生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ケラチン繊維F層損傷修復剤及びそれを含有する毛髪化粧料
出願番号:2002255810
年次:2004
IPC分類:7,A61K7/06,A61K7/11


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伊藤 武利 青野 恵 横幕 敦司 西田 勇一 JP 2004059559 公開特許公報(A) 20040226 2002255810 20020730 ケラチン繊維F層損傷修復剤及びそれを含有する毛髪化粧料 ライオン株式会社 000006769 伊藤 武利 青野 恵 横幕 敦司 西田 勇一 7 A61K7/06 A61K7/11 JP A61K7/06 A61K7/11 5 書面 16 4C083 4C083AA122 4C083AB281 4C083AB282 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC181 4C083AC182 4C083AC212 4C083AC302 4C083AC332 4C083AC342 4C083AC392 4C083AC421 4C083AC422 4C083AC431 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC471 4C083AC472 4C083AC482 4C083AC512 4C083AC531 4C083AC532 4C083AC542 4C083AC561 4C083AC562 4C083AC581 4C083AC582 4C083AC612 4C083AC691 4C083AC692 4C083AC791 4C083AC792 4C083AC842 4C083AD042 4C083AD072 4C083AD092 4C083AD132 4C083AD151 4C083AD152 4C083AD161 4C083AD162 4C083AD282 4C083AD352 4C083AD532 4C083BB01 4C083BB13 4C083BB45 4C083BB53 4C083CC32 4C083CC33 4C083DD08 4C083DD22 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083DD41 4C083EE29 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ケラチン繊維F層損傷修復剤及びそれを含有する毛髪化粧料に関する。【0002】【従来の技術】染色やパーマ等のダメージにより、毛髪等ケラチン繊維の手触りは悪化する。この原因の1つにF層の損傷が挙げられる。F層は人毛、羊毛繊維等のキューティクル最表層に存在し、脂肪酸がキューティクル中のA層とエステル又はチオエステル結合したものであり、キューティクルに疎水性や滑沢性を与えている。したがって、ダメージによりF層が損傷を受けるとケラチン繊維は親水化し、滑沢性が失われ、その結果手触りが悪化する。ケラチン繊維の感触向上剤にはカチオン界面活性剤やシリコーン類が知られているが、ブリーチ毛髪など激しく親水性ダメージがの大きくなったケラチン繊維に対しては十分な効果があるとは言えない。これは、比較的疎水的なカチオン界面活性剤やシリコーン類の吸着力が、化学結合しているF層に比べて弱いためである。吸着力の弱さは、洗浄後にはこれらの大半が洗い流されてしまうことからも分かる。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ダメージにより消失したケラチン繊維のF層を、洗浄しても十分残留するほど剤(F層代替物)を強固に吸着させることで修復し、損傷前の好ましい触感を取り戻すことができる優れた剤を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】本発明者らは、分子内にフェノール性水酸基及び/又は糖残基有しかつオクタノール/水分配係数(logP)が0より小さい成分Aの1種又は2種以上と、分子内に炭素数4以上のアルキル鎖及び/又は珪素数4個以上のシリコーン鎖を有しかつlogPが0.01以上である成分Bの1種又は2種以上とを、A:B=10:1〜1:20(モル比)の割合で含有することを特徴とするケラチン繊維F層損傷修復剤及びこれを含有する毛髪化粧料により、損傷前の好ましい触感を取り戻すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。【0005】これは、親水的になったケラチン繊維表面とより疎水的な成分Bとを、より親水的な成分Aがスペーサー的な働きで強固に吸着させるため、成分B単独使用の場合よりもキューティクル表面の再疎水化効果、滑沢性付与効果が高いためである。この効果は特に洗浄後に顕著である。さらに、金属イオン封鎖剤を含有するケラチン繊維F層損傷修復剤及びこれを含有する毛髪化粧料として、製剤や頭髪等から供給される金属イオンをトラップすることにより、ケラチン繊維F層損傷修復剤の吸着をより強固にすることができ、損傷修復効果は更に高まる。【0006】本発明における成分Aとしては、ガロタンニン酸、ケブリン酸、ハマメリタンニン、アセルタンニン、没食子酸、m−ジ没食子酸、デヒドロジ没食子酸、バロン酸、ケブール酸、ヘキサヒドロキシジフェン酸、カフェー酸、p−クマル酸、フェルラ酸、シナピン酸、クロロゲン酸等及び/又はその塩及び/又はその誘導体及び/又は誘導体の塩等が挙げられ、これらの内、オクタノール/水分配係数(logP)が−1以下のものが特に好ましく、例えば、没食子酸、没食子酸プロピル、モノグルコシル没食子酸、ジグルコシル没食子酸等が挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて用いることができる。これらの配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%であり、2種以上用いる場合はそれらの合計量による。【0007】本発明における成分Bとしては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、アミンオキシド、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸モノトリエタノールアミン液、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム液、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン液等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル等の非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン液、アミドプロピルベタイン、N−ラウリルβ−アラニン等の両性界面活性剤、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン等のシリコーン類が挙げられる。これらの内、オクタノール/水分配係数(logP)が1以上のものが特に好ましく、これらの1種以上を組み合わせて用いることができる。これらの配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%であり、2種以上用いる場合はそれらの合計量による。本発明における基剤Aと基剤Bとの比率は、A:B=10:1〜1:20(モル比)、より好ましくは5:1〜1:15の割合で含有することが好ましい。これらの範囲外では基剤Aのスペーサー的効果が十分発揮されない。【0008】本発明における金属イオン封鎖剤としては特に限定されないが、ピロリン酸塩等のリン酸系キレート剤、エデト酸塩等のアミノカルボン酸系キレート剤、ヒドロキシエチリデンジホスホン等のホスホン酸系キレート剤などが挙げられる。これらの配合量は特に限定されないが、0.001〜5質量%が好ましい。【0009】本発明のケラチン繊維F層損傷修復剤及びこれを含有する毛髪化粧料は、所望により毛髪用化粧料や繊維処理組成物に一般に配合される成分、例えば、ポリオール類や油分類等の保湿剤、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、色素、香料及び噴射剤等を含むことが出来る。また、本発明のケラチン繊維F層損傷修復剤及びこれを含有する毛髪化粧料は、シャンプー、リンス、トリートメント、整髪料、繊維処理剤として適用できる。【0010】【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、各例中の%はいずれも質量%である。【0011】〔実施例1〜3、比較例1〜4〕オクタノール/水分配係数(logP)は、HyperChem(William F.Coleman)を用いて計算した。【0012】F層損傷修復効果協和界面化学社製自動接触角測定装置CA−Zにて水に対する接触角(親疎水性)を損傷修復効果の指標とした。測定は、市販のブリーチ剤で染色した人毛束3gに、各組成物0.1gを塗布、乾燥後、LES3%水溶液で洗浄した。乾燥後、均一に隙間なく並べた毛髪に、1μLの水滴を滴下し、直後の接触角を測定した。ノンブリーチ毛は約105°、ブリーチ毛は約60°であった。【0013】ケラチン繊維の滑沢性パネル10名により、きしみ感のなさについて官能評価を行い、その平均点を滑沢性の指標とした。評価基準は次のように設定した。<きしみ感のなさ>5点…ノンブリーチ毛よりきしまない4点…ノンブリーチ毛と同等3点…ブリーチ毛とノンブリーチ毛の中間2点…ブリーチ毛と同等1点…ブリーチ毛よりきしむ【0014】【表1】表1より明らかなように、実施例1〜3の組成物は、いずれも優れたF層損傷修復能を示した。【0015】【0016】【0017】【0018】【0019】【0020】【0021】【0022】【0023】【0024】実施例4〜10の各ヘアケア剤、ヘアセット剤を用いた場合の髪のきしみ感を判定したところ、いずれも良好な感触を有していた。 分子内にフェノール性水酸基及び/又は糖残基を有しかつオクタノール/水分配係数(以下logPと表わす)が0より小さい成分Aの1種又は2種以上と、分子内に炭素数4以上のアルキル鎖及び/又は珪素数4以上のシリコーン鎖を有しかつlogPが0.01以上である成分Bの1種又は2種以上とを、A:B=10:1〜1:20(モル比)の割合で含有することを特徴とするケラチン繊維F層損傷修復剤。 成分Aが没食子酸誘導体である請求項1記載のケラチン繊維F層損傷修復剤。 成分Bが界面活性剤及びシリコーン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載のケラチン繊維F層損傷修復剤。 金属イオン封鎖剤を含有する請求項1、2又は3記載のケラチン繊維F層損傷修復剤。 請求項1、2、3又は4記載のケラチン繊維F層損傷修復剤を含有する毛髪化粧料。 【課題】染色やパーマ等でダメージを受けた毛髪等のケラチン繊維の触感を回復させる毛髪化粧料を提供すること。【解決手段】分子内にフェノール性水酸基及び/又は糖残基を有しかつオクタノール/水分配係数(以下logPと表わす)が0より小さい成分Aの1種又は2種以上と、分子内に炭素数4以上のアルキル鎖及び/又は珪素数4以上のシリコーン鎖を有しかつlogPが0.01以上である成分Bの1種又は2種以上とを、A:B=10:1〜1:20(モル比)の割合で含有することを特徴とするケラチン繊維F層損傷修復剤及びそれを含有する毛髪化粧料。【効果】本発明の毛髪化粧料は、ダメージを受けたケラチン繊維のF層の損傷を回復し、損傷前の好ましいケラチン繊維の触感を取り戻すことができる。【選択図】 なし


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