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タイトル:特許公報(B2)_ポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を含有する化粧料
出願番号:2002350305
年次:2008
IPC分類:A61K 8/06,A61Q 19/10


特許情報キャッシュ

藤井 保 城市 明子 薄羽 恭謙 JP 4079759 特許公報(B2) 20080215 2002350305 20021202 ポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を含有する化粧料 川研ファインケミカル株式会社 390003001 石田 敬 100077517 西舘 和之 100072109 西山 雅也 100082898 樋口 外治 100081330 藤井 保 城市 明子 薄羽 恭謙 20080423 A61K 8/06 20060101AFI20080403BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20080403BHJP JPA61K8/06A61Q19/10 A61K8/00-8/99 特開昭56−82897(JP,A) 特開昭55−33448(JP,A) 3 1995173380 19950710 2003155211 20030527 28 20021202 2004024672 20041202 森田 ひとみ 弘實 謙二 谷口 博 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、化粧料成分と、水とポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物成分(以下安定化成分と記す)を含む化粧料に関するものである。【0002】【従来の技術】 一般に、シャンプーやボディシャンプーなどの洗浄剤では、豊かな泡立ちを示すこと、および洗浄力に優れていることが求められる傾向がある。そこで、主基剤となる界面活性剤に対して起泡安定化剤として作用する増泡剤が配合されている。また、主基剤として用いられる界面活性剤成分は、比較的粘度が低いものが多いため、その用途に応じて、製品を扱い易い粘度に調節するために増粘剤を添加するのが普通に行われている。【0003】 従来、洗浄剤用増粘剤、増泡剤、および起泡安定化剤としては、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド、および脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミドやポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミドが、皮膚や毛髪に対して刺激が少ないことから好んで用いられていた。 しかし脂肪酸モノエタノールアミドや脂肪酸イソプロパノールアミドは、増泡作用には極めて優れているが、それ自体の融点が高く、このためにこれを化粧料に配合する際の溶解性が悪いという欠点を有していた。特に配合量が多い場合、低温で保存した際に濁りやクスミを生じる原因となり、その使用量や製品形態、用途に制限があった。さらに、脂肪酸モノエタノールアミドは若干の眼粘膜刺激性を有しており、これを配合したものを目に入れた場合、目がしみるという欠点を有していた。【0004】 脂肪酸ジエタノールアミドは、脂肪酸モノエタノールアミドや脂肪酸イソプロパノールアミドに比べ融点が低いためハンドリング性や配合時の溶解性には優れている。また、その増粘性は脂肪酸モノエタノールアミドのそれに比して劣っているものの、適度な粘度に調整しやすく、この利点によりシャンプーやボディシャンプーに好んで用いられていた。しかし、脂肪酸ジエタノールアミドは、脂肪酸モノエタノールアミドや脂肪酸イソプロパノールアミドに比べてアミド基が加水分解を受けやすく、このため化合物自体の安定性が悪く、特にpH9以上の比較的高いpH領域における安定性が悪いという欠点を有し、このため、高pH系への配合には不適である。 洗浄剤の起泡安定性の改善のために、上記脂肪酸アルカノールアミド以外にも、ポリオキシエチレン(2〜10)脂肪酸モノエタノールアミドなども広く用いられている。しかしこれらは起泡安定性には優れているが、増粘性や増泡性については十分ではないという欠点がある。さらにポリオキシエチレン(2〜10)脂肪酸モノエタノールアミドは、その製造過程において、すなわち脂肪酸モノエタノールアミドにエチレンオキサイドを付加する際、エチレンオキサイド自身の重合により、微量ながら有毒なジオキサンを副生するという問題を有している。このため、これを化粧料に用いる場合には、エチレンオキサイド付加後、反応物からジオキサンを除去する工程が必要であって、製造工程が煩雑になるという欠点がある。【0005】 一般にクリームなどの化粧料においては、配合化粧料成分を水中に均一に乳化、分散、又は可溶化させる為、高級アルコール、脂肪酸エステルなどを用いられている。しかし、配合組成によっては乳化物や分散液の安定性が悪く、長期保存によって分離することがある。また、使用感についても十分満足できるものではないという欠点がある。 また、一般の乳化剤としては、脂肪酸石けん、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどが用いられている。しかし、これら従来の乳化剤は、その乳化力が十分満足できるものではない。特にエステル基を含有する乳化剤は、加水分解を受けやすいので、結果として長期間の保存中に乳化系が崩れオイルオフなどの現象が発生するという問題点を有している。【0006】 また、一般に分散剤としては、サルフェート基又はスルホン酸基を有するアニオン界面活性剤や、ステアリン酸石けんなどの各種金属石けんや、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤などが用いられている。しかし、これら従来の分散剤では分散力が十分に満足できるものではなかった。 さらにまた、可溶化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸モノエステルなどが用いられている。しかしこれら従来の可溶化剤は可溶化力が十分に満足できるものではなく、特にエステル系の可溶化剤を用いた場合は、経時的に可溶化された物質が遊離してくることがあった。【0007】 上記のような状況に於いて、溶解性やハンドリング性に優れ、また安定性にも優れ、しかも刺激性を有せず、かつ経時的に安定な乳化剤、分散剤および可溶化剤も求められていた。また、それらを工業的に容易かつまた安全に製造する方法も望まれていた。さらにまた、乳化安定性が良く使用感に優れた化粧料組成物が求められていた。【0008】 ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミドについては、特開昭60−49099号(特許文献1)、63−189499号(特許文献2)、63−196697号(特許文献3)、特開平2−151692号(特許文献4)、および特表平2−504165号(特許文献5)などに開示されているが、脂肪酸アルカノールアミドにプロピレンオキサイドやエチレンオキサイドを付加したものについての記載はない。 また、特開昭53−54208号(特許文献6)、54−15911号(特許文献7)、59−210999号(特許文献8)、および60−96695号(特許文献9)などには、脂肪酸モノエタノールアミドあるいは脂肪酸ジエタノールアミドのエチレンオキサイド付加物の記載はあるが、脂肪酸イソプロパノールアミドのプロピレンオキサイド付加物についての記載はない。【0009】 また特開昭61−61625号(特許文献10)、61−114727号(特許文献11)、61−227830号(特許文献12)、61−227832号(特許文献13)、61−246296号(特許文献14)、62−57491号(特許文献15)、62−209200号(特許文献16)などには脂肪酸アルカノールアミドのアルキレンオキサイド付加物の記載があるが、いずれもエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックあるいはランダム付加物であり、なおかつその付加モル数が合計で13倍モル以上という大きなものであり、その用途も非水系の固体分散剤や非水系の洗浄剤として用いられているのみである。 特開昭61−114727号(特許文献11)にはポリオキシプロピレン脂肪酸モノエタノールアミドについての記載があるが、これは非水系の固体分散剤の発明であり、本発明の水系で用いられる化粧料としての効果については全く触れられていない。【0010】【特許文献1】 特開昭60−49099号公報【特許文献2】 特開昭63−189499号公報【特許文献3】 特開昭63−196697号公報【特許文献4】 特開平2−151692号公報【特許文献5】 特表2−504165号公報【特許文献6】 特開昭53−54208号公報【特許文献7】 特開昭54−15911号公報【特許文献8】 特開昭59−210999号公報【特許文献9】 特開昭60−96695号公報【特許文献10】 特開昭61−61625号公報【特許文献11】 特開昭61−114727号公報【特許文献12】 特開昭61−227830号公報【特許文献13】 特開昭61−227832号公報【特許文献14】 特開昭61−246296号公報【特許文献15】 特開昭62−57491号公報【特許文献16】 特開昭62−209200号公報【0011】【発明が解決しようとする課題】 本発明は、化粧料成分と、水と、前記化粧料成分を水中に乳化又は可溶化する(固形粉末に対しては分散剤として作用する)安定化成分を含み、すなわち状態安定性が良く、使用感にすぐれた化粧料を提供しようとするものである。【0012】【課題を解決するための手段】 本発明者らは、特定の付加モル数を有するポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、融点が低く、このためハンドリング性が良好で、かつ広範囲のpH領域で安定であり、なおかつ皮膚や毛髪、眼粘膜に対する刺激が極めて少なく、化粧料成分に対し水中乳化力、分散力および可溶化力にも優れており、これを化粧料に用いたところ、安定性が向上し、使用感が優れていることを見いだした。本発明は、上記発見に基づいて完成されたものである。【0013】 すなわち本発明の化粧料は、化粧料成分と、水と、下記一般式(I):【化2】(但し、式(I)中、Rは炭素数7〜21の直鎖又は分岐の飽和炭化水素或いは不飽和炭化水素基を表し、POは炭素数3のオキシアルキレン基を表し、mは0又は1以上の整数を表す)により表される化合物の2種以上の混合物からなり、この混合物中の式(I)の化合物のmの平均値が0.3〜20の正数であるポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物成分(以下安定化成分と記す)とを含み、前記安定化成分が、前記化粧料成分を水中に乳化又は可溶化し、或は分散していることを特徴とする、化粧水、乳液、クリーム、パック剤、美容液、汗止め剤、ファンデーション剤、リンス剤、ヘアートリートメント剤、ヘアーコンディショナー、ヘアーブラッシング剤、ヘアートニック剤、ヘアークリーム、パーマネントウエーブ剤、浴剤、及びアフターシェーブローションから選ばれた化粧料である。 本発明の化粧料において、前記ポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物成分(安定化成分)の配合量が、前記化粧料組成物の合計重量に対して、0.1〜20重量%であることが好ましい。 本発明の化粧料において、前記化粧料成分が、高級アルコール、高級アルコールエーテル、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、及び高級脂肪酸エステル、白色ワセリン、流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、アボガド油、ホホバ油、オリーブ油、加水分解コラーゲンペプチド、絹ヒブロインペプチド、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、ココイルアルギニンエチルエステル、シリコーン化合物、二酸化チタン、セリサイト、タルク、ベンガラ、酸化鉄黄、及び酸化鉄黒、から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。【0014】【作用】 一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドを、具体的に例示すれば下記の通りである。下記化合物名において、( )内の数字は、脂肪酸イソプロパノールアミド1モルに対して付加反応に供されたプロピレンオキサイドのモル数である。 ポリオキシプロピレン(0.3)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(0.5)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(2)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(5)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(10)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(20)ラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)カプリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)デカン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)ミリスチン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)パルミチン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)ステアリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)イソステアリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)オレイン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)牛脂脂肪酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)大豆油脂肪酸イソプロパノールアミド、ポリオキシプロピレン(1.5)パーム核油脂肪酸イソプロパノールアミドなどを挙げることができる。【0015】 一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物に含まれる式(I)の化合物におけるプロピレンオキサイド(PO)の付加モル数mは0又は1以上の整数であり、その平均値、すなわち平均付加モル数は0.3〜20である。この平均付加モル数が0.3未満では、得られる混合物の融点が過度に高くなるためハンドリング性が悪く、また溶解性も不良になる。しかし、それが20を越えると得られる混合物の乳化性、分散性、可溶化性が急激に低下する。プロピレンオキサイドの平均付加モル数範囲0.3〜20において、乳化性、および可溶化性は、この平均付加モル数が小さい方がよく、具体的には、平均付加モル数が0.3〜2とすることが好ましい。一方、分散性については、平均付加モル数の値が大きい方がよく、具体的には付加モル数mを2〜20とすることが好ましい。【0016】 以下、一般式(I)で示されるポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドの混合物の製造法について詳細に説明する。 本発明のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、脂肪酸イソプロパノールアミドにプロピレンオキサイドを付加して製造される。 ここで用いられる脂肪酸イソプロパノールアミドを具体的に例示すれば、カプリン酸イソプロパノールアミド、デカン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ミリスチン酸イソプロパノールアミド、パルミチン酸イソプロパノールアミド、ステアリン酸イソプロパノールアミド、イソステアリン酸イソプロパノールアミド、2−オクチルデカン酸イソプロパノールアミド、2−ヘプチルウンデカン酸イソプロパノールアミド、オレイン酸イソプロパノールアミド、リノール酸イソプロパノールアミド、リノレン酸イソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド、パーム核油脂肪酸イソプロパノールアミド、大豆油脂肪酸イソプロパノールアミド、牛脂脂肪酸イソプロパノールアミドなどが挙げられる。これら脂肪酸イソプロパノールアミドは、単独で用いられてもよく、或は2種以上の混合物として用いられてもよい。【0017】 脂肪酸イソプロパノールアミドに対するプロピレンオキサイドの付加方法には特に限定はない。例えば、三フッ化ホウ素、塩化チタン、塩化スズなどのルイス酸触媒、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイドなどの塩基触媒の存在下、プロピレンオキサイドを上記アルカノールアミド化合物に反応させることができる。この反応ではこれらいずれかの触媒の存在が必要であり、また、高度に精製した脂肪酸イソプロパノールアミドでは付加反応は進行しないか、または非常に遅くなる。【0018】 プロピレンオキサイド付加反応の温度は、脂肪酸イソプロパノールアミドの融点以上であればよいが、80〜180℃が好ましい。80℃より低い温度では反応が遅く、180℃を越える温度では着色が著しいことがあるので好ましくない。着色を防止または抑制するためには、反応器内の空気を不活性ガスで予め置換しておくことが効果的である。プロピレンオキサイドの仕込み法としては、(a)加熱前に仕込んでおく、(b)反応温度に加熱後、液体状で圧入する、(c)反応温度に加熱後、ガス状で吹き込む、などのいずれの方法でもよい。ただし、付加反応の際に発熱を伴うので、上記(a)の方法では温度制御が困難となる場合がある。したがって、大量に製造するときは温度抑制の容易な(b)又は(c)の方法を採用することが好ましい。【0019】 プロピレンオキサイド付加反応終了後、得られたポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドは、精製することなくそのままで次の工程に供することができる。一般にポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドのように、脂肪酸アルカノールアミドにエチレンオキサイドを付加したものは、有毒なジオキサンを微量ながら含有しているので、このジオキサンを除去する工程を必要とするが、本発明品は、エチレンオキサイドを使用していないのでジオキサン除去工程を必要としない。但し、微量の溶存プロピレンオキサイドの存在を避けなければならない場合は、反応混合液を軽く減圧にする事により溶存プロピレンオキサイドを容易に除去できる。【0020】 また、用いた触媒の残存を避けなければならない場合には、下記の処理を施すとよい。すなわち、触媒としてルイス酸を用いた場合は、反応混合物に用いた触媒量に対して1〜100倍量の水を加え、クエンチしたのち、減圧でルイス酸を除去する。また塩基触媒を用いた場合は、塩酸、硫酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸により中和すればよい。しかしその際生成する無機塩或いは有機塩も忌避される場合は、濾過などの方法によって容易に除去することができる。【0021】 プロピレンオキサイド付加反応の際、反応を阻害しないかぎり溶媒を使用しても構わない。使用できる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどの炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、並びにテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、およびジブチルエーテルなどのエーテル系溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒を用いた場合は、プロピレンオキサイド付加反応の終了後、この溶媒を減圧下で留去して除去すればよい。【0022】 脂肪酸イソプロパノールアミドを合成するには、(1)脂肪酸とイソプロパノールアミンを脱水縮合する方法、(2)脂肪酸ハライドとイソプロパノールアミンを反応させる方法、(3)脂肪酸の低級アルコールエステルとイソプロパノールアミンから低級アルコールを除去しながら反応させる方法などを用いることができる。上記(1)の方法では、反応を完結させることが困難で未反応原料がいくらか残ってしまったり、アミドエステルやアミンエステルなどの不純物を副生するので、高純度の脂肪酸イソプロパノールアミドを得にくい。これら不純物の中には、脂肪酸イソプロパノールアミドよりもプロピレンオキサイドの付加反応を受けやすい物を含んでおり、これらの不純物を含んだままプロピレンオキサイドを付加しようとすると、不純物へのプロピレンオキサイドの付加反応も進行するため、得られたポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドの純度はさらに低いものとなる欠点がある。また、反応温度も他の方法に比べ高くしなければならないので、着色が激しいという欠点がある。【0023】 上記(2)の方法では、塩化水素が発生するためそれをトラップする試薬や装置を必要とし、また装置の腐食の問題や脂肪酸ハライドが比較的高価であり、工業的に優れた方法とは言い難い。 本発明のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドを得るには、得られる脂肪酸イソプロパノールアミドの純度が高い上記(3)の方法が好ましい。この(3)の方法には、塩基触媒が用いられる。次工程のプロピレンオキサイド付加において触媒が必要なことはすでに述べたが、(3)の方法により脂肪酸イソプロパノールアミドを製造する場合は、その塩基触媒が、プロピレンオキサイド付加反応の触媒としても有効であるから、プロピレンオキサイドを付加する段階でこの付加反応に必須な触媒を添加する必要がなくなるため、この方法は非常に効率のよい方法である。【0024】 一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドの混合物を最も効率的に製造する方法を例示すれば下記の通りである。すなわち、脂肪酸低級アルコールエステル、イソプロパノールアミンおよび塩基触媒からなる原料を加熱し、発生する低級アルコールを留去しながら縮合反応をおこない、脂肪酸イソプロパノールアミドを調製する。次に、この脂肪酸イソプロパノールアミドにプロピレンオキサイドの付加反応を施す。【0025】 この反応の一実態例を例示すれば次のようになる。【化3】【0026】 上記反応に用いられる脂肪酸アルキルエステルは、例えば、カプリン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸などのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステルなどから選ぶことができる。【0027】 上記反応に用いられるイソプロパノールアミンと脂肪酸アルキルエステルとのモル比は、(イソプロパノールアミン)/(脂肪酸低級アルキルエステル)=0.8〜1.2が好ましく、1.0〜1.1がより好ましく、1.02〜1.08がさらに好ましい。【0028】 上記反応に用いられる塩基触媒としては、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイドなどの金属アルコキサイド、並びに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物などが挙げられる。その使用量は一般式(II)で示される脂肪酸アルキルエステルに対して、0.01〜5 mol%が好ましく、0.5〜2 mol%がさらに好ましい。【0029】 前記アミド化の反応温度は50〜180℃であることが好ましく、反応時間は24時間までで十分である。なお、アミド化反応により生成する低級アルコールを留去するため、圧力を0.1〜760mmHgの範囲にコントロールすることが好ましく、10〜50mmHgの範囲がさらに好ましい。しかしこの時に反応温度が酸低級アルコールエステルおよびイソプロパノールアミンの沸点以上にならぬよう、温度との関係を見ながら圧力を設定する事が望ましい。【0030】 このアミド化反応はほぼ定量的に進行するため、得られた塩基触媒を含む脂肪酸イソプロパノールアミド反応混合物は、精製することなくそのまま次のプロピレンオキサイド付加反応に供することができる。プロピレンオキサイド付加反応については上述の方法で行なえばよい。しかし、一般に、脂肪酸イソプロパノールアミドは、冷却すると固化するものが多いので、反応液の温度を所望のプロピレンオキサイド付加温度に調整し、プロピレンオキサイドを液状あるいはガス状で仕込む方法、すなわち上述の(b)ないし(c)の方法が効率的である。【0031】 プロピレンオキサイドを付加したのち、その反応触媒として用いた塩基触媒が問題となる場合には、反応混合物を塩酸、硫酸、亜硫酸あるいは亜硫酸ガスなどの酸性物質により中和し、生成した塩を濾過によって除去すればよい。また、プロピレンオキサイド付加後、反応液に溶存している微量の未反応プロピレンオキサイドを忌避する場合は、反応容器内を軽く減圧にすることにより、残存プロピレンオキサイドを容易に除去できる。【0032】 一般式(I)で示されるポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、皮膚や毛髪、眼粘膜への刺激が少なく、ハンドリング性・溶解性にも優れ、また広い範囲のpHでも加水分解しにくいという特徴を有している。したがって、従来の脂肪酸アルカノールアミドやポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドなどに比べて、本発明のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物からなる増粘剤、増泡剤、起泡安定化剤は、より幅広い分野、およびさまざまな製品形態への適用が可能である。さらにまた、本発明のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、乳化力や分散力、可溶化力にも優れ、その良好な溶解性及び分解しにくい性質から、化粧品、繊維、食品、農薬、塗料、高分子などさまざまな分野で、優れた乳化剤、分散剤、可溶化剤として有用である。【0033】 本発明の化粧料に用いられる一般式(I)で示されるポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物成分の含有量には特に限定はないが、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは、1〜5重量%である。化粧料中の含有量が0.1重量%未満ではその効果が不十分になることがあり、またそれが20重量%を越えると得られる化粧料の乳化安定性が低下し、使用時のベタツキ感も強くなることがあり、好ましくない。 本発明の化粧料には、化粧料成分として、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール(実施例27)などの高級アルコール;セチルアルコールポリグリコールエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル(実施例26)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(実施例23)、POP(3)ミリスチルエーテル(実施例19)などの高級アルコールエーテル;ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸ナトリウム(実施例16)、ステアリン酸トリエタノールアミンなどの高級脂肪酸塩;ソルビタンセスキオレート(実施例26)、トリオクタン酸グリセリル(実施例17)、モノオクタン酸ソルビタン(実施例21)、オクタン酸セチル(実施例16)、ステアリン酸グリセリル、パルミチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル類;流動パラフィン(実施例16)、固形パラフィン(実施例26)、スクワラン(実施例26)、アボガド油(実施例27)、ホホバ油(実施例26)、オリーブ油(実施例1〜4)、白色ワセリン(実施例12〜15)、加水分解コラーゲンペプチド(実施例24)、絹ヒブロインペプチド(実施例30)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(実施例28)、ココイルアルギニンエチルエステル・PCA塩(実施例25);アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ジメチルポリシロキサン(実施例22)、ポリオキシアルキレン変性シリコーン(実施例22)、メチルフェニルポリシロキサン(実施例22)及びオクタメチルシクロテトラシロキサン(実施例22)などのシリコーン化合物;並びに二酸化チタン(実施例21,22)、セリサイト(実施例22)、タルク(実施例22)、ベンガラ(実施例22)、酸化鉄黄(実施例22)、及び酸化鉄黒(実施例27)などを用いる事ができる。【0034】 本発明の化粧料には必要に応じて、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール類、ラノリン類、ポリアクリル酸ポリマー、ヒアルロン酸、カルボキシメチルキチン、エラスチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン酸、フィブロネクチン、セラミド類などの水溶性高分子物質、アロエエキス、胎盤抽出エキスなどの細胞賦活剤、アラントイン、グリチルリチン酸塩などの消炎剤、エデト酸塩、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸などのキレート剤、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸塩、2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4′−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシンなどの防腐剤、殺菌剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸などの酸化防止剤、オキシベンゾン、4−tert−ブチル−4′−メトキシベンゾイルメタン、2−エチルヘキシルパラジメチルアミノベンゾエートなどの紫外線吸収剤、香料および色素などを適宜用いることができる。【0035】 本発明の化粧料の形状には制限がなく、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系などどのような状態でもよい。本発明の化粧料を製造するには、当業者間で一般的に行われている配合方法により、所要成分を配合混合すればよい。 また本発明の化粧料は、化粧水、乳液、クリーム、パック剤、美容液、汗止め剤、ファンデーション剤などの皮膚用化粧料や、リンス、ヘアートリートメント剤、ヘアーコンディショナー、ヘアーブラッシング剤、ヘアートニック剤、パーマネントウェーブ剤、ヘアークリーム剤、などの毛髪用化粧料、浴剤並びにアフターシェーブローションから選ばれる。【0036】 上述のように、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、加水分解に対する耐性が強いので、従来、脂肪酸ジエタノールアミドでは使用不可能とされていた高いpHを有する配合品にも用いることができるので、従来の脂肪酸ジエタノールアミドに比べその使用範囲を制限されることが少なくなっている。【0037】 また、従来の脂肪酸ジエタノールアミドでは、その配合系に最適なものを選択しようとした場合、脂肪酸の組成を変化させる事しか許容されなかったが、本発明品のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物では、脂肪酸組成はもちろんのこと、プロピレンオキサイドの付加モル数についても適宜に変化させることができる。したがって、増粘性を重視したい場合、あるいは高い起泡安定性を求める場合、あるいはまた十分な乳化安定性を必要とする場合などの多種多様な要望を満足するための性能発現変数が多くなり、あらゆる配合品への添加の可能性が高くなっている。【0038】【実施例】 下記実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。【0039】製造例1(ポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸イソプロパノールアミドの調製) ラウリン酸メチル214gにイソプロパノールアミン76gおよびナトリウムメトキサイド1gを加え、副生成するメタノールを減圧下留去しながら加熱攪拌(20mmHg、100℃、6時間)して、ラウリン酸イソプロパノールアミド258gを得た。このラウリン酸イソプロパノールアミド258gとプロピレンオキサイド58g(1倍モル)とをオートクレーブに仕込み、120℃で3時間攪拌してポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸イソプロパノールアミド混合物を合成した。収量:316g。【0040】 物性値は下記の通りであった。 融点 :18℃ 水酸基価:179 アミン価:6.0 IR分析(日立270−30、KBr錠剤): 3316,2924,2852,1738,1648,1554, 1464,1378,1264,1124,1094cm-1 1H−NMR(Bruker AC−250、CDCl3 、TMS内部標準):δ0.86ppm (t,3H,−C10H20−CH3 ), 1.13〜1.21ppm (m,6H,(−CH(CH3 )−O−)2 ), 1.26ppm (br,16H,−CH2 −), 1.62ppm (m,2H,−CH2 CH2 CONH−), 2.14〜2.38ppm (t,2H,−CH2 CONH−), 2.68ppm (br,1H,−OH), 3.1〜3.6ppm (m,5H,−CH2 CHOCH2 CHO−), 3.94ppm (m,1H,−CH−OH), 5.90ppm (br,1H,NH)【0041】製造例2〜8および比較製造例1〜2(ポリオキシプロピレンラウリン酸イソプロパノールアミド混合物の調製) ラウリン酸メチル214gにイソプロパノールアミン76gおよびナトリウムメトキサイド2gを加え、副生成するメタノールを減圧下留去しながら加熱攪拌(20mmHg、140℃、3時間)して、ラウリン酸イソプロパノールアミド258gを得た。このラウリン酸イソプロパノールアミド258gをオートクレーブに入れて90℃に加熱し攪拌しながら、これに表1に示す量のプロピレンオキサイドをプロピレンオキサイド導入器から圧入し、120℃で3時間攪拌して種々の付加モル数のポリオキシプロピレンラウリン酸イソプロパノールアミドからなる混合物を合成した。 各種物性値を表1に示す。【表1】【0042】製造例9(ポリオキシプロピレン(2)ラウリン酸イソプロパノールアミド混合物の調製) オートクレーブに精製したラウリン酸イソプロパノールアミド257gとBF3・エーテル錯体2.4gを入れ、さらにプロピレンオキサイド116gを加えて、150℃、1時間反応した。反応終了後、水を加えクエンチしたのち、減圧下でトッピングを行い、ポリオキシプロピレン(2)ラウリン酸イソプロパノールアミド混合物373gを得た。【0043】比較製造例3(ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸イソプロパノールアミドの調製) ラウリン酸イソプロパノールアミド257gをオートクレーブに入れ、120℃まで加熱したのち、エチレンオキサイド88g(2倍モル)をガス状にして吹き込んだ。120℃で3時間加熱攪拌したのち冷却した。生成物は未反応のラウリン酸イソプロパノールアミドとポリエチレングリコールであり、目的のポリオキシエチレンラウリン酸イソプロパノールアミドは得られなかった。【0044】製造例10(ポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸イソプロパノールアミド混合物の調製) ラウリン酸200gにイソプロパノールアミン90gを加え、窒素気流下、180℃で8時間加熱攪拌した。生成した水は留去しながら反応を行った。HPLC分析の結果、ラウリン酸イソプロパノールアミド含量は80%であった。他にはN,O−ジラウロイルイソプロパノールアミンやO−ラウロイルイソプロパノールアミンを含んでおり、淡褐色を呈していた。未反応のイソプロパノールアミンを減圧で除去したのち、これにプロピレンオキサイドを58g加えオートクレーブ中、120℃で1時間付加反応を行った。HPLC分析の結果、目的のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物の含有量は60%であった。また得られた物は黒褐色を呈しており、不快臭を伴っていた。【0045】製造例11(ポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸イソプロパノールアミド混合物の調製) イソプロパノールアミン75gをクロロホルム1000gに溶解し、さらにトリエチルアミン111gを加え、10℃に冷却した。反応温度20℃を保つようにしながらラウリン酸クロライド219gを滴下した。滴下終了後30℃で1時間攪拌した。反応終了後、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去した。濾液を1N塩酸500mlで3回洗浄したのち、飽和重曹水500mlで3回洗浄し、最後に飽和芒硝水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧で溶媒を除去して、白色固体のラウリン酸イソプロパノールアミド244g(収率95%)を得た。 得られたラウリン酸イソプロパノールアミド244gとプロピレンオキサイド55g、ナトリウムメトキサイド0.5gをオートクレーブに入れ、130℃で2時間加熱攪拌し、プロピレンオキサイド付加を行なった。得られたポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸イソプロパノールアミド混合物は300g(収率95%)であった。各種分析値は水酸基価が177、アミン価が11.0であった以外は製造例1の方法で得られたものと同じであった。【0046】 上記の様に、ラウリン酸クロライドなどの脂肪酸ハライドを出発原料とする製造方法では、クロロホルムや水のような反応溶媒を必要とし、反応で生成する塩酸をトラップする為アルカリや塩基を必要とする。また、塩酸をトラップした事によって生成する塩、たとえばトリエチルアミン塩酸塩や塩化ナトリウムなどを除去する工程、具体的には濾過や水洗などの工程が必要となる。この為に若干の収率低下を招いてしまう。またその塩を除去する工程で次のプロピレンオキサイド付加に必要な塩基触媒も系外に除かれてしまう為、プロピレンオキサイドを付加する段階で、再度塩基触媒を添加しなければならない。また、アシル化の反応で発生する塩酸や塩による装置の腐食も問題になる。このように脂肪酸ハライドから製造する方法は操作も煩雑であり、副原料を必要とし、腐食の問題も含んでいることから、工業的な製造法としては、製造例1に記載した本発明の製造法に比べ適していない事が判る。【0047】比較製造例4(ポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸イソプロパノールアミドの調製) ラウリン酸メチル214gにイソプロパノールアミン75gおよびナトリウムメトキサイド2gを加え、生成するメタノールを減圧下留去しながら加熱攪拌(20mmHg、140℃、1時間)して、ラウリン酸イソプロパノールアミド258gを得た。この物のアミン価は6.2であった。これをキシレン3000mlに溶解し、2重量%塩酸水800mlで2回洗浄した。次いで、飽和食塩水800mlで3回洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を除去したのち、THF−トルエンから再結晶して精製ラウリン酸イソプロパノールアミド206gを得た(収率80%)。この物のアミン価は0.01であった。これをオートクレーブに入れ、さらにプロピレンオキサイド46g(1倍モル)を加えて、150℃で6時間攪拌したが、反応せず原料を回収したのみであった。【0048】融点測定 融点は日本薬局方B−414融点測定法(第1法)にしたがって測定した。室温付近で液体状の化合物あるいは毛細管に充填しづらい試料については、日本薬局方B−116凝固点測定法にしたがって測定した凝固点を以て融点とした。 表2に本発明のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドの融点と参考までにプロピレンオキサイド付加原料である脂肪酸イソプロパノールアミドおよび脂肪酸ジエタノールアミドなどの融点を示す。【0049】【表2】【0050】 表2に示されているように、プロピレンオキサイドを付加した反応性生物は、付加前の脂肪酸イソプロパノールアミドに比べ融点がかなり下がっていた。一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドのうち、プロピレンオキサイド付加モル数が多いものは、室温で液状であった。すなわちこの融点値は対応する脂肪酸ジエタノールアミドの融点より低い値であった。一般に配合品を調製しようとする場合は、固体状や粉体状のものより液体状の化合物の方が取り扱いが容易である。しかし固体や粉体であっても、加熱によって容易に溶解するものであれば一旦溶かしてから配合品に添加すればよいが、その際、融点が60℃を越えるものは、加熱水浴上で溶かそうとしても、なかなか溶けないので取り扱いが不便である。その点本発明品のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は融点が低く、したがってわずかに加温するだけで液状にする事ができ、その結果、配合時のハンドリング性がきわめて向上していた。【0051】加水分解試験 試料2gにイソプロパノール27gと精製水71gを加え溶解させたのち、クエン酸あるいはカセイソーダを添加して所定のpHに調節し、この溶液を50℃で1ヵ月保存した。その間、1週間ごとにpHを測定し、変化しているようであれば、クエン酸あるいはカセイソーダで元のpHに合わせた。1ヵ月後、加水分解によって生成した試料溶液中のラウリン酸含量をGLCにて測定した(絶対検量線法)。 ラウリン酸含量から、次式によって加水分解率を求めた。 加水分解率(%)=(ラウリン酸含量)/(仕込み試料のモル数×200.3)×100 試験結果を表3に示す。【0052】【表3】【0053】 表3に示されているように、ラウリン酸ジエタノールアミドは加水分解を受けやすい事が判明した。特にpH3以下や9以上では分解しやすいことが認められた。これに対して、本発明品のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、ラウリン酸イソプロパノールアミドなどと同様、広いpH範囲で低い加水分解率を示した。したがって、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は広範囲のpHにおいて安定であり、それを配合しようとした場合に受けるpHの制約が少ないと言える。【0054】眼粘膜刺激試験 日本白色種ウサギ雌(14週齢)に10%試料溶液あるいは懸濁液の0.1mlを右下眼瞼嚢に滴下し、上下瞼を約5秒間合わせてよく接触させ、そのまま放置した。なお反対側(左眼)は無処置対照とした。 判定は投与1,3,6時間後および1,2,3,4,7日後にDraize法の判定基準に従って行った。 安全性評価の基準は平均刺激値の最大値とスコアーの持続時間を元に、KAY & CALANDRAの眼刺激評価基準に基づいて行った。評価は以下のような8段階とした。 1:無刺激 2:実際上無刺激 3:最小の刺激 4:軽度の刺激 5:中等度の刺激 6:強度の刺激 7:きわめて強度の刺激 8:最大の刺激 試験結果を表4に示す。【0055】【表4】【0056】 表4に示されているように、本発明の化粧料に含まれるポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は実質上眼粘膜刺激を有していない事が確認された。これに比して、他のプロピレンオキサイド付加モル数を有する化合物では、わずかな刺激が認められた。また、脂肪酸イソプロパノールアミドにもわずかではあるが刺激が認められた。上記結果から、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドは、リンスなどの化粧料に安心して使用し得る化合物である事が確認された。【0057】実施例1〜4および比較例1〜6 表5に記載の量の試料を蒸留水に溶かし、クエン酸あるいはカセイソーダでpHを7に調整し、これを試料溶液とした。この試料溶液10mlとオリーブ油2gとを30ml共栓付試験管に入れ、50回激しく振り混ぜたのち静置した。30分後、試験管内部の状態を観測した。試料が蒸留水に溶けていない状態を「不溶」、試料が蒸留水に溶けておりかつ水層と乳化層(油層を含む)に分離せず全面に乳化している状態を「乳化」、試料が蒸留水に溶けておりかつ水層と乳化層とに分離している場合は乳化層の厚さをmm単位で測定し、これを乳化力とした。 試験結果を表5に示す。【0058】【表5】【0059】 表5の結果から明らかなように、本発明の化粧料において、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を配合すると、水層部の体積が少なくなった。この事は乳化層の体積がより大きい事を意味し、これはすなわち当該化合物の乳化力が優れていることを意味する。したがって、本発明の化粧料に用いられ一般式(I)の化合物は乳化力にすぐれ、乳化剤としてすぐれた効果を発揮することが確認された。【0060】実施例5〜7および比較例7〜12 一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物および市販の脂肪酸アルカノールアミド類を用い、石灰石けん分散力の測定を行なった。試験は下記の方法で行った。 試験は Borghettyらの方法(J.Am.Oil Chem.Soc. 27, 88 (1950)) に準じて測定した。オレイン酸ナトリウムの0.5重量%水溶液を50mlの共栓付試験管に入れ、次に試験すべき試料の0.25重量%の水溶液5ml、CaCl2 ・2H2 O 0.8824gとMgCl2 ・6H2 O 0.8132gを蒸留水1リットルに溶解した硬水10mlを加え、全体を30mlになるように蒸留水を加えた。20回逆立ちを繰り返してから、試験管を25℃の恒温槽で30秒間静置してから石灰石けんの粒子の状況を観察し、もはや沈殿を生じなくなる迄0.25重量%の試料水溶液を加えた。その時の試料水溶液の量がAmlであったとして、石灰石けん分散力(LSDP)を下式より求めた。 LSDP(%)=(Aml×0.0025)/0.025×100 試験結果を表6に示す。【0061】【表6】【0062】 表6から明らかなように、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、石灰石けん分散能に優れていることが確認された。したがって本発明品は固形化粧料成分の水中分散剤として有用なものである。またこの結果は、一般式(I)の化合物を含有する洗浄剤は耐硬水性にも優れている事を示している。【0063】実施例8〜11および比較例13〜18 一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドおよび市販の脂肪酸アルカノールアミド類を用い、化粧料成分に対する水中可溶化力の測定を行なった。試験は下記の方法で行った。 表7に記載した組成の試料溶液を調製した。この試料溶液20mlを30ml共栓付試験管に入れ、恒温槽で20℃に温度調整した。試験管を激しく振盪しながら試料溶液にトルエンをマイクロシリンジで滴下し、白濁が生ずる直前までに添加したトルエン量(μl)をもって供試液の可溶化限界量を表示した。 試験結果を表7に示す。【0064】【表7】【0065】 表7の結果から明らかなように、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドは化粧料成分の可溶化量が高いものであった。この事はすなわち、一般式(I)の化合物混合物は、他の脂肪酸アルカノールアミドや他のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドあるいはポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドに比べ可溶化力が優れている事を意味する。従って本発明の化粧品において一般式(I)の化合物の混合物は化粧料成分の可溶化剤として有用なものである。【0066】実施例12〜15および比較例19〜24 実施例12〜15および比較例19〜24において、表9に示されている組成のハンドクリームを調製した。得られた化粧料を下記乳化安定性試験および官能試験に供した。 これらの試験方法は次の方法で行った。1)乳化安定性試験 A成分とB成分を別々に75℃に加熱したのち、成分Bに成分Aを加えた。この際4枚羽のインペラーを用いて強攪拌して水中乳化させた。さらに攪拌を続けながら室温に冷却したのち、室温で一ヵ月保存して乳化の状態を調べた。評価の基準を次のように設定した。 ◎…完全に乳化している ○…極一部に分離しているところが認められる △…一部、分離している ×…完全に分離している2)官能試験 専門のパネラー10名に実際に使用させ、使用後の感触について官能試験を行った。評価の基準を次のように設定した。 ◎…8名以上がよいと回答 ○…6〜7名がよいと回答 △…4〜5名がよいと回答 ×…3名以下がよいと回答 表8に試験結果を示す。【0067】【表8】【0068】 表8から明らかなように、表8に記載の化粧料において、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドを含有する物は、水中乳化安定性に優れていた。また、使用感も優れていた。これに比べ、脂肪酸アルカノールアミドなどや本発明の範囲外のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミドを含有する物は水中乳化安定性および使用感に劣っていた。【0069】実施例16 下記組成のクリームを通常の水中乳化法により調製し、実施例12と同一の試験に供したところ、乳化安定性および使用感に優れていた。 成 分 重量%・モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO) 1.0・ポリオキシプロピレン(2)ステアリン酸イソプロパノール アミド混合物 1.0・自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 5.0・ステアリン酸 5.0・ベヘニルアルコール 1.0・流動パラフィン 10.0・オクタン酸セチル 10.0・パラオキシ安息香酸エチル 0.2・グリセリン 5.0・ヘチマ抽出液 1.0・防腐剤 0.5・精製水 残部【0070】実施例17 下記組成の乳液を通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、しっとりとした使用感を示した。 成 分 重量%・製造例1の化合物混合物 1.0・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 1.0・テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60EO) 0.5・ステアリン酸 0.5・ベヘニルアルコール 0.5・アボガド油 3.0・トリオクタン酸グリセリル 5.0・1,3−ブチレングリコール 5.0・キサンタンガム 0.1・エデト酸二ナトリウム 0.2・防腐剤 0.1・精製水 残部【0071】実施例18 下記組成の乳液を通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、しっとりとした使用感を示した。 成 分 重量%・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60EO) 8.0・エタノール 15.0・ポリオキシプロピレン(1)ミリスチン酸イソプロパノール アミド混合物 0.5・ベヘニルアルコール 1.0・パラオキシ安息香酸メチル 0.1・グリセリン 5.0・精製水 残部【0072】実施例19 下記組成のスティック状汗止め剤を通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、良好な制汗作用を示した。 成 分 重量%・製造例3の化合物混合物 28.5・POP(3)ミリスチルエーテル 15.0・プロピレングリコール 30.0・アルミニウムクロロハイドレイトプロピレングリコール錯体 20.0・香料 1.0・精製水 残部【0073】実施例20 下記組成のアフターシェービングローションを通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、ひげそり後のヒリヒリ感が減少していた。 成 分 重量%・プロピレングリコール 51.8・ポリオキシプロピレン(1)ヤシ油脂肪酸イソプロパノール アミド混合物 7.5・POE(75)ラノリン 1.2・ステアリン酸ナトリウム 8.5・色素 0.1・香油 3.0・アルコール 5.0・POE(20)ソルビタンモノラウレート 3.0・精製水 残部【0074】実施例21 下記組成のパップ剤を通常の水中乳化分散法により調製し、その性能を評価したところ、使用感に優れていた。 成 分 重量%・ポリアクリル酸 30.0・クロタミトン 1.0・ポリアクリル酸ソーダ 7.0・塩化アルミニウム 0.3・グリセリン 20.0・モノオレイン酸ソルビタン 1.0・ポリオキシプロピレン(20)オレイン酸イソプロパノール アミド混合物 0.7・酸化チタン 5.0・精製水 残部【0075】実施例22 下記組成のクリーム状ファンデーションを通常の水中乳化分散法により調製し、その性能を評価したところ、使用時の伸びがよく、また使用感にも優れていた。 成 分 重量%・ジメチルポリシロキサン(6cs) 10.0・メチルフェニルポリシロキサン 3.0・オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0・ポリオキシアルキレン変性シリコーン 5.0・製造例8の化合物混合物 0.5・酸化チタン 5.0・セリサイト 2.0・タルク 3.0・ベンガラ 0.4・酸化鉄黄 0.7・酸化鉄黒 0.1・グリセリン 5.0・ホスホラミドン 0.25・6−アミノ−n−カプロン酸 0.5・防腐剤 適量・香料 適量・精製水 残部【0076】実施例23 下記組成のパック剤を通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、塗布時ののびがよく、剥離性に優れていた。 成 分 重量%・ジプロピレングリコール 3.0・ポリエチレングリコール 3.0・1,3−ブチレングリコール 1.0・グリセリン 2.0・ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0・乳酸 0.5・乳酸ナトリウム 0.5・ポリビニルアルコール 12.0・ポリオキシプロピレン(10)イソステアリン酸 イソプロパノールアミド混合物 0.3・エタノール 3.0・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシル エーテル 0.3・防腐剤 適量・香料 適量・精製水 残部【0077】 実施例16〜23の結果から明らかなように、本発明のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を含有する皮膚化粧料は乳化安定性や使用中または使用後の感触に優れていた。【0078】実施例24 下記組成のヘアコンディショナーを通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、使用後の髪にしっとりとした感触を示した。 成 分 重量%・実施例4の化合物混合物 1.0・ポリビニルピロリドン 2.0・加水分解コラーゲンペプチド 0.2・エタノール 5.0・精製水 残部【0079】実施例25 下記組成のヘアーブラッシング剤を通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、櫛通り性に優れていた。 成 分 重量%・ココイルアルギニンエチルエステル・PCA塩 0.5・エタノール 5.0・ポリオキシプロピレン(5)パルミチン酸イソプロパノール アミド混合物 0.1・メチルパラベン 0.1・香料 0.1・精製水 残部【0080】実施例26 下記組成のヘアークリームを通常の水中乳化法により調製し、実施例12と同一の試験に供したところ、乳化安定性および使用感に優れていた。 成 分 重量%・流動パラフィン 10.0・スクワラン 7.0・ホホバ油 3.0・固形パラフィン 3.0・ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.5・ポリオキシプロピレン(1)カプリン酸イソプロパノール アミド混合物 0.5・ソルビタンセスキオレエート 0.8・防腐剤 0.3・精製水 残部【0081】実施例27 下記組成のヘアートリートメントクリームを通常の水中乳化法により調製し、実施例12と同一の試験に供したところ、乳化安定性が良好で、使用後の髪にしっとりとした使用感を与えた。 成 分 重量%・アボガド油 5.0・スクワラン 7.0・流動パラフィン 10.0・ステアリン酸 3.0・グリセリンモノステアレート 3.0・ポリオキシプロピレン(5)パーム核油脂肪酸 イソプロパノールアミド混合物 2.0・ラノリンアルコール 5.0・エデト酸ナトリウム 0.1・防腐剤 0.2・精製水 残部【0082】実施例28 下記組成のヘアーリンスを通常の水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、指通りが滑らかで使用後の髪にしっとり感を与えた。 成 分 重量%・セチルアルコール 3.0・流動パラフィン 3.0・オクタン酸セチル 8.0・ポリオキシプロピレン(2)ヤシ油脂肪酸イソプロパノール アミド混合物 2.0・塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0・パラオキシ安息香酸メチル 0.1・精製水 残部【0083】実施例29 下記組成のブロードライコンディショナーを水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、ブロー後の毛髪の損傷が少なくしっとりとした感触を示した。 成 分 重量%・4級化ポリビニルピロリドン 2.0・オレイルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.6・POE(20)ソルビタンモノラウレート 0.2・製造例5の化合物混合物 0.3・エタノール 3.0・精製水 残部【0084】実施例30 下記組成のパーマネントウェーブ用第1剤を水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、優れたセット持続性を示した。また使用後の毛髪の損傷が少なく優れたしっとり感とつやを示した。 成 分 重量%・塩化セチルトリメチルアンモニウム 4.0・ポリエーテル変性シリコーン 1.5・チオグリコール酸アンモニウム 12.0・絹フィブロインペプチド 0.5・モノエタノールアミン 0.8・乳化剤 1.0・製造例7の化合物混合物 0.3・ラウリン酸ジエタノールアミド 0.3・グリチルリチン酸ジカリウム 0.05・EDTA 0.1・アンモニア水 pH=9にする量・精製水 残部【0085】 実施例25〜30の結果から明らかなように、本発明のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を配合した毛髪化粧料は、乳化安定性に優れていた。また、毛髪への刺激が少ないことから、使用後の髪に優れた使用感を付与した。【0086】実施例31 下記組成のバブルバス剤を水中乳化法により調製し、その性能を評価したところ、入浴後の肌にしっとりとした感触を与えた。 成 分 重量%・塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 59.0・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルグリシン 16.0・ジメチルミリスチルアミンオキサイド 4.0・ポリオキシプロピレン(0.5)ミリスチン酸イソプロパノール アミド混合物 7.0・香料 1.0・精製水 残部【0087】【発明の効果】 本発明の化粧料に用いられる一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物は、融点が低くハンドリング性が良好であり、また、広範囲のpH領域で安定であり、さらに眼粘膜刺激も少ないという特徴を有する。また、一般式(I)の化合物は他の界面活性剤との併用において、優れた増粘性・増泡性・起泡安定性を有しているので、ハンドリングが容易で、低温安定性に優れ、広範囲のpHでも使え、また刺激が少なく乳化力・分散力・可溶化力にも優れているので化粧料成分の乳化剤・分散剤・可溶化剤として有効なものである。 さらに本発明において、一般式(I)のポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を用いることにより乳化、可溶化及び/又は分散安定性に優れ、同時に使用感にも優れた化粧料を得る事ができる。 化粧料成分と、水と、一般式(I):(但し、式(I)中、Rは炭素数7〜21の直鎖又は分岐の飽和炭化水素或いは不飽和炭化水素基を表し、POは炭素数3のオキシアルキレン基を表し、mは0又は1以上の整数を表す)により表される化合物の2種以上の混合物からなり、この混合物中の式(I)の化合物のmの平均値が0.3〜20の正数であるポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物成分とを含有し、 前記ポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物安定化成分が前記化粧料成分を、水中に乳化又は可溶化し、或は分散していることを特徴とするポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を含有する、化粧水、乳液、クリーム、パック剤、美容液、汗止め剤、ファンデーション剤、リンス剤、ヘアートリートメント剤、ヘアーコンディショナー、ヘアーブラッシング剤、ヘアートニック剤、ヘアークリーム、パーマネントウエーブ剤、浴剤、及びアフターシェーブローションから選ばれた化粧料。 前記ポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物成分の配合量が、前記化粧料の合計重量に対し0.1〜20重量%である、請求項1に記載の化粧料。 前記化粧料成分が、高級アルコール、高級アルコールエーテル、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、及び高級脂肪酸エステル、白色ワセリン、流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、アボガド油、ホホバ油、オリーブ油、加水分解コラーゲンペプチド、絹ヒブロインペプチド、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、ココイルアルギニンエチルエステル、シリコーン化合物、二酸化チタン、セリサイト、タルク、ベンガラ、酸化鉄黄、及び酸化鉄黒、から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の化粧料。


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