生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_水溶性でカチオン性のポリチオフェン誘導体を使用する、負に荷電したポリマーの検出
出願番号:2002579498
年次:2010
IPC分類:C07D 333/32,C07D 409/06,C07D 409/12,C08G 61/12,C12Q 1/68,G01N 21/78,G01N 27/48,G01N 33/53,G01N 33/566


特許情報キャッシュ

マリオ・レクレルク ホアン・アン・ホ モーリス・ボワシノ JP 4510381 特許公報(B2) 20100514 2002579498 20020405 水溶性でカチオン性のポリチオフェン誘導体を使用する、負に荷電したポリマーの検出 ジェネオーム・サイエンシズ・カナダ・インコーポレーテッド 503364940 ユニヴェルシテ ラヴァル 503312206 村山 靖彦 100108453 志賀 正武 100064908 渡邊 隆 100089037 実広 信哉 100110364 マリオ・レクレルク ホアン・アン・ホ モーリス・ボワシノ US 60/281,371 20010405 US 60/284,184 20010418 US 60/288,442 20010504 20100721 C07D 333/32 20060101AFI20100701BHJP C07D 409/06 20060101ALI20100701BHJP C07D 409/12 20060101ALI20100701BHJP C08G 61/12 20060101ALI20100701BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20100701BHJP G01N 21/78 20060101ALI20100701BHJP G01N 27/48 20060101ALI20100701BHJP G01N 33/53 20060101ALI20100701BHJP G01N 33/566 20060101ALI20100701BHJP JPC07D333/32C07D409/06C07D409/12C08G61/12C12Q1/68 AG01N21/78 CG01N27/48 AG01N27/48 311G01N33/53 MG01N33/566 C07D 327/00-347/00 C07D 401/00-421/14 C08G 2/00- 2/38 C08G 61/00- 61/12 G01N 21/75- 21/83 G01N 33/48- 33/98 CA/REGISTRY(STN) Ching-Fong Shu and Mark S. Wrighton,Synthesis and Electrochemical Properties of a Polythiophene-Viologen Polymer,ACS Symposium Series,1988年,378(Electrochem. Surf. Sci.),408-430頁 Peter Baeuerle and Kai-Uwe Gaudl,Synthesis and Properties of Viologen Functionalized Poly(3-alkylthienylenes),Advanced Materials,1990年,2(4),185-188頁 Christopher T. Hable, et al.,Charge Trapping by Anionic Quinones Electrostatically Bound to a Highly Charged Cationic Quinone-Viologen Polymer or a Cationic Poly(3-viologenthiophene),Journal of Physical Chemistry,1993年,97(22),6060-6065頁 Richard M. Kellogg and J. Buter,Cyclopropylthiophenes. Syntheses, Reactions, and Ultraviolet Spectra,Journal of Organic Chemistry,1971年,36(16),2236-2244頁 Corinne Moustrou, et al. ,Synthesis of Thiophene-Substituted Spiropyrans and Spirooxazines, Precursors of Photochromic Polymers,Helvetica Chimica Acta,1995年,78(7),1887-1893頁 27 CA2002000485 20020405 WO2002081735 20021017 2004534013 20041111 30 20050316 鈴木 智雄 本発明は、負に荷電したポリマーの検出、特に配列選択的核酸検出のための単純で信頼できる方法に関する。とりわけ本発明は、感染及び各種の疾患の迅速な診断に必須である、配列選択的核酸検出法に関する。 スルホン酸部分を有するポリチオフェン誘導体と、一つ以上の十分にデザインされたアミン含有分子(静電的相互作用)との複合体は、外的な刺激に対して応答性であることが示されている(PCT/CA98/01082)。とりわけそれらは、サーモクロミズム、フォトクロミズム、イオノクロミズム、またはバイオクロミズムを生じる、熱、光、または各種の化学的及び生化学的分子に曝された場合、顕著な構造変化を受けることが示されている。これらのスルホン酸含有ポリチオフェン誘導体は正に荷電しておらず、かくして負に荷電したポリマーに対して特定のアフィニティーを有さない。 配列選択的核酸検出のための方法のサーチは、重要な研究分野に進歩しており、化学、物理学、生化学等のような各種の学問分野出身の研究者の注意を実質的に集めている。その結果、ある興味深いDNAハイブリダイゼーションセンサーが、最近提案されている1−5。 しかしながら、これらの新たに開発されたアプローチのほとんどは、分析物に蛍光タグまたは電気活性タグを結合することによって検出を実施する。 検出の前に、核酸の官能化を必要としないアッセイは、電気化学的または光学的トランスデューサーとして、接合した場応答性ポリマー(ポリピロール、ポリチオフェン等)の使用を報告している6,7,23,24。実際、分析物のラベリングを使用することなく、ハイブリダイゼーション現象を電気的または光学的シグナルに変換する、いくつかのオリゴヌクレオチド官能化接合的ポリマーの能力が示されている8−10。この検出メカニズムは、相補的オリゴヌクレオチドの捕獲を通じた電気的及び/または光学的特性の変更に基づいている。 かくして、核酸の迅速で特異的な同定のための、より単純で、より高感度で、より信頼できる方法に対する必要性が存在する。これらの核酸は、感染及び疾患の診断のために使用できるであろう。実際、検出の前に核酸の官能化(核酸の化学的操作)、または複雑な反応混合物を必要としないアッセイは、以下の特徴を有するであろう:それは、現在利用可能なアッセイより使用が単純であり、高い度合いの実効性を有するであろう。そのようなアッセイは非常に有益であり、それ故所望されるであろう。 本発明は、これら及び他の必要性に適合することを探求している。 一般的な意味で、本発明は、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを、明らかに判断可能な光学的(発色的、蛍光的、または発光的)または電気的シグナルに容易に変換できる、新規なカチオン性で水溶性のポリチオフェン誘導体に関する。これらのポリマーは、単一のヌクレオチドのみによって異なる核酸の、特異的ハイブリダイゼーションと非特異的ハイブリダイゼーションの間を識別できる。 特に本発明は、以下の一般式[式中、「m」は2から3の範囲の整数であり;R*は第四級アンモニウムであり;Yは酸素原子またはメチレンであり;及びR1はメチル基または水素原子である]を有するチオフェンモノマーからなるカチオン性で水溶性のポリマーの合成及び使用に関する。 本発明はさらに、以下の工程:a)負に荷電したポリマーに相補的な標的を、チオフェンポリマーと接触させ、二本鎖を形成する工程;b)前記二本鎖を、負に荷電したポリマーと接触させる工程;及びc)負に荷電したポリマーの存在の指標として、荷電、蛍光、または発色の変化を検出する工程;を含む、負に荷電したポリマーの存在の検出方法を含む。 前述の方法のための負に荷電したポリマーは、酸性タンパク質、グリコサミノグリカン、ヒアルロナン、ヘパリン、クロマトグラフィー基質、培養基質、及び核酸からなる群から選択されて良い。 本発明はさらに、以下の工程:a)第一の核酸に相補的な標的を、チオフェンポリマーと接触させ、二本鎖を形成する工程;b)前記二本鎖を、第一の核酸と接触させ、特異的なハイブリダイゼーションを生成する工程;c)前記二本鎖を、第二の核酸と接触させ、非特異的なハイブリダイゼーションを生成する工程;及びd)荷電、蛍光、または発色の変化を検出する工程;を含む、少なくとも一つのヌクレオチドによって第一の核酸とは異なる第二の核酸から、第一の核酸を識別する方法を含む。 最後に本発明は、負に荷電したポリマーの存在を検出するための、及び負に荷電したポリマーを精製するための、繰り返しチオフェン部分を含む正に荷電したポリマーの使用のような、数多くの特異的応用を企図する。 さらなる範囲及び応用可能性は、以下に記載される詳細な説明から明らかとなろう。しかしながら、本発明の精神及び範囲内で各種の変化及び変更が当業者に明らかであるため、この詳細な記載は、本発明の好ましい実施態様を示す一方で、説明の目的でのみ示されていると解されるべきである。 本発明の他の目的及び付随する特徴は、説明の目的のための記載された本発明の以下の詳細な説明を参考にして容易に認識され、同時により良く理解されるであろう。 広義では、本発明は、負に荷電したポリマーに結合した場合に、明らかに検出可能な光学的(発色的、蛍光的、または発光的)、または電気的シグナルを生産する、新規なカチオン性で水溶性のポリチオフェン誘導体を提供する。 本発明は、単一のヌクレオチドによってのみ異なる核酸の特異的ハイブリダイゼーション及び非特異的ハイブリダイゼーションの間を識別可能なポリマーを提供する。 本発明は、改良された研究ツール、特に真核生物、並びに細菌及び古細菌のような原核生物由来の核酸を検出するための手段を提供する。 本発明はまた、新規な核酸検出法、とりわけ本発明のポリチオフェン誘導体の使用に基づく新規な検出装置の開発を提供する。 本発明はさらに、改良された臨床診断、つまり感染試薬の検出、遺伝学的疾患の診断、及び薬理ゲノミクス分野での使用に有用なツールを提供する。 本発明はさらに、改良された法医学的(法医学上の)診断、とりわけヒト及び動物の認知、「法医学的」ツール、及び他の遺伝学的試験ツールを提供する。 本発明はまた、改良された植物の同定を提供する。 本発明はまた、環境上及び産業上のスクリーニング、とりわけ遺伝学的に変性された生物のためのスクリーニング、病原性試薬の検出、栄養性のトレース能力、産業上興味ある生物の同定(例えば栄養性、製薬学的または化学的発酵、及び土壌の混在)を提供する。 本発明はまた、天然または合成起源の核酸及びグリコサミノグリカンのような負に荷電したポリマーに対するアフィニティーを有し、これらのポリマーの精製を可能にするポリチオフェンを提供する。例えば、ポリチオフェンが固体の支持体に結合している場合、核酸はアフィニティー及び/またはイオン交換クロマトグラフィーによって精製できる。 本発明はまた、広範囲の応用が可能である、熱安定性でオートクレーブ可能なポリチオフェンを提供する。 本発明はさらに、酸性タンパク質(キネシン)、グリコサミノグリカン(ヒアルロナン、ヘパリン)及びいずれかの天然または合成の負のポリマーのような負に荷電したポリマーを、ポリチオフェンと結合することによって検出またはブロックできる方法及びツールを提供する。 有利には、この新規なアプローチは、迅速で、特異的で、高感度で、非常に多用途で、さらに単純である。それは、一本鎖または二本鎖の負に荷電したオリゴヌクレオチドまたは核酸断片と、カチオン性で電気的に活性で光学活性なポリ(3−アルコキシ−4−メチルチオフェン)誘導体との間の各種の静電的相互作用及び立体的な構造変化に基づく。それは、ゲノム分析及び分子診断のための単一試薬のアッセイ法を可能にする。さらに、前述の検出法はまた、核酸の溶液、ゲル電気泳動によって分離された核酸、ガラススライドまたはプレート、シリコーンチップ、または他のポリマーのような固体の支持体に固定化された核酸について使用できる。合成 水溶性で、カチオン性で、電気的に活性で、光学活性なポリ(3−アルコキシ−4−メチルチオフェン)の調製のための好ましい合成スキームが以下に示される。 モノマー1の合成は、3−ブロモ−4−メチルチオフェン(Aldrich Co.)から開始する二工程法で実施される(スキーム1参照)。第一の工程は、El Kassmi等11によって報告された、CuIによって触媒されるチオフェン環での求核置換反応である。第二の工程は、アセトニトリル中の第三級アミンと1−ブロモエタンの間の第四級化反応を含む12。 同様に、モノマー2は、3−(2−ブロモエトキシ)−4−メチルチオフェン(化合物4)と1−メチルイミダゾール(Aldrich Co.)から調製される(スキーム2参照)。化合物4は、Leclerc等13によって開発された方法に従って調製される。1−メチルイミダゾールと化合物4との間の第四級化反応は、所望のモノマーイミダゾリニウム塩2を提供する14。 同様に、モノマー3の合成は、3−チオフェンエタノール(化合物5)のその対応するメシラート保護化誘導体(化合物6)への変換を含む。1−メチルイミダゾールと化合物6との間の第四級化反応は、所望のモノマーイミダゾリウム塩3を提供する。 モノマーイミダゾリウム塩4の合成は、1,2−ジメチルイミダゾールを使用する化合物4の第四級化反応を含む。 カチオン性チオフェンモノマーの調製を反映するより一般的な方法はスキーム5に表されており、ここで「m」は2または3に等しい整数であり;「y」は酸素原子またはメチレン基であり;及びR1は水素原子またはメチル基である。 R*がEt3Nである場合、Yは酸素原子であり、R1はメチル基であり、「m」は3に等しい。R*が1−メチルイミダゾールである場合、Yは酸素原子であり、R1はメチル基であり、「m」は2に等しい。R*が1−メチルイミダゾールである場合、Yはメチレン基であり、R1は水素原子であり、「m」は2に等しい。R*が、1,2−ジメチルイミダゾールである場合、Yは酸素原子であり、R1はメチル基であり、「m」は2に等しい。 イミダゾールの固有の化学的及び物理的特性は、電気化学的検出に好ましい広い電気化学的ウインドウを提供する。 全てのポリマー、とりわけカチオン性で、水溶性で、電気的に活性なポリマー1,2,3及び4(スキーム6)を、クロロホルム中の酸化剤としてFeCl3またはK2S2O8を使用して、対応するモノマーの酸化化学的重合によって合成した。この重合法は、約5kDaの平均分子量と、約3の多分散度を有する、十分に定義された部位規則的な3−アルコキシ−4−メチルチオフェンポリマー(1,2及び4)、並びに部位不規則的な3−アルキルチオフェンポリマー(3)を生成する16。「n」は3から約100まで変化できることに注意。生成したポリマー(酸化剤としてFeCl3を使用する)は、FeCl4−、Cl−及びBr−のようなアニオンの混合物を含む。一つのみの特異的カウンターアニオン(例えばCl−、Br−、I−、CH3SO3−等のような親水性カウンターアニオン、またはBF4−、CF3SO3−、PF6−等のような疎水性カウンターアニオン)を有するカチオン性ポリマーを生産するために、透析または沈降によって、アニオン性交換反応を実施する。予測されるように、全ての生成したポリマーは、親水性アニオンの存在下で水溶液に可溶性であることが見出された。 いずれかの水溶性カチオン性高分子電解質として、本発明のポリチオフェン誘導体は、負に荷電したオリゴマー及びポリマーと強力な複合体を形成できる17。この複合体化は、特異的な光学的特性を有する複合体の形成を引き起こす。例えば55℃で、カチオン性ポリマー2の水溶液(0.1MのNaClまたは10mMのトリスバッファー/0.1MのNaCl)は黄色である(λmax=397nm)。比較的短い波長でのこの吸収最大値は、ポリチオフェン誘導体のランダムコイル構造に関連している6。1当量の(モノマー単位ベースで)所定のオリゴヌクレオチド(20マー)の添加の後、二本鎖と称されるものの形成のため混合物を赤色となる(λmax=527nm)。1当量の相補的オリゴヌクレオチドの存在下で混合した5分後で、おそらく新たな複合体(三本鎖)の形成のため、溶液は黄色となる(λmax=521nm)(図1及び5)。 両タイプの高分子電解質のこれらの構造的遷移の模式的記載が、図6に示されている。 サーモクロミズム性、ソルバトクロミズム性、及びアフィニティークロミズム性の部位規則的ポリ(3−アルコキシ−4−メチルチオフェン)に関する以前の研究に基づいて6、これらの発色効果は、おそらく、三本鎖で観察されるもの(より接合的ではなく、非平面構造)と比較した二本鎖の接合したポリマー(より接合的であり、平面構造)の各種の立体構造のため、及び、一本鎖オリゴヌクレオチド(核酸)(5×104M−1)について観察されるものより、二本鎖オリゴヌクレオチド(核酸)(1×105M−1)についての接合されたポリマーのより強力なアフィニティーのために生成する。 コントロール実験では、キャプチャープローブのものと同一のオリゴヌクレオチドの溶液への添加は、発色の変化を引き起こさないことが示された(図2)。 これらの複合体化の特異性を確認するために、1または2のヌクレオチドのみによって異なる二つのペアの相補的オリゴヌクレオチド(20マー)を合成し(表1)、注意深く調べた。わずかであるがはっきりとしたUV可視吸収スペクトルの変化が、2のミスマッチを有するオリゴヌクレオチド標的の場合で観察される。1のみのミスマッチでさえ、完全なハイブリダイゼーションと不完全なハイブリダイゼーションの間を識別することが可能である(図13)。この場合、55℃での混合の30−60分後に、同様な黄色の水溶液が観察されるため、比色測定の差異は、複合体の異なる速度論に主に基づく。しかしながら、室温に溶液を配置することによって、混合の5分後にハイブリダイゼーション反応を停止することが可能である。これらの方法に引き続き、安定な黄色及びオレンジ色の溶液が得られる(曲線c及びe)(図13)。この比色測定法の検出限界は、100μLの全容量で約1×1013分子のオリゴヌクレオチド(20マー)である。 非常に類似する結果が、ポリマー1(図17)とポリマー4(図18)、及び各種のオリゴヌクレオチドで得られている。図20は、0から5の範囲のミスマッチを有する標的オリゴヌクレオチドを使用した場合の、ポリマー2のUV可視吸収スペクトルを示す。図21は、各種の位置での常に2のミスマッチを有する標的オリゴヌクレオチドを使用する、ポリマー2のUV吸収の結果を説明する。これらの結果は、前記ポリマーが、ミスマッチしたヌクレオチド塩基の性質とは独立に、且つミスマッチの位置または長さとは独立に、完全にマッチしたハイブリッドとミスマッチしたハイブリッドの間を識別できることを示す。さらに、複数のミスマッチから単一のミスマッチを識別することも可能である。 DNAの特定の配列領域の濃度は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用することによって増幅でき、本発明の比色定量法は、これらのPCR産物に対して拡張できる。実際、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の導入は、少量のDNAを検出する問題を解決しており、本発明は、PCR産物の同定において使用できる。430−530nmの吸収範囲における分光学的結果は、ポリマー2/X1二本鎖によって、2のみのヌクレオチドで異なるCandida albicansとCandida dubliniensisアンプリコンの特異的光学的検出を説明している。そのような検出は、100μLのPCR容量で通常生成される濃度(約3×1012コピー)で、PCR産物から直接45分で実施できた。PCRに関する実験的な詳細、及びCandidaの同定のための標的配列の選択は、共に継続する特許出願(PCT/CA00/01150)に提供されている。 さらに、図19に示されているように、円二色性(CD)測定は、ポリチオフェン骨格の右旋性ヘリックス配向の特徴である、三本鎖における420nmで集中する二シグナル性の(bisignate)CDスペクトルである、ランダムコイル状態でのポリマー3についての光学活性を明らかにする。そのような右旋性ヘリックス構造は、DNAの負に荷電したリン酸骨格に対するポリマーの結合に適合的である。UVまたはCD測定により熱的安定性の研究は、二本鎖と三本鎖の間の異なる熱的安定性を示し、この特性は、より緊縮な洗浄条件について極端に有用であろう。 オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションの蛍光測定検出はまた、ランダムコイル状態(単離した状態)で、または凝集した状態で、正に荷電したポリ(3−アルコキシ−4−メチルチオフェン)の蛍光量子収率の差異に基づくことが可能である16。例えば55℃で、ポリマー2の黄色の出現は蛍光的である(0.03の量子収率)が、1当量の負に荷電したオリゴヌクレオチドの添加の際に、放射スペクトルの強度は強力に減少する(クエンチする)。完全なハイブリダイゼーションの場合では、ポリマー状三本鎖は、より強力な放射を与える(図7)。同じオリゴヌクレオチドの添加の際に、ハイブリダイゼーションは生じず、溶液は蛍光強度の変化を示さない(図8)。励起源としてレーザーを使用する場合、非常に低い検出限界が得られる。200μLの容量で、3×106分子程度の相補的オリゴヌクレオチド(20マー)の存在を検出可能であり、これは2×10−14Mの濃度に対応する。さらに、蛍光接合ポリマーに対するオリゴヌクレオチドの共有結合によって、または高い強度の青色ダイオード(励起源)及び非分散性の干渉フィルターベースのシステムに基づく最適化された蛍光検出スキームを使用することによって、より高感度でより特異的な検出能力が達成される。 ポリマー1及び2の電気化学的特性は、図9に示されるように、水溶液中のDNAハイブリダイゼーションの検出のために使用できる8,10。レーザー沈着法によるレーザーを使用して25,26、第一の工程は、アンモニウム官能化インジウムスズオキシド(ITO)表面18,27に対する一本鎖オリゴヌクレオチドX1からなるキャプチャープローブの結合を必要とした。純水ですすいだ後、変性電極と称されるものを、相補的オリゴヌクレオチドY1の存在下で浸液してハイブリダイズさせた。生成した電極を、正に荷電したポリマー1または2(モノマー単位で10−4M)の水溶液で発現させ、それは表面に存在するDNAの量の関数であるシグナルを提供する。コントロール実験として、オリゴヌクレオチドX1の水溶液をX1変性ITO電極に加え、次いでポリマー1または2の水溶液に移した。この方法では、これらのポリマーは、サンプル中に存在するオリゴヌクレオチドに対する「マストランスデューサー」として機能する。 DNAハイブリダイゼーションの検出はさらに、各種のカチオン性ポリ(3−アルコキシ−4−メチルチオフェン)(ポリマー1及び2)を使用する以下の二つの実施例によって説明される、かくして得られた結果は、図10及び11に説明されている。 両者の場合で、最大のアノード電流は、ブランクコントロールと比較して、完全なハイブリダイゼーションの場合でより重要である。さらに、より高い電位(約40−50mV)へのシフトが、特異的なハイブリダイゼーションが生じる場合で観察される(ポリマー2について52mVと比較して、ポリマー4について38mV)。より高い酸化電流は、二本鎖オリゴヌクレオチドに対するポリマーのより強力なアフィニティーにより説明できる一方で、酸化電位のポジティブなシフトは、特異的ハイブリダイゼーションの場合でより接合的ではない構造の形成によって説明される。これは、以前の光学的測定と一致する。 より小さい電極[S(表面)=10mm2]を使用するアッセイは、2×1011分子のオリゴヌクレオチド(20マー)の検出を可能にした。この非常に単純な電気化学的方法体系は、オリゴヌクレオチド官能化接合物ポリマーを使用する電気化学的方法で得られる最高の結果10よりも、二桁のオーダーまですでにより高感度である。明らかに、電極のサイズを減少することによって、且つ標的分子のサイズを増大することによって、さらにより小さい検出限界が得られるはずである。 検出の特異性をさらに増大するために、オリゴヌクレオチドプローブを、ポリチオフェン誘導体に共有結合できる。 DNA配列の検出はまた、スキーム7に以下に示されるように電気化学的に実施できる。 DNAプローブは、伝導性表面に共有結合で固定化できる(図12)。これは、表面に対して大量のDNAプローブの結合を可能にし、小さい表面についての特異性と検出限界を改良する。 第一の工程は、一本鎖DNAプローブの共有結合による、伝導性基体(ITO、SnO2、金、ドープ処理したケイ素、または他の伝導性基体)の変性を含む。相補的DNA鎖をハイブリダイズし、ポリマーをハイブリダイズしたプローブに捕獲させる。観察された電気化学的シグナルは、ハイブリダイズしたプローブ(ds−DNA)と、ハイブリダイズしていないプローブ(ss−DNA)で異なる。伝導性表面にDNAプローブを結合するために、リンカーを使用できる。リンカーの末端基は、一方の末端が伝導性基体と容易に反応して共有結合を形成する一方で、他方の末端は、反応性官能基とDNAとの間でスペサー(炭素24)の存在下または不存在下で、「末端変性化」(SH、NH2、COOH等)DNAプローブと容易に反応するようになっている19,20,21。伝導性基体表面と反応するリンカーの末端基は、シラン誘導体、例えばアルコキシシラン、またはクロロシランであることができる。リンカーの他方の末端基は、アルデヒド、カルボン酸、第一級アミン、スクシンイミドエステル部分、または「末端変性化」DNA、つまりカップリング剤の補助の存在下または不存在下で、共有結合の形成を引き起こす特異的末端基を有するDNAプローブと反応可能な他の官能基からなることができる。 チオール基によるオリゴヌクレオチドの固定化は、その3’または5’末端基を通じて実施できる。従って、ガラス表面へのDNAの固定化のための文献の方法28,29,30に従って、ITO表面にDNAを固定化した。 さらに、金または他の金属及び金属酸化物のような各種の他の表面に対して「末端変性化」DNAプローブを結合することも可能である22。ビーズ、ガラススライド、光学的繊維、またはいずれかの他の適切な非金属製固体支持体のような非金属製表面もまた可能である。金表面へのDNAの固定化は、既知の印刷された方法に従って達成され、結合したプローブの密度は、濃度及び反応時間に依存して変化できる31,32。ハイブリダイゼーション効率は、相補的鎖を添加する前に基体を加熱することによって最適化できる31,33。ポリマー沈着は、ポリマー溶液に垂直に基体を浸液することによって、及びポリマー溶液の塩濃度と温度を変化させることによって最適化できる。洗浄はさらに、ハイブリダイズしていないプローブとのポリマーの寄与を制限するために最適化できる。 三本鎖について観察されるシグナルは、おそらくハイブリダイゼーションが生じる場合のより高い電位に向かう小さなシフトで、二本鎖について観察されるものよりも強力であるはずである。DNAの量は三本鎖の場合でより高く、それはより高量の負の荷電の存在を意味する。三本鎖の場合では、結合している2当量のポリマー(正の荷電)が存在すると予測される。さらに、1当量のみのポリマーがDNAに結合している場合では、高い塩濃度または上昇した温度でより不安定であるため、ハイブリダイズしていないプローブ(ss−DNA)上のポリマーは、ハイブリダイズしたプローブ(ds−DNA)上のDNAに結合したポリマーと比較してより容易に洗浄される。二本鎖由来の全てのポリマーを実質的に洗浄する一方で、三本鎖由来のものを完全なままにする洗浄によって、三本鎖から直接由来するシグナル(ハイブリダイズしたプローブ+ポリマー)が保証される。最後に、ミスマッチを有する標的は、異なるシグナルを与え、不完全なハイブリダイゼーションのためおそらくより低い電流を与えるであろう。 DNAハイブリダイゼーションの電気化学的検出は、図14−162説明されるポリマー2及びポリマー3を使用することによって、さらに説明される。実施例1:チオフェン上での芳香族求核置換の一般的方法;化合物3の合成 水酸化ナトリウム(0.4g、15mmol)を、50mLのDME中のN,N−ジエチルプロパンアミン(2.0g;15.2mmol)の溶液に、窒素下で0から10℃の間で加え、生成した混合物を環境温度で20分間攪拌した。20mLのDMA(20mL)に溶解した3−ブロモ−4−メチルチオフェン(2.0g、11.3mmol)と、CuI(1.07g、5.65mmol)を反応混合物に加えた。その後反応混合物を95℃で一晩窒素下で攪拌し、塩化メチレンで希釈し、濾過した。有機相を水で3回洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発させた。粗産物を、溶出液としてCH2Cl2を使用し、その後MeOHを使用して、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。実施例2:第四級化反応の一般的方法:モノマー1の合成 1−ブロモエタン(6mL、80.4mmol)を、60mLのアセトニトリル中の化合物3(0.4g、1.8mmol)の溶液に加えた。反応混合物を窒素下で70℃で3日間攪拌した。アセトニトリルの蒸発後、粗産物を無色のパウダーとして酢酸エチルから結晶化した。実施例3:モノマー2の合成 1−メチル−イミダゾール(1.0mL、12.3mmol)を、CH3CN(35mL)中に溶解した産物4(0.54g、2.46mmol)の溶液に加えた。精製した反応混合物を、70℃で2日間攪拌した。溶媒の蒸発後、粗産物を暖かい酢酸エチルで二度、室温でジエチルエーテルで二度洗浄し、純白の固体の化合物としてモノマー2を得た。実施例4:モノマー3の合成 メタンスルホニルクロリド(2.4mL;31.2mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中の3−チオフェンエタノール(2.0g;15.6mmol)とトリエチルアミン(4.3mL;31.2mmol)の溶液に滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。有機相をNaHCO3溶液で洗浄し、引き続き水で数回洗浄し、最後にMgSO4で乾燥し、濃縮した。粗産物を、溶出液としてCH2Cl2/ヘキサン(1/1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物6を得た(59%): 1−メチルイミダゾール(0.4g;4.85mmol)を、トルエン(20mL)中の化合物6(0.2g;0.97mmol)の溶液に加えた。反応混合物を94℃で2日間攪拌した。溶媒の蒸発に引き続き、粗産物を暖かい酢酸エチルで洗浄し、液体としてモノマー3を得た。実施例5:モノマー4の合成 実施例3に記載の方法に引き続き、第四級化反応を実施した。実施例6:化学重合の一般的方法:ポリマー1の合成 窒素下のクロロホルム(23mL)中の三塩化鉄(0.94g、5.8mmol)の溶液に対して、クロロホルム(15mL)中のモノマー1(0.487g、1.4mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温で2日間攪拌した。反応混合物を蒸発させて乾燥し、粗産物をメタノールで迅速に洗浄し、過剰なアセトンに溶解し、過剰な塩化テトラブチルアンモニウムまたは臭化テトラブチルアンモニウムの添加により沈降した。暗赤色のポリマーをメタノール中に溶解し、数滴のヒドラジンの添加により脱ドープ処理した。最終溶液を蒸発させた。生成ポリマーを、アセトン中の塩化テトラブチルアンモニウムまたは臭化テトラブチルアンモニウムの飽和溶液で数回洗浄し、6時間に亘りアセトンでSoxlet抽出し、次いで減圧下で乾燥し、ポリマー1を得た(0.32g、66%)。実施例7:光学的検出の一般的方法i)合成オリゴヌクレオチド クォーツUVキュベットにおいて、100μL(7.47×10−8の正の荷電の繰り返し単位(RU))のポリマー2の溶液を、0.1MのNaClまたは10Mmのトリスバッファープラス0.1MのNaCl(pH=8)のそれぞれを含む水溶液(3mL)に加えた。混合物を5分間55℃に加熱し、黄色の出現物を得た。次いで12μL(7.47×10−8の負の荷電のRU)のオリゴヌクレオチド溶液(キャプチャープローブ)を加え、生成した赤色の溶液をさらに5分間55℃で維持した。適切なオリゴヌクレオチド標的を、55℃で5分間かけて溶液に加えた。最終の黄色はポジティブの結果を示し、完全なハイブリダイゼーションが生じたことを意味する。他方で、赤色または赤ピンク色は、それぞれ特異的なハイブリダイゼーションが存在しないこと、または部分的なハイブリダイゼーション(二つのミスマッチ)を示す(それぞれ図1−3)。ii)PCR産物 PCR産物から得たアンプリコン(二本鎖149塩基対)を、Qiagen社により市販されている<QIAquick>によって事前精製した。H2O(90μL)を遠心チューブに加え、次いで6.7μL(5.03×10−9molの正の荷電)のポリマー2の溶液を加え、次いでオリゴヌクレオチドキャプチャープローブY1(2μL;5.03×10−9molの負の荷電)を加え、最後に1MのNaCl(20μL)を加えた。生成した混合物を50℃で10分間加熱した。精製したPCR産物を新たに変性し、冷水で冷却し、次いで前述の溶液に加えた。ハイブリダイゼーション反応を50℃で35分間維持し、発色の変化を視覚的またはUV測定によって観察した(図4)。実施例8:蛍光検出の一般的方法 蛍光測定計を使用することを除いて、光学的検出について記載されたものと同様の方法を使用した。「二本鎖」(正に荷電したポリマーとオリゴヌクレオチドキャプチャープローブの間の会合)の蛍光強度は、凝集形態のポリマーの蛍光クエンチング特性のため、弱いまたは有意ではなかった(実質的にゼロ)。完全なハイブリダイゼーションが生じた場合、蛍光シグナルはより有意となる(図7)。実施例9:電気化学的検出の一般的方法 ハイブリダイゼーションの電気化学的試験を、コントロールブランクと関連させて実施した。60μL(1.44×10−8molの負の荷電)のキャプチャーオリゴヌクレオチドY1を、環境温度で5分間アミノ化ITO電極(S=50mm2)に沈着させた。水で洗浄後、60μL(1.44×10−9molの負の荷電)の標的オリゴヌクレオチドX1を加え、ハイブリダイゼーションを55℃で20分かけて実施した。次いで電極を10分かけて室温に冷却し、0.3MのNaCl、0.03MのNaOAc、及び0.1%のSDS(pH7)及び水で二度洗浄した。100μL(1×10−8molの正の荷電)のポリマー1または2の溶液を5分間変性電極に広げ、次いでCH3CN/H2O(1/4)及び水で洗浄した。サイクル電流電圧測定を、水性0.1MのNaCl溶液で実施した(図10及び11)。実施例10:共有プローブで置換された電極の調製の一般的方法i)ITO電極に対するDNAプローブの共有結合(ポリマー2) ITOスライドを、ヘキサン(10分)、メタノール(10分)、及び超純水(10分)でソニケートし、次いで40℃で30分の期間、王水溶液(H2O2/H2O/NH4OH,1/5/1)で処理した。生成したスライドを水で迅速に洗浄し、次いで水中及びアセトン中でソニケートし、空気、窒素またはアルゴンで乾燥し、110℃で2から10分加熱した。これに引き続き、スライドを3時間不活性雰囲気下で、5%メルカプトプロピルトリメトキシシランを含む酸性化エタノール溶液(95%エタノール中の1mM酢酸)に浸液し、引き続き新鮮なエタノール(95%)及び超純粋滅菌水でソニケートした。最後にスライドを110℃で少なくとも1時間加熱し、室温に冷却し、その後DNAで変性した。 DNAの沈着、ハイブリダイゼーション、及びポリマー沈着に引き続き、他に記載がなければ軌道性シェイカーを使用して洗浄を実施する。それぞれ約1cmの直径の円を形成するスポットである、各ITOスライドに沈着したクエン酸ナトリウムバッファー(30mM、pH=4、50μL)中のSH−炭素24−DNAの溶液を使用して、DNA結合を実施する。沈着反応を、20−24時間の期間に亘り加湿チェンバーで実施する。沈着していないDNAを流し、スライドを5×SSC+0.1%Tween20で洗浄し、その後1×SSC+0.1%Tween20及び0.1MのNaClで洗浄する。ii)ハイブリダイゼーション(ITO、ポリマー2) 50μLのRC−DNA(Y1)またはプローブX1(ブランク試験)(2×SSC中に25μM)を、DNAスポットに沈着する。次いでスライドを加湿環境で55℃で約3時間加熱し、次いで15分間室温に冷却する。非反応DNAを流し、スライドを2×SSC、NaCl(0.1M)で洗浄し、1×SSC+0.1%Tween20で洗浄し、NaCl(0.1M)で洗浄する。iii)ポリマー沈着(ITO、ポリマー2) ポリマー2を電極に沈着する。スライドを室温で5分間ポリマー2の溶液(0.01MのNaCl中に10−4Mの2mL)に垂直に浸液する。次いでスライドを2mLのNaCl溶液(0.01M)に浸し、次いで2mLのCH3CN/H2O(1/4)溶液に浸し、最後に2mLのNaCl溶液(0.01M)に浸す。iv)ハイブリダイゼーション(ITO、ポリマー3) 30μLのY1(2.5μM/0.1MのNaCl)を、ITO電極の表面に配置されたハイブリダイゼーションチェンバーに挿入する。スライドを加湿環境で55℃で約2時間加熱し、次いで室温に冷却する。ハイブリダイゼーションチェンバーを除去し、スライドを0.1MのNaCl溶液で洗浄し、最後にアルゴンで乾燥する。v)ポリマー沈着(ITO、ポリマー3) ポリマー3を電極に沈着する。30μLのポリマー3の水溶液(10−4M)を、ITO電極の表面に配置されたハイブリダイゼーションチェンバーに挿入する。スライドを55℃で20分加熱する。ハイブリダイゼーションチェンバーを除去し、スライドを0.8MのNaCl溶液の第一の部分で55℃で洗浄し、次いで新たな部分で室温に冷却しながら洗浄する。最後にスライドを0.1MのNaCl溶液で室温ですすぐ。vi)金電極に対するDNAプローブの共有結合(ポリマー2) 金スライドを、ヘキサン、メタノール、及び水で連続的にすすぐ。次いでプレートを約15分の期間ピラナフ(pyranah)溶液(H2O230%/H2SO4濃縮/;30/70)で処理する。次いでスライドをナノピュア滅菌水で徹底的に洗浄し、アルゴンで乾燥する。 50μLのSH−炭素24−DNAの溶液(1Mリン酸バッファー(pH=7);K2HPO4+KH2PO4中に25μM)を使用して、不活性環境下でDNA沈着を実施する。溶液を1cm2の表面に沈着し、不活性環境下で約16時間処理する。非反応性DNAを流し、スライドをH2O、2×SSC、及び滅菌水で連続的に洗浄する。 ポリマー2を電極に沈着する。50μLのポリマー2の溶液(0.1MのNaCl中に10−5M)をDNAスポットに沈着し、スライドを55℃で約30分加熱する。次いでスライドを室温でNaCl溶液(0.1M)で繰り返し洗浄する。 添加の順序は、前記実施例に記載されたもの、つまり相補的(または非相補的またはミスマッチを有する)DNA鎖を、共有結合DNA鎖に加え、次いでポリマー溶液を加えることに従う必要なはないことに注意すべきである。ポリマー溶液は、相補的(または非相補的またはミスマッチを有する)DNA鎖の添加の前に加えても良い。実施例11:核酸及び他のそのような負に荷電した分子の精製のための、本発明のポリマーの使用 本発明に記載されたポリマーは、負に荷電した分子、特に核酸に対して高いアフィニティーを有する。さらに、それら水溶液に可溶性であり、広範囲の温度で非常に安定である。それ故、これらの特性を、核酸及び他の負に荷電した分子の精製に使用することが可能である。クロマトグラフィー分離は、以下の工程を含むであろう:(1)ポリマーを固定化する工程;(2)静電的相互作用が分析物とポリマーの間で可能なような条件下で、固定化したポリマーで分離されるように分析物を適用する工程;及び(3)分析物とポリマーの間の静電的相互作用が離れる条件を適用することによって、分析物を溶出する工程。 ポリマーの固定化は、ガラスビーズのような適切な固体の支持体、または他のタイプのポリマーで形成されたビーズにポリマーを共有結合することによって達成できる。別法として、固体の支持体に対する結合は、実施例10に記載されたような静電的相互作用を介しても達成できるであろう。後者の場合で、キャプチャーオリゴヌクレオチドが固体の支持体に共有結合される場合、ポリマーは静電的結合のみによって結合されるため、最終溶出工程で分析物と共にポリマーが溶出すると期待されるであろう。発色の変化は、クロモグラフィー方法をモニターするために使用できるであろう。 ポリマーに分析物を結合するための条件は、水、0.1MのNaCl、及び10mMトリスバッファー/0.1MのNaClのような低イオン性荷電の溶液を好ましくは含むであろう。各種の洗浄条件が、分析物の非所望の分画を除去するために適用できる。別法としてpH変化が、ポリマーに対する分析物の結合のための条件を得るために使用できるであろう。 分析物を溶出する条件は、1.0MのNaCl溶液、またはポリマーとの静電的相互作用に競合可能な十分に高いカウンターイオン濃度を含むいずれかの他の溶液のような、高いイオン性荷電の溶液を含む。再び述べるが、別法としてpH変化を、分析物を溶出するための条件を得るために使用できるであろう。実施例12:メッセンジャーRNAの検出 精製され、in vitroで転写され、ポリアデニル化された、NAC1をコードするArabidopsis thaliana遺伝子のメッセンジャーRNAをStratageneから購入した。完全にマッチした相補的DNAオリゴヌクレオチドN1(5' CGAGGCTTCCATCAATCTTA 3')を、Perkin-Elmer 391合成器でホスホルアミダイト化学により合成した。非関連のY2DNAオリゴヌクレオチドを同様な態様で得た。全ての試薬、及びRNAと接触される液体操作材料を、RNアーゼフリーであることを確認し、またはRNアーゼを不活性化するためにジエチルピロカルボナートで処理した(J. Sambrook及びD. W. Russel, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, CSHL Press, 2001)。検出器に100ボルトを適用し、420±10nmで励起セットで、530±5nmで蛍光放射を測定して、Variant Cary Eclipse分光光度計で42.5℃で蛍光測定を実施した。 ポリマー2とオリゴN1の間の二本鎖を、8.66×1013コピーのオリゴN1を、当量の正に荷電したポリマー2と接触させることによって形成した。2μLの水中に30秒間室温で反応を実施した。1μlの二本鎖混合物を2mLの水中に希釈し、最初の蛍光シグナルの測定のためクォーツキュベットに入れた。その後、8.66×1013コピーの加熱処理した(95℃で2分)NAC1メッセンジャーRNAを加えて混合することによって、三本鎖を42.5℃で形成した。三本鎖の蛍光を測定した。同じ二本鎖及び三本鎖を、DNAオリゴヌクレオチドY2を使用して作製し、これはNAC1メッセンジャーRNAの配列と有意なホモロジオーを有さない。 蛍光は、Y2/ポリマー2/NAC1三本鎖より、N1/ポリマー2/NAC1三本鎖で有意に高く、それによって、メッセンジャーRNAと20マーのDNAオリゴヌクレオチドの特異的なハイブリダイゼーションと非特異的なハイブリダイゼーションの間を識別するポリマー2の能力が示された。 結論として、単純な光学的及び電気化学的手段によって、核酸の検出が可能である新規な方法体系が開発された。この迅速で、選択的で、用途の広い方法は、プローブまたは分析物に対する化学的反応を必要とせず、カチオン性ポリ(3−アルコキシ−4−メチルチオフェン)誘導体と、一本鎖オリゴヌクレオチドまたは二本鎖(ハイブリダイズした)核酸断片との間の各種の静電的相互作用及び立体構造変化に基づく。本発明のポリマーベースの方法は単純で特異的であり、核酸の迅速な検出のための柔軟なプラットホームを提供する。 ポリチオフェンは熱安定性でオートクレーブ可能であり、それ故広範囲の応用が可能である。 ここで使用される用語及び記載は、説明のためのみの理由で示された好ましい実施態様であり、以下の特許請求の範囲に定義される本発明を実施する際に当業者に可能であると認識される多くの変形を制限することを企図するものではない。〔参考文献〕図1は、1cmの光学パス長を使用する、55℃で0.1MのNaCl/H2Oでの、a)ポリマー2;b)ポリマー2/X1二本鎖;c)ポリマー2/X1/Y1三本鎖の、2.4×10−5M(モノマー単位ベースで)溶液のUV可視吸収スペクトルを示す図である。図2は、55℃で0.1MのNaCl/H2Oでの、a)ポリマー2;b)ポリマー2/X1二本鎖;c)ポリマー2/X1/X1混合物の、2.4×10−5M(モノマー単位ベースで)溶液のUV可視吸収スペクトルを示す図である。図3は、55℃で0.1MのNaCl/H2Oでの、a)ポリマー2;b)ポリマー2/X1二本鎖;c)ポリマー2/X1/Y2混合物の、2.4×10−5M(モノマー単位ベースで)溶液のUV可視吸収スペクトルを示す図である。図4は、2のヌクレオチドのみによって異なるCandida albicans対Candida dubliniensisアンプリコンの特異的光学検出を示す図である。図5は、ポリマー2−オリゴヌクレオチド二本鎖(左のチューブの溶液が赤紫色に発色した);ポリマー2−ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド三本鎖(中央のチューブの溶液が黄色に発色した);及び二つのミスマッチを有する部分的にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドを有するポリマー2(右のチューブの溶液がピンク色に発色した)の写真を示す図である。図6は、ポリマー2とオリゴヌクレオチドの間の二本鎖と三本鎖の形成を示す図である。図7は、特異的ハイブリダイゼーションの間の蛍光強度を示す図である。図8は、ハイブリダイゼーションが存在しない間の蛍光強度を示す図である。図9は、DNAハイブリダイゼーションの電気化学的検出に関与する各種の工程を示す図である。図10は、0.1MのNaCl/H2Oにおける、完全なハイブリダイゼーション(実線)の場合と、コントロールブランク(破線)の場合のITO修飾電極(S=50mm2)でのポリマー1のサイクル電流電圧曲線を示す図である。スキャン速度は100mV/sである(2の連続したサイクル)。図11は、0.1MのNaCl/H2Oにおける、完全なハイブリダイゼーション(実線)の場合と、コントロールブランク(破線)の場合のITO修飾電極(S=50mm2)でのポリマー2のサイクル電流電圧曲線を示す図である。スキャン速度は100mV/sである(2の連続したサイクル)。図12は、伝導性表面でのDNAプローブの共有結合、相補的DNA鎖とのその後のハイブリダイゼーション、及び伝導性ポリマーとのその発現を示す図である。図13は、0.1MのNaCl/H2Oにおける55℃での、a)ポリマー1、b)ポリマー2/X1二本鎖、c)ポリマー2/X1/Y1三本鎖、d)ポリマー2/X1/Y2混合物、及びe)ポリマー2/X1/Y3混合物の、2.4×10−5M(モノマー単位ベースで)溶液のUV可視吸収スペクトルを示す図である。キャプチャープローブX1:5' CATGATTGAACCATCCACCA 3'、及びその完全な相補的標的Y1:3' GTACTAACTTGGTAGGTGGT 5'は、Candida albicansに特異的なDNAオリゴヌクレオチドペアであり、キャプチャープローブX2:5' CATGATTGAAGCTTCCACCA 3'、及びその完全な相補的標的Y2:3' GTACTAACTTCGAAGGTGGT 5'は、Candida dubliniensisに特異的なDNAオリゴヌクレオチドペアである;Y3:3' GTACTAACTTCGTAGGTGGT 5'は、C. albicans及びC. dubliniensisキャプチャープローブの両者と一つのミスマッチを有するようにデザインされた相補的標的DNAオリゴヌクレオチドである。図14は、100mV/sのスキャン速度を使用する0.1MのNaCl/H2Oにおける、完全なハイブリダイゼーション(X1/Y1;実線)の場合、及び二つのコントロールブランク(X1/Y1、点線及びX1、破線)の場合での、ITO変性電極(50mm2)に結合したポリマー2(ポリマー2を有するSH−炭素24−DNA)のサイクル電流電圧曲線を示す図である。図15は、0.1MのNaCl/H2Oにおける、完全なハイブリダイゼーション(X1/Y1;実線)の場合、及び二つのコントロールブランク(X1、破線)の場合での、金変性電極(50mm2)に結合したポリマー2(ポリマー2を有するSH−炭素24−DNA)のサイクル電流電圧曲線を示す図である。電極は、スキャンの10分前から−0.4Vの電位にかけられた;使用されたスキャン速度は50mV/sであった。図16は、50mV/sのスキャン速度を使用する0.1MのNaCl/H2Oにおける、完全なハイブリダイゼーション(X1/Y1;実線)の場合、及び二つのコントロールブランク(X1、破線、及びシラン化ITO(DNAなし)、一点破線)の場合での、ITO変性電極(50mm2)に結合したポリマー3(ポリマー3を有するSH−炭素24−DNA)のサイクル電流電圧曲線を示す図である。図17は、55℃で0.1MのNaCl/H2Oでの、a)ポリマー1/X1二本鎖;b)ポリマー1/X1/Y1三本鎖の、2.4×10−5M(モノマー単位ベースで)溶液のUV可視吸収スペクトルを示す図である。図18は、25℃で0.1MのNaCl/H2Oでの、a)ポリマー4;b)X1/Y1/ポリマー4三本鎖;c)X1/Y1ポリマー4混合物の、2.4×10−5M(モノマー単位ベースで)溶液のUV可視吸収スペクトルを示す図である。図19は、0.1MのNaClを含む10mMトリス緩衝溶液における55℃での、ポリマー3/X1/Y1三本鎖の2.4×10−5M(モノマー単位ベースで)溶液のサイクル二色性を示す図である。図20は、a)ポリマー2;b)二本鎖(X1+ポリマー2);c)三本鎖(X1+Y1+ポリマー2);d)2のミスマッチを有する三本鎖(X1+5' TGGTGGATGCATCAATCATG 3')、3のミスマッチを有する三本鎖(X1+5' TGGTGGATACATCAATCATG 3')、5のミスマッチを有する三本鎖(X1+5' TGGTGGAAACAACAATCATG 3');e)1のミスマッチを有する三本鎖(X1+5' TGGTGGATGCTTCAATCATG 3')の55℃での、0.1MのNaCl及びTEにおける7.9×105Mの溶液のUV可視分光学的スペクトルを示す図である。図21は、a)ポリマー2;b)二本鎖(X1+ポリマー2);c)三本鎖(X1+Y1+ポリマー2);d)2のミスマッチを有する三本鎖(X1+Y2)、(X1+5' TGGTAGATGCTTCAATCATG 3')、(X1+5' TGGTGGTTGCTTCAATCATG 3')、(X1+5' TGGTGGATGCTTTAATCATG 3')、(X1+5' TGGTGGATGCTTCATTCATG 3')、(X1+5' TGGTGGATGCTTCAATTATG 3')の55℃での、0.1MのNaCl及びTEにおける7.9×105Mの溶液のUV可視分光学的スペクトルを示す図である。 以下の一般式:[式中、a)「m」は2から3の範囲の整数であり;b)R*は第四級アンモニウムであり;c)Yは酸素原子またはメチレンであり;及びd)R1はメチル基または水素原子である]を有するチオフェンモノマー[ただし、以下の化合物を除く]。(式中、nは4であり、RはCH3である)(式中、nは3であり、XはIである) 式中、a)「m」=3であり;b)R*は+NEt3であり;c)Yは酸素原子であり;及びd)R1はメチル基である請求項1に記載のモノマー。 式中、a)「m」=2であり;b)R*は下式:であり;c)Yは酸素原子であり;及びd)R1はメチル基である請求項1に記載のモノマー。 式中、a)「m」=2であり;b)R*は下式:であり;c)Yは酸素原子であり;及びd)R1はメチル基である請求項1に記載のモノマー。 式中、a)「m」=2であり;b)R*は下式:であり;c)Yはメチレン基であり;及びd)R1は水素原子である請求項1に記載のモノマー。 下式:を有する、請求項2に記載のモノマー。 下式:を有する、請求項3に記載のモノマー。 下式:を有する、請求項4に記載のモノマー。 下式:を有する、請求項5に記載のモノマー。 請求項1から9のいずれか一項記載のモノマー単位を複数含む多分散ポリマー。 請求項2に記載のモノマーの調製方法であって、a)式1:の分子を、式2:の試薬と、ハロゲン化銅の存在下で反応させ、式3:の化合物を含む第一の反応混合物を形成する工程;b)前記第一の反応混合物から前記式3の化合物を単離する工程;c)前記式3の化合物をエチルブロミドと反応させ、前記モノマーを含む第二の反応混合物を形成する工程;及びd)前記第二の反応混合物から前記モノマーを回収する工程;を含む方法。 前記ハロゲン化銅がCuIである、請求項11に記載の方法。 請求項3に記載のモノマーの調製方法であって、a)式4:の化合物を、1−メチルイミダゾールと反応させ、反応混合物を形成する工程;及びb)前記反応混合物から前記モノマーを回収する工程;を含む方法。 請求項4に記載のモノマーの調製方法であって、a)式4:の化合物を、1,2−ジメチルイミダゾールと反応させ、反応混合物を形成する工程;及びb)前記反応混合物から前記モノマーを回収する工程;を含む方法。 請求項5に記載のモノマーの調製方法であって、a)式6:の化合物を、1−メチルイミダゾールと反応させ、反応混合物を形成する工程;及びb)前記反応混合物から前記モノマーを回収する工程;を含む方法。 請求項1から9のいずれか一項記載のモノマーの重合方法であって、酸化剤の存在下で前記モノマーを反応させ、以下の一般式:[式中、a)「m」は2から3の範囲の整数であり;b)「n」は3から100の範囲の整数であり;c)R*は第四級アンモニウムであり;d)Yは酸素原子またはメチレンであり;及びe)R1はメチル基または水素原子である]の多分散ポリマーを形成する工程を含む方法。 前記酸化剤がFeCl3またはK2S2O8である、請求項16に記載の方法。 R1がメチル基であり、前記ポリマーが部位規則的で水溶性である、請求項16に記載の方法。 前記ポリマーが熱安定性であり、請求項18に記載の方法。 請求項16から18のいずれか一項記載の方法から得られるポリマー。 請求項1に記載の繰り返しチオフェン部分を含む正に荷電した多分散ポリマーの荷電、蛍光、または発色の変化を検出することによる、核酸の存在を検出するための、請求項1に記載の繰り返しチオフェン部分を含む正に荷電した多分散ポリマーの使用。 前記正に荷電したポリマーが、前記核酸に相補的な標的と反応させられる、請求項21に記載の使用。 前記正に荷電したポリマーが、前記相補的な標的にイオン的に結合されている、請求項22に記載の使用。 前記核酸に相補的な標的が固体の支持体に結合され、次いで前記核酸が前記相補的な標的と反応させられ、前記固体の支持体によってその捕獲が生じて複合体が形成され、次いで前記正に荷電したポリマーが、前記相補的な標的と前記核酸との前記複合体と反応させられる、請求項21に記載の使用。 前記核酸に相補的な標的が固体の支持体に結合され、次いで前記正に荷電したポリマーが前記相補的な標的と反応させられ、前記固体の支持体によってその捕獲が生じて複合体が形成され、次いで前記核酸を、前記相補的な標的と前記正に荷電したポリマーとの前記複合体と反応させられる、請求項21に記載の使用。 前記固体の支持体が、電極、光ファイバー、ガラススライド、及びガラスビーズからなる群から選択される、請求項24または25に記載の使用。 核酸の精製のための、請求項24から26のいずれか一項に記載の使用。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る