タイトル: | 公開特許公報(A)_コロナウイルス消毒剤 |
出願番号: | 2003301363 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A01N35/06,A61K31/095,A61P31/12 |
阿部 武彦 田代 容子 JP 2005068089 公開特許公報(A) 20050317 2003301363 20030826 コロナウイルス消毒剤 ヒノキ新薬株式会社 391064131 稲木 次之 100062373 加藤 和彦 100110906 阿部 武彦 田代 容子 7A01N35/06A61K31/095A61P31/12 JPA01N35/06A61K31/095A61P31/12 2 OL 3 4C206 4H011 4C206AA01 4C206AA02 4C206CB21 4C206KA01 4C206MA01 4C206MA04 4C206MA83 4C206NA14 4C206ZA90 4C206ZB33 4H011AA04 4H011BA04 4H011BB05 4H011BC03 4H011BC06 4H011DA13 4H011DA17 4H011DD07 本発明はヒノキチオールおよびそれらの塩及び誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を主成分としたコロナウイルス消毒剤に係わる。 コロナウイルスとは、プラス鎖1本鎖RNAウイルスで、そのRNAを取り囲むエンベロープ(envelope)と呼ばれるリポムコタンパク質からなる膜に覆われた構造を持つウイルスである。コロナウイルスは、人間に対して接触感染等により呼吸器系や腸管系に感染症を起すということが以前より知られている。加えて、近年、新種のコロナウイルスによる感染症(重症急性呼吸器症候群、SARS=Severe Acute Respiratory Syndrome)が、世界的に大きな社会問題となっている。 従来のウイルス撃退法としては、人体の免疫応答を誘導する方法を応用したワクチンが主流であった。しかし、コロナウイルスすべてに有効なワクチンはなく、現在も早急な開発が望まれている。また、ワクチン以外のウイルス撃退法には、抗ウイルス剤の存在がある。ウイルスは、細菌や真菌と異なり、人間の細胞に寄生し、宿主細胞の酵素などを用いて増殖する病原体であるため、抗ウイルス剤の開発についても、遅々として成果が上がっていない状況である。加えて、従来開発されている多くの抗ウイルス剤については、ウイルスの増殖を抑制すると同時に人体の細胞の生存・増殖に必要な合成機構なども阻害してしまうことが多く、副作用を生じるものが少なくない。このような背景のなか、安全性の高い抗ウイルス剤の開発が望まれている。 一方、感染予防対策としては消毒剤の存在がある。ワクチンや抗ウイルス剤の開発に到っていない現状では、コロナウイルス感染を防ぐためには、感染経路が接触感染であるといわれていることからも、ウイルスとの接触を避けるために、人体や手指などの消毒を心がけることが効果的である。 現在、推奨されているコロナウイルスに対する消毒方法としては紫外線照射、熱(熱湯:80℃、10分など)、次亜塩素酸ナトリウム、過酢酸、グルタルアルデヒド、ヨウ素系消毒剤、消毒用アルコール(80%消毒用エタノール)などである。しかし、紫外線照射、熱湯、次亜塩素酸ナトリウムや過酢酸では直接人体に使用するには副作用が大きく使用は困難である。また、グルタルアルデヒドは人体には刺激が強くこれも使用は困難である。加えて、ヨウ素系消毒剤は血液や喀痰が混入した場合、効果が著しく低下する。消毒用アルコールでは揮発性が強く、効果が一時的である。 このような理由から、人体にも使用でき、かつ効果的な消毒剤の早急な開発が望まれている。 したがって、本発明の目的はコロナウイルスによるウイルス感染を予防するため、人体にも使用でき、かつ効果的な消毒剤を提供する事にある。 前記目的を達成するために本発明者らは人体にも使用でき、安全性に優れた物質の中から、コロナウイルスによるウイルス感染の消毒効果を発現する物質を得るべく、鋭意研究を重ねた結果、ヒノキチオールおよびそれらの塩および誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物に、コロナウイルスに対して有効な消毒効果を見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、少なくとも一つの医薬的に許容されるキャリアーまたは賦形剤と共に、ヒノキチオールおよびそれらの塩および誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む組成物を提供する。 ヒノキチオール(4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−シクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン)は、青森ヒバ油、台湾ヒノキ油等の天然物からの抽出物として、あるいは化学合成によっても得られる物質である.このヒノキチオールは、抗菌、殺菌及び防腐の効果に優れ、しかも人体等の皮膚に対する刺激性が低いという性質を有することが既に知られているが、ヒノキチオールの抗ウイルス作用についてはほとんど研究がされてなく、さらにコロナウイルスについての作用の報告はない。また、抗菌作用と抗ウイルス作用をあわせて有する薬剤はきわめて少なく、あまり知られていない。 本発明を応用した組成物へのヒノキチオールおよびそれらの塩および誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物の配合量については限定しないが、0.001〜5.0重量%が好ましく、さらには0.01〜0.5重量%がより好ましい。 本発明によるコロナウイルス消毒剤としては、限定しないが通常使用される製剤用担体、賦形剤、その他の添加物を含む組成物をあげることができ、その製剤化は常法により行うことができる。 次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (液剤)ヒノキチオール0.5%、アルコール97.5%、精製水1%、ジプロピレングリコール1%を均一に混合し、液剤とする。この液剤をボトル等に充填し、コロナウイルスの消毒剤として、また、スプレー容器に充填し室内や物品・空気の清浄、マスク等に吹きかけ感染予防等に使用する。 (皮膚外用剤)ヒノキチオール0.1g、パラオキシ安息香酸メチルを0.1g、パラオキシ安息香酸プロピルを0.1g、プロピレングリコールを12g、および精製水37.7gを加温しながら攪拌溶解した。別に予め、白色ワセリンを25g、ステアリルアルコールを20g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を4g、及びモノステアリン酸グリセリン1gを加温しながら攪拌混合した溶液を前記溶液に加え、ホモミキサーを用いて乳化し、O/W型クリーム剤を得た。これを常法により10gずつアルミチューブに充填し、コロナウイルスの消毒剤として、人体や手指等の清浄に使用する。 以上、詳述したごとく、本発明により、コロナウイルスに対して有効な消毒効果を有し、しかも、人件に対して安全性が高い、コロナウイルス消毒剤を得ることが可能となる。ヒノキチオールおよびそれらの塩及び誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を主成分としたコロナウイルス消毒剤ヒノキチオールおよびそれらの塩及び誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.001〜5.0重量%含有する請求項1に記載のコロナウイルス消毒剤 【課題】 コロナウイルスに対して有効な消毒効果を有し、しかも、人件に対して安全性が高い、コロナウイルス消毒剤を提供する。 【解決手段】 ヒノキチオールおよびそれらの塩および誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を主成分とし、かつ少なくとも一つの医薬的に許容されるキャリアーまたは賦形剤を含む組成物を用いる。例えばヒノキチオール0.5%、アルコール97.5%、精製水1%、ジプロピレングリコール1%を均一に混合し、この液剤をボトル等に充填し、コロナウイルスの消毒剤として、また、スプレー容器に充填し室内や物品・空気の清浄、マスク等に吹きかけ感染予防等に使用する。