生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_発光分析装置
出願番号:2003298654
年次:2005
IPC分類:7,G01N21/67


特許情報キャッシュ

土生 俊也 菅瀬 晶 JP 2005069816 公開特許公報(A) 20050317 2003298654 20030822 発光分析装置 株式会社島津製作所 000001993 野口 繁雄 100085464 土生 俊也 菅瀬 晶 7G01N21/67 JPG01N21/67 B 3 1 OL 7 2G043 2G043AA01 2G043CA05 2G043DA08 2G043EA09 2G043GA09 2G043GB01 2G043GB10 2G043GB16 2G043GB17 2G043JA01 本発明は、分析する試料をスパーク放電により励起発光させ、試料から放射された光を分光してスペクトルを測定することによって試料を分析する発光分析装置に関する。 発光分光分析装置は、分析試料を励起発光させ、放射された光を分光器などを用いて試料の元素特有のスペクトル線に分け、そのスペクトル線の有無と強度を測定することにより試料に含まれる元素の種類(定性)と、各元素の含有量(定量)を分析するものである。試料を励起発光させる方法として直流アーク放電とスパーク放電が比較的簡単な装置で発生させられるため従来から発光分光分析では広く一般的に用いられている(特許文献1参照。)。 直流アーク放電は放電がスポット状に電極の一定箇所に固定されたり、逆に周囲を動いたりして安定性があまりよくないために定性分析に用いられることが多いが、一方、放電の持続時間が長く試料の蒸発作用が大きいため高感度の分析が可能であり、そのため極微量成分の定量分析にも用いられる。このように、直流アーク放電は大きな感度を有するが、精度が悪く管理分析には使用することは難しい。これに対してスパーク放電はパルス状の放電で電極の加熱効果が小さくなり、試料の蒸発は小さく、したがって電極の消耗が小さいので長時間安定に放電を続けることができ、特に金属試料に対して比較的精度の高い定量分析が可能となる。そのうち、高圧スパーク放電は、高圧大電力回路で構成されるため、電源装置が大型で高価なものとなってしまう。低圧スパーク放電は、通常、Arガス雰囲気中で行なわれ、精度が高い。しかし、試料面が平坦で試料と試料板とが密着し、Arガスが漏れないようにしなければならない。 図3は発光分析装置の低圧スパーク放電による発光部の構成の一例を示した概略回路図である。 発光部を構成する放電回路は、試料3にスパーク放電をさせる分析ギャップ6と、放電の制御を行なう主放電制御部2と、分析ギャップ6に絶縁破壊を発生させるコントロールギャップ4並びにコントロールギャップ制御・高圧発生部8とから構成される。 電源からの電荷は、主放電制御部2とコントロールギャップ制御・高圧発生部8に充電される。コントロールギャップ制御・高圧発生部8に充電された電荷は、ある一定の電圧になると放電され、放電された電荷が昇圧されて、コントロールギャップ4と分析ギャップ6で絶縁破壊を起こす。これに伴って、主放電制御部2に充電されていた電荷が放電され分析ギャップを流れてスパーク放電となる。特開2000−171399号公報 Arガス雰囲気中での低圧スパーク放電は、Arガスの漏れがあると測定強度が大きく変動し、正確な測定を行なうことができない。また、コントロールギャップは大気中にあるため、放電させた際に生じるオゾンによりコントロールギャップ間の絶縁破壊電圧が変化して、放電が安定しない。 本発明は、低圧スパーク放電を行なう発光分析装置並びに低圧スパーク放電及びさらにアーク放電などの他の方式の放電も行なう発光分析装置を対象にしている。そこで本発明は、少なくとも低圧スパーク放電を行なうことのできる発光分析装置において、低圧スパーク放電を安定させることを目的としている。 本発明は、低圧スパーク放電回路中のコントロールギャップを絶縁物質でできた容器で密閉し、前記容器に気体を送り込む気体送入口と気体を排出する気体排出口とを設け、低圧スパーク放電を行なうときは前記気体送入口から気体を送り続けるようにしたことを特徴とするものである。 コントロールギャップを密閉した容器内に送り込む乾燥気体は、空気や窒素などが適当である。 また、低圧スパーク放電回路中の主放電電流供給側と分析ギャップとの間に放電を開始させるイグニッション用の電流値に対しては大きなインダクタンスを示し、主放電のための電流値に対しては前記イグニッションよりも小さいインダクタンスを示すコイルを設けてもよい。 その際、コイルは磁性材料コアを備えたものとすることができる。 低圧スパーク放電回路中のコントロールギャップを絶縁物質でできた容器で密閉し、前記容器に乾燥気体を送り込む気体送入口と気体を排出する気体排出口とを設け、低圧スパーク放電中は前記乾燥気体を流し続けるようにすれば、コントロールギャップ間の絶縁破壊電圧を安定させ、コントロールギャップの出力電圧を安定させることができる。 図3の従来の低圧スパーク放電用の回路では、低圧スパーク放電で、コントロールギャップ4と分析ギャップ6に絶縁破壊を起こさせる際、絶縁破壊のための電力が主放電制御部2に電流i1の経路で逃げてしまい、放電が安定しなくなる。分析ギャップ6と主放電制御部2の間にコイル26aが挿入されていることがあるが、そのコイル26aのインダクタンスが小さいので電流i1の経路が発生し、同様の問題が生じる。 しかし、本発明の好ましい態様のように、低圧スパーク放電回路中の主放電電流供給側と分析ギャップとの間に放電を開始させるイグニッション用の電流値に対しては大きなインダクタンスを示し、主放電のための電流値に対しては前記イグニッションよりも小さいインダクタンスを示すコイルを設けた場合には、電流を分析ギャップに集中させることができ、放電を安定させることができる。 以下に一実施例を説明する。 図1は一実施例の発光部を示す図であり、(A)は概略構成図、(B)はコントロールギャップを密閉した容器である絶縁ブロックをコントロールギャップとともに示す概略斜視図である。図2は発光部の主要部を示す回路図である。 発光部を構成する放電回路は、電荷を発生させる電源1と、放電の制御を行なう主放電制御部2と、コントロールギャップ4と分析ギャップ6に絶縁破壊を発生させるコントロールギャップ制御・高圧発生部8とから構成される。 コントロールギャップ4は絶縁性の材質でできた容器(絶縁ブロックという)20により密閉されている。絶縁ブロック20は、図1(B)に示されるように、1つの面には乾燥気体として乾燥空気を送り込むための送入口22を備え、他の面には絶縁ブロック20内の気体を排出する排出口24を備えている。送入口22には乾燥空気を供給する気体供給機構30が接続されている。その気体供給機構30は、低圧スパーク放電を行なうときは送入口22に乾燥空気を送り続ける機能をもっている。 また、分析ギャップ6と主放電制御部2との間にはコイル26が設置されている。コイル26は、磁性材料コアをもったコイルであり、コントロールギャップ制御・高圧発生部8側からの電流の大きさに対しては充分なインダクタンスを持ってその電流を通さず、その電流よりも大きな主放電制御部2側からの電流に対しては、磁気材料コアが磁気飽和を起こしてほとんどインダクタンスを持たずに電流を通す性質を持ったものである。 図示は省略されているが、発光部には他にも、データ処理部からの指示にしたがって発光部を制御するコントロールユニットや、主放電制御部2から発生する放電の電圧制御を行なう出力電圧制御部、放電条件の設定を行なう放電条件設定部を備えている。 電源1としては、例えば交流電源からの電圧・電流を直流に変換した直流電源を用いる。 電源1に発生した電荷は、主放電制御部2とコントロールギャップ制御・高圧発生部8に充電される。コントロールギャップ制御・高圧発生8では、充電された電荷がある一定の電圧になると放電され、放電された電荷は昇圧されて、コントロールギャップ4と分析ギャップ6で絶縁破壊を起こす。これに伴ない、主放電制御部2に充電された電荷が放電され分析ギャップ6を流れる。コントロールギャップ4で放電を行なっているときは、コントロールギャップ4を密閉した絶縁ブロック20内には、送入口22から乾燥空気が送り込まれており、放電を安定させる。また、放電により発生したオゾンは乾燥空気に流されて排出口24から外部に排出される。 コイル26は、高圧発生装置10からコントロールギャップ4を通過してきた電流の大きさに対しては十分大きいインダクタンスを持っているため、電流を主放電制御部2側へは通さず、分析ギャップ6へ集中させる。また、コイル26は、高圧発生装置10からコントロールギャップ4を通過してきた電流よりも十分大きい主放電制御部2からの電流に対しては、コイル26の磁気材料コアが磁気飽和を起こしほとんどインダクタンスを持たなくなるため、分析ギャップ6に大電流を送ることができる。 このように、コントロールギャップ4を絶縁ブロック20で密閉して内部に定常的な乾燥空気を供給することにより、放電時に発生するオゾンを取り除き、コントロールギャップ4での放電を安定させることができる。 分析ギャップでは、Arガス雰囲気中で低圧スパーク放電を行なってもよいが、コイル26の設置により高圧発生装置10からの電流を分析ギャップ6に集中させ、分析ギャップ6での放電を安定させることができるので、分析ギャップを大気中においてでも、低圧スパーク放電を実行することが可能である。 その結果、発光部をロボットを用いて試料面に押し当て、自動測定を行なうような場合、Arガス雰囲気中における低圧スパーク放電では、Arガスが漏れないよう試料と試料板を確実に密着させることは困難であるが、大気中における低圧スパーク放電は、試料面との密着性がそれほど重要でないため、自動化することができるようになる。 絶縁ブロック20における送入口22及び排出口24の位置は、図示のような上部及び側面とは限らず、絶縁ブロック20内に乾燥空気を充満させ、また内部の気体を排出できるような配置であればどの位置にあってもよい。 また、コイル26を主放電制御部2内に内蔵させても同様の効果を得ることが可能である。一実施例を示す概略図であり、(A)は概略構成図、(B)は絶縁ブロックをコントロールギャップとともに示す概略斜視図である。同実施例の概略回路図である。従来の発光分析装置の発光部の構成を示した概略回路図である。符号の説明 1 電源 2 主放電制御部 4 コントロールギャップ 6 分析ギャップ 8 コントロールギャップ制御・高圧発生部 20 絶縁ブロック 22 送入口 24 排出口 26 コイル 30 気体供給機構 発光装置内に、分析ギャップの対極となる試料を低圧スパーク放電により励起発光させる低圧スパーク放電回路を少なくとも備え、試料から放射された光を分光してスペクトルを測定することによって試料を分析する発光分析装置において、 前記低圧スパーク放電回路中のコントロールギャップを絶縁物質でできた容器で密閉し、前記容器に気体を送り込む気体送入口と気体を排出する気体排出口とを設け、低圧スパーク放電を行なうときに前記気体送入口に気体を送り続ける気体供給機構を設けたことを特徴とする発光分析装置。 前記低圧スパーク放電回路中の主放電電流供給側と前記分析ギャップとの間に放電を開始させるイグニッション用の電流値に対しては大きなインダクタンスを示し、主放電のための電流値に対しては前記イグニッションよりも充分小さいインダクタンスを示すコイルを設けた請求項1に記載の発光分析装置。 前記コイルは磁性材料コアを備えたコイルである請求項2に記載の発光分析装置。 【課題】 少なくとも低圧スパーク放電を行なうことのできる発光分析装置において、低圧スパーク放電を安定させる。 【解決手段】 コントロールギャップ4は絶縁性の材質でできた絶縁ブロック20により密閉されている。絶縁ブロック20は、1つの面には乾燥空気を送り込むための送入口22を備え、他の面には絶縁ブロック20内の気体を排出する排出口24を備えてコントロールギャップ4での放電を安定させる。また、分析ギャップ6と主放電制御部2との間には磁性材料コアをもったコイル26が設置されている。コイル26は、コントロールギャップ制御・高圧発生部8側からの電流に対しては、充分なインダクタンスを持ってその電流を通さず、その電流よりも大きな主放電制御部2側からの電流に対しては、コイル26が磁気飽和を起こしてほとんどインダクタンスを持たずに電流を通すために、この点からも放電電圧が安定する。 【選択図】 図1


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る