タイトル: | 公開特許公報(A)_フタロシアニン誘導体、分散剤、顔料組成物及び顔料分散体 |
出願番号: | 2003275994 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C07D487/22,B01F17/52,C09B47/24,C09B67/20,C09B67/46 |
山田 裕章 柳本 徹也 川里 浩信 JP 2005035949 公開特許公報(A) 20050210 2003275994 20030717 フタロシアニン誘導体、分散剤、顔料組成物及び顔料分散体 新日鐵化学株式会社 000006644 成瀬 勝夫 100082739 中村 智廣 100087343 佐野 英一 100088203 山田 裕章 柳本 徹也 川里 浩信 7C07D487/22B01F17/52C09B47/24C09B67/20C09B67/46 JPC07D487/22B01F17/52C09B47/24C09B67/20 LC09B67/46 A 4 OL 13 4C050 4D077 4C050PA12 4D077AA03 4D077AA08 4D077AB03 4D077AB05 4D077AB06 4D077AC05 4D077BA03 4D077DC76X 4D077DE07X 4D077DE09X 4D077DE16X 本発明は、新規なフタロシアニン誘導体、顔料等の分散に用いられる新規な分散剤、これを用いて形成される顔料組成物及び顔料分散体に関するものである。 顔料を液体に分散させた顔料分散体の製造が広く行われているが、顔料を微細化し液体中に分散させるためには一般に強力な機械力と長大な時間が必要となる。また、このようにして液体に分散させた顔料はしばしば凝集を起こし、そのために顔料分散体の流動性や色特性を損なうことがある。このような機械力による分散を容易にするために、あるいは顔料分散体の安定性を向上させるために、分散剤を使用することが広く行われている。 分散剤としては種々の形式のものが知られているが、顔料表面に吸着してアンカーの役割を果たす部位と、立体反発効果や静電反発効果により顔料の凝集を阻害し分散性を付与する部位を共に有する分散剤が、一般に高い分散安定能を示すために広く用いられている。このような分散剤の例としては、例えば、下記非特許文献1に示されている分散剤、すなわち、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン性高分子系分散剤、アニオン性高分子系分散剤、ノニオン系高分子系分散剤等を挙げることができる。 しかし、フタロシアニン顔料のような縮合多環構造を有する難分散性の有機顔料については、これら分散剤を用いてもなお分散が困難で顔料分散体の安定性が乏しく、分散剤の効果は十分ではないという問題がある。縮合多環構造を有する有機顔料は、色相のバリエーションに富み、彩度や着色力に優れるために産業上の利用価値が高く、そのためにこれらの分散剤に代わる効果的な分散剤が望まれていた。特公昭51−15857号公報特公平7−78180号公報特開平6−80898号公報特開平10−36741号公報特開平6−247970号公報特開平10−101673号公報顔料分散安定化と表面処理技術・評価(技術情報協会編、2001)29〜46頁 そこで、分子内に顔料骨格を有する顔料誘導体型の分散剤に関する提案がある。例えば、特許文献1にはポリヒドロキシ酸鎖を有する顔料誘導体型の分散剤が、特許文献2にはポリオキシアルキレン鎖を有する顔料誘導体型の分散剤が開示されている。これら顔料誘導体型の分散剤は、分子内の顔料骨格がアンカー部位として顔料表面に効果的に吸着することができるために、優れた分散安定能を示すことが期待される。 しかし、これら公知の顔料誘導体型分散剤では、顔料分散体の製作に用いることのできる溶剤の範囲が極めて限定されており、例えばエステル系溶剤やエーテルエステル系溶剤で安定性の高い顔料分散体を製作することはほとんど不可能であった。また、これら公知の顔料誘導体型分散剤は、その構造からして合成が困難であって収率よく高純度で製造することができないものが多く、精製に多大な労力が必要となるか、あるいは不純物を大量に含んだままの状態で使用しなければならないために十分な分散安定性が得られないという問題があった。そのため、エステル系、エーテルエステル系、エーテル系、アルコール系、芳香族系等多くの溶剤に対して使用可能であって、また収率よく高純度で製造でき、特に精製を要せずに使用することのできる顔料誘導体型の分散剤が望まれていた。 フタロシアニンをある種の官能基で修飾したフタロシアニン誘導体は、特許文献3や4等に開示されており、スルホンアミド基、アミド基、アミノ基、スルホ基、カルボキシル基等を有するフタロシアニン誘導体が知られている。また、フタロシアニンをいくつかのカルボキシル基で修飾したフタロシアニン誘導体の合成法は、特許文献5や6等に開示されている。 したがって、本発明は、顔料の分散に用いたとき、顔料に易分散性を与え、製作される顔料分散体に高安定性を与える新規な分散剤であって、多くの溶剤に対して使用可能で、収率よく高純度で製造できる顔料誘導体型の分散剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該分散剤を用いた顔料組成物及び顔料分散体を提供することを目的とする。 上記課題を解決するために検討した結果、本発明者等は、特定の構造を有する顔料誘導体が分散剤として適して用いることができることを見出し、本発明を完成した。 本発明は、下記一般式(1)で示されるフタロシアニン誘導体又はその塩である。 Pc−(CO−R1−O−X)n (1)(但し、Pcはn価のフタロシアニン残基、R1は−(O−R2−O−OC−R3−CO)p−又は−(O−R4−CO)q−からなる基を示し、Xは水素原子、−R2−OH又は−R5−Hを示し、nは1〜8を示し、pは1〜100を示し、qは2〜200を示すが、nが2以上のときは、p及びqは一分子中に平均として上記数値の範囲にあればよく、また、R2〜R5は炭素数1〜20の2価の有機基を示す) また、本発明は、前記フタロシアニン誘導体からなることを特徴とする顔料分散剤である。更に、本発明は、顔料に前記分散剤を配合した組成物であり、顔料:分散剤の重量比が99:1〜50:50であることを特徴とする顔料組成物である。また、本発明は、前記顔料組成物が、液体に分散されてなることを特徴とする顔料分散体である。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明のフタロシアニン誘導体は、一般式(1)で示される構造を有する。ここで、Pcはフタロシアニン残基を示すが、これはフタロシアニンのベンゼン環に結合している水素原子のうちn個を除去したn価の基を表す。残基の母体となるフタロシアニンは、従来知られる金属フタロシアニン又は無金属フタロシアニンのいずれでもよいが、堅牢性に優れる点から、銅フタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、コバルトフタロシアニン、鉄フタロシアニン等の遷移金属フタロシアニンが好ましく、更には銅フタロシアニンがより好ましい。なお、フタロシアニン残基というときは、置換基を有するフタロシアニンの残基を含む。 本発明のフタロシアニン誘導体の製造方法は、特に限定されるものではないが、n個のカルボキシル基を有するフタロシアニンカルボン酸(フタロシアニンポリカルボン酸を含む意味である)にポリエステル鎖を導入して製造することが有利である。フタロシアニンカルボン酸の合成方法は公知であり、例えば、(a)ピロメリット酸類、トリメリット酸類、ヘミメリット酸類等のベンゼンポリカルボン酸又はその誘導体(その酸無水物、酸イミド等の誘導体を含む)を、尿素及び金属塩類と反応させてフタロシアニンカルボキサミドを合成し、次いでこれを加水分解する方法、(b)フタロシアニンにホスゲンを作用させてフタロシアニンカルボニルクロリドを合成し、次いでこれを加水分解する方法、(c)フタロシアニンに高温でトリクロロ酢酸を反応させる方法等を挙げることができるが、比較的安全かつ簡便な方法であるために、(a)の方法が最も好ましい。(a)の方法の具体的な例は、例えば特許文献5や6等に開示されており、この方法によれば遷移金属フタロシアニンカルボン酸等を好適に合成することができる。ただし、フタロシアニンカルボン酸の合成法は上記の方法に限定されるものではない。 本発明のフタロシアニン誘導体において、一般式(1)のnは1〜8であればよいが、顔料分散体の安定性の点から1〜4が好ましく、更には2〜4であることがより好ましい。nの値は、フタロシアニンカルボン酸の合成時に、合成原料や反応条件を適宜調整することで自由に選択することができる。例えば、上記の(a)の方法において、ピロメリット酸二無水物を原料に用いればフタロシアニンオクタカルボン酸(n=8)が合成できるし、トリメリット酸無水物を原料に用いればフタロシアニンテトラカルボン酸(n=4)が合成できる。また、トリメリット酸無水物とフタル酸無水物を等モルで用いれば、フタロシアニンジカルボン酸(n=2)が合成できる。 フタロシアニンカルボン酸にポリエステル鎖を導入する方法は特に限定されるものではなく、例えば、フタロシアニンカルボン酸の存在下にモノマーを反応させ、ポリエステル鎖の形成とフタロシアニンカルボン酸へのポリエステル鎖の導入を同時に行う方法等を挙げることができる。ここで、モノマーとは、エステル化反応を起こしてポリエステル鎖を形成することのできる低分子化合物をいい、代表的には、HO−R2−OHで表されるジオール類、HOOC−R3−COOHで表されるジカルボン酸類、HO−R4−COOHで表されるヒドロキシ酸類及びこれらの誘導体類を挙げることができる。これら化合物は、そのヒドロキシル基とカルボキシル基を縮合させることによってエステルを形成することができる。ただし、製造するフタロシアニン誘導体の収率や純度を高めるためには、フタロシアニンカルボン酸及びモノマーの反応性を高めることが必要であり、そのためにはエステル化反応を起こさせる基として反応性の高い基を用いることが好ましい。具体的には、カルボキシル基に代えてハロカルボニル基や酸無水物基等を用いるか、ヒドロキシル基に代えてエポキシ基等を用いるか、ヒドロキシル基とカルボキシル基に代えてラクトン類の開裂基等を用いることが好ましい。 また、上記モノマーのみを反応させ、カルボキシル基と反応してエステル結合を形成することが可能な基を末端に有するポリエステルを予め合成しておき、これとフタロシアニンカルボン酸を反応させることもできる。ここでも、フタロシアニンカルボン酸の反応性を高めるために、該カルボキシル基をハロカルボニル基等のより反応性の高い基に変換させておくことが好ましい。 上記の反応性の高い基を利用した、フタロシアニンカルボン酸にポリエステル鎖を導入する方法の具体的な例としては、(A)フタロシアニンカルボン酸、エポキシ基を1つ有するモノマー及び環状酸無水物基を1つ有するモノマーを反応させる方法、(B)フタロシアニンカルボン酸、エポキシ基を2つ有するモノマー及びカルボキシル基を2つ有するモノマーを反応させる方法、(C)フタロシアニンカルボン酸を酸ハライド化してフタロシアニンカルボニルハライドとし、これとヒドロキシル基を2つ有するモノマー及びハロカルボニル基を2つ有するモノマーを反応させる方法、(D)フタロシアニンカルボン酸を酸ハライド化してフタロシアニンカルボニルハライドとし、これと予め合成したヒドロキシル基を末端に1つ有するポリエステルを反応させる方法等を挙げることができるが、合成法はこれらに限定されるものではない。 本発明のフタロシアニン誘導体において、一般式(1)におけるR2、R3及びR4は、代表的にはジオール、ジカルボン酸、ヒドロキシ酸又はこれらの誘導体から生じる残基であるが、より反応性の高い基を有する化合物(ジオール類に代えてエポキシ類、ジカルボン酸類に代えて環状酸無水物類、ヒドロキシ酸類に代えてラクトン類等)を用いる場合は、これら残基は使用する化合物の化学式から容易に決定できる。 一分子中のR2、R3及びR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、更に、R2、R3及びR4はポリエステル鎖の繰り返しごとにそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ポリエステル鎖の末端基XにおけるR5は、R2、R3又はR4と同一であってよいが、フタロシアニン誘導体の製造を有利にするため、R2、R3又はR4とは変化させることがよい場合がある。 一般式(1)におけるR2、R3及びR4は、炭素数1〜20の2価の有機基であるが、使用可能な溶剤の種類に富む点から、炭素数1〜12であることが好ましく、更には炭素数2〜8であることがより好ましい。有利には、R2、R3及びR4は飽和又は不飽和の2価の炭化水素基であり、その構造は直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、その一部分又は全体が環構造を形成していてもよい。更に、R2、R3及びR4が酸素を含む場合は、その構造内の水素原子がヒドロキシル基で置換されているか、炭素−炭素結合中に酸素原子を介しエーテル結合を形成していることがよい。 このようなR2、R3及びR4は、使用するモノマーの種類を適宜調整することで自由に選択することができる。例えば、不飽和結合を有するモノマーを用いれば、不飽和結合を有するR2、R3及びR4が得られるし、エーテル結合を有するモノマーを用いれば、エーテル結合を有するR2、R3及びR4が得られる。また、炭素数や炭素骨格の形状等で示される基の構造についても、相当するモノマーを用いることによって自由に選択することができる。 このようなR2、R3及びR4の好ましい例としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数2〜8の、飽和又は不飽和のアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、1つ以上のエーテル結合を有するアルキレン基、1つ以上のエーテル結合を有するアリールアルキレン基、1つ以上のエーテル結合と1つ以上のヒドロキシル基を有するアルキレン基等を挙げることができる。これら2価の有機基の構造は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、その一部分又は全体が環構造を形成していてもよい。 このようなR2、R3及びR4の具体的な例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,2−ジイル基、ヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジイル基、4−ビニルシクロヘキサン−1,2−ジイル基、1−シクロヘキセン−1,2−ジイル基、4−シクロヘキセン−1,2−ジイル基、エテン−1,2−ジイル基、プロパ−1−エン−1,2−ジイル基、プロパ−2−エン−1,2−ジイル基、o−フェニレン基、p−フェニレン基、フェニルエチレン基、3−メトキシプロパン−1,2−ジイル基、3−イソプロピルオキシプロパン−1,2−ジイル基、3−アリルオキシプロパン−1,2−ジイル基、3−ブトキシプロパン−1,2−ジイル基、3−tert−ブトキシプロパン−1,2−ジイル基、3−(2−エチルヘキシル)オキシプロパン−1,2−ジイル基、3−フェノキシプロパン−1,2−ジイル基、3−オキサペンタン−1,5−ジイル基、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジイル基、3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジイル基、2,9−ジヒドロキシ−4,7−ジオキサデカン−1,10−ジイル基、2,12−ジヒドロキシ−4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジイル基、2,15−ジヒドロキシ−4,7,10,13−テトラオキサヘキサデカン−1,16−ジイル基、2,9−ジヒドロキシ−5−メチル−4,7−ジオキサデカン−1,10−ジイル基、2,10−ジヒドロキシ−6,6−ジメチル−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジイル基、2,13−ジヒドロキシ−4,11−ジオキサテトラデカン−1,14−ジイル基、2,6,10−トリヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジイル基等を挙げることができるが、これらに限定されない。これら2価の有機基は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 また、R5はH−R5−OHで表される1価のアルコールから誘導される基であり、炭素数はR2、R3又はR4と同じ範囲がよい。1価のアルコールはポリエステル鎖の末端に反応して重合を停止させ、ポリエステル鎖の分子量を調節する機能を有する。このような1価のアルコールの好ましい例としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数2〜8の、アルキルアルコール、アリールアルコール、アラルキルアルコール等を挙げることができる。このような1価のアルコールの具体的な例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、フェノール、ベンジルアルコール等を挙げることができるが、これらに限定されない。これら1価のアルコールは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 本発明のフタロシアニン誘導体において、一般式(1)のR2、R3又はR4はそれぞれ1種のみであっても2種以上であってもよい。少なくともいずれか1つが2種以上の場合は、ブロック、交互又はランダム等のポリエステルを構成するが、これらのうちいずれでもよい。また、一般式(1)のXは末端基を示すが、Xはポリエステル鎖の末端にくるモノマーによって定まる。ポリエステル鎖の末端は、代表的にはカルボキシル基(Xが水素原子)又はヒドロキシル基(Xが−R2−OH)のいずれかであるが、アルキル基(Xが−R5−H)で封止されていてもよい。また、Xが水素原子である場合は、これらの末端は塩を形成していてもよい。 本発明のフタロシアニン誘導体において、一般式(1)の説明におけるpは1〜100であればよいが、顔料分散体の安定性の点から3〜70が好ましく、更には5〜50がより好ましい。また、qは2〜200であればよいが、顔料分散体の安定性の点から6〜140が好ましく、更には10〜100がより好ましい。p又はqの値は、フタロシアニン誘導体の製造時に、フタロシアニンカルボン酸とモノマーのモル比を適宜調整することで自由に選択することができる。 一般式(1)で表されるフタロシアニン誘導体では、n個のポリエステル鎖がフタロシアニン残基に結合しているが、一分子中のn個のポリエステル鎖は全てが同一のポリエステル鎖からなる必要はなく、p又はqが異なっていても、R2、R3又はR4の種類が異なっていてもよい。また、一般式(1)のnが2以上の場合は、一分子中のp及びqは全部がその範囲にある必要はなく(p又はqの一部が0である場合を含む)、平均値がその範囲にあればよい。 本発明の分散剤は、一般式(1)で示されるフタロシアニン誘導体からなる。分散剤はそのすべてが有効成分である固形状であることが有利であるが、取り扱いを容易にする目的で溶剤等で希釈されていてもよく、更には少量のその他の成分を含んでもよい。ここで、有効成分とは、分散促進能を有する成分をいう。分散剤に溶剤等を配合する場合は、分散剤から溶剤等を除いた固形分が10重量%以上、更には30重量%以上であることが好ましい。また、固形分中には、有効成分としてフタロシアニン誘導体を50重量%以上、更には70重量%以上含むことが好ましい。 分散剤を希釈する溶剤としては、分散剤の溶解性に優れる溶剤が好ましく、例えば、エステル系溶剤、エーテルエステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素系溶剤、脂肪族系溶剤等を挙げることができるが、エステル系溶剤やエーテルエステル系溶剤が特に好ましい。 本発明の顔料組成物は、顔料と一般式(1)で示されるフタロシアニン誘導体からなる分散剤を含んでなる。ここで、両者の重量比は99:1〜50:50であればよいが、顔料分散体の安定性の点から90:10〜50:50であることが好ましく、更には80:20〜60:40であることがより好ましい。両者の合計を100としたときの分散剤の割合が1より小さい場合は、分散剤が不足するために製作される顔料分散体の安定性は不十分となる。また、分散剤の割合が50より大きい場合は、分散剤の効果は頭打ちとなるばかりか、かえって分散剤が過剰となって製作される顔料分散体の安定性が損なわれることがある。 本発明の顔料組成物は、顔料に分散剤のみが配合されているものであってもよいが、樹脂類や溶剤等を含んでもよく、更には少量のその他の成分を含んでもよい。ここで、溶剤等を除く顔料組成物の固形分中には、顔料と分散剤を30重量%以上、更には50重量%以上含むことが好ましい。また、溶剤等を含む場合は、固形分が5重量%以上、更には10重量%以上であることが好ましい。 上記の顔料組成物に配合される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ニトロセルロース樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、溶剤としては、分散剤及び樹脂類の溶解性に優れる溶剤が好ましく、例えば、エステル系溶剤、エーテルエステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素系溶剤、脂肪族系溶剤等を挙げることができるが、エステル系溶剤やエーテルエステル系溶剤が特に好ましい。 本発明の顔料組成物は、顔料と分散剤を99:1〜50:50の重量比で含んでいるものであればよく、その形態については特に制限されるものではない。顔料組成物の形態としては、例えば、粉末状、ウェットケーキ状、塊状、スラリー状等を挙げることができる。また、顔料組成物は分散媒中に分散されていてもよく、例えば顔料組成物が樹脂中に分散された着色樹脂や、顔料組成物が液体中に分散された顔料分散体等であってもよい。 本発明の顔料組成物に使用される顔料は、従来知られる有機顔料、無機顔料、カーボンブラック等のいずれでもよいが、縮合多環構造を有する有機顔料が本発明の分散剤の効果が顕著であるために最も好ましい。縮合多環構造を有する有機顔料としては、例えばフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、スレン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料等を挙げることができるが、使用可能な顔料はこれらに限定されるものではない。 本発明のフタロシアニン誘導体は青色の色相を示すために、顔料の色相の変化が小さく色特性に優れる点から、特に好ましい顔料としてはフタロシアニンブルー等の青色顔料を挙げることができる。更に、本発明の分散剤は少量の添加量で分散性を向上させることができるため、得られる顔料組成物又は顔料分散体の色特性は一層良好なものとなる。 本発明の顔料組成物に使用される顔料には、顔料表面のぬれ性の向上や静電反発効果による分散性の向上等を目的として、分散助剤と呼ばれる改質剤を配合することもできる。分散助剤としては、分散させる顔料と同一あるいは類似の骨格を有する比較的低分子量(一般に分子量2000未満)の顔料誘導体が好ましく、その具体的な例としては、例えば、顔料のスルホン酸誘導体、スルホンアミド誘導体、アルキルアミノ誘導体、アルキル誘導体等を挙げることができる。これら顔料誘導体型の分散助剤を使用する場合は、分散させる顔料や溶剤等に合わせて適宜選択すればよく、その使用に関しては特に制限されない。 本発明の顔料組成物は、顔料と分散剤を単に配合して製作しても、十分目的とする効果が得られる。しかし、ニーダー、アトライター、ロールミル等により顔料と分散剤を機械的に混合したり、水又は有機溶剤中の顔料のスラリーに分散剤を添加し十分に攪拌したり、ジメチルスルホキシドやピリジン等の強い溶解力を持つ溶媒に顔料及び分散剤を共溶解させたものを水等の貧溶媒中で共沈させる等の方法により顔料と分散剤をより綿密に配合すれば、更に良好な結果を得ることができる。 本発明の顔料組成物は、分散媒としての液体中に分散させることにより顔料分散体とすることができる。かかる顔料分散体には、樹脂類、溶剤、その他添加剤等を配合することができ、これらは顔料分散体の用途により適宜選択され使用される。分散媒として使用される溶媒又は顔料分散体に使用される溶剤としては、分散剤及び樹脂類の溶解性に優れる溶剤が好ましく、例えば、エステル系溶剤、エーテルエステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素系溶剤、脂肪族系溶剤等を挙げることができるが、エステル系溶剤やエーテルエステル系溶剤が特に好ましい。これら溶剤は、樹脂類や分散剤等を溶解させるために使用する場合であっても、顔料分散体となったときは分散媒の主成分又は少量成分として存在することになる。 上記の顔料分散体に使用される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ニトロセルロース樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、その他添加剤としては、例えば、表面調整剤、消泡剤等を挙げることができる。 本発明の顔料組成物を用いて顔料分散体を製作する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えばニーダー、アトライター、ロールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ディスパーザー等による分散処理等を挙げることができる。 本発明における顔料組成物又は顔料分散体は、塗料、印刷インキ、プラスチックの着色、さらには水性塗料、水性インキ、エマルション塗料、エマルションインキ等に適して用いることができ、これらに用いた場合、分散安定性に優れ、良好な着色力を有する着色物が得られる。 本発明のフタロシアニン誘導体が分散剤としての適性に優れる理由は、その構造の特性に起因する。本発明のフタロシアニン誘導体は、顔料表面に吸着するアンカー部位としてのフタロシアニン残基と、顔料の凝集を阻害し分散性を付与する部位としてのポリエステル鎖を共に有するため、優れた分散安定能を発現することができる。また、その構造は収率よく高純度で製造できるという特性をも有しているため、製造が容易であり、また特に精製を要せずとも分散剤として好適に使用することができる。 更に、本発明のフタロシアニン誘導体は、フタロシアニン残基及び2価の有機基を互いに結合する結合基としてエステル結合を有する。エステル結合は、アミド結合やスルホンアミド結合等と比較して結合原子間の回転の自由度が高いため、本発明のフタロシアニン誘導体は柔軟性の高い構造を有し、その結果分散剤としての適性により優れるものとなる。そして、本発明のフタロシアニン誘導体はエステル結合を有するためにエステル系溶剤やエーテルエステル系溶剤への溶解性に優れており、これらの溶剤を用いる顔料分散体の製作においては、特に安定性の良好な顔料分散体を提供することができる。 本発明におけるフタロシアニン誘導体は、分散剤としての適性に優れる構造を有するため、顔料の分散に用いたとき、顔料に易分散性を与え、製作される顔料分散体に高安定性を与える点できわめて有用である。また、本発明における顔料組成物及び顔料分散体は、塗料、印刷インキ、プラスチックの着色、さらには水性塗料、水性インキ、エマルション塗料、エマルションインキ等に適して用いることができ、産業上きわめて有用である。更に、本発明のフタロシアニン誘導体は、多くの溶剤への溶解性に優れるためにそれ自身が青色油溶染料等としても利用でき、かかる油溶染料は、プラスチックや樹脂類の着色、油性インキ等として有用である。 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、以下における「部」はいずれも重量部を示す。 本実施例の化合物の分析は、FT−NMR分析装置(日本電子ゼータム社製商品名:JNM−EX270)及び高速GPC分析装置(東ソー社製商品名:HLC−8020)を用いて行った。1H−NMR分析は、クロロホルム−d1中270MHzにて実施した。また、GPC分析は、紫外可視検出器を用いてフタロシアニン骨格が吸収を有する波長である600nmにおける吸光度を測定することにより実施した。 攪拌器、還流管等必要器具を備えたガラス製三口フラスコに、銅フタロシアニンテトラカルボン酸100部、1,2−エポキシヘキサン1172部及び塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1部を仕込み、十分に攪拌しながら窒素気流下120℃で2時間反応させた。次いで、温度を120℃に保ったまま、無水マレイン酸の50%ジオキサン溶液1043部を2時間かけて逐次滴下した。滴下後引き続き120℃で4時間反応を継続し、次いで溶媒を減圧下留去して、青色樹脂状化合物A1223部を得た。 この化合物Aは、一般式(1)のR2がヘキサン−1,2−ジイル基(−CH2CH(C4H9)−)であり、R3がエテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)であるフタロシアニン誘導体をその主成分として含むものであった。化合物Aの1H−NMR分析結果を図1に示した。また、化合物AのGPC分析結果は、標準ポリスチレン換算重量平均分子量6100、多分散度(分散指数)1.33であった。これら分析結果は、上記のフタロシアニン誘導体の構造を支持するものであった。 以下の実施例における化合物についても同様に分析を行い、それぞれ本発明のフタロシアニン誘導体が主成分として含まれていることを確認した。 銅フタロシアニンテトラカルボン酸100部に代えて銅フタロシアニンジカルボン酸177部を用い、実施例1と同様の反応を行って青色樹脂状化合物B1276部を得た。 この化合物Bの1H−NMR分析結果は、化合物Aとほとんど同一であった。また、化合物BのGPC分析結果は、標準ポリスチレン換算重量平均分子量6600、多分散度1.35であった。 銅フタロシアニンテトラカルボン酸100部に代えて銅フタロシアニンオクタカルボン酸123部を用い、実施例1と同様の反応を行って青色樹脂状化合物C1253部を得た。 この化合物Cの1H−NMR分析結果は、化合物Aとほとんど同一であった。また、化合物CのGPC分析結果は、標準ポリスチレン換算重量平均分子量3000、多分散度1.38であった。 攪拌器、還流管等必要器具を備えたガラス製三口フラスコに、銅フタロシアニンテトラカルボン酸100部、エチレングリコールジグリシジルエーテル927部及び塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1部を仕込み、十分に攪拌しながら窒素気流下120℃で2時間反応させた。次いで、温度を120℃に保ったまま、フタル酸の25%ジオキサン溶液3535部を2時間かけて逐次滴下した。滴下後引き続き120℃で4時間反応を継続し、次いで溶媒を減圧下留去して、青色樹脂状化合物D1910部を得た。 この化合物Dは、一般式(1)のR2が2,9−ジヒドロキシ−4,7−ジオキサデカン−1,10−ジイル基であり、R3がo−フェニレン基であるフタロシアニン誘導体をその主成分として含むものであった。化合物Dの1H−NMR分析結果は、7.4〜8.0、3.1〜4.2及び2.4〜2.9ppmにそれぞれ多重線を示すものであった。また、化合物DのGPC分析結果は、標準ポリスチレン換算重量平均分子量7100、多分散度1.30であった。 エチレングリコールジグリシジルエーテル927部に代えてジエチレングリコールジグリシジルエーテル1161部、フタル酸の25%ジオキサン溶液3535部に代えてコハク酸の25%ジオキサン溶液2513部を用い、実施例4と同様の反応を行って青色樹脂状化合物E1889部を得た。 この化合物Eは、一般式(1)のR2が2,12−ジヒドロキシ−4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジイル基であり、R3がエチレン基であるフタロシアニン誘導体をその主成分として含むものであった。化合物Eの1H−NMR分析結果は、3.1〜4.3及び2.0〜2.9ppmにそれぞれ多重線を示すものであった。また、化合物EのGPC分析結果は、標準ポリスチレン換算重量平均分子量8100、多分散度1.45であった。 攪拌器、還流管等必要器具を備えたガラス製三口フラスコに、銅フタロシアニンテトラカルボン酸100部及び塩化チオニル665部を仕込み、十分に攪拌しながら窒素気流下12時間沸点還流させた後、過剰の塩化チオニルを減圧下留去した。フラスコ内に残った青色固形物に二塩化スクシニル824部及びクロロベンゼン2660部を加えて、十分に攪拌しながら窒素気流下80℃に昇温し、エチレングリコール363部を2時間かけて逐次滴下した。滴下後引き続き80℃で4時間反応を継続し、次いで溶媒を減圧下留去して、青色樹脂状化合物F880部を得た。 この化合物Fは、一般式(1)のR2とR3が共にエチレン基であるフタロシアニン誘導体をその主成分として含むものであった。化合物Fの1H−NMR分析結果は、2.6〜4.3ppmに多重線を示すものであった。また、化合物FのGPC分析結果は、標準ポリスチレン換算重量平均分子量5000、多分散度1.41であった。 攪拌器、還流管等必要器具を備えたガラス製三口フラスコに、銅フタロシアニンテトラカルボン酸100部及び塩化チオニル665部を仕込み、十分に攪拌しながら窒素気流下12時間沸点還流させた後、過剰の塩化チオニルを減圧下留去した。フラスコ内に残った青色固形物にクロロベンゼン1330部を加えて、十分に攪拌しながら窒素気流下80℃に昇温し、別途合成しておいた末端に一級のヒドロキシル基を有するポリエステルの50%クロロベンゼン溶液(ε−カプロラクトン607部、1−ブタノール39部、クロロベンゼン646部及びチタン酸テトラブチル2部を120℃で4時間反応させたもの)1294部を2時間かけて逐次滴下した。滴下後引き続き80℃で4時間反応を継続し、次いで溶媒を減圧下留去して、青色樹脂状化合物G737部を得た。 この化合物Gは、一般式(1)のR4がペンタメチレン基であり、R5がブチレン基であるフタロシアニン誘導体をその主成分として含むものであった。化合物Gの1H−NMR分析結果は、3.9〜4.2、2.2〜2.4及び1.2〜1.7ppmにそれぞれ多重線を示すものであった。また、化合物GのGPC分析結果は、標準ポリスチレン換算重量平均分子量4900、多分散度1.50であった。 実施例1〜7で得た青色樹脂状化合物A〜Gのいずれかを40部、ε形銅フタロシアニンブルー顔料(ピグメント・ブルー15:6)100部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート860部を配合し、ペイントシェーカーを用いて6時間の分散処理を行い、顔料分散体A〜G各1000部を製作した。ここで、ペイントシェーカーのメディアには、0.4mmφジルコニアビーズを充填率40%で用いた。なお、化合物Aからは顔料分散体Aが製作され(実施例8)、化合物Gからは顔料分散体Gが製作される(実施例14)というように両者に付された記号は対応し、実施例番号はその順に付される。比較例1 青色樹脂状化合物A40部を用いずに実施例8と同様の処理を行って顔料分散体X960部を製作した。比較例2 青色樹脂状化合物A40部に代えて、実施例7に示した末端に一級のヒドロキシル基を有するポリエステル(溶媒を留去したもの)40部を用い、実施例8と同様の処理を行って顔料分散体Y1000部を製作した。(顔料分散体の特性評価) 製作した顔料分散体の粘度は、振動式粘度計(山一電機社製商品名:ビスコメイトVM−100)を用いて測定した。また、顔料分散体中の顔料の平均粒径を、粒度分布計(大塚電子社製商品名:濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000)を用いて測定した。 顔料分散体の評価は、以下の基準に従った。粘度が、50cP未満:○、50cP以上100cP未満:△、100cP以上(測定不能を含む):×。また、平均粒径が、1000nm未満:○、1000nm以上5000nm未満:△、5000nm以上(測定不能を含む):×。 実施例及び比較例で得られた顔料分散体の評価結果を表1に示す。実施例における顔料分散体は、比較例における顔料分散体と比較して低粘度で平均粒径が小さく、分散安定性に優れるものであった。一方、比較例における顔料分散体の分散安定性は不良であった。青色樹脂状化合物Aの1H−NMR分析結果を示すグラフ 下記一般式(1)で示されるフタロシアニン誘導体又はその塩。 Pc−(CO−R1−O−X)n (1)(但し、Pcはn価のフタロシアニン残基、R1は−(O−R2−O−OC−R3−CO)p−又は−(O−R4−CO)q−からなる基を示し、Xは水素原子、−R2−OH又は−R5−Hを示し、nは1〜8を示し、pは1〜100を示し、qは2〜200を示すが、nが2以上のときは、p及びqは一分子中に平均として上記数値の範囲にあればよく、また、R2〜R5は炭素数1〜20の2価の有機基を示す) 請求項1記載のフタロシアニン誘導体からなることを特徴とする顔料分散剤。 顔料に請求項2記載の分散剤を配合した組成物であり、顔料:分散剤の重量比が99:1〜50:50であることを特徴とする顔料組成物。 請求項3記載の顔料組成物が、液体に分散されてなることを特徴とする顔料分散体。 【課題】 顔料の分散に用いたとき、顔料に易分散性を与え、製作される顔料分散体に高安定性を与える新規な分散剤であって、多くの溶剤に対して使用可能で、収率よく高純度で製造できる顔料誘導体型の分散剤を提供する。【解決手段】 分散剤として下記一般式(1)で示されるフタロシアニン誘導体を使用する。 Pc−(CO−R1−O−X)n (1)(但し、Pcはn価のフタロシアニン残基、R1は−(O−R2−O−OC−R3−CO)p−又は−(O−R4−CO)q−からなる基を示し、Xは水素原子、−R2−OH又は−R5−Hを示し、nは1〜8を示し、pは1〜100を示し、qは2〜200を示すが、nが2以上のときは、p及びqは一分子中に平均として上記数値の範囲にあればよく、また、R2〜R5は炭素数1〜20の2価の有機基を示す)【選択図】 なし