生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_透明固形石鹸
出願番号:2003275394
年次:2005
IPC分類:7,C11D1/68,A61K7/50,C11D1/04,C11D9/26


特許情報キャッシュ

下里 功 JP 2005036123 公開特許公報(A) 20050210 2003275394 20030716 透明固形石鹸 ポーラ化成工業株式会社 000113470 下里 功 7C11D1/68A61K7/50C11D1/04C11D9/26 JPC11D1/68A61K7/50C11D1/04C11D9/26 6 OL 7 4C083 4H003 4C083AB032 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC242 4C083AC251 4C083AC252 4C083AC421 4C083AC422 4C083AC892 4C083AD222 4C083CC23 4C083DD01 4C083DD21 4C083EE01 4C083EE03 4C083EE07 4C083FF05 4H003AB04 4H003AC03 4H003BA01 4H003DA02 4H003EA21 4H003EB04 4H003EB05 4H003EB24 4H003EB41 4H003ED02 4H003FA10 4H003FA17 本発明は、透明石鹸に関し、更に詳細には、泡立ちと、形成した泡の安定性に優れる、透明固形石鹸に関する。 透明固形石鹸は、その美麗な形状と意匠性より、古くから高級石鹸に適用されている。かかる透明固形石鹸は、微細な脂肪酸石鹸の結晶の密集集合体であることが知られて、この様な形態を保つためには、少量の水分と、グリセリン、ショ糖などの糖類と、少量のエタノールが混在することが必要であると言われている。これらの割合はかなり微妙なバランスで透明性に影響を及ぼすことも知られており、天然油脂などを脂肪酸源として用いた場合には、脂肪酸組成のバラツキにより、透明性がばらつき、時として、透明性を向上させるために、ニートソープをホットロールなどにかけ、含水量、含アルコール量を調整するような調整工程が、製造上必要になる場合が存する。これは、工程管理上非常に好ましくなく、この様な事態を避けるために、固形透明石鹸の透明域を広げるために種々の試みが為されている。かかる試みとしては、分岐の脂肪酸を脂肪酸石鹸源に加える方法(例えば、特許文献1を参照)或いはポリグリセリンの分岐脂肪酸エステルを含有させる方法(例えば、特許文献2を参照)などが存する。しかしながら、これらは何れも、透明域は広げられるものの、泡立ちの良さと、堅固な泡質を損なう場合が存し、充分な解決策とは言えないのが現状であった。又、この様な技術では固形石鹸の耐水性が低下し、浴室において使用する場合に、含水してくずれやすい傾向にあると言う欠点も存している。 一方、ポリグリセリンの脂肪酸エステルについて、このものを固形石鹸以外の洗浄料に、補助洗浄剤として用いることは既に知られている。(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5,特許文献6を参照)しかしながら、ポリグリセリンの脂肪酸エステルの内、脂肪酸残基が直鎖飽和脂肪酸残基であるものを、固形の透明石鹸に含有させる技術も、このものを固形の透明石鹸に含有させることにより、該固形石鹸に於ける透明域が、泡立ちや泡質を損なわずに、広がることも全く知られていなかった。特開平7−268392号公報特開平8−283795号公報特開2002−194389号公報特開2002−87950号公報特開2002−173694号公報特開平10−147507号公報 本発明は、この様な状況下為されたものであり、固形石鹸に於いて、その透明域を、泡立ちや泡質を損なわずに、広げる技術を提供することを課題とする。 この様な状況に鑑みて、本発明者らは、固形石鹸に於いて、その透明域を、泡立ちや泡質を損なわずに、広げる技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを含有させて、透明石鹸を作成することにより、透明域の広い固形石鹸が得られることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。(1)ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを含有することを特徴とする、固形石鹸。(2)透明な形状を有することを特徴とする、(1)に記載の固形石鹸。(3)ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを構成する直鎖飽和脂肪酸残基が、ラウロイル基であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の固形石鹸。(4)ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを構成するポリグリセリン残基が、デカグリセリン残基であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の固形石鹸。(5)ポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸のエステルの含有量が、0.1〜5重量%であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の固形石鹸。(6)脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸として、オレイン酸を5〜15重量%含有することを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の固形石鹸。 本発明によれば、固形石鹸に於いて、その透明域を、泡立ちや泡質を損なわずに、広げる技術を提供することができる。(1)本発明の固形石鹸の必須成分であるポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステル 本発明の洗浄料は、ポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸エステルを必須成分として含有する。かかるポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸エステルとしては、親水性の界面活性剤としての特性を有するものが好ましく、具体的には、グリセリンの平均重合度が5〜15であって、フリーの水酸基が少なくとも4つ以上、好ましくは8〜10存在する形態が好ましい。これらの中では、デカグリセリン骨格が特に好ましい。又、飽和直鎖脂肪酸残基としては、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基等が好適に例示でき、ラウリン酸残基が特に好ましい。これは、ラウリン酸残基である時に、油性汚れの除去効果が顕著である為である。特に好ましいポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンモノラウレートが例示できる。本発明の固形石鹸に於いては、この様なポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸エステルは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。かかるポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸エステルの、本発明の固形石鹸に於ける、好適な含有量は、総量で0.1〜5重量%であり、更に好ましくは0.4〜1重量%である。これは多すぎると、透明性を損なう場合が存したり、含水してくずれやすくなったりする場合が存し、少なすぎると、透明域を広げる効果を奏しない場合が存するからである。(2)本発明の固形石鹸 本発明の固形石鹸は、上記ポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸エステルを必須成分として含有し、透明であることを特徴とする。本発明の固形石鹸においては、かかる必須成分以外に、通常固形石鹸で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、ショ糖、ソルビトール、マルチトール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤、エデト酸塩類やエタンジホスホン酸塩類などのキレート剤などが好ましく例示できる。これらの内好ましいものは、石鹸を透明化する作用を有する、ショ糖、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコール類である。多価アルコールとしては、総量で30〜40重量%が好ましく、その内訳としては、ショ糖やグリセリンはそれぞれ10〜20重量%、更に好ましくは12〜18重量%含有することが好ましく、ソルビトールは1〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%が好ましい。本発明の固形石鹸は、通常の方法に従って、上記必須成分と、任意分とを処理することにより製造することが出来る。製造法としては、例えば、予め素石鹸生地を作成し、加温ロールなどをかけてエタノール量を調整した後、ペレットなどに加工した後、機械練りであればこれを型打ちし、枠練りであれば、加温して流動性を与えた後、型枠に流し込み、冷却、成形することにより製造することが出来る。 以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例に限定を受けないことは言うまでもない。<実施例1> 以下に示す処方に従って、本発明の透明石鹸を作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱して、攪拌混合し、しかる後に、攪拌冷却して、石鹸生地を得た。これを加温ロールにかけてエタノール量を5%程度のなるように調整し、ペレッターにかけてペレット化して、90℃で溶解させ、型枠に流し込んで成形し、1ヶ月間40℃で熟成させて、本発明の透明石鹸(100g)を得た。熟成後の組成も下記に示す。同時に、処方成分中のデカグリセリンモノラウレートをショ糖に置換した比較例1、イソステアリン酸に置換した比較例2、デカグリセリンモノラウレートのみを除いた比較例3を同様に作成し、本発明の固形石鹸、比較例1〜3の中での、透明度の順位を調べた。又、これらの固形石鹸を湿ったタオルの上に8時間置き、重量を測定し、これを湿ったタオルで拭い、重量の減少の度合いを調べた。これらの結果を表1に示す。これより、本発明の固形石鹸は透明性に優れることが判る。(仕込量)エタノール 19.5重量部グリセリン 12.5重量部水酸化ナトリウム 5 重量部ソルビトール 3.5重量部グラニュー糖 12 重量部高純度オレイン酸(純度99.9%) 9.5重量部デカグリセリルモノラウレート 0.5重量部ベヘン酸 1 重量部ミリスチン酸 16 重量部ステアリン酸 2 重量部パルミチン酸 4 重量部エタンジホスホン酸ナトリウム 0.1重量部水 14.4重量部(熟成後の組成)エタノール 4.5重量部グリセリン 14.7重量部水酸化ナトリウム 5.9重量部ソルビトール 4.1重量部グラニュー糖 14.1重量部高純度オレイン酸(純度99.9%) 11.1重量部デカグリセリルモノラウレート 0.6重量部ベヘン酸 1.2重量部ミリスチン酸 18.8重量部ステアリン酸 2.3重量部パルミチン酸 4.7重量部エタンジホスホン酸ナトリウム 0.1重量部水 16.9重量部<実施例2> 実施例1と同様に透明石鹸を作成した。同時に、処方成分中のデカグリセリンモノラウレートをショ糖に置換した比較例4、イソステアリン酸に置換した比較例5、デカグリセリンモノラウレートのみを除いた比較例6を同様に作成し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。これより、本発明の固形石鹸は透明域が広いことが判る。(仕込量)エタノール 19.5重量部グリセリン 7.5重量部水酸化ナトリウム 5 重量部ソルビトール 3.5重量部グラニュー糖 17 重量部高純度オレイン酸(純度99.9%) 9.5重量部デカグリセリルモノラウレート 0.5重量部ベヘン酸 1 重量部ミリスチン酸 16 重量部ステアリン酸 2 重量部パルミチン酸 4 重量部エタンジホスホン酸ナトリウム 0.1重量部水 14.4重量部(熟成後の組成)エタノール 4.5重量部グリセリン 8.8重量部水酸化ナトリウム 5.9重量部ソルビトール 4.1重量部グラニュー糖 20 重量部高純度オレイン酸(純度99.9%) 11.1重量部デカグリセリルモノラウレート 0.6重量部ベヘン酸 1.2重量部ミリスチン酸 18.8重量部ステアリン酸 2.3重量部パルミチン酸 4.7重量部エタンジホスホン酸ナトリウム 0.1重量部水 16.9重量部<実施例3> 実施例1と同様に透明石鹸を作成した。同時に、処方成分中のデカグリセリンモノラウレートをショ糖に置換した比較例7、イソステアリン酸に置換した比較例8、デカグリセリンモノラウレートのみを除いた比較例9を同様に作成し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。これより、本発明の固形石鹸は透明域が広いことが判る。(仕込量)エタノール 19.5重量部グリセリン 12.5重量部水酸化ナトリウム 5 重量部グラニュー糖 15.5重量部高純度オレイン酸(純度99.9%) 9.5重量部デカグリセリルモノラウレート 0.5重量部ベヘン酸 1 重量部ミリスチン酸 16 重量部ステアリン酸 2 重量部パルミチン酸 4 重量部エタンジホスホン酸ナトリウム 0.1重量部水 14.4重量部(熟成後の組成)エタノール 4.5重量部グリセリン 14.7重量部水酸化ナトリウム 5.9重量部グラニュー糖 18.2重量部高純度オレイン酸(純度99.9%) 11.1重量部デカグリセリルモノラウレート 0.6重量部ベヘン酸 1.2重量部ミリスチン酸 18.8重量部ステアリン酸 2.3重量部パルミチン酸 4.7重量部エタンジホスホン酸ナトリウム 0.1重量部水 16.9重量部 本発明を応用することにより、安定な固形石鹸を提供出来るので、石鹸産業に有用である。ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを含有することを特徴とする、固形石鹸。透明な形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の固形石鹸。ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを構成する直鎖飽和脂肪酸残基が、ラウロイル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固形石鹸。ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを構成するポリグリセリン残基が、デカグリセリン残基であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の固形石鹸。ポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸のエステルの含有量が、0.1〜5重量%であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の固形石鹸。脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸として、オレイン酸を5〜15重量%含有することを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の固形石鹸。 【課題】 固形石鹸に於いて、その透明域を、泡立ちや泡質を損なわずに、広げる技術を提供する。 【解決手段】 ポリグリセリンと直鎖飽和脂肪酸のエステルを固形石鹸に含有させて、透明石鹸とする。かかるポリグリセリンの直鎖飽和脂肪酸エステルとしては、親水性の界面活性剤としての特性を有するものが好ましく、具体的には、グリセリンの平均重合度が5〜15であって、フリーの水酸基が少なくとも4つ以上、好ましくは8〜10存在する形態が好ましい。これらの中では、デカグリセリン骨格が特に好ましい。又、飽和直鎖脂肪酸残基としては、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基等が好適に例示でき、ラウリン酸残基が特に好ましい。 【選択図】 なし


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