生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_有機性廃棄物処理剤及び該処理剤による有機性廃棄物の処理方法
出願番号:2002330659
年次:2005
IPC分類:7,B09B3/00,C02F11/02,C12N1/00


特許情報キャッシュ

廣岡 成進 JP 3637906 特許公報(B2) 20050121 2002330659 20021114 有機性廃棄物処理剤及び該処理剤による有機性廃棄物の処理方法 日本バイオ株式会社 302064016 柳野 隆生 100074561 廣岡 成進 20050413 7 B09B3/00 C02F11/02 C12N1/00 C12N1/00 C12R1:06 C12N1/00 C12R1:645 JP B09B3/00 D C02F11/02 C12N1/00 S C12N1/00 S C12R1:06 C12N1/00 S C12R1:645 7 B09B 1/00-5/00 C02F 11/02 特開平05−168419(JP,A) 特開平05−248965(JP,A) 特開平11−090388(JP,A) 特開2000−334426(JP,A) 8 2004160395 20040610 10 20021114 金 公彦 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスを含有してなる有機性廃棄物処理剤および該有機性廃棄物処理剤を利用した有機性廃棄物の処理方法に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、農産廃棄物、畜産廃棄物、林産廃棄物、水産廃棄物、食品工業の廃棄物などの有機性廃棄物は、多くの場合、微生物を利用して堆肥化して、その有効利用を図ってきた。特に、近年にいたりこれらの有機性廃棄物を速やかに処理するために、自然発生的または有機性廃棄物そのものから持ち込まれる微生物のみを利用することから、有機性廃棄物の堆肥化に対して有用な性質を有する細菌類、真菌類および放線菌類の微生物について、種々の新しい菌を見つけ、且つ数種あるいは十種以上の菌を混合し、有機性廃棄物の分解に利用することが提案されている。例えば、有機性廃棄物を堆肥化して肥料とし、土壌に還元する方法では、これらの有用な性質を有する細菌類、真菌類および放線菌類の微生物をコーヒー滓に休眠させた状態として固定化し、有機性廃棄物の堆肥化に際して、これらの微生物を添加することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、上記コーヒー滓に替えてビートパルプを用い、これに糖類を併用することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。さらには、木質系廃棄物を分解するために、白蟻の腸管系微生物群集を用い、リグニンを分解する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、これらの発明は、家畜などの糞尿、生ゴミ、汚泥に代表される有機性廃棄物およびリグニン類、繊維質類、炭水化物などを多量に含む有機性廃棄物を対象としたものである。【0003】アースロバクター属の細菌を、テレフタル酸を分解することに利用すること(例えば、特許文献4参照。)および含芳香族ポリエステルを分解することに利用すること(例えば、特許文献5参照。)が提案されている。また、多段微生物増殖装置を使用して含塩素有害化学物質を分解するためにアースロバクター属の細菌を利用した有機性廃棄物の分解方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。【0004】【特許文献1】特開平11−130573号公報(第3頁左欄、第2〜9行目)【特許文献2】特開平10−152386号公報(第3頁左欄、第20〜26行目)【特許文献3】特開平7−31465号公報(第2頁右欄、第22〜28行目)【特許文献4】特許第3223841号公報(第2頁右欄、第17〜28行目)【特許文献5】特許第3054702号公報(第2頁右欄、下から第9〜6行目)【特許文献6】特開2002−17338号公報(第4頁左欄下から第2行目〜右欄第4行目)【0005】【発明が解決しようとする課題】従来の微生物を利用した有機性廃棄物の処理方法は、特定の廃棄物を処理することができるが、多種類の廃棄物を処理することができないなどの問題点がある。従って、生ゴミ、使用済み紙おむつ、敷き藁、芝生、動物の糞尿、動物の屍体など多種類の有機性廃棄物を分解できる微生物を見出し、環境を破壊せずに容易に分解することが廃棄物を処理するうえで課題であった。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者は、各種の微生物による有機性廃棄物の分解を検討することにより、本発明を提案するに至った。すなわち、テトラプロア アリスタータ(Tetraploa aristata)、アクロフィアロホーラ ナイニアーナ(Acrophialophora nainiana)およびアースロバクター イリシス(Arthrobacter ilicis)を含有してなることを特徴とする有機性廃棄物の処理剤であって、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスの組成比が乾燥菌体の重量比で、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることが特に好ましく、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスの賦形材が、米糠および小麦ふすまのいずれか1種または2種であることが好ましい。また、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスが乾燥菌体として0.1〜5.0重量%含有してなることが好ましい。【0007】本発明の第二は、有機性廃棄物を破砕した後、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスを含有してなる有機性廃棄物の処理剤を、該有機性廃棄物に添加し、撹拌処理および加熱処理することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法であって、有機性廃棄物に対する有機性廃棄物処理剤の添加量が、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスの乾燥菌体として0.001〜0.5重量%であることが好ましく、撹拌処理および加熱処理が、50〜135℃で30分〜5時間であることが特に好ましい。また、有機性廃棄物が、生ゴミ、使用済み紙おむつ、敷き藁、芝生、動物の糞尿および動物の屍体のいずれか1種または2種以上であることが特に好ましい。【0008】【発明の実施の形態】本発明にいう有機性廃棄物とは、産業廃棄物および都市ゴミを問わず有機物を主体とする廃棄物であって、稲藁、麦藁、籾などの農産廃棄物、家畜の敷き藁、動物の糞尿、動物の屍体などの畜産廃棄物、鋸粉、間伐材、木質の建築廃材、古紙などの林産廃棄物、魚の内蔵、頭部、骨、鰭などの水産廃棄物、生ゴミなどの食品工業の廃棄物、その他実験動物の屍体、ゴルフ場の芝生、使用済みの紙おむつなどを例示することができる。【0009】本発明にいう有機性廃棄物処理剤とは、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスを含有してなる有機性廃棄物の処理剤であって、これらの菌体の組成については、特に制限はないが、その組成比が乾燥菌体の重量比で、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることが有機性廃棄物を処理する上で、特に好ましい。ここで、0.8〜1.2であることとは、総菌体重量が3である場合、各菌体が重量で、0.8〜1.2の範囲にあることを意味する。【0010】本発明にいう賦形材とは、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスを希釈して、実用上容易に扱えるようにするためのものであって、米糠、小麦ふすま、コーンコブ、バガス、コーヒー滓、茶葉の抽出滓などを使用することができるが、殺菌処理および粒度の面から本発明の賦形材としては、米糠および小麦ふすまが好ましい。【0011】本発明にいう有機性廃棄物を破砕するとは、有機性廃棄物を有機性廃棄物処理剤で処理するにあたり、菌体との接触をよくするために粒径を少なくとも2cm以下、好ましくは0.3〜1cmに破砕することをいう。有機性廃棄物が動物性の廃棄物あるいは使用済みの紙おむつの場合には、該廃棄物を凍結した後に破砕することが好ましい。また、破砕後の有機性廃棄物が汚染されている場合には、適宜水洗することが好ましい。【0012】本発明にいう有機性廃棄物の処理方法とは、処理すべき有機性廃棄物を好ましい粒径に破砕した後、本発明の有機性廃棄物処理剤を添加し、よく撹拌すると共に加熱する。加熱温度は50〜135℃が好ましく、加熱時間は有機性廃棄物処理剤の添加量および加熱温度に依存するが、30分〜5時間であることが特に好ましい。ここで、80℃を超える温度で処理する場合には、菌体による分解作用は停止するが、有機性廃棄物の分解作用は促進されることになる。【0013】【実施例】次に実施例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではない。【0014】(製造例1)馬鈴薯を水道水で洗浄した後、その皮をむき、1cmの立方体に切断した。この立方体に切断された馬鈴薯200gを水道水ですすいだ後、1Lの蒸留水に入れ、20分間煮沸した。この馬鈴薯をすりつぶし、これに寒天20gを加えて、融けるまで煮沸した。さらに、蔗糖20gを加え、溶けるまで撹拌した。これを蒸留水で1Lとし、pH5.6に調整し、オートクレーブで滅菌して、培養基とした。この培養基にテトラプロア アリスタータ(NBRC 7315)を植菌し、24℃で24時間培養した。培養終了後、乾燥菌体1gを滅菌した米糠で希釈し、全量を50gに調整し、これを製剤Aとした。【0015】(製造例2)ポリペプトン10g、イーストエキス2g、硫酸マグネシウム(MgSO4・7H2O)1gを1Lの蒸留水に溶解し、これに寒天15gを添加し、pH7.0に調整して培養基とした。この培養基にアースロバクター イリシス(NBRC 15514)を植菌し、30℃で24時間培養した。培養終了後、乾燥菌体1gを滅菌した米糠で希釈し、全量を50gに調整し、これを製剤Bとした。【0016】(製造例3)馬鈴薯を水道水で洗浄した後、その皮をむき、1cmの立方体に切断した。この立方体に切断された馬鈴薯200gを水道水ですすいだ後、1Lの蒸留水に入れ、20分間煮沸した。この馬鈴薯をすりつぶし、これに寒天20gを加えて、融けるまで煮沸した。さらに、蔗糖20gを加え、溶けるまで撹拌した。これを蒸留水で1Lとし、pH5.6に調整し、オートクレーブで滅菌して、培養基とした。この培養基にアクロフィアロホーラ ナイニアーナ(NBRC 30995)を植菌し、24℃で24時間培養した。培養終了後、乾燥菌体1gを滅菌した米糠で希釈し、全量を50gに調整し、これを製剤Cとした。【0017】(製造例4)製造例1の方法で作製した製剤A50gと製造例2の方法で作製した製剤B50gとをよく混合し、製剤Dとした。【0018】(製造例5)製造例1の方法で作製した製剤A50gと製造例3の方法で作製した製剤C50gとをよく混合し、製剤Eとした。【0019】(製造例6)製造例2の方法で作製した製剤B50gと製造例3の方法で作製した製剤C50gとをよく混合し、製剤Fとした。【0020】(製造例7)製造例1の方法で作製した製剤A50g、製造例2の方法で作製した製剤B50gおよび製造例3の方法で作製した製剤C50gとをよく混合し、製剤Gとした。【0021】(実施例1)使用済みの紙おむつの吸収材であるゲルを凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例7の方法で作製した製剤Gを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間処理した。その結果、表1に示したように紙おむつのゲルは分解された。【0022】(実施例2)ラットの屍体を凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例7の方法で作製した製剤Gを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したようにラットの屍体は分解された。【0023】(実施例3)ゴルフ場で刈り取った芝生200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例7の方法で作製した製剤Gを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したように芝生は分解された。【0024】(比較例1)使用済みの紙おむつの吸収材であるゲルを凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例1の方法で作製した製剤Aを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間処理した。その結果、表1に示したように紙おむつのゲルは分解されなかった。【0025】(比較例2)ラットの屍体を凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例1の方法で作製した製剤Aを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したようにラットの屍体は分解されなかった。【0026】(比較例3)ゴルフ場で刈り取った芝生200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例1の方法で作製した製剤Aを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したように芝生は分解されなかった。【0027】(比較例4)使用済みの紙おむつの吸収材であるゲルを凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例2の方法で作製した製剤Bを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間処理した。その結果、表1に示したように紙おむつのゲルは分解されなかった。【0028】(比較例5)ラットの屍体を凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例2の方法で作製した製剤Bを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したようにラットの屍体は分解されなかった。【0029】(比較例6)ゴルフ場で刈り取った芝生200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例2の方法で作製した製剤Bを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したように芝生は分解されなかった。【0030】(比較例7)使用済みの紙おむつの吸収材であるゲルを凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例3の方法で作製した製剤Cを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間処理した。その結果、表1に示したように紙おむつのゲルは分解されなかった。【0031】(比較例8)ラットの屍体を凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例3の方法で作製した製剤Cを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したようにラットの屍体は分解されなかった。【0032】(比較例9)ゴルフ場で刈り取った芝生200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例3の方法で作製した製剤Cを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したように芝生は分解されなかった。【0033】(比較例10)使用済みの紙おむつの吸収材であるゲルを凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例4の方法で作製した製剤Dを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間処理した。その結果、表1に示したように紙おむつのゲルは分解されなかった。【0034】(比較例11)ラットの屍体を凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例4の方法で作製した製剤Dを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したようにラットの屍体は分解されなかった。【0035】(比較例12)ゴルフ場で刈り取った芝生200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例4の方法で作製した製剤Dを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したように芝生は分解されなかった。【0036】(比較例13)使用済みの紙おむつの吸収材であるゲルを凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例5の方法で作製した製剤Eを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間処理した。その結果、表1に示したように紙おむつのゲルは一部分解したものの、1/3位で分解が止まった。【0037】(比較例14)ラットの屍体を凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例5の方法で作製した製剤Eを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したようにラットの屍体は一部分解したものの、1/3位で分解が止まった。【0038】(比較例15)ゴルフ場で刈り取った芝生200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例5の方法で作製した製剤Eを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したように芝生は一部分解したものの、1/3位で分解が止まった。【0039】(比較例16)使用済みの紙おむつの吸収材であるゲルを凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例6の方法で作製した製剤Fを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間処理した。その結果、表1に示したように紙おむつのゲルは一部分解したものの、1/3位で分解が止まった。【0040】(比較例17)ラットの屍体を凍結した後、粒径が1cm以下になるように破砕し、その200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例6の方法で作製した製剤Fを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したようにラットの屍体は一部分解したものの、1/3位で分解が止まった。【0041】(比較例18)ゴルフ場で刈り取った芝生200gを攪拌機を設置した容器に入れ、製造例6の方法で作製した製剤Fを50g添加し、pH7に保ち、よく撹拌しながら、50℃で30分間、80℃で60分間、100℃で30分間、さらに135℃で60分間処理した。その結果、表1に示したように芝生は一部分解したものの、1/3位で分解が止まった。【0042】【表1】【0043】【発明の効果】本発明による有機性廃棄物処理剤は、既知の微生物を組み合わせたものであって、その賦形材も農産物を利用したものであるにも拘わらず、従来処理が困難であった、使用済み紙おむつ、農薬により汚染されたゴルフ場の芝生、実験動物の屍体など、産業廃棄物ともいえる有機性廃棄物を効率よく処理することを可能とした。すなわち、生ゴミ、敷き藁、動物の糞尿に加えて、上述の処理が困難であった有機性廃棄物をも処理することにより、環境の悪化を防止する地球に優しい有機性廃棄物処理剤である。【0044】また、本発明による有機性廃棄物の処理方法は、上述の有機性廃棄物処理剤を利用した処理方法であって、従来処理が困難であった上記有機性廃棄物を短時間で効率よく処理することができる。従って、第二次、第三次の汚染を防止することができる地球に優しい有機性廃棄物の処理方法である。 テトラプロア アリスタータ(Tetraploa aristata)、アクロフィアロホーラ ナイニアーナ(Acrophialophora nainiana)およびアースロバクター イリシス(Arthrobacter ilicis)を含有してなることを特徴とする有機性廃棄物処理剤。 前記テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスの組成比が乾燥菌体の重量比で、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物処理剤。 前記テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスの賦形材が、米糠および小麦ふすまのいずれか1種または2種であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機性廃棄物処理剤。 前記テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスが乾燥菌体として0.1〜5.0重量%含有してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理剤。 有機性廃棄物を破砕した後、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスを含有してなる有機性廃棄物処理剤を、該有機性廃棄物に添加し、撹拌処理および加熱処理することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。 有機性廃棄物に対する前記有機性廃棄物処理剤の添加量が、テトラプロア アリスタータ、アクロフィアロホーラ ナイニアーナおよびアースロバクター イリシスの乾燥菌体として0.001〜0.5重量%であることを特徴とする請求項5に記載の有機性廃棄物の処理方法。 前記撹拌処理および加熱処理が、50〜135℃で30分〜5時間であることを特徴とする請求項5または6に記載の有機性廃棄物の処理方法。 前記有機性廃棄物が、生ゴミ、使用済み紙おむつ、敷き藁、芝生、動物の糞尿および動物の屍体のいずれか1種または2種以上であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の処理方法。


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