生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_地盤調査の方法
出願番号:2003125001
年次:2008
IPC分類:E02D 1/02,G01N 3/40


特許情報キャッシュ

丸岡 郁夫 JP 4077758 特許公報(B2) 20080208 2003125001 20030430 地盤調査の方法 株式会社オートセット 000128599 竹内 卓 100062498 岡本 昭二 100087815 丸岡 郁夫 20080423 E02D 1/02 20060101AFI20080403BHJP G01N 3/40 20060101ALI20080403BHJP JPE02D1/02G01N3/40 B E02D 1/02 G01N 3/40 特開平06−336719(JP,A) 特開2003−027454(JP,A) 特開2001−105219(JP,A) 特開2002−317595(JP,A) 特開平11−124842(JP,A) 特開2001−241030(JP,A) 1 2004332215 20041125 6 20051026 苗村 康造 【0001】【産業上の利用分野】 本発明は、スクリューポイントを使用する地盤調査の方法に関する。【0002】【従来の技術】 建物等の建造物の基礎を含めた荷重は地盤が支える。建造物を設置する場合、予め、基礎設計に先立ち原位置における地盤の硬軟、締まり具合又は土層の構成を判定するため、試掘・探り突き・ハンドオーガー・簡易貫入試験・電気探査・ボーリング・標準貫入試験等の調査方法から選び地盤の調査をする。利用の多い調査方法に、サンプルを採取する標準貫入試験方法とサンプルの採取がなく貫入抵抗を求める貫入試験方法があり、各々JISに規定されている。【0003】 JISA1219に規定する標準貫入試験方法は、質量63.5±0.5kgのドライブハンマーを76±1cm自由落下させ、ロッド先端に取り付けたサンプラーを地盤に30cm打ち込むのに必要な打撃回数をN値として求める。同時にサンプラーでサンプルを採取する試験方法で広く使用されている。サンプルで地層が確認するため許容応力に対する信頼性は高い。【0004】 JISに規定する貫入抵抗を求める試験方法はJISA1220とA1221がある。前者はオランダ式二重管コーン貫入試験方法と呼び、この方法は外管とマントルコーンと呼ぶ貫入先端を持つ内管からなる。内管を加圧してマントルコーンを1cm/sの貫入速度で5cm連続的に進め、コーン底面に作用する貫入抵抗を求める。必要な地層まで外管と内管を交互に進めて貫入操作を繰り返し、土の貫入抵抗力を算出する。主に沖積軟弱地盤に有効な試験方法である。【0005】 後者のJISA1221は、静的貫入抵抗を求めるスウエーデン式サウンディング試験方法を規定する。図1(A)は手動式装置で同図(C)は自動式装置である。何れも、ロッド3の上方におもり6、下端に螺旋付きで毛筆先端様のスクリューポイント4を取り付ける。おもりは50N(5kgf)から始め、1KN(100kgf)からロッドに50回(半回転を1回転)/分の回転を加え、貫入量25cmに要する半回転数を求める。【0006】 計測値は貫入量1m当たりの半回転数に換算して、地盤の長・短期の許容応力の算出に使用する。このスクリューポイントを使用する試験方法は深さ10m以内の軟弱層を対象とし、密な砂質土層・れき(礫)・玉石層・固結土層は適用外である。従って、軟弱層に建設される機会の多い住宅等の小規模建造物の地盤調査には本試験方法が使用される。【0007】【発明が解決しようとする課題】 JISA1219に規定する標準貫入試験方法はサンプルを採取するので調査結果の信頼性は高い。反面、装置が大きく狭い場で使用することが無理なこと、計測に手間が掛かり高額の調査費用を要するのが難点である。従って、建設費用が小さい住宅等の小規模建造物では、低額の調査費用で済むJISA1221に規定するスウエーデン式サウンディング試験方法を使用する。然し、計測値に誤差が含まれ易いと言う問題がある。【0008】 誤差の要因は、標準貫入試験方法に比べサンプルの採取がないことが主因と言える。スクリューポイントに加わる力は静荷重であるおもりの鉛直力だけで、おもりが増え回転を加える段階でも、静荷重の増加以上に鉛直力は増加しない。従って、鉛直力に匹敵する硬さの障害物に当たると貫入が停止か停止に近い状態になる。【0009】 この状態に陥った時、原因が障害物・厚みのない硬い層・支持層の何れであるかを判断する根拠が、サンプルを採取する標準貫入試験方法のようには得られない。調査地点を増やすことは判断の助けにはなるが費用が増えてしまう。本発明は、上記の諸問題を解決し、低額の調査費用ながら計測値の精度を向上した地盤の調査方法と同装置を提供する。【0010】【課題を解決するための手段】 本発明は、ロッド下端にスクリューポイントを付け、ロッド上方におもりを載せ、ロッドを地表に鉛直に立てておもりを増やし、スクリューポイントを地中に貫入し、おもりが所要の載荷に達するとロッドに回転を加える地盤の調査方法に於いて、貫入先端工具をスクリューポイントとドリルとで構成し、ロッドが回転してもスクリューポイントの貫入が停止か停止に近い状態に達した段階で、スクリューポイントをドリルに交換して掘削を続け、貫入停止状態を解消した後に、所要の地層でないと確認された時、ドリルをスクリューポイントに戻して貫入を続行し、所要の地層が得られるまで操作を繰り返して、スクリューポイントによる貫入停止もしくは停止に近い状態を解消する地盤調査の方法である。【0011】【発明の実施の形態】 本発明は、静的貫入抵抗を求める地盤調査の方法と装置で、計測結果に誤差が混入することを防止するために、貫入先端工具をスクリューポイントとドリルで構成する。貫入が停止か停止に近い状態の時、調査を停止してスクリューポイントを引き揚げてドリルに交換し、調査を停止した場所から掘削を始め、地層を貫通するか未貫通でも充分掘削する。【0012】 交換したドリルにはスクリューポイントに与えられたおもりと回転の条件を移行してもよいが、回転は早めてもよい。ドリルで使用目的を達成したら掘削状態を解析して障害物・厚みのない硬い層・支持層の区別をする。掘削状態から支持層に適さないと判断したらドリルをスクリューポイントに戻し、貫入を継続して必要な支持層に達するまで操作を繰り返す。【0013】 この操作は、サンプルなしにドリルの回転数・貫入距離・時間等の計測値と、既知の地層から採取した地層毎の基準値と比較して、原因解析に足る判断根拠が得られる。スクリューポイントの径D1 は33±0.3mmで径30mm迄の磨耗が許容される。併用するドリル径D2 の選択範囲はD1 ±3mm、好ましくはD1 ±2mm、より好ましくはD1 ±1mmから行う。【0014】【作用】 本発明は、スクリューポイントをドリルに交換し、ドリルの持つ切削力を利用して、スクリューポイントの貫入が停止か停止に近い状態を打開する。【0015】【実施例】 図1(A,B.C)はスウエーデン式サウンディング試験方法の装置で、同図(A,B)は手動式装置2の全体正面図とおもりの上面図、同図(C)は自動式装置11の側面図である。ロッド3下端に図2(A)のスクリューポイント4を付け、上方に載荷用クランプ5を設けておもり6を載荷し、スクリューポイントを地表1上の調査地点の底板9に対して鉛直に置いて貫入する。手動式は上端のハンドル7を作業者が持ち、自動式は回転装置12をロッド端に付け、枠14に沿い移動する昇降台13と枠とでロッドが倒れぬように支える。【0016】 おもりの増加は手か自動載荷で装置により使い分ける。50N(5kgf)のおもり6で始め、1kN(100kgf)からロッド3を回転して貫入抵抗を調べる過程で、スクリューポイント4の貫入が停止か停止に近い状態に陥った時、原因を明確にする術がないため、計測値に誤差が入り込む余地が生れる。この状態を解消するため、スクリューポイントを図2(B)のドリル8に交換し、貫入停止位置から掘削を始める。【0017】 ドリルに対するおもりと回転数はスクリューポイントと同条件でよいが、回転数は早めてもよい。ドリルの使用位置から相当距離掘削したか貫通に至らなかった時はドリルを止めて調査を打ち切り、貫通したが調査が不十分である時はドリルをスクリューポイントに代え、ドリルの最終到達地点からスクリューポイントで貫入を続け、必要な地層(住宅用はN値20以上の支持層で厚み2m以上)に達するまで繰り返す。【0018】 地盤の許容応力はスクリューポイントで得た数値を換算して使用する。数値例を挙げると、荷重1kNを加えた厚さ1m当たりのスクリューポイント半回転数は、N値10の地層で約150、N値13で約200、N値23で約400を示す。半回転数/貫入量がN値に相当した数値を呈する間は問題ないが、硬い層ほど貫入が遅くなり計測値に空回転が混入することが誤差の入り込む原因となる。ドリルの併用は空回転をなくし誤差混入の問題を解決した。【0019】 ドリルで地層を十分掘削したか貫通して得た計測値は、既知の地層で求めて置いた基準値との比較で、障害物・厚みのない硬い層・支持層の何れかを速やかで正確に判断できる。例えば、掘削中のドリルの回転トルクを換算(例:電流値)しておけば、電流値が、変化しないと同じ地層、水準の持続で厚・薄、変化すると地層の変化、増・減すると地層の硬・軟のように区別認識できる。【0020】 スクリューポイント径D1 33mmに対し、地層毎に標準値を用意したドリル径D2 30mmのコンクリート削孔用を使用した。ドリルは金属・木材の加工用から選択しても専用品を製作して使用してもよい。然し、地層毎の計測値は選択したドリルの種類等で異なるので、ドリル径は数種類用意した中から選択して使用する。何れも超硬材を先端に付けて強化した耐磨耗性のドリルを使用する。【0021】【発明の効果】 本発明の調査方法と同装置から下記の効果を得た。(1)ドリルの併用は、貫入停止状態でスクリューポイントに起こる空転現象の影響排除に役立ち、貫入地層状態を高精度で推測するので、スクリューポイントで得た計測値の信頼性を向上した。(2)ドリルの併用は貫入停止付近で費やされる作業時間を大幅に縮小して、支持層(N値20以上)の厚み(2m以上)の確認が確実に行える。(3)現場調査に必要な作業時間を短縮した。(4)計測値の信頼性を向上ながら、調査費用はドリルを使用しない方法より低額で済んだ。【図面の簡単な説明】【図1】静的貫入抵抗を計測する装置で、(A,B)は手動式の正面図とおもりの上面図、(C)は自動式の側面図である。【図2】(A)は図1で使用する貫入先端工具のスクリュウポイントの側面図、(B)は本発明で使用する貫入先端工具のドリルの側面図である。【符号の説明】1 地表2 手動式装置3 ロッド4 スクリューポイント5 載貨用クランプ6 おもり7 ハンドル8 ドリル9 底板11 自動式装置12 回転装置13 昇降台14 枠 ロッド(3)下端にスクリューポイント(4)を付け、ロッド上方におもり(6)を載せ、ロッドを地表に鉛直に立てておもりを増やし、スクリューポイントを地中に貫入し、おもりが所要の載荷に達するとロッドに回転を加える地盤の調査方法に於いて、貫入先端工具をスクリューポイント(4)とドリル(8)とで構成し、ロッドが回転してもスクリューポイントの貫入が停止か停止に近い状態に達した段階で、スクリューポイントをドリルに交換して掘削を続け、貫入停止状態を解消した後に、所要の地層でないと確認された時、ドリルをスクリューポイントに戻して貫入を続行し、所要の地層が得られるまで操作を繰り返して、スクリューポイント(4)による貫入停止もしくは停止に近い状態を解消する地盤調査の方法。


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