タイトル: | 特許公報(B2)_分岐アルコールおよび/または炭化水素の製造方法 |
出願番号: | 2002528636 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07C 1/207,C07C 13/18,C07C 29/141,C07C 29/38,C07C 31/125,C07B 61/00 |
ザビネ・ボート アルブレヒト・シュヴェリン エリッヒ・ロイター ゲオルク・フィーク ユルゲン・ファルコヴスキ JP 5175418 特許公報(B2) 20130111 2002528636 20010911 分岐アルコールおよび/または炭化水素の製造方法 コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 505066718 Cognis IP Management GmbH 田中 光雄 100081422 山田 卓二 100101454 森住 憲一 100104592 柴田 康夫 100083356 梶田 真理奈 100162710 ザビネ・ボート アルブレヒト・シュヴェリン エリッヒ・ロイター ゲオルク・フィーク ユルゲン・ファルコヴスキ DE 100 46 434.3 20000920 20130403 C07C 1/207 20060101AFI20130314BHJP C07C 13/18 20060101ALI20130314BHJP C07C 29/141 20060101ALI20130314BHJP C07C 29/38 20060101ALI20130314BHJP C07C 31/125 20060101ALI20130314BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130314BHJP JPC07C1/207C07C13/18C07C29/141C07C29/38C07C31/125C07B61/00 300 C07C 29/141 C07C 29/38 C07C 31/125 C07C 45/74 米国特許第02088015(US,A) 米国特許第02088016(US,A) 米国特許第02088018(US,A) 米国特許第02921089(US,A) 英国特許第00731917(GB,B) 特開昭58−041826(JP,A) 特公昭43−011204(JP,B1) 特開昭60−072840(JP,A) 特開平02−286638(JP,A) 特開平04−036251(JP,A) 特表平11−509277(JP,A) 社団法人 日本化学会編,実験化学講座 21−アルデヒド・ケトン−,1991年 2月 5日,第4版,p.124−133 5 EP2001010476 20010911 WO2002024621 20020328 2004523472 20040805 5 20080910 杉江 渉 【0001】(技術分野)本発明は、広くは化粧品用の油成分に関するものであり、より具体的には、縮合反応のための重金属触媒を必要とせず、かつ、改善された選択性と比較的高い反応速度とを併せ持つ、例えばゲルベアルコールおよびジアルキルシクロヘキサンの製造のための改良法に関する。【0002】(背景技術)ゲルベアルコールは、直鎖脂肪アルコールの縮合により得られる2位で分岐した第1級アルコールである。この生成物は、化粧品エマルジョン製造用の油成分として主に用いられる。通常、これらは脂肪アルコールから製造され、初めに該アルコールを、強塩基および重金属化合物(例えば、銅または亜鉛酸化物)の影響下に自己縮合させる。この反応条件下に、初めにアルコールがアルデヒドに脱水素化され、アルデヒドそれ自体がアルドール縮合され、次いでこの縮合生成物がアルコールに水素化されると考えられている。これに関する概説を、例えば、Angew. Chem. 64, 212 (1952)に見ることができる。重金属の存在下での脂肪アルコールとシクロヘキサノールとの2回縮合によって、ジアルキルシクロヘキサンが同様に生成する。【0003】しかし、法的要件を満たすため、ならびに、後の使用において刺激を引き起こさないことを確実にするために、反応後に重金属触媒を除去しなければならないという欠点が存在する。通常、重金属触媒は、洗浄とその後の蒸留によって除去され、この後者はかなりの生成物損失を伴う。別の欠点は、反応時間が非常に長いことおよび選択性が満足しえないことである。【0004】(発明の開示)本発明は、分岐アルコールおよび/または炭化水素の製造方法であって、カルボニル化合物を酸または塩基の存在下に縮合させ、次いで、得られたα,β-不飽和縮合生成物を水素化することからなる方法に関する。【0005】驚くべきことに、縮合反応において重金属触媒を使用することなく、本発明の方法によって分岐アルコールまたは分岐炭化水素を得ることができ、改善された選択性および比較的高い反応速度の両方が得られることが見い出された。【0006】(発明を実施するための最良の形態)カルボニル化合物適当なカルボニル化合物は、特に、アルデヒド、ケトンおよびこれらの混合物である。適当なアルデヒドは、例えば、好ましくは式(I):【化3】[式中、R1は6〜12個、より具体的には8〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基である]で示される脂肪アルデヒドである。その代表例は、ヘキサナール、オクタナール、2-エチルヘキサナール、デカナール、ドデカナールおよびこれらの混合物である。【0007】また、好ましくは式(II):【化4】[式中、R2およびR3は、互いに独立して、直鎖または分岐鎖のC6-12アルキル基である]で示される脂肪ケトンも適する。その代表例は、ジヘキシルケトン、ジオクチルケトン、ジ-2-エチルヘキシルケトン、ジデシルケトンまたはジドセイルケトンである。環式ケトン、好ましくはシクロヘキサノンを使用することもできる。【0008】縮合縮合反応は、既知の方法で行うことができる。即ち、初めにカルボニル化合物を、酸または塩基と共に反応器に入れ、次いで、20〜250℃の温度、好ましくは200〜240℃の温度に加熱する。この反応を、圧力の不存在下で、あるいは、30バールまで、好ましくは5バールまでの圧力下で行うことができる。適当な触媒は、特にアルカリ金属塩基、例えば水酸化アルカリ金属または炭酸アルカリ金属などである。触媒は、カルボニル化合物を基準に、1〜10モル%の量で、好ましくは3〜5モル%の量で使用することができる。反応平衡を生成物側に移行させるために、縮合水を連続的に留去することが常に望ましい。【0009】水素化中間生成物として生成する不飽和のアルデヒドまたはケトンの水素化は、通常の水素化触媒、好ましくはニッケル、銅および/または亜鉛に基づく水素化触媒を用いて行うことができる。通常、この水素化は、20〜350℃の温度で、好ましくは50〜250℃の温度で、ならびに、1〜300バールの圧力下で、好ましくは20〜250バールの圧力下で行う。次いで、反応生成物を、蒸留によって精製することができる。【0010】(実施例)実施例1フラスコ、加熱マントル、水分離器、還流コンデンサーおよび窒素導入口からなる撹拌反応器において、水酸化カリウム1g(0.015モル)を、99重量%デカナール500g(3.2モル)に20℃で加え、次いで210℃に加熱した。反応中に生成する水を連続的に留去した。3時間後に、反応を停止させ、反応混合物を20℃まで冷却し、沈殿した水酸化カリウムを濾去した。得られた透明な液体は、90重量%のα,β-不飽和アルデヒド、4重量%の三量体、2重量%のエステルおよび4重量%の未反応出発アルデヒドを含んでいた。この反応混合物をオートクレーブに移し、ニッケル触媒の存在下に230℃/250バールで3時間、水素のさらなる吸収がなくなるまで水素化した。水素化生成物は、90重量%の2-オクチルドデカノール、6重量%のデカノールおよび4重量%の三量体からなっていた。蒸留後に、2-オクチルドデカノールが、95.7重量%の純度で得られた。【0011】実施例2実施例1と同様に、オクタナール500g(3.9モル)を、水酸化カリウム1.2g(0.02モル)の存在下に縮合させた。得られた生成物は、88重量%のα,β-不飽和アルデヒド、6重量%の三量体、2重量%の水および4重量%の未反応オクタナールを含んでいた。水素化の後に、88重量%の2-ヘキシルデカノール、6重量%のオクタノールおよび6重量%の三量体からなる混合物が得られた。蒸留後に、2-ヘキシルデカノールが、93.6重量%の純度で得られた。【0012】実施例3実施例1と同様に、2-エチルヘキサナール650g(5.0モル)およびシクロヘキサノン245g(2.5モル)を、45重量%水酸化カリウム水溶液40gの存在下に縮合させた。2時間後に、240℃の反応温度に到達し、水分離の終わりによって終点が示された。この生成物を、中性になるまで熱水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。GC分析によれば、85.4重量%の二置換生成物、8.2重量%の一置換生成物、1.3重量%の2-エチルヘキサナール、0.3重量%のシクロヘキサノンおよび4.8重量%のポリマーからなる混合物が存在していた。この混合物500gを、ニッケル触媒14gの存在下に245℃/20バールで14時間、水素のさらなる吸収がなくなるまで水素化した。生成物の湿化学分析により、酸価<0.1、ヨウ素価0.4およびヒドロキシル価1が明らかになった。GC分析は、85.4重量%の2,6-ジ-(2-エチルヘキシル)-シクロヘキサン、8.2重量%の2-(2-エチルヘキシル)-シクロヘキサン、1.3重量%の2-エチルヘキサン、0.3重量%のシクロヘキサンおよび4.8重量%のオリゴマーからなる組成物を示した。未反応の出発物質は、蒸留によって除去された。 分岐アルコールおよび/または炭化水素の製造方法であって、カルボニル化合物を酸または塩基の存在下に縮合させ、次いで、得られたα,β-不飽和縮合生成物を水素化することからなる方法であって、式(I):【化1】 R1CHO (I)[式中、R1は直鎖または分岐鎖のC6-12アルキル基である]で示される脂肪アルデヒド、式(II):【化2】 R2COR3 (II)[式中、R2およびR3は、互いに独立して、直鎖または分岐鎖のC6-12アルキル基である]で示されるケトン、および/またはシクロヘキサノンをカルボニル化合物として使用し、縮合を200〜250℃の温度で行い、水素化をニッケル、銅および/または亜鉛触媒の存在下に行うことを特徴とする方法。 水素化を20〜350℃の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。 水素化を1〜300バールの圧力下に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 水素化生成物を蒸留によって精製することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 縮合を重金属触媒の不存在下に行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。