生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_試料作製方法
出願番号:2003288643
年次:2005
IPC分類:7,G01N1/32,G01N1/28


特許情報キャッシュ

吉川 秀之 JP 2005055387 公開特許公報(A) 20050303 2003288643 20030807 試料作製方法 NECトーキン株式会社 000134257 吉川 秀之 7G01N1/32G01N1/28 JPG01N1/32 BG01N1/28 GG01N1/28 F 1 1 OL 5 2G052 2G052AA13 2G052AC28 2G052AD32 2G052AD52 2G052EC14 2G052EC18 2G052GA32 本発明は、透過型電子顕微鏡観察用の試料作製方法に関する。 従来のイオンミリング法による、シリコン基板から透過型電子顕微鏡観察用試料を作製する代表的な方法を図2を参照して説明する。 まず、ダイシングソー等を用いてシリコン基板の試料を10mm角程度に切り出す。次に透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに合わせる為に打ち抜き機で3mmφの試料片に加工したのが図2(a)の状態であり、2が試料片を示す。次に、観察しようとする表面の反対側から平面研磨機等を用いて厚さを100μm程度に薄片化した状態が図2(b)であり、1は観察面を示す。さらに図2(c)に示すような断面形状になるよう、ボウル研磨機あるいはディンプル機で試料片の中央部分を10〜20μmの厚さにまで加工する。最後にイオンミリング装置で観察部を数百〜数十nm以下にし、透過型電子顕微鏡用試料としたのが図2(d)であり、5が観察部を示す。 また、他の従来例として、FIB(Focused Ion Beam)法があり、これはGaイオン等で試料の特定箇所を精度よく薄片化する方法である。この方法によっても前記のような試料を作製することが可能である。このFIB法による透過型電子顕微鏡観察用の試料作製装置の一例は、次の特許文献1に開示されている。特開2002−062226号公報 しかしながら、イオンミリング法による試料作製方法では、ディンプルグラインダーや、ボウル研磨機といった装置を準備する必要があり、これらの装置は高価で、かつ他の試料作製や工程では使用しない装置で、透過型電子顕微鏡試料作製の為に専用の装置を準備する必要がある。仮に、これらのディンプリング装置を持たない場合は、その工程を省いて、イオンミリングを行わなければならず、その場合は、通常5時間程度でイオンミリング処理が済むところを20〜100時間必要とし、非常に効率が悪い。 また、この従来法では、イオンミリング時間及びディンプリング処理の限界から、試料厚みを100μmまでは、平面研磨機等で研磨を行い薄片化する必要があった。この点についても試料端部が欠けやすくなる等の問題がある。 もう一つの従来法におけるFIBを用いた試料作製方法では、特定箇所を薄片化する為にイオン半径の大きいGaイオンを用いるので、観察面の表面にアモルファス層が通常、数nm〜数十nm生じ、透過型電子顕微鏡において高倍率観察する際の妨げとなる。 この状況にあって、本発明の課題は、上記の従来法の問題点を解決し、従来法に比べ簡便でかつ専用の装置を必要としない、透過型電子顕微鏡観察用の試料作製方法を提供することである。 本発明の試料作製方法は、透過型電子顕微鏡観察用の試料作製方法であって、試料となる基板上にフォトレジストでパターン形成を行い、所定の箇所のみにエッチング処理を行う工程と、前記エッチング処理が施された箇所にイオンミリング装置による研磨を行う工程とを含むことを特徴とする。 補足すると、本発明は、従来技術の様な専用機械を必要とせず、シリコン等の材料を扱う工程には不可欠なフォトレジスト工程とエッチング工程の装置を用いることで、試料にパターニングを施し、所定の箇所を化学反応的なエッチングにて薄膜化する工程を用いることで電子顕微鏡観察用の試料を短時間で作製できる方法を提供するものである。 本発明によれば、透過型電子顕微鏡観察用の試料作製方法において、イオンミリング処理を行う前にディンプリング処理を行わずとも試料の一部を簡単に薄膜化することが可能である。しかも試料へのダメージという点では従来のディンプリング処理の機械的な加工方法による80〜90μmのくぼみに対し、本発明では化学反応的なエッチングによる加工方法なので、試料に転位及び欠陥の発生を生じる可能性が従来法に比べ極端に少ないことは明白である。 さらには、本発明を用いれば、新規に高価なディンプリング装置を購入することもなく試料作製時間が短縮できることも大きい効果といえる。 また、本発明によると、200μmを越えてエッチング処理が出来るので、試料の平面研磨機による加工時の厚みを200μm程度と従来よりも厚くできる。すなわち、最終試料の縁部の厚みが従来と比較して格段に厚く、縁部の欠けといった心配も無くなるので、試料取り扱いの利便性も従来法に比べ格段に優れている。 以下に本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。 図1(a)〜図1(f)は、本発明の試料作製方法を示す為の試料の状態を示す図である。まず、図1(a)に示すように、従来法と同様にダイシングソーで10mm角程度にシリコン基板の試料を切断し、次に透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに合わせた円板状の試料片2を得る。更に観察する表面の反対側から平面研磨機で研磨を行い約200μm厚にして、図1(b)の様な試料を得る。1は観察面を示す。 次に図1(c)に断面図で示すようにフォトレジスト工程を用いて試料の観察側表面に選択開孔パターンを形成する。3がフォトレジストを示す。 次に選択開孔部を弗酸と硝酸の混合液からなるシリコンエッチング液を用いて選択エッチングによりシリコンエッチングを行った状態を図1(d)に示す。4がエッチング部である。この例では180μmのエッチングを行った。 次に、フォトレジスト工程のフォトレジストを除去した状態は、図1(e)の様である。 最後に図1(f)に示すように、イオンミリング装置で観察側表面からミリングを行い厚さを数百〜数十nm以下にすれば透過型電子顕微鏡で観察できる試料が得られる。 尚、この場合の試料片のエッチング用として弗硝酸系のシリコンエッチング液を挙げたが、CF4等のガスを用いるドライエッチング法でも同様の効果が得られることは、明白である。 また、上記の本発明を実施するための最良の形態では、シリコン基板を試料とする場合を例に挙げたが、他の材料においても同様のフォトレジスト工程及びエッチング工程を行うことで、同様の試料作製が可能であることは明白である。本発明の試料作製方法を示す図。図1(a)はシリコン基板から切り出した試料片を示す斜視図、図1(b)は平面研磨後の試料片を示す斜視図、図1(c)は選択開口パターンが形成された試料片を示す断面図、図1(d)はエッチング後の試料片を示す断面図、図1(e)はフォトレジストを除去した試料片を示す断面図、図1(f)はイオンミリング後の試料片を示す断面図。従来のイオンミリング法による試料作製方法を示す図。図2(a)は、シリコン基板から切り出した試料片を示す斜視図、図2(b)は薄片化した試料片を示す斜視図、図2(c)はボウル研磨機あるいはディンプル機による加工後の試料片を示す断面図、図2(d)はイオンミリング後の試料片を示す断面図。符号の説明1 観察面2 試料片3 フォトレジスト4 エッチング部5 観察部 透過型電子顕微鏡観察用の試料作製方法であって、試料となる基板上にフォトレジストでパターン形成を行い、所定の箇所のみにエッチング処理を行う工程と、前記エッチング処理が施された箇所にイオンミリング装置による研磨を行う工程とを含むことを特徴とする試料作製方法。 【課題】 簡便でかつ専用の装置を必要としない、透過型電子顕微鏡観察用の試料作製方法を提供すること。【解決手段】 透過型電子顕微鏡観察用の試料となる試料片2を薄片化した後、フォトレジスト3でパターンを形成して、エッチングを行い、形成されたエッチング部4にイオンミリング装置による研磨を行って観察部5を形成する試料作製方法である。【選択図】 図1


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