タイトル: | 特許公報(B2)_アルドール化合物の効率的な製造方法 |
出願番号: | 2003047791 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C07C 45/72,C07C 49/82,C07C 49/825,C07B 61/00 |
畠中 康夫 林 輝幸 JP 3882079 特許公報(B2) 20061124 2003047791 20030225 アルドール化合物の効率的な製造方法 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 畠中 康夫 林 輝幸 20070214 C07C 45/72 20060101AFI20070125BHJP C07C 49/82 20060101ALI20070125BHJP C07C 49/825 20060101ALI20070125BHJP C07B 61/00 20060101ALN20070125BHJP JPC07C45/72C07C49/82C07C49/825C07B61/00 300 C07C 45/00-49/92 特開2003−012592(JP,A) 特開昭50−053315(JP,A) 特開平06−263684(JP,A) 1 2004256425 20040916 9 20041124 井上 千弥子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬等の合成中間体として有用なアルドール化合物を高効率で製造する方法に関する。【0002】【従来の技術】2種の異なるカルボニル化合物間の交差アルドール反応を高選択的に進行させる方法として、一方のカルボニル化合物をシリルエノールエーテルに変換し、これと他方のカルボニル化合物とをルイス酸触媒で反応させる方法(例えば、非特許文献1〜3参照)が知られているが、これらの方法は、いずれもジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒をはじめとする種々の有機溶媒を用いることを必須とするものである。ところが、一般に有機溶媒は毒性を持つことが多く、上述の公知方法により実施すると重大な環境汚染を引き起こすことから、アルドールを工業的に製造する方法としては難点があった。【0003】【非特許文献1】Chem.Pharm.Bull.,38,p1509(1990)【非特許文献2】Bull.Chem.Soc.Jpn.,64,p990(1991)【非特許文献3】J.Am.Chem.Soc.,120,p8271(1998)【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状に鑑みなされたものであって、有機溶媒を用いない交差アルドール反応により、環境への負荷を軽減できるとともに、有用なアルドールを高収率で得ることのできるアルドール類の効率的な製造方法を提供することを目的とする。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のカチオン性ケイ素化合物を酸触媒とするシリルエノールエーテルとカルボニル化合物との交差アルドール反応を、有機溶媒の不存在下に行ったところ、アルドール類が高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。【0006】 すなわち、本発明は、下記一般式(1)【化5】(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキニル基またはアルコキシ基を示し、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基またはアリール基を示す。R1とR2またはR2とR3は、互いに結合して環を形成していてもよい。また、R4、R5及びR6のいずれか2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)で表されるシリルエノールエーテルと、下記一般式(2)【化6】(式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルキニル基を示す。また、R7とR8は互いに結合して環を形成していてもよい。)で表されるカルボニル化合物を、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2−ペンタフルオロフェニル−3,5,5−トリメチル−5−シラオキサゾリニウムの存在下、無溶媒で反応させることを特徴とする下記一般式(4)【化8】(式中、R1、R2、R3、R7及びR8は、いずれも前記したと同じである。)で表されるアルドール化合物の製造方法である。【0007】【発明の実施の形態】 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明におけるアルドール化合物の製造方法は、原料として前記一般式(1)で表されるシリルエノールエーテルと一般式(2)で表されるカルボニル化合物を用い、またカチオン性ケイ素化合物触媒としてテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2−ペンタフルオロフェニル−3,5、5−トリメチル−5−シラオキサゾリニウムを用いて、無溶媒条件下に反応させて工業的に有用な前記一般式(4)で表されるアルドール化合物を高選択率及び高収率で得るものである。【0008】一般式(1)、(2)及び(4)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8(R1〜R8)がアルキル基である場合は、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2,6-ジメチル-5-ヘプテニル基等が挙げられる。また、R1〜R8がアリール基の場合は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。【0009】R1、R2、R3、R7及びR8がアルケニル基である場合は、炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、具体的には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニルエテニル基、2,6-ジメチル-1,5-ヘプタジエニル基等が挙げられる。また、R1、R2、R3、R7及びR8がヘテロアリール基である場合は、具体的には、チエニル基、ピロリル基、フリル基等が挙げられる。同じく、R1、R2、R3、R7及びR8がアルキニル基である場合は、具体的には、エチニル基、フェニルエチニル基、プロピニル基等が挙げられる。R1、R2及びR3がアルコキシ基である場合は、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基、t-ブトキシ基が挙げられる。また、上記したR1〜R8は、いずれも更に置換基を有していても良く、その場合の置換基としては、本発明の反応に悪影響を及ぼさないものであれば如何なる基であっても良いが、例えば、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子などが挙げられる。【0010】R1とR2が互いに結合して環を形成している場合、環の具体例としては、シクロへキセン環、シクロペンテン環、シクロヘプテン環、シクロブテン環等が挙げられる。また、R2及びR3が互いに結合して環を形成している場合、環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロペンタン環等が挙げられる。また、R4、R5及びR6のいずれか2つが環を形成している場合、環の具体例としては、シラシクロペンタン環、シラシクロヘキサン環等のシラシクロアルカン構造を挙げることができる。また、R7とR8が互いに結合して環を形成している場合、環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロペンタン環、シクロブタン環等が挙げられる。【0011】本発明において原料として用いられる前記一般式(1)で示されるシリルエノールエーテルとしては、具体的には、α-(トリメチルシリルオキシ)スチレン、α-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)スチレン、α-(トリフェニルシリルオキシ)スチレン、(E)−1-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(Z)-1-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、3-メチル-2-トリメチルシリルオキシ-2-ブテン、2-メチル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(E)-3-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(Z)-3-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(E)-1-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-ブテン、(Z)-1-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-ブテン、(E)-1-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-ペンテン、(Z)-1-フェニル-1-トリメチルシリルオキシ-1-ペンテン、(Z)-1-フェニル-2-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(E)-1-フェニル-2-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、3,3-ジメチル-2-トリメチルシリルオキシ-1-ブテン、2-トリメチルシリルオキシ-1-ヘキセン、2-メチル-3-トリメチルシリルオキシ-2-ペンテン、1-(トリメチルシリルオキシ)シクロヘキセン、2-メチル-1-(トリメチルシリルオキシ)シクロヘキセン、6-メチル-1-(トリメチルシリルオキシ)シクロヘキセン、1-(トリメチルシリルオキシ)シクロペンテン、2-トリメチルシリルオキシ-1,3-ブタジエン、1-トリメチルシリルオキシ-1,3-ブタジエン、4-フェニル-2-トリメチルシリルオキシ-1-ブテン-3-イン、1-(2-チエニル)-1-(トリメチルシリルオキシ)エテン、(トリメチルシリルオキシメチレン)シクロヘキサン、1-メチル-1-(1-フェニルエテニルオキシ)シラシクロヘキサン、1-メトキシ-2-メチル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(E)-1-エトキシ-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(Z)-1-エトキシ-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(E)-1-メトキシ-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、(Z)-1-メトキシ-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、1-イソプロピルオキシ-2-メチル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、2-メチル-1-フェニルオキシ-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン、1-エトキシ-1-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)エテン、1-(t-ブチルオキシ)-2-メチル-1-トリメチルシリルオキシ-1-プロペン等が挙げられる。【0012】前記一般式(1)で示されるシリルエノールエーテルは、α−ヒドロカルボニル化合物とハロシランとから、公知の方法によって容易に製造することができる[例えば、Synthesis,1979,p736;J.Org.Chem.,34,p2324(1969);J.Organomet.Chem.,46,p73(1972)を参照されたい]。【0013】また、他方の原料である前記一般式(2)で示されるカルボニル化合物は種々のものが工業的に入手容易であり、具体例を挙げると以下の通りである。シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アセトフェノン、4'-メチルアセトフェノン、3'-メチルアセトフェノン、2'-メチルアセトフェノン、4'-メトキシアセトフェノン、3'-メトキシアセトフェノン、2'-メトキシアセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、イソバレロフェノン、1'-アセトナフトン、2'-アセトナフトン、2-ブタノン、3-メチル-2-ブタノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ジフェニルアセトン、4-メチル-2-ペンタノン、ベンゾフェノン、2-メチルシクロブタノン、シクロヘプタノン、1-フェニル-1-ペンタノン、α-テトラロン、β-テトラロン、1-デカロン、2-デカロン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、2-アセチルチオフェン、3-アセチルチオフェン、N-メチル-2-アセチルピロール、N-メチル-3-アセチルピロール、2-アセチルチアゾール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、3-フェニルプロピオンアルデヒド、2-フェニルプロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、シクロヘキサンカルバアルデヒド、イソブチルアルデヒド、フェニルプロパギルアルデヒド、けい皮アルデヒド、o-トルアルデヒド、m-トルアルデヒド、p-トルアルデヒド、2-フルアルデヒド、2-チオフェンカルバアルデヒド、クロトンアルデヒド、シトラール、シトロネラール等。【0014】 本発明の反応にカチオン性ケイ素化合物触媒として用いられるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2−ペンタフルオロフェニル−3,5、5−トリメチル−5−シラオキサゾリニウムは、N−(シリルメチル)アミドとアルカリ金属塩を反応させる方法等により容易に製造される(例えば、特開2002−265477号公報を参照されたい)。【0019】本発明の反応におけるカチオン性ケイ素化合物の使用量は、いわゆる触媒量であり、原料シリルエノールエーテルに対して0.1〜200mol%、好ましくは0.5〜100mol%、より好ましくは0.5〜10mol%である。一方、カチオン性ケイ素化合物は、200mol%を超えて大量に使用しても差し支えないが、反応速度は実質的に改善されないため経済的な利点はない。【0020】反応温度は、通常−50〜200℃の範囲で行うことができるが、操作の簡便な0〜100℃が望ましい。反応時間は通常10分〜20時間である。反応後の生成物の分離は、蒸留等の通常の精製単離法によって容易に実施される。【0021】【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。実施例1【化9】【0022】シクロヘキサノン49mg(0.50mmol)にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2−ペンタフルオロフェニル−3,5,5−トリメチル−5−シラオキサゾリニウム4.8mg(0.005mmol)を加えて10分攪拌した後、α−(トリメチルシリルオキシ)スチレン106mg(0.55mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで、酢酸0.5mlを加えて50℃で5時間攪拌し、得られた粗生成物を減圧蒸留(60℃/0.03mmHg)により精製し、目的物として1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)シクロヘキサノール93mg(0.43mmol、収率85%)を得た。その目的物のNMR測定データは、1H NMR(300MHz,CDCl3):δ1.22−1.69(m,10H),3.06(s,2H),3.94(s,1H),7.39−7.53(m,3H),7.89−7.90(m,2H)であった。【0023】実施例2【化10】【0024】アセトフェノン60mg(0.50mmol)にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2−ペンタフルオロフェニル−3,5,5−トリメチル−5−シラオキサゾリニウム4.8mg(0.005mmol)を加えて10分攪拌した後、α−(トリメチルシリルオキシ)スチレン106mg(0.55mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで、酢酸0.5mlを加えて50℃で5時間攪拌し、得られた粗生成物を減圧蒸留(70℃/0.03mmHg)により精製し、目的物として3−ヒドロキシ−1,3−ジフェニルブタン−1−オン107mg(0.45mmol、収率89%)を得た。その目的物のNMR測定データは、1H NMR(300MHz,CDCl3):δ1.66(s,3H),3.33(d,J=17.3Hz,1H),3.78(d,J=17.3Hz,1H),4.89(s,1H),7.19−7.56(m,8H),7.88−7.90(m,2H)であった。【0025】実施例3【化11】【0026】3−フェニルプロピオンアルデヒド67mg(0.50mmol)にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2−ペンタフルオロフェニル−3,5,5−トリメチル−5−シラオキサゾリニウム4.8mg(0.005mmol)を加えて10分攪拌した後、α−(トリメチルシリルオキシ)スチレン106mg(0.55mmol)を加えを加え、室温で3時間攪拌した。次いで、酢酸0.5mlを加えて50℃で5時間攪拌し、得られた粗生成物を減圧蒸留(70℃/0.03mmHg)により精製し、目的物として3−ヒドロキシ−1,5−ジフェニルペンタン−1−オン117mg(0.46mmol、収率92%)を得た。その目的物のNMR測定データは、1H NMR(300MHz,CDCl3):δ1.81−1.88(m,1H),1.94−2.01(m,1H),2.75−2.81(m,1H),2.90−2.96(m,1H),3.09−3.13(m,2H),3.51(s,1H),4.26−4.31(m,1H),7.20−7.33(m,5H),7.34−7.59(m,3H),7.94−7.96(m,2H)であった。【0027】実施例4【化12】【0028】2-フェニルプロピオンアルデヒド67mg(0.50mmol)にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2-ペンタフルオロフェニル-3,5,5-トリメチル-5-シラオキサゾリニウム4.8mg(0.005mmol)を加えて10分攪拌した後、α-(トリメチルシリルオキシ)スチレン106mg(0.55mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで、酢酸0.5mlを加えて50℃で5時間攪拌し、得られた粗生成物を減圧蒸留(65℃/0.03mmHg)により精製し、目的物として3-ヒドロキシ-1,4-ジフェニルペンタン-1-オン114mg(0.45mmol、収率90%)を得た。その目的物のNMR測定データは、1H NMR(300MHz,CDCl3):δ1.40−1.46(m,3H),2.86−2.92(m,1H),2.96(m,2H),3.5(bs,1H),4.29−4.85(m,1H),7.20−7.59(m,8H),7.80−7.92(m,2H)であった。【0029】実施例5【化13】【0030】シクロヘキサノン49mg(0.50mmol)にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2-ペンタフルオロフェニル-3,5,5-トリメチル-5-シラオキサゾリニウム4.8mg(0.005mmol)を加えて10分攪拌した後、(E)−1−フェニル−1−トリメチルシリルオキシ-1-プロペン113mg(0.55mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで、酢酸0.5mlを加えて50℃で5時間攪拌し、得られた粗生成物を減圧蒸留(70℃/0.03mmHg)により精製し、目的物として1-(1−メチル-2-オキソ-2-フェニルエチル)シクロヘキサノール81mg(0.35mmol、収率70%)を得た。その目的物のNMR測定データは、1H NMR(300MHz,CDCl3):δ1.22−1.95(m,10H),1.26(d,J=7.5Hz,2.79H),1.29(d,J=6.5Hz,0.21H),3.55(q,J=7.5Hz,0.94H),3.90(bs,1H),3.99(q,J=6.5Hz,0.07H),7.41−7.62(m,3H),7.95−7.97(m,2H)であった。【0031】【発明の効果】本発明によれば、広範なカルボニル化合物に適用可能であり、かつ目的物の収率が高く、しかも無溶媒条件で行えるために環境負荷の少ない、工業的に有用なアルドール化合物の製造方法が提供される。 下記一般式(1)(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキニル基またはアルコキシ基を示し、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基またはアリール基を示す。R1とR2またはR2とR3は、互いに結合して環を形成していてもよい。また、R4、R5及びR6のいずれか2つが互いに結合して環を形成していてもよい。)で表されるシリルエノールエーテルと、下記一般式(2)(式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルキニル基を示す。また、R7とR8は互いに結合して環を形成していてもよい。)で表されるカルボニル化合物を、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸 2−ペンタフルオロフェニル−3,5,5−トリメチル−5−シラオキサゾリニウムの存在下、無溶媒で反応させることを特徴とする下記一般式(4)(式中、R1、R2、R3、R7及びR8は、いずれも前記したと同じである。)で表されるアルドール化合物の製造方法。