タイトル: | 公開特許公報(A)_非洗浄型透明毛髪処理剤 |
出願番号: | 2003166622 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K7/06 |
椿原 操 岡本 学 JP 2005002037 公開特許公報(A) 20050106 2003166622 20030611 非洗浄型透明毛髪処理剤 株式会社マンダム 390011442 椿原 操 岡本 学 7 A61K7/06 JP A61K7/06 4 OL 8 4C083 4C083AA122 4C083AC021 4C083AC022 4C083AC101 4C083AC102 4C083AC422 4C083AD161 4C083AD162 4C083AD492 4C083CC32 4C083DD01 4C083DD28 4C083EE05 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪処理剤に係り、詳しくは、毛髪に光沢と滑らかさを付与すると共に、塗布時や塗布後に手や毛髪にぬめり感を与えない非水系の非洗浄型の透明毛髪処理剤に関する。【0002】【従来の技術】従来から、毛髪に光沢や滑らかさを付与するために、ヘアコンディショナーやヘアトリートメント等の毛髪処理剤が用いられている。毛髪処理剤には、毛髪に塗布後洗い流す洗浄型のものと、毛髪に塗布後洗い流さない非洗浄型のものとがある。洗浄型の毛髪処理剤では、塗布後に毛髪を洗浄し乾燥する必要があり、日々のヘアケアが面倒である。これに対して非洗浄型の毛髪処理剤では、外出前であっても毛髪に塗布するだけで簡単にヘアケアができるといった利点がある。【0003】毛髪に光沢や滑らかさを付与するためには、従来から高分子シリコーンが用いられており、このような非洗浄型の毛髪処理剤としては、高分子量シリコーンと特定の有機シリコーン樹脂とを配合した毛髪化粧料(特許文献1参照)や、高分子量シリコーンと炭素数7〜20の軽質流動イソパラフィンとを含有する枝毛・切れ毛の予防・修復剤(特許文献2参照)等が提案されている。【0004】しかしながら、従来の高分子シリコーンを用いた毛髪処理剤では、毛髪に光沢や滑らかさを付与できるものの、毛髪への塗布時や塗布後に手や毛髪にぬめり感を与えてしまい、毛髪の仕上がり感に好ましくない感触を付与してしまうといった問題を有していた。【0005】一方、毛髪処理剤を外観上透明とすると、審美的であり、使用する際に楽しさ等が感じられることから、透明の毛髪処理剤を好む消費者も多い。しかしながら、上記したシリコーン類などを用いると、シリコーン類は種々の溶媒に対して溶解度が低い場合が多く、透明で均一系の化粧料が得られ難いといった問題もあった。【0006】【特許文献1】特公平7−64707号公報【特許文献2】特開平1−272513号公報【0007】【発明が解決しようとする課題】かかる実情に鑑み本発明者らが鋭意検討した結果、特定の配合量で特定の3種類のシリコーン化合物に、特定の分枝型パラフィン及び低級アルコールとを含有させて実質的に水を含有しない非水系の毛髪処理剤とすると、毛髪に光沢と滑らかさを付与すると共に、塗布時や塗布後に手や毛髪にぬめり感を与えない非洗浄型の透明な毛髪処理剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。【0008】【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係る発明は、(A)重合度1,500〜10,000のジメチルポリシロキサンガム5〜20重量%、(B)20℃で液状のジメチルポリシロキサン5〜50重量%、(C)アミノ変性シリコーン3〜15重量%、(D)20℃で液状の分枝型パラフィン、及び(E)低級アルコールを含有し、実質的に水を含有しないことを特徴とする非洗浄型透明毛髪処理剤に関する。請求項2に係る発明は、前記(A)成分と(C)成分の含有比が、重量比で(A):(C)=3:1〜1:3であることを特徴とする請求項1に記載の非洗浄型透明毛髪処理剤に関する。請求項3に係る発明は、前記(D)成分の含有量が、40〜70重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非洗浄型透明毛髪処理剤に関する。請求項4に係る発明は、前記(E)成分の含有量が、0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非洗浄型透明毛髪処理剤に関する。【0009】【発明の実施の形態】本発明に係る非洗浄型の毛髪処理剤には、(A)ジメチルポリシロキサンガム、(B)20℃で液状のジメチルポリシロキサン、(C)アミノ変性シリコーン、(D)20℃で液状の分枝型パラフィン、及び(E)低級アルコールが含有される。【0010】(A)成分のジメチルポリシロキサンガムは、重合度が1,500〜10,000のものが用いられる。このジメチルポリシロキサンガムの配合量は、毛髪処理剤中5〜20重量%、好ましくは7〜18重量%である。5重量%未満の配合量では、毛髪に十分な滑らかさを付与することができないために、また、20重量%を超えて配合すると、毛髪や手にぬめり感を与えてしまうために、いずれの場合にも好ましくないからである。【0011】尚、本発明に好適に用いることのできるジメチルポリシロキサンガムの市販品としては、商品名KF96H−50万CS(重合度約2,400、信越化学社製)、商品名SH200−1,000,000cs(重合度約2,700、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、商品名TSF451−30M(重合度約2,000、東芝シリコーン社製)等を例示することができる。また、ジメチルポリシロキサンとの混合物である商品名BY11−026(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)や、分岐型イソパラフィンとの混合物である商品名BY25−320(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)等も用いることができる。【0012】(B)成分のジメチポリシロキサンは、20℃で液状のものである。このようなジメチルポリシロキサンは低重合度のものであり、20℃における粘度が5cs〜50cs程度のものである。【0013】(B)成分のジメチポリシロキサンの配合量は、5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。5重量%未満の配合量では、十分な光沢を得ることができないために、また、50重量%を超えて配合すると、好ましくないぎらつきを毛髪に与えてしまうのために、いずれの場合にも好ましくないからである。【0014】尚、本発明に好適に用いることのできる(B)成分のジメチルポリシロキサンの市販品としては、商品名SH200C−20cs(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、商品名KF96A−10cs(信越化学社製)、商品名L−45(10)、商品名L−45(50)(いずれも日本ユニカー社製)等を例示することができる。【0015】(C)成分のアミノ変性シリコーンとは、本発明においては、分子中の一部がアミノ基で変性されたジメチルポリシロキサンを意味する。具体的には、トリメチルシリルアモジメチコン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等を例示することができる。【0016】アミノ変性シリコーンの配合量は、3〜15重量%である。3重量%未満の配合量では、毛髪に柔軟性を付与することができないために、また、15重量%を超えて配合すると、毛髪の滑らかさが損なわれるのために、いずれの場合にも好ましくないからである。【0017】尚、本発明に好適に用いることのできるアミノ変性シリコーンの市販品は、トリメチルシリルアモジメチコンとしては、商品名XF42−B0819(東芝シリコーン社製)等を、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体としては、商品名SF8452C(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、商品名KF865(信越化学社製)等を、それぞれ例示することができる。また、ジメチルポリシロキサンとの混合物である商品名KF8017(信越化学社製)等も用いることができる。【0018】また、(A)成分のジメチルポリシロキサンガムと、(C)成分のアミノ変性シリコーンの含有比は、重量比で(A):(C)=3:1〜1:3であることが好ましい。この理由は、毛髪の柔軟性を損なわずに、ぬめり感を生じずに滑らかさを付与できるからである。【0019】(D)成分の分枝型パラフィンは、20℃で液状のものが用いられる。このような分枝型パラフィンとしては、ポリブテン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン等を例示することができる。【0020】分枝型パラフィンの配合量は特に限定されないが、好ましくは40〜70重量%である。40重量%未満の配合量では、毛髪への延展性に劣るために、また、70重量%を超えて配合すると、かぶれなどが発生しやすく安全性に問題があるために、いずれの場合にも好ましくないからである。【0021】尚、本発明に好適に用いることのできる分枝型パラフィンの市販品としては、商品名IPソルベント1620(出光石油化学社製)、商品名アイソゾール400(日本石油化学社製)、商品名パールリーム4(日本油脂社製)、商品名マルカゾールR(丸善石油化学社製)等を例示することができる。【0022】(E)成分の低級アルコールとは、本発明においては炭素数2〜4の一価のアルコールであり、具体的には、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール等を例示することができ、エタノール又はイソプロパノールを用いるのが好ましい。【0023】低級アルコールの配合量は、透明で均一な外観を得るためには、0.1〜10重量%とするのが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。【0024】本発明に係る毛髪処理剤には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、上記した成分の他、植物エキス、ステロール類、セラミド、多価アルコール、エステル、動植物油、界面活性剤、ペプチド誘導体、酸化防止剤、香料、紫外線吸収剤、防腐剤等を目的に応じて適宜配合してもよい。【0025】尚、本発明の毛髪処理剤においては、精製水等の水を配合することは好ましくない。その理由は、水を配合すると、本発明の必須の成分を均一に混合することができず、透明な毛髪処理剤が得られないうえ、毛髪への延展性に劣り、きしみ感をも生じさせてしまい、使用感に悪影響を及ぼしてしまうからである。したがって、本発明の毛髪処理剤は、実質的に水を含有しない非水系とされる。【0026】本発明に係る毛髪処理剤は、ヘアオイル、非洗浄型のヘアコンディショナーやヘアトリートメント等に好適に用いることができる。【0027】【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。尚、配合量は重量%である。【0028】(試料の調製)表1〜2に記した組成に従い、実施例1〜9及び比較例1〜8の非洗浄型の毛髪処理剤を調製し、下記評価試験に供した。【0029】(試験例1;光沢の評価)10cm、1gの黒色直毛毛束に各試料0.3gを均一に塗布し、試料塗布前の毛束を標準毛束として、毛束の光沢について下記評価基準に従い評価した。尚、評価は専門パネラー5名により実施し、その平均を採用した。結果を表1〜2に示す。<評価基準>◎:優れた光沢○:やや優れた光沢△:標準毛束と同等×:ぎらついた不自然な光沢【0030】(試験例2;滑らかさの評価)30cm、5gの黒色直毛毛束に各試料1.0gを均一に塗布し、試料塗布前の毛束を標準毛束として、毛束の滑らかさについて下記評価基準に従い評価した。尚、評価は専門パネラー5名により実施し、その平均を採用した。結果を表1〜2に示す。<評価基準>○:滑らかさに優れる△:やや滑らかさに優れる×:標準毛束と同等以下【0031】(試験例3;ぬめり感の評価)30cm、5gの黒色直毛毛束に各試料1.0gを均一に塗布し、毛束へのぬめり感について下記評価基準に従い評価した。尚、評価は専門パネラー5名により実施し、その平均を採用した。結果を表1〜2に示す。<評価基準>○:ぬめり感がない△:ややぬめり感がある×:非常にぬめり感がある【0032】(試験例4;透明感の評価)上記で調製した実施例1〜9及び比較例1〜8の各毛髪処理剤の透明感を、下記評価基準に従い目視で評価した。結果を表1〜2に示す。<評価基準>○:析出物がなく透明である×:析出物がある若しくは透明でない【0033】【表1】【0034】【表2】【0035】表1および表2の結果から、本発明に係る非洗浄型の毛髪処理剤は、毛髪に光沢と滑らかさを付与でき、ぬめり感が生じない透明な毛髪処理剤が得られることが分かる。尚、分枝型パラフィンを高配合とした比較例8では、24時間ヒトクローズドパッチテストにおいて陽性であった。【0036】以下、本発明に係る毛髪処理剤の処方例を示す。尚、配合量は重量%である。【0037】【0038】【0039】【発明の効果】以上詳述した如く、本発明に係る非洗浄型の毛髪処理剤は、毛髪に光沢と滑らかさを付与すると共に、塗布時や塗布後に手や毛髪にぬめり感を与えない優れた効果を奏する、透明な毛髪処理剤を得ることができる。 (A)重合度1,500〜10,000のジメチルポリシロキサンガム5〜20重量%、(B)20℃で液状のジメチルポリシロキサン5〜50重量%、(C)アミノ変性シリコーン3〜15重量%、(D)20℃で液状の分枝型パラフィン、及び(E)低級アルコールを含有し、実質的に水を含有しないことを特徴とする非洗浄型透明毛髪処理剤。 前記(A)成分と(C)成分の含有比が、重量比で(A):(C)=3:1〜1:3であることを特徴とする請求項1に記載の非洗浄型透明毛髪処理剤。 前記(D)成分の含有量が、40〜70重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非洗浄型透明毛髪処理剤。 前記(E)成分の含有量が、0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非洗浄型透明毛髪処理剤。 【課題】毛髪に光沢と滑らかさを付与すると共に、塗布時や塗布後に手や毛髪にぬめり感を与えない非洗浄型の透明な毛髪処理剤を提供することを課題とする。【解決手段】(A)重合度1,500〜10,000のジメチルポリシロキサンガム5〜20重量%、(B)20℃で液状のジメチルポリシロキサン5〜50重量%、(C)アミノ変性シリコーン3〜15重量%、(D)20℃で液状の分枝型パラフィン及び(E)低級アルコールを含有し、好ましくは、(A)成分と(C)成分の含有比が重量比で(A):(C)=3:1〜1:3であり、実質的に水を含有しないことを特徴とする非洗浄型透明毛髪処理剤とする。【選択図】 なし