タイトル: | 特許公報(B2)_クロメノピロール化合物及びクロメノナフトピロール化合物並びにこれらの製造方法 |
出願番号: | 2003136579 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07D 491/052,C07D 491/20,C09B 11/26,C09B 57/00 |
谷口 正俊 JP 4418925 特許公報(B2) 20091211 2003136579 20030407 クロメノピロール化合物及びクロメノナフトピロール化合物並びにこれらの製造方法 山田化学工業株式会社 000179306 安藤 順一 100067301 谷口 正俊 20100224 C07D 491/052 20060101AFI20100204BHJP C07D 491/20 20060101ALI20100204BHJP C09B 11/26 20060101ALI20100204BHJP C09B 57/00 20060101ALI20100204BHJP JPC07D491/052C07D491/20C09B11/26 EC09B11/26 GC09B57/00 Z C07D 491/052 C07D 491/20 C09B 11/26 C09B 57/00 CAplus(STN) REGISTRY(STN) MARPAT(STN) 特開平5−59060(JP,A) 特開2001−97975(JP,A) 特開平5−155870(JP,A) 特開平5−132465(JP,A) 11 2004307449 20041104 23 20060406 瀬下 浩一 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は新規なクロメノピロール化合物とその製造方法に関するものである。本発明の化合物は紫外光や可視光を吸収し、可視光とりわけ緑色光より長い波長の光を蛍光として放射する色素であり、印刷用染料、繊維用染料、樹脂用染料、光記録用色素、光フィルター用色素、蛍光プローブ用色素、色素レーザー用色素、光増感剤、電界発光素子用材料、色変換材料、光電変換材料等として利用可能なものである。【0002】【従来の技術】室温で蛍光を発する色素としては、クマリン色素、ローダミン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、スクアリリウム色素、ビニルピラン色素、ベンゾピラン色素、ペリレン色素、ピロロピロール色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素等、古くから多くのものが知られており、蛍光インクや分析用試薬等として利用されているが、とくに近年は色素レーザーや電界発光素子等、エレクトロニクスや情報記録・表示技術に関連した分野への応用が進み注目を集めている。【0003】その他、蛍光を発する色素の重要な応用分野として増感色素がある。増感色素は光エネルギーを吸収してそれを他の材料に引き渡す役目のものであるから、必ずしも発光能を有する必要はないが、発光能を有する色素は、吸収したエネルギーが熱エネルギーとして失われる比率が小さいため、増感色素としても有用なことが多い。【0004】発光性の色素がこのような応用分野において求められる性質は、用途により異なるため一概にはいえないが、多くの場合に望まれるのは、高い吸光係数、高い蛍光強度、高い耐久性、有機溶剤に対する高い溶解性といった性質である。それらの性質を同時に備える色素はなかなかなく、とくに緑色光以上の長波長域に発光能を有する色素種が比較的少ないため、黄色や赤色など長波長の光を放射する新種の色素の開発がたえず求められていた。【0005】【特許文献1】特開平5−132465号公報【0006】【特許文献2】特開平5−155870号公報【0007】【特許文献3】特開2001−97975号公報【0008】【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のような状況に対応し、発光性の色素、とくに緑色光以上の長波長域に発光能を有する新しい骨格の色素を提供するものであり、またその安価な製造法を提供するものである。【0009】【課題を解決するための手段】本発明の化合物はクロメノピロール骨格を有するものである。π電子系が広く拡がった分子構造により、可視領域の光をよく吸収する一方、分子の平面性が高く振動の自由度が制限されているため、吸収した光エネルギーの熱失活が少なく、強い蛍光を放つことができる。また電子の非局在性が高く分子に脆弱な部分が少ないため、耐久性も良好である。【0010】本発明の化合物は下記一般式(1)または(2)、及び一般式(3)で表されるものである。一般式(1)と(2)の化合物は分子構造が異性体の関係にあって、互いの構造に可逆的に変化することができる。分子が置かれた環境によってどちらの構造をとりやすいかが変わるが、多くの場合、両方の構造の混合状態になっており、それぞれの構造を単離することは難しいので、本明細書では一括して取り扱う。一般式(1)または(2)の化合物はこれ自身を色素として利用できるほか、他の色素化合物を合成するための中間物としても有用である。一般式(3)の化合物は一般式(1)または(2)の化合物から合成することができる。一般式(1)または(2)の化合物は、置換基や溶媒にもよるが、概ね黄緑、黄色、橙色等の蛍光を発し、一般式(3)の化合物はそれより波長の長い赤色の蛍光を発する。【0011】【化6】【0012】【化7】【0013】これら一般式(1)及び(2)において、Xは水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基のいずれかを表す。R1、R2は互いに独立に水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、置換または非置換のアリール基のいずれかを表す。R3、R4は互いに独立に水素原子、アルキル基、ハロゲン原子のいずれかを表す。R1とR2、R1とR3、R2とR4は炭素−炭素結合を介して連結してもよい。R5は水素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基のいずれかを表す。Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基のいずれかを表す。【0014】【化8】【0015】この一般式(3)においてR1〜R5、Zは前記一般式(1)及び(2)の場合と同じ意味を表す。【0016】一般式(1)〜(3)におけるR1、R2の例としては、水素原子、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、メトキシペンチル基、エトキシエトキシエチル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基などが挙げられる。R1、R2が連結した例としては、それらが窒素原子とともにピロリジニル基、ピペリジニル基を形成したものが挙げられる。本発明の化合物を低極性の溶媒に溶かして用いる場合はR1、R2が炭素数の多いアルキル基であることが好ましく、高極性の溶媒に溶かして用いる場合はR1、R2がアルコキシアルキル基か炭素数の少ないアルキル基もしくはピロリジニル基であることが好ましい。【0017】一般式(1)〜(3)におけるR3、R4の例としては、水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。R1とR3またはR2とR4が連結した例としては、それらが窒素原子及びベンゼン環とともに1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環を形成したものが挙げられる。R1とR3、R2とR4がともに連結した例としては、それらが窒素原子及びベンゼン環とともにジュロリジン環を形成したものが挙げられる。このジュロリジン環の一部がさらに複数のメチル基によって置換されて、たとえばテトラメチルジュロリジン環となったものも挙げられる。【0018】一般式(1)〜(3)におけるR5の例としては、水素原子、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基等が挙げられる。【0019】一般式(1)〜(3)におけるZの例としては、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、ジフルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジブロモフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジペンチルアミノフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、トリメトキシフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、クロロピリジル基、ブロモピリジル基、カルボキシピリジル基、チエニル基、メチルチエニル基、ジメチルチエニル基、2,5−ジメチル−4−ホルミル−3−チエニル基、クロロチエニル基、ジクロロチエニル基、ブロモチエニル基、ジブロモチエニル基、カルボキシチエニル基、スルホチエニル基、ピロリル基、1,3,5−トリメチル−4−ピロリル基、2−カルボキシ−3,5−ジメチル−1−アルキル−4−ピロリル基、チアゾリル基、ジメチルチアゾリル基、ジメチルオキサゾリル基、N−アルキルイミダゾリル基、N−アルキルベンゾイミダゾリル基、フリル基、メチルフリル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。【0020】本発明の一般式(3)の化合物の例をさらに具体的に示すと、R1〜R5及びZが下記表1で表されるものが挙げられる。これらの一般式(3)の化合物は同じR1〜R5及びZを有する一般式(1)または(2)で表される化合物から合成することができる。一般式(1)または(2)の化合物におけるXの例としては、水素原子、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。【0021】【表1】【0022】【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)または(2)で表される化合物は、下記一般式(4)で表される化合物と一般式(5)で表される化合物との縮合反応により合成することができる。一般式(4)、(5)の化合物はいずれも公知のものであり、公知の方法によって容易に合成することができる。一般式(4)の化合物はフルオラン系カラーフォーマー合成用の中間物として、一般式(5)の化合物はピロロピロール系顔料合成用の中間物としてとくによく知られている。【0023】【化9】【0024】【化10】【0025】これら一般式(4)、(5)においてX1はアルコキシカルボニル基を表し、その他は、前記したと同じ意味を表す。【0026】一般式(5)におけるX1の例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。【0027】前記のように、本発明の一般式(1)または(2)の化合物は、一般式(4)と(5)の化合物を縮合反応させることにより合成することができる。この反応をr1とする。【0028】本発明の一般式(1)または(2)で表される化合物のうち、Xが水素原子であるものは、反応r1によって直接できる場合もあるが、一般式(1)または(2)においてXがカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基である化合物に酸を作用させることにより合成することもできる。この反応をr2とする。【0029】本発明の一般式(3)で表される化合物は、一般式(1)または(2)においてXが水素原子である化合物に脱水剤を作用させることにより合成することができる。この反応をr3とする。【0030】反応r1の反応剤としては硫酸を、反応r2の反応剤としては硫酸、塩酸等を用いることができる。それらの酸を反応溶媒を兼ねて用いることもできるし水溶性の有機溶媒たとえばアルコール類を混合して溶媒として用いることもできる。【0031】反応r1もr2も硫酸中で行えるが、r1は高濃度たとえば90%以上の濃度の硫酸を用いて比較的低温たとえば40℃以下で行い、r2はやや低い濃度たとえば50〜80%の硫酸を用いて比較的高温たとえば60℃以上で行うと、スルホン化などの副反応を抑えながら目的の反応を進めることができて好ましい。【0032】ただし反応r1を低温で行ったときに、一般式(1)または(2)の化合物の生成まではいたらず、その前駆体である下記一般式(6)または(7)の化合物が生成するところまでで反応が止まってしまう場合がある。その場合は硫酸を水で希釈してから温度を上げるか、あるいは生成物をいったん単離して、それを低濃度の硫酸で高温で再処理することにより一般式(1)または(2)の化合物に導くことができる。【0033】【化11】[R1〜R5、X、Zは一般式(1)、(2)と同じ原子または置換基を表す]【0034】反応r1の生成物は、Xがアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、水素原子であるものの混合物になることが多く、混合物の各成分をカラムクロマトグラフィなどで分離して色素として使用することもできるが、これからさらに反応r2、r3を行う場合には、混合物の各成分は必ずしも分離する必要はなく、混合物のまま反応r2を行うことができる。それを用いてさらに次の反応r3を行うことができるが、反応r1を終えた段階ですでにXが水素原子である化合物が十分多く生成している場合には、反応r2は省略して反応r3に進むこともできる。また反応r1〜r3を一浴で行うこともできる。【0035】反応r3の脱水剤としては、硫酸、金属ハロゲン化物、ハロゲン化ホスホリル、ハロゲン化リン、五酸化リン、ポリリン酸、ポリリン酸エステル等を用いることができる。とくにポリリン酸やポリリン酸エステルを用いると反応の進行が速く、副反応も起こりにくいので好ましい。ポリリン酸を用いる場合、ポリリン酸自身が反応溶媒を兼ねることもできるし、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル系溶媒などを混合して用いることもできる。反応温度はたとえば30〜150℃の間で選択できるが、温度が低すぎると溶解度が不足したり、ポリリン酸の粘性のため攪拌がしにくいなどの問題が起こりやすく、温度が高すぎると副反応が起こりやすくなるので、それらのバランスによって適当な温度を選択するのがよい。以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。【0036】【実施例】実施例198%硫酸を室温で攪拌しながら下記化学式で表される4−(ジブチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’−カルボン酸(化合物S1)2.8gを90分で仕込み、続いて下記化学式で表される3−エトキシカルボニル−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール(化合物S2)1.9gを90分で仕込み、その後、室温で14時間攪拌した。【0037】【化12】【0038】【化13】【0039】反応液を水400mlに少しずつ滴下して晶析し、濾過して赤色結晶を得た。これを水に分散し水酸化ナトリウムで中和、濾過、乾燥して赤色結晶3.9gを得た。この結晶は複数の化合物の混合物であり、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒クロロホルム−アセトン)で各成分を単離して、下記化学式で表される化合物A1aまたはB1aを1.03g、A1bまたはB1bを0.01g、A1cまたはB1cを0.27g得た。【0040】【化14】【0041】【化15】【0042】【化16】【0043】これらの化合物はいずれもメタノール、エタノールなどの有機溶媒に容易に溶解し黄緑色または黄色蛍光を示した。各化合物の機器分析値を以下に示す。【0044】A1aまたはB1a→LC/MS:565(M+H+)。1H−NMR(DMSO−d6,300MHz,ppm):δ0.93(9H,t),1.30−1.42(4H,m),1.55−1.57(4H,m),3.18−3.22(4H,m),3.60(2H,q),6.86−6.95(3H,m),7.29−7.41(4H,m),7.64−7.74(4H,m),8.15(1H,br),12.6(1H,br)。吸収極大波長λmax=468nm(エタノール)、蛍光極大波長λem=538nm(励起波長λex=468nm、エタノール)。DSC:融解開始温度Tim=200℃,融解ピーク温度Tpm=206℃,融解熱ΔH=−65J/g(窒素中)。【0045】A1bまたはB1b→LC/MS:535(M−H+)。【0046】A1cまたはB1c→LC/MS:493(M+H+)。1H−NMR(DMSO−d6):δ0.94(6H,t,J=7.2Hz),1.31−1.43(4H,m),1.54−1.63(4H,m),3.43(4H,t,J=7.5Hz),6.42(1H,s),6.82(1H,dd,J=9.3Hz,2.3Hz),6.92(1H,d,J=1.8Hz),7.08(1H,d,J=9.2Hz),7.22−7.27(1H,m),7.33−7.38(2H,m),7.50(1H,dd,J=7.4Hz,1.0Hz),7.68−7.81(2H,m),7.92(2H,d,J=7.3Hz),8.11(1H,dd,J=7.7Hz,1.2Hz),12.7(1H,br)。λmax=519nm(エタノール)、モル吸光係数ε=51000(エタノール)、λem=565nm(λex=519nm、エタノール)。IR(KBr):1713cm−1(CO)。この化合物の赤外吸収スペクトル、可視吸収スペクトル、蛍光スペクトルを図1〜3に示す。【0047】実施例298%硫酸15mlを攪拌しながら下記化学式で示される4−(ジペンチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’−カルボン酸(化合物S3)3.0gを2時間で仕込み、続いて前記化合物S2、1.9gを1時間で仕込みその後、室温で6時間攪拌した。【0048】【化17】【0049】反応液を水500mlに滴下して晶析し濾過、水洗して下記化学式A2a〜A2cまたはB2a〜B2cで示される化合物及びそれらの硫酸塩の混合物の赤色結晶3.7gを得た。【0050】【化18】【0051】【化19】【0052】【化20】【0053】このうちA2bまたはB2bの化合物を単離してNMR分析を行った結果を示す。1H−NMR(DMSO−d6):δ0.86(6H,t),1.24−1.34(8H,m),1.51(4H,t),3.29(4H,t),6.37−6.48(3H,m),7.15(1H,d),7.43−7.69(7H,m),8.04(1H,d),11.0(1H,br),12.3(1H,br)。【0054】実施例362%硫酸100ml、98%硫酸25mlを混合し、そこに実施例2で得た混合物の結晶2.5gを80〜100℃で2時間で仕込みその後100℃で7時間撹拌した。反応液を水600mlに滴下して晶析し濾過して得られた結晶を水に分散し水酸化ナトリウムで中和して濾過した。結晶を乾燥して下記化学式で示される化合物の赤黒色結晶1.8gを得た。LC/MS:521(M+H+)。【0055】【化21】【0056】実施例4ポリリン酸約20mlを加熱して撹拌しながら、実施例3で得た結晶1.0gを130〜140℃で15分かけて仕込みその後140℃で45分撹拌した。加熱を止め、反応液を100℃付近まで冷やした後、水600mlに注加した。3時間撹拌後、濾過して得られた結晶をトルエンに溶かし不溶物を濾別後、濾液を濃縮して粗製品を得た。これをトルエンと酢酸エチルの20:1の比率の混合溶媒に溶かしてシリカゲルカラムを通し、溶出液を濃縮して残留物にアセトニトリルと酢酸エチルを加え加熱、放冷、濾過して下記化学式で示される化合物C2の青黒色の結晶0.36gを得た。【0057】【化22】【0058】この化合物はトルエン、クロロホルム等の有機溶媒に容易に溶解し赤色の蛍光を示した。機器分析値は次のようであった。LC/MS:503(M+H+)。1H−NMR(CDCl3):δ0.94(6H,t,J=7.1Hz),1.21−1.42(8H,m),1.49−1.59(4H,m),3.16(4H,t,J=8.0Hz),6.57−6.61(2H,m),7.47−7.60(5H,m),8.19(1H,d,J=9.3Hz),8.33(1H,dd,J=7.8Hz,1.3Hz),8.58(1H,dd,J=7.3Hz,2.0Hz),9.11(2H,dd,J=8.0Hz,1.7Hz)。13C−NMR(CDCl3):14.1,22.5,26.9,29.1,51.3,98.7,108.4,110.8,111.7,121.9,126.8,128.3,128.4,129.7,130.3,131.1,131.1,131.2,132.8,134.3,134.9,139.7,150.2,156.1,162.7,163.4,175.0。λmax=592nm,560nm(クロロホルム)、ε=42000(クロロホルム)、λem=627nm,660nm(λex=592nm、クロロホルム)。IR(KBr):1642cm−1(CO)。DSC:Tim=244℃,Tpm=247℃,ΔH=−54J/g(窒素中)。この化合物の赤外吸収スペクトル、可視吸収スペクトル、蛍光スペクトルを図4〜6に示す。【0059】実施例51)98%硫酸12mlを攪拌しながら3−エトキシカルボニル−2−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール1.3gを30分で仕込み、続いて4−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’−カルボン酸1.7gを90分かけて仕込み、その後、室温で7時間攪拌した。反応液を水に滴下し晶析し濾過して下記化学式で示される化合物及びそれらの硫酸塩の混合物の赤色結晶を得た。【0060】【化23】【0061】2)62%硫酸70ml、98%硫酸18mlを混合し、そこに1)の生成物を70〜90℃で2時間かけて仕込みその後90〜95℃で7時間撹拌した。反応液を水400mlに滴下して晶析し濾過して得られた結晶を水で洗浄後、乾燥して下記化学式で示される化合物の赤黒色結晶2.5gを得た。LC/MS:527(M+H+)。【0062】【化24】【0063】3)ポリリン酸60mlを130℃に加熱して撹拌しながら、2)の生成物1.5gを130〜140℃で30分で仕込みその後135〜140℃で60分撹拌した。加熱を止め少し冷やした反応液を水500mlに注加した。2時間撹拌後、濾過して得られた結晶をクロロホルムに溶かし不溶物を濾別後、濾液を濃縮して粗製品を得た。これをトルエンと酢酸エチルの比率20:1の混合溶媒に溶かしてシリカゲルカラムを通し、溶出液を濃縮後、アセトニトリルを加え加熱、放冷、濾過、乾燥して下記化学式で示される化合物C4の青黒色結晶0.34gを得た。【0064】【化25】【0065】化合物C4の機器分析値を示す。LC/MS:509(M+H+)。1H−NMR(CDCl3):δ0.95(3H,t,J=6.7Hz),1.19(3H,t,J=7.1Hz),1.33−1.37(6H,m),1.50−1.62(2H,m),3.17(2H,t,J=8.0Hz),3.31(2H,t,J=7.1Hz),6.53(1H,d,J=2.6Hz),6.57(1H,dd,J=9.3Hz,2.7Hz),7.39−7.46(4H,m),8.11(1H,d,J=9.5Hz),8.20−8.23(1H,m),8.36−8.39(1H,m),8.95(2H,d,J=8.6Hz)。λmax=595nm,563nm(クロロホルム)、λem=661nm(λex=595nm、クロロホルム)。DSC:Tim=224℃,Tpm=228℃,ΔH=−62J/g(窒素中)。【0066】実施例61)98%硫酸2mlを攪拌しながら4−[N−エチル−N−(2−エチルヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’−カルボン酸0.20gを1時間で仕込み、続いて3−エトキシカルボニル−2−(4−シアノフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール0.13gを1時間で仕込みその後、室温で2時間攪拌した。反応液を水に滴下して晶析、濾過、水洗、乾燥して、下記化学式で示される化合物の混合物の赤色結晶0.23gを得た。【0067】【化26】【0068】【化27】【0069】実施例71)98%硫酸12mlを攪拌しながら4−[N−エチル−N−(2−エチルヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’−カルボン酸2.4gを1時間で仕込み、続いて3−エトキシカルボニル−2−(4−シアノフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール1.6gを90分で仕込み、その後、室温で7時間攪拌した。反応液を水に滴下して晶析、濾過、水洗、乾燥して下記化学式で表される化合物の混合物の赤黒色結晶3.5gを得た。【0070】【化28】【0071】2)ポリリン酸70mlを130℃に加熱して撹拌しながら、上記1)の生成物3.5gを130〜140℃で30分かけて仕込みその後130〜140℃で60分撹拌した。加熱を止め反応液を100℃付近まで冷やした後、水1000mlに排出した。3時間撹拌後、濾過して粗製品を得た。これをクロロホルムとメタノールの混合溶媒に溶かし不溶物を濾別し、濾液を濃縮して残留分をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した(溶媒クロロホルム:メタノール=151)。得られた結晶をメタノールで洗浄、濾過して、表1に示す化合物C6の黒色結晶0.41gを得た。LC/MS:546(M+)。λmax=599nm(クロロホルム)、λem=664nm(クロロホルム、λex=599nm)。この化合物の蛍光スペクトルを図7に示す。【0072】実施例898%硫酸15mlを攪拌しながら前記化合物S3、4.0gを2時間で仕込み、続いて3−エトキシカルボニル−2−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール1.9gを1.5時間で仕込みその後、室温で6時間攪拌した。反応液を水500mlに滴下して晶析し濾過、水洗して下記化学式で示される化合物の混合物の橙色結晶3.8gを得た。この化合物はシリカゲル薄層上で酢酸エチル:アセトン=4:1の混合溶媒で展開すると黄橙色のスポットとして不純物と分離された。そのスポットに暗所で360nmの紫外光を当てると黄緑色の蛍光が観測された。【0073】【化29】【0074】実施例91)98%硫酸2mlを攪拌しながら4−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’−カルボン酸0.34gを1時間で仕込み、続いて3−メトキシカルボニル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール0.30gを1時間で仕込みその後、室温で6時間攪拌した。反応液を水にあけて晶析し濾過、水洗、乾燥して下記化学式で示される化合物の混合物の赤色結晶0.46gを得た。【0075】【化30】【0076】2)ポリリン酸2mlに上記1)で得た化合物0.35gを加え130℃で30分攪拌後、冷水100mlに排出し3時間攪拌後、濾過して粗結晶を得た。これをカラムクロマトグラフィで精製して前記表1に示す化合物C7の青黒色結晶0.027gを得た。この化合物はクロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン等に容易に溶解し赤色の蛍光を示した。【0077】実施例101)98%硫酸15mlを攪拌しながら前記化合物S1の2.8gを90分で仕込み、30分撹拌後、3−エトキシカルボニル−2−(2,5−ジメチル−3−チエニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール2.1gを90分で仕込みその後、室温で8時間攪拌した。反応液を水にあけて晶析、濾過して得られた結晶を62%硫酸120ml中に仕込み、75〜80℃で4時間撹拌後、反応液を水500mlに注いで晶析、濾過、水洗して下記化学式で示される化合物の混合物の赤黒色結晶2.9gを得た。この一部をカラムクロマトグラフィで精製して質量分析することにより、主成分は下式においてX=Hのものであることがわかった。LC/MS:527(M+H+)。【0078】【化31】【0079】2)ポリリン酸10ml、トルエン10mlを混合、撹拌しながら上記1)の生成物0.5gを80〜90℃で30分で仕込みその後90〜95℃で1時間撹拌した。反応液を水400mlに注いで90分撹拌後、クロロホルムで抽出し抽出液を濃縮した。得られた粗結晶をクロロホルム:酢酸エチル=60:1の混合溶媒に溶かしシリカゲルカラムを通して溶出液を濃縮後、アセトニトリルで洗浄、濾過して下記化学式で示される化合物C15の青黒色結晶0.020gを得た。1H−NMR(CDCl3):δ0.99(6H,t,J=7.2Hz),1.32−1.44(4H,m),1.55−1.65(4H,m),2.53(3H,s),2.92(3H,s),3.29(4H,t,J=7.8Hz),6.72−6.78(2H,m),7.55−7.64(2H,m),8.36(1H,d,J=9.1Hz),8.44−8.49(2H,m),8.61−8.64(1H,m)。λmax=602,571nm、λem=664nm(λex=602nm、クロロホルム)。この化合物の蛍光スペクトルを図8に示す。【0080】【化32】【0081】実施例1198%硫酸2mlを攪拌しながら前記化合物S3の0.40gを1時間で仕込み、20分撹拌後、3−エトキシカルボニル−2−(2−ピリジル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール0.23gを40分で仕込みその後、室温で2時間攪拌した。反応液を水にあけて晶析、濾過して得られた結晶を62%硫酸10ml中に仕込み、70〜80℃で3時間撹拌後、反応液を水150mlに注いで、水酸化ナトリウムでpH4程度まで中和して晶析、濾過、水洗して下記化学式で示される化合物の混合物の赤色結晶0.24gを得た。【0082】【化33】【0083】実施例121)98%硫酸5mlを攪拌しながら4−[N−エチル−N−(エトキシプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’−カルボン酸0.93gを30分で仕込み、5分攪拌後、3−エトキシカルボニル−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール0.60gを60分で仕込み、その後、室温で7時間攪拌した。反応液を水に滴下して晶析、濾過、水洗、乾燥して下記化学式で表される化合物の混合物の赤黒色結晶1.1gを得た。【0084】【化34】【0085】2)上記1)の生成物1.1gを62%硫酸60mlに仕込み80〜90℃で9時間攪拌した。反応液を水で希釈し水酸化ナトリウムでpH3付近まで中和して析出物を濾取、水洗、乾燥して上記化学式においてX=Hである化合物0.73gを得た。【0086】3)ポリリン酸16mlを撹拌しながら、2)の生成物0.70gを110〜120℃で10分かけて仕込みその後同温度で20分撹拌した。加熱を止め反応液を水400mlに注加し2時間撹拌後、濾過して粗結晶を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、表1に示す化合物C14の青黒色結晶0.045gを得た。λmax=589,560nm(クロロホルム)、λem=654nm(λex=589nm、クロロホルム)。【0087】実施例131)98%硫酸2mlを攪拌しながら4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’,4’−ジカルボン酸と4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン−2’,5’−ジカルボン酸の混合物0.36gを1時間で仕込み、続いて3−エトキシカルボニル−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール0.23gを1時間で仕込み、その後、室温で7時間攪拌した。反応液を水に注加し水酸化ナトリウムでpH2付近にして析出物を濾取し水洗、乾燥して下記化学式で表される化合物の混合物の赤黒色結晶0.49gを得た。この化合物はシリカゲル薄層上でアセトン:メタノール=4:1で展開するとオレンジ色のスポットとして不純物と分離された。そのスポットに暗所で360nmの紫外光を当てると黄緑色の蛍光が観測された。【0088】【化35】【0089】続いて、本発明の化合物を用いた樹脂の着色例と耐光性の試験例を示す。【0090】実施例X−1実施例4で得られた化合物C2の3mgとメタクリル酸メチルポリマー4gをジクロロメタン100mlに溶解して混合し、底面積が130cm2のステンレス製容器に入れた後、ジクロロメタンを蒸発させて半透明紫色の固体膜を得た。この着色膜は赤色の蛍光を発した。これにより化合物C2が樹脂の着色剤として使用可能であり、その場合にも蛍光を発することが確認された。【0091】比較例X−1実施例X−1の化合物C2の代わりに、下記構造のスクアリリウム色素1mgを用い、他は同様に操作して半透明青色の着色膜を得た。この膜は赤色蛍光を発したが、実施例X−1のものほど明瞭ではなかった。【0092】【化36】【0093】上記の実施例、比較例で得た着色膜を切り取り、太陽光を6時間あてて露光前後の吸光度を測定した。結果を下表2に示す。これにより化合物C2の耐光性が良いことが確認された。【0094】【表2】【0094】【発明の効果】本発明は蛍光色素として有用な新規なクロメノピロール化合物を提案するものであり、これらは高い吸光係数、高い蛍光強度、高い耐光性など色素としての優れた性質を有しており、産業上、利用価値の高いものである。【図面の簡単な説明】【図1】実施例1で得た化合物A1cまたはB1cの赤外吸収スペクトル(KBr)。【図2】実施例1で得た化合物A1cまたはB1cの可視吸収スペクトル(エタノール)。【図3】実施例1で得た化合物A1cまたはB1cの蛍光スペクトル(エタノール)。【図4】実施例4で得た化合物C2の赤外吸収スペクトル(KBr)。【図5】実施例4で得た化合物C2の可視吸収スペクトル(クロロホルム)。【図6】実施例4で得た化合物C2の蛍光スペクトル(クロロホルム)。【図7】実施例7で得た化合物C6の蛍光スペクトル(クロロホルム)。【図8】実施例10で得た化合物C15の蛍光スペクトル(クロロホルム)。 下記一般式(1)または(2)で表されるクロメノピロール化合物。[Xは水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基のいずれかを表す。R1、R2は互いに独立に水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、置換または非置換のアリール基のいずれかを表す。R3、R4は互いに独立に水素原子、アルキル基、ハロゲン原子のいずれかを表す。R1とR2、R1とR3、R2とR4は炭素−炭素結合を介して連結してもよい。R5は水素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ニトロ基のいずれかを表す。Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基のいずれかを表す] R1、R2がアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R3〜R5が水素原子であり、Zがアルキル基;非置換のフェニル基;アルキル基、フッ素置換アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基若しくはフェニル基によって置換されたフェニル基;非置換のピリジル基;アルキル基によって置換されたピリジル基;非置換のチエニル基;アルキル基、ハロゲン原子若しくはスルホ基によって置換されたチエニル基のいずれかである請求項1記載のクロメノピロール化合物。 Zが非置換のフェニル基;アルキル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基若しくはハロゲン原子によって置換されたフェニル基;非置換のチエニル基;アルキル基若しくはハロゲン原子によって置換されたチエニル基のいずれかである請求項2記載のクロメノピロール化合物。 Xがカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基である請求項2または3のいずれかに記載のクロメノピロール化合物。 Xが水素原子である請求項2または3のいずれかに記載のクロメノピロール化合物。 下記一般式(3)で表されるクロメノナフトピロール化合物。[R1、R2は互いに独立に水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、置換または非置換のアリール基のいずれかを表す。R3、R4は互いに独立に水素原子、アルキル基、ハロゲン原子のいずれかを表す。R1とR2、R1とR3、R2とR4は炭素−炭素結合を介して連結してもよい。R5は水素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ニトロ基のいずれかを表す。Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基のいずれかを表す] R1、R2が互いに独立にアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R3〜R5が水素原子であり、Zがアルキル基;非置換のフェニル基;アルキル基、フッ素置換アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基若しくはフェニル基によって置換されたフェニル基;非置換のピリジル基;アルキル基によって置換されたピリジル基;非置換のチエニル基;アルキル基、ハロゲン原子若しくはスルホ基によって置換されたチエニル基のいずれかである請求項6記載のクロメノナフトピロール化合物。 Zが非置換のフェニル基;アルキル基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基若しくはハロゲン原子によって置換されたフェニル基;非置換のチエニル基;アルキル基若しくはハロゲン原子によって置換されたチエニル基のいずれかである請求項6記載のクロメノナフトピロール化合物。 下記一般式(4)で表されるヒドロキシベンゾフェノンカルボン酸化合物と、下記一般式(5)で表されるピロリノン化合物とを硫酸中で縮合反応することによる請求項1〜請求項3のクロメノピロール化合物の製造方法。[X1はアルコキシカルボニル基を表す。R1〜R5、Zは請求項1〜請求項3で指定したのと同様の原子または置換基を表す] 請求項4記載のクロメノピロール化合物に酸を作用させることによる、請求項5記載のクロメノピロール化合物の製造方法。 請求項5記載のクロメノピロール化合物に、脱水剤を作用させることによる、請求項6〜請求項8のいずれかに記載のクロメノナフトピロール化合物の製造方法。