをm/z170[M−COOH]+、158[M−C4H9(イソブチル)]+、及び154[M−COOH−CH3−H]+に示したことも併せて、化合物1は、C−2位にカルボキシル基とイソブチル基が置換し、一方、C−4位にカルボキシル基とメチル基の置換した4員環のアゼチジン(トリメチレンイミン)構造をもつことが示唆された。この推定構造は13C DEPT NMR法、1H−1H COSY法、HMQC法、及びHMBC法(表1参照)等のNMR実験により確認した。化合物1の立体配置はNOESY法及び差NOE法実験により決定した。即ち、化合物1は、[Ha−6(δH1.36)〜Hb−3(δH2.45)〜H−5]間に顕著なNOE(核オーバーハウザー効果)相関を示しており、これは、C−2位のイソブチル基とC−4位のメチル基がアゼチジン環の同一の面に配向していることを示唆している(図2)。従って、化合物1は(2S,4R)−あるいは(2R,4S)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸構造をもつことを明らかにした。また、化合物1は正の比旋光度([α]D+3.7°)を示したので、(+)−モナスカミン酸と命名した。化合物2の構造決定 化合物2は化合物1と同一の分子式C10H17NO4(高分解能EIMS[M]+m/z215.1160)を有しており、13C NMR及び1H NMRスペクトルデータ(表1)、EIMS、IR、及び融点(段落0017参照)、さらにはNOE相関(図2)も化合物1の対応するデータとほぼ一致している。これは、化合物2が化合物1の鏡像異性体、即ち(2R,4S)−あるいは(2S、4R)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸構造を有していることを示唆している。この推定構造は、化合物2が化合物1のほぼ逆の比旋光度([α]D−4.4°)を示すことから支持された。化合物2は(−)−モナスカミン酸と命名した。(+)−モナスカミン酸[(2S,4R)あるいは(2R,4S)]及び(−)−モナスカミン酸[(2R,4S)あるいは(2S,4R)]の化学構造を示す。化合物1[(+)−モナスカミン酸;(2S,4R)あるいは(2R,4S)]及び化合物2[(−)−モナスカミン酸;(2R,4S)あるいは(2S,4R)]の代表的なNOE相関関係(←→)を示す。 (+)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(+)−モナスカミン酸]又は(−)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(−)−モナスカミン酸]の構造をもつアゼチジン型アミノ酸。 麹を処理して得られることを特徴とする、請求項1に記載のアゼチジン型アミノ酸。 麹粉末を処理して得られることを特徴とする、請求項2に記載のアゼチジン型アミノ酸。 麹が紅麹であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のアゼチジン型アミノ酸。 【課題】新規な構造をもつアゼチジン型アミノ酸を提供すること。【解決手段】(+)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(+)−モナスカミン酸]又は(−)−syn−2−イソブチル−4−メチルアゼチジン−2,4−ジカルボン酸[(−)−モナスカミン酸]の構造をもつアゼチジン型アミノ酸。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る