生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_X線分析機器用窓材
出願番号:2003187380
年次:2005
IPC分類:7,G01N23/223,G21K5/00,G21K5/02,G21K7/00


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中村 勝光 手塚 裕 JP 2005024299 公開特許公報(A) 20050127 2003187380 20030630 X線分析機器用窓材 田中科学機器製作株式会社 392014036 日比谷 征彦 100075948 中村 勝光 手塚 裕 7 G01N23/223 G21K5/00 G21K5/02 G21K7/00 JP G01N23/223 G21K5/00 W G21K5/02 X G21K7/00 3 1 OL 5 2G001 2G001AA01 2G001BA04 2G001CA01 2G001KA01 2G001MA02 2G001NA04 2G001NA08 2G001QA02 2G001QA10 2G001RA05 2G001SA10 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、例えばX線分析用いられる機器のX線分析機器用窓材に関するものである。【0002】【従来の技術】蛍光X線分析装置は試料に一次X線を照射した際に発生する二次X線である蛍光X線を検出して、試料中に含まれる微量成分やその濃度を分析、測定する装置である。試料が液体の場合には専用の試料セルが使用され、試料セルには液状試料にX線を照射し、発生する蛍光X線を検出するための窓が設けられる。【0003】例えば特許文献1にはフローセルが開示されており、窓材にはX線の吸収率が低い高分子薄膜を用い、この高分子薄膜を取り付ける際には端面の環状溝にゴム製のOリングを装着した後に高分子製薄膜を被せ、抑えフランジで押さえ込んでワンタッチ操作で嵌着している。【0004】【特許文献1】特開平10−197460号公報【0005】【発明が解決しようとする課題】上述の特許文献1におけるフローセルは、高分子の薄膜を簡易に嵌着し、試料セルを流れる液体中の微量成分を連続的に検出する目的には適しているが、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィルムから成る高分子薄膜は、液体試料を構成する溶媒等により膨潤し易く、破損の虞れが多分にある。【0006】また、分析室等で随時に試料を交換して分析を行う場合には、カップ形の試料セルを使用し、その窓材は使い捨てとしている。【0007】通常では4〜6μmの厚みを持つ高分子薄膜には±0.5μm程の厚みのばらつきがあり、高分子薄膜を交換する度にX線の透過量が変わるため、測定値のセル間誤差を避けることが困難である。更に、ガソリン、軽油等の硫黄分の上限は現在の50ppmから数年内に10ppmに引き下げられる予定であり、このような低濃度の測定には、一層の精度向上とセル間誤差の低減が求められる。従って、長期間固定的に使用でき、感度、再現性が共に高く、試料の入れ換えが容易な試料セルの開発が望まれている。【0008】一方、軽金属であるベリリウムはX線の透過率が高いこともあって、X線管やX線検出器の窓材として広く使われており、試料セルの窓材としても上記の不具合の一部を解消するのに適している。しかし、一般にはベリリウムの板材を転圧して薄板を作製しているが、例えば必要な厚さである25μmの薄板を得ようとすると、微細なピンホールが発生し易くなり、歩留まりが低下してしまう。このため、X線透過率を犠牲にして2倍以上の厚さの薄板を使用することが多い。また、窓材にピンホールがあると、液体試料が吸着され易く、試料を交換し洗浄等を行っても、ピンホール内に前の試料が残留する結果、汚染が発生し分析精度が低下する問題が生ずる。【0009】本発明の目的は、上述の課題を解消し、寿命の短い高分子薄膜に代り、ベリリウムを蒸着したベリリウム薄板を使用することにより、長期間の使用に耐え、高精度の結果が得られるX線分析機器用窓材を提供することにある。【0010】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明に係るX線分析機器用窓材は、ベリリウム薄板の少なくとも一方の面をベリリウムの蒸着膜により被覆したことを特徴とする。【0011】【発明の実施の形態】本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は実施の形態に係る試料セルの断面図、図2は基体の平面図である。例えば、フッ素樹脂(テフロン(登録商標)等)で形成された短円柱状の基体1には、Oリング溝2,ボルト穴3が形成されている。この基体1の上に、同材質の短円筒状の窓枠4がOリング5、ボルト6を介して固定されている。窓枠4の上部にはOリング7を介して窓材としてベリリウム薄板8が取り付けられ、ベリリウム薄板8と基体1との間隙は試料室9とされている。この試料室9に面する基体1には2個の孔10、11が形成され、一方は試料流入孔10、他方は試料排出孔11とされ、それぞれジョイント12、13を介して外部の管体14、15に接続されている。また、基体1の中心部には温度測定端挿入用の孔部16が設けられている。なお、孔17は基体1を固定するためのボルト孔である。【0012】窓枠9に取り付けられるベリリウム薄板8は例えば厚み25μmであり、ピンホールを埋める目的で、少なくとも試料室9側の面上には、図3に示すように更に同じ材料のベリリウムによる蒸着膜18が形成されている。なお、このベリリウム蒸着膜18はベリリウム薄板8の両面に施しても支障はない。ベリリウム蒸着膜18により、ベリリウム薄板8のピンホールを埋めることができ、また同じ材料なのでX線透過率が同じという利点がある。【0013】このようなベリリウム蒸着膜18の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法などが使われ、中でもCVD法は薄板8への密着性が高い。【0014】また、ベリリウムはイオン化傾向が高く、液体試料に含まれる水分の影響により腐食するという欠点がある。このベリリウム薄板8及びベリリウム蒸着膜18の耐食性を高めるためには、更に表面に耐食性の高いホウ素の蒸着膜を形成することが好ましく、この場合には試料側の表面のみをホウ素で蒸着してもよい。ベリリウム薄板8及びベリリウム蒸着膜18の耐食性及び電気絶縁性を維持するには、ホウ素蒸着膜の厚みは1〜2μmにすればよく、このように作製された窓材は耐食性が高まるだけでなく、高精度の測定も保証する。【0015】使用に際しては、液体試料は試料流入孔10から試料室9内に充填され、液体試料にX線源から一次X線を照射する蛍光X線が励起され、この蛍光X線の分光強度を分析するなどして、蛍光X線による成分分析等を行うことができる。このとき、必要に応じて孔部16にはサーミスタ等の測温体を挿入して温度を測定する。【0016】測定終了後は液体試料を試料排出孔11から排出し、試料流入孔10から試料室9に有機溶媒を注入して洗浄する。洗浄後に、空気を通過させて試料室9内を乾燥させれば、再び液体試料を注入して次の測定を行うことができる。【0017】また、ベリリウム薄板8は転圧法で製作するのではなく、多数回の蒸着によってベリリウムのみを必要な厚さにまで積層させても得ることができる。【0018】このようにベリリウム蒸着膜18を施したベリリウム薄板8を窓枠4に取り付けた試料セルは、分析室用或いはオンラインにおいても使用可能であるが、検出器もエネルギ分散型、波長分散型の何れとも組合わせることができる。従って、汎用蛍光X線分析装置のみならず、例えば硫黄分析計のように単目的の分析計にも応用可能である。【0019】また、本発明に係る窓材は試料セル以外にも、X線管やX線検出器のX線を連通させる窓材としても使用できる。【0020】【発明の効果】以上説明したように本発明に係るX線機器用窓材は、窓材としてベリリウム薄板の上にベリリウム蒸着膜を形成したので、長期間の使用に耐え、ピンホールがないために測定試料による表面汚染が防止され、かつ試料室の洗浄も容易になり、高精度の測定が可能になる。【図面の簡単な説明】【図1】試料セルの断面図である。【図2】試料セルの平面図である。【図3】ベリリウム蒸着膜を施したベリリウム薄板の拡大断面図である。【符号の説明】1 基体4 窓枠8 ベリリウム薄板9 試料室10 試料流入孔11 試料排出孔18 ベリリウム蒸着膜 ベリリウム薄板の少なくとも一方の面をベリリウムの蒸着膜により被覆したことを特徴とするX線分析機器用窓材。 前記ベリリウム蒸着膜を被覆した面を更にホウ素の蒸着膜により被覆したことを特徴とする請求項2に記載のX線分析機器用窓材。 請求項1又は2の窓材を使用した試料セル。 【課題】試料室内の液体試料の成分を高精度かつ再現性良く検出する。【解決手段】短円柱状の基体1の上に窓枠4が固定され、窓枠4の上部には窓材としてベリリウム薄板8が取り付けられている。ベリリウム薄板8と基体1の間隙は試料室9とされ、試料室9に面する基体1には試料流入孔10、試料排出孔11が設けられている。窓部7に取り付けられるベリリウム薄板8は例えば厚み25μmであり、ピンホールを埋める目的で、少なくとも試料室9側の面上には、更にベリリウムによる蒸着膜が形成されている。【選択図】 図1


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