タイトル: | 公開特許公報(A)_アセトフェノン誘導体の製法 |
出願番号: | 2002257355 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,C07C45/45,C07C49/825,C07H15/26,C07B61/00 |
藏岡 悟 松山 浩士 石田 衛 JP 2004091426 公開特許公報(A) 20040325 2002257355 20020903 アセトフェノン誘導体の製法 田辺製薬株式会社 000002956 石津 義則 100115473 藏岡 悟 松山 浩士 石田 衛 7 C07C45/45 C07C49/825 C07H15/26 C07B61/00 JP C07C45/45 C07C49/825 C07H15/26 C07B61/00 300 9 OL 15 4C057 4H006 4H039 4C057AA17 4C057BB02 4C057CC01 4C057DD01 4C057JJ55 4H006AA02 4H006AC23 4H006AC24 4H006BA09 4H006BA37 4H006BA67 4H006BB12 4H039CA62 4H039CD10 4H039CD20 4H039CG20 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンの工業的に有利な製造方法に関する。【0002】【従来技術】2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンは、医薬化合物である3−ベンゾフラニルプロピオフェノン誘導体の合成原料として重要な化合物である(特許文献1および非特許文献1参照)。【0003】2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンを製造する方法としては、1,3−ジヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼンを原料化合物とし、まず、その水酸基をアセチル化して1,3−ジアセチルオキシ−5−低級アルキルベンゼンを製し、次いで1,3−ジアセチルオキシ−5−低級アルキルベンゼンをフリース転位に付すことにより製する方法が知られている(特許文献1および非特許文献1参照)。しかしながら、この製法では2工程を要し、作業性の向上の観点から工程の短縮が望まれていた。また同製法においては、1,3−ジヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼンの2つの水酸基をアセチル化するためにアセチル化剤を2当量以上必要とすること、さらに、2つの水酸基をアセチル化するため、一方のアセチル基を除去・廃棄しなければならない、という問題点があった。【0004】また、2’,6’−ジヒドロキシ−4’−メチルアセトフェノンを製造する方法としては、オルシノール(すなわち、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン)と無水酢酸および濃硫酸の混合物を加熱する方法が知られている(非特許文献2参照)。しかし、アセチル化は130℃という高温下で実施することが必要であり、工業化のためには、より温和な条件で実施する方法が望まれていた。さらにこの製法では、水酸基がアセチル化された化合物が副生し、その化合物の除去のために加水分解工程がさらに必要である旨記載されている。【0005】このように、これまでに知られた製法では、オルシノールなどの1,3−ジアセチルオキシ−5−低級アルキルベンゼンからアセチル化された目的物である2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンを得るためには、2工程を必要とするとともに、工業的スケールで実施するには、製造原価の低減、副生成物の減少、精製工程の簡略化など、改善すべき点があり、より工業的に有利な製法が望まれていた。【0006】【特許文献1】特開平10−237089号公報【非特許文献1】ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー (J. Med. Chem.)、1999年、第42巻、p.5311−5324【非特許文献2】J. S. African Chem. Inst.、1943年、第26巻、p.41−48【0007】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンの改良合成方法を提供することにある。【0008】【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術にみられる欠点を是正し、2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンを経済的・工業的に有利に製造する方法を開発するために鋭意検討した結果、1,3−ジヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼンをルイス酸である金属ハロゲン化物の存在下にアセチル化することで、前記の目的が達成されることを見出した。【0009】すなわち、本発明によれば一般式(II)【0010】【化22】【0011】(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示される1,3−ジヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼンを、ルイス酸である金属ハロゲン化物の存在下、アセチル化剤でアセチル化することにより、一般式(I)【0012】【化23】【0013】(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンを製造することができる。【0014】【発明の実施の形態】以下、本発明の製法についてさらに詳細に説明する。【0015】なお、本発明の製造方法において、反応に用いる化合物は反応に支障のない限り、たとえば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩、たとえば酢酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、たとえばエチルアミン塩、アンモニウム塩などの有機塩基との塩などの塩の形で用いられてもよい。反応に用いる化合物が遊離体で得られた場合は常法によりその塩に変換し、また反応に用いる化合物が塩で得られた場合はその塩を常法により遊離体に変換することができる。【0016】また本発明において、低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基がその具体例として挙げられる。さらに好ましくは炭素数1または2のアルキル基(すなわち、メチル基またはエチル基)であり、とりわけメチル基が好ましい。【0017】本発明によれば、1,3−ジヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼン(II)をルイス酸である金属ハロゲン化物の存在下、アセチル化剤でアセチル化することにより、1工程で、目的とする2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノン(I)が得られる。【0018】ルイス酸である金属ハロゲン化物としては、フリーデル・クラフツ反応にルイス酸として通常用いられる金属ハロゲン化物を好適に使用することができ、ハロゲン化アルミニウム(例えば、塩化アルミニウムなど)、ハロゲン化亜鉛(例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛など)、ハロゲン化スズ(例えば、塩化スズ、臭化スズなど)、ハロゲン化チタン(例えば、四塩化チタンなど)などを用いることができる。これら金属ハロゲン化物のうち、塩化アルミニウムが安価であるとともに、反応性、副生成物の生成量などの観点から好ましい。【0019】金属ハロゲン化物は、化合物(II)に対し、2モル当量〜5モル当量の範囲で使用するが、2.5モル当量〜4モル当量の範囲が好ましく、とりわけ、3モル当量使用するのが良い。【0020】アセチル化剤は、無水酢酸やハロゲン化アセチルが好ましく、中でも、塩化アセチルなどのハロゲン化アセチルがより好ましく、塩化アセチルが最も好ましい。アセチル化剤の使用量は、化合物(II)に対し、1モル当量〜3モル当量の範囲であるが、1.1モル当量〜2モル当量の範囲が好ましく、とりわけ、1.4〜1.6モル当量使用するのが良い。【0021】本アセチル化は、必要に応じ、適当な溶媒中で実施することができる。溶媒としては、反応に影響を与えない溶媒であればいずれのものでもよい。例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、二硫化炭素などが溶媒として使用することができる。【0022】これら溶媒のなかでも、副生成物の産生を抑制し、目的化合物(I)の収率の向上に、芳香族炭化水素類がより好ましく、クロロベンゼンが最も好ましい。【0023】化合物(II)のアセチル化はクロロベンゼン中、塩化アルミニウムの存在下、塩化アセチルでアセチル化することが最も好ましい。【0024】反応は、通常、室温から加温下で実施することができるが、具体的には室温から100℃の範囲で実施するのが好ましく、30〜80℃で実施するのがより好ましく、とりわけ、40〜70℃で実施するのが好ましい。なお、水酸基がアセチル化された化合物(すなわち、1−アセチルオキシ−3−ヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼンや1,3−ジアセチルオキシ−5−低級アルキルベンゼン)が副生成物として単離されることを防ぐためには、70℃程度の反応温度で反応させればよい。【0025】なお、原料化合物である1,3−ジヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼン(II)は、特許文献1に記載の方法により製造することができる。【0026】さらに、このようにして製造された化合物(I)を原料化合物として、既に刊行物等に記載された方法(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)により、医薬化合物として有用な、下式(III)【0027】【化24】【0028】(ただし、Rは低級アルキル基、OXは保護されていてもよい水酸基、Zは1つもしくは複数の水酸基が保護されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基を表す。)で示される3−ベンゾフラニルプロピオフェノン誘導体が製造される。【0029】例えば、まず、2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノン(I)と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドを縮合させ、次いで所望によりフェノール性水酸基を保護することにより、一般式(IV)【0030】【化25】【0031】(ただし、Z1は水酸基がアセチル基で保護されたβ−D−グルコピラノシル基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製する。【0032】次いで、得られた化合物(IV)と5−ホルミルベンゾ[b]フランを、縮合させ、要すれば得られた化合物中に存する水酸基を保護することにより、一般式(V)【0033】【化26】【0034】(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製する。【0035】さらに、得られた化合物(V)を還元し、さらに所望により化合物中に存する水酸基を保護し、さらに要すれば薬理的に許容しうる塩とすることにより、3−ベンゾフラニルプロピオフェノン誘導体(III)またはその薬理的に許容しうる塩を製することができる。【0036】とりわけ、一般式(III)に含まれる化合物のうち、一般式(III−a)【0037】【化27】【0038】(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)または、一般式(III−b)【0039】【化28】【0040】(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物は、以下の工程により製造することができる。【0041】まず、一般式(I)【0042】【化29】【0043】(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示されるアセトフェノン誘導体と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドを縮合させ、一般式(IV−a)【0044】【化30】【0045】(ただし、AcOまたはOAcはアセチルオキシ基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製する。【0046】次いで、得られた化合物(IV−a)と5−ホルミルベンゾ[b]フランを縮合させ、一般式(V−a)【0047】【化31】【0048】(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製する。【0049】さらに、得られた化合物(V−a)を還元し、要すれば薬理的に許容しうる塩とすることにより、一般式(III−a)【0050】【化32】【0051】(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物またはその薬理的に許容しうる塩を製することができる。【0052】また、このようにして得られた化合物(III−a)をメトキシカルボニル化し、要すれば薬理的に許容しうる塩とすることにより、一般式(III−b)【0053】【化33】【0054】(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示されるプロピオフェノン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩を製することができる。【0055】上記の各工程は、特許文献1または非特許文献1に記載の条件に従って実施すればよいが、具体的には以下の如くして実施できる。【0056】化合物(I)と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドの縮合反応は、適当な溶媒中(例えばクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)、4級アンモニウム塩(例えば、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド)の存在もしくは非存在下、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸カリウム)等の塩基を用いて反応させる。【0057】化合物(IV)または(IV−a)と5−ホルミルベンゾ[b]フランとの縮合反応は、例えば、適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の有機溶媒またはこれら有機溶媒と水との混合溶媒)中、塩基(例えば、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属)の存在下に、冷却下から加熱下(とりわけ10℃〜30℃)で実施することができる。【0058】化合物(V)または(V−a)の還元は、常法に従い、接触還元などにより実施することができる。接触還元は溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の有機溶媒あるいはこれら有機溶媒と水の混合溶媒)中、水素雰囲気下で触媒〔例えば、パラジウム−炭素、白金−炭素等。また、ベンゾフラン環の二重結合が還元されることを防ぐために、触媒能を低下させうる物質(例えば、N,N−ジメチルアミノピリジン等)を添加してもよい。〕を用いて、冷却下〜加熱下(とりわけ、10〜30℃)で実施する。【0059】なお、各工程中、各化合物中に存する水酸基の保護は、必要に応じ、加水分解、還元、酸処理などの常法により容易に除去可能な保護基を用いて、常法に従って適宜実施すればよい。【0060】例えば、アシル基により水酸基を保護する場合は、所望のアシル基に対応する有機酸(例えば、低級アルキルカルボン酸、低級アルコキシ低級アルキルカルボン酸等)、その塩またはその反応性誘導体と原料化合物を反応させることにより実施することができる。【0061】アシル基に対応する有機酸またはその塩と原料化合物との反応は、適当な溶媒中、縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド等)の存在または非存在下に、また、有機酸の反応性誘導体と原料化合物との反応は、適当な溶媒中または無溶媒で塩基(例えば、水酸化アルカリ金属、ピリジン、コリジン等)の存在または非存在下に、冷却下から加熱下(好ましくは−10℃〜100℃、とりわけ0℃〜50℃)で実施することができる。【0062】また、反応性誘導体としては、低級アルキルカルボン酸、低級アルコキシ低級アルキルカルボン酸、低級アルコキシカルボン酸等の酸ハライド、酸無水物、活性エステル、活性アミド等をあげることができる。【0063】溶媒としては反応に悪影響を及ぼさないものであればいずれも用いることができ、例えば、水、エステル類(酢酸エチル等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等)等の慣用の溶媒、あるいはこれらの混合溶媒をあげることができる。また、塩基として例示したピリジン等の有機塩基を溶媒とすることもできる。【0064】化合物(III−a)のメトキシカルボニル化は、前述のアシル化方法に従って、クロロギ酸メチルを適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフランなど)中もしくは無溶媒で、塩基(例えば、ピリジン、コリジンなど)の存在下に実施することができる。また、化合物(III−a)のメトキシカルボニル化は、適当な溶媒(例えば、エチレングリコールジメチルエーテル)を用いて、モレキュラーシーブの存在もしくは非存在下、リパーゼ(例えば、ノボ・ノルディスク社のキラザイムなど)を用いて炭酸ジメチルと反応させることにより実施することもできる。【0065】【実施例】実施例1無水塩化アルミニウム (64.44 g)をクロロベンゼン(200ml)に懸濁し、オルシノール (20.00 g)を添加した。40℃にて塩化アセチル(17.70 g)を滴下し、0.5時間攪拌した後、70℃に昇温し、0.5〜1.5時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、反応液を35%塩酸 (60.0 g)および水 (340 ml)より調製した塩酸水に加えた(pH≦1)。酢酸エチルで抽出した後、有機層を水、食塩水で洗浄し、溶媒を減圧留去した。残渣をトルエンから再結晶することにより、2’,6’−ジヒドロキシ−4’−メチルアセトフェノン21.67 g(収率 81 %)を得た。物性値は、文献記載のものと同一であった。【0066】【発明の効果】本発明の製法は、従来法と比べて工程が短縮され、作業性が向上し、工業的に有利な方法である。また、本発明の製法は、従来法よりも位置異性体やジアセチル化体などの副生成物が減少し、収率が向上している。さらに、従来法よりもアセチル化に使用するルイス酸やアセチル化剤の量を減少させることができ、経済的にも優れた方法である。 一般式(II)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示される化合物を、ルイス酸である金属ハロゲン化物の存在下、アセチル化剤でアセチル化することを特徴とする、一般式(I)(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示されるアセトフェノン誘導体の製法。 溶媒中でアセチル化することを特徴とする請求項1記載の製法。 クロロベンゼン中、塩化アルミニウムの存在下、塩化アセチルを用いてアセチル化することを特徴とする、請求項1記載の製法。 請求項1、2または3記載の製法により、一般式(II)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示される化合物から、一般式(I)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示されるアセトフェノン誘導体を製造し、続いて、同誘導体から従来既知の方法により製造することを特徴とする、一般式(III)(ただし、Rは低級アルキル基、OXは保護されていてもよい水酸基、Zは1つもしくは複数の水酸基が保護されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基を表す。)で示されるプロピオフェノン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩の製法。 請求項1、2または3記載の製法により、一般式(II)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示される化合物から、一般式(I)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示されるアセトフェノン誘導体を製造し、続いて同誘導体と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドを縮合させ、所望により水酸基を保護して、一般式(IV)(ただし、Rは低級アルキル基、OXは保護されていてもよい水酸基、Z1は水酸基がアセチル基で保護されたβ−D−グルコピラノシル基を表す。)で示される化合物を製し、次いで、得られた化合物(IV)と5−ホルミルベンゾ[b]フランを縮合させ、要すれば水酸基を保護して、一般式(V)(ただし、Rは低級アルキル基、OXは保護されていてもよい水酸基、Zは1つもしくは複数の水酸基が保護されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基を表す。)で示される化合物を製し、さらに、得られた化合物(V)を還元し、所望により水酸基を保護し、さらに要すれば薬理的に許容しうる塩とすることを特徴とする、一般式(III)(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示されるプロピオフェノン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩の製法。 請求項1、2または3記載の製法により、一般式(II)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示される化合物から、一般式(I)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示されるアセトフェノン誘導体を製造し、続いて同誘導体と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドを縮合させ、一般式(IV−a)(ただし、AcOまたはOAcはアセチルオキシ基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製し、次いで、得られた化合物を5−ホルミルベンゾ[b]フランと縮合させ、一般式(V−a)(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製し、さらに、得られた化合物(V−a)を還元し、要すれば薬理的に許容しうる塩とすることを特徴とする、一般式(III−a)(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示されるプロピオフェノン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩の製法。 請求項1、2または3記載の製法により、一般式(II)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示される化合物から、一般式(I)(ただし、Rは低級アルキル基を表す。)で示されるアセトフェノン誘導体を製造し、続いて同誘導体と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドを縮合させ、一般式(IV−a)(ただし、AcOまたはOAcはアセチルオキシ基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製し、次いで、得られた化合物を5−ホルミルベンゾ[b]フランと縮合させ、一般式(V−a)(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製し、得られた化合物(V−a)を還元して一般式(III−a)(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を製し、さらに化合物(III−a)をメトキシカルボニル化し、要すれば薬理的に許容しうる塩とすることを特徴とする、一般式(III−b)(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)で示されるプロピオフェノン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩の製法。 Rがエチル基またはメチル基である請求項1〜7のいずれか1項記載の製法。 Rがメチル基である請求項8記載の製法。 【課題】工業的に有利な、2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノンおよび当該化合物を原料とした医薬品化合物の新規製法を提供する。【解決手段】1,3−ジヒドロキシ−5−低級アルキルベンゼンをフリーデル・クラフツ反応でアセチル化することを特徴とする、2’,6’−ジヒドロキシ−4’−低級アルキルアセトフェノン、および当該化合物をさらにホルミルベンゾ[b]フラン誘導体とした医薬品化合物を製造する。【選択図】 なし