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タイトル:特許公報(B2)_エーテル類の製造方法
出願番号:2002301449
年次:2008
IPC分類:C07C 41/06,C07C 43/15,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

石野 博重 岩崎 秀治 JP 4162968 特許公報(B2) 20080801 2002301449 20021016 エーテル類の製造方法 株式会社クラレ 000001085 石野 博重 岩崎 秀治 20081008 C07C 41/06 20060101AFI20080918BHJP C07C 43/15 20060101ALI20080918BHJP C07B 61/00 20060101ALN20080918BHJP JPC07C41/06C07C43/15C07B61/00 300 C07C 41/06 C07C 43/15 特公昭48−043327(JP,B1) 特表2004−534059(JP,A) 特開2004−123626(JP,A) 特開2003−334450(JP,A) 1 2004137160 20040513 15 20050329 松本 直子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、共役ジエン化合物とアルコール類とをテロメリ化反応させてエーテル類を製造する方法に関する。本発明により製造されるエーテル類は、各種ポリマー原料、香料などの中間体として有用である。【0002】【従来の技術】共役ジエン化合物のテロメリ化反応(テロメリゼーション)とは、共役ジエン化合物が求核性反応剤を取り込むことによりオリゴメリ化する反応である。例えば、2分子のブタジエンが1分子の酢酸などの活性水素化合物と反応して1−アセトキシ−2,7−オクタジエンなどの生成物を生じる反応が挙げられる[例えば、非特許文献1の(1)参照]。【0003】パラジウム錯体、特に、ホスフィンが配位したパラジウム錯体(以下、これをホスフィン配位パラジウム錯体と称する)が共役ジエン化合物のテロメリゼーション触媒として優れた活性を示すことが知られている[例えば、非特許文献1の(2)参照]。しかしながら、テロメリ化反応を工業的に行うに際し、触媒としてホスフィン配位パラジウム錯体を用いた場合には次のような問題がある。(1)ホスフィン配位パラジウム錯体は熱安定性が悪く、テロメリゼーション生成物と触媒成分との蒸発分離工程でパラジウム金属が析出する。このため、触媒の再使用が難しく、しかも析出した金属は配管の閉塞などの問題をもたらす。(2)ホスフィン配位パラジウム錯体の安定性を保つには、反応液中に過剰量のホスフィン配位子を存在させる必要があるが、過剰量のホスフィン配位子の存在は本質的に触媒活性を低下させることになる。【0004】一方、ホスフィンに代わる配位子として含窒素複素環式カルベンが注目を集めている(例えば、非特許文献2参照)。含窒素複素環式カルベンは電子供与性が高く、金属と強固に結合する性質を有し、該含窒素複素環式カルベンが配位する金属の電子密度は顕著に上昇する。したがって、含窒素複素環式カルベンが配位してなる金属錯体は熱安定性に優れ、酸化的付加反応の優れた触媒能を有する。かかる金属錯体は、アリールクロリドを用いた溝呂木−ヘック(Heck)反応、鈴木−宮浦カップリング反応などのカップリング反応を触媒することが知られている(例えば、非特許文献3および非特許文献4参照)。また、該金属錯体は、1,3−ブタジエンとメタノールのテロメリゼーションを触媒し、ホスフィン配位金属錯体に比べ、生産性(TON)、位置選択率およびテロメリゼーション選択率において優れることが報告されている[例えば、非特許文献2の(1)および非特許文献5参照]。しかしながら、該テロメリゼーションでは、2分子の1,3−ブタジエンによる酸化的カップリング反応は速くなるが、還元的脱離反応が遅くなるため、テロメリゼーションの反応効率を高めるには大量の塩基を加える必要がある。例えば、非特許文献5によれば、1,3−ブタジエンとメタノールのテロメリゼーションでは、金属パラジウムに対して1000当量または3300当量の大過剰の水酸化ナトリウムを加える条件が採用されている。また、本発明者らの知見によれば、非特許文献5に記載のテロメリゼーションにおいて、水酸化ナトリウムの量を金属パラジウムに対して1000当量から100当量に減らした場合、反応速度は約4分の1に減少した。【0005】【非特許文献1】辻二郎著「パラジウム・リエージェンツ・アンド・キャタリスツ(Palladium Reagents and Catalysts)」、ジョン・ウィレー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)出版、1995年、(1)第429〜430頁および(2)第423〜441頁【非特許文献2】アンゲバンテ・ケミストリー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、2002年、第41巻、(1)986〜988頁および(2)第1291頁【非特許文献3】プラチナ メタルズ レビュー(Platinum Metals Rev.)、2002年、第46巻、第50〜59頁【非特許文献4】アドバンシーズ・イン・オルガノメタリック・ケミストリー(Advances in Organometallic Chemistry)、2002年、第48巻、第42−47頁【非特許文献5】ジャーナル・オブ・モレキュラー・キャタリシス A:ケミカル(Journal of Molecular Catalysis A:Chemical)、2002年、第185巻、第105〜109頁【0006】【発明が解決しようとする課題】従来、共役ジエン化合物のテロメリゼーションにおいて、含窒素複素環式カルベンなどの電子供与性の高い配位子を有する触媒を使用する場合、還元的脱離反応を促進させるために大過剰の塩基が使用されている。かかる方法を工業的に実施する場合、触媒の循環再使用時にその活性低下のみならず、反応装置の腐食、固体塩基使用による配管の閉塞など重大な問題を引起こすことになる。【0007】本発明の目的は、共役ジエン化合物とアルコール類とを、電子供与性の高い配位子を有する触媒を使用し、かつ少量の塩基の存在下にテロメリ化反応させて工業的に有利にエーテル類を製造し得る方法を提供することにある。【0008】【課題を解決するための手段】本発明は、10族金属化合物および含窒素複素環式カルベンが錯形成してなる10族金属錯体の存在下に共役ジエン化合物とアルコール類とをテロメリ化反応させてエーテル類を製造するに際し、反応系に一般式(I)【0009】【化3】【0010】(式中、M1 はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、R1 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表し、nはM1 がアルカリ金属を表す場合は1を表し、M1 がアルカリ土類金属を表す場合は2を表す。)で示される塩基[以下、これを塩基(I)と称する]および一般式(II)【0011】【化4】【0012】(式中、M2 はオニウムを表し、R2 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)で示される塩基[以下、これを塩基(II)と称する]を共存させることを特徴とするエーテル類の製造方法である。【0013】【発明の実施の形態】10族金属化合物としては、ニッケル化合物、パラジウム化合物および白金化合物が挙げられるが、パラジウム化合物が最も好ましい。10族金属化合物における金属は0価または2価のいずれの原子価を有していてもよく、原子価が2価である場合には、テロメリゼーション系において、塩基(I)および塩基(II)により0価に還元される。10族金属化合物は配位子を有していてもよく、配位子としては、例えば、シクロオクタジエン、ノルボルナジエンなどのオレフィン性配位子;アセトニトリル、ベンゾニトリル、ピリジン、トリエチルアミンなどの含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどの含リン配位子などが挙げられる。【0014】上記のパラジウム化合物としては、例えばギ酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム酸ナトリウムまたはカリウム、パラジウムアセチルアセトナート、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、ビス(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムなどが挙げられる。【0015】ニッケル化合物としては、例えば酢酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス(ベンゾニトリル)ニッケルジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルなどが挙げられる。【0016】白金化合物としては、例えば塩化白金、臭化白金、塩化白金酸ナトリウムまたはカリウム、白金ヘキサフルオロアセチルアセトナート、ビス(ベンゾニトリル)白金ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)白金ジクロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)白金、ビス(1,5−シクロオクタジエン)白金などが挙げられる。【0025】含窒素複素環式カルベンとは、少なくとも1つの窒素原子を含む複素環からなるカルベンの総称である。本発明における含窒素複素環式カルベンは、それが配位してなる10族金属錯体が共役ジエン化合物のテロメリゼーションを触媒する作用を有する限り、その環構造などに制限を受けるものではない。含窒素複素環式カルベンとしては、例えば、下記の式で示される少なくとも1個の窒素原子を含む5〜7員環構造を有するものが挙げられる。環構造には酸素原子や硫黄原子などのヘテロ原子が存在していてもよく、また二重結合が存在していてもよい。【0026】【化6】【0027】含窒素複素環式カルベンは、それが与える含窒素複素環式カルベン配位10族金属錯体がテロメリ化反応の触媒作用を有する限り、カルベン性炭素原子以外の環を構成する炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。また、含窒素複素環式カルベンは、それが与える含窒素複素環式カルベン配位10族金属錯体がテロメリ化反応の触媒作用を有する限り、環を構成する窒素原子上に水素原子または置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。【0028】上記のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプチニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基が好ましい。アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ビフェニレン基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基が好ましく、アラルキル基としては、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。【0029】含窒素複素環式カルベンが与える含窒素複素環式カルベン配位10族金属錯体がテロメリ化反応の触媒作用を有する限り、カルベン性炭素原子以外の環を構成する炭素原子上および窒素原子上に官能基を有していてもよい。さらに、前記のカルベン性炭素原子以外の環を構成する炭素原子上および窒素原子上の置換基はハロゲン原子または官能基を有していてもよい。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。官能基としては、例えば、水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、フリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基などのエーテル基;アセチル基、ベンゾイル基などのケトン基;ホルミル基などのアルデヒド基;カルボン酸基およびその金属塩またはアミン塩;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのカルボン酸エステル基;メトキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基などの炭酸エステル基;アミノ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−t−ブチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジオクチルアミノ基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、ピリジル基、アニリル基などのアミノ基;【0030】アンモニウム基、メチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、トリメチルアンモニウム基、テトラメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、テトラブチルアンモニウム基、オクチルアンモニウム基などのアンモニウム基;ホルムアミド基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−フェニルアセトアミド基などのアミド基;シアノ基;N−メチルイミノ基、N−フェニルイミノ基などのイミノ基;スクシンイミド基、フタルイミド基などのイミド基;N−メチルアミノカルボニルオキシ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ基、N−フェニルアミノカルボニルオキシ基などのカルバミン酸エステル基;メチルスルファニル基、フェニルスルファニル基などのスルフィド基;メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基などのスルホキシド基;メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基などスルホン基;スルホン酸基およびその金属塩またはアミン塩;トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などのシリル基;ジメチルホスフィノ基、ジブチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基などのホスフィノ基;オキソジメチルホスフィノ基、オキソジブチルホスフィノ基、オキソジフェニルホスフィノ基などのホスフィンオキシド基;ホスホン酸基およびその金属塩またはアミン塩などが挙げられる。【0031】含窒素複素環式カルベンは一座配位子でも多座配位子でもよい。多座配位子の場合、含窒素複素環式カルベンを繋ぐ架橋基は、前記の置換基のいずれかであり、また架橋基には上記の官能基が存在していてもよい。【0032】含窒素複素環式カルベンの代表例として、1,3−ジメチルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジエチルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジエチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジブチルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジブチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ−t−ブチルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ−t−ブチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ−o−トリルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ−o−トリルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ−m−トリルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ−m−トリルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ−p−トリルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ−p−トリルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ−o−メトキシフェニルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ−o−メトキシフェニルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ−p−メトキシフェニルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ−p−メトキシフェニルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデンなどが挙げられる。【0033】塩基(I)を表す一般式(I)および塩基(II)を表す一般式(II)において、R1 およびR2 が表すアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプチニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが挙げられる。これらの基は炭素原子上に水素原子以外の原子または官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基などのアルコキシル基;アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。【0034】R1 およびR2 が表すアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニルメチル基などが挙げられる。これらの基は炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基もしくは官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。環上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプチニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ビフェニレン基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基などのアルコキシル基;アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。【0035】M1 が表すアルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどが挙げられ、M1 が表すアルカリ土類金属としては、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。【0036】M2 が表すオニウムとしては、例えばアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、オキソニウムなどが挙げられる。【0037】上記のアンモニウムとしては、下記の一般式(V)【0038】【化7】【0039】(式中、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)で示されるアンモニウムが好ましい。【0040】上記のスルホニウムとしては、下記の一般式(VI)【0041】【化8】【0042】(式中、R14、R15およびR16はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)で示されるスルホニウムが好ましい。【0043】上記のホスホニウムとしては、下記の一般式(VII)【0044】【化9】【0045】(式中、R17、R18、R19およびR20はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)で示されるホスホニウムが好ましい。【0046】上記のオキソニウムとしては、下記の一般式(VIII)【0047】【化10】【0048】(式中、R21、R22およびR23はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)で示されるオキソニウムが好ましい。【0049】上記の一般式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23が表すアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプチニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが挙げられる。これらの基は炭素原子上に水素原子以外の原子または官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基などのアルコキシル基;アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。【0050】R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23が表すアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニルメチル基などが挙げられる。これらの基は炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基もしくは官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。環上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプチニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ビフェニレン基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基などのアルコキシル基;アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。【0051】アンモニウムの代表例として、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、トリ−i−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。【0052】スルホニウムの代表例として、例えば、トリメチルスルホニウム、トリエチルスルホニウム、トリ−n−プロピルスルホニウム、トリ−i−プロピルスルホニウムなどが挙げられる。【0053】ホスホニウムの代表例としては、例えば、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラ−n−プロピルホスホニウム、トリ−i−プロピルホスホニウムイオン、テトラ−n−ブチルホスホニウム、ベンジルトリメチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムなどが挙げられる。【0054】オキソニウムの代表例としては、例えば、トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、トリ−n−プロピルオキソニウム、トリ−i−プロピルオキソニウムなどが挙げられる。【0055】塩基(I)の代表例としては、例えば、水酸化リチウム、リチウムメトキシド、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。【0056】塩基(II)の代表例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムメトキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルスルホニウムヒドロキシド、トリフェニルホスホニウムヒドロキシド、トリメチルオキソニウムヒドロキシドなどが挙げられる。【0057】本発明においてテロメリ化反応に供される共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエンおよびその2−および/または3−置換誘導体またはそれらの混合物が挙げられる。2位または3位の置換基としては、アルキル基またはハロゲン原子が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。【0058】共役ジエン化合物の代表例としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエンなどが挙げられる。【0059】本発明において使用されるアルコール類は、下記の一般式(IX)【0060】【化11】【0061】(式中、R24は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示される。【0062】上記一般式中、R24が表すアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプチニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが挙げられる。これらの基は炭素原子上に水素原子以外の原子または官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基などのアルコキシル基;アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。【0063】R24が表すアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニルメチル基などが挙げられる。これらの基は炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基もしくは官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。環上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプチニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ビフェニレン基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基などのアルコキシル基;アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。【0064】アルコール類の代表例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、イソアミルアルコール、シクロペンタノール、ヘササノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。【0065】本発明においては、予め調製されて単離された10族金属錯体をテロメリ化反応に用いてもよく、また含窒素複素環式カルベンと10族金属化合物から調製された10族金属錯体を含有する反応混合物をそのままテロメリ化反応に用いてもよい。テロメリ化反応系において、10族金属錯体を発生させてもよい。テロメリ化反応系において10族金属錯体を発生させる場合、10族金属化合物と含窒素複素環式カルベンとのモル比は4:1〜1:100の範囲であるのが好ましく、1:1〜1:10の範囲であるのがより好ましい。【0066】10族金属錯体の使用量は、共役ジエン化合物に対して0.0001〜10モル%の範囲であるのが好ましく、0.001〜0.1モル%の範囲であるのがより好ましい。共役ジエン化合物とアルコール類とのモル比は、50:1〜1:50の範囲であるのが好ましく、10:1〜1:10の範囲であるのがより好ましい。【0067】塩基(I)および塩基(II)を共存させることにより、塩基全体の使用量を低減させることができる。塩基(I)と塩基(II)のモル比は、0.1:1〜1000:1の範囲であるのが好ましく、1:1〜100:1の範囲であるのがより好ましい。塩基(I)と10族金属錯体とのモル比は、0.1:1〜10000:1の範囲であるのが好ましく、1:1〜1000:1の範囲であるのがより好ましい。【0068】本発明におけるテロメリ化反応は、溶媒の存在を必ずしも必要としないが、反応を阻害しない限りにおいて溶媒を存在させることが可能である。溶媒としては、例えば、ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリルなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は特に制限はないが、共役ジエン化合物に対して0.001〜1000倍重量の範囲であるのが好ましい。【0069】反応温度は0〜150℃の範囲であるのが好ましく、20〜100℃の範囲であるのがより好ましい。反応温度が低い場合には反応時間が長くなり、また高い場合には副生物が増える。反応圧力は特に制限はなく、常圧から加圧の範囲で実施可能であるが、通常、反応温度に応じて生じる圧力下で反応は行われる。【0070】本発明はバッチ式または連続式のいずれでも行うことができる。連続式の場合には、ピストンフロー型反応器または完全混合槽型反応器のいずれでも行うことができ、またこれらを組み合わせて行うこともできる。【0071】反応終了後、得られた反応混合物からのテロメリ化反応生成物の分離は通常の方法で行うことができる。例えば、溶媒や未反応原料を蒸留分離した後、必要に応じて、その残渣を蒸留、再結晶、再沈殿またはカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的生成物を得る。これらの分離方法は単独で行っても組み合わせて行ってもよい。上記の精製操作に加えて、必要に応じて、触媒の分離操作を行う。触媒の分離方法としては、蒸発法、薄膜蒸発法、層分離法、抽出法、吸着法などが採用される。これらの方法は単独で行っても組み合わせて行ってもよい。【0072】【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。実施例および比較例において、TOF、位置選択率、テロメリ化選択率は以下のように定義される。収率は%で表す。TOF=[{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)+(1,3,7−オクタトリエンの収率)+(4−ビニルシクロヘキセンの収率)}/100]×100,000(反応前の1,3−ブタジエンとパラジウム化合物のモル比)/2(時間)位置選択率=[(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)/{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)}]×100テロメリ化選択率=[{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)}/{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)+(1,3,7−オクタトリエンの収率)+(4−ビニルシクロヘキセンの収率)}]×100【0073】実施例1内容積100mLのオートクレーブに、アルゴン雰囲気下、室温で、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム2.0mg(3.5マイクロモル)、1,3−ジメシチルイミダゾリウムクロリド2.4mg(7.0マイクロモル)、水酸化ナトリウム12.6mg(0.32ミリモル)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液(和光純薬工業株式会社製、25重量%)12.6mg(0.035ミリモルのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド含有)、内標準の1,2,4−トリメチルベンゼン1.0gおよびメタノール30mL(0.74モル)を加えた。1,3−ブタジエン30mL(0.35モル)をフィードした後、80℃に昇温した。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、GC−14B型)により分析した結果を表1に示した。位置選択率およびテロメリ化選択率はいずれも98%であった。【0074】実施例2実施例1において、水酸化ナトリウムの代わりにナトリウムメトキシド17.6mg(0.32ミリモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。位置選択率およびテロメリ化選択率はいずれも98%であった。【0075】実施例3実施例1において、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液の代わりにテトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液(和光純薬工業株式会社製、10重量%)90.8mg(0.035ミリモルのテトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシド含有)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。位置選択率およびテロメリ化選択率はいずれも98%であった。【0076】実施例4実施例1において、水酸化ナトリウムの代わりに水酸化リチウム一水和物13.3mg(0.32ミリモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。位置選択率およびテロメリ化選択率はいずれも98%であった。【0077】比較例1実施例1において、水酸化ナトリウムの使用量を14.0mg(0.35ミリモル)とし、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いなかった以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。位置選択率およびテロメリ化選択率はいずれも98%であった。【0078】比較例2実施例3において、テトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液(和光純薬工業株式会社製、10重量%)の使用量を0.91g(0.35ミリモルのテトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシド含有)とし、水酸化ナトリウムを用いなかった以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。位置選択率およびテロメリ化選択率はいずれも98%であった。【0079】【表1】【0080】表中、Meはメチル基を意味し、Buはn−ブチル基を意味する。【0081】【発明の効果】本発明によれば、共役ジエン化合物とアルコール類とを、電子供与性の高い配位子を有する触媒を使用し、かつ少量の塩基の存在下にテロメリ化反応させることにより、工業的に有利にエーテル類を製造することができる。 10族金属化合物および含窒素複素環式カルベンが錯形成してなる10族金属錯体の存在下に共役ジエン化合物とアルコール類とをテロメリ化反応させてエーテル類を製造するに際し、反応系に一般式(I)(式中、M1はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、R1は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表し、nはM1がアルカリ金属を表す場合は1を表し、M1がアルカリ土類金属を表す場合は2を表す。)で示される塩基および一般式(II)(式中、M2 はオニウムを表し、R2 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)で示される塩基を共存させることを特徴とするエーテル類の製造方法。


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