生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_透磁率測定方法及び測定装置
出願番号:2003306725
年次:2005
IPC分類:7,G01R33/12,G01N27/72,G01R33/16


特許情報キャッシュ

小野 清人 大谷 幸史 松尾 良夫 谷森 誉 大森 信司 JP 2005077203 公開特許公報(A) 20050324 2003306725 20030829 透磁率測定方法及び測定装置 FDK株式会社 000237721 茂見 穰 100078961 小野 清人 大谷 幸史 松尾 良夫 谷森 誉 大森 信司 7G01R33/12G01N27/72G01R33/16 JPG01R33/12 ZG01N27/72G01R33/16 4 1 OL 8 2G017 2G053 2G017AD03 2G017CA09 2G017CB11 2G017CB23 2G017CC02 2G053AB07 2G053AB19 2G053BA02 2G053BA15 2G053BB05 2G053BB11 2G053BC18 2G053CA03 2G053CA17 2G053CB22 2G053CB28 2G053DA01 2G053DA08 本発明は、任意形状の磁性試料の透磁率を簡便に測定できる技術に関するものである。更に詳しく述べると本発明は、磁性試料に測定用プローブを密着させてインダクタンスを測定するだけで透磁率を求めることができる簡易的な測定方法及び装置に関するものである。 フェライトのような磁性試料の透磁率を厳密に測定するには、所定寸法のリングコアに巻線を施し、そのインダクタンスを測定することによって行っている。材料開発の場合には、磁性粉体をリングに成形し焼成することでリングコアが得られる。しかし、焼成品のような場合には、磁性試料から所定寸法のリングコアを切り出さなければならない。そのため様々な形状の既存の製品の特性検査や選別には不向きである。特に、板状の試料などでは、巻線を施すことができないため測定できない。 板状の鋼板試料における局所的な透磁率を得る方法として、U型などの磁気コアを用いる透磁率測定技術が提案されている(特許文献1参照)。これは、磁気コアに励磁用コイルと検出コイルを巻装し、該磁気コアを試料に近づけ、励磁用コイルに交流電流を供給して検出コイルに誘導される信号の強度を測定し、磁気コアと試料との距離の関係に基づいて、鋼板の透磁率を測定する方法である。ここでは、U型磁気コアの開放端面と被測定物である鋼板試料の上面との間の距離(リフトオフ)を、例えば0.1mmに設定する。そして、検出コイルに誘導される信号強度を2位相ロックインアンプにより測定し、励磁電流は励磁用回路に介装したシャント抵抗の両端の電圧差から差動アンプにより求める。 しかし、この方法では、磁気コアの開放端面と鋼板試料の上面との間の距離を正確に測定するか、あるいは設定する必要がある。そのためには、定寸の非磁性スペーサを介装することが最も有効且つ唯一の方法である。ところが、スペーサの磁気抵抗が大きいため、それに対して試料の磁気抵抗が小さいときは、測定は著しく不正確になる。磁気抵抗が小さくなるのは、試料の透磁率が高いときや、磁気コアの両開放端が狭いときである。そのため、正確な測定を行うには、磁気コアは概して大きなものとなる。被測定物が、鋼板のように、非常に広い面積をもったものであれば、磁気コアが大きくても特に問題は生じない。しかし、被測定物がフェライト製のトランスやコアのような小型のあるいは複雑な形状の電子部品に対しては、このような測定方法は適用できない。また測定方法並びに測定装置も複雑である。特開平8−36038号公報 本発明が解決しようとする課題は、被測定物の形状によらず(磁性試料が小型であったり複雑な形状であっても)、簡便且つ迅速に透磁率を求めることができるようにすることである。 本発明は、軟磁性コアからなる開磁路構造の磁気ヨークにコイルを巻装し、該磁気ヨークの磁路開放部に被測定物である磁性試料を密着させることにより閉じた磁気回路を形成し、前記コイルのインダクタンスを測定して、予め求めた透磁率とインダクタンス値との関係から被測定物の透磁率を求めることを特徴とする透磁率測定方法である。 磁気ヨークとしては、透磁率が1,000以上、より好ましくは5,000以上の単一の軟磁性コアもしくは複数の軟磁性コアの組み合わせを用いる。形成した閉磁路は、密着状態によって結果的に生じる実効的なギャップが20μm以下、より好ましくは10μm以下となるようにする。 本発明は、軟磁性コアからなる開磁路構造の磁気ヨークにコイルを巻装し、該磁気ヨークの磁路開放部に被測定物である磁性試料を密着させることにより閉じた磁気回路を形成する測定用プローブと、コイルのインダクタンスを検出するインダクタンス検出部、必要な測定条件を記憶するメモリ、検出したインダクタンス及び記憶されている測定条件から透磁率を計算する演算部、その結果を表示する表示部を備えている測定演算表示部とからなる透磁率測定装置である。 通常、磁気ヨークとしては、U型の単一軟磁性コアを用い、その両端面を被測定物である磁性試料の表面に当接することで閉じた磁気回路を形成するように構成する。U型の軟磁性コアにコイルを巻装し、両端面のみが露出するように非磁性保持部材に埋設して測定用プローブとするのが好ましい。被測定物の形状によっては、磁気ヨークを、L型の軟磁性コアとI型の軟磁性コアの組み合わせとし、両コアを密着保持しつつ両コアで被測定物を挟むことで、閉じた磁気回路を形成するように構成することもできる。 本発明の透磁率の測定方法及び測定装置は、磁気ヨークと被測定物を密着してインダクタンスを測定するため、被測定物の形状によらず(たとえ被測定物である磁性試料が小型であったり、あるいは複雑な形状であっても)、簡便且つ迅速に透磁率を求めることができる。そのため、製品の特性検査や製品選別などを行うことが可能となる。 図1に示すように、磁気ヨーク10はU型の軟磁性コアからなり、その磁路開放部(両方の端面)に被測定物である磁性試料12を密着させることにより、閉じた磁気回路を形成できるようになっている。前記磁気ヨーク10にはコイル14が巻装されており、そのコイル14のインダクタンスをインダクタンス測定器16により測定する。そして、予め透磁率とインダクタンス値との関係を求めておくことで、測定したインダクタンスから磁性試料12の透磁率を求める。インダクタンス測定器16は、例えば市販のLCRメータであってよい。 磁性試料と磁気ヨーク間のギャップをパラメータとし、様々な磁性試料の透磁率とインダクタンスの関係をシミュレーションにより求めた結果を図2に示す。ギャップが大きいほど、インダクタンスの変化が少ないことが分かる。例えば、特許文献1で設定しているギャップ=0.1mmでは、透磁率が変化してもインダクタンスの変化が殆ど生じず、正確な測定が行えないことが分かる。それに対して、ギャップを0.02mm(20μm)あるいはそれ以下にすると、換言すると磁気ヨークを磁性試料に密着すると、測定したインダクタンス値から磁性試料の透磁率を読み取ることができる。 図3は、本発明に係る透磁率測定装置の一実施例を示すブロック図である。この透磁率測定装置は、測定用プローブ20と測定演算表示部22とから構成される。測定用プローブ20は、U型の軟磁性コアからなる磁気ヨーク24と、該磁気ヨーク24に巻装したコイル26とを備えている。この磁気ヨーク24は開磁路構造であり、その磁路開放部(両方の端面)に被測定物である磁性試料28を密着させることにより閉じた磁気回路を形成できる。従って、被測定物の大きさや形状に合わせて、それに適した寸法の磁気ヨークを用いる。測定演算表示部22は、コイル26のインダクタンスを検出するインダクタンス検出部30と、被測定物の形状、軟磁性コアの形状や透磁率、コイルの巻数などの測定条件を入力する入力部32と、それらの必要な測定条件を記憶するメモリ34と、検出したインダクタンス及び記憶されている測定条件から透磁率を計算する演算部36と、その結果を表示する表示部38を備えている。インダクタンス検出部30は、LCRメータと同様の原理でインダクタンスを測定するものであってよい。磁気ヨークの形状や透磁率、コイルの巻数などの情報を予めメモリに登録しておくことにより、測定時はその情報を呼び出すだけの簡単な操作で済ますことができる。 測定条件を登録後、被測定物である磁性試料28を磁気ヨーク24に密着させてほぼ完全な閉磁路を形成し、コイル26に交流信号を印加する。コイル26に加わる電圧・電流をインダクタンス検出部30で検出することにより、コイルのインダクタンスを求める。コイルのインダクタンスから、磁性試料と磁気ヨークとそれらの間の極微小ギャップ(密着状態)で形成された閉磁路の磁気抵抗を演算部36により計算する。ここで磁気ヨークと極微小ギャップの磁気抵抗はメモリに記憶されており、これを減じることによって磁性試料の磁気抵抗を求めることができる。磁性試料の磁気抵抗及び予め入力された被測定物の形状から透磁率を計算し、結果を表示部に表示させることができる。 磁性試料と磁気ヨークを密着させることで形成されたほぼ閉磁路の全体の磁気抵抗RT は、磁性試料と磁気ヨークと極微小ギャップの磁気抵抗を足し合わせたものであるから、RT =RS +RY +RG(RS :磁性試料の磁気抵抗、RY :磁気ヨークの磁気抵抗、RG :極微小ギャップの磁気抵抗)で表される。なお、極微小ギャップRG は、意図的に形成したものではなく、磁気ヨークと磁性試料とを密着することによって結果的に生じた等価的な意味でのギャップである。また、全体の磁気抵抗RT は、RT =N2 /L(N:コイルの巻数、L:コイルのインダクタンス)で与えられ、磁性試料と磁気ヨークを密着させた状態でコイルのインダクタンスを測定することにより求めることができる。各要素の磁気抵抗Re (即ちRS 、RY 、RG )は、Re =le /(μ0 ・μr ・Ae )(le :各要素の実効磁路長、Ae :各要素の実効断面積、μ0 :真空の透磁率、μr :各要素の比透磁率)でそれぞれ与えられる。RY 、RG は、寸法及び透磁率が既知であるため、予め求めておくことができる。これらを最初の式に代入し、N2 /L=le /(μ0 ・μr ・Ae )+RY +RG更に変形して、μr =le /{μ0 ・Ae ・(N2 /L−RY −RG }となる。よって、未知磁性試料の寸法と磁気ヨークに密着させたときのインダクタンスを測定することにより、磁性試料の比透磁率を求めることができる。ここでは簡単なモデルで計算しているが、漏れ磁束なども考慮に入れることによって、より精度の高い測定を行うことができる。 図4は、測定用プローブの好ましい一例を示している。Aは平面を、Bは縦断面を、Cは斜視図を表している。非磁性(ここではアルミニウム製)のほぼ四角板状の台座40を用い、コイル42を巻装したU型の軟磁性コア(磁気ヨーク)44を該台座40の下面側から挿入し、U型の軟磁性コア44の両端面が台座40の最上面にほぼ一致した状態で止めネジ46により固定する。なお、台座40の中央には、2つのコア挿入穴間を連結するようにスリット41を形成しておく。そして、U型の軟磁性コア44を台座40に組み付けた後、上面を研磨して軟磁性コア44の両端面が台座40の最上面と完全に一致した状態に調整する。台座40の下面にゴム足48を取り付け、側面には端子台50を取り付ける。端子台50にはコイル42の両方の端末を別々に接続すると共に、測定演算表示部とのリード線を接続できるようにする。測定は、測定用プローブの上に被測定物である磁性試料を載置密着させることにより行う。従って、トランスなどに用いられるE型コアやI型コア、U型コアなどでも、軟磁性コアの両端面にまたがるような平面部分があれば、十分に測定可能である。なお、スリット41を形成するのは、台座40がアルミニウムからなるので、もしスリットが無く電気伝導体が磁路を周回する形で連続していると、1ターンのコイルと同じことになり、巻装したコイルのインダクタンスが正確に測定できなくなるためである。従って、台座が電気絶縁体で製作されている場合には、このようなスリットを設ける必要はない。 測定結果の一例を図5に示す。被測定物となる磁性試料としてNiZnフェライトを用いた。図4に示す測定用プローブ上に様々な磁性試料を搭載し密着させた状態でインダクタンスを測定した。また同じ磁性試料からなるリングコアにコイルを直接巻き付けて透磁率を正確に測定した。磁性試料の透磁率と本発明方法により求めたインダクタンスの関係を黒丸でプロットした。また、有限要素法で解析した磁性試料の透磁率とインダクタンスの関係を曲線で示す。実測データ(黒丸)とシミュレーション(曲線)は、よい一致を示しており、このことから本発明方法が磁性試料の透磁率を簡便に測定するのに有効であることが分かる。 測定用プローブの他の例を図6に示す。Aは斜視図を、Bは縦断面を表している。アルミニウム製のほぼ円柱状の先端部材52を用い、コイル54を巻装したU型の軟磁性コア56を該先端部材52の基端側から挿入し、軟磁性コア56の両端面が先端部材52の先端面にほぼ一致した状態で止めネジ58によって固定する。なお、先端部材52の中央には、2つのコア挿入穴間を連結するようにスリット53を形成しておく。このスリット53も、前記実施例の場合と同様、電気伝導体が磁路を周回しないように、どこか1箇所で切れ目を入れるために設けている。そして、軟磁性コア56を先端部材52に組み付けた後、先端面を研磨して軟磁性コア56の両端面が先端部材52の先端面と完全に一致した状態に調整する。コイル54の端末をそれぞれ測定演算表示部とのリード線60に半田付けで接続する。先端部材52を円筒状の樹脂製ホルダ62にねじ込み、後端部はケーブルクランプ64をねじ込んでケーブル66を固定する。測定は、ホルダ62を掴んで被測定物である磁性試料に当接し密着させることにより行う。 図7は、磁気ヨークの他の例を示している。ここでは、Aに示すように、磁気ヨーク70は、L型の軟磁性コア72とI型の軟磁性コア74の組み合わせからなる。Bに示すように、L型の軟磁性コア72にコイル76を巻装する。そして、両方の軟磁性コア72,74を密着保持しつつ両コアで被測定物である磁性試料78を挟むことで、閉じた磁気回路を形成するようにしている。従って、小面積のコアでも挟むことが可能であれば測定することができ、例えばドラムコアなどでもその両端面間を挟むことで透磁率を求めることができる。 測定結果の一例を図8に示す。前記実施例と同様、磁性試料の透磁率とホルダ型の測定用プローブを用いて測定したインダクタンスの関係をプロットしている。この結果から、測定したインダクタンスから磁性試料の透磁率を求めることができることが分かる。 本発明方法及び装置は、被測定物の形状にかかわらず、たとえ小さくてもあるいは複雑な形状をしていてもかまわないため、電子部品としてのトランスやコイルのコアの特性測定や製品選別などに利用できる。本発明に係る透磁率測定方法の基本構成を示す説明図。磁性試料と磁気ヨーク間のギャップをパラメータとした透磁率とインダクタンスの関係を示すグラフ。本発明に係る透磁率測定装置の一実施例を示すブロック図。測定用プローブの好ましい一例を示す説明図。それによる測定結果の一例を示すグラフ。測定用プローブの他の例を示す説明図。磁気ヨークの他の例を示す説明図。それによる測定結果の一例を示すグラフ。符号の説明 10 磁気ヨーク 12 磁性試料 14 コイル 16 インダクタンス測定器軟磁性コアからなる開磁路構造の磁気ヨークにコイルを巻装し、該磁気ヨークの磁路開放部に被測定物である磁性試料を密着させることにより閉じた磁気回路を形成し、前記コイルのインダクタンスを測定して、予め求めた透磁率とインダクタンス値との関係から被測定物の透磁率を求めることを特徴とする透磁率測定方法。磁気ヨークとして、透磁率が1,000以上の単一の軟磁性コアもしくは複数の軟磁性コアの組み合わせを用いる請求項1記載の透磁率測定方法。軟磁性コアからなる開磁路構造の磁気ヨークにコイルを巻装し、該磁気ヨークの磁路開放部に被測定物である磁性試料を密着させることにより閉じた磁気回路を形成する測定用プローブと、コイルのインダクタンスを検出するインダクタンス検出部、必要な測定条件を記憶するメモリ、検出したインダクタンス及び記憶されている測定条件から透磁率を計算する演算部、その結果を表示する表示部を備えている測定演算表示部とからなる透磁率測定装置。磁気ヨークは、L型の軟磁性コアとI型の軟磁性コアの組み合わせからなり、両コアを密着保持しつつ両コアで被測定物を挟むことで、閉じた磁気回路を形成するようにした請求項3記載の透磁率測定装置。 【課題】 被測定物の形状によらず(たとえ磁性試料が小型であったり複雑な形状であっても)、簡便且つ迅速に透磁率を求めることができるようにする。【解決手段】 軟磁性コアからなる開磁路構造の磁気ヨーク10にコイル14を巻装し、該磁気ヨークの磁路開放部に被測定物である磁性試料12を密着させることにより閉じた磁気回路を形成し、前記コイルのインダクタンスをインダクタンス測定器16により測定して、予め求めた透磁率とインダクタンス値との関係から被測定物の透磁率を求める。【選択図】 図1


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