タイトル: | 公開特許公報(A)_ジフルプレドナート製剤 |
出願番号: | 2003174892 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K31/573,A61K9/06,A61K9/08,A61K9/107,A61K31/135,A61K31/167,A61K31/17,A61K31/4402,A61K31/4704,A61P29/00 |
西島 聡 山崎 秀仁 片山 雅英 清水 俊人 JP 2005008569 公開特許公報(A) 20050113 2003174892 20030619 ジフルプレドナート製剤 佐藤製薬株式会社 592142670 中村 稔 100059959 大塚 文昭 100067013 熊倉 禎男 100082005 宍戸 嘉一 100065189 今城 俊夫 100074228 小川 信夫 100084009 村社 厚夫 100082821 西島 孝喜 100086771 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 西島 聡 山崎 秀仁 片山 雅英 清水 俊人 7 A61K31/573 A61K9/06 A61K9/08 A61K9/107 A61K31/135 A61K31/167 A61K31/17 A61K31/4402 A61K31/4704 A61P29/00 JP A61K31/573 A61K9/06 A61K9/08 A61K9/107 A61K31/135 A61K31/167 A61K31/17 A61K31/4402 A61K31/4704 A61P29/00 5 OL 11 4C076 4C086 4C206 4C076AA06 4C076AA12 4C076AA17 4C076CC05 4C076DD34 4C076DD38 4C076EE23 4C076EE54 4C076FF36 4C076FF63 4C086AA10 4C086BC17 4C086BC29 4C086DA11 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA07 4C086MA10 4C086MA17 4C086MA22 4C086MA28 4C086NA03 4C086ZB11 4C206AA10 4C206FA05 4C206GA01 4C206GA19 4C206GA31 4C206HA30 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA14 4C206MA21 4C206MA37 4C206MA42 4C206MA48 4C206NA03 4C206ZB11 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、経時安定性に優れたジフルプレドナート製剤に関する。【0002】【従来の技術】湿疹や、虫さされ、蕁麻疹などの皮膚炎に用いられる外用剤には、一般に消炎鎮痛薬、鎮痒薬などが配合され、消炎鎮痛薬の中には、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)や、非ステロイド性消炎剤等が使用され、鎮痒薬には抗ヒスタミン薬や局所麻酔薬などが使用される。医療用では、症状に応じて作用の強いステロイド剤を単独又は抗生物質と併用して使用する場合があるが、作用の強いステロイド剤ではその副作用や投薬中止の際の再発があり、その使用は医師の管理下にあることが必要である。【0003】これに対して、一般薬では、作用の緩和なステロイド剤を使用することが通常であり、医療用と比べると治癒に時間がかかり、かゆみによるかきくずしで、症状が悪化することもある。従って、このようなかゆみの防止や、かきくずしによる傷に対する予防として、上記のように鎮痒成分や殺菌剤を配合することがある。しかし、消炎鎮痛薬としてジフルプレドナートを使用する場合、単味剤での安定性は問題ないものの、抗ヒスタミン薬、局所麻酔薬、鎮痒剤又は殺菌剤等の成分を併用すると、ジフルプレドナートの経時安定性が低下する問題があることが本発明者らによって見出された。【0004】即ち、本発明者らは、ジフルプレドナート製剤に、抗ヒスタミン薬、局所麻酔薬、鎮痒剤又は殺菌剤を配合したところ、抗ヒスタミン薬、局所麻酔薬、鎮痒剤又は殺菌剤の選択によっては、ジフルプレドナート製剤の経時的安定性に、著しい差が見られ、必ずしも全ての抗ヒスタミン薬、局所麻酔薬、鎮痒剤又は殺菌剤がジフルプレドナートと配合できるものではなく、特定の成分を併用することによってジフルプレドナートの経時安定性が優れたものとなることを見出した。【0005】【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、ジフルプレドナートに、抗ヒスタミン薬や、局所麻酔薬、鎮痒剤、殺菌剤等の補助成分を併用する場合において、経時的安定性に優れたジフルプレドナート製剤を提供することを目的とする。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジフルプレドナートに対する抗ヒスタミン薬や、局所麻酔薬、鎮痒剤、殺菌剤等の配合による経時的に安定な製剤を得るべく鋭意研究した結果、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン、クロタミトン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択された成分、好ましくは、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択される成分、特に好ましくは、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸リドカイン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択される成分を併用する場合には、経時的安定性に優れたジフルプレドナート製剤が得られることを見出した。【0007】【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明で使用されるジフルプレドナートは、以下の式で示される、ステロイド系の消炎鎮痛剤に分類されるものである。【0008】【化1】【0009】ジフルプレドナートは、塩の形態、例えば、ナトリウム塩等の形態で使用してもよい。本発明において、ジフルプレドナートと併用される成分は、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン、クロタミトン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択された成分であり、好ましくは、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択され、特に好ましくは、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸リドカイン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択される成分である。【0010】ここで使用される、マレイン酸クロルフェニラミン又は塩酸ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン薬に分類される成分である。本発明では、ジフルプレドナートと併用される成分として、広範な抗ヒスタミン薬の内で、これら2成分との併用においては、ジフルプレドナートの経時安定性を劣化させない優れた成分であった。塩酸リドカイン又は塩酸ジブカインは、局所麻酔薬に分類される成分である。本発明では、ジフルプレドナートと併用される成分として、広範な局所麻酔薬の内で、これら2成分との併用においては、ジフルプレドナートの経時安定性を劣化させない優れた成分であった。【0011】クロタミトンは、鎮痒剤に分類される成分である。上記と同様に、ジフルプレドナートと併用される成分として、クロタミトンを併用する場合には、ジフルプレドナート製剤におけるジフルプレドナートの経時安定性を劣化しないことが見出された。塩酸リドカイン又は塩酸ジブカインは、局所麻酔薬に分類される成分である。上記と同様に、ジフルプレドナートと併用される成分として、これらの成分を併用する場合には、ジフルプレドナート製剤におけるジフルプレドナートの経時安定性を劣化しないことが見出された。トリクロロカルバニリドは、殺菌剤に分類される成分である。上記と同様に、ジフルプレドナートと併用される成分として、トリクロロカルバニリドを併用する場合には、ジフルプレドナート製剤におけるジフルプレドナートの経時安定性を劣化しないことが見出された。【0012】本発明のジフルプレドナート製剤においては、ジフルプレドナートは、製剤の質量に基づいて、例えば、0.001〜0.2質量%、好ましくは、0.005〜0.1質量%の量で配合することが適当である。一方、マレイン酸クロルフェニラミン又は塩酸ジフェンヒドラミンは、は、製剤の質量に基づいて、例えば、0.01〜3質量%、好ましくは、0.02〜2質量%の量で配合することが適当である。塩酸リドカイン又は塩酸ジブカインは、製剤の質量に基づいて、例えば、0.01〜3質量%、好ましくは、0.02〜2質量%の量で配合することが適当である。【0013】クロタミトンは、製剤の質量に基づいて、例えば、0.005〜2質量%、好ましくは、0.01〜1質量%の量で配合することが適当である。トリクロロカルバニリドは、製剤の質量に基づいて、例えば、0.005〜2質量%、好ましくは、0.01〜1質量%の量で配合することが適当である。本発明のジフルプレドナート製剤は、軟膏剤や、クリーム、液剤など各種の剤形で使用することができる。従って、剤形に応じて、上記ジフルプレドナート及び他のとともに、任意に各種の賦形剤を配合することができる。【0014】例えば、軟膏剤の場合には、例えば、鉱物油や、高級脂肪酸、高級脂肪アルコール、脂肪酸エステル油等を配合することができる。鉱物油としては、例えば、白色ワセリンや、ゲル化炭化水素、流動パラフィン、スクワランなどが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸や、ミリスチン酸などが挙げられる。高級脂肪アルコールとしては、例えば、セタノールや、ステアリルアルコールなどが挙げられる。脂肪酸エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピルや、ミリスチン酸オクチルドデシルなどが配合できる。鉱物油は、通常、5〜99質量%、好ましくは、10〜95質量%、高級脂肪酸及び高級脂肪アルコールは、通常、1〜30質量%、好ましくは、2〜20質量%、脂肪酸エステル油は、通常、1〜20質量%、好ましくは、2〜15質量%の量で配合されるのが適当である。【0015】クリーム剤の場合には、軟膏剤と同様に、鉱物油や、高級脂肪酸、高級脂肪アルコール、脂肪酸エステル油等が使用され、更には、界面活性剤や、緩衝剤等が配合される。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。緩衝剤としては、例えば、クエン酸及びその塩類や、酢酸及びその塩類などが挙げられる。更に、その他に防腐剤として、パラオキシ安息香酸メチルなどのパラベン類や、保湿剤としてグリセリンなどのグリコール類が配合される。【0016】鉱物油や、高級脂肪酸、高級脂肪アルコール、脂肪酸エステル油は、通常、1〜30質量%、好ましくは、2〜20質量%、界面活性剤は、通常、1〜15質量%、好ましくは、2〜10質量%、緩衝剤は、通常、0.05〜2質量%、好ましくは、0.1〜1質量%、防腐剤は、通常、0.05〜0.3質量%、好ましくは、0.1〜0.2質量%、保湿剤は、通常、0.5〜15質量%、好ましくは、1〜10質量%の量で配合されるのが適当である。液剤の場合には、低級アルコールとして、エタノールや、イソプロパノールなど、グリコール類として、プロピレングリコールや、マクロゴールなど、水溶性高分子として、カルボキシビニルポリマーや、ポリビニルピロリドンなど、更には、クリーム剤と同様に緩衝剤としてクエン酸及びその塩類などが任意に配合される。低級アルコールは、通常、10〜90質量%、好ましくは、20〜70質量%、グリコール類は、通常、1〜30質量%、好ましくは、2〜20質量%、水溶性高分子は、通常、0.05〜2質量%、好ましくは、0.1〜1質量%、緩衝剤は、通常、0.05〜2質量%、好ましくは、0.1〜1質量%の量で配合されるのが適当である。ジフルプレドナート製剤のpHは、緩衝剤の配合により、例えば、3〜5に調節することが適当である。【0017】【実施例】以下において、実施例及び比較例により、本発明について、更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。【0018】【保存安定性】実施例1〜6及び比較例1〜9ジフルプレドナート製剤を、定法により、以下の表1に記載された配合組成に基づき、軟膏剤を調製した。得られた軟膏剤を、50±1℃で2週間保存した際し、保存後の軟膏剤におけるジフルプレドナードの残存率(%)及び製剤の変色の程度を評価した。結果を同表1に示した。【0019】【表1】注)残余(*):ワセリンを足して、全体を100としたことを示す。以下において同様。【0020】【表2】【0021】【表3】【0022】【表4】【0023】【表5】【0024】【発明の効果】本発明によれば、ジフルプレドナート製剤において、その特性を更に改善するための併用成分の内、特定の成分を使用することにより、経時安定性に優れたジフルプレドナート製剤が提供される。 ジフルプレドナートに、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン、クロタミトン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択された成分を配合したことを特徴とするジフルプレドナート製剤。 軟膏剤、クリーム剤又は液剤の剤形である請求項1記載のジフルプレドナート製剤。 前記成分が、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択される請求項1に記載のジフルプレドナート製剤。 前記成分が、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸リドカイン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択される請求項1に記載のジフルプレドナート製剤。 消炎鎮痛製剤である、請求項1〜4のいずれかに記載のジフルプレドナート製剤。 【課題】経時安定性に優れたジフルプレドナート製剤を提供する。【解決手段】ジフルプレドナートに、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン、クロタミトン及びトリクロロカルバニリドからなる群から選択された成分を配合する。