タイトル: | 特許公報(B2)_抗腫瘍薬 |
出願番号: | 2002576987 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 36/00,A61K 36/18,A61K 36/71,A61K 36/73,A61K 36/48,A61K 36/75,A61K 36/25,A61K 36/23,A61K 36/53,A61K 36/28,A61K 36/899,A61K 36/896,A61K 36/07,A61P 35/00 |
李 洪▲分▼ JP 4363852 特許公報(B2) 20090828 2002576987 20011101 抗腫瘍薬 李 洪▲分▼ 503361466 児玉 喜博 100105061 李 洪▲分▼ IL 135325 20010402 20091111 A61K 36/00 20060101AFI20091022BHJP A61K 36/18 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/71 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/73 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/48 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/75 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/25 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/23 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/53 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/28 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/899 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/896 20060101ALI20091022BHJP A61K 36/07 20060101ALI20091022BHJP A61P 35/00 20060101ALI20091022BHJP JPA61K35/78 AA61K35/78 CA61K35/78 FA61K35/78 HA61K35/78 JA61K35/78 KA61K35/78 MA61K35/78 NA61K35/78 QA61K35/78 TA61K35/78 UA61K35/78 VA61K35/78 WA61K35/84 AA61P35/00 A61K 36/07 A61K 36/18 A61K 36/23 A61K 36/25 A61K 36/28 A61K 36/48 A61K 36/53 A61K 36/71 A61K 36/73 A61K 36/75 A61K 36/896 A61K 36/899 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特公平05−008174(JP,B2) 特開平02−049730(JP,A) 特開平05−505176(JP,A) 特開平02−255622(JP,A) 特開平02−188530(JP,A) 特開平03−093725(JP,A) 中国特許出願公開第1091960(CN,A) 特開平08−337535(JP,A) 佐藤昭彦,生薬類の抗腫よう性に関する研究 第1報 各種生薬水抽出エキスの短期抗腫ようスクリ-ニングテストにおける有効性について その1,薬学雑誌,1989年,Vol.109,No.6,Page.407-423 佐藤昭彦,生薬類の抗腫よう性に関する研究 (第2報) 各種生薬水抽出エキスの短期抗腫ようスクリ-ニングテストにおける有効性について その2,薬学雑誌,1990年,Vol.110,No.2,Page.144-154 佐藤昭彦,生薬類の抗腫よう性に関する研究 (第24報) 生薬と化学抗癌剤の作用機構の相違について ,和漢医薬学会誌 ,1989年,Vol.6,No.3,Page.556-557 Kiyomi Tada et al,Limonoids from fruit of Melia toosendan and their cytotoxic activity ,Phytochemistry,Vol.51,No.6 ,pp.787-791 戸張雅晴 他,抗癌中草薬,5'-DFUR,OK-432経口投与が有効であった切除不能胃癌1例,外科診療,1993年,Vol.35,No.4,pp.521-526,p.523,右欄 富永恵隆 他,MMC誘発骨髄抑制マウスモデルにおける漢方薬の併用効果 (第2報) 四君子湯配合生薬の効果,J Tradit Med ,1994年,Vol.11,No.4,Page.322-323 3 CN2001001521 20011101 WO2002078722 20021010 2004537508 20041216 16 20041019 鶴見 秀紀 本発明は抗腫瘍薬で、特に純生薬を調剤して得られた一種の抗腫瘍薬に関するものである。 中国人民共和国衛生部によって1990年に公告された資料に拠ると、癌は中国郊外で最も死亡率の高い病気である。中国大陸では毎年100万人が癌で亡くなり、アメリカでは1分ごとに一人が癌で亡くなっており、また、300万人が癌にかかり、その3分の1が最終的に癌で亡くなっている。現在迄に、100数種の異なった癌患が発見されている。それらに対して手術、放射線、化学が主な療法として用いられた。しかし、よく知られているように、中、末期癌患者の治療は非常に困難である。 多くの患者が手術の適切な機会を逃すことにより、放射性、化学治療をも予想された効果に達成せず、かつ副作用に苦しんでいる。これらの副作用は身体の衰弱、食欲不振、脱毛、造血機能の抑制、肝臓、腎臓、卵巣機能の阻害等を含む。手術後、癌は容易に再発する。なぜなら、手術後10時間の間は癌者の免疫システムが極めて大きく抑制されるからである。その為、治療の効果を高める為そして手術、放射性と化学療法の副作用を減軽するため、新たな治療法を見つけることは、長い間全世界での医療関係者にとって、共通の課題である。漢方は臨床応用において既に3000年以上の歴史を持つ、豊富な臨床経験を有している。各種疾病(腫瘍を含む)の治療中においては、素晴らしい効果を収めて来た。しかも、最近では現代医療手段に中国医学漢方を併用し、喜ばしい成果を挙げている。 生薬を調剤して得られた抗癌薬と生化学方法を用いて植物中から有効な抗癌成分を抽出した漢方が効果を果たしている。しかし、これらの薬は、例えば、免疫機能、又は腫瘍の抑制、微循環の改善などのような一つの側面のみに有効である。 本発明は、中国医学の強身抗病理論及び現代医学の免疫機能の増加、抗焦慮、抗腫瘍、微循環逆転の改善と腫瘍細胞の破壊という理論に基づいて研究して得られた漢方からなる新しい一種の抗癌剤により、試験の結果明らかにされた確かな薬効のものを提供することを目的とする。 上記の目的を達成するための具体的な手段として本発明では、紅参(PANAX GINSING)、茯苓(PORIA COCOS)、白朮(ATRACTYLODES MACROCEPHALA)、当帰(ANGELIC SINENSIS)、黄耆(ASTRAGALUS MEMBRANACEUS)、莪朮(CURCUMA ZEDOARIA)、黄ごん(SCUTELLARIA BAICALENSIS)、黄連(COPTIS CHINENSIS)、黄柏(PHELLODRON CHINENSE)、甘草(GLYCYRRHIZA URALENSIS)、山査子(CRATAEGUS PINATIFIDA)、麦芽(HORDEUM VULGARE)、丹参(SALVIA MILTIORRHIZA)、五味子(SCHISANDRA CHINENSIS)、白花蛇舌草(HEDYOTIS DIFFUSA)、麦門冬(OPHIOPHOGON JAPONICUS)、半辺蓮(LOBELIA CHINESIS LOUR)、半枝蓮(SCUTELLARIA BARBABA)、神麹(MASSA FERMENTATA MEDICALIS)、柴胡(BUPLEURUM SCORZONERIFOLIUM)、半夏(PINELLIA TERNATA)、陳皮(CITRUS RETICULATA)、川れん子(MELIA TOOSENDAN)、白芍(PAEONIA LACTIFLORA)、霊芝(GANODERMA LUCIDUM)及び生姜(乾又は生)(ZINGIBER OFFICINALE)といった生薬から選ばれた一部又は全てを調剤して得られた抗腫瘍薬を提供する。 前記の生薬から構成された以下の具体的な処方が好ましい。 この中で、表1は基本処方であり、表2から6までは加減した処方である。 表5には2(1-30)%の生姜(乾燥或いは生の状態)(ZINGIBER OFFICINALE)を加えても、又は処方中から4.7(1-30)%の黄柏(PHELLODRON CHINENSE)を削除してもよい。 表6には、2(1-30)%の生姜(乾又は生)(ZINGIBER OFFICINALE)を加えても、又は処方中の4.7(1-30)%の黄柏(PHELLODRON CHINENSE)を削除してもよい。 上述の各処方中には、括弧内の数字は前記数字を上下に変動する範囲を示し、例えば、霊芝の6 (1-30%)における(1-30)はこの値6を1〜30の間で変動することを指す。 表中のその他についても同様である。 中国医学では腫瘍の発生が通常外因を奪うことにより、陰陽、気血、経絡と臓腑機能の失調を引き起こすと考えられている。従って、中国医学の治療原則は、体の平衡調節、体の抗病能力の増加及び発病要素の駆除から始めることにある。近年、西洋医学は腫瘍の主な発病の原因は免疫機能の抑制にあると主張している。よって、体の免疫機能の増加、腫瘍細胞を殺すこと及びその抑制は非常に重要な治療方法と言える。NK細胞は体の免疫機能系統に属し、この細胞は伝染病予防の第一防御線を構成すると同時に、腫瘍発生の予防と転移において非常に重要な役割を担っている。 イスラエル・テルアビブ大学の免疫実験室で行われた動物実験の結果は、NK細胞が腫瘍転移過程、癌遺伝子及び固体腫瘍の発生と種植を含む腫瘍発生の各機能を制御することにおいて非常に重要な役割を持っていることを有力に提示している。本発明の抗腫瘍薬は、NK細胞数を増加させること、NK細胞活性を上げること、腫瘍の発生を抑制させること、腫瘍転移を防止させることができる。本発明の抗腫瘍薬に含有する黄ごん、黄連と黄柏は細胞毒性である抗癌薬に属し、紅参は化学予防薬に属している。 抗癌薬の阻害が化学治療で主要な失敗原因となることを示し、この問題を解決するため、多くの実験を行った。その結果、紅参がこの問題の解決をもたらす薬物であることが判明し、更に無毒副作用を持つことが認められた。 一系列のginsenoside Rg3抗腫瘍実験を行った。 薬理実験は (1)抗腫瘍転移と (2)Rg3は皮下移植のB16悪性黒色素癌、LWEIS肺がん、S180肉腫に対する抑制率が50-60%に達したという抗腫瘍の結果を示した。また (3)Rg3を服用すると、接種肺がん細胞と正常な小ラットのNK細胞とIL-2の活性が明らかに高められるという免疫機能の向上を示し、更に (4)Rg3は化学治療の療効の増加、及び毒副作用の減少という結果を示した。 メカニズム研究は、Rg3が腫瘍細胞の繁殖、種植転移を抑制し、そして腫瘍にかかった小ラットの免疫機能を増加させるという結果を証明した。黄耆、丹参などは体の免疫機能の向上という作用を持っている。 莪朮の有効成分は細胞毒性に属する。この成分は、DNAとRNAのたんぱく質の合成過程を抑制ことにより、腫瘍細胞の繁殖を抑制する効力を持つ。また、細胞のある段階DNAとRNAのたんぱく質の合成過程を阻止することにより、腫瘍細胞の繁殖を抑制する効力を有する。更に、この成分には細胞のある段階の呼吸を阻止することにより、細胞の成長を終止させ、又は細胞膜を破壊することにより、細胞の自己分解を引き起こすという効力がある。 黄耆には、化学、放射線と生物治療を結びつけることにより、その治療効果が上がり、その毒副作用が減軽されるという効果がある。人参の多糖部分は網状内腔壁を覆う上皮性組織の系統機能を増加させる。また、人参の多糖部分は有効な腫瘍成分である微量なゲルマニウムを含んでいるので、ゲルマニウムの腫瘍の予防に対する研究には洋々たる前途がある。 本発明がNK細胞の活性とその細胞数を増し、腫瘍の転移を抑制するという結果は臨床実験と一致するため、一層の研究価値があることが考えられ、本発明は腫瘍の予防と治療に対する新たな道を導いてきた。この薬をイスラエルで5年以上応用した結果は、臨床による良い療効を得たことを示している。 中国医学の強身抗病及び現代医学免疫機能増加という理論に基づいて、腫瘍の治療という目的を、抗腫瘍薬で、顕著なる効果があることを実現した。 本発明である抗腫瘍薬の発明者は、これを抗腫瘍1号(Anticancer Number One 以下ACNOを略す)と名付けた。この薬は漢方薬から調剤して得られた新しい抗癌薬である。 処方は、四君子湯(Decoction of Four Noble Drugs)と黄連解毒湯(Antidotal Decoction of coptis)に基づいて、補気血(気及び血を補充する)という機能を持つ薬及び解毒抗腫瘍の生薬を加えて組成したものである。四君子湯は益気健脾作用(気を補充し脾を強化する作用)を持ち、処方中の人参がその中心的成分であり、味が甘く、性は温、大補元気(根源の気を活性化する)、健脾益胃(脾を強化し胃の働きを助ける)作用を持つ。また白朮は最も効能の有る生薬として存在し、味は苦く、性は温で、健脾燥湿(脾を強化し湿気を除去する)作用を持つ。茯苓は補助的役割を持つ生薬として存在し、味は甘く風味がなく、性は平、滲湿健脾作用を持つ。茯苓と白朮とを配合すると、健脾除湿作用は更に増加され、この効き目が促進される。更に甘草を加えると、甘草の味が甘、性が温で、中和作用がある。 全処方を配合すると、益気健脾という効能を果たしている。黄連解毒湯においては、黄連は瀉心火の中心的成分として存在し、兼瀉中焦の火という(心及び中焦の病的な火を排除する)作用を持つ。黄ごんは瀉肺熱(肺の熱を排除する)、瀉上焦の火(上焦の火を排除する)という役目を果たす。黄柏は補助的役割を持つ生薬として存在し、瀉下焦の火(下焦の病的な火を排除する)、瀉三焦の火(三焦の病的な火を除去する)、導熱下行(利尿を誘発する)という作用を持つ。 処方中の人参、黄耆、白朮、甘草は味が甘く、性が温、補脾益気(脾を強化し気を活性化する)作用がある。当帰は味が甘く、性が温、養肝(肝の働きを助ける)、補血行血(血を活性化する)作用がある。莪朮は行気(気の停滞を軽減する)、止痛(痛みを緩和する)、通経(血の循環を活発にする)作用を持つ。丹参には活血去才(うっ血を排除する)、涼血(血から熱を取り除く)、養血安神(血に滋養を与えることにより神経症的な兆候のある精神を安定させる)作用がある。五味子には精神安定作用が、麦門冬には養陰生津(体液の生成を促進する)、清心除躁(熱火を消して、苛立ちを除去する)作用があり、人参を配合して、腫瘍化学治療後に、熱傷気陰(熱による気及び陰の傷害)、心悸脈虚(動悸、及び脈拍不全)という症状に対して用いられる。白花蛇舌草、半枝蓮、半辺蓮は黄連解毒湯と共に、清熱解毒(熱を除去し解毒)、抗腫瘍(腫瘍に対抗)の効能を果たす。山査子、麦芽、神麹には健脾開胃、防益気補血、滋膩滞気作用があり、脾胃の運動機能を妨害することがある。全処方を配合すると、滋補(活性化)、不滞(停滞でなく)、瀉(排除)、不虚(衰弱でない)作用があり、身体の免疫機能を増加するとともに腫瘍を抑制して破壊する。 このように、本発明である処方は、中国医学強身抗病理論及び現代医学の免疫機能の増加、抗焦慮、抗腫瘍、微循環逆転の改善と腫瘍細胞の破壊という理論に基づいて研究して得られたものである。本発明者は、当該ACNOを中国で15年間、イスラエルで5年以上応用し、数千人の患者を治療し、臨床で良い薬効を得た。西洋医学の腫瘍治療のみを強調することと異なり、ACNOは発病の病因を探求し、精神と身体の両面を治療している。 このような治療方法は、容易、有効、安全でかつ副作用が無い。老後、体質が弱い患者に適し、手術、放射線、化学治療を適応せず、また西洋医学治療を好まない患者に適している。臨床によると、ACNOは腫瘍細胞の抑制或いは腫瘍細胞(病理要素を駆除する)の破壊により、身体の免疫力を増加し、NK細胞活力の増強、抗焦慮及び微循環の改善、腫瘍発生と転移の抑制、身体の他の療法に対する敏感性の増加、毒素による副作用の軽減、身体の抗腫瘍能力の増強、生活質量の改善、腫瘍の発生、転移と再発の予防・減少という効果も認められている。さらに、薬効を証明するため、イスラエル・テルアビブ大学で、動物実験が行われ、ACNOはNK細胞と腫瘍転移に対する影響が調査された。 344号Fisherオスとメスのラットがイスラエルエルサレムのオランダ実験室に実験動物として提供された。ラットは、四つのかごに分けて置かれた。自由に餌を摂取していた。12:12時間照明を与え、実験前にラットは、少なくとも3週間前から場所に慣らし、この期間内に3回体重を量った。全ての実験操作は照明期間内で行われ、参加した全てのラットは同年齢である。 ACNOは中国で調剤され、紅参、白朮、茯苓などを含んでいた。 実験用動物は実験組と対照組に分けられている。実験動物には、一日あたりに0.1、0.5、2g/kg体重のACNO混合と水含有標準粉末ラット飼料(実験飼料)を与えた。対照組には同様量のACNOなし水含有飼料(比較飼料)を与えた。毎日定時にラットを飼育した。ラットの摂食を整えるため、実験3日前、全てのラットは、それぞれにACNOなし水含有飼料を与えた。その後、それぞれに実験飼料と比較飼料を与えた。毎日、ラットは与えられた食料の95%を食べきり、その内の約70%を照明なしの状態で食べた。毎週2回体重を量った。 MADB106腫瘍細胞は乳癌細胞(MADB100)を通して肺まで転移され、特殊な孵化によって得られた。 腫瘍移転の誘発実験では、ラットに軽いエチルエーテル麻酔を行い、尻尾部に腫瘍細胞105MADB106を静脈注射した。同時に、各組のラットの半数には、β-受体興奮剤(b-receptor agonist(Metaproterenol MP))0.8mlを腹部に注射した。接種後、継続して漢方を与えた3週間後、ラットをエチルエーテルで麻酔してから肺臓を切除し、これをBouin solution(72%飽和ピクリン酸溶液、23%フォルムアルデヒド(37%溶液)と5%氷酢酸)に24時間浸し、アルコールで洗い流した。そして、2名の経験豊富な研究員がそれぞれ肺臓まで転移された細胞数の統計をとり、また統計学的処理を行った。 細胞数活性の測定では、投薬2週間後、実験動物にエチルエーテルで麻酔を行い、ミリリットルあたりのNK細胞数と活力(E:T)を測定するため、心臓から血1mlを採取した。 ミリリットルあたりのNK細胞のカウント及びNK細胞活性の測定には、すべてANOVA方法が用いられた。肺腫瘍細胞のカウントについては、T検査及びANOVA検査を用いる統計処理を行った。 ACNOの数に及ぼす影響及びNK細胞の活性の具体的な実験は下記の通りである。 78匹の健康なメスFisherラットで、ラットは年齢が15−18週、体重が250−350グラムである。大きい白ラットは随意に5組に分けられ、その内、3組に高、中及び低ACNOの分量(0.1、0.5、2.0g/kg体重/毎日)を与えた。低薬分量組は14匹、中薬分量組は15匹、高薬分量組は14匹、紅参組は(0.5g紅参/kg体重/毎日)15匹であり、対照組は20匹である(同等量水と混合した食料を与えた)。投薬2週間後、エチルエーテル麻酔下で心臓から血を採取し、ヘパリンを含有する試験管に入れ、遠心分離により単核細胞を収集した。PBSで二回洗い流し、細胞の濃度を0.25×107に調製し、NK細胞数をカウントし、51CR又は125IDURを釈放する分析方法により、YAC-1あるいはMADB106標的細胞でNK細胞活性を測定した。 腫瘍細胞移転の誘発実験を以下のように行った。 89匹の健康で活発なメスFISCHER344ラットは、年齢が7−8週、体重120−170グラムである。メス48匹とオス61匹は随意に2組に分けられた。 実験組は40匹、メスが20匹、オスが20匹である。対照組は49匹、メスが20匹、オスが29匹である。実験組にはACNOの分量2g/kg体重/毎日と水を加えた混合食料を与えた。対照組には同様量の加水混合食料を与えた。投薬3週間後、軽いエチルエーテル麻酔状態下で尻尾部に4×105腫瘍細胞0.5mlを静脈注射し、同時にβ-受体興奮剤(MP)0.8mlを注射した。腫瘍細胞接種3週後、麻酔状態下にラットの肺臓を取出し、Bouinで24時間固定し、アルコールで洗い流し、そして、2名の経験ある研究員がそれぞれ肺臓まで転移された細胞数の統計をとり、統計学的処理を行った。 NK細胞活性の測定実験では、全ての実験動物は、毎日食料の95%を食べきり、実験2週間で動物は毎週平均23.4グラム体重を増やし、各組の体重には顕著なる差異があまり見られなかった。しかし、図1を見ると、各組の違ったE:T比率のパーセントを示しており、NK細胞活性の増加がACNOの分量に依存していることが判った。その内、高薬分量組と対照組は、NK細胞活性(P<0.0001)の増加が比較的顕著であり、その他には、各薬組にある程度NK細胞活性の増加があったものの、顕著なる増加は無かった。この結果は、高薬分量組が低薬分量組より好ましいことを示している。ACNOはミリリットルの血液ごとにNK細胞活性も増加させた。対照組はmean±SD:344.4±34.9であり、高薬分量組はmean± SD:530±79.1であり、中薬分量組はmean±SD:407.7±63.6であり、低薬分量組mean±SD:382.2±53.2であり、紅参組はmean±SD:373±65.1である。該実験の結果、ACNOはNK細胞活性とNK細胞数を大幅に増加することができると判った。 腫瘍細胞の転移実験では、2組のラットは食料の95%を食べきり、オスの体重は平均20.5g/週が増え、メスで平均10 g/週gが増えた。第3組である正常飲食したラットと比べてみると、顕著なる差異がなかった。 細胞転移数については、二名の研究員より統計を取った転移数の平均値の差が0.93しかなく、β-受体興奮剤を注射していない三つ組(乾食料、湿食料、ACNO組)にも顕著なる差異がなかった。一方、β-受体興奮剤を注射した二組の対照組はβ-受体興奮剤を注射していない2組(NS70+14,MP255+32)と比較すると、4〜5.5倍の転移を引き起こすのに対して、ACON組の方はただ2.3倍の転移(ACNO+MP154+18;+MP255+32)、P<0.0006を引き起こした。 実験の結果は、緊張焦慮状態下で腫瘍の転移を明らかに促すことを示し、しかもACNOは緊張状態下で腫瘍の転移を明らかに抑制した。 本発明については、各処方中に用いられた生薬を中国で全て購入することが可能であり、処方に記載された各種生薬及び重量パーセントで計り、細かく砕いて粉末にし、カプセルに入れ、毎カプセル中に0.5gを入れた。 上述した状況は、本発明抗腫瘍薬が癌の治療に対して、臨床による顕著なる効果があることを十分説明している。これは、新規性、創造性、実用性を有し、産業上にも利用できる漢方薬処方である。各組異なったE:T比率のパーセントを示した図である。ACNO(2gram/kg/毎日)とβ-受体興奮剤がMADB106の腫瘍細胞転移数に対する影響を示した図である。 下記の生薬から選ばれた一部分又は全てを調剤して得られた抗腫瘍薬において、 前記の生薬が、紅参(PANAX GINSING)、茯苓(PORIA COCOS)、白朮(ATRACTYLODES MACROCEPHALA)、当帰(ANGELIC SINENSIS)、黄耆(ASTRAGALUS MEMBRANACEUS)、莪朮(CURCUMA ZEDOARIA)、黄ごん(SCUTELLARIA BAICALENSIS)、黄連(COPTIS CHINENSIS)、黄柏(PHELLODRON CHINENSE)、甘草(GLYCYRRHIZA URALENSIS)、山査子(CRATAEGUS PINATIFIDA)、麦芽(HORDEUM VULGARE)、丹参(SALVIA MILTIORRHIZA)、五味子(SCHISANDRA CHINENSIS)、白花蛇舌草(HEDYOTIS DIFFUSA)、麦門冬(OPHIOPHOGON JAPONICUS)、半辺蓮(LOBELIA CHINESIS LOUR)、半枝蓮(SCUTELLARIA BARBABA)、神麹(MASSA FERMENTATA MEDICALIS)、柴胡(BUPLEURUM SCORZONERIFOLIUM)、半夏(PINELLIA TERNATA)、陳皮(CITRUS RETICULATA)、川れん子(MELIA TOOSENDAN)、白芍(PAEONIA LACTIFLORA)、霊芝(GANODERMA LUCIDUM)及び生姜(乾又は生)(ZINGIBER OFFICINALE)とから構成され、 且つこの抗腫瘍薬が、以下の成分、 名称 ラテン種属(species) 重量% (dose in weight) 紅参 PANAX GINSING 1-30 茯苓 PORIA COCOS 1-30 白朮 ATRACTYLODES MACROCEPHALA 1-30 当帰 ANGELIC SINENSIS 1-30 黄耆 ASTRAGALUS MEMBRANACEUS 1-30 莪朮 CURCUMA ZEDOARIA 1-30 黄ごん SCUTELLARIA BAICALENSIS 1-35 黄柏 PHELLODRON CHINENSE 1-30 黄連 COPTIS CHINENSIS 1-30 甘草 GLYCYRRHIZA URALENSIS 1-30 山査子 CRATAEGUS PINATIFIDA 1-30 麦芽 HORDEUM VULGARE 1-30 丹参 SALVIA MILTIORRHIZA 1-30 五味子 SCHISANDRA CHINENSIS 1-30 白花蛇舌草 HEDYOTIS DIFFUSA 1-40 麦門冬 OPHIOPHOGON JAPONICUS 1-30 半辺蓮 LOBELIA CHINESIS LOUR 1-35 半枝蓮 SCUTELLARIA BARBABA 1-35 神麹 MASSA FERMENTATA MEDICALIS 1-30を含むことを特徴とする抗腫瘍薬。 前記抗腫瘍薬が、以下の成分、 名称 ラテン種属(species) 重量% (dose in weight) 紅参 PANAX GINSING 1-15 茯苓 PORIA COCOS 1-10 白朮 ATRACTYLODES MACROCEPHALA 1-10 当帰 ANGELIC SINENSIS 1-10 黄耆 ASTRAGALUS MEMBRANACEUS 1-10 莪朮 CURCUMA ZEDOARIA 1-10 黄ごん SCUTELLARIA BAICALENSIS 1-25 黄柏 PHELLODRON CHINENSE 1-20 黄連 COPTIS CHINENSIS 1-20 甘草 GLYCYRRHIZA URALENSIS 1-15 山査子 CRATAEGUS PINATIFIDA 1-10 麦芽 HORDEUM VULGARE 1-20 丹参 SALVIA MILTIORRHIZA 1-15 五味子 SCHISANDRA CHINENSIS 1-15 白花蛇舌草 HEDYOTIS DIFFUSA 1-40 麦門冬 OPHIOPHOGON JAPONICUS 1-20 半辺蓮 LOBELIA CHINESIS LOUR 1-25 半枝蓮 SCUTELLARIA BARBABA 1-25 神麹 MASSA FERMENTATA MEDICALIS 1-20を含むことを特徴とする請求項1記載の抗腫瘍薬。 前記抗腫瘍薬が、以下の成分、 名称 ラテン種属(species) 重量% (dose in weight) 紅参 PANAX GINSING 9.4 茯苓 PORIA COCOS 5.7 白朮 ATRACTYLODES MACROCEPHALA 5.7 当帰 ANGELIC SINENSIS 6.6 黄耆 ASTRAGALUS MEMBRANACEUS 5.7 莪朮 CURCUMA ZEDOARIA 4.7 黄ごん SCUTELLARIA BAICALENSIS 5.7 黄柏 PHELLODRON CHINENSE 4.7 黄連 COPTIS CHINENSIS 5.7 甘草 GLYCYRRHIZA URALENSIS 5.7 山査子 CRATAEGUS PINATIFIDA 4.7 麦芽 HORDEUM VULGARE 1.8 丹参 SALVIA MILTIORRHIZA 4.7 五味子 SCHISANDRA CHINENSIS 5.7 白花蛇舌草 HEDYOTIS DIFFUSA 6.6 麦門冬 OPHIOPHOGON JAPONICUS 4.7 半辺蓮 LOBELIA CHINESIS LOUR 4.7 半枝蓮 SCUTELLARIA BARBABA 5.7 神麹 MASSA FERMENTATA MEDICALIS 1.8を含むことを特徴とする請求項2記載の抗腫瘍薬。