タイトル: | 特許公報(B2)_外皮用塗り薬および外皮用貼り薬 |
出願番号: | 2002294001 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 35/56,A61K 9/08,A61K 9/70,A61K 47/44,A61P 17/02,A61P 17/04,A61P 29/00 |
大井 敏隆 JP 4318442 特許公報(B2) 20090605 2002294001 20021007 外皮用塗り薬および外皮用貼り薬 佐伯 勉 502364372 大井 守 502364383 高山 松子 502364394 大井 行雄 502364408 広田 誠二 502364419 山城 国隆 502364420 渡邉 幸雄 502364431 山城 典子 502364442 楠 侃 502364453 楠 厚夫 502364464 大井 豊 502364486 田中 聖司 502364497 竹内 和善 502364501 東 トシコ 502364512 佐伯 孝雄 502364523 木村 良夫 502364268 藤山 宏 502364534 安村 伝 502364545 木島 忠男 502364556 若松 清重 502364578 田中 幸一 502364280 阿部 伸一 100098545 清水 善廣 100087745 辻田 幸史 100106611 大井 敏隆 20090826 A61K 35/56 20060101AFI20090806BHJP A61K 9/08 20060101ALI20090806BHJP A61K 9/70 20060101ALI20090806BHJP A61K 47/44 20060101ALI20090806BHJP A61P 17/02 20060101ALI20090806BHJP A61P 17/04 20060101ALI20090806BHJP A61P 29/00 20060101ALI20090806BHJP JPA61K35/56A61K9/08A61K9/70 401A61K47/44A61P17/02A61P17/04A61P29/00 A61K 35/56 A61K 9/08 A61K 9/70 A61K 47/44 A61P 17/02 A61P 17/04 A61P 29/00 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) BIOSIS(STN) CAplus(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) 特表平6−509060(JP,A) 特開平3−291208(JP,A) 特開平5−170779(JP,A) 2 2004123676 20040422 5 20050930 小堀 麻子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、虫に刺されたり、蛇に噛まれたりしたことによる痛みや腫れや痒みなどの処置に効果がある新規な外皮用塗り薬および外皮用貼り薬に関する。【0002】【従来の技術】ムカデやハチなどの虫に刺されたり、マムシなどの蛇に噛まれたりした場合、痛みや腫れや痒みなどの症状が現れる。このような症状の処置に効果がある各種の外皮用塗り薬や外皮用貼り薬がこれまでに開発され、既に市販もされている。しかしながら、市販されている薬剤は、効果などの点において必ずしも満足できるものではなく、よりよい薬剤が望まれている。【0003】【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、虫に刺されたり、蛇に噛まれたりしたことによる痛みや腫れや痒みなどの処置に効果がある新規な外皮用塗り薬および外皮用貼り薬を提供することを目的とする。【0004】【課題を解決するための手段】上記の点に鑑みて、種々の検討を行った結果において完成された本発明の外皮用塗り薬は、請求項1記載の通り、食用油中にナメクジを一定期間漬け込むことで、ナメクジが腐敗溶解してナメクジ成分が食用油中に溶出した当該食用油を主剤としてなるものである。また、本発明の外皮用貼り薬は、請求項2記載の通り、食用油中にナメクジを一定期間漬け込むことで、ナメクジが腐敗溶解してナメクジ成分が食用油中に溶出した当該食用油を通気性基材表面に塗着してなるものである。【0005】【発明の実施の形態】本発明の外皮用塗り薬および外皮用貼り薬は、食用油中にナメクジを一定期間漬け込むことで、ナメクジが腐敗溶解してナメクジ成分が食用油中に溶出した当該食用油を主剤とするものである。ナメクジの学名はMeghimatium bilineatumである。食用油中に漬け込まれたナメクジは、徐々に腐敗溶解し、ナメクジ成分が食用油中に溶出する。最終的にはナメクジの固体は食用油中で確認できなくなる。主剤となるナメクジ成分が溶出した食用油は、1個または複数個のナメクジを食用油中に投入して漬け込んで製造すればよい。食用油中にナメクジ成分を十分に溶出させるためには、食用油中のナメクジが固体として確認できなくなるまで漬け込むことが望ましいが、固体として確認できなくなるまでの途中段階であっても、食用油中でナメクジが腐敗溶解していれば、それは食用油中にナメクジ成分が溶出していることを意味するので、そのような段階のものを主剤として用いてもよい。また、適宜、ナメクジを食用油中に追加投入してもよい。食用油としては菜種油が好適に使用される。菜種油はナメクジの腐敗溶解能、つまりはナメクジ成分の溶出能が高いようである。また、胡麻油を用いると、腐敗臭を軽減できた。なお、食用油を用いて説明したが、その他皮膚などに悪影響を与えない油剤であれば同様の効果が期待できる。本発明の外皮用塗り薬は、以上のようにして得られたナメクジ成分が溶出したえ食用油を主剤とし、必要ならば香料などを添加して製造される。この外皮用塗り薬はできるだけ清潔にした患部に塗布して使用する。本発明の外皮用貼り薬は、上記の外皮用塗り薬を通気性のある布(ガーゼなど)などのような通気性基材表面に塗着することにより製造される。この外皮用貼り薬はできるだけ清潔にした患部に貼り付けて使用する。本発明の外皮用塗り薬および外皮用貼り薬は、ムカデやハチなどの虫に刺されたり、マムシなどの蛇に噛まれたりしたことによる痛みや腫れや痒みなどの処置に効果がある。【0006】【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定されるものではない。【0007】製造例1(外皮用塗り薬の製造):長さ2cm程度のナメクジ(軒下より採取)5個を菜種油100mLに漬け込んだところ、ナメクジは徐々に腐敗溶解し、1年後には固体が確認できなくなったので、このナメクジ成分が溶出した菜種油を本発明の外皮用塗り薬とした。【0008】製造例2(外皮用貼り薬の製造):製造例1で得られたナメクジ成分が溶出した菜種油をガーゼに塗着し、本発明の外皮用貼り薬とした。【0009】症例1:屋内でムカデに足を複数箇所噛まれたAさん(38歳の男性)の患部の一部に製造例1で得られた塗り薬を塗布したところ、5分後には当該患部の痛みが引いた。【0010】比較症例1:上記のAさんの患部のうち、製造例1で得られた塗り薬を塗布した患部以外の患部に菜種油を塗布したところ、菜種油には鎮痛効果はなく当該患部の痛みが引くことはなかった。【0011】症例2:畑でムカデに手を噛まれたBさん(60歳の男性)の患部に製造例1で得られた塗り薬を塗布したところ、痛みは当日のうちに引き、腫れは2日程で引いた。【0012】症例3:畑でマムシに手を噛まれたCさん(56歳の女性)の患部に製造例1で得られた塗り薬を塗布したところ、腫れが当日のうちに引き、マムシの波紋も消えた。【0013】症例4:畑でハチに顔を刺されたDさん(36歳の女性)の患部に製造例1で得られた塗り薬を塗布したところ、30分〜1時間程で痛みが和らぎ、1〜2日程で腫れと痒みが引いた。【0014】症例5:屋内でムカデに足を刺されたEさん(68歳の女性)の患部に製造例1で得られた塗り薬を塗布したところ、赤くなっていた患部の痛みが5分程で引いた。【0015】【発明の効果】本発明によれば、虫に刺されたり、蛇に噛まれたりしたことによる痛みや腫れや痒みなどの処置に効果がある新規な外皮用塗り薬および外皮用貼り薬が提供される。 食用油中にナメクジを一定期間漬け込むことで、ナメクジが腐敗溶解してナメクジ成分が食用油中に溶出した当該食用油を主剤としてなる外皮用塗り薬。 食用油中にナメクジを一定期間漬け込むことで、ナメクジが腐敗溶解してナメクジ成分が食用油中に溶出した当該食用油を通気性基材表面に塗着してなる外皮用貼り薬。