タイトル: | 公開特許公報(A)_慢性疲労症候群罹患リスクの予測方法 |
出願番号: | 2003185130 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C12N15/09,A61K45/00,A61P3/00,C12Q1/68,G01N33/483 |
倉恒 弘彦 渡辺 恭良 成田 正明 成田 奈緒子 JP 2005013147 公開特許公報(A) 20050120 2003185130 20030627 慢性疲労症候群罹患リスクの予測方法 株式会社総合医科学研究所 303030922 倉恒 弘彦 500210855 渡辺 恭良 596037367 田中 光雄 100081422 高山 裕貢 100103230 齋藤 みの里 100087114 倉恒 弘彦 渡辺 恭良 成田 正明 成田 奈緒子 7 C12N15/09 A61K45/00 A61P3/00 C12Q1/68 G01N33/483 JP C12N15/00 A A61K45/00 A61P3/00 C12Q1/68 Z G01N33/483 F 11 OL 13 2G045 4B024 4B063 4C084 2G045AA13 2G045BA11 2G045DA13 2G045FB05 2G045JA01 4B024AA11 4B024BA80 4B024CA02 4B024CA05 4B024HA11 4B024HA19 4B063QA12 4B063QA19 4B063QQ03 4B063QQ42 4B063QR32 4B063QR62 4B063QS16 4B063QS25 4C084AA17 4C084MA01 4C084NA14 4C084ZC212 4C084ZC542 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、慢性疲労症候群に罹患するリスクを予測する方法に関連する。本発明はまた、慢性疲労症候群に罹患するリスクを予測する方法において使用する配列を含む核酸にも関連する。さらに、本発明は、慢性疲労症候群に罹患している患者の効果的な処置方法にも関連する。【0002】【従来の技術】慢性疲労症候群(CFS)とは、これまで健康に生活していた人が風邪などに罹患したことをきっかけに、原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降健全な社会生活が送れなくなる病気である。1999年、厚生省の疲労調査研究班が15〜65才の男女4,000名を対象に疲労の疫学調査を行ったところ、35.8%の人々が半年以上続く慢性的な疲労を認めており、その約半数の人が疲労のために以前に比べ作業能力が低下していることが明らかになった。また、日常生活や社会生活に重大な支障をきたすCFSの診断基準を満たす人が日本国民の約0.3%認められることも判明した。従って、慢性的な疲労は現代社会の経済的損失という観点からも大きな社会問題である。【0003】CFSの正確な病態生理学は今日まで未知であるが、サイトカイン、ニューロペプチドまたは神経伝達物質が、患者において見出される異常な免疫反応および視床下部−下垂体−副腎(HPA)軸の乱れの原因であると考えられている(非特許文献1、非特許文献2)。本発明者らは、1つの仮説として、社会心理的ストレスが慢性の疲労感に至るカスケードの存在を提唱してきた(非特許文献3)。しかし、同程度のストレス環境にあっても慢性的な疲労を感じない人と感じる人、および慢性疲労症候群に罹患する人としない人が存在することが知られており、このような違いをもたらす原因は、遺伝的素因も含め未解明である。【0004】CFSの病理メカニズムに関わると考えられている神経伝達物質の1つに、セロトニン(5−HT)が挙げられる。セロトニンは、中枢神経系では主として脳幹の縫線核を起源とする神経系に存在し、14種の異なる5−HT受容体を介して覚醒や意識、情動などの様々な脳機能を調整し、睡眠、食欲、痛みおよび炎症を調節することが知られている。いくつかの5−HTアゴニスト負荷試験により、CFS患者では5−HT−HPA軸相互作用が乱れていることが示された(非特許文献2)。しかしながら、現在まで、セロトニンシステムに注目したCFS罹患リスクの予測方法は存在しなかった。【0005】【非特許文献1】エイ・ジェイ・アール・パーカー(A. J. R. Parker)、ほか2名、「サイコロジカル・メディシン(Psychological Medicine)」、(英国)、2001年、第31巻、p.1331−1345【非特許文献2】倉恒弘彦、ほか13名、「ニューロイメージ(NeuroImage)」、(米国)、2002年、第17巻、p.1256−1265【非特許文献3】倉恒弘彦、「疲労物質と慢性疲労症候群」、炎症と免疫、2002年、第10巻、第5号、p.574−580【0006】【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題は、CFS罹患リスクの正確な予測方法を確立することである。さらに、CFS罹患リスクが高く、かつ実際にCFSに罹患した患者における、効果的なCFS処置方法を提供することも本発明の課題である。【0007】【課題を解決するための手段】本発明者らは、慢性疲労症候群の発症と5−HTTLPRの多型との関連性を世界で初めて見出した。この知見に基づき、慢性疲労症候群に罹患するリスクを予測する方法を完成させた。【0008】本発明の第1の態様は、慢性疲労症候群罹患リスクの予測方法である。その方法は、被験対象から採取した細胞のゲノム中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定することを含む。【0009】本発明の第2の態様は、慢性疲労症候群罹患リスクを予測するためのデータを収集する方法である。その方法は、被験対象から採取した細胞のゲノム中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定することを含む。【0010】本発明の第3の態様は、慢性疲労症候群罹患リスクの予測に使用するための核酸である。その核酸は、a)配列番号2ないし配列番号4のいずれかの5−HTTLPR配列、b)配列番号2ないし配列番号4のいずれかの5−HTTLPR配列において、1個または数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加された配列、のいずれかの配列、またはそれらの相補的配列の全長または一部を含む。【0011】本発明の第4の態様は、慢性疲労症候群の処置方法である。この方法では、慢性疲労症候群に罹患している患者の5−HTTLPRの遺伝子型がLであると判定された場合に、該患者に対して選択的セロトニン再取込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:SSRI)および/または5−HTアゴニストを投与する。【0012】【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明する。慢性疲労症候群(CFS)とは、これまで健康に生活していた人が、風邪などに罹患したことをきっかけに原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降疲労感とともに微熱、頭痛、脱力感や、思考力の障害、抑うつなどの精神神経症状などが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなる疾患である。本発明における「慢性疲労症候群」または「CFS」は、Fukuda らが提唱した臨床基準(Fukuda K, et al. Annals of Internal Medicine 1994; 121(12): 953−9)または米国疾患制御予防センターのガイドライン(Bock G, Whelan J 編、Chronic Fatigue Syndrome. New York: Wiley; 1993:83−101 中の Epidemiology of Chronic Fatigue Syndrome: the Centers for Disease Control study)に該当する疾患と定義される。【0013】CFSの病因論について種々の議論がなされているが、本発明者らは、セロトニン(5−HT)システムに着目した。前述のように、5−HT神経システムは様々な脳機能を調整し、非常に複雑であるが、単一のタンパク質である5−HTトランスポーター(5−HTT)によって制御されている。5−HTTは、細胞外環境からの5−HT再取込みを制御することにより、シナプスに存在する5−HTの量を調節し、5−HTおよびその受容体間の相互作用の期間と強度を調節する(Blakely RD et al., Nature;354:66−70, 1991, Lesch K−P et al., Science, 274;1527−30:1996)。【0014】5−HTT遺伝子(5−htt)の転写開始点の約1kb上流にある、反復配列からなる領域(EMBL/GenBank 受託番号Y13147)には、多型が報告されている(A. Heils et al., J. Neural. Transm., 102, 247 (1995); A. Heils et al., J. Neurochem. 66, 2621 (1996))。5−HTT遺伝子関連多型領域(5−HTTLPR)とも呼ばれるその領域は、cccccctgcaacctccc(配列番号1)の塩基配列またはこれに類似する配列が14回(S型:配列番号2)または16回(L型:配列番号3)反復した配列からなる。極めてまれに、それ以上の反復回数(18回、20回など)の配列も存在するが、それらは全てXL型と分類されている(一例を配列番号4に示す)。本明細書では、5−HTT遺伝子の翻訳開始点の上流に位置する調節領域を5−HTT遺伝子5’上流領域と表し、5−HTT遺伝子5’上流領域中の反復配列部分を5−HTT遺伝子関連多型領域または5−HTTLPRと表す。【0015】本発明者らは、セロトニンシステムに関連する様々な遺伝子に関し、CFSを罹患している成人と健康な成人の遺伝子型を統計学的に比較して、CFS患者に多い遺伝子型を見出した(実施例参照)。即ち、CFS患者は、L型の5−HTTLPRを有する割合が有意に高かった。他のセロトニンシステム関連多型である5−HT2A受容体プロモーター多型と5−HTTイントロン2VNTR多型が、CFS患者と対照との間に有意な差異を示さなかったことを考慮すると、5−HTTLPRのL型とCFS罹患との間に強い関連があることは明らかである。【0016】インビトロの転写アッセイにより、ヒト5−httの転写活性が5−HTTLPRによって調節され、L型の転写活性がS型よりも高いことが示された(K. P. Lesch et al., Science 274, 1527 (1996))。従って、理論によって制限されるわけではないが、L型の5−HTTLPRを有するヒトでは、S型のヒトと比較して5−HTT量が多く、セロトニン再取込み効率が高いことが推測される。即ち、L型のヒトではセロトニンが活発に再取込みされるため、5−HT受容体と相互作用できる有効なセロトニンが少ないと考えられる。【0017】本発明は、上記の研究結果を利用して慢性疲労症候群罹患リスクの予測を可能にしたことを特徴としている。本発明における「慢性疲労症候群罹患リスク」とは、慢性疲労症候群に罹患しやすい傾向を意味し、該リスクを有するヒトは、有さないヒトと比較して、一定の環境においてCFSを発症する可能性が高い。【0018】以下に、本発明の各態様について具体的に説明する。本発明の慢性疲労症候群罹患リスクの予測方法は、被験対象から採取した細胞のゲノム中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定することを含む。本発明の「被験対象」とは、CFSに罹患する可能性のある哺乳動物、特にヒト、ウマ、愛玩動物を意味するが、CFSに罹患している対象に対しても本発明の方法を使用できる。細胞は被験対象のいかなる組織から採取してもよく、血液から採取するのが容易である。【0019】5−HTTLPRの遺伝子型の判定には、a)被験対象から採取した細胞からゲノムを抽出する段階、b)5−HTTLPRを含む遺伝子を増幅して核酸断片を得る段階、およびc)b)で得られた核酸断片中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定する段階、が含まれる。段階a)では、市販の核酸抽出キットなどを使用して細胞中のゲノムを単離する。場合によっては、段階b)で使用する核酸増幅用成分がゲノムに接近し得る程度に細胞を溶解するだけでよく、他の細胞成分からゲノムを単離しなくてもよい。【0020】段階b)では、PCR法、RNAポリメラーゼを利用する核酸増幅法、鎖置換増幅法などで5−HTTLPR遺伝子を増幅する。最も一般的なRCR法による増幅では、5−HTTLPRの上流および下流に位置する配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用して、5−HTTLPR部分の核酸を増幅させる。増幅させる核酸は、5−HTT遺伝子5’上流領域中の、配列番号2ないし4のいずれかの5−HTTLPRの配列を含んでいれば、どのような長さであってもよい。当業者は、5−HTTLPRを含む核酸の増幅に使用するプライマーを適宜設計し、合成することができる。プライマーとして使用するオリゴヌクレオチドは、約15個から約50個、好ましくは約15個から35個のヌクレオチドからなる。一例として、Science 1996; 274; 1527−1530 の配列の場合、5−HTT遺伝子5’隣接調節領域のヌクレオチド−1416位から−1397位、および−910位から−888位に基づくオリゴヌクレオチドプライマー、5’−GGCGTTGCCGCTCTGAATGC(配列番号5)および5’−GAGGGACTGAGCTGGACAACCAC(配列番号6)を使用すると、各々S型、L型、またはXL型の5−HTTLPRに相当する、484、528bp、またはそれ以上の長さの断片が得られる。5−HTTLPR遺伝子の増幅に使用するプライマーのオリゴヌクレオチドは、段階c)で遺伝子型を判定するために、蛍光物質や放射性同位元素などで標識化されていてもよい。【0021】段階c)では、b)で得られた核酸断片中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定する。本発明の方法では、公知のDNAシークエンス法やDNAチップを使用する方法などいかなる手段で遺伝子型を判定してもよい。特に、最も簡便な方法は、当分野で日常的に使用されている電気泳動法(アガロースゲル電気泳動、アクリルアミド電気泳動など)である。5−HTTLPR多型間には約44bpずつの配列長の差異があるので、この方法により容易に遺伝子型を判定できる。【0022】本発明では、5−HTTLPRの遺伝子型がL型である被験対象は、慢性疲労症候群罹患リスクが高いと予測する。まれに見られるXL型である被験対象も、L型と同様に慢性疲労症候群罹患リスクが高いと予測する。本明細書では、「遺伝子型がS型である」とは、対立遺伝子の両方ともがS型であることを意味し、「遺伝子型がL型である」とは、対立遺伝子の少なくとも一方がL型であることを意味し、同様に、「遺伝子型がXL型である」とは、対立遺伝子の少なくとも一方がXL型であることを意味する。但し、XL型とL型の両方の対立遺伝子を有する被験対象の遺伝子型は、XL型に含める。【0023】本発明の第2の態様は、被験対象から採取した細胞のゲノム中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定することを含む、慢性疲労症候群罹患リスクを予測するためのデータを収集する方法である。その具体的方法は、上記の第1の態様と同様である。【0024】本発明の第3の態様は、慢性疲労症候群罹患リスクの予測に使用するための配列であって、a)配列番号1ないし配列番号4のいずれかの5−HTTLPR配列、またはb)配列番号1ないし配列番号4のいずれかの5−HTTLPR配列において、1個または数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加された配列、のいずれかの配列、またはそれらの相補的配列の全長または一部を含む核酸である。5−HTTLPRを含む5−HTT遺伝子5’隣接調節領域の塩基配列は、、Science 1996; 274; 1527−1530 で公開されている。この配列には、S型(配列番号2)、L型(配列番号3)およびXL型(配列番号4など)が存在する。核酸は、デオキシリボヌクレオチドからなるDNA、リボヌクレオチドからなるRNA、またはデオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドの両者からなる核酸であってよく、ヌクレオチド類似体を含有してもよい。これらの核酸は1本鎖または2本鎖であり得る。「全長または一部を含む核酸」とは、a)またはb)の配列の全長または一部に加えて、例えば5−HTTLPR隣接領域の配列、リンカー配列、ベクターの配列などの、5−HTTLPR配列の遺伝子型を判定するために必要とされる配列も含み得ることを意味する。【0025】本発明の第4の態様は、慢性疲労症候群の処置方法である。この方法では、慢性疲労症候群に罹患している患者の5−HTTLPRの遺伝子型がL型であると判定された場合に、該患者に対して選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)および/または5−HTアゴニストを投与する。これは、L型のヒトでは5−HTT量が多く、セロトニンが活発に再取込みされるため、5−HT受容体と相互作用できる有効なセロトニンが少ないという本研究で得られた知見に基づく、効果的な処置方法である。本発明で使用するSSRIには、フルボキサミン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン水和物などが含まれ、これらの投与方法および用量は、処置にあたる医師の判断に従って任意に選択できる。【0026】本発明は文部科学省科学技術振興調整費生活者ニーズ対応研究「疲労および疲労感の分子・神経メカニズムとその防御に関する研究」の成果である。【0027】【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。【0028】本研究では、我々はCFS患者および対照における5−HTTLPRのヌクレオチド配列を調べた。大阪大学病院で処置された78人の患者(35.67±8.2歳)が本研究に参加した。CFSの診断は、Fukuda らが提唱した臨床基準(Fukuda K, et al. Annals of Internal Medicine 1994; 121(12): 953−9)に基づいて行った。研究に先立ち、各患者から書面によるインフォームド・コンセントを得、大阪大学の倫理委員会の承認を受けた。対照は、50人の健康なボランティア(28.0±8.4歳)であった。【0029】各患者および対照から血液を採取し、Genomic DNA Isolation Reagent (Prepman Ultra, Applied Biosystems, Foster City, CA, USA) を使用して、ゲノムDNAを抽出した。抽出したDNAを、Pediatrics 2001; 107(4):690−692 に記載されているように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅した。5−HTTLPRに隣接し、5−HTT遺伝子5’隣接調節領域のヌクレオチド−1416位から−1397位(配列番号5)および−910位から−888位(配列番号6)に相当するオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、各々S型、L型またはXL型対立遺伝子に相当する、484、528または613bpの断片を生成させた。2%アガロースゲル電気泳動、続く臭化エチジウム染色により、生じたPCR産物を可視化し、遺伝子型を判定した。遺伝子型の分布および5−HTTLPRの対立遺伝子頻度を、ピアソンのχ2検定とフィッシャーの直接法により、CFS患者と対照との間で統計的に分析した。結果を表1に示す。【0030】【表1】【0031】表1の通り、我々は、遺伝子型分布(ピアソンのχ2検定とフィッシャーの直接法によりp<0.05)と対立遺伝子頻度(ピアソンのχ2検定とフィッシャーの直接法によりp<0.05)の両方で、CFS患者と対照との間に5−HTTLPR多型分布の有意な差異を見出した。我々が調べた他の2つの5−HT関連多型である、5−HT2A受容体プロモーター多型と5−HTTイントロン2VNTR多型は、CFS患者と対照との間に有意な差異を示さなかったので(データ不掲載)、我々は5−HTTLPRがCFSの病態生理と密接に関連していると考察する。【0032】【発明の効果】本発明により、慢性疲労症候群罹患リスクを簡単かつ迅速に予測することが可能になる。このことは、慢性疲労症候群の処置や予防に有用である。【配列表】 被験対象から採取した細胞のゲノム中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定することを含む、慢性疲労症候群罹患リスクの予測方法。 遺伝子型がL型またはXL型である場合に慢性疲労症候群罹患リスクが高いと予測する、請求項1に記載の予測方法。 細胞が血液から採取される、請求項1または2に記載の予測方法。 PCR法により遺伝子を増幅させることを含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の予測方法。 遺伝子型の判定がDNAの電気泳動度の比較により実行される、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の予測方法。 慢性疲労症候群罹患リスクを予測するためのデータを収集する方法であって、被験対象から採取した細胞のゲノム中の5−HTTLPRの遺伝子型を判定することを含む方法。 細胞が血液から採取される、請求項6に記載の方法。 PCR法により遺伝子を増幅させることを含む、請求項6または請求項7に記載の方法。 遺伝子型の判定がDNAの電気泳動度の比較により実行される、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の方法。 慢性疲労症候群罹患リスクの予測に使用するための配列であって、a)配列番号2ないし配列番号4のいずれかの5−HTTLPR配列、またはb)配列番号2ないし配列番号4のいずれかの5−HTTLPR配列において、1個または数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加された配列、のいずれかの配列、またはそれらの相補的配列の全長または一部を含む核酸。 慢性疲労症候群に罹患している患者の5−HTTLPRの遺伝子型がLであると判定された場合に、該患者に対してSSRIおよび/または5−HTアゴニストを投与する、慢性疲労症候群の処置方法。 【課題】慢性疲労症候群罹患リスクを予測すること。【解決手段】a)被験対象から採取した細胞からゲノムを抽出する段階、b)5−HTTLPRを含む遺伝子を増幅して核酸断片を得る段階、およびc)b)で得られた核酸断片中のセロトニントランスポーター遺伝子関連多型領域(5−HTTLPR)の遺伝子型を判定する段階、の各段階により、被験対象の5−HTTLPRの遺伝子型を判定する。遺伝子型はS型、L型またはXL型のいずれかであり、L型またはXL型の場合に慢性疲労症候群罹患リスクが高いと予測される。【選択図】なし