生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ハロゲン化化合物の脱ハロゲン化水素の方法
出願番号:2002519396
年次:2012
IPC分類:C07C 17/25,C07C 21/18,C07C 21/20,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

デービッド ウィリアム ドリュー テリー ウェイン レッドワイン JP 4896352 特許公報(B2) 20120106 2002519396 20010817 ハロゲン化化合物の脱ハロゲン化水素の方法 デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー 597035953 谷 義一 100077481 阿部 和夫 100088915 デービッド ウィリアム ドリュー テリー ウェイン レッドワイン US 60/225,920 20000817 US 09/801,142 20010307 20120314 C07C 17/25 20060101AFI20120223BHJP C07C 21/18 20060101ALI20120223BHJP C07C 21/20 20060101ALI20120223BHJP C07B 61/00 20060101ALN20120223BHJP JPC07C17/25C07C21/18C07C21/20C07B61/00 300 C07C 17/25 C07C 17/383 C07C 21/18 C07C 21/20 特開平08−245439(JP,A) 特開昭52−014705(JP,A) 17 US2001025816 20010817 WO2002014247 20020221 2004506031 20040226 9 20080815 水島 英一郎 【0001】(発明の分野)本発明は、ハロゲン化有機化合物からアルケンを製造するための改善された方法に関する。より具体的には、本発明は有段上昇流反応器を用いたハロゲン化有機化合物の脱ハロゲン化水素の方法に関する。【0002】(発明の背景)ハロゲン化有機化合物の脱ハロゲン化水素は、一般にハロゲン化アルカンまたはハロゲン化アルケンを溶剤中の強塩基と混合することによって液相中で行われる。塩基は通常、水溶液として添加されるため、相間移動触媒を使用して反応物の接触を促進する場合が多い。【0003】多くの方法では一連の連続撹拌槽型反応器が用いられ、反応の副生成物のほか、未反応の出発原料も水蒸気ストリッピングまたは蒸留によって除去される。例えば、2−クロロ−1,3−ブタジエンは、米国特許第3,981,937号に開示された触媒法を用いて、一連の並流連続撹拌槽型反応器で、3,4−ジクロロブテン−1の脱ハロゲン化水素によって調製することができる。他の方法は、例えば、米国特許第3,772,461号に開示されているような沸騰型反応器の使用を含み、または米国特許第4,418,232号に開示されているような相デカンテーションといっしょに撹拌槽を使用する。これらの方法の各々には不利な点がある。撹拌型反応器の方法では転換率が比較的低くなってしまい、その結果高レベルの有機廃棄物が生成される。1回通過の沸騰型反応器による方法の転換率は一般的にきわめて低く、例えば85%以下である。さらに、このような方法に関連した投資やエネルギーコストは高い。【0004】反応物転換レベルの改善が得られる脱ハロゲン化水素の方法では、結果として低レベルの有機廃棄物が生成される。こうしたより効率的な方法は、地球温暖化の一因となりうるハロゲン化有機化合物の生成を減少させる。【0005】 (発明の概要) 本発明は、有機化合物の脱ハロゲン化水素の改善された方法に関する。特に、本発明は、ハロゲン化アルカンおよびハロゲン化アルケンからなる群から選択されるハロゲン化化合物の脱ハロゲン化水素の方法に関し、該方法は、 A)前記ハロゲン化化合物を含む第1組成物を、有機アミン、アンモニア、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物およびアルカリ金属アルコキシドからなる群から選択される、少なくとも10-9のKbを有する塩基を含む第2組成物と、液相中、多段を有する反応器内で、前記ハロゲン化化合物の前記塩基との発熱反応を開始するのに十分な温度で接触させ、これにより、前記ハロゲン化化合物の沸点よりも低い沸点を有する脱ハロゲン化水素化合物を形成する工程と、 B)反応器内容物の温度を前記脱ハロゲン化水素化合物が蒸発するのに十分な温度に保持し、これにより、前記反応器内容物の撹拌および前記反応器の前記多段を通じて蒸発された脱ハロゲン化水素化合物の移動を引き起こす工程であって、前記によって生成されたガスが反応器中で液相を攪拌する工程と、を含む。【0006】(発明の詳細な説明)本発明の脱ハロゲン化水素の方法は、液相中、有段気泡型反応器で行う。気泡型反応器は化学工業において広範に用いられており、気泡状の不連続な気相が連続相に対して移動する接触領域からなる。気泡型反応器は単一段または多段、単一チャネルまたは多チャネル、回分式または連続式でありうる。気泡型反応器の好ましいタイプは、多段をもつ並流垂直カラムであり、以後、これを多段上昇流反応器と呼ぶ。【0007】ハロゲン化有機化合物すなわち反応物として使用される化合物は、ハロゲン化脂肪族アルカンまたはハロゲン化脂肪族アルケンからなる群から選択される。好ましい化合物は2個〜8個の炭素原子を有するものである。アルカリで脱ハロゲン化水素されうるどのような飽和または不飽和のハロゲン化アルカンまたはハロゲン化アルケンも本発明の方法に適している。これらのハロゲン化化合物は少なくとも1個の水素原子を有する。フッ素化、塩素化、臭素化またはヨウ素化されたアルカンまたはアルケンはすべて適切な反応物である。好ましいハロゲン化化合物反応物は塩素化ブタンまたは塩素化ブテンである。ハロゲン化アルカンまたはアルケンは単一種のハロゲン原子を含んでいるか、または複数のタイプのハロゲン原子を含んでいてもよい。当該方法は、アルカリ水溶液の存在下、塩素化アルカンおよび塩素化アルケンの脱ハロゲン化水素に特に有用である。適切なハロゲン化アルカンまたはハロゲン化アルケンの例として、1,4−ジクロロブテン−2;3,4−ジクロロブテン−1;2,3,4−トリクロロブテン−1;2−クロロ−3−ブロモブテン−1;1,2−ジブロモプロパン;1,3−ジクロロブタン;1−ヨード−2−クロロブタン;ヨウ化ペルフルオロブチルエチル;および1,4−ジブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロブタンが挙げられる。【0008】ハロゲン化反応物は、室温下に固体、液体または気体の形であってよい。しかし、液体のハロゲン化アルカンまたはアルケンが好ましい。さらに、ハロゲン化反応物は、脱ハロゲン化水素が行われる条件下に液体であるか、または液相に存在するかのどちらかでなければならない。【0009】脱ハロゲン化水素剤は、少なくとも10-9のKbを有する塩基であり、通常、水溶液の形となるが、そうでなくてもよい。適切な塩基として、ピリジン、トリメチルアミン、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、アルカリ金属の水酸化物、およびアルカリ金属のアルコキシドが挙げられる。塩基は、少なくとも10-5のKbを有することが好ましく、アルカリ水溶液の場合のように、完全にイオン化されていることが最も好ましい。どのようなアルカリ金属の水酸化物水溶液も本発明の目的に適しているが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。アルカリは通常、反応混合物中に過剰に存在することになる。一般に、アルカリとハロゲン化反応物のモル比は約1.01〜2.00である。正確な量は、用いられる触媒のタイプおよび特定の反応物など諸因子に基づき決定される。【0010】反応は液相で起こる。反応混合物は通常、少なくとも1種の液体を含有する。例えば、ハロゲン化反応物は反応条件下に液体であるか、もしくは水または非水溶剤に溶解されていてもよい。反応物が溶液として存在する場合は、溶剤は相溶性または非相溶性であってよい。好ましい実施形態では、ハロゲン化反応物は液体であり、アルカリ金属水酸化物脱ハロゲン化水素剤は水溶液として存在する。さらに、脱ハロゲン化水素は、例えば米国特許第4,104,316号に開示されているように、メタノールなど非水溶剤の存在下に起こりうる。【0011】好ましくは、特に液体ハロゲン化反応物がアルカリ金属水酸化物の水溶液と反応する場合に、相間移動触媒を用いて、2種の不混和液、すなわち有機相と水相との間の接触を促進させる。好ましい触媒は、第四級アンモニウム塩、特に第四級塩化アンモニウムであり、特に式R1R2R3R4NClによって表されるものであり、式中、R1、R2およびR3の各々は独立してC1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニル、もしくはC7〜C20のアラルキルであり、R4はC6〜C20アルキルまたはアルケニル、ベンジル、もしくは(C6〜C20)アルキル−またはアルケニル置換ベンジルである。これらの第四級塩化アンモニムでは、R1、R2およびR3の基の各々は、窒素原子に対してベータ位にヒドロキシルまたはエーテル基を含んでいてもよい。第四級アンモニウム化合物の量は一般に、出発ハロゲン化アルカンまたはアルケンの約0.01〜10wt.%である。他の相間移動触媒として、米国特許第3,876,716号に開示されているものなどアミンオキシド、および米国特許第3,639,493号に開示されているものなど第四級ホスホニウム化合物が挙げられる。【0012】任意選択の他の成分、例えば、阻害剤、安定剤、および分散剤が反応混合物に存在してもよい。このような任意選択成分の使用は、反応物および生成される生成物の性質に依存する。【0013】本発明の方法では、ハロゲン化アルカンまたはハロゲン化アルケン、および塩基が気泡型反応器内の液相中で接触し、それによって発熱反応を起こし、ハロゲン化反応物の沸点よりも低い沸点を有する脱ハロゲン化水素化合物を生成する。反応中に放出される熱は、こうして生成される脱ハロゲン化水素化合物を蒸発させる。ハロゲン化アルカンまたはアルケンが、脱ハロゲン化水素が起こりうる1個所より多い部位を含む場合は、同時脱ハロゲン化水素が起こりうることを理解すべきである。したがって、例えば、1−クロロ−4−ブロモブタンなどハロゲン化アルカンは、本発明の方法の条件に従う場合、臭化水素および一部の塩化水素を失う。【0014】脱ハロゲン化水素の結果として形成される蒸発生成物と水蒸気は、反応器の中を移動すると反応混合物の撹拌が行われる気相を構成する。したがって、反応器内に内部撹拌装置はまったく不要である。任意選択で、機械的撹拌機などの撹拌手段は存在しうるが、このような装置の存在は必要ではない。反応は発熱性であるため、反応器に外部から熱を供給する必要がないのである。場合によっては、反応を起こすために、または温度制御のために、最初に少量の熱を供給することは有用である。【0015】反応器は多段タイプであり、好ましくは少なくとも3段を有し、最も好ましくは4〜20段である。1段のみを有する反応器による1回通過転換率は低くなる。したがって、未転換反応物の分離と回収を行う必要があり、それにより、工業スケールで用いられるとき、プロセスの複雑さとコストが増大する。段から段への流れを著しく単純化するため、反応器は垂直カラム型反応器であることが好ましい。すなわち上昇流反応器を使用すると、液体反応物は上昇する気泡によって段を通じて同時に上昇する。これにより、反応物を段から段へ移動させるためのポンプの必要がなくなる。さらに、本発明の方法は一連の連続複数槽または容器において行うことができる。【0016】好ましい実施形態では、塩素化アルカンまたは塩素化アルケン反応物およびアルカリ金属水酸化物の水溶液は、反応器に導入される前に予混合される。混合装置の例として、機械的撹拌機を備えた槽、すなわち撹拌槽型反応器、連続撹拌槽型反応器、ポンプおよび静止型定常混合器が挙げられる。反応は混合装置内で開始される。この発熱反応は熱を供給し、いくらかの蒸発が気泡型反応器への導入時に起こる点まで蒸気圧を上昇させる。本発明の実施において特に有用である混合装置には、ホモジナイザー、コロイドミル、撹拌槽型反応器および遠心ポンプがある。【0017】従来技術の気泡型反応器プロセスは通常、反応器への単一の気相と単一の液相の導入を含む。他の変形形態は、気相+固相、または液相、気相および固相すなわちスラリーを含む3相プロセスの組合せを含む。当該プロセスは、Y.T.Shahらにより「Design Parameters Estimations for Bubble Column Reactors」(American Institute of Chemical Engineers Journal,28,No.3,353(1982))において、およびS.LeeとY.Tsuiによって「Succeed at Gas/Liquid Contacting」(Chemical Enginnering Progress,23(July 1999))において記載されている。本発明の方法では、2種の液体が系に供給されるが、気体は供給されない。気体は気泡型反応器が機能するのに必要であるが、本方法によってインサイチュー生成される。これが気泡型反応器用の撹拌手段を、好ましくは攪乱の主な手段を提供し、それによってプロセスの複雑さが減少し、全体的な効率が増大する。気体から液体への物質移動は、反応に影響する要因ではない。気体は、その形成によって温度を制御し、その浮揚性によって攪拌を可能にする作業流体である。さらに気体の形成は反応の運動効率を大幅に増強する。【0018】本発明の方法は広範な脱ハロゲン化水素生成物、例えば、2−メチル−3−クロロプロペン−1;2−ブロモプロペン−1;3−クロロブテン−2;2,3−ジクロロ−1−3−ブタジエン;ペルフルオロブチルエチレン;および4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテンを製造するために有用である。特に、3,4−ジクロロブテン−2からのクロロプレンの製造において有用である。【0019】本発明の方法は、脱ハロゲン化水素プロセスの反応速度を増強する。すなわち、生成物の蒸発により触媒および反応物が濃縮され、結果として反応速度が増大する。当該方法は、用いられる塩基の沸点が脱ハロゲン化水素生成物と有機反応物の各沸点間にあるとき最も効果的である。水性塩基を利用する場合、塩基の沸点は、特定の反応条件下に塩基水溶液の沸点である。例えば、3,4−ジクロロブテン−1は、本発明に従って、22wt.%の水性水酸化ナトリウムの存在下に脱ハロゲン化水素化され、クロロプレンを形成しうる。22wt.%水酸化ナトリウム水溶液中の水の沸点は110°〜111℃である。この反応の温度および圧力条件下に、クロロプレンおよび3,4−ジクロロブテン−1の沸点はそれぞれ59℃および126℃である。同条件下の生成物の収率は99%を超える。【0020】本発明の方法の好ましい実施形態を示す図1をこれから参照する。反応器22は、3,4−ジクロロブテン−1の2−クロロ−1,3−ブタジエン(すなわちクロロプレン)への脱ハロゲン化水素が行われる8段上昇流反応器である。反応器は8つの多孔金属板26、28、30、32、34、36、38、および40を含む。水、50%水酸化ナトリウム、相間移動触媒、および液体のジクロブテン反応物がそれぞれライン10、12、14、および16を通じてライン18に供給され、2相の水/有機液体の流れを形成する。流れ10および12は、代替方法として、流れ14および16とは独立して混合され、反応器8に供給でき、または4つの流れのすべてが独立して供給できることを理解すべきである。その流れはライン18を通じて高剪断ミキサー42に供給される。高剪断混合は脱ハロゲン化水素反応の開始および温度の上昇を引き起こす。ミキサー42を通過した後、その流れはライン20を通じて反応器22に供給される。ジクロロブテンの脱ハロゲン化水素は、水、クロロプレン、および塩化ナトリウムの形成を引き起こしつつ継続する。クロロプレンは水の一部分とともに蒸発し、触媒、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、および水とともに上方に誘導され、カラムの上端部を通じて外部に誘導される。次いで、流れはライン44を経て水蒸気ストリッパに供給され、そこでクロロプレンは除去され、副生成物は再利用または廃棄のために回収される。あるいは、主にクロロプレンおよび水からなるカラムのオーバヘッドを出る蒸気を濃縮器に供給することができる。有機相および水相からなるカラムのオーバヘッドを出る液体は、ストリッパまたは他の蒸留装置に誘導することができる。【0021】本発明をさらに以下の実施形態で例示するが、割合はすべて重量分率である。【0022】(実施例)実施例1−99.5wt.%の3,4−ジクロロブテン−1、および0.17wt.%の塩化ビス(ベータヒドロキシプロピル)ココベンジルアミン触媒から構成される有機液体を、87kg/時の割合で機械的パドル翼撹拌機を取り付けた0.014立方メートルの金属製混合容器に供給した。22wt.%の水酸化ナトリウムおよび78wt.%の水から構成される水性の流れも、142kg/時の割合で同じ混合容器に供給した。混合容器からの反応物の流れを、直径21cm、高さ7.3mで14段の金属製垂直上昇流反応カラムの底部に連続的に供給した。各段は、液体の逆流を最小限にするように設計された多孔金属板で分離された。蒸発した脱ハロゲン化水素反応生成物、すなわち2−クロロ−1,3−ブタジエン、および水蒸気が、撹拌と不混和性の液体有機相および水相の上方への同伴を引き起こしつつカラム中を上昇した。反応熱がカラム底部の温度を80℃に維持し、上端部の温度は66℃であった。カラム底部の圧力は0.17MPaであり、上端部での圧力は0.12MPaであった。2つの液相がカラムを通じて上昇すると、揮発性生成物ができ、圧力が連続的に下降するので液体は連続的に蒸発した。カラムの上端部を出る液体の流れは、3wt.%の有機相および97wt.%の水相から構成された。カラムを出る液体の流れにおける触媒の濃度は2.9wt.%であった。カラムからのオーバヘッド蒸気は、95wt.%の有機生成物および5wt.%の水蒸気を含んでいた。オーバヘッド蒸気および液体の流れを凝縮器に供給し、20℃に冷却した。凝縮器からの有機液体相の分析は、3,4−ジクロロブテン−1の2−クロロ−1,3−ブタジエンへの転換率が99.7%であることを示した。【0023】実施例2−99.5wt.%の2,3,4−トリクロロブテン−1、および0.13wt.%の塩化ビス(ベータヒドロキシプロピル)ココベンジルアミン触媒から構成される有機液体を、109kg/時の割合で機械的パドル翼撹拌機を取り付けた0.021立方メートルの金属製混合容器に供給する。21.7wt.%の水酸化ナトリウム、77.5wt.%の水および0.8wt.%の塩化ナトリウムから構成される水の流れも、179.5kg/時の割合で同じ混合容器に供給する。混合容器からの混合された流れを、直径21cm、高さ4.9mで8段の金属製垂直上昇流反応カラムの底部に連続的に供給する。各段は、液体の逆流を最小限にするように設計された多孔金属板で分離される。蒸発した脱ハロゲン化水素反応生成物、すなわち2,3−ジクロロブタジエン−1,3および水蒸気が、撹拌と不混和性の液体有機および水相の上方への同伴を引き起こしつつカラム中を上昇する。反応熱がカラム底部の温度を約70℃に維持し、カラム上端部の温度は約50℃となる。カラム底部の圧力は約0.06MPaであり、上端部での圧力は約0.025MPaである。2つの液相がカラムを通じて上昇すると、揮発性生成物ができ、圧力が連続的に下降するので液体は連続的に蒸発する。カラム上端部からの蒸気および液体を凝縮器に供給し、25℃に冷却する。凝縮器からの有機液体相は、2,3−ジクロロブタジエン−1,3であり、99%を超える収率で形成される。【0024】実施例3−99.5wt.%のヨウ化ペルフルオロブチルおよび0.2wt.%の塩化ビス(ベータヒドロキシプロピル)ココベンジルアミン触媒から構成される有機液体を、340kg/時の割合で機械的パドル翼撹拌機を取り付けた0.021立方メートルの金属製混合容器に供給する。22wt.%の水酸化ナトリウムおよび78wt.%の水から構成される水の流れも、198kg/時の割合で同じ混合容器に供給する。混合容器からの混合された流れを、直径21cm、高さ6.1mで10段の金属製垂直上昇流反応カラムの底部に連続的に供給する。各段は、液体の逆流を最小限にするように設計された多孔金属板で分離される。蒸発した脱ハロゲン化水素反応生成物、すなわちペルフルオロブチルエチレンおよび水蒸気が、撹拌と不混和性の液体有機および水相の上方への同伴を引き起こしつつカラム中を上昇する。反応熱がカラム底部の温度を約75℃に維持し、カラム上端部の温度は約60℃となる。カラム上端部での圧力は雰囲気圧力下に維持される。2つの液相がカラムを通じて上昇すると、揮発性生成物ができ、圧力が連続的に下降するので液体は連続的に蒸発する。カラム上端部からの蒸気および液体を凝縮器に供給し、約25℃に冷却する。凝縮器からの有機液体相は、ペルフルオロブチルエチレンであり、95%を超える収率で形成される。【0025】実施例4−99.5wt.%の1,4−ジブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロブタンおよび0.2wt.%の塩化ビス(ベータヒドロキシプロピル)ココベンジルアミン触媒から構成される有機液体を、262kg/時の割合で機械的パドル翼撹拌機を取り付けた金属製混合容器に供給する。22wt.%の水酸化ナトリウムおよび78wt.%の水から構成される水の流れも、200kg/時の割合で同じ混合容器に供給する。混合容器からの混合された流れを、直径21cm、高さ6.1mで10段の金属製垂直上昇流反応カラムの底部に連続的に供給する。各段は、液体の逆流を最小限にするように設計された多孔金属板で分離される。蒸発した脱ハロゲン化水素反応生成物、すなわち4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテンおよび水蒸気が、撹拌と不混和性の液体有機および水相の上方への同伴を引き起こしつつカラム中を上昇する。反応熱がカラム底部の温度を約75℃に維持し、カラム上端部の温度は約57℃となる。カラム上端部での圧力は雰囲気圧力下に維持される。2つの液相がカラムを通じて上昇すると、揮発性生成物ができ、圧力が連続的に下降するので液体は連続的に蒸発する。カラム上端部からの蒸気および液体を凝縮器に供給し、約25℃に冷却する。凝縮器からの有機液体相は、4−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロブテンである。【図面の簡単な説明】【図1】 本発明の方法の一実施形態を示す概略図である。 ハロゲン化アルカンおよびハロゲン化アルケンからなる群から選択されるハロゲン化化合物の脱ハロゲン化水素の方法であって、前記方法が、 A)前記ハロゲン化化合物を含む第1組成物を、有機アミン、アンモニア、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物およびアルカリ金属アルコキシドからなる群から選択される、少なくとも10-9のKbを有する塩基を含む第2組成物と、液相中、多段を有する反応器内で、前記ハロゲン化化合物の前記塩基との発熱反応を開始するのに十分な温度で接触させ、これにより、前記ハロゲン化化合物の沸点よりも低い沸点を有する脱ハロゲン化水素化合物を形成する工程と、 B)反応器内容物の温度を前記脱ハロゲン化水素化合物が蒸発するのに十分な温度に保持し、これにより、前記反応器内容物の撹拌および前記反応器の前記多段を通じて蒸発された脱ハロゲン化水素化合物の移動を引き起こす工程であって、前記蒸発によって生成されたガスが反応器中で液相を攪拌する工程と、を含むことを特徴とする方法。 前記第1組成物および前記第2組成物が不混和性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記第1組成物がハロゲン化化合物の有機溶剤溶液を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記ハロゲン化化合物が液体であり、かつ前記塩基が水溶液として存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記ハロゲン化化合物が塩素化アルカンおよび塩素化アルケンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記ハロゲン化化合物が臭素化アルカンおよび臭素化アルケンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記ハロゲン化化合物がヨウ素化アルカンおよびヨウ素化アルケンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記ハロゲン化化合物がフッ素化アルカンおよびフッ素化アルケンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記反応器が垂直カラムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 反応が一連の連続した異なる容器中で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記塩基が水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記脱ハロゲン化水素化合物が塩素化ブタジエンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記ハロゲン化化合物が塩素化ブテンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記反応器に熱を供給し、脱ハロゲン化水素反応を開始させることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記第1および第2組成物を混合し、次いで前記反応器に供給することを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記第1および第2組成物を高剪断混合装置中で混合し、次いで前記反応器に供給することを特徴とする請求項15に記載の方法。 前記第2組成物がさらに脱ハロゲン化水素触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。


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