タイトル: | 公開特許公報(A)_石油ハイドロカーボンBTEX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)を含む溶液を、超音波(Sonication)によるキャビテーション等により効果的に破壊または分解し、環境的に無害な物質へと変換する技術および手法 |
出願番号: | 2002236721 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,C02F1/34,B01D19/00,C02F1/20,C02F1/72,C02F1/78,C07B35/06,C07B37/06,C07C19/041,C07C19/05,C07C21/10,C07C21/12 |
ドナルド オー ジョンソン JP 2004042006 公開特許公報(A) 20040212 2002236721 20020711 石油ハイドロカーボンBTEX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)を含む溶液を、超音波(Sonication)によるキャビテーション等により効果的に破壊または分解し、環境的に無害な物質へと変換する技術および手法 ファーネス ニューバーグ インク 502295825 フランクリンエンジニアリングアソシエイツ インク 502295836 ジェイ ダブリュー リー 502295847 小島 元士 502295261 塚崎 博史 502295180 小山 林一 502295205 藤村 信介 502295227 大山 一夫 502295249 小島 啓太 502295250 小島 元士 502295261 久保 宗▲徳▼ 302021606 ドナルド オー ジョンソン 7 C02F1/34 B01D19/00 C02F1/20 C02F1/72 C02F1/78 C07B35/06 C07B37/06 C07C19/041 C07C19/05 C07C21/10 C07C21/12 JP C02F1/34 B01D19/00 F C02F1/20 A C02F1/72 Z C02F1/78 C07B35/06 C07B37/06 C07C19/041 C07C19/05 C07C21/10 C07C21/12 1 1 書面 7 特許法第30条第1項適用申請有り 2002年7月8日発行の週刊循環経済新聞に掲載 4D011 4D037 4D050 4H006 4D011AA15 4D011AD03 4D037AA05 4D037AB16 4D037BA23 4D037BA26 4D037BB05 4D037CA07 4D037CA11 4D037CA12 4D050AA02 4D050AB12 4D050BB02 4D050BB09 4D050CA07 4D050CA17 4H006AA05 4H006AC13 4H006AC26 4H006BD81 4H006BE31 4H006BE32 4H006EA02 4H006EA03 【0001】〔発明の属する技術分野〕本技術は、石油ハイドロカーボン類(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンといった一般に「BTEX」化合物とされるもの)を地下水等から効果的に分解除去するため、▲1▼イン−ウェル音波処理方法、▲2▼イン−ウェル蒸気ストリッピング法および▲3▼原位置生分解法を合体させて、複数の環境汚染物質(有機汚染物質等)を効果的に連続除去することのできる原位置浄化技法にした統合技術に関するものである。▲2▼のイン−ウェル蒸気ストリッピング法では、過酸化水素(H202)とオゾン(O3)を使用し、オゾン及び過酸化水素の吹き込み装置を音波処理装置の内部に組み入れることにより、有機汚染物質の効果的な除去能力は一段と向上したものとなる。その結果、有機汚染物質は分解除去され、最終的に環境的に無害な二酸化炭素(CO2)と水(H2O)に分解されることになる。【0002】〔従来の技術〕従来の処理方法は、異なる濃度の複数の汚染物質を総合的に連続処理する事が困難であったが、本技術は、複数の有機汚染物質を同一設備を用いて高い除去能力を維持しながらバッチ処理及び連続処理を可能とした。さらに、▲1▼の音波処理法では、De Visscherらの1996年の報告では、周波数(〜520kHz)を使用したベンゼンの除去に関する第一速度定数(first−order rate constant)は、毎分0.0271であっが、本技術の実験結果は、20kHz(上記より26倍低い周波数)の音波処理で、第一速度定数は、ベンゼン及びトルエンいずれの場合も、溶液からの除去に関して毎分0.01から0.03である。同じように、Thomaらの1998年の報告では、溶液からのベンゼン除去に関する第一速度定数は、溶液中のベンゼンの初期濃度にもよるが、毎分0.003から0.038の範囲であった。ベンゼンの初期濃度が〜50から〜300mg/Lの範囲における本技術の実験結果による第一速度定数は、毎分〜0.01から0.03の範囲であり、De VisscherやThomaらの研究に相当する結果を低周波数で達成している。【0003】〔発明が解決しようとする課題〕漏洩ガソリンからのガソリン非水相液 Nonaquarious Phase liquids(NAPL)及び溶解した炭化水素化合物の両方により、帯水層系が汚染されている。ベンゼンにはかなりの水溶性があり、地下貯蔵タンクからの漏洩汚染物質として頻繁に認められる。ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンといった一般に「BTEX」化合物とされるものはいずれも石油ハイドロカーボン(芳香族)化合物の仲間である。石油ハイドロカーボンは、通常、揮発性及び半揮発性有機化合物を含んでいる。懸念されるのは、ガソリン及び石油製品にはBTEX化合物が含まれているからで、地下貯蔵タンクの漏洩によって、これら化合物が土壌を通って地下の帯水層系に浸透するような場合は、深刻な環境汚染となり、とりわけ重大な問題となる。こうして汚染された有害な有機汚染物質の効果的な除去技術が求められているが、本発明は、こうした要求に高水準で応えるものである。【0004】〔課題を解決するための手段〕本技術における蒸気ストリッピング法(〜500ml/分)では、その速度定数は、溶液からのベンゼン除去の場合は、毎分0.2047、トルエン除去の場合は毎分0.1819である。ベンゼンおよびトルエン両者の除去は、音波処理と蒸気ストリッピング法を共に組み合わせることにより促進される。ベンゼン除去の第一速度定数は、毎分0.2501から0.3688の範囲であった。同様にして、トルエン除去の第一速度定数は、毎分0.2454から0.2912の範囲であった。蒸気ストリッピング法単独では、汚染物質が液相から気相へと単に変化するだけなのに対して、音波処理(ソニケーション)/蒸気ストリッピング法を共に組み合わせる併用法では、相変位に加えて、有機分解機能も同時に働くことにより、汚染物質の除去が促進されることは特筆に値する。また、音波処理ではマルチ周波数機能を持たせることにより、同一設備を用いて、汚染濃度の異なる複数の汚染物質を連続的に除去する事ができる。さらに、音波処理(ソニケーション)/蒸気ストリッピング法を共に組み合わせる併用法を原位置生分解法と合体させたことにより、汚染地下水を地下適正レベルで処理することが可能となり、従って、汲み上げ処理技術に伴う規制問題も最小化される。このため、有機汚染物質の適正レベルでの音波作用sonolytic分解により、汚染物質は最終的に二酸化炭素(CO2)と水(H2O)とに分解される。【0005】〔発明の実施の形態〕原位置で地下水の汚染物質を除去するための音波処理(ソニケーション)/蒸気ストリッピング法を共に組み合わせた併用工法の原理と運用上の概念を図1に示す。ガス注入管を内部管(inner well)の下部に位置した高周波音波発生装置(sonicater)がある所に設置して、外部から強制的にガスを注入し、高周波音波発生装置によって抽出した汚染物質を、ガス管を通して注入されたガスから発生するガス玉によって上の方に押し出すか、同伴して移動させる原理である。この工法を沈出水の処理に適用する方法は、誘導遮水壁によって集水された汚染物の集水井にこの装置を沈水させ、電力を稼働させるが、汚染物質の濃度と汚染成分の種類によって稼働時間を調節して運営することができる。【0006】〔発明の効果〕本技術の手法により、▲1▼地下帯水層系の汚染物質の除去では、地下適正レベルで処理する事が可能となり、従って、汲み上げ処理技術に伴う規制問題も最小化される。▲2▼過酸化水素(H202)とオゾン(O3)を使用するためにオゾン及び過酸化水素の吹き込み装置を音波処理装置の内部に組み入れ、マルチ周波数制御によるイン−−ウェル音波処理とイン−ウェル蒸気ストリッピング法を併用することにより、有機汚染物質の効果的な除去能力は一段と向上し、汚染濃度の異なる複数の汚染物質の除去が連続的に行うことができ、汚染物質は最終的に二酸化炭素(C O2)と水(H2O)とに分解される。▲3▼本技術の音波処理法では、20kHzの周波数を使用した場合、従来よりも6倍低い周波数の音波処理であり、従来と同等の第一速度定数となり、従来と同等の処理効果を達成している。▲4▼汚染物質の除去能力は、BTEXのみならず、ダイオキシン、有機性塩素化合物(CCI4,TCE,PCE,TCA,EDB)やチタニウム、亜鉛、銅、カドミウム、セシウム、ラドン等の重金属の処理にも応用ができる。▲5▼汚染物質を除去した例を以下に示す。〔例1〕ベンゼン:180ppmの場合、0,01ppmにする所要時間は、約25分である。(ソニケーション20kHz,出力強度:25.3w/cm2 )〔例2〕テトラクロロエチレン:10mg/lの場合(ソニケーション20kHz,出力強度:35.8w/cm2)0.1 mg/lにする所要時間は約13分0.1 mg/lにする処理能力(排出基準)・・25〜27トン/日0.01mg/lにする処理能力(排出基準)・・10〜13トン/日〔例3〕382.5pg/lの場合・・・31〜40pg/lに分解する事が可能である。〔例4〕有機塩素化合物(CCI4,TCE,PCE,TCA)における音波処理(ソニケーション)/蒸気ストリッピング法の併用技術の効果実験例を図2に示す。〔例5〕音波処理(ソニケーション)、オゾンおよび蒸気(ベーパー)ストリッピングを用いた場合の地下水からのBTEX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)およびMTBE(メチルターシャリブチルエーテル)の自然状況下での除去実験例を以下の表1に示す。(1)実験事項研究室スケールでシュミレートされた地下水のBTEXおよびMTBEの改善に焦点を当てた新しい酸化法と組み合わされた音響キャビテーション実験(2)酸化アプローチ自然状況下でのオゾンおよび過酸化水素を用いおよび用いぬ新しい酸化法・・・ソニケーションおよびベーパーストリッピングを用いた一体化されたシステム(3)汚染物ガソリンおよび精製所の生成物により汚染されたシミュレートされた地下水の研究室実験。(ガソリンおよびペトロ−リアムハイドロカーボン)1次汚染物グループ:BTEXおよびMTBE(4)改善の目標となる媒質・・・地表水、地下水、飽和土壌(5)デザインベースシステムはソニケーションによる新しい酸化作用とベーパーストリッピングの相乗作用により、有機汚染物質を破壊するようにデザインされた。(6)改善システム▲1▼ソニケーション 2−20 kHz▲2▼出力強度 1−40 W/cm2▲3▼ベーパーストリッピング 0−500 ml/分▲4▼オゾン 30psiaで200ppm▲5▼過酸化物 30ppm(7)結果 1年間の研究室実験による結果を表1にしめす。汚染物の目標濃度は、処理時間に対比された残留濃度を求めるため、ガスクロマトグラフィの方法を用いて分析した。ソニケーション/ベーパーストリッピング(蒸気ストリッピング)組み合わせシステムは92%を越える除去率を達成した。ベーパーストリッピングシステム(単独)は、有機汚染物を液相から気相に移行させるのに対して、ソニケーションをベーパーストリッピングシステムと組み合わせることにより、有機汚染物質を環境的に無害な化合物(二酸化炭素および水)に大幅に、又は完全に破壊/変換することができる。【図面の簡単な説明】【図1】音波処理(ソニケーション)/蒸気ストリッピング法の併用工法の原理と運用上の概念図【符号の説明】▲1▼電力供給装置 ▲2▼ガス供給装置 ▲3▼蒸気処理装置▲4▼ベンチレータ ▲5▼外部管 ▲6▼内部管 ▲7▼地下水位▲8▼高周波音波発生装置(ソニケイター)▲9▼リングパッカー(ring packer)【図2】有機塩素化合物の音波処理(ソニケーション)単独と蒸気ストリッピング法との併用法との処理効果の実験比較例有機塩素化合物(CCI4,TCE,PCE,TCA)の名称は次の通りである。CC14:カーボンテトラクロライド(Carbon Tetrachloride)TCE :トリクロロエチレン(Trichloroethylene)PCE :1,1,2,2−テトラクロロエチレン(1,1,2,2−Tetrachloroethylen)TCA :1,1,1−トリクロロエタン(1,1,1−Trichloroethane) 本技術は、▲1▼イン−ウェル音波処理方法、▲2▼イン−ウェル蒸気ストリッピング法および▲3▼原位置生分解法を合体させ、複数の環境汚染物質を効果的に連続除去することのできる原位置浄化技法にした統合技術である。▲2▼のイン−ウェル蒸気ストリッピング法では、過酸化水素(H202)とオゾン(O3)を使用し、オゾン及び過酸化水素の吹き込み装置を音波処理装置の内部に組み入れたものである。 〔課題〕石油ハイドロカーボン BTEX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)等を含む有機汚染物質を超音波(Sonication)によるキャビテーション等により効果的に破壊または分解し、環境的に無害な物質へと変換する技術及び手法を提供する。〔解決手段〕過酸化水素(H202)とオゾン(O3)の吹き込み装置を高周波音波処理装置の内部に組み入れ、マルチ周波数制御によるイン−−ウェル音波処理とイン−ウェル蒸気(ベーパー)ストリッピング法を併用することにより、原位置で汚染濃度の異なる複数の有機汚染物質の効果的な除去が可能となり、汚染物質は最終的に二酸化炭素(C O2)と水(H2O)とに分解される。【選択図】 図1