生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_毒性有無判定方法
出願番号:2002252346
年次:2004
IPC分類:7,G01N33/15,G06F17/13,C12N15/09,G01N33/53,G01N37/00


特許情報キャッシュ

サバウ ソリン 富田 裕之 JP 2004093234 公開特許公報(A) 20040325 2002252346 20020830 毒性有無判定方法 株式会社日立製作所 000005108 作田 康夫 100075096 サバウ ソリン 富田 裕之 7 G01N33/15 G06F17/13 C12N15/09 G01N33/53 G01N37/00 JP G01N33/15 Z G06F17/13 C12N15/00 F G01N33/53 D G01N33/53 M G01N37/00 102 7 19 OL 19 4B024 5B056 4B024AA11 4B024CA01 4B024HA12 4B024HA20 5B056BB02 5B056BB03 5B056HH00 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、DNAマイクロアレイ等を用いた遺伝子発現分布データ(遺伝子発現プロファイルとも言う)に基づく、薬物の毒性、薬効予測の方法および装置に関する。【0002】【従来の技術】毒性学は、薬毒物の生物に対する有害作用と作用機序を解明し、これらの情報をもとに危険度や安全性の評価を行う学問である。薬毒物の有害作用を解明するために、一般毒性試験(単回投与、反復投与毒性試験)や特殊毒性試験(がん原性、生殖・発生毒性、アレルギー性、催奇形性)が実施されてきた。しかし前述の毒性試験は、ラット、犬などの実験動物による試験であり、ヒトの毒性を評価する方法としては限界があった。そこで、この毒性学にゲノム科学のアプローチを取り入れることで、従来法の限界を打破しようとする取り組みの一つがトキシコゲノミクスである。トキシコゲノミクスは、ヒトゲノム解析などで得られたゲノム情報及びその過程で開発されたゲノム解析技術を応用して、環境中の毒性物質やストレッサーあるいは薬物などの化合物に含まれる毒性と生体との応答や相互作用を遺伝子レベルで研究する新しい毒性学の分野である。トキシコゲノミクスには、マイクロアレイ(DNAチップ)によるメッセンジャーRNA(mRNA)の発現解析、細胞や組織での蛋白質発現解析、遺伝子の感受性解析(一塩基多型解析)などが含まれるが、一番盛んに行われているのは、マイクロアレイを用いた発現解析結果から、コンピュータアルゴリズムを用いて、毒性判定する(毒性の有無やその多寡を算出する)試みである。Castle ALら、Toxicogenomics: a new revolution in drug safety, DDT vol.7, pp.728−736 (2002)参照。しかし、マイクロアレイデータにもとづく毒性判定法には、いまだ定められた方法がない。そこで、マイクロアレイデータに基づく毒性判定法の開発が待ち望まれてきた。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マイクロアレイ(DNAチップ)のデータを用いて毒性判定を行う方法および装置を提供することである。更に詳しくは、遺伝子発現分布データ(遺伝子発現プロファイル)のセットと遺伝子パスウェイ、酵素・代謝パスウェイの情報に基づき、化合物の毒性判定を行うことを目的とする。【0004】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、毒薬物の代謝(Metabolism)、排泄(ExcretionもしくはDrug Elimination)に関連するパスウェイ情報に基づき、連立微分方程式を作成した後、遺伝子発現分布データを用いた上記連立微分方程式解の安定性(線形安定性、ヤコビ安定性)を計算することにより、化合物の毒性判定を行う。毒薬物の代謝、排泄に関連するパスウェイ情報とは、例えば尿素サイクルやクエン酸回路などの、アミノ酸合成、アミノ酸排泄を司るパスウェイ上の遺伝子や蛋白質の相互関係のことである。図1に尿素サイクルについて記す。尿素サイクルは、オルチニンサイクルとも呼ばれ、哺乳類その他の尿素排出型動物の肝臓に存在し、尿素を精製する代謝経路である。糖、蛋白質、脂質などの代謝過程で生じるアンモニア(NH3)や二酸化炭素(CO2、もしくは炭酸イオンHCO3−)は、図1に示すように尿素サイクルにより、最終的に尿素として排泄される。遺伝子発現分布データとは、例えばDNAチップ法(DNA Chip)、ディファレンシャルディスプレイ法(Differential Display)、定量的PCR法(Quantitative PCR)、SAGE(Serial Analysis of Gene Expression)法、プロテインチップ法(Protein Chip)などの複数遺伝子もしくは蛋白質の発現変化を測定する方法により得られた複数遺伝子(あるいは蛋白質)に関する発現量、もしくは発現量同士の比率のことである。線形安定性(Linear Stability)とは、式1に示す時間tに関する微分方程式に対する数学的に定義された安定性のことである。【0005】【式1】C(dT/dt)= f(θ)但しCは定数。f(θ)はある関数である。式1の右辺がゼロとなる方程式の解を定常解(Steady State)と呼び、T0とあらわす。定常解T0のまわりの微小な摂動ΔTを考え、T = T0 + ΔTとして展開すると、【0006】【式2】d(ΔT)/dt = −λ ΔT(t)の形になる。すると【0007】【式3】ΔT(t) = T0 exp(−λt)となり、λ > 0ならば、摂動は減衰する、つまり定常解は安定λ < 0ならば、摂動は増幅する、つまり定常解は不安定という結論が得られる。この安定もしくは不安定を線形安定性と呼ぶ。数学的には、線形安定性は定常解における系のヤコビアンの固有値(eigenvalue)の実数部(real part)の符号(sign)から求めることができる。ヤコビ安定性とは、例えば式1のような方程式の二次微分x(t)を考える。区間α≦t≦βにおけるx(t)の値の集合をトラジェクトリー(trajectory)と呼ぶ。ある初期時間t0におけるx(t)の値x(t0)と、t≧t0における全てのトラジェクトリーの値x(t;但しt≧t0)とが、十分近傍にある(sufficiently close)の場合、x(t)はヤコビ安定(Jacobi stable)であるという。数学的には、ヤコビ安定性はベルワルド偏差テンソル(Berwald deviation tensor)もしくは曲率偏差テンソル(curvature deviation tensor)の固有値(eigenvalue)の符号(sign)から求めることができる。リミットサイクルとは、例えば時計、人間、ガソリンエンジンなどのように、燃料やエネルギーを外部から与えられることで、繰り返し運動、振動などを継続しておこなう際、その初期状態とかかわり無くサイクルが継続進行する状態をいう。リミットサイクルは、減速もしくは加速といった外部要因の影響を受けつつ継続する性質を有する。特異点とは、他の点と際立ったものをいい、定常状態,平衡状態から変動状態に変化する点など、通常と際立って異なる状態をいう。位相変化とは、ある周期性を示す現象がsin関数やcos関数等の線形結合で示される場合(フーリエ展開などの場合)に、sin関数やcos関数の位相が変化することをいう。図2は、薬物の吸収から代謝にいたる経路を示す概念図である。薬物は経口的に消化管に入ると、腸内細菌の酵素による代謝を受けながら腸より吸収され、肝へと運ばれる。また薬物は経口投与のみならず、静注、筋注、皮下注など非経口的にも投与される。これらの薬物の一部は、肝で代謝され胆汁中へ排泄される(胆汁排泄)。胆汁中へ排泄された薬物は、腸管に排泄され、そのまま糞便とともに体外へ排泄される。また薬物は胆汁や腸管以外にも、腎臓から尿として、あるいは母親の母乳などとして排泄される。なかでも腎臓から尿の経路が薬物の排泄経路として重要であることが知られている(尿中排泄)。水溶性の薬物は通常、代謝されることなく、尿中または胆汁中に排泄される。しかし一般的な薬物は脂溶性である。これら脂溶性物質は、水溶性代謝物に変換されなければ、体内に蓄積され細胞機能を脅かす場合がある。そこでこれら脂溶性物質は、まずミクロソーム内のP450などにより、酸化、還元、加水分解の代謝を受ける(第I相代謝反応:Phase I)。この処理によりそのまま体外に排泄されることもあるが、多くの場合は、更に極性が高い、すなわち水溶性の物質と抱合して尿中や胆汁中に排泄される(第II相代謝反応:Phase II)。抱合には、グルクロン酸抱合、硫酸抱合、グルタチオン抱合などがある。図3は、DNAチップの一般的な構造を示した図である。図4にDNAチップを用いた測定法のフローチャートを示す。まず支持体34にDNAプローブ32を固定化する。続いて、測定対象サンプルから抽出した遺伝子断片を蛍光標識などで標識する。この蛍光標識された遺伝子33を、DNAプローブ32とハイブリダイズさせる。その後、蛍光標識由来の蛍光を検出器31で検出する。この検出の結果、各DNAプローブ32にハイブリダイズした蛍光標識された遺伝子33の量が得られる。これを発現分布という。非ステロイド系解熱鎮痛薬として広く使われている薬物であるアセトアミノフェンは、大量投与すれば、動物(ラット、マウス、ハムスター)の肝で、強い中心性壊死を引き起こす。アセトアミノフェンの急性毒性はヒトにおいても認められ、アルコール飲酒により肝毒性が増強される。アセトアミノフェンは、アセトアニリドおよびフェナセチンの薬理活性物質であり、その代謝は、図5に示す通りである。鎌滝、加藤編、薬物代謝学第2版、東京化学同人(2000)参照。アセトアミノフェンは、通常容量が摂取された場合(通常投与)には、グルクロン酸抱合や硫酸抱合を受け、解毒排泄される。しかし大量投与された場合には、前記両抱合系が飽和されP450により、N−水酸化(NH基→NOH基)を受け、反応性に富む不安定な活性中間体を生成する。この活性中間体はグルタチオン抱合を受け解毒されるが、その結果細胞内のグルタチオン量が減少するにつれ、タンパク質などの共有結合体の生成が増加し、最終的に肝細胞死を誘発する。DNAチップを用いた検討により、アセトアミノフェンなどの肝毒物を投与量を変化させながらヒト培養細胞(HepG2)に投与するとアルギナーゼ(Arginase;UnigeneシンボルARG1、ARG2)や、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(Ornithine carbamoyl transferase; UnigeneシンボルOTC)といった、尿素サイクルに関連した遺伝子の発現量が、通常投与時と比較して大量投与時に有意(2倍以上)に上昇するという結果が得られた。投与したアセトアミノフェンのドーズはHepG2細胞(〜5×106細胞/10cc)に対し、通常投与(0.2mM)、大量投与(5mM)である。アセトアミノフェンに限らず、薬物を大量投与した場合、尿素サイクル上の遺伝子が発現変動する理由について、並びにクエン酸回路等の代謝関連パスウェイ上の遺伝子が発現変動する可能性について次に述べる。また多くの薬物の大量投与は毒性を示すことから、毒物投与時についても下記の記述は一般的に有効だと考えられる。従って、表1に示す肝毒性を発揮する薬物一般についても下記の記述が有効である可能性が大きい。【0008】【表1】図6は、薬毒物の代謝的活性化と毒性発現の関係図である。鎌滝、加藤編、薬物代謝学第2版、東京化学同人(2000)参照。薬物が通常投与された場合、ほとんどの薬毒物はP450を始めとする代謝酵素群により、酸化、還元、加水分解、抱合を受け排泄される。表2にP450を始めとする薬物代謝酵素について整理した。表2の薬物代謝酵素群の組み合わせもしくは繰り返しの作用により、薬毒物は代謝される。図6で通常投与された薬物は、P450による代謝や抱合反応を受けて、排泄される。例えば、アセトアミノフェンはフェノール性のOH基を有するので、グルクロン酸抱合と、硫酸抱合の両者により代謝される。一方図6では活性中間体が生成されることを示している。例えば、アセトアミノフェンでは大量投与時に、N−水酸化により、活性中間体が生成される。この活性中間体とは、薬毒物が代謝を受けることにより生じる薬理活性のある代謝物のことである。生体内で生成した反応性の高い活性中間体も多くの場合は、グルタチオン抱合などの代謝を受けて、解毒される。しかし活性中間体の量が多い場合や、その解毒に関与する酵素系が飽和したり、グルタチオンなどの生体成分の量が少ない場合には、解毒処理機構が機能しなくなり、最終的に生理機能の障害すなわち毒性の発現につながることになる。従って、薬毒物の毒性発現や毒性の程度は、活性中間体の生成速度と親化合物や代謝産物の解毒速度の均衡によって支配される。活性中間体は、その生成が促進されて解毒能が低下して均衡が崩れ、DNAやRNAなど核酸と結合すると変異原性、発がん性、催奇形性など遺伝子毒性につながり、タンパク質などと結合すると臓器障害を発生する。一方、活性中間体と生体成分(特にタンパク質)との反応の結果、その複合体がハプテン抗原となり、免疫反応を導き出し、毒性を発現する場合もある。【0009】【表2】この活性中間体の生成速度や親化合物代謝産物の解毒速度の均衡を見る際、DNAチップやFDD,SAGE等を用いた発現分布解析が有効である。なぜなら、代謝や排泄に係わるタンパク質の遺伝子の発現状態が均衡している通常投与時と比較して、その均衡が有意に崩れている状態は、大量投与などによる毒性反応が生じていることを示唆するためである。この代謝や排泄にかかわるタンパク質を産生する複数の遺伝子の発現状態が均衡しているか否かを判定する際に、尿素サイクルとクエン酸回路に関連した遺伝子を解析するのが有効と考えられる。この理由の一つは、サイクル反応なので、関連遺伝子の変化が周期性を持つことである。周期性の変化、もしくは安定性を見ることで、複数遺伝子の発現状態が均衡しているか否かを数学的に解析することができる。もう一つの理由は両サイクルが、図6に示す各反応や現象と密接に係わっているためである。図7に活性中間体の主要な解毒反応である、グルタチオン抱合とその代謝経路を示す。グルタチオンは生体内に最も多く存在するSH化合物であり、肝内には数mMのグルタチオンが存在する。薬毒物(化合物R−X;但しRは基質、Cは脱離基)は、グルタチオン転移酵素により、グルタチオン抱合体を形成する。続いてγ―グルタミルトランスペプチダーゼ、システイニルグルシナーゼ、膜結合型N−アセチル転移酵素の作用により、メルカプツール酸抱合体が形成され、薬毒物は尿、糞中に排泄される。この代謝過程でグルタミン酸(Glu)とグリシン(Gly)の2種類のアミノ酸が生成される。図8にグルタチオン抱合の過程で生成されるグリシンの代謝経路を示す。グリシンは、グリシンヒドロキシメチルトランスフェラーゼにより別のアミノ酸であるセリンになり、セリンデヒドラターゼにより、ピルビン酸になる。このピルビン酸生成過程で、産生されたアンモニア(NH3)は、尿素サイクルを経て尿素に変換され尿中に排泄される。また、ピルビン酸は、糖代謝、脂質代謝、タンパク質代謝の多くで生成される化合物で、ピルビン酸デヒドロゲナーゼにより、アセチルCoAになる。アセチルCoAは、クエン酸回路の出発物質である。このピルビン酸からアセチルCoAの過程で産生される二酸化炭素(CO2)は、ピルビン酸生成過程で産出されたアンモニアと共に、尿素サイクルを経て尿素に変換され尿中に排泄される。このようにグルタチオン抱合により生成されたグリシンは、尿素サイクルとクエン酸回路に密接に関係している。図9にグルタチオン抱合の過程で生成されるグルタミン酸の代謝経路を示す。なお、グルタミン酸は、アミノトランスフェラーゼによりアミノ酸代謝を行ったとき2オキソ酸と共に生成されるもので、アミノ酸代謝において中心的な化合物の一つである。グルタミン酸は、グルタミン酸ヒドロゲナーゼにより、2−オキソグルタル酸とアンモニアを生成する。またグルタミン酸は、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼにより、2−オキソグルタル酸とアスパラギン酸を生成する。アンモニアは尿素サイクルにより尿素に変換される。また2−オキソグルタル酸は、クエン酸回路中の化合物である。このようにグルタチオン抱合により生成されたグルタミン酸は、尿素サイクルとクエン酸回路に密接に関係している。図10にクエン酸回路を示す。クエン酸回路はTCA回路ともよばれ、糖、脂肪酸、アミノ酸を酸化的に代謝する主要経路であり、同時にNADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)等の各種生合成の原料を提供する経路である。具体的には、クエン酸回路で生成されるNADHやFADH2(還元型フラビンアデニンジヌクレオチド)の電子伝達系がO2により再酸化されるとき酸化的リン酸化でATPを生成する。ATPは生体における主要なエネルギー伝達体である。クエン酸回路と尿素サイクルは、グルタチオン抱合反応などと密接に関係していることが分かった。この抱合反応以外に、図6に示すように毒薬物がDNAやタンパク質と共有結合を行うなどの反応を行う過程で、アミノ酸分解が起こることが考えられる。アミノ酸分解により生成される窒素(NH3)や炭素(CO2)は尿素サイクルにより尿素に変換される。またアミノ酸分解は尿素サイクルのみならずクエン酸回路とも関係している。図11にアミノ酸分解とクエン酸回路との関係を示す。標準アミノ酸は、図11に示すようにピルビン酸、2−オキソグルタル酸、スクシニルCoA、フマル酸、オキサロ酢酸、アセチルCoA、アセト酢酸のいずれかに分解される。このようにクエン酸回路も毒性発現に関連するアミノ酸分解と密接に関係している。またクエン酸回路は、アミノ酸分解に留まらず、最も代表的な薬物代謝酵素であるP450の反応にも大きく係わっている。図12に示すようにP450の代謝反応の補酵素であるヘムが、クエン酸回路中のスクシニル−CoAと、アミノ酸であるグリシンにより合成されるのである。ヘムは主に赤芽球と肝臓で合成されるが、肝臓が作るヘムは、主にP450の補因子となる。補因子とは、ある酵素の活性を向上させる因子で、その酵素反応に必須といえる因子である。このP450と補因子ヘムとの関係を図13に示す。毒薬物の多くはP450により酸化もしくは還元を受け、代謝物となる。その過程でヘムを補因子として必要とするが、ヘムはクエン酸回路のスクシニル−CoAを合成の出発物質としている。このように、尿素サイクルとクエン酸回路は、P450を始めとする第I相代謝反応、グルタチオン抱合を始めとする第II相代謝反応に関連する、薬物代謝において重要な代謝回路である。尿素サイクルとクエン酸回路を構成する遺伝子の発現分布をDNAチップ等の遺伝子発現分布測定法により測定し、その遺伝子発現分布を、予め遺伝子パスウェイ情報を元に作成されたモデルに代入し、そのモデルの連立微分方程式を解析することで、通常投与時の尿素サイクルやクエン酸回路の線形安定性、ヤコビ安定性を計算する。毒性が見られる場合は、尿素サイクルやクエン酸回路の線形安定性、ヤコビ安定性に乱れが生じると考えられる。その線形安定性、ヤコビ安定性の評価結果を用いて化合物の毒性の予測並びに毒性の有無について判定することができる。本発明の本意は、薬物投与以前の安定状態にある細胞内の遺伝子発現や蛋白質発現の調和的振る舞いが、薬物投与後に変化する(崩れる)ことをシミュレーションにより判定することである。つまり薬物投与前と後とで、遺伝子発現やタンパク質発現の調和的振る舞いが変化したとき、薬物は何らかの毒性(もしくは薬効)を発揮したと判定できる。この調和的振る舞いの変化(崩れ)は、例えば線形安定解析やヤコビ安定性解析により評価することができる。線形安定性解析による毒性判定の基準を以下にしめす。下記基準は線形安定性解析の意味を考えると自明である。薬物投与前後で線形安定の場合、すなわち(イ)線形安定→線形安定の場合、遺伝子発現の調和的振る舞いが薬物投与前後で変化しないので、毒性なしと判定できる。同様に、(ロ)線形安定→線形不安定の場合、線形安定性解析では情報なし(ハ)線形不安定→線形安定の場合、毒性有り(ニ)線形不安定→線形不安定の場合、振動子的(oscillatory)振る舞い→振動子的(oscillatory) 振る舞いならば、毒性無し振動子的(oscillatory)振る舞い→カオス的(chaotic)振る舞い ならば、毒性有りと判定できる。カオス的振る舞いとは将来的な振る舞いが予測できない振る舞いのことである。なお振動子的振る舞いとカオス的振る舞いの判定には、線形安定性解析とヤコビ安定性解析の結果を組み合わせる必要がある。振動子振る舞いとは、数学的には線形不安定でかつヤコビ安定と同義である。またカオス的振る舞いとは、数学的には線形不安定でかつヤコビ不安定と同義である。ヤコビ安定性解析による毒性判定の基準を以下に示す。下記基準はヤコビ安定性解析の意味を考えると自明である。薬物投与前後で、(ホ)ヤコビ安定→ヤコビ安定の場合、毒性無し(へ)ヤコビ安定→ヤコビ不安定の場合、毒性有り(ト)ヤコビ不安定→ヤコビ安定の場合、ヤコビ安定性解析では情報なし(チ)ヤコビ不安定→ヤコビ不安定の場合、ヤコビ安定性解析では情報なしと判定できる。本発明の特徴は、線形安定性解析やヤコビ安定性解析を同時に行うことにある。線形安定性解析のみ、もしくはヤコビ安定性解析のみでは毒性の判定がつかなくても、両者を同時に行うことで毒性判定が行える。また線形安定性解析とヤコビ安定性解析の判定結果とが矛盾した場合、連立微分方程式作成に用いたモデルが不適切、もしくは仮定したパスウエイが正しくないことを示唆しており、モデルを再構築するための情報を与えてくれる点でも優れている。【0010】【発明の実施の形態】以下、毒性予測に用いる具体的なアルゴリズムについて説明する。本実施例は、本発明を細胞分裂周期(Cell division cycle)モデルである細胞周期パスウェイモデル(論文執筆者の名前をとってタイソンモデル)に適用した例を示す。タイソンモデルについては図14に示す。原著論文はJ.Tyson他、Modeling the cell devision cycle: cdc2 and cyclin interactions, Proc. Natal. Acad. USA, vol.88, pp.7328−7332 (1991)である。本実施例と同様の方法で、細胞分裂周期パスウェイを、尿素サイクルもしくはクエン酸回路に置き換えることで、遺伝子発現解析結果を用いた毒性予測が可能となる。図14について説明する。図14のモデルは細胞周期に関連する遺伝子サイクリン(Cyclin)とcdc2の二種類のタンパク質と、サイクリンとcdc2の結合体であるMPF(Maturation promoting factor)より構成される。なお、cdc2はプロテインキナーゼによりリン酸化(Phosphorylation)され、リン酸化cdc2となる。また活性型MPFはプロテインキナーゼによりリン酸化され通常型MPFになる。単純なモデルであるが図14のモデルを用いて細胞増殖時の振る舞いをよく説明できることが知られている。定式化のため、図14の活性化MPFをM,通常型(リン酸化)MPFをpM、サイクリンをY,リン酸化サイクリンをYP、cdc2をC2,リン酸化cdc2をCPと呼ぶ。また図14でリン酸化を行う酵素、プロテインキナーゼをPと呼ぶ。図14中のa.aは、蛋白質の構成要素であるアミノ酸(Amino Acid)を意味する。また図14中の各タンパク質間をつなぐ矢印は、反応の方向を意味し、その矢印の横に記載されたk1からk9までの値は、各反応の反応速度係数を示す。図14の反応速度係数kは濃度÷時間の次元を持ち、kが大きいほど、矢印の向きの反応量(反応速度)が大きいことを意味する。図15は図14のモデルをもとに作成した連立微分方程式である。図15の一番上の式は、時刻tにおけるcdc2(C2)の濃度(例えばモル/リットル)に関する微分方程式である。cdc2は、活性型MPF(M)とリン酸化cdc2(CP)の両者から生成され、その反応速度係数はそれぞれk6、k9である。またC2自身がプロテインキナーゼ(P)により反応速度係数k8でリン酸化されCPとなる。生成される場合の符号をプラス、消滅する場合の符号をマイナスとすると図15に示す微分方程式ができる。図14の反応をすべて上記のように定式化することで、図15の連立微分方程式が作成される。図15の連立微分方程式を解くことで、図14に示すパスウェイにおける各タンパク質の濃度の時間変化をシミュレートすることができる。図16に図15の連立微分方程式の反応速度係数に対する仮定をまとめた。またC2とCPとpMとMの総和は一定と仮定した。これらの値は、他の実験結果、生物知識、文献情報に基づき、出来るだけ確実な値とした。このように連立微分方程式における反応速度係数の値は可能な限り確実な値とすることが望ましい。図17に線形安定性解析の具体例について記す。まず図15の連立微分方程式を簡略化し、一次微分の値がゼロになる条件を探す。それらの式の符号を見ることで、式1〜式3の定義に従って、線形安定、線形不安定を判定する。図18にヤコビ安定性解析の具体例について記す。図15の連立微分方程式を更に微分して、二次微分方程式を得る。その二次微分方程式からヤコビ安定性に用いる判定式Pを得る。Pの符号により、ヤコビ安定、ヤコビ不安定を判定する。図19に本発明のアルゴリズムをフローチャート図で示す。図14に示すようなパスウェイモデルを作成した後、そのパスウェイモデルから図15に示すような連立微分方程式を作成する。パスウェイモデル作成にあたっては、文献情報や生物知識を参照して、可能限り妥当なモデルを作成する。続いて、数学分野における線形安定性解析(図17)とヤコビ安定性解析(図18)の両者を、図15のような連立微分方程式に対して行う。数学の分野では線形安定性解析とヤコビ安定性解析はそれぞれよく知られた解析方法であるが、それら両者を、同一のパスウェイモデルに適応した例はない。しかし、線形安定性解析とヤコビ安定性解析の両者を行うことで、遺伝子発現の振動子的(oscillatory) 振る舞いの変化をより詳細に解析することが可能であり、精度の高い判定(例えば毒性判定)が行える。また仮に線形安定性解析とヤコビ安定性解析の結果が矛盾している場合は、計算の出発点であるパスウェイモデルそのものに矛盾があることが示唆されるので、パスウェイモデルに対して変更を加える必要がある。結果が矛盾していない場合、線形安定性解析とヤコビ安定性解析の結果から、遺伝子発現の振動子的振る舞いの変化の有無、すなわち毒性の有無について判定を行うことができる。図20に本発明における遺伝子発現の振動子的振る舞いの変化の有無を評価する一例を示した。図20は、図14と図15の細胞周期パスウェイモデルの解析結果の一例である。図15の連立微分方程式に含まれる反応速度係数k6の値を図16の範囲で変化させつつ線形安定性解析(図17)およびヤコビ安定性解析(図18)を行ったところ、k6の値によって細胞周期の様子が、図20に示すような3種類に分類できることが分かった。例えばMからC2を生成する反応速度係数k6の値を0から10まで変化させたとき、図20に示すような3つの領域A、B、Cに分類できた。この3分類は、線形安定性解析(図17)の結果から分類された。線形安定性解析の符号が領域Aではマイナス(すなわち線形安定)、領域Bではプラス(すなわち線形不安定)、領域Cではマイナス(すなわち線形安定)であった。線形安定性解析の結果が安定とは、その系が定常解近傍から変化しない傾向にあることを意味する。生物学的には領域Aは、Mの濃度が高濃度であり続ける結果、細胞周期の回転にブレーキがかかる。この状態は細胞分裂期(Metaphase)において細胞周期が一時停止した(Metaphase Arrest)状態に相当する。それに対し、領域Bは、MやC2の濃度が変化する結果、細胞周期が回転し、細胞増殖が行われる状態に相当する。また領域Cは、Mの濃度が低濃度であり続けるので、細胞間期(Interphase)において細胞周期が一時停止した(Interphase Arrest)に相当する。但し、領域Aの内、k6の値が0.1から0.192の時、ヤコビ安定性解析(図18)の符号はプラス(すなわちヤコビ不安定)である。ヤコビ不安定とは、定常解近傍以外を含む領域では変化が起ころうとしていることを意味する。そこで、k6の値が0.1から0.192の間では、定常解近傍ではその定常解に留まろうとするが、系全体は動こうとしているといえる。細胞周期は一時停止しているだけであり、いずれ動くので、その細胞は正常である。しかし、k6の値が0.192から0.2の間では、線形安定であると同時にヤコビ安定である。この場合は、定常解近傍のみならず系の全体に渡って停止しようとしており、細胞周期が将来に渡って動くことはない。従って、k6の値が0.192から0.2の間では、その細胞は一時停止しているだけでなく、死んでいることを意味する。同様に領域Cでも、k6の値が1.9から10では、細胞は一時停止しているだけだが、k6の値が1.5から1.9の間では、細胞は死んでいることを意味する。このように連立微分方程式のパラメータに相当する、反応速度係数kの値を変化させるシミュレーションすることで、kの値とその細胞の状態との関係を予め評価することができる。その後、DNAチップなどを用いて時間ごと計測した発現分布値より、M,C2等の各物質の濃度値(あるいはその相対値)を連立微分方程式に代入し、実際のkの値を計算する。なお、領域B(k6の値が0.2から1.5の間)は、線形不安定、ヤコビ安定である。この場合は、細胞は安定した周期で増殖する。なぜなら、現時点ではMとC2の濃度が変化しているが、系全体ではいずれ安定するためである。すなわち振動子的(oscillatory)な振る舞いであり、細胞は正常である。しかし、仮に線形不安定でかつヤコビ不安定であった場合、現時点でもそして系全体でも不安定なため、将来的にどのような状態になるか予測がつかない。すなわちカオス(Chaotic)な振る舞いであり、細胞ががん化したことを示唆する。このように連立方程式を線形安定性解析のみならずヤコビ安定性解析を行うことで、細胞が増殖しているのか、一時停止しているのか、それとも死んでいるのか、ガン化しているのかを判定できる。線形安定性解析もしくはヤコビ安定性解析のいずれか一方を行うだけでは不可能な判定を、本方法では行うことができる。本法を尿素サイクルもしくはクエン酸サイクルに適用することで細胞周期と同様に毒性の有無などの判定を行うことができる。すなわち予め、尿素サイクルとクエン酸サイクルに基づきパスウェイモデルを作成し、連立微分方程式を得る。その連立微分方程式に用いる反応速度係数等のパラメータは文献情報や生物知識に基づき可能な限り妥当な値とする。その後、反応速度係数の値に基づき、統合したり消去できる連立微分方程式を探して整理する。続いて、線形安定性解析(図17)とヤコビ安定性解析(図18)を行い、図20のように反応速度係数の値と細胞異常(毒性あり)、細胞正常(毒性なし)の関係を予め得ておく。その後、実験より得られた発現分布データから各遺伝子の濃度もしくはその相対値の実測値を、連立微分方程式に代入し、実験値に基づく反応速度係数を計算する。最後に、実験により得られた反応速度係数の値と、図20のような反応速度係数の値と毒性との値の関連表とを照らし合わせ、毒性の有無を判定する。本発明の実施形態のソフトウェアを実行するために利用されうるコンピュータシステムの一例を図21に、そのシステムブロック図を図22に示す。図21は、本発明の実施形態のソフトウェアを実行するために使用されうるコンピュータシステムの例である。図21はキーボード181、ディスプレイ182、CPU183、記憶装置184および記憶媒体185を示す。キーボード以外に、マウス等のグラフィカルユーザーインターフェースと対話するためのデバイスを備えても良い。記憶装置184および記憶媒体185は、本発明を実行するコンピュータコードに組み込まれるソフトウェアプログラム、本発明と共に使用するためのデータなどを記憶および読み出すために利用され得る。図22は、本発明の実施形態のソフトウェアを実行するための使用される、コンピュータシステムのブロック図である。図21に示すようにコンピュータシステムは、キーボード181、ディスプレイ182、CPU183、記憶装置184および記憶媒体185を備える。またコンピュータシステムは、例えばシステムメモリ、固定ディスク(ハードディスク)、CD−ROM、DVD等の着脱式ディスク、ディスプレイアダプタ、サウンドカード、スピーカーおよびネットワークインタフェースを更に備える。本発明は共に使用するのに適切なコンピュータシステムはまた、測定機器に組み込まれ得る。【0011】【発明の効果】本発明により、薬物投与時のDNAチップ等の遺伝子発現分布データから、その薬物の毒性予測、毒性の有無について判定することができる。【図面の簡単な説明】【図1】尿素サイクルの概念図。【図2】薬物代謝の概念図。【図3】DNAチップの概念図。【図4】DNAチップ解析のフローチャート。【図5】アセトアミノフェンの代謝経路図。【図6】薬毒物の代謝的活性化と毒性発現の説明図。【図7】グルタチオン抱合の代謝経路図。【図8】グリシン代謝経路図。【図9】グルタミン代謝経路とアミノ酸代謝経路図。【図10】クエン酸回路の概念図。【図11】アミノ酸分解とクエン酸回路の関連図。【図12】ヘム生合成経路図。【図13】P450と補因子ヘムの関係図。【図14】細胞周期パスウェイモデル図。【図15】細胞周期パスウェイモデルの連立微分方程式。【図16】図15の反応速度係数に対する仮定の一例。【図17】線形安定性解析の一例。【図18】ヤコビ安定性解析の一例。【図19】遺伝子発現の振動子的振る舞い変化(例えば毒性判定)の有無を判定するフローチャート図。【図20】遺伝子発現の振動子的振る舞いの変化の評価法の概念図。【図21】本発明の実施形態のソフトウェアを実行するために利用され得るコンピュータシステムの一例。【図22】図18のコンピュータシステムのシステムブロック図。【符号の説明】31.検出器、32.DNAプローブ、33.蛍光標識された遺伝子、34.支持体、51.アセトアミノフェン、181.キーボード、182.ディスプレイ、183.CPU、184.記憶装置、185.記憶媒体。 毒薬物の代謝又は配列に関連する遺伝子パスウェイ情報に基づいた連立微分方程式と、前記連立微分方程式の反応速度係数と、前記反応速度係数に応じた線形安定性及びヤコビ安定性の関係と、前記反応速度係数の値における前記毒薬物の毒性有無の判定を記憶する記憶手段と、前記連立微分方程式に、遺伝子発現分布データを入力する入力手段と、前記遺伝子発現分布データを前記連立微分方程式に入力することにより、前記反応速度係数を求め、前記毒薬物の毒性有無の判定を表示する表示手段とを有することを特徴とする毒性有無判定システム。 毒薬物の代謝又は排泄に関連する遺伝子パスウェイ情報に基づき連立微分方程式を作成し、前記連立微分方程式の反応速度係数を文献情報及び生物知識に基づき定め、前記連立微分方程式を用いて線形安定性解析及びヤコビ安定性解析を行い、前記反応速度係数に応じた線形安定性及びヤコビ安定性の関係を求め、前記反応速度係数の値における前記毒薬物の毒性有無の関係を得ておき、実験より得られた遺伝子発現分布データを前記連立微分方程式に代入して前記反応速度係数を求め、前記毒性有無の関係と照合して毒性の有無を判定する毒性有無判定方法。 請求項2記載の毒性有無判定方法において、前記遺伝子発現分布データは前記毒薬物投与前後のデータであり、前記反応速度係数が、線形不安定から線形安定に変化した場合、毒性有りと判定することを特徴とする毒性有無判定方法。 請求項2記載の毒性有無判定方法において、前記遺伝子発現分布データは前記毒薬物投与前後のデータであり、前記反応速度係数が、ヤコビ安定からヤコビ不安定に変化した場合、毒性有りと判定することを特徴とする毒性有無判定方法。 請求項2記載の毒性有無判定方法において、前記毒薬物の代謝又は排泄に関連する代謝遺伝子パスウェイは、尿素サイクル又はクエン酸回路に関連した代謝パスウェイであることを特徴とする毒性有無判定方法。 請求項2記載の毒性有無判定方法において、前記遺伝子発現分布データは、DNAチップ法、ディファレンシャルディスプレイ法、定量的PCR法、SAGE法、プロテインチップ法のいずれかより得られた遺伝子発現分布データであることを特徴とする毒性有無判定方法。 毒薬物の代謝又は排泄に関連する遺伝子パスウェイ情報に基づき連立微分方程式を作成し、前記連立微分方程式の反応速度係数を文献情報及び生物知識に基づき定め、前記連立微分方程式を用いて線形安定性解析及びヤコビ安定性解析を行い、前記反応速度係数に応じた線形安定性及びヤコビ安定性の関係を求め、前記毒薬物の毒性の有無を予測することを特徴とする毒性有無予測方法。 【課題】本発明の目的は、DNAマイクロアレイ等を用いた遺伝子発現データ(遺伝子発現プロファイルとも言う)に基づく、毒性有無の判定方法を提供することにある。【解決手段】毒薬物の代謝もしくは排泄に関連する代謝遺伝子パスウェイ情報に基づき連立微分方程式を作成し、反応速度係数を定め、線形安定性解析及びヤコビ安定性解析行い、反応速度係数値における毒性有無の関係を得ておき、遺伝子発現分布データを連立微分方程式に代入して反応速度係数を求め、反応速度係数値における毒性有無の関係と照合することにより毒性有無を判定する。【効果】遺伝子発現データから化合物の毒性予測や毒性の有無の判定が行える。【選択図】 図19


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