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タイトル:再公表特許(A1)_酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法、その測定方法、及びこれらを実施するための分析装置
出願番号:2003003007
年次:2005
IPC分類:7,G01N30/88,G01N30/02,G01N30/04,G01N30/46,G01N30/64,G01N30/74,G01N30/78,G01N30/80,G01N30/82,G01N30/84,G01N33/493,G01N33/50,G01N30/26,G01N30/48,G01N30/54


特許情報キャッシュ

葛西 宏 JP WO2003076925 20030918 JP2003003007 20030313 酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法、その測定方法、及びこれらを実施するための分析装置 葛西 宏 502093232 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 渡邊 隆 100089037 青山 正和 100101465 鈴木 三義 100094400 西 和哉 100107836 村山 靖彦 100108453 葛西 宏 JP 2002070836 20020314 7 G01N30/88 G01N30/02 G01N30/04 G01N30/46 G01N30/64 G01N30/74 G01N30/78 G01N30/80 G01N30/82 G01N30/84 G01N33/493 G01N33/50 G01N30/26 G01N30/48 G01N30/54 JP G01N30/88 E G01N30/02 B G01N30/04 P G01N30/46 A G01N30/64 C G01N30/74 E G01N30/78 G01N30/80 F G01N30/82 G01N30/84 Z G01N33/493 B G01N33/50 U G01N30/26 A G01N30/48 K G01N30/48 M G01N30/54 F AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NI,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20050707 2003575099 19 技術分野本発明は、酸化的損傷グアニンヌクレオシド、特に8−ヒドロキシデオキシグアノシン(以下、8−OH−dGと略す)の精製方法、その測定方法、及びこれらを実施するための分析装置に関する。背景技術近年、生体内での活性酸素の作用について多くの研究がなされている。通常、活性酸素は生体内に異物が侵入した際、防御システムとして働いている。しかしながら、食品添加物(発ガン性物質)、大気汚染、喫煙、ストレス等によって過剰に活性酸素が発生すると、それらはDNAの損傷を引き起こし、酸化的DNA損傷産物の一種である8−OH−dGを生成する。この8−OH−dGは突然変異を誘発し、発癌過程で重要な役割を演じていると考えられている。また、活性酸素は、発癌だけでなく様々な疾患や老化の原因として注目されている。そのため、生体内における活性酸素量を知ることにより、個人個人の発癌リスク評価や、活性酸素関連の様々な疾患の予測・診断、老化度、あるいは一般健康の評価を行うことができる。しかしながら、生体内における活性酸素は不安定であり、それらを直接検出するのは困難である。そのため、活性酸素の指標として活性酸素によって生成される8−OH−dGを測定することが提案されている。これまでに報告されている8−OH−dGの分析方法は6種類に大別できる。(1)8−OH−dGに対する抗体を結合させたアフィニティ−カラムで精製した分画をHPLC−ECDで分析する方法、(2)3本又は4本のカラムを接続してカラムスイッチング法により、最終的に8−OH−dGをHPLC−ECDにより検出する方法、(3)ELISA法により尿を直接分析する方法、(4)GC−MS(内部標準物質が必要)による方法、(5)LC−MS−MS(内部標準物質が必要)による方法、(6)サンプリングインジェクター(一定分画を分取し、攪拌後、一定量をカラムに注入する装置)を介してマルチファンクションカラム(逆相カラム、陽イオン交換カラムの機能を併せ持つゲル濾過カラム)と、逆相カラムを接続しECDにより検出する方法が挙げられる。しかしながら、(1)の方法は回収率が低いため、尿中濃度を計算するのに放射性の内部標準物質を用いる必要がある。また、(2)の方法は前処理が煩雑である。また、バルブ切り替えのタイミングの決定が困難であり、8−OH−dGのピーク付近に夾雑物が出る場合が多い。また、多量の溶離液、洗浄液が必要となるだけではなく、多量の有毒の廃液が生じるため環境面においても好ましくない。また、(3)の方法は、特異性に問題があり、再現性がよくない。また、(4)および(5)の方法は、測定機器が高価であり経済的に好ましくなく、さらに回収率が不安定なため内部標準物質を必要とするが、それらは入手困難なものである。また、(6)の方法は、一検体あたりの分析時間が165分と長く、連続運転による大量処理が困難である。さらに、クロマトグラフィーによる分析の際、8−OH−dGのピークに重なるような夾雑物が検出される確率が高い。そのため、いずれの方法においても測定の精度が不十分である。本発明は、高精度で、再現性があり、且つ経済性および環境面に配慮した酸化的損傷グアニンヌクレオシド、特に8−OH−dGの精製方法、その測定方法、及びこれらを実施するための分析装置を提供することを目的とする。発明の開示本発明者は、陰イオン交換カラムを用いることにより8−OH−dG、8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(以下、8−OH−rGuoと略す)等の酸化的損傷グアニンヌクレオシドを特異的に吸着・回収できることを見出した。更に、8−OH−dGにおいては、8−OH−rGuoを内部標準マーカーとして用いることにより8−OH−dGを正確に分取できること、その結果、8−OH−dGを高精度で、且つ再現性よく測定でき、さらに経済性および環境面にも優れていることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法は、DNA又はRNA中のグアニンが損傷を受けた結果生じる酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法であって、試料中に含まれる酸化的損傷グアニンヌクレオシドを陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する第1の精製工程を有することを特徴とする。また、上記酸化的損傷グアニンヌクレオシドが8−OH−dGであることが好ましい。本発明の8−OH−dGの精製方法は、試料中に含まれる8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の精製方法であって、予め、試料に8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(8−OH−rGuo)を8−OH−dGの内部標準マーカーとして加えて、精製を行うことを特徴とする。本発明の8−OH−dGの精製方法は、試料中に含まれる8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の精製方法であって、予め、試料に8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(8−OH−rGuo)を加えて、該試料を陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する第1の精製工程と、第1の精製工程で得られた8−OH−dGを含有する画分を逆相クロマトグラフィーによって更に精製する第2の精製工程とを有することを特徴とする。また、上記酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法において、試料が尿であることが好ましい。また、上記8−OH−dGの精製方法において、試料が尿であることが好ましい。本発明の酸化的損傷グアニンヌクレオシドの測定方法は、更に、上記精製方法によって得られた精製酸化的損傷グアニンヌクレオシドを測定する測定工程を有することを特徴とする。本発明の8−OH−dGの測定方法は、更に、上記精製方法によって得られた精製8−OH−dGを測定する測定工程を有することを特徴とする。また本発明の8−OH−dGの測定方法は、前記精製8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の測定が、陰イオン交換クロマトグラフィーにおいて(1)リボヌクレオシド8−OH−rGuoのピーク認識、(2)一定時間後の8−OH−dG分取開始、(3)一定時間後の8−OH−dG分取終了、(4)適宜、8−OH−dG分画のミキシング、の順序で行われ、ついで、逆相カラムへ注入して行われることを特徴とするものである。本発明の分析装置は、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の精製および測定を実施するための装置であって、試料中に含まれる8−OH−dGを特異的に吸着する陰イオン交換カラム(HPLC−1)と、8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(8−OH−rGuo)の溶出位置を感知するUV検出器と、陰イオン交換カラム(HPLC−1)から得られた8−OH−dGを含有する画分を更に精製する逆相カラム(HPLC−2)と、逆相カラム(HPLC−2)から得られた精製8−OH−dGを測定する検出器とを具備することを特徴とする。本発明の制御プログラムは、試料中に含まれる8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)をカラムクロマトグラフィーにより回収する処理を制御するためのプログラムであって、予め試料中に加えておいたマーカー(8−OH−rGuo)のピークシグナルをUV検出器より受け、一定時間後の8−OH−dG溶出時にサンプラーに接続されたバルブを開くシグナルを出力し、分取を開始し、更に一定時間後に分取終了シグナルを出力し、次いで、得られた8−OH−dG分画を第二の精製カラムへ注入するためのシグナルを出力し、カラムから溶出する被検出物質(8−OH−dG)を精製・回収する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする。発明を実施するための最良の形態本発明は、生体内における活性酸素量を評価するために、その指標となる酸化的損傷グアニンヌクレオシド、特に8−OH−dGを精度よく測定するための精製方法、その測定方法およびこれらを実施するための分析装置である。8−OH−dGをはじめ酸化的損傷ヌクレオシドとは、生体内の活性酸素(酸素ラジカル)等によってDNAやRNAが損傷を受けた結果生じるものであり、活性酸素の指標として用いられる。8−OH−dG以外の酸化的損傷ヌクレオシドとしては、2−ヒドロキシデオキシアデノシン(2−OH−dA)、5−ヒドロキシデオキシシチジン(5−OH−dC)、5−ホルミルデオキシウリジン(5−CHO−dU)、8−OH−rGuo等が挙げられる。これら酸化的損傷ヌクレオシドは、不要物として尿により生体外へ排出される。また、これらのうち8−OH−dG、8−OH−rGuo等の酸化的損傷グアニンヌクレオシドは負の電荷を帯びているため、後段で説明する陰イオン交換カラムにより容易に精製、回収することができる。これらの中でも活性酸素の指標として、特に8−OH−dGを用いることが好ましい。なお、本明細書における酸化的損傷グアニンヌクレオシドとは、DNA又はRNA中のグアニンが活性酸素によって損傷を受けた結果生じるものであり、酸化的損傷とはヒドロキシル化されることを示す。本発明の酸化的損傷グアニンヌクレオシド(8−OH−dGを含む)の精製方法、及び測定方法に使用される試料としては、尿、血清、髄液、唾液、細胞培養後の培地等、全ての生体試料を挙げることができる。これらの中でも、尿は採取し易く、また尿中で酸化的損傷グアニンヌクレオシドは安定であるため、特に尿が好ましい。以下、本発明の精製方法、測定方法、及びこれらを実施するための分析装置について、8−OH−dGに則して説明する。本発明の実施形態に係る8−OH−dGの精製及び測定を実施するための装置は、8−OH−dGを特異的に吸着する陰イオン交換カラム(HPLC−1)と、8−OH−dGの溶出位置の指標となる8−OH−rGuoを感知するUV検出器と、陰イオン交換カラム(HPLC−1)から得られた8−OH−dGを含有する画分を更に精製する逆相カラム(HPLC−2)と、逆相カラム(HPLC−2)から得られた精製8−OH−dGを測定する検出器を具備する。図1は、分析装置の一例を示す模式図である。図中符号11は陰イオン交換カラム(HPLC−1)であり、UV検出器14、カラムスイッチングバルブ16を介して、逆相カラム(HPLC−2)12と接続している。また、陰イオン交換カラム(HPLC−1)11の上流には、試料を注入するオートサンプラー17が接続されたカラムスイッチングバルブ15が接続している。また、カラムに吸着した分子を溶出するための溶離液(陰イオン交換カラム(HPLC−1)11に用いられる溶離液をA液、逆相カラム(HPLC−2)12に用いられる溶離液をB液とする)、上記カラムスイッチングバルブ15に接続されたガードカラム(陰イオン交換カラム(HPLC−1)11と同一の陰イオン交換樹脂を充填)を洗浄するための洗浄液(C液)を各カラムに送り込むためのポンプ21、22、23が設けられ、ポンプ21はオートサンプラー17、ポンプ22はカラムスイッチングバルブ16、ポンプ23はカラムスイッチングバルブ15に各々接続されている。なお、図1において、オートサンプラー17の代わりに、8−OH−rGuoのピーク感知により、カラムスイッチングバルブ16を自動的に作動させる機能を持つサンプリングインジェクター(「231XL」、ギルソン製)等を用いることができる。なお、この方法を実施するために、231XLに新たなプログラムを搭載して測定を行った。このプログラムは、(1)リボヌクレオシド8−OH−rGuoのピーク認識、(2)一定時間後の8−OH−dG分取開始、(3)一定時間後の8−OH−dG分取終了、(4)HPLC−2への注入を行うものである(図6を参照)。より詳しくは、以下のフローにより機能を実現している。(1)231XLにより試料をHPLC−1に注入する。(2)設定時間(T1)だけシステムを待機させる。(3)231XLがUV検出器シグナルのモニターを開始する。(4)設定UVレベルを超える(ピーク感知)まで、システムを待機させる。(5)ピーク感知後、設定時間(T2)だけシステムを待機させた後、バルブへ接点信号を出力し、ループ内に分取を開始する。(6)設定時間(T3)後、バルブへ接点信号を出力し、分取を終了させると同時にループ内の分画をHPLC−2に注入する。後段でも説明するが、サンプリングインジェクター(「231XL」、ギルソン製)によれば、8−OH−rGuoとの相対的位置により自動的に8−OH−dGの分取範囲(時間)が決定されるため、予め、8−OH−dGの分取範囲(時間)を設定しておく必要がない。上記陰イオン交換カラム(HPLC−1)11は、試料中に含まれる8−OH−dGを特異的に吸着するので回収率が非常に高く、且つほとんどの夾雑物を取り除くことができるため、不純物の少ない画分を得ることができる。また、上述したように、陰イオン交換カラム(HPLC−1)11によれば、負の電荷を帯びている8−OH−rGuo等の酸化的損傷グアニンヌクレオシドにおいても、容易に精製、回収することができる。陰イオン交換カラム(HPLC−1)11としては、陰イオン交換樹脂を充填剤としたものであれば、特に制限はない。具体的な充填剤としては、スチレンジビニルベンゼン系ポリマーに4級アンモニウム基が結合したもの、ポリヒドロキシメタクリレート系ポリマーに4級アンモニウム基が結合したもの等が挙げられる。また、市販品の充填剤としては、アミネックスHPX−72S(BioRad製)、Shodexカラム充填剤(昭和電工(株)製)、MCI GEL CA08F(三菱化成(株)製、ハミルトンRCX−10)等を挙げることができる。また、陰イオン交換樹脂の粒子径としては、7〜12μm程度であることが好ましい。上記陰イオン交換樹脂を充填するカラムの内径は、特に制限はないが、約1mm〜1.5mm程度であることが好ましい。また、カラムの内径が2.0〜4.6mmの場合は、図2に示すように、カラムスイッチングバルブ16に接続したサンプリングインジェクター27(「233XL」、ギルソン製等)を用いて8−OH−dGを含有する画分を自動的に逆相カラム(HPLC−2)12に注入することが好ましい。なお、この方法を実施するために、233XLに新たなプログラムを搭載して測定を行った。このプログラムは、(1)リボヌクレオシド8−OH−rGuoのピーク認識、(2)一定時間後の8−OH−dG分取開始、(3)一定時間後の8−OH−dG分取終了、(4)8−OH−dG分画のミキシング、(5)HPLC−2への注入を行うものであるが、より詳しくは以下のフローにより機能を実現している。(1)233XLにより試料をHPLC−1に注入する。(2)設定時間(T1)だけシステムを待機させる。(3)233XLがUV検出器シグナルのモニターを開始する。(4)設定UVレベルを超える(ピーク感知)まで、システムを待機させる。(5)ピーク感知後、設定時間(T2)だけシステムを待機させた後、233XLバイアルチューブ内に分取を開始する。(6)設定時間(T3)後、分取を終了させる。(7)得られた分画を吸引、吐出により撹拌する。(8)分画の一部をHPLC−2に注入する。上記陰イオン交換樹脂を充填するカラムの長さは、特に制限はないが、陰イオン交換樹脂の粒子径、交換容量等によって、カラムを短くすることが可能であり、分析時間を短縮することができる。上記UV検出器14は、陰イオン交換カラム(HPLC−1)11から溶出される画分をモニターし、試料中に含まれる8−OH−rGuoの溶出位置を感知する。このように、8−OH−rGuoの溶出位置をUV検出器14でモニターすることによって、正確な8−OH−dGの溶出時間が把握でき、それに合わせてカラムスイッチングバルブ16を作動させることにより、確実に8−OH−dGを含有する画分を分取することができる。上記逆相カラム(HPLC−2)12は、陰イオン交換カラム(HPLC−1)11から得られた8−OH−dGを含有する画分を更に精製するものであり、逆相カラムの性質を有するものであれば、特に制限はない。市販品としては、YMC−Pack ODS−AM(S−5μm)(YMC社)、Shiseido Capcell Pac C18 MG(S−5μm)((株)資生堂製)等が挙げられる。上記検出器13は、逆相カラム(HPLC−2)から得られた精製8−OH−dGを測定するものであり、逆相カラム(HPLC−2)12の下流に設けられている。上記検出器13としては、電気化学検出器(ECD)、液体クロマトグラフィー質量分析装置(LCMS)等を用いることができる。また、上記電気化学検出器(ECD)に関しては、2種類の設定電圧を選ぶことにより、8−OH−dGのピークは固有の比率で表れるため、そのピークが8−OH−dGであることを確認できる。また、本発明の実施形態に係る8−OH−dGの精製及び測定を実施するための分析装置は、連続運転を行うことにより大量の試料を処理することが可能である。その場合、ガードカラム35の洗い洗浄液(C液)は、0.5M硫酸アンモニウム:アセトニトリル=7:3程度の組成であることが好ましい。以上説明したように、本発明の実施形態に係る8−OH−dGの分析装置によれば、陰イオン交換カラム(HPLC−1)11が試料中に含まれる8−OH−dGを特異的に吸着し、試料中に含まれる夾雑物の大半を一度に取り除くことができる。また、UV検出器14によって、8−OH−rGuoの溶出位置に基づき、確実に精製8−OH−dGを分取でき、回収率、再現性に優れているといえる。また、連続運転を行うことにより大量の試料を処理することができる。また、上述した分析装置は比較的安価なため経済性にも優れている。以下、図1に示す分析装置を用いて8−OH−dGの精製方法及び測定方法の説明をする。(分取範囲(時間)の決定)8−OH−dGと8−OH−rGuoと尿との混合物を図1示す分析装置に注入し、予め、8−OH−dGの分取範囲を決定しておく。図3は、8−OH−dGと8−OH−rGuoと尿との混合物の分離パターンの一例であり、8−OH−dGの内部標準マーカーとなる8−OH−rGuoの位置確認を示す。このように、分取範囲を予め決定しておくことにより、8−OH−dGの正確な溶出時間が把握でき、それに合わせてカラムスイッチングバルブ16を作動させるように設定することで、確実に8−OH−dGを含有する画分を分取することができる。なお、上述したように、図1において、オートサンプラー17の代わりに、サンプリングインジェクター(231XL)を用いた場合は、ピーク感知により8−OH−rGuoとの相対的位置により自動的に8−OH−dGの分取範囲(時間)が決定されるため、分取範囲(時間)の設定をしておく必要がない。(精製方法)本発明の8−OH−dGの精製方法は、試料を陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する第1の精製工程を有することを特徴とする。また、上述したように、8−OH−dGのみならず、8−OH−rGuo等の負の電荷を有する酸化的損傷グアニンヌクレオシドにおいても、陰イオン交換クロマトグラフィーによって容易に精製、回収することができる。第1の精製工程における溶出条件としては、カラム温度は60〜65℃、内径1mmのカラムの場合、流速が17〜20μl/minとすることが好ましい。また、本発明の8−OH−dGの精製方法は、予め、試料に8−OH−rGuoを8−OH−dGの内部標準マーカーとして加えて、精製を行うことが好ましい。8−OH−rGuoを試料中に予め添加しておくと、8−OH−rGuoが溶出された後、一定時間後に8−OH−dGが溶出されるため、8−OH−rGuoの溶出位置をUV検出器14でモニターすることによって、正確な8−OH−dGの溶出位置(時間)が把握でき、確実に8−OH−dGを含有する画分を分取することができる。また、本発明の8−OH−dGの精製方法は、予め、試料に8−OH−rGuoを8−OH−dGの内部標準マーカーとして加えて、陰イオン交換クロマトグラフィーによる第1の精製工程を行い、第1の精製工程で得られた8−OH−dGを含有する画分を更に精製すること(第2の精製工程)が好ましい。上記第2の精製工程としては、逆相クロマトグラフィーにより精製することが好ましい。逆相クロマトグラフィーに用いられる溶出液(B液)、温度条件等は、使用する逆相カラム(HPLC−2)12によって異なるため、それらは適宜決定される。例えば、逆相カラムとして、YMC−Pack ODS−AM(S−5μm)(YMC社)を用いてヒト尿を分析する場合は、カラム温度が約40℃、流速が0.9ml/min程度とすることが好ましい。(測定方法)本発明の測定方法は、上述した精製方法によって得られた精製8−OH−dGの量を測定する測定工程を有し、上述した電気化学検出器(ECD)、液体クロマトグラフィー質量分析装置(LCMS)等を用いて精製8−OH−dG量を測定できる。なお、上記測定方法は、8−OH−dGのみならず、8−OH−rGuo等の精製酸化的損傷グアニンヌクレオシドの測定にも適用できる。また、連続運転を行う場合、図1に示すようなオートサンプラー17を具備した装置においても、図2に示すようなサンプリングインジェクター27を具備した装置においても、定期的に8−OH−dGの溶出位置をチェックすることが好ましい。以上説明したように、本発明の酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法によれば、精製酸化的損傷グアニンヌクレオシドを回収率良く得られる。更に、第1の精製工程における陰イオン交換カラム(HPLC−1)の流速が微量であるため、溶離液(A液、B液)、洗浄液(C液)の消費が極めて少なく、精製後の廃液量も少量で済むため、環境保全の面からも好ましい。本発明の8−OH−dGの精製方法によれば、確実に精製8−OH−dGを分取でき、8−OH−dGのピーク付近において夾雑物がほとんどない画分を得ることができる。また、連続運転を行っても、8−OH−rGuoピーク感知により、サンプル毎の分取範囲のズレに対応して、確実に8−OH−dGを含有する画分を分取することができる。また、本発明の測定方法は、上記精製方法によって得られた精製8−OH−dG又は8−OH−rGuo等の精製酸化的損傷グアニンヌクレオシドを測定するので、非常に精度が高く、再現性を有する。なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、溶離液(A液、B液)、洗浄液(C液)の組成等は、使用するカラム(充填剤)により適宜変更可能である。本発明の酸化的損傷グアニンヌクレオシドの測定方法は、例えば、個人個人の発癌リスクの評価、活性酸素関連の様々な疾患(糖尿病等)の予測・診断、老化度、あるいは一般的健康の評価に用いることができる。上記測定方法により得られた結果の評価方法として、例えば8−OH−dGの場合、8−OH−dG標準溶液を随時、尿試料の他に分析装置に注入し、そのピーク面積との比較により算出された試料中の8−OH−dG濃度をクレアチニンなどの標準物質の濃度で割った値、あるいは24時間分の尿中の8−OH−dG量として算出する。実施例以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。(実施例1)〈尿試料1の調製〉ヒトの尿を1mlずつ2本のエッペンドルフチューブに取り、−20℃で凍結した。凍結した尿を解凍して均一な液とした後、その100μlを取り、微酸性溶液(組成;0.6mM硫酸を96ml、アセトニトリル4ml)で2倍に希釈し、8−OH−dG及び8−OH−rGuoを各12μg加えた。更に2M酢酸ナトリウム(pH4.5)を6.7μl加え、pHを7以下にした。これをよく攪拌した後、15000回転、5分間遠心分離を行い、その上清を尿試料1とした。上記のように調製した尿試料1を10μl陰イオン交換カラム(充填剤(Bio Rad製)の粒径12μm、内径1mm、ガードカラムの長さ4cm、本カラムの長さ12cm)によって精製した。この分離パターンを図3に示す。なお、この分離パターンは、UV検出器(「UV−8020」、東ソー製)(吸光波長254nm)を用いて検出した。図3に示すように、8−OH−dGは、8−OH−rGuoの溶出から一定の時間差を置いて溶出された。そのため、8−OH−rGuoの溶出をモニターすることにより、正確な8−OH−dGの溶出位置を把握でき、確実に8−OH−dGを有する画分を得ることが可能である。(実施例2)〈尿試料2の調製〉ヒトの尿を1mlずつ2本のエッペンドルフチューブに取り、−20℃で凍結した。凍結した尿を解凍して均一な液とした後、その100μlを取り、微酸性溶液(組成;0.6mM硫酸を96ml、アセトニトリル4ml)で2倍に希釈し、8−OH−rGuo12μg加えた。更に2M酢酸ナトリウム(pH4.5)を6.7μl加え、pHを7以下にした。これをよく攪拌した後、15000回転、5分間遠心分離を行い、その上清を尿試料2とした。〈陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製〉陰イオン交換カラムを用いて、ヒトの尿試料2の精製を行い、8−OH−dGを含有する画分(34〜41分)を得た。なお、0.3mM硫酸、2%アセトニトリル溶離液(A液)を用い、カラム温度は65℃、流速は17μl/minとした。このときの分離パターンを図4に示す。なお、上記陰イオン交換カラムは、アミネックスHPX−72Sカラム(Bio Rad製)(300×7.8mm、粒径12μm、架橋度8%、sulfate型)の充填剤を内径1mmのカラム(ガードカラムの長さ4cm、本カラムの長さ12cm)に詰めかえて作製したものである。また、この分離パターンは、UV検出器(「UV−8020」、東ソー製)(吸光波長254nm)を用いて検出した。〈逆相クロマトグラフィーによる精製〉陰イオン交換クロマトグラフィーにより得た8−OH−dGを含有する画分(34〜41分)119μlを自動的に逆相クロマトグラフィーに注入した。なお、逆相カラムとして、Shiseido Capcell Pak C18 MG(S−5μm)(250×4.6mm)を用い、10mMリン酸緩衝液(pH6.7;これは0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)を希釈して調製したものであり、pHは多少異なる)、5%MeOH溶離液(B液)を用い、カラム温度は40℃、流速0.8ml/minとした。その分離パターンを図5に示す。なお、この分離パターンは、電気化学検出器(「ESA Coulochem II」、esa社)(電圧:ガードセル350mV;チャンネル1、150mV;チャンネル2、300mV)を用いて検出した。(実施例3)<陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製>ヒト尿試料2のほかの分離例を図6に示す。ヒト尿試料2を20μl注入した。分離条件は、カラムMCI GEL CA08F(7μm);内径1.5mm、長さ(ガードカラム)5cm、(本カラム)15cm;温度、65℃;流速、36μl/分;溶離液、0.3mM硫酸、2%アセトニトリル(A液)であり、UV検出器(「UV−8020」、東ソー製)(吸光波長254nm)を用いて検出した。(実施例4)<逆相クロマトグラフィーによる精製>陰イオン交換クロマトグラフィーにより得た8−OH−dGを含有する画分を逆相クロマトグラフィーにより分析した他の例を図7に示す。なお、逆相カラムとして、YMC−Pack ODS−AM(S−5μm)(250×4.6mm)を用い、10mMリン酸緩衝液(pH7.2;これは0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)を希釈して調製したものであり、pHは多少異なる)、5%MeOH溶離液(B液)を用い、カラム温度は40℃、流速0.9ml/minとした。なお、この分離パターンは、電気化学検出器(「ESA Coulochem II」、esa社)(電圧:ガードセル350mV;チャンネル1、150mV;チャンネル2、300mV)を用いて検出した。図5及び図7から明らかなように、上述した方法によれば、精製8−OH−dGのピーク付近には夾雑物がなく、8−OH−dGの測定の精度に優れていた。(実施例5)〈尿試料3の調製〉ラットの尿を1mlずつ2本のエッペンドルフチューブに取り、−20℃で凍結した。凍結した尿を解凍して均一な液とした後、その100μlを取り、微酸性溶液(組成;0.6mM硫酸を96ml、アセトニトリル4ml)で2倍に希釈し、8−OH−rGuo12μg加えた。更に2M酢酸ナトリウム(pH4.5)を6.7μl加え、pHを7以下にした。これをよく攪拌した後、15000回転、5分間遠心分離を行い、その上清を尿試料3とした。〈陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製〉陰イオン交換カラムを用いて、ラットの尿試料3の精製を行い、8−OH−dGを含有する画分を得た。なお、0.3mM硫酸、2%アセトニトリル溶離液(A液)を用い、カラム温度は65℃、流速は17μl/minとした。また、上記陰イオン交換カラムは、アミネックスHPX−72Sカラム(Bio Rad製)(300×7.8mm、粒径12μm、架橋度8%、sulfate型)の充填剤を内径1mmのカラム(ガードカラムの長さ5cm、本カラムの長さ15cm)に詰めかえて作製したものである。〈逆相クロマトグラフィーによる精製〉上記陰イオン交換クロマトグラフィーにより得た8−OH−dGを含有する画分を自動的に逆相カラムに注入し分析した。その分離パターンを図8に示す。なお、逆相カラムとして、YMC−Pack ODS−AM(S−5μm)(300×4.6mm)を用い、10mMリン酸緩衝液(pH7.2;これは0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)を希釈して調製したものであり、pHは多少異なる)、5%MeOH溶離液(B液)を用い、カラム温度は40℃、流速0.9ml/minとした。なお、この分離パターンは、電気化学検出器(「ESA Coulochem II」、esa社)(電圧:ガードセル350mV;チャンネル1、150mV;チャンネル2、300mV)を用いて検出した。(実施例6)ラット尿の陰イオン交換クロマトグラフィー(MCI、7μm粒子)により得た8−OH−dGを含有する画分を逆相クロマトグラフィーにより分析したほかの例を図9に示す。尚、逆相カラムとして、Shiseido Capcell Pak C18 MG(S−5 m)(250×4.6mm)を用い、10mMリン酸緩衝液(pH6.0;これは0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)を希釈して調製したものであり、pHは多少異なる)、2%MeOH溶液を用い、カラム温度は、46℃、流速0.75ml/分とした。なお、この分離パターンは、電気化学検出器(ESA Coulochem II,ESA社)(電圧:ガードセル400mV;チャンネル1、280mV;チャンネル2、350mV)を用いて検出した。図8及び図9から明らかなように、ラットの尿試料3においても、8−OH−dGの測定が可能であった。産業上の利用性本発明の陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製方法は、8−OH−dG、8−OH−rGuo等の酸化的損傷グアニンヌクレオシドを回収率良く、精製・回収できる。また、特に8−OH−dGの精製においては、予め、試料に8−OH−rGuoを8−OH−dGの内部標準マーカーとして加えることにより、正確な8−OH−dGの溶出時間が把握でき、確実に8−OH−dGを含有する画分を分取することができる。更に、第1の精製工程における陰イオン交換カラム(HPLC−1)の流速が微量であるため、溶離液(A液)、洗浄液(C液)の消費が極めて少なく、精製後の廃液量も少量で済むため、環境保全の面からも好ましい。また、本発明の測定方法は、上記精製方法によって得られた精製8−OH−dG、又は8−OH−rGuo等の精製酸化的損傷グアニンヌクレオシドを測定するので、非常に精度が高く、再現性を有する。本発明の8−OH−dGの分析装置によれば、陰イオン交換カラム(HPLC−1)が、試料中に含まれる8−OH−dGを特異的に吸着するため回収率が非常に高く、試料中にふくまれる夾雑物を一度に取り除くことができる。また、連続運転を行うことによって大量処理が可能である。また、この分析装置は比較的安価なため、経済性にも優れている。【図面の簡単な説明】図1は、8−OH−dGの精製、測定を実施するための装置の一実施形態を示す模式図である。図2は、8−OH−dGの精製、測定を実施するための装置の一実施形態を示す模式図である。図3は、陰イオン交換カラム(HPLC−1)による尿と8−OH−dGと8−OH−rGuoとの混合物の分離パターンの一例であり、マーカーの位置確認を示す。図4は、陰イオン交換カラム(HPLC−1)によるヒト尿の分離パターンの一例を示す。図5は、逆相カラム(HPLC−2)によるヒト尿の分離パターンの一例を示す。図6は、陰イオン交換カラム(HPLC−1)によるヒト尿の分離パターンの一例を示す。図7は、逆相カラム(HPLC−2)によるヒト尿の分離パターンの一例を示す。図8は、逆相カラム(HPLC−2)によるラット尿の分離パターンの一例を示す。図9は、逆相カラム(HPLC−2)によるラット尿の分離パターンの一例を示す。符号の説明11 陰イオン交換カラム(HPLC−1)12 逆相カラム(HPLC−2)13 検出器14 UV検出器15 スイッチングバルブ16 スイッチングバルブ17 オートサンプラー27 サンプリングインジェクター DNA又はRNA中のグアニンが損傷を受けた結果生じる酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法であって、試料中に含まれる酸化的損傷グアニンヌクレオシドを陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する第1の精製工程を有することを特徴とする酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法。 前記酸化的損傷グアニンヌクレオシドが、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)であることを特徴とする請求項1記載の酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法。 試料中に含まれる8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の精製方法であって、予め、試料に8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(8−OH−rGuo)を8−OH−dGの内部標準マーカーとして加えて、精製を行うことを特徴とする8−OH−dGの精製方法。 試料中に含まれる8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の精製方法であって、予め、試料に8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(8−OH−rGuo)を加えて、該試料を陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する第1の精製工程と、第1の精製工程で得られた8−OH−dGを含有する画分を逆相クロマトグラフィーによって更に精製する第2の精製工程とを有することを特徴とする8−OH−dGの精製方法。 前記試料が尿であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法。 前記試料が尿であることを特徴とする請求項3又は4に記載の8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の精製方法。 更に、請求項1、2又は5記載の精製方法によって得られた精製酸化的損傷グアニンヌクレオシドを測定する測定工程を有することを特徴とする酸化的損傷グアニンヌクレオシドの測定方法。 請求項3、4又は6記載の精製方法によって得られた精製8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)を測定する測定工程を有することを特徴とする8−OH−dGの測定方法。 前記精製8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の測定が、陰イオン交換クロマトグラフィーにおいて(1)リボヌクレオシド8−OH−rGuoのピーク認識、(2)一定時間後の8−OH−dG分取開始、(3)一定時間後の8−OH−dG分取終了、(4)適宜、8−OH−dG分画のミキシング、の順序で行われ、ついで、逆相カラムへ注入して行われることを特徴とする請求項8に記載の8−OH−dGの測定方法。 8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)の精製および測定を実施するための装置であって、試料中に含まれる8−OH−dGを特異的に吸着する陰イオン交換カラム(HPLC−1)と、8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(8−OH−rGuo)の溶出位置を感知するUV検出器と、陰イオン交換カラム(HPLC−1)から得られた8−OH−dGを含有する画分を更に精製する逆相カラム(HPLC−2)と、逆相カラム(HPLC−2)から得られた精製8−OH−dGを測定する検出器とを具備することを特徴とする分析装置。 試料中に含まれる8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)をカラムクロマトグラフィーにより回収する処理を制御するためのプログラムであって、予め試料中に加えておいたマーカー(8−OH−rGuo)のピークシグナルをUV検出器より受け、一定時間後の8−OH−dG溶出時にサンプラーに接続されたバルブを開くシグナルを出力し、分取を開始し、更に一定時間後に分取終了シグナルを出力し、次いで、得られた8−OH−dG分画を第二の精製カラムへ注入するためのシグナルを出力し、カラムから溶出する被検出物質(8−OH−dG)を精製・回収する処理をコンピュータに行われるための制御プログラム。 本発明は、高精度で、再現性があり、且つ経済性および環境面に配慮した酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法、その測定方法、及びこれらを実施するための分析装置を提供することを目的とする。DNA又はRNA中のグアニンが損傷を受けた結果生じる酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法であって、試料中に含まれる酸化的損傷グアニンヌクレオシドを陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する第1の精製工程を有することを特徴とする酸化的損傷グアニンヌクレオシドの精製方法。試料中に含まれる8−OH−dGの精製方法であって、予め、試料に8−OH−rGuoを加えて、精製することを特徴とする8−OH−dGの精製方法。上記精製方法によって得られた精製酸化的損傷グアニンクレオシドを測定する測定工程を有することを特徴とする酸化的損傷グアニンヌクレオシドの測定方法。


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