タイトル: | 特許公報(B2)_注射用油中水型乳剤 |
出願番号: | 2002567267 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | A61K 39/00,A61K 9/10,A61K 47/14,A61K 47/34,A61K 47/44 |
ヤンセン,テオドルス スハインス,フイルヒル・エリザベト・ヨセフ・カスパール ヘルムケンス,エリツク JP 4057423 特許公報(B2) 20071221 2002567267 20020226 注射用油中水型乳剤 インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー 506196247 川口 義雄 100062007 小野 誠 100114188 渡邉 千尋 100140523 金山 賢教 100119253 大崎 勝真 100103920 坪倉 道明 100124855 ヤンセン,テオドルス スハインス,フイルヒル・エリザベト・ヨセフ・カスパール ヘルムケンス,エリツク EP 01200745.6 20010228 20080305 A61K 39/00 20060101AFI20080214BHJP A61K 9/10 20060101ALI20080214BHJP A61K 47/14 20060101ALI20080214BHJP A61K 47/34 20060101ALI20080214BHJP A61K 47/44 20060101ALI20080214BHJP JPA61K39/00 GA61K9/10A61K47/14A61K47/34A61K47/44 A61K 39/00-39/39 A61K 9/00- 9/10 A61K 47/00-47/48 BIOSIS(STN) CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) 特開平11−209232(JP,A) 国際公開第00/33806(WO,A1) COX, J.C., et al.,Vaccine,15(3),pp.248-256 (1997) GUPTA, R.K., et al.,Vaccine,13(14),pp.1263-1276 (1995) 11 EP2002002145 20020226 WO2002067899 20020906 2004523551 20040805 13 20040901 荒木 英則 本発明は、油中水型乳剤を含むアジュバント、これらの乳剤を調製する方法、および前記アジュバントを含むワクチンに関する。 油中水(w/o)型乳剤は、連続油相および前記油相中に小滴として分散されている水相(不連続相)、ならびに一つ以上の界面活性剤および乳化剤から成る二相系である。w/o型乳剤は、医薬品、化粧品および食品ならびに飲料業界において広く利用されている。医薬品において、w/o型乳剤は、治療薬、特に、水溶性または水感受性有効成分の場合の治療薬のビヒクルとして、医薬調合に一般に用いられる。ワクチン接種では、一つ以上の感染因子から誘導された標的抗原に対する免疫応答を刺激するために、w/o型乳剤がアジュバントとして一般にが用いられる。最も古いw/o型乳剤の一つは、鉱物油中のマイコバクテリアおよび界面活性剤としてのArlacel A(登録商標)を含有するフロイント完全アジュバント(FCA)、またはマイコバクテリアを欠くフロイント不完全アジュバントである。鉱物油または代謝性油の他のw/o型乳剤も開発されており、ワクチン接種におけるアジュバントとして恒常的に用いられている。 w/o型乳剤は、一般に注射によって適用される。注射可能であるためには、組成物は、実質的に流動性でなければならない。しかし、w/o型乳剤は、多くの場合、比較的粘稠であり、このことは、これらの乳剤の注射を非常に難しくする。特に、代謝性油のw/o型乳剤に関しては、粘度が問題である。 w/o型乳剤において、一般に、粘度は、連続相、すなわち油相の粘度に依存する。 異なる油、鉱物油と非鉱物(代謝性)油の両方、をアジュバントに用いることができる。しかし、油をベースにしたアジュバントは、非油性ワクチンと比較してワクチンの免疫活性を上昇させるが、特に鉱物油が用いられる際、ワクチンの注射部位において局所反応を引き起こすことがある。これは、ワクチン接種を受ける生体が鉱物油を代謝できず、鉱物油が注射部位近くに留まる傾向があることから引き起こされることがある。 注射部位における局所反応の問題を考慮して、鉱物油の代わりに非鉱物(代謝性)油を用いることが望ましい。しかし、非鉱物油より鉱物油を用いた時のほうが、アジュバントの免疫活性は、高いままである。好ましくは、代謝性油に基づいたアジュバントの免疫活性は、鉱物油に基づいたアジュバントについての免疫活性と同程度に高くあるべきであり、同時に、局所耐性の問題は、事実上ない。 さらに、非鉱物油をベースにしたw/o型乳剤に基づいたアジュバントは、安定でなければならず、且つ、許容可能な貯蔵寿命を有していなければならない。 しかし、代謝性油、ならびに特に(半)合成油および植物油は、室温で粘稠であり、w/o型乳剤におけるそれらの使用は、個々の油のものと同様の乳剤粘度を導く。しかし、含油率を低下させる(および結果として含水率が上昇する)と、多くの場合、注射がもはや可能でないほど乳剤粘度が上昇する。粘度に対する影響に加えて、w/o型乳剤の含油率の変化は、乳剤の安定性に影響を及ぼす。含油率を低下させると、結果として界面領域が拡大する。乳化剤の量(界面領域のサイズに依存する)が不足し、乳剤が壊れることになる。 界面領域のサイズは、分散相の小滴のサイズにも依存する。小滴サイズが低下すると、結果として界面領域が拡大する。機械的手段を用いて分散相の小滴サイズを低下または上昇させることができる。高剪断加工装置と比較して、低剪断加工は、結果として小滴サイズを上昇させ、従って、界面領域を低下させる。 これらの制限は、特に代謝性油に基づく時、安定で流動性のw/o型乳剤を得ることが難しくなる。従って、安定な、同時に流動性であるw/o型乳剤を得るために、他の方法および/または手段を見出す必要がある。 本発明は、代謝性油を用る時でさえ注射に非常に適する安定なw/o型乳剤に基づいたアジュバントであって、良好なアジュバント活性を有するアジュバントを提供することを目的とする。 驚くべきことに、ある特定の乳化剤を用いると、w/o型乳剤を安定にすることができ、且つ、非鉱物代謝性油に基づく時でさえ卓越したアジュバント活性を提供することできることが判明した。本乳剤は、非常に低粘度であり、従って、注射に適する。 従って、本発明は、油中水型乳剤を含み、前記油中水型乳剤が、一般式A−COO−B−OOC−A(式中、成分Bは、水溶性ポリアルキレングリコールの二価残基であり、成分Aは、油溶性複合モノカルボン酸の残基である)を有するブロックコポリマーであるポリマー乳化剤を含むことを特徴とする、ワクチンの調合に使用するためのアジュバントを提供する。こうしたポリマー乳化剤ならびにそれらの調製は、英国特許第2002400号および国際公開公報第9607689号に開示されており、これらの内容は、参照として本明細書に取り入れる。英国特許第2002400号に開示されているような乳化剤は、Aが、少なくとも500の分子量を有し、油溶性複合モノカルボン酸、すなわち脂肪酸の残基である乳化剤である。これらの複合ものカルボン酸は、下記一般式:(式中、 Rは、水素または一価炭化水素または置換炭化水素基であり; R1は、水素または一価C1〜C24炭化水素基であり; R2は、二価C1〜C24炭化水素基であり; nは、0または1であり; pは、0から200の整数である。)によって表すことができる。式1の各括弧単位は、すべて同じであってもよいし、R1、R2およびnについて異なってもよい。量pは、前記複合酸のすべての分子について同じ一つの値を通常は有するが、高分子材料に一般的であるように、上記範囲内に存する平均値付近に統計学上分布する。ポリマー成分Bは、少なくとも500の分子量を有し、且つ、下記一般式:(式中、 R3は、水素またはC1〜C3アルキル基であり; qは、10から500までの整数である。)を有する水溶性ポリアルキレングリコールの二価残基である。式IIにおける繰り返し単位は、また、すべて同じであってもよいし、R3が異なっていてもよく、量qは、平均値付近で変化しうる。 炭化水素R、R1およびR2は、直鎖であってもよいし、または分枝鎖であってもよい。 好ましくは、式A−COO−B−OOC−Aのブロックコポリマーにおいて、成分Bは、ポリエチレングリコールから誘導され、成分Aは、ステアリン酸、例えば、ポリヒドロキシステアリン酸、好ましくは、ポリ(12−ヒドロキシ−ステアリン酸)から誘導される。 従って、Rは、ステアリン酸から誘導された直鎖C17H35−基でありうり、R1およびR2を含む単位は、12−ヒドロキシ−ステアリン酸から誘導されうる。 この場合、pは、好ましくは、少なくとも2の値を有する。 好ましくは、qは、20と60の間、さらに好ましくは23より上の値を有しうる。 併せた成分Aの成分Bに対する重量比は、幅広く変化しうり、典型的には、9:1から1:9の範囲に存する。 本発明のアジュバントに用いられる最も好ましい乳化剤は、Arlacel P135、PEG 30ジポリヒドロキシステアレートである。本発明に伴い用いるためのもう一つの似たような乳化剤は、ATLOX(登録商標)4912である。Arlacel P135およびATLOX(登録商標)4912は、両方とも、ICIから市販されている分子量約5000のポリエチレングリコールとポリヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー(A−B−A)である。 これらの重合ブロックコポリマーは、多種多様な油と相溶性であり、従って、注射による適用を確実なものにするために必要な安定性および流動性を有する、さらにずっと広い範囲のw/o型乳剤をもたら、且つ、ワクチン接種を受ける被験者に非常によく許容されることが判明した。さらに、これらのABA型ブロックコポリマーの使用は、保管中、優れた安定性を有するw/o型乳剤を導き、従って、前記乳剤の貯蔵寿命を向上させる。得られたw/o型乳剤は、低温、特に25℃で安定であり、流動性であった。 最も重要なことは、上述のABAブロックコポリマー型乳化剤の使用に基づく本発明のアジュバントは、驚くべきことに、ワクチンに用いた時、卓越した免疫促進(アジュバント)活性を有し、同時に、注射部位において局所反応を誘導しなかったことである。 本発明のw/o型乳剤は、0.001%(w/w)から15%(w/w)、好ましくは0.05%(w/w)から10%(w/w)、さらに好ましくは0.1%(w/w)から3%(w/w)、最も好ましくは0.3%(w/w)から0.5%(w/w)の本発明のポリマー乳化剤を含むことができる。最も好ましい実施態様において、本発明のw/o型乳剤は、0.5%(w/w)の本発明のポリマー乳化剤を含む。必要な場合には、本発明のw/o型乳剤に、本発明のポリマー乳化剤に加えて他の乳化剤を用いることもできる。 本発明のw/o型乳剤は、30重量%から90重量%、好ましくは35重量%から60重量%、さらに好ましくは40重量%から60重量%の油を含むことができる。 本発明のw/o型乳剤における使用に適する油は、非代謝性油、代謝性油、および代謝性油と非代謝性油の混合物である。本発明のアジュバントに用いることができる非代謝性油には、鉱物油およびパラフィン油が挙げられるが、それらに限定されない。 本発明の代謝性油には、植物油、動物油、天然炭化水素、代謝性合成または半合成油(MigliolおよびCetiol)、プロピレングリコールの脂肪酸エステルおよびオレイン酸オレイルなどのC6〜C24脂肪酸の脂肪酸エステル、カプリン酸またはカプリル酸のジエステル、ならびにこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。適する植物油は、ラッカセイ油、ダイズ油、ヒマワリ油およびこれらに類するものである。適する動物油は、スクアランおよびスクアレンならびにこれらに類するものである。 非代謝性油(鉱物油)は、注射部位おいて局所反応をもたらす傾向があるので、好ましくは、油相は、代謝性油または代謝性油の混合物である。好ましい油は、MigliolおよびCetiolなどの半合成油、およびオレイン酸オレイル、オレイン酸エステルのエステル類、好ましくはオレイン酸エチルである。 本発明のアジュバントを用いると、低粘度を達成することができ、乳剤が安定であり、同時に、良好なアジュバント活性が得られ、注射部位において局所反応が発生しない。 本発明のアジュバントは、60r.p.mで30秒間、スピンドルタイプ62番を用いてブルックフィールド DV−I+粘度計で試験した時、450mPa.s未満、好ましくは250mPa.s未満、さらに好ましくは100mPa.s未満の粘度を有するw/o型乳剤を好ましくは含む。 本発明のw/o型乳剤の水相は、水、生理食塩水、またはリン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液から通常は成る。 本発明のアジュバントは、ワクチンに用いることができる。ワクチンは、感染因子の抗原性物質を通常含むであろう。前記アジュバントを含むワクチン、および感染因子から誘導された抗原性成分は、同様に本発明の一部である。本発明のワクチンは、乳剤の不連続水相中に抗原性成分を含むことができる。 ワクチンに用いるためのアジュバントの調製において、一般式A−COO−B−OOC−A(式中、Bは、水溶性ポリアルキレングリコールの二価残基であり、Aは、油溶性複合モノカルボン酸の残基である)を有するブロックコポリマーであるポリマー乳化剤を用いること、およびワクチンにこれらの乳化剤を用いることは、同様に、本発明の一部である。 ワクチン接種によって免疫系を作動させ、その結果、感染要因に対する防御免疫応答を生じる。ワクチンは、抗原性成分として、生きている弱毒化した微生物に基づいたものであってもよいし、または殺した(不活化した)微生物に基づいたものであってもよいし、ならびに微生物のサブユニットに基づいたものであってもよい。特に、不活化ワクチンまたはサブユニットワクチンの場合、アジュバントを用いて免疫応答を増大することができる。 抗原性物質をアジュバントと混合してもよい。このワクチンでは、抗原性物質は、添加すると、アジュバントの不連続水相中に存在するだろう。本発明のアジュバントに基づいたワクチン製剤は、この技術分野において既知の方法によって調製することができる。 本発明のアジュバントに用いるためのw/o型乳剤を用いて、外側の水相中の上述のw/o型乳剤の小滴に基づいた水中油中水(w/o/w)型乳剤を調製することができる。本発明のw/o型およびw/o/w型乳剤は、ワクチン、特に、獣医学用ワクチンにおけるアジュバントとしての使用に適する。さらに、本発明のw/o型乳剤は、治療薬、特に、水不溶性または水感受性有効成分、および栄養補助物質のためのビヒクルとしての使用に適する。従って、さらなる側面において、本発明は、本発明のw/o型またはw/o/w型乳剤に基づいた医薬組成物を規定する。 本発明の乳剤は、標準的な技法を用いて調製することができる。一般に、水相、油相、本発明のポリマー乳化剤および場合によっては他の乳化剤を一緒にして、所望の低い粘度を有する安定な乳剤が得られるまで乳化する。乳剤を調製する時、油性相と水性相の間に界面を形成するためにエネルギーを費やさなければならない。従って、乳化装置には、多種多様なアジテーター、ホモジナイザー、コロイドミル、ジェットミキサーおよび超音波装置が含まれる。生産サイズのアジテーターは、通常2000r.p.m.以下の回転速度を有するプロペラ形またはパドル形攪拌システムでありうり、これらは、低剪断混合手法と考えられる。もう一つのタイプの生産現場用アジテーターは、コロイドミルである。コロイドミルの操作原理は、ステーターと2000rpmから18000rpmの速度で回転する高速ローターとの間に乳剤処方の混合相を通過させることあり、これは、高剪断混合手法と考えられる。 油中水型乳剤は、内側および外側の水相が油相によって分離されている水中油中水型乳剤(「複乳剤」とも呼ばれる)に加工することができる。この方法は、適正な乳化剤を含有する水相に油中水型乳剤を混入することから成る。これらの系では、疎水性乳化剤と親水性乳化剤の両方を用いて、複乳剤を安定させる。 好ましくは、本発明のポリマー乳化剤を油相に溶解する。追加の乳化剤は、水相に添合してもよいし、または油相に添合してもよい。 w/o/w型乳剤の場合、本発明のw/o型乳剤を第一w/o型乳剤として調製し、その後、これを第二水相および第二乳化剤に添加し、均質化して、所望のw/o/w型乳剤を得る。w/o/w型乳剤を作るために必要な第二乳化剤は、好ましくは、10から18のHLBを有する乳化剤であるか、または所望のHLBが得られるように二つ以上の乳化剤を組み合わせたものである。医薬用乳剤の製造に関する詳細は、例えば、「工業薬学の理論および実践(The Theroy And Practice Of Industrial Pharmacy)」(Eds:Lachman L.ら,Lea & Febiger,Philadelphia,米国,1970,第16章)、および「レミングトンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」(Eds:Gennaro,A.R.,Mack Publishing Company,Easton,米国,1990,第18版)において見出すことができる。 本発明のワクチンは、好ましくは、腸管外投与、例えば、筋肉内投与、皮下投与または静脈内投与される。しかし、必要な場合には、本ワクチンは、非腸管外投与、例えば、経口投与、スプレー、点眼剤または点鼻剤投与も可能である。本発明のアジュバントおよび/またはワクチンに用いられる乳剤の低い粘度は、腸管外投与に極めて適する。 以下の実施例は、本発明を単に説明するためのものであり、特定の実施態様に本発明を制限するためのものではない。 実施例 感染性気管支炎ウイルス(Bronchitis virus)、マサチューセッツ株およびニューカッスル病ウイルス、クローン30株の不活化抗原を含有する油中水型乳剤を50/50%(w/w)の水/油比で製造する。抗原に加えて、水相は、0.01mのPBSを含有する。有機相は、乳化剤として、中鎖トリグリセリド(Miglyol 840)および3%(w/w)のPEG−30 ジポリヒドロキシステアレート(Arlacel P135)を含有する。攪拌しながら、60℃で、Arlacel P135をMiglyol 840に溶解する。溶解したら、この油相を室温に冷ます。Ultra Turraxタイプのホモジナイザーを用い、高剪断均質化状態で、ゆっくりと水相をこの油相に添加する。得られた水滴は、主として1μmのサイズを有する。この乳剤の粘度は、25℃で115mPa.sであり、3週間、37℃での保管に基づく安定性加速試験において充分な安定性を示した。 感染性気管支炎ウイルス、マサチューセッツ株およびニューカッスル病ウイルス、クローン30株の不活化抗原を含有する油中水型乳剤を70/30%(w/w)の水/油比で製造する。抗原に加えて、水相は、0.01mのPBSを含有する。有機相は、乳化剤として、中鎖トリグリセリド(Miglyol 840)および3%(w/w)ののPEG−30 ジポリヒドロキシステアレート(Arlacel P135)を含有する。攪拌しながら、60℃で、Arlacel P135をMiglyol 840に溶解する。溶解したら、この油相を室温に冷ます。IKA Eurostarミキサーを用い、1100r.p.m.で攪拌しながら、ゆっくりと水相をこの油相に添加する。得られた水滴は、主として1μmと5μmの間のサイズを有する。この乳剤の粘度は、25℃で424mPa.sであり、3週間、37℃での保管に基づく安定性加速試験において充分な安定性を示した。このワクチン0.5mLで、一度、ワクチン筋肉内接種を施した週齢3週のSPF雌ニワトリは、ワクチン接種の9週間後、7.0の平均2log HI−IBV血清力価、および4.4の平均2log HI−NDV血清力価を示した。 PEG−30 ジポリヒドロキシステアレート(Arlacel P135)およびSynperonic F127を乳化剤として用いて、水中油中水型乳剤を調製する。第一油中水型乳剤は、60/40%(w/w)の水/油比に基づく。水相は、感染性気管支炎ウイルス、マサチューセッツ株およびニューカッスル病ウイルス、クローン30株の不活化抗原を含有する。抗原に加えて、水相は、0.01mのPBSを含有する。有機相は、乳化剤として、中鎖トリグリセリド(Miglyol 840)および3%(w/w)ののArlacel P135を含有する。Arlacel P135は、攪拌しながら、60℃で、Miglyol 840に溶解する。溶解したら、この油相を室温に冷ます。Ultra Turraxタイプのホモジナイザーを用い、高剪断均質化状態で、ゆっくりと水相をこの油相に添加する。得られた水滴は、主として1μmと5μmの間のサイズを有する。第二乳剤は、60/40%(w/w)の油中水/水に基づく。外部の水相は、0.01mのPBSに加え、3%(w/w)のSynperonic F127も含有する。Ultra Turraxタイプのホモジナイザーを用い、中剪断均質化状態(16.000r.p.m.)で、ゆっくりと油中水型乳剤をこの水相に添加する。得られた油中水小滴は、主として1μmと5μmの間のサイズを有する。このW/O/W型乳剤の粘度は、25℃で110mPa.sであり、2℃から8℃で少なくとも6ヶ月間、安定性を示した。 感染性気管支炎ウイルス、マサチューセッツ株およびニューカッスル病ウイルス、クローン30株の不活化抗原を含有する油中水型乳剤を40/60%(w/w)の水/油比で製造する。抗原に加えて、水相は、0.01mのPBSを含有する。有機相は、乳化剤として、オレイン酸エチルおよび0.1%(w/w)ののPEG−30 ジポリヒドロキシステアレート(Arlacel P135)を含有する。攪拌しながら、60℃でArlacel P135を溶解する。溶解したら、この油相を室温に冷ます。IKA Eurostarミキサーを用い、1300r.p.m.で攪拌しながら、水相をこの油相に混入する。得られた水滴は、主として1μmと5μmの間のサイズを有する。この乳剤の粘度は、25℃で25mPa.sであり、3週間、37℃での保管に基づく安定性加速試験において充分な安定性を示した。 低量のArlacel P135を含有する油中水型乳剤 油中水型乳剤を60/40%(w/w)の水/油比で製造する。水相は、0.01mの等張リン酸緩衝液を含有する。有機相は、乳化剤として、中鎖トリグリセリド(Miglyol 840)および0.5%(w/w)のPEG−30 ジポリヒドロキシステアレート(Arlacel P135)を含有する。攪拌しながら、60℃で、Arlacel P135をMiglyol 840に溶解する。溶解したら、この油相を室温に冷ます。IKA Eurostarミキサーを用い、5分間、1100r.p.m.で攪拌しながら、水相をこの油相に添加する。得られた水滴は、主として1μmと5μmの間のサイズを有する。この乳剤の粘度は、25℃で127mPa.sであり、3週間、37℃での保管に基づく安定性加速試験において充分な安定性を示した。 感染性気管支炎ウイルス、マサチューセッツ株およびニューカッスル病ウイルス、クローン30株の不活化抗原を含有する油中水型乳剤を40/60%(w/w)の水/油比で製造する。抗原に加えて、水相は、0.01mのPBSを含有する。有機相は、乳化剤として、プロピレングリコールジカプリルカプリレートおよび0.1%(w/w)ののPEG−30 ジポリヒドロキシステアレート(Arlacel P135)を含有する。攪拌しながら、60℃で、Arlacel P135をプロピレングリコールジカプリルカプリレートに溶解する。溶解したら、この油相を室温に冷ます。IKA Eurostarミキサーを用い、5分間、1300r.p.m.で攪拌しながら、水相をこの油相に混入する。得られた水滴は、主として1μmと5μmの間のサイズを有する。この乳剤の粘度は、25℃で35mPa.sであり、3週間、37℃での保管に基づく安定性加速試験において充分な安定性を示した。 油のタイプのバリエーション 試験した油のタイプは、鉱物油(米国、ExxonからのMarcol 52)、Eutanol G(ドイツ、Henkelからの脂肪アルコール)、Cetiol PGL(ドイツ、Henkelからのヘキシルデカノール/ラウリン酸ヘキシルデシル)およびミリスチル酸イソプロピル(ドイツ、Merck)、Estol 1526(スペイン、Unichemaからの中鎖トリグリセリド)およびオレイン酸エチル(スウェーデン、AKZO−Nobel Chemicals)である。この実施例ならびに後続の実施例8および9で用いるオレイン酸エチルおよびEstol 1526は、7.5%(w/w)のビタミンE酢酸塩を含有していた。(特に指示しない限り)濃度0.25%(w/w)のArlacel P135(英国、ICI)を界面活性剤として用いた。60℃まで加熱しながら、Arlacel P135を油相に混入した。 試験したホルマリン不活化ウイルス鳥類抗原のタイプ:ニューキャッスル病ウイルス(NDV)、クローン30株(卵内で生産したもの)。用いたウイルス懸濁液の合計濃度は、最終ワクチンの8%(w/v)であった。ウイルス懸濁液を含む水相を0.01Mのリン酸緩衝液、pH=7.2で希釈した。 乳剤の調製 二つのタイプの調製物を試験した。低剪断乳剤については、プロペラ羽根を具備するEurostarミキサー(ドイツ、IKA)を用い、1100r.p.m.から1300r.p.m.で油相への水相の混合物を行った。高剪断乳剤については、Ultra Turrax Type T25(ドイツ、IKA)を用い、20.000r.p.m.での高剪断力で混合を行った。試験した水/油比のバリエーションは、60/40および30/70(単位はすべて%(w/w))であった。乳剤の小滴サイズは、1000倍で干渉顕微鏡(日本、オリンパス光学工業株式会社、モデルBX50)を用いて判定した。低剪断条件下で調製した乳剤の小滴サイズは、主に1μmから5μmであり、一方、高剪断条件下で調製した乳剤は、主に約1μmであった。3週間、37℃で乳剤を保管した後、外観を判定することによって、物理的安定性加速試験を行った。37℃で三週間後、乳剤の破壊を示した試験サンプルはなかった。 動物の免疫化 週齢3週の特定病原体感染防止条件(SPF)雌ニワトリのグループ(n=8〜10)の胸筋に、0.5mLのワクチンでのワクチン筋肉内接種を施した。ワクチン接種の3、6、9および12週間後に、血清検査用の血液サンプルを採取した。NDについてのウイルス血球凝集抑制(HI)試験を行って、抗ウイルス血清抗体力価のレベルを判定した。 NDV特異的抗体の血清レベルを血球凝集抑制アッセイによって判定した。系列二倍血清希釈物をマイクロタイタープレート内で調製し、血球凝集単位8/NDV抗原50μLを含有する等量のものと混合した。血球凝集の完全抑制をもたらす最高希釈度の逆数として力価を表した。サンプルは、希釈度>1:2での血球凝集の抑制で、陽性であると評価した。 結果を以下の表に示す。 結果 水−油比のバリエーション 材料 試験した油のタイプは、オレイン酸エチル(スウェーデン、AKZO−Nobel Chemicals)である。0.5%(w/w)の濃度のArlacel P135(英国、ICI)を界面活性剤として用いた。試験した水/油比のバリエーションは、40/60、50/50、60/40および70/30(単位はすべて%(w/w))であった。 感染性気管支炎ウイルス(IBV)、マサチューセッツ41株(卵内で生産したもの)タイプのホルマリン不活化ウイルス鳥類抗原を試験した。用いたウイルス懸濁液の全濃度は、最終ワクチンの10%(w/v)であった。ウイルス懸濁液を含む水相を0.01Mのリン酸緩衝液、pH=7.2で希釈した。 乳剤の調製:実施例7参照。 動物の免疫化 週齢3週の特定病原体感染防止条件(SPF)雌ニワトリのグループ(n=8〜10)の胸筋に、0.5mLのワクチンでのワクチン筋肉内接種を施した。ワクチン接種の3、6、9および12週間後に、血清検査用の血液サンプルを採取した。IBVについてのウイルス血球凝集抑制(HI)試験を行って、抗ウイルス血清抗体力価のレベルを判定した。 血清抗体についてのアッセイ IBV特異的抗体の血清レベルを血球凝集抑制アッセイによって判定した。系列二倍血清希釈物をマイクロタイタープレート内で調製し、血球凝集単位8/IBV抗原50μLを含有する等量のものと混合した。血球凝集の完全抑制をもたらす最高希釈度の逆数として力価を表した。サンプルは、希釈度>1:16での血球凝集の抑制で、陽性であると評価した。 結果 界面活性剤の量のバリエーション 材料 試験した油のタイプは、オレイン酸エチル(スウェーデン、AKZO−Nobel Chemicals)である。試験した水/油比は、40/60%(w/w)であった。Arlacel P135(英国、ICI)を界面活性剤として用いた。試験したArlacel P135の量は、0.1%、0.2%、0.5%、1.0%、2.5%、5%、10%(単位はすべて%(w/w))であった。試験したウイルス鳥類抗原のタイプは、ニューカッスル病ウイルス、d−12株(弱毒化したもの)であった。用いたウイルス懸濁液の合計濃度は、最終ワクチンの10%(w/v)であった。ウイルス懸濁液を含む水性相を0.01Mのリン酸緩衝液、pH=7.2で希釈した。 乳剤の調製 攪拌しながら、60℃で、Arlacel P135をオレイン酸エチルに溶解する。溶解したら、この油相を室温に冷ます。プロペラ羽根を具備するEurostarミキサー(ドイツ、IKA)を用い、1100r.p.m.から1300r.p.m.で、油相への水相の混入を行った。乳剤の小滴サイズは、1000x倍で干渉顕微鏡(日本、オリンパス光学工業株式会社、モデルBX50)を用いて判定した。小滴サイズは、主に1μmから5μmであった。 結果 これらの乳剤を卵内(in−ovo)ワクチン接種に用いた。すべての乳剤が、許容可能な注射可能性を示した。孵化率試験の結果も許容可能であった(80%と95%の間)。 油中水型乳剤を含み、前記油中水型乳剤が、一般式A−COO−B−OOC−A(式中、成分Bは、水溶性ポリアルキレングリコールの二価残基であり、成分Aは、油溶性複合モノカルボン酸の残基である)を有するブロックコポリマーであるポリマー乳化剤を含むことを特徴とする、ワクチンの調合に使用するためのアジュバント。 成分Aが、少なくとも500の分子量を有し、成分Bが、少なくとも500の分子量を有することを特徴とする、請求項1に記載のアジュバント。 成分Bが、ポリエチレングリコールから誘導され、成分Aが、ポリヒドロキシステアリン酸、好ましくはポリ(12−ヒドロキシ−ステアリン酸)から誘導されることを特徴とする、請求項1または2に記載のアジュバント。 乳剤が、0.01%(w/w)から15%(w/w)のポリマー乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のアジュバント。 乳剤が、0.3%(w/w)から0.5%(w/w)のポリマー乳化剤を含むことを特徴とする、請求項4に記載のアジュバント。 油が、代謝性油であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のアジュバント。 油が、半合成油、またはオレイン酸オレイルであることを特徴とする、請求項6に記載のアジュバント。 水中油中水(w/o/w)型乳剤を含み、前記水中油中水(w/o/w)型乳剤が、一般式A−COO−B−OOC−A(式中、成分Bは、水溶性ポリアルキレングリコールの二価残基であり、成分Aは、油溶性複合モノカルボン酸の残基である)を有するブロックコポリマーであるポリマー乳化剤を含む油中水型乳剤に基づくことを特徴する、ワクチンの調合に使用するためのアジュバント。 請求項1から8のいずれかに記載のアジュバントと感染因子から誘導された抗原性成分とを含むワクチン。 抗原性成分が、乳剤の不連続水相に含まれる、請求項9に記載のワクチン。 アジュバントの調製における、一般式A−COO−B−OOC−A(式中、成分Bが、水溶性ポリアルキレングリコールの二価残基であり、成分Aが、油溶性複合モノカルボン酸の残基である)を有するブロックコポリマーを含むポリマー乳化剤の使用。