生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_オルガノポリシロキサンの乳化剤組成物
出願番号:2003296767
年次:2005
IPC分類:7,C08L83/04,B01F17/42,A61K7/00


特許情報キャッシュ

都留 重 河内 仁 JP 2005068223 公開特許公報(A) 20050317 2003296767 20030820 オルガノポリシロキサンの乳化剤組成物 株式会社ネオス 000135265 早坂 巧 100104639 都留 重 河内 仁 7C08L83/04B01F17/42A61K7/00 JPC08L83/04B01F17/42A61K7/00 EA61K7/00 N 5 OL 9 4C083 4D077 4J002 4C083AD16 4C083CC01 4C083DD31 4C083EE01 4C083FF05 4D077AB11 4D077AB20 4D077AC01 4D077BA03 4D077BA07 4D077BA15 4D077DD32X 4D077DE02X 4D077DE07X 4D077DE08X 4J002CH012 4J002CP031 4J002GB00 4J002GT00 本発明は、離型剤、潤滑剤、化粧品等の成分として有用なオルガノポリシロキサンの乳化剤組成物に関し、更に詳しくは、化学物質管理促進法(PRTR法)の規制対象である界面活性剤や環境ホルモン等の環境汚染が懸念される界面活性剤を含有しない、環境への影響の少ないオルガノポリシロキサンの乳化剤及びこれを用いて乳化したオルガノポリシロキサン組成物に関する。 従来から、オルガノポリシロキサンは、離型剤、潤滑剤、化粧品等に使用されており、これらにおいては一般に、非イオン性界面活性剤により水中に安定分散されている。特に、非イオン性界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやポリオキシエチレンアルキルエーテル(但しアルキル基の炭素数が12から15までのもの)が、広く用いられてきた。しかし、これらの非イオン性界面活性剤は、化学物質管理促進法(PRTR法)の規制対象であり、また、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルは環境ホルモン等の環境汚染が懸念され、使用が敬遠される傾向にある。このような状況に伴ない、これらの界面活性剤に代わる乳化剤が広く求められている。しかしながら、これらの非イオン性界面活性剤以外では著しく乳化力が劣るものしか知られておらず、工業的に使用に耐えうる新たな乳化系は実現されていなかった。 一方、オルガノポリシロキサンをハイドロカーボン系界面活性剤及びフロロカーボン系界面活性剤で乳化させたオルガノポリシロキサン乳化物が知られている(特許文献1参照)が、同文献によれば、ハイドロカーボン系界面活性剤とフロロカーボン系界面活性剤との併用を必須とする上、ハイドロカーボン系界面活性剤については、多種多様なアニオン系、カチオン系、非イオン系界面活性剤を網羅的に挙げつつその内に「高級アルコールエチレンオキサイド付加物」をも挙げているに過ぎない。しかしながら、高級アルコールは通常炭素数12以上のものを指し、高級アルコールエチレンオキサイド付加物は、上記のとおり従来からオルガノポリシロキサンの乳化に用いられてきた界面活性剤である。また、ポリジオルガノシロキサンを非イオン型界面活性剤および/または陽イオン型界面活性剤と水との存在下で乳化して得られるエマルジョン前駆体と、アルミナゾル及び特定のオルガノシラン化合物とからなる、シリコーンエマルジョン組成物が知られている(特許文献2参照)。しかし、アルミナゾルと特定のオルガノシラン化合物との併用を必要とするうえ、同文献に非イオン界面活性剤の例として多様なものを挙げつつ「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」を挙げているが、アルキル基の炭素数についての開示はない。特開昭54−56号公報特開昭60−163967号公報 本発明は、上に述べた当該分野における従来の事情に鑑み、環境への影響が少なく且つ優れた乳化性を有する、オルガノポリシロキサン用の乳化剤組成物、及びそのような乳化剤組成物で乳化させてなるオルガノポリシロキサン乳化組成物を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記の課題の解決に向けて検討した結果、以下に記載するように、環境への影響の少ない界面活性剤によるオルガノポリシロキサンの乳化系の発明に至った。 すなわち本発明は、 (1)一般式(I)、で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルの混合物であって式中、アルキル基の炭素数のメジアンが10であり、且つ、nが3のものである成分Aと、nが5のものである成分B及び/又はnが6のものである成分Cと、nが8のものである成分Dとを含んでなり、これらの成分間の重量比が、成分A:(成分B+成分C):成分D=0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.9〜1.1であることを特徴とする、オルガノポリシロキサン用乳化剤組成物、 (2)式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルのうち、炭素数10のものが少なくとも80重量%以上を占めるものである、上記(1)の乳化剤組成物、 (3)一般式(I)、で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、オルガノポリシロキサン及び水を含んでなるオルガノポリシロキサン乳化組成物であって、式中、アルキル基の炭素数のメジアンが10であり、且つ、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、nが3のものである成分Aと、nが5のものである成分B及び/又はnが6のものである成分Cと、nが8のものである成分Dとを含んでなり、これらの成分間の重量比が、成分A:(成分B+成分C):成分D=0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.9〜1.1であることを特徴とする組成物、 (4)式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルのうち、炭素数10のものが少なくとも80重量%以上を占めるものである、上記(3)のオルガノポリシロキサン乳化組成物、及び、 (5)オルガノポリシロキサンに対する、該成分A、成分B、成分C及び成分Dの合計の重量比が、5%を超え20%以下である、請求項3又は4のオルガノポリシロキサン乳化組成物、を提供する。 本発明のオルガノポリシロキサン用乳化剤組成物は、優れた乳化性を示して安定なオルガノポリシロキサン乳化組成物を与えると共に、環境への影響が少ないという利点を有する。 上記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルの成分A、B、C及びDは、重量比で、成分A:(成分B+成分C):成分D=0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.9〜1.1であることが必要であり、重量比がこの範囲にあればオルガノポリシロキサンに対し優れた乳化効果を発揮するが、この範囲から外れるとそのような効果を発揮できない。重量比は、成分A:(成分B+成分C):成分D=0.95〜1.05:0.95〜1.05:0.95〜1.05であることが更に好ましい。しかしながら成分Bと成分Cとの比率は任意であり、何れか一方の成分を欠いていてもよい。 化学物質管理促進法(PRTR法)の規制対象となる、環境への影響の虞のある成分の使用を避けることを考慮すると、上記式(I)のポリオキシエチレンアルキルエーテルにおいてアルキル基は、炭素数が11以下であることが望ましい。しかしながら、炭素数10以外、例えば炭素数8以下ではHLBの問題から、親水基の選択が制限され好ましくないことが見出された。また炭素数11のものでは、その分子量分布から炭素数12以上のものを含有する可能性があり好ましくなく、炭素数9、炭素数11のものは高価であるため、工業的に使用するにはコスト上不適当である。本発明において、式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルそのアルキル基に炭素数のメジアン(median)は10であり、すなわち、炭素数10のものを他の炭素数のものに比して最も多くのモル数比率で含む。従って、炭素数10のもののみで構成されていてもよいが、炭素数10のものを中心として多少の分子量分布を持っていてもよい。但し、炭素数10のものが少なくとも80重量%以上含まれていることが好ましく、90重量%以上含まれていることがより好ましく、95重量%以上含まれていることが更に好ましく、98重量%以上含まれていることが特に好ましい。 本発明の乳化剤組成物は、オルガノポリシロキサンの量に対して5重量%を超える量で使用することが好ましく、より好ましくは6.4重量%以上、更に好ましくは8.3重量%以上である。これは、5重量%以下であれば安定な乳化系が得られないためである。一方、乳化剤を多量に使用すると製品価値が低下するだけでなく、経済的にも好ましくない。このため、オルガノポリシロキサンに対する本発明の乳化剤の使用割合は、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。 本発明において、乳化対象であるオルガノポリシロキサンの例としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン等のジ(低級)アルキルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の(低級)アルキルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のジ(低級)アルキルポリシロキサンのアミノ変性物、ジメチルポリシロキサン等のジ(低級)アルキルポリシロキサンのアルキル変性物等が挙げられるが、それらに限定されず種々のものを本発明の乳化剤組成物を用いて良好に乳化させることができる。オルガノポリシロキサンは、特に限定するものではないが、粘度範囲1万mPa・s以下のものが好ましく、1000mPa・s以下のものがより好ましい。粘度が1万mPa・sを越えるオルガノポリシロキサンは粘度が高く、乳化剤量が増えるだけで、経済的にも好ましくなく実用的ではないからである。 乳化物の調製方法は任意であるが、ホモミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー等を使用することによって、安定な乳化系が得られる。 本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキサイド(EO)の付加モル数nの測定は、液体クロマトグラフィー法を用いて慣用の方法で行うことができる。 以下、実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれにより制限を受けるものではない。[本発明乳化剤1〜14および比較例乳化剤1〜15] 表1(本発明乳化剤1〜8)、表2(本発明乳化剤9〜14)および表3(比較例乳化剤1〜8)、表4(比較例乳化剤9〜15)に示す乳化剤成分(数値は重量部)に乳化剤成分量の半分の水の量を添加し、ホモミキサー(回転数:5000rpm)で攪拌しながらジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製KF−96の粘度:100mPa・sのものを使用)を30重量部(全量)添加した。さらに攪拌を継続しながら残りの水を徐々に加え乳化物(全量100重量部)を得た。得られた乳化物の3日後の分散状態を目視により確認した。その結果を表1、表2、表3、表4に示す。◎は「分層、浮遊物なし」、○は「僅かに分層するのみ」、×は「2層分離」の評価をそれぞれ示す。[本発明乳化剤15〜28および比較例乳化剤16〜30] 表5(本発明乳化剤15〜22)、表6(本発明乳化剤23〜28)および表7(比較例乳化剤16〜23)、表8(比較例乳化剤24〜30)に示す乳化剤成分(数値は重量部)に乳化剤成分量の半分の水の量を添加し、ホモミキサー(回転数:5000rpm)で攪拌しながらメチルフェニルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SH−510の粘度:100mPa・sのものを使用)を30重量部(全量)添加した。さらに攪拌を継続しながら残りの水を徐々に加え乳化物(全量100重量部)を得た。得られた乳化物の3日後の分散状態を目視により確認した。その結果を表5、表6、表7、表8中に示す。◎は「分層、浮遊物なし」、○は「僅かに分層するのみ」、×は「2層分離」の評価をそれぞれ示す。[本発明乳化剤29〜42および比較例乳化剤31〜45] 表9(本発明乳化剤29〜36)、表10(本発明乳化剤37〜42)および表11(比較例乳化剤31〜38)、表12(比較例乳化剤39〜45)に示す乳化剤成分(数値は重量部)に乳化剤成分量の半分の水の量を添加し、ホモミキサー(回転数:5000rpm)で攪拌しながらジメチルポリシロキサンのアミノ変性物(信越化学工業社製KF−880の粘度:660mPa・sのものを使用)を30重量部(全量)添加した。さらに攪拌を継続しながら残りの水を徐々に加え乳化物(全量100重量部)を得た。得られた乳化物の3日後の分散状態を目視により確認した。その結果を表9、表10、表11、表12中に示す。◎は「分層、浮遊物なし」、○は「僅かに分層するのみ」、×は「2層分離」の評価をそれぞれ示す。 本発明のオルガノポリシロキサン用乳化剤組成物は、優れた乳化性を示して安定なオルガノポリシロキサン乳化組成物を与えると共に、環境への影響が少ないという利点を有するため、離型剤、潤滑剤、化粧品等の成分として有用なオルガノポリシロキサンの乳化のために産業上好適に使用できる。また、本発明のオルガノポリシロキサン乳化組成物は、安定性に優れた且つ環境への影響を少なくしたオルガノポリシロキサン乳化物として、上記分野において有用である。 一般式(I)、で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルの混合物であって式中、アルキル基の炭素数のメジアンが10であり、且つ、nが3のものである成分Aと、nが5のものである成分B及び/又はnが6のものである成分Cと、nが8のものである成分Dとを含んでなり、これらの成分間の重量比が、成分A:(成分B+成分C):成分D=0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.9〜1.1であることを特徴とする、オルガノポリシロキサン用乳化剤組成物。 式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルのうち、炭素数10のものが少なくとも80重量%以上を占めるものである、請求項1の乳化剤組成物。 一般式(I)、で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、オルガノポリシロキサン及び水を含んでなるオルガノポリシロキサン乳化組成物であって、式中、アルキル基の炭素数のメジアンが10であり、且つ、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、nが3のものである成分Aと、nが5のものである成分B及び/又はnが6のものである成分Cと、nが8のものである成分Dとを含んでなり、これらの成分間の重量比が、成分A:(成分B+成分C):成分D=0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.9〜1.1であることを特徴とする組成物。 式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルのうち、炭素数10のものが少なくとも80重量%以上を占めるものである、請求項3のオルガノポリシロキサン乳化組成物。 オルガノポリシロキサンに対する、該成分A、成分B、成分C及び成分Dの合計の重量比が、5%を超え20%以下である、請求項3又は4のオルガノポリシロキサン乳化組成物。 【課題】 環境への影響が少なく且つ優れた乳化性を有する、オルガノポリシロキサン用の乳化剤組成物、及びそのような乳化剤組成物で乳化させてなるオルガノポリシロキサン乳化組成物を提供すること。【解決手段】 一般式(I)、【化1】で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルの混合物であって式中、アルキル基の炭素数のメジアンが10であり、且つ、nが3のものである成分Aと、nが5のものである成分B及び/又はnが6のものである成分Cと、nが8のものである成分Dとを含んでなり、これらの成分間の重量比が、成分A:(成分B+成分C):成分D=0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.9〜1.1であることを特徴とする、オルガノポリシロキサン用乳化剤組成物、及びこれによってオルガノポリシロキサンを水中に乳化してなる乳化組成物。【選択図】 なし


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