生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_造粒物および造粒方法
出願番号:2003119519
年次:2010
IPC分類:A61K 9/14,B01J 2/16


特許情報キャッシュ

高野 桂 種谷 新一 堀尾 正靭 西井 和夫 JP 4521654 特許公報(B2) 20100604 2003119519 20030424 造粒物および造粒方法 株式会社ダルトン 000133467 向 寛二 100075867 高野 桂 種谷 新一 堀尾 正靭 西井 和夫 20100811 A61K 9/14 20060101AFI20100722BHJP B01J 2/16 20060101ALI20100722BHJP JPA61K9/14B01J2/16 A61K 9/00-9/72 A61K 47/00-47/48 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平06−210152(JP,A) 特開2003−313118(JP,A) 国際公開第01/026630(WO,A1) TAKANO K. et al.,POWDER TECHNOLOGY,2003年 4月23日,No.131,p.129-138 1 2004323409 20041118 8 20060417 特許法第30条第1項適用 平成14年10月31日ホテルニューオータニ博多で開催された第19回製剤と粒子設計シンポジウムで発表 高橋 樹理 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、結合剤を用いずに造粒した核粒子の表面に粉末(粉体)を付着させて被覆した造粒物およびこの造粒物を形成する方法に関するものである。【0002】【従来の技術】例えば、気管支喘息等の治療に用いられる吸入剤は、薬剤を吸入して直接肺に投与する経肺投与製剤である。このような吸入剤は、直接患部に投与できる上に、肺は表面積が広く、また、初回肝通過効果や、消化液による代謝分解を回避できるため、風邪薬等の一般薬や患者の苦痛を伴う注射剤が主であったインシュリン等の投与の方法としても注目されている。【0003】このような、経肺投与剤では、気管支および肺胞へ到達可能な粒子径は1〜7μmといわれ、所定の粒子径のエアロゾルとして投与する。その投与方法には、薬剤液を圧縮空気等によってエアロゾルとするネブライザー法やフロンガスにより液薬剤を噴霧する加圧式定量噴霧吸入法、およびヒトの吸気により2.3μmの微粉末薬剤を分散しながら吸入する粉末吸入法等がある。【0004】近年、粉末吸入法は、ネブライザー法に比べ、吸入器が簡便で携帯に便利であるため、また加圧式定量噴霧吸入法のように、環境問題となっているフロンガスを使用しないため、注目されている。【0005】粉末吸入剤は、薬剤の径が2.3μmと微剤で、付着性が大で、凝集しやすい粒子であるため、流れ性が悪く、吸入時に一次粒子まで再分散させることが困難である。【0006】また、投与量の少ない薬剤は、乳糖等の担体による希釈が必要である。しかし、薬効に不必要な物質は、気管支、肺胞に到達しないことが望ましい。そのために、60〜100μmの乳糖粒子を担体として、その表面に薬剤を付着させることにより吸入時に表面より解離するようにすることが一般に用いられている。【0007】しかし、乳糖の添加量が少ないと、大きな乳糖粒子では付着性が小である。また、重量基準で添加の量を決定するため、粒子個数が少なくなり、そのため担体粒子表面に付着できない過剰な薬剤粒子が増大し、凝集し、分散性が低下する。【0008】また、10〜20μmの径の小さい乳糖粒子を担体に用いた場合、吸入時の分散性が良くなることが報告されているが、流れ性は悪くなる。さらに結合剤を用いずに造粒することは不可能である。【0009】本発明の発明者等は、比較的小さい粒径例えば吸入剤として用いる場合、肺に入らない下限の粒径である7μm以上、特に10〜20μmの粒子径の担体と薬剤等粉体とを混合して造粒した造粒物で、十分な粉体を含みまた分散性のよい造粒物を開発した。【0010】また、前記のような小さい粒子径の担体に十分な粉体を効率的に含有させることを可能にする造粒物の製造方法を開発した。【0011】そして特願2002−117551号として出願した。【0012】それは、表面に微細な凹凸が形成されている担体に薬剤微粉末を混合して造粒を行なって得られた造粒物である。【0013】また、このような造粒物の製法は、例えば担体となる乳糖を粉砕機により粉砕し、この粉砕して表面に凹凸が形成された担体と薬剤微粉末との混合物を流動圧縮造粒法(特許文献1参照)により造粒するもので、結合剤を用いずに容易に造粒物を形成し得るものである。【特許文献1】特開平4−100532号【0014】【発明が解決しようとする課題】以上述べた造粒物は、分散性が良く、例えば前述のような吸入剤として利用するのに極めて有効である。【0015】しかし、担体に比べて薬剤である粉末の混合量が微量である場合、均一な造粒物が得られない欠点がある。【0016】以上は、経肺投与製剤について、結合剤を用いない造粒方法を利用して造粒することにより得られた分散性の良い造粒物の問題点について述べたが、他の薬剤やその他の造粒物にも、結合剤を用いずに造粒した造粒物を形成することにより有効な造粒物が得られる。【0017】本発明は、微粉末の混合が均一である粒子径の比較的大きな粒体と粉末とよりなり分散性のよい造粒物を提供するものである。【0018】更に、本発明は、分散性の良い造粒物であって、強度を改善した造粒物を提供するものである。【0019】また、本発明は、上記のような造粒物の造粒方法を提供するものである。【0020】【課題を解決するための手段】本発明の造粒物は、結合剤を用いずに核となる原料のみを造粒した核粒子の表面に結合剤を用いることなしに核粒子とは異なる原料の粉体を付着させて被覆したもので、分散性のよい造粒物である。【0021】また、本発明の造粒物は、前記のように結合剤を用いることなしに造粒した核粒子の表面に薬剤である粉体を付着させて被覆させたものであって、分散性が良くまた核粒子に対して均一に粉体が付着した造粒物、特に核粒子に対し薬剤である粉体の分量が微量であっても均一に付着されている造粒物である。【0022】また、本発明の造粒物は結合剤を用いずに造粒した核粒子にワックスを付着させて被覆したものを加熱してワックスを固化させて核粒子を保護するようにした造粒物である。【0023】更に本発明の造粒方法は、核となる原料を結合剤を用いずに流動圧縮造粒法により造粒することにより核粒子を形成し、この核粒子と核となる原料とは異なる原料よりなる粉体を混合し、この混合物を流動圧縮造粒法により造粒することによって核粒子の表面に粉体を付着させて被覆した造粒物を形成する方法である。【0024】この本発明の造粒物、造粒方法において、核粒子の原料はその性質、粒径はいかなるものでも良く、また粉体の性質、粒径もどのようなものでもよい。特に粉体の粒子径は、その付着力等の性質により望ましい粒子径にして用いれば良く、例えば付着力が大である原料の場合、粉体より大きな径のものを用いてもよい。【0025】【発明の実施の形態】次に、本発明の造粒物の実施の形態について述べる。【0026】まず、本発明の造粒物の第1の実施の形態は、核となる造粒物(核粒子)が市販の450メッシュ乳糖をボールミルにて粉砕したものを結合剤を用いずに造粒したもので、また粉体が、エテンザミドをジェットミルにて粉砕して粉体としたもので、この核となる乳糖の造粒物(核粒子)にエテンザミドの粉体のみを結合剤を用いることなしに付着させることによりこれを被覆した造粒物である。【0027】この核となる造粒物の乳糖(核粒子)とエテンザミド(粉体)の粒径、比表面積は次の表の通りである。【0028】これら造粒物は、核となる乳糖(核粒子)に対してエテンザミド(粉体)は、夫々1%、2%である。【0029】この粉体を被覆する前の核となる乳糖と、これに1%のエテンザミドを混入して造粒を行ない乳糖の表面にエテンザミドを付着させて被覆したものと、2%のエテンザミドを混入して造粒を行ない乳糖の表面に付着させて被覆したものを示したのが図1である。【0030】この図において、(A)が核となる乳糖造粒物のみ、(B)が核となる乳糖の造粒物(核粒子)にその1%のエテンザミドの粉体を混入して造粒して付着させて被覆したもの、(C)が核となる乳糖の造粒物(核粒子)にその2%のエテンザミドの粉体を混入して造粒して付着させて被覆したものである。【0031】図から明らかなように、(A)の核となる造粒物と、(B)、(C)に示す造粒物はほぼ同一形状であって、これら造粒物は、形状、大きさ共にほぼ揃ったものである。【0032】また、図2は、核となる造粒物(核粒子)および夫々1%、2%の粉体を混入した造粒物{図の(A)、(B)、(C)}の粒度分布を示すものである。【0033】また、図3は造粒中のエテンザミドの含有量を示す。【0034】この図3から明らかなように、エテンザミドの含有量が、いずれもエテンザミド添加量の92%〜102%であり、均一にコーティングされていることが解る。【0035】更に、図4は、本発明の造粒物の強度分布を示す。この図よりエテンザミド添加量が乳糖の1%の造粒物は、核粒子とほぼ同じ強度であり、乳糖の2%の造粒物は、強度がやや小である。【0036】しかし、エテンザミドの添加量が1%、2%共に強度が5〜20kPaで、容易に解砕し得るものである。【0037】更に、図5には、本発明の前記コーティング造粒物の分散性評価を示す。【0038】この図より明らかなように、本発明の造粒物は、良好な分散性を有する。【0039】したがって、本発明の造粒物を前述のような薬剤(吸入剤)等に利用すれば極めて効果的である。【0040】次に本発明の方法の実施の形態を、前記実施の形態の造粒物を形成した時の方法を例として述べる。【0041】前述のように、本発明の造粒物を造粒するためには、流動圧縮造粒方法が用いられる。したがって、まず流動圧縮造粒方法について簡単に説明する。【0042】この流動圧縮造粒方法は、ほぼ乾燥状態にての造粒が可能であって、例えば原材料が付着力を有するものの場合、乾燥状態において、圧縮を行なって凝集物を形成し、流動層法等によって球形で圧密度の高い造粒物を形成し得る。【0043】この造粒方法は、例えば流動層装置内において装置内のガス圧を上昇せしめて原材料に圧力を加えて圧縮を行なうことによる凝集物の形成と所定時間後に気流の方向を逆転せしめることにより流動化を行ない、球形造粒物の形成を同一装置内にて同時に行うものである。【0044】以上述べた、流動圧縮造粒法による造粒を行なう流動圧縮造粒装置は、図 6に示す構成である。【0045】この流動圧縮造粒装置は、造粒槽下部に第1の弁を介して接続する送風機と、造粒槽下部に第2の弁を介して接続する吸引装置と、造粒槽上部に設けた排気口とを備えたもので、前記第1の弁を開き又第2の弁を閉じることにより送風機102よりのエアーにより流動化し、次の第1の弁を閉じ第2の弁を開くことによって吸引して槽内の粉粒体に圧力を加えることによって造粒する。このように、図6に示す造粒装置を用いれば、流動化と圧密化とを交互に行なうことが可能である。【0046】図6において101は造粒槽、102は送風機、103は調温調湿装置、104は第1の弁、107は第2の弁、108は網上に投入されている原料である。また、110は第3の弁、111は第4の弁である。【0047】この構成で第2の弁107と第4の弁111は閉じたまま第1の弁104と第3の弁110を開くことによってエアーは矢印Aのように流れる。これによって槽内の粉体原料108は流動化され前述のように原料自身の付着力によって又は調温調湿装置による僅かに湿気又は有機溶剤蒸気が与えられての付着による凝集物の形成が行なわれる。次に第1の弁104と第3の弁110を閉め第2の弁107と第4の弁111を開くとエアーは矢印Bのように流れる。つまり造粒槽101内の気体は吸引されこれによって前述の圧縮造粒が行なわれる。これによって凝集物が圧密化され粒体が得られる。又この操作は繰り返し行なってもよい。【0048】本発明の造粒物は、まず核となる造粒物(核粒子)を形成する。そのため、粉粒体を図6に示す装置を用い流動圧縮造粒方法により造粒する。例えば、核となる造粒物(核粒子)として原料粒子が乳糖の場合について述べる。市販の450メッシュ通過の乳糖を原料としてボールミルにより粒度および比表面積を調整した。また粉体としては、エテンザミドをジェットミルにて粉砕したものを用いた。【0049】最初、粉砕し調整した乳糖を原料として、前記の流動圧縮造粒方法により、核となる乳糖の造粒物(核粒子)を形成した。【0050】この乳糖の造粒物(核粒子)と、それの1%の量の粉砕した模擬薬剤のエテンザミド(粉体)とを混合して、流動圧縮造粒法により、結合剤を加えることなしに核粒子である乳糖の造粒物の表面にエテンザミドの粉体を付着させて被覆した。【0051】同様の方法において、2%のエテンザミドを混合して核粒子の表面に粉体を付着させ被覆した。【0052】以上述べた本発明の造粒物は、核となる造粒物の原料とこの粒子に付着させる粉体の原料とを適宜選択することにより、異なった性質を有する造粒物になし得る。【0053】例えば、本発明の造粒物の他の例として、核となる物質を結合剤を用いずに造粒して造粒物(核粒子)を形成し、この核粒子にワックスの粉体を付着させて被覆して本発明の造粒物とし、この造粒物を加熱してワックスを固化することにより、ワックスにより比較的強く保護された造粒物になし得る。【0054】この造粒物の例を次に示す。【0055】まず、乳糖を粉砕したものを、結合剤を用いずに流動圧縮造粒法を用いて造粒して核となる粒子を形成する。一方ワックス粉体として、ポリエチレングリコールの微粉末を用いた。この乳糖の造粒物とポリエチレングリコール微粉末とを1%の割り合いにて混合したものを、結合剤を用いずに流動圧縮造粒法により造粒した結果、乳糖の造粒物(核粒子)の表面にポリエチレングリコール微粉末がコーティングされた本発明の造粒物が得られた。この造粒物を85℃の加温空気により溶融、固化することにより、乳糖の造粒物をワックスの硬い層にて覆った造粒物が得られた。【0056】以上述べたように、本発明の造粒方法によれば、性質の異なる各種の造粒物が得られる。即ち、核となる造粒物(核粒子)の材料とその表面に付着させて被覆すべき粉末の材料とを目的に合わせて選択することによって、種々の性質をもった造粒物が可能になる。【0057】つまり、前記実施の形態にて述べた本発明の造粒物およびその造粒物を造粒するための造粒方法は一例であって、核粒子の原料は乳糖に限らず、また粉体は薬剤、ワックスに限るものではない。また、核粒子である乳糖の粒径も一例であり、使用目的等に応じて適宜選択し得る。同様に粉体の径も、上記実施の形態にて示した粒径に限らず、例えば通常粉体と呼ばれるものの粒径よりも大きな粒径の原料であって、核粒子の表面に結合剤を用いることなしに付着させ得るものであれば良い。【0058】【発明の効果】本発明の造粒物は、結合剤を用いずに造粒物である粒子の表面に結合剤を用いずに粉体を付着させて被覆したものであって、分散性の良い造粒物である。しかも夫々の核粒子に対し、粉体が均一に付着した造粒物である。また、核粒子と粉体との原料の選択によって、各種の使用目的に合った造粒物になし得る。更に本発明の方法によれば、前記本発明の造粒物の製造が可能である。【図面の簡単な説明】【図1】 核粒子および本発明の造粒物を示す図【図2】 図1に示す核粒子、造粒物の粒度分布を示す図【図3】 本発明の造粒物中の粉体(エテンザミド)の含有量を示す図【図4】 図1に示す核粒子、造粒物の強度を示す図【図5】 本発明の造粒物の分散性を示すグラフ【図6】 本発明の造粒方法にて用いられる流動圧縮造粒装置の構成を示す図 核となる原料のみを流動圧縮造粒法にて造粒して核粒子を形成し、前記核粒子に前記原料とは異なる原料のみよりなる粉体を混入して流動圧縮造粒法にて造粒して造粒物を形成する造粒方法。


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