タイトル: | 特許公報(B2)_びわ種茶 |
出願番号: | 2002271792 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A23L 2/38,A61P 29/00,A61P 35/00,A61K 36/73 |
出口 正美 JP 3756478 特許公報(B2) 20060106 2002271792 20020918 びわ種茶 出口 正美 598002534 戸島 省四郎 100081824 出口 正美 20060315 A23L 2/38 20060101AFI20060223BHJP A61P 29/00 20060101ALI20060223BHJP A61P 35/00 20060101ALI20060223BHJP A61K 36/73 20060101ALN20060223BHJP JPA23L2/38 CA61P29/00A61P29/00 101A61P35/00A61K35/78 H A23L 2/38 A61P 29/00 A61P 35/00 A61K 35/78 特開平11−169144(JP,A) 特開2000−083619(JP,A) 特開2002−173437(JP,A) 特開2001−199892(JP,A) 9 2004105080 20040408 8 20040520 中島 庸子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、びわ(枇杷)の種を原料とするびわ種茶であり、健康に有用とされるアミグダリン,タンニンを多く含む茶に関する。【0002】【従来の技術】本出願人は、びわの果実で食品として果肉が使用されて残された廃棄される果皮でもって、びわ皮茶を製造する技術を開発し、特開平11−169144号公報として公開されている。このびわ皮茶は、びわの果皮に含まれるナイアシン,ビタミンB1,B2,B6,ビタミンCを多く含んだ健康に有用なびわ皮茶であり、びわの果皮の廃棄処理をなくすとともに、天然資源の有用活用を達成させた。一方、びわの果実の中の種子は特開2000−83619号公報に知られるように、乾燥後粉砕されて健康食品又は医薬品の原料として使用されるのみであり、利用用途が少ないものであった。しかしながら。びわの種には、アミグダリン,タンニンが多く含まれている。これら成分は制癌作用があり、又それが分解されてできる安息香酸は殺菌,抗リウマチ,鎮痛の効果があるとされ、健康上優れていることが知られている。従来、このびわの種を茶の原料とすることはなされていなかった。びわの葉の方は茶の原料として使用されている。しかしながら、茶に含まれるアミグダリンは種に含まれるアミグダリンの大略1/1000程度でアミグダリンの含有率は低いものであった。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、従来有効利用用途が少ないびわの果実の種を茶として大量に有効利用を図り、しかもアミグダリンを多く含んで制癌作用,抗リウマチ,鎮痛作用が期待できる健康に有用な茶とし、更にびわの果肉の甘さと香ばしさのある茶を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本発明の構成は、1) びわの種を細片に切断又は破砕し、同細片を乾燥させた後焙煎し、焙煎後乾燥させて製造されるびわ種茶2) びわの種を細片に切断又は破砕し、同細片を乾燥させた後焙煎し、乾燥させた後2回目の焙煎を行って製造させるびわ種茶3) 細片の大きさが、2〜7mmに切断したものである前記1)又は2)記載のびわ種茶4) 細片の乾燥が、日陰干しで15〜35日行う前記1)〜3)何れか記載のびわ種茶5) 焙煎の温度が60℃〜90℃である前記1)〜4)何れか記載のびわ種茶6) 水洗いしたびわの種を3〜5mmに切断し、20〜30日間日陰干しにし、その後70℃〜80℃で3時間焙煎し、その後6日以上日陰干しにした後70℃〜80℃で40〜100分間焙煎して製造するびわ種茶7) びわの種として、生の種の外側にあるぬめりを水洗で除去したびわの種を使用した前記1)〜6)いずれか記載のびわ種茶8) 前記1)〜7)記載のびわ種茶と、乾燥させたびわの果皮を切断・破砕して細片又は粉粒状としたびわ皮茶とを混合したびわ茶9) 前記1)〜7)記載のびわ種茶と、乾燥させたびわの果皮を切断・破砕し、切断・破砕して細片又は粉粒状にしたびわの果皮片を焙煎したびわ皮煎茶とを混合したびわ茶にある。【0005】【発明の実施の形態】本発明におけるびわの種は細片にする前に果皮表面のぬめりを水洗等でよく除去することが好ましい。水洗いするときは3〜4時間かけて水洗いするのがよい。本発明の種を細片にする方法は細断機を用いるのが一般的で、2〜7mmに好ましくは3〜5mm程の大きさに細片化する。本発明の種の細片の乾燥は日陰干しがよく、日陰干しのときは15〜35日程であり、20〜30日が一般的である。本発明の乾燥を熱風等による強制乾燥することもできる。本発明の1回目の焙煎は、60〜90℃で好ましくは70〜80℃であり、70〜80℃のときは約3時間が一般的である。2回目の焙煎は上記の温度で行うが、時間は40〜100分程度で短く、60分前後が一般的である。又、3回以上の焙煎を行うこともできるが、これも本発明に含まれるものである。本発明のびわ茶のびわ種茶と、びわ皮茶又はびわ皮煎茶との混合比率は種茶の方が少ない分量で混合することを一般的とする。本発明のびわ種茶は、びわ種茶だけで茶にすることも、又他の種類の茶と混合してもよいし、更にその他の食品・料理品に混入して食することもできる。【0006】【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。本実施例は、2回焙煎して製造したびわ種茶と、びわの果皮を水洗いして果皮を乾燥して、その後焙煎して製造したびわ皮茶とを混合したびわ茶の例である。【0007】図1は、実施例のびわ種茶とびわ皮茶,びわ皮煎茶の製造工程を示す説明図である。図2は、実施例のびわ種茶の製造工程を示す工程図である。図3は、実施例のびわ茶の製造工程を示す説明図である。【0008】図中、1はびわの果実、2はびわの種(種子)、3はびわの果肉、4はびわの果皮、5はびわの種2の3〜5mmに切断された細片、6は1回焙煎された実施例のびわ種茶、7は2回焙煎された実施例のびわ種茶、10は乾燥された果皮、11は乾燥された果皮を1〜10mmに切断・破砕した果皮片、12は同果皮片を熱風で乾燥したびわ皮茶、13は同びわ皮茶を更に火炎で焙煎したびわ皮煎茶、14は熱風乾燥機、15は70〜80℃で焙煎する焙煎機、20はびわ種茶7とびわ皮茶12とを4:6の重量比で混合して作られたびわ茶、21はびわ種茶7とびわ皮煎茶13とを4:6の重量比で混合したびわ茶である。【0009】この実施例では、びわの果実1から果皮4が除去され、更にその中から果肉3が取り出されて果肉加工品,ジュース等に使用される。残された種2表面にはぬめりがあり、これを3〜4時間かけてぬめりが除去するまで水洗いする。種2が水洗されてぬめりが除去された後、切断機(図示せず)を用いて3〜5mmの大きさの細片5にされる。この細片5を20〜30日間程日陰干しをする。日陰干ししてよく乾燥した後、細片5を回転ネットドラムの下方に火炎を与える焙煎機15によって70〜80℃で約3時間程焙煎する。これによって1回焙煎のびわ種茶6が製造される。このびわ種茶6は、褐色であり、びわ果実の甘味を少し残した香ばしい茶となっている。又このびわ種茶6にはアミグダリンとタンニンが多く含まれている。次にこのびわ種茶6を1週間程日陰干しをし、その後2回目の焙煎を70〜80℃で1時間することでびわ種茶7が製造される。このびわ種茶7は更に香ばしさがある茶となった。これにもアミグダリンとタンニンが多く含まれていた。【0010】一方、びわの果実1から剥がされた果皮4はよく水洗いされ、内側の糖分を除去して乾燥させる。乾燥された果皮10はミル機・切断機で1〜10mmの大きさに細片・粉粒状の果皮片11にされる。この果皮片11を回転ネットドラムの下方から熱風を送って熱風乾燥機14によって95%の水分を脱水した状態としてびわ皮茶12を製造する。このびわ皮茶12もびわの香りがほのかにあり、コクのある茶となっている。更にこのびわ皮茶12を焙煎機で更に焙煎すると更に香ばしさが増したびわ皮煎茶13となる。【0011】このようにして2回焙煎したびわ種茶7と、前記のびわ皮煎茶13とを重量比4:6の割合で混合してびわ茶21を製造した。このびわ茶は、びわの甘さを少し残し、香ばしい茶となっていた。又その成分を分析した所、下記の表1の成分となっていた。アミグダリンとタンニンが多く含まれ、又糖質・脂質の代謝の補酵素として働き、アルコール分解作用があるナイアシンを含み、又健康によいビタミンB1,B2,B6,ビタミンCを多く含んでいて、健康に有用であることが分かる。前者のアミグダリンとタンニンは種2に、又後者のナイアシン,ビタミンは果皮4に含まれるもので、本実施例のびわ茶20,21には両方の有効成分を含んだ茶となっている。【0012】【表1】【0013】【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、びわの果実の種の有用な利用が図れ、しかも健康に有用に働くアミグダリン,タンニンを含み、更にびわの甘さを少し残して香ばしさのある優れた茶を提供できる。更にびわの果皮を乾燥して細片化して乾燥・焙煎したびわ皮茶,びわ皮煎茶と混合すれば更にびわの皮の有効利用とびわ皮に含まれるナイアシン・ビタミンB,Cが多く含まれるびわ茶とすることができる。【図面の簡単な説明】【図1】実施例のびわ種茶とびわ皮茶,びわ皮煎茶の製造工程を示す説明図である。【図2】実施例のびわ種茶の製造工程を示す工程図である。【図3】実施例のびわ茶の製造工程を示す説明図である。【符号の説明】1 果実2 種(種子)3 果肉4 果皮5 細片6 びわ種茶7 びわ種茶10 乾燥された果皮11 果皮片12 びわ皮茶13 びわ皮煎茶14 熱風乾燥機15 焙煎機20,21 びわ茶 びわの種を細片に切断又は破砕し、同細片を乾燥させた後焙煎し、焙煎後乾燥させて製造されるびわ種茶。 びわの種を細片に切断又は破砕し、同細片を乾燥させた後焙煎し、乾燥させた後2回目の焙煎を行って製造させるびわ種茶。 細片の大きさが、2〜7mmに切断したものである請求項1又は2記載のびわ種茶。 細片の乾燥が、日陰干しで15〜35日行う請求項1〜3何れか記載のびわ種茶。 焙煎の温度が60℃〜90℃である請求項1〜4何れか記載のびわ種茶。 水洗いしたびわの種を3〜5mmに切断し、20〜30日間日陰干しにし、その後70℃〜80℃で3時間焙煎し、その後6日以上日陰干しにした後70℃〜80℃で40〜100分間焙煎して製造するびわ種茶。 びわの種として、生の種の外側にあるぬめりを水洗で除去したびわの種を使用した請求項1〜6いずれか記載のびわ種茶。 請求項1〜7記載のびわ種茶と、乾燥させたびわの果皮を切断・破砕して細片又は粉粒状としたびわ皮茶とを混合したびわ茶。 請求項1〜7記載のびわ種茶と、乾燥させたびわの果皮を切断・破砕し、切断・破砕して細片又は粉粒状にしたびわの果皮片を焙煎したびわ皮煎茶とを混合したびわ茶。