生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_コエンザイムQ10含有組成物
出願番号:2003084904
年次:2005
IPC分類:7,A23L1/302,A23K1/16,A23K1/165,A23K1/175,A61K31/015,A61K31/07,A61K31/122,A61K31/19,A61K31/194,A61K31/197,A61K31/355,A61K31/375,A61K31/4188,A61K31/51,A61K31/525,A61K33/26,A61K33/42,A61P3/02


特許情報キャッシュ

峯村 剛 弓削 博昭 安原 さと子 JP 3618336 特許公報(B2) 20041119 2003084904 20030326 コエンザイムQ10含有組成物 日清ファルマ株式会社 301049744 羽鳥 修 100076532 峯村 剛 弓削 博昭 安原 さと子 20050209 7 A23L1/302 A23K1/16 A23K1/165 A23K1/175 A61K31/015 A61K31/07 A61K31/122 A61K31/19 A61K31/194 A61K31/197 A61K31/355 A61K31/375 A61K31/4188 A61K31/51 A61K31/525 A61K33/26 A61K33/42 A61P3/02 JP A23L1/302 A23K1/16 301A A23K1/16 301F A23K1/16 301G A23K1/16 302B A23K1/16 302G A23K1/16 302N A23K1/16 303C A23K1/165 Z A23K1/175 A61K31/015 A61K31/07 A61K31/122 A61K31/19 A61K31/194 A61K31/197 A61K31/355 A61K31/375 A61K31/4188 A61K31/51 A61K31/525 A61K33/26 A61K33/42 A61P3/02 101 7 A23L 1/302 A23K 1/16-1/175 A61K 31/00-31/80 JSTPlusファイル(JOIS) PubMed BIOSIS(DIALOG) FOODLINE(DIALOG) FOOD SCI&TECH ABS(DIALOG) 特開2001−354553(JP,A) 特開2001−261577(JP,A) 特開平3−7228(JP,A) 特開2003−113129(JP,A) 特開2003−321352(JP,A) 特開2003−169630(JP,A) 特表2001−514209(JP,A) 特開2003−300870(JP,A) 特開2003−169633(JP,A) 5 2004290041 20041021 8 20030707 佐久 敬 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ビタミン類が存在するにもかかわらず、コエンザイムQ10が極めて安定なコエンザイムQ10含有組成物に関するものであり、本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、添加物としてビタミン類が通常配合されている食品、飲料、医薬品および飼料の原料などとして有用なものである。【0002】【従来の技術】コエンザイムQ10は、補酵素として生物活性をもつだけでなく、酵素利用効率を改善させる作用を有するビタミン様作用物質として知られている。コエンザイムQ10は、食品などに配合すると、他の添加物の影響により、非常に不安定である。これは、塩基性物質の影響または添加物との配合禁忌によるものと推察される。また、コエンザイムQ10は、他の添加物の影響により、酸化体が還元体に異性化し、分解が促進されるものと推察される。また、コエンザイムQ10は光に対しても不安定である。また、コエンザイムQ10は、ビタミン類と併用すると、非常に不安定となることも知られている。ビタミン類は、食品、飲料、医薬品および飼料に通常配合されている添加物であるため、これらの用途へのコエンザイムQ10の利用が制限されている。【0003】本出願人は、このようなコエンザイムQ10の安定性を改善する方法を研究する中で、ユビデカレノン(コエンザイムQ10)と水溶性ビタミン類とを組み合わせて製剤化する場合に、製剤中にゼラチンが存在すると、ユビデカレノンが分解することを見いだし、そして、このユビデカレノンの分解を阻止する方法として、有機酸を製剤中に添加することを提案した(特許文献1を参照)。また、本出願人は、有機酸の存在下、ユビデカレノンなどのユビキノンを水溶性物質の水溶液中に分散・乳化して、保護コロイドを形成させることにより、水性溶液に対する分散安定性及びバイオアベラビリティーを向上させたユビキノン含有製剤を提案した(特許文献2を参照)。しかし、ビタミン類が通常配合されている食品などに、コエンザイムQ10を添加する場合に、該コエンザイムQ10の不安定化を阻止することについては言及されていない。【0004】【特許文献1】特開2001−354553号公報【特許文献2】特開2003−55203号公報【0005】【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、ビタミン類が存在するにもかかわらず、コエンザイムQ10が極めて安定であり、添加物としてビタミン類が通常配合されている食品、飲料、医薬品および飼料の原料などとして有用なコエンザイムQ10含有組成物を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、無機金属塩を添加することにより、好ましくは無機金属塩および有機酸を添加することにより、ビタミン類存在下におけるコエンザイムQ10の安定性が極めて高くなることを知見した。本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、コエンザイムQ10、ビタミン類および鉄塩を含有することを特徴とするコエンザイムQ10含有組成物を提供するものである。【0007】【発明の実施の形態】以下、本発明のコエンザイムQ10含有組成物の好ましい実施形態について詳細に説明する。【0008】本発明において使用されるコエンザイムQ10は、補酵素であるコエンザイム(Coenzyme)Q類(以下、CoQと略称する)の一種である。コエンザイムQ10の構造は、2,3−ジメチル−5−メチル−6−デカプレニル−1,4−ベンゾキノンであり、人をはじめとする多くの高等動植物のミトコンドリア内膜に存在する呼吸鎖の必須構成成分である。【0009】本発明において使用される鉄塩としては、塩化第二鉄、クエン酸鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄などが好ましい。これらの鉄塩は、2種以上適宜組み合わせて使用することもできる。上記鉄塩の含有量は、鉄塩の種類などによっても異なるが、通常、コエンザイムQ10100質量部に対して、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは5〜400質量部、最も好ましくは10〜400質量部である。上記鉄塩の含有量が1質量部未満では、効果が充分ではなく、上記鉄塩の含有量が多すぎると、効果が更に向上するものでもなく、味などの風味に悪影響を及ぼす。【0010】また、本発明において使用されるビタミン類としては、制限されるものではなく、例えば、ビタミンB1 およびその誘導体、ビタミンB2 、ビタミンB12、ビタミンC、ビオチン、パントテン酸、ビタミンA、ビタミンE、β−カロチンおよびその塩類、またはこれらの混合物などが挙げられるが、コエンザイムQ10の安定性に悪影響を与えるビタミン類を用いることが、本発明の効果が最大限に発揮されるので好ましい。上記ビタミン類の含有量は、特に制限はなく、本発明のコエンザイムQ10含有組成物が配合される食品、飲料、医薬品および飼料などに応じて適宜決定すればよい。【0011】本発明のコエンザイムQ10含有組成物には、さらに有機酸を含有させてもよい。上記有機酸としては、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アスパラギン酸、またはこれらの混合物などが挙げられ、その含有量は、有機酸の種類などによっても異なるが、通常、コエンザイムQ10100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、より好ましくは3〜150質量部、最も好ましくは3〜100質量部である。上記有機酸の含有量が少なすぎると、鉄塩との併用効果が充分に発揮されず、上記有機酸の含有量が多すぎても、効果は同程度である。【0012】本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、一般の食品や飲料、健康食品、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、ゼリー飲料、粉剤などのあらゆる食品および医薬品や、飼料などの形態に利用できる。また、本発明のコエンザイムQ10含有組成物を上記の食品、飲料、医薬品または飼料などの形態に利用する場合、これらの食品、飲料、医薬品または飼料に配合する添加物を選定することにより、機能性を変化させることが可能である。例えば、シロップ剤や水易溶性機能を付加させた速溶性粉末の調製、塑性変形能を有した直接打錠可能な粉末とし、チュアブル錠、さらにはこれら機能を複合させた用時溶解型の錠剤、発泡錠の調製用原料としての利用も自由であり、この他、ジュース、スープなどの飲料またはゼリー、プリンなどの嚥下障害者用食品などに添加し、既存の製剤形に限定されない幅広い製剤設計が可能である。本発明の含有組成物によれば、これらのあらゆる利用形態にコエンザイムQ10を安定的に配合、投与、摂取可能である。【0013】【実施例】以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら制限を受けるものではない。【0014】実施例1コエンザイムQ10を水に分散させるために、次のようにしてコエンザイムQ10の乳化液を調製した。コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)100gを、グリセリン脂肪酸エステル(日光ケミカルズ(株)製)300g、グリセリン(日本油脂(株)製)100gおよび精製水500gを用いて、加熱溶解し、乳化機(三和機械(株)製、H−11型)により約300kg/cm2 で乳化処理を行い、コエンザイムQ10濃度が10%のコエンザイムQ10乳化液を調製した。上記コエンザイムQ10乳化液3g(CoQ10として300mg)、精製水800g、クエン酸(田辺製薬(株)製)1.0gおよびブドウ糖液(日本食品加工工業(株)製)200gを、室温で攪拌溶解させ、微細なコエンザイムQ10が均一に分散したpH3.0〜3.5の黄色のコエンザイムQ10含有液を得た。この液に、下記表1に示す量のビタミン類および無機金属塩を添加し、コエンザイムQ10含有組成物(検体1〜9および対照1〜4)をそれぞれ得た。これらのコエンザイムQ10含有組成物について、以下の保存条件で保存し、HPLCを用いて以下の測定条件で、コエンザイムQ10の安定性(コエンザイムQ10の保存開始時に対しての残存率)を測定した。その結果を下記表2に示す。【0015】コエンザイムQ10の安定性の測定条件検出器;紫外吸光光度計(測定波長:275nm)カラム;HypersilODS−5 4.6mm×150mm移動相;メタノール/無水エタノール(体積比13:7)コエンザイムQ10の保存条件保存温度;50℃保存容器;ガラス瓶気密容器保存期間;4週間【0016】【表1】【0017】【表2】【0018】実施例2コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)90g、ビタミンE20g、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製)35gおよび小麦胚芽油(日清ファルマ(株)製)460gを、アジホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて約60℃で加温溶解し、溶解確認後、30℃まで冷却し、ビタミンC30g、ビタミンB1 5g、パントテン酸Ca10gおよびクエン酸鉄250gを添加し、攪拌分散し、冷却し、ソフトカプセル充填液(本発明のコエンザイムQ10含有組成物)を得た。このソフトカプセル充填液を用いて通常の方法により1カプセル当たり約300mg(CoQ10が30mg/cap)になるように充填を行った。【0019】比較例1コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)90g、ビタミンE20g、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製)35gおよび小麦胚芽油(日清ファルマ(株)製)710gを、アジホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて約60℃で加温溶解し、溶解確認後、30℃まで冷却し、ビタミンC30g、ビタミンB1 5gおよびパントテン酸Ca10gを添加し、攪拌分散し、冷却し、ソフトカプセル充填液を得た。このソフトカプセル充填液を用いて通常の方法により1カプセル当たり約300mg(CoQ10が30mg/cap)になるように充填を行った。【0020】上記の実施例2および比較例1で得られたカプセルについて、実施例1と同じ保存条件および測定条件で、コエンザイムQ10の安定性(コエンザイムQ10の保存開始時に対しての残存率)を測定した。その結果を下記表3に示す。【0021】【表3】【0022】実施例3コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)90g、ビタミンE20g、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製)35gおよび小麦胚芽油(日清ファルマ(株)製)560gを、アジホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて約60℃で加温溶解し、溶解確認後、30℃まで冷却し、ビタミンC30g、ビタミンB1 5g、パントテン酸Ca10gおよびピロリン酸第二鉄150gを添加し、攪拌分散し、冷却し、ソフトカプセル充填液(本発明のコエンザイムQ10含有組成物)を得た。このソフトカプセル充填液を用いて通常の方法により1カプセル当たり約300mg(CoQ10が30mg/cap)になるように充填を行った。【0023】【発明の効果】本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、ビタミン類が存在するにもかかわらず、コエンザイムQ10が極めて安定であり、添加物としてビタミン類が通常配合されている食品、飲料、医薬品および飼料の原料などとして有用なものである。 コエンザイムQ10、ビタミン類および鉄塩を含有することを特徴とするコエンザイムQ10含有組成物。 鉄塩が、塩化第二鉄、クエン酸鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄、またはこれらの混合物である請求項1記載のコエンザイムQ10含有組成物。 鉄塩を、コエンザイムQ10100質量部に対して1〜500質量部含有する請求項1または2記載のコエンザイムQ10含有組成物。 ビタミン類が、ビタミンB1 およびその誘導体、ビタミンB2 、ビタミンB12、ビタミンC、ビオチン、パントテン酸、ビタミンA、ビタミンE、β−カロチンおよびその塩類、またはこれらの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載のコエンザイムQ10含有組成物。 請求項1〜4のいずれかに記載のコエンザイムQ10含有組成物を配合してなる、食品、飲料、医薬品または飼料。


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