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タイトル:公開特許公報(A)_無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法および有機色素によって染色された無機酸化物微粒子
出願番号:2003172615
年次:2005
IPC分類:7,C09B67/02,C09C3/08,A61K7/02


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辻本 和雄 綾野 祐一 中谷 靖章 廣谷 真樹 牛島 ひろみ JP 2005008708 公開特許公報(A) 20050113 2003172615 20030617 無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法および有機色素によって染色された無機酸化物微粒子 タカラベルモント株式会社 000108672 株式会社 ビーロード 500028043 辻本 和雄 503219086 瀧野 秀雄 100060690 越智 浩史 100097858 松村 貞男 100108017 垣内 勇 100075421 辻本 和雄 綾野 祐一 中谷 靖章 廣谷 真樹 牛島 ひろみ 7 C09B67/02 C09C3/08 A61K7/02 JP C09B67/02 A C09C3/08 A61K7/02 K 2 OL 7 4C083 4J037 4C083AB172 4C083AB222 4C083AB242 4C083BB22 4C083BB24 4C083BB25 4C083CC01 4C083CC12 4J037AA18 4J037AA22 4J037AA25 4J037CB28 4J037EE02 4J037EE43 4J037FF03 4J037FF15 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料(メーク、ヘアカラー、ネイル等)、あるいは各種塗料、壁材などに着色材として広く用いることができる無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法に関する。【0002】【従来の技術】従来、酸化チタンを始めとする無機酸化物に有機色素を表面修飾する場合、無機酸化物にカプラーを結合させ、これを用いて有機色素との架橋反応を行う方法が一般的である(非特許文献1)。しかし、このような化学修飾法は効率が悪く、さらに濃い着色を行うことが困難である。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、無機酸化物微粒子に有機色素を効率良く結合させる無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法を提供することを目的とする。【0004】【非特許文献1】菱屋、他2名、「シクロデキストリンの分子鋳型の分光学的解析。 − 配向したシクロデキストリン集合体の優先的形状の証拠 −」、アメリカ化学会誌、平成14年、124巻、p.570−575 (Spectroscopic Anatomy of Molecular−imprinting of Cyclodextrin. Evidence for preferential formation of ordered cyclodextrin assemblies. T. Hishiya, H. Asanuma, M. Komiyama, J. Am. Chem. soc, 124,570−575(2002) )【0005】【課題を解決するための手段】本発明の無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、有機染料存在下の二酸化炭素超臨界流体内で行う無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法である。【0006】また、本発明の染色された無機酸化物微粒子は請求項2に記載の通り、有機染料存在下の二酸化炭素超臨界流体内で有機色素によって染色された無機酸化物微粒子である。【0007】【発明の実施の形態】本発明において、用い得る染料は有機染料に限定される。有機染料としては、化粧品に用い得るものであれば特に限定されるものではなく、タール色素、塩基性染料、天然色素が挙げられる。【0008】タール色素としては、ニトロ染料、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料等が挙げられる。具体的には、例えば、赤色221号、黄色404号、赤色202号、赤色2号、黄色4号、緑色401号、青色1号、赤色106号、赤色218号、赤色213号、黄色203号、緑色201号、青色204号、青色2号、赤色226号、青色404号、青色201号、黒色401号、紫色401号、だいだい色205号等が挙げられる。【0009】塩基性染料としては、アシッドオレンジ3、ディスパースブラック9、ディスパースブルー1、HCブルー2番、HCオレンジ1番、HCレッド1番、HCイエロー2番、HCイエロー4番、HCレッド3番、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックレッド76、ベーシックイエロー57等が挙げられる。【0010】天然色素としては、アカネ色素、アトナー色素、パプリカ色素、クチナシ黄色色素、クチナシ青色色素、クチナシ赤色色素、コチニール色素、ラック色素、ベニバナ黄色色素、ベニバナ赤色色素、アリザリン、ウコン色素、シコン色素等が挙げられる。【0011】一方、無機酸化物としては、酸化チタン(アナタース型であっても、ルチル型で合っても良い)、酸化アルミニウム、酸化珪素などの多孔性粒子が挙げられる。【0012】本発明において用いる無機酸化物としては微粒子であることが必要である。ここで本発明における微粒子とは平均粒径が100nm以下のものを云い、数nm〜数十nmのサイズの粒子であることが望ましい。一般に小さい粒子ほど濃色に染色されるので好ましい。ここで粒子が大きすぎると比表面積が充分大きくならず染色面積が小さくなるおそれがあり、このとき、充分に染色されず、色づきが薄い、もしくは染色むらが生じる可能性がある。また粒子が小さすぎると取り扱いが困難となるおそれがある。【0013】本発明における染色条件としては、超臨界条件下の二酸化炭素流体内で有機染料と無機酸化物微粒子とが共存する条件である必要がある。二酸化炭素超臨界条件はすでに工業的にも広く用いられている確立された技術であり、本発明の染色方法は容易に工業化し得る。【0014】染色は二酸化炭素の超臨界条件(圧力:7.38MPa以上でかつ温度:31.1℃以上)であると高い染色効果が得られるが、圧力、温度の両者が同時にこの条件を満足しないと充分な効果は得られない。【0015】このとき、仕込み時の染料と酸化物微粒子とは重量比が1:3〜30:1の範囲で色素濃度に染色濃度が依存して着色される。この範囲を超えて染料を多くしても、増加量に対して濃度の向上は少なく、染料が無駄となる。また色素がこの範囲よりも少ない場合には充分に染色されない場合がある。さらに望ましい範囲は3:1〜10:1である。【0016】【実施例】以下に本発明の無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法について具体的に説明する。【0017】<アリザリンでの検討>[染色]無機酸化物微粒子として平均粒子径が7nmの二酸化チタン微粒子(石原産業社製ST−01、以下「7nm品」とも云う)、粒径分布が20〜50nmの範囲である二酸化チタン微粒子(関東化学社製NanoTek、以下「20〜50nm品」とも云う)、および、粒径分布が180〜200nmの範囲である二酸化チタン粒子(関東化学社製40167−21、「180〜200nm品」とも云う)の3種類の粒子径の異なる二酸化チタン(いずれもアナタース型)を用いた。【0018】試験管内に各二酸化チタンとアリザリンとを重量比で2:3となるように入れ、圧力容器内に収納した。圧力容器内部に二酸化炭素ガスを通じながら外部から液体窒素で冷却した。約30分後、内部に液化した二酸化炭素が充満したことを確認し、容器を密閉した後、その温度を35℃まで上昇させた。このとき圧力は超臨界状態の条件である7.4MPaを超えて9.5MPa〜9.8MPaに達した。この超臨界状態を40分間保ったのち、容器内圧力を解除し、サンプルを得た。【0019】[目視による評価]得られたサンプルを目視で観察した。二酸化チタンの粒子径が小さいものほど濃く染色されており、特に粒子径が7nmの二酸化チタンを用いたサンプルでは非常に濃色に染色された。【0020】粒子径が20nm以上の二酸化チタンを用いた場合、仕込み時の重量比が上記のように2:3の場合、全体として白っぽく見え、染色むらが認められた。一方、7nmの超微粒子を用いた場合では均質に染色され、色調も使用した色素とほぼ同じであった。【0021】比較のために上記3種の粒子径が異なった酸化チタンの内、20〜50nm品について、従来の化学修飾法でアリザリンによる染色を図1に示す反応概念図に従って行った。すなわち、アリザリン24mgをヘキサメチレンジイソシアネート5mgとクロロホルム200mL中、アルゴン雰囲気化にて3時間攪拌した。得られた混合液の10mLと、水に分散した二酸化チタン(15重量%)1mLとを混合し、ヒートガンで5分間加熱し、赤橙色の懸濁液を得た。この懸濁液3Lを濾紙で濾過し、濾液を遠心分離器で処理(3000rpmで10分間)し、黄橙色の沈殿物を得た。この沈殿を減圧乾燥して得られた黄橙色の粉体0.5mgを得た。このようにして得た従来技術に係る化学修飾法によって染色された二酸化チタン微粒子は全体に白っぽく、染色されていない部分が認められた。【0022】<ラック色素による染色>上記アリザリンでの検討と同様に、ただしアリザリンの代わりにラック色素としてラッカイン酸を用い、上記同様粒子径の異なる3種の二酸化チタン(アナタース型)を圧力9.3〜9.8MPa、温度35〜38℃の二酸化炭素超臨界条件下で40〜50分間染色処理を行った。【0023】その結果、アリザリンでの結果と同様に用いた二酸化チタンの粒子径が小さいほど濃色に染色された。また粒子径が20nm以上の二酸化チタンを用いた場合、仕込み時の重量比が上記のように1:3の場合、白っぽく、染色むらが認められた。一方、7nmの微粒子を用いた場合では均質に染色され、色調も使用した色素自体とほぼ同じであった。いずれのサンプルでも700nm付近の幅広い波長で蛍光が、600nm付近に散乱光による鋭いピークがみられた。【0024】<染色の安定性評価>上記で得られた、アリザリンあるいはラック色素で染色された粒径が7nmの二酸化チタン500mgに対し、1μmol/Lのドデシルスルホン酸ナトリウム(陰イオン界面活性剤)水溶液あるいは、1μmol/Lの臭化セチルトリメチルアンモニウム(陽イオン界面活性剤水溶液)水溶液を10mLを加えて震盪し懸濁させ次いで遠心分離(3000rpm、5分間)後上清を捨てると云う、一連の操作を3回繰り返した。その3回目について目視により観察を行ったが、どちらの界面活性剤水溶液にも、染料の溶出は認められなかった。また、このときの微粒子について洗浄前の染色された微粒子と目視で比較を行ったが両者の間に違いは認められなかった。【0025】<他の染料による染色>青色201号、赤色106号、黄色4号、黒色401号、紫色401号、だいだい色205号、アシッドオレンジ3、ディスパースブラック9、HCブルー2番、HCオレンジ1番、ベーシックイエロー57、HCイエロー2番、HCイエロー4番、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、あるいはベーシックレッド76をそれぞれ用いて圧力9.3〜9.8MPa,温度35〜38℃の二酸化炭素超臨界条件下で各色素と混合比、二酸化チタン(粒子径:7nm):色素の重量比を1:3として40〜50分間処理を行った。その結果いずれの染料を用いた場合においても良好な染色結果が得られることが確認された。【0026】<非超臨界条件での染色との比較>圧力7.0MPa、温度25℃の液体二酸化炭素(非臨界条件)中、または、圧力10MPa、温度35℃の超臨界二酸化炭素中で、アリザリン、ラック色素、タートラジンの各色素と二酸化チタン(アナタース型、平均粒径7nm)、二酸化珪素(焼成シリカゲル、関東化学社NanoTekシリーズ、平均粒径:26nm、比表面積:110m2/g)、酸化アルミニウム(関東化学社NanoTekシリーズ、平均粒径:33nm、比表面積:50m2/g)とをそれぞれ重量比で1:1で40分間接触させた。【0027】このとき、二酸化チタン粉末および二酸化珪素粉末は非臨界条件でも染色されたものの、色むらが極めて大きく、染色状態が悪いものしか得られなかった。超臨界条件で染色を行った場合には、二酸化チタンおよび二酸化珪素ともに染色むらもなく、良好な染色結果が得られた。なお、上記で云う染色むらとは、1g程度のサンプルを全体として観察したときに見られるものである。一方、酸化アルミニウム粉末では、非臨界条件ではほとんど染色されなかったのに対して、上記超臨界条件では染色むらもほとんどなく良好に染色された。【0028】【発明の効果】有機染料存在下の二酸化炭素超臨界流体内で行う本発明の無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法によれば、無機酸化物微粒子に有機色素を効率良く結合させることができ、従来の化学修飾法に比して極めて容易に実施しでき、かつ、より濃い色とすることが可能である。さらに、二酸化炭素を用いるために、水や溶剤の除去の手間が不要であり、廃水処理等の設備が不要であり、操作が容易である。【図面の簡単な説明】【図1】従来技術である化学修飾法の反応概念図である。 有機染料存在下の二酸化炭素超臨界流体内で行うことを特徴とする無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法。 有機染料存在下の二酸化炭素超臨界流体内で染色されたことを特徴とする有機色素によって染色された無機酸化物微粒子。 【課題】無機酸化物微粒子に有機色素を効率良く結合させることができる方法を提供する。【解決手段】有機染料存在下の二酸化炭素超臨界流体内で行う無機酸化物微粒子の有機色素による染色方法。【選択図】 なし


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