生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_化粧料
出願番号:2002219773
年次:2004
IPC分類:7,A61K7/00,A61K7/021,A61K7/027,A61K7/031,A61K7/032,A61K7/035,A61K7/043,A61K7/11


特許情報キャッシュ

鍛冶 文宏 中川 草平 松田 信之 里中 研哉 吉岡 隆嗣 井谷 衛 JP 2004059499 公開特許公報(A) 20040226 2002219773 20020729 化粧料 太平化学産業株式会社 591040557 岩瀬コスファ株式会社 591119750 青山 葆 100062144 河宮 治 100086405 田中 光雄 100081422 松谷 道子 100106518 鍛冶 文宏 中川 草平 松田 信之 里中 研哉 吉岡 隆嗣 井谷 衛 7 A61K7/00 A61K7/021 A61K7/027 A61K7/031 A61K7/032 A61K7/035 A61K7/043 A61K7/11 JP A61K7/00 B A61K7/021 A61K7/027 A61K7/031 A61K7/032 A61K7/035 A61K7/043 A61K7/11 7 OL 21 テフロン 4C083 4C083AA122 4C083AB032 4C083AB222 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB291 4C083AB292 4C083AB432 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC312 4C083AC352 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC582 4C083AD072 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD172 4C083AD242 4C083AD262 4C083AD272 4C083CC05 4C083CC11 4C083CC12 4C083CC13 4C083CC14 4C083CC28 4C083DD01 4C083DD17 4C083DD21 4C083DD30 4C083DD31 4C083FF01 4C083FF05 【0001】【発明の属する技術分野】本願発明は、化粧料に関する。さらに詳細には、光源の種類により発色を可逆的に大きく変化させることができる化粧料を提供する。【0002】【従来の技術】従来、アイシャドー、マスカラ、口紅、ネイルカラー等のポイントメイクアップ品は、酸化鉄、酸化チタンに代表される無機顔料や法定色素に代表される有機色素により着色されている。しかしながら、かかる顔料や色素は光源の強度や種類によって呈色状態が変化することはない。近年、光の作用を利用し、癒しをテーマとした服飾や生活空間が提案され、これに相応しい化粧料も望まれている。【0003】そこで、外部光源の種類により可逆的に色彩が変化する化粧料として、希土類化合物を配合してなる化粧料(特開平2−19312号公報)が提案されている。この先行技術においては、十分な色彩効果を出すには多量の希土類化合物を配合しなければならなかったが、希土類化合物自体が高価なものであるため、コスト的に厳しいものがある。【0004】これに対して、希土類化合物をより少ない量で上記先行技術と同程度もしくは、それ以上の色彩効果を出すため、超微粒子希土類酸化物を配合してなる皮膚化粧料(特開2001−151621号公報)が提案されている。しかし、希土類酸化物自体は比較的安定であるものの、触媒活性が大きく、微粒子化するとさらに触媒活性が大きくなり、化粧料へ応用した場合、油剤の酸化や変色を引き起こし、製剤の経時安定性の面で問題があった。また、製剤中で希土類酸化物が凝集体を生じ、超微粒子希土類酸化物本来の色彩効果が十分得られないという問題もあった。【0005】【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本発明は経時安定性が高く、光源の種類により発色が変化する化粧料を提供することを目的とする。【0006】本研究者らはアパタイト構造を有する化合物へ希土類元素を担持させた希土類元素修飾アパタイトを用いることにより、肌への密着性が良好で、経時安定性に優れ、光源の種類により、発色が可逆的に大きく変化する化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。【0007】【課題を解決する為の手段】すなわち1以上の希土類元素をアパタイト構造中に担持した、希土類元素修飾アパタイト粒子を配合してなる化粧料を提供する。【0008】本発明において、「アパタイト構造」とは一般式(I)【化1】M10(ZO4)6X2(式中、Mはカルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびマグネシウムからなる群から選択されるアルカリ土金属元素、Zはリン、ケイ素、硫黄および炭素からなる群から選択される元素、Xはハロゲン原子、炭酸基および水酸基からなる群から選択される元素または基)で代表される構造を有する化合物である。本発明において、「アパタイト構造」には、上記式中アルカリ土金属が一部欠損しているいわゆる非化学量論アパタイトも含まれるものとする。【0009】本発明においてはかかるアパタイト構造に1以上の希土類元素が担持された、希土類担持アパタイトを化粧料へ配合する。希土類元素としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群から選択される。本発明の化粧料は、アパタイトの奏する生体親和性および皮膚への吸着特性に加えて、希土類元素由来の蛍光発色を発現することができる。【0010】本発明で用いられるアパタイト構造を有する化合物の例としては、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、クロロアパタイトなどが挙げられるが、最も好ましいのは、式(I)中Xが水酸基、MがカルシウムおよびZがリンであるヒドロキシアパタイトである。ヒドロキシアパタイトは、歯や骨のような生体硬組織の主成分であり、様々なカチオンやアニオンとイオン交換しやすく、安全であることに加え、人体との親和性が良い為、皮膚に塗布した際、密着性が良く化粧効果を発揮しやすい性質をもっている。【0011】本発明の化粧料において、希土類元素修飾アパタイトとは具体的には上記式(I)に代表されるアパタイト結晶構造中、Mで示されるアルカリ土金属を上記希土類元素で置きかえたものである。担持させる希土類元素としては、特にネオジム、ユウロピウム、テルビウムおよびホルミウムが好適に用いられる。【0012】本発明において、特に好ましい希土類元素修飾アパタイトは、ヒドロキシアパタイト結晶構造中に希土類を担持させた粒子であって、該アパタイト結晶構造中におけるカルシウム原子と希土類元素の合計の、リン原子に対する原子比が1.4〜1.8の範囲である粒子である。【0013】アパタイト結晶構造中、希土類元素を担持させる量としては限定的ではなく、所望の発色効果に応じて適当な量を選択すればよい。希土類元素担持量が少なくとも充分な発色効果が得られるのが、本発明のひとつの大きな特徴である。担持量の下限は特に限定的ではないが、例えばアパタイト構造中、アルカリ土金属および希土類元素の合計量に対し、希土類元素が0.01mol%程度の非常に少量でも発色効果が見込まれる。また、必要に応じてアパタイト構造中、アルカリ土金属および希土類元素の合計量に対し、希土類元素が80mol%程度となるまで担持させてもよい。【0014】本発明で用いられる希土類元素修飾アパタイトは、常套の方法にて式(I)で代表されるアパタイト結晶を製造するにあたり、アルカリ土金属Mを導入する際に用いる化合物に対応する希土類元素を含む化合物を所望の比率となるよう共存させて合成することによって、Mの一部が当該希土類元素にて置きかえられた希土類元素修飾アパタイトを得ることができる。【0015】例えば、ヒドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2を調製する際に用いられる一方法である湿式合成法では、Ca(NO3)2水溶液とH3PO4水溶液を混合し、アンモニア水溶液にてアルカリ性としたものを、100℃の高温でエージングさせることによってヒドロキシアパタイトを得ることができる。この方法において希土類の硝酸塩、例えばEu(NO3)2を共存させることによって、ヒドロキシアパタイトのカルシウムが一部ユウロピウムで置き換わった希土類元素修飾アパタイトを得ることができる。このような製法は例えば特開平8−245208号に開示されている。【0016】あるいは、従来公知の方法にて式(I)で代表されるアパタイトを製造した後、アパタイトへ金属を担持させるための常套の方法で希土類元素を担持させてもよい。例えば乾式法にて固相反応的に500℃以上でアパタイトと希土類元素とを反応させることにより、希土類元素修飾アパタイトを得ることができる。【0017】得られた物質が希土類元素修飾アパタイトであることは、蛍光X線分析、X線解析分析および顕微鏡観察により確認し得る。【0018】上記に限らずアパタイトの製造方法は種々知られており、これら公知の方法を適宜選択することによって、種々の形状、粒径のアパタイト、例えば微細粒子、球状、板状、サイコロ状、六角柱状等、が得られることが知られている。本発明で用いられる希土類元素修飾アパタイトを製造する際においても、これら公知の方法を適宜選択して所望の形態、粒径の粒子を得ればよい。例えば、特許第1739121号に記載のごとき球状結晶や、特開平11−240819号に記載の板状結晶等の化粧料に配合する上で特に好ましい形状が報告されている。【0019】本発明において用いられる希土類元素修飾アパタイトの粒径は、合成段階において出発原料の粒度を調整することによっても、合成して得られたものを機械的に粉砕、分級する等の公知の方法によって調節することができる。【0020】本発明の化粧料は、皮膚に直接触れるものであることから、配合される希土類元素修飾アパタイトは平均粒径が100μm以下とすることが好ましい。100μm以上であると、肌へ塗布時に痛みを感じるなどの不都合が生じる場合もある。希土類元素修飾アパタイトの粒径の下限としては粒子が製造可能である限り特に制限はないが、例えば平均粒径が約0.1μmである粉末を用いることができる。【0021】本発明の化粧料において、希土類元素修飾アパタイトの配合量は、化粧料の種類および剤型、および配合により求める効果により適宜選択すればよいが、例えば化粧料へ配合される全粉体成分の、0.1〜99.9重量%配合される。0.1重量%以下では、光源の種類による呈色変化が小さくなり、希土類元素修飾アパタイトの配合による効果が得られない。【0022】本発明において希土類元素修飾アパタイトを化粧料に配合するにあたって、所望により化粧料に配合する粉体に施されることが知られている様々な物質による表面処理を施してもよく、例えば、シリコーン、金属石鹸、脂肪酸、界面活性剤、酸、アルカリ、無機塩類による処理、さらにはこれらの複合処理を行なってもよい。粉体の表面処理に用いられる物質、および処理方法は化粧料製造の業界において公知であり、化粧料の種類や剤形、目的とする効果によって適宜選択すればよい。また、他の化粧料用粉体とハイブリッド化したものを配合してもよい。【0023】本発明の化粧料は、従来知られているいずれの化粧料の形態であってもよく、例えばファンデーション、おしろい、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、ほほ紅、下地用クリーム等の顔に塗布して用いるもの、ネイルカラー等の爪に塗布して用いるもの、ボディ用クリームや日焼け止のごとく身体に塗布して用いるものおよびヘアクリーム、ヘアジェル等の毛髪に塗布して用いるもの等が例示される。【0024】また、仕上用化粧料のみならず、希土類元素修飾アパタイトを配合してなる基礎化粧料や洗浄用化粧料も本発明の範囲に含まれる。希土類元素修飾アパタイトを配合することによって、基礎化粧料製品の外観を魅力的にして消費者に訴えかけ、また使用時の満足度を高める等の効果が得られる。【0025】本発明による化粧料は、中皿成形粉末状、塊状、ペンシル状、スチック状、乳液状、クリーム状、溶液状、粉状等、様々な形態とすることが可能である。【0026】本発明の化粧料は、上記の必須部分の他に化粧料に添加されることが公知の任意の成分を目的に応じて配合することができる。このような配合成分としては、これらに限定されないが、例えばタルク、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、黒雲母、合成雲母、紅雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪ソウ土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素、セラミクスパウダー等の無機粉末、ナイロンパウダー、シリコンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリ四弗化エチレンパウダー、ジスチレンベンゼンポリマーパウダー、エポキシパウダー、アクリルパウダー、微結晶性セルロース、ウレタンパウダー等の有機粉体、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色401号及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、ミツロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク油、ラノリン等の各種炭化水素、シリコーン油、高級脂肪酸、油脂類のエステル類、高級アルコール、ロウ類等の油性成分、アルキッド樹脂、尿素樹脂等の樹脂、カンファ、クエン酸アセチルトリブチル等の可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、増粘剤等が挙げられる。【0027】【実施例】以下、本発明の複数の実施例を示すが、本発明の化粧料はこれら実施例により限定されるものではなく、通常化粧料に配合される成分は勿論含有することができる。【0028】実施例1 ユウロピウム修飾アパタイトの合成ヒドロキシアパタイト(HAP)組成の一部をユウロピウムで置き換えたCa/Eu複合HAPを作成した。0.1molのCa(NO3)2水溶液に、最終生成物中のCaとEu元素の合計に対するEu量が3mol%となるようEu2O3を加え、さらに0.06molのH3PO4水溶液を混合した。混合液のpHをアンモニア水でpH9に調整した。この混合液をテフロン製の容器に移し、ドライオーブン中、100℃にて6時間エージングを施した。生成した沈殿物を濾過分別した後、純水洗浄し、さらに乾燥して平均粒径約6.5μmのユウロピウム修飾ヒドロキシアパタイトを得た。【0029】本品は、三波長蛍光灯下では、白色を呈し、20WのBLB蛍光灯下では、赤色の蛍光色を呈した。20WのBLB蛍光灯を照射した蛍光強度は、Eu2O3粉末と同程度であった。【0030】得られたユウロピウム修飾アパタイトをシリコーン処理に付した。シリコーン処理は、ユウロピウム修飾アパタイト97重量%に対し、メチルハイドロジェンポリシロキサンを3重量%加え、ヘンシェルミキサーを用い撹拌混合した。その後、180℃にてキュアリングを実施し、室温まで冷却しユウロピウム修飾アパタイトのシリコーン処理粉体を得た。【0031】実施例2 ユウロピウム修飾アパタイトの合成2実施例1と同様、Ca/Eu複合HAPを作成したが、ユウロピウムの担持量を実施例1より増やした。0.1molのCa(NO3)2水溶液に、最終生成物中のCaとEu元素の合計に対するEu量が30mol%となるようEu2O3を加え、さらに0.06molのH3PO4水溶液を混合した。混合液のpHをアンモニア水でpH9に調整した。この混合液をテフロン製の容器に移し、ドライオーブン中、100℃にて6時間エージングを施した。生成した沈殿物を濾過分別した後、純水洗浄し、乾燥して平均粒径約6.5μmのユウロピウム修飾アパタイトを得た。【0032】本品は、三波長蛍光灯下では、白色を呈し、20WのBLB蛍光灯下では、赤色の蛍光色を呈した。20WのBLB蛍光灯を照射した蛍光強度は、Eu2O3粉末と同程度であった。【0033】実施例3 ネオジム修飾アパタイトの合成HAP組成の一部をNdで置換したCa/Nd複合HAPを作成した。0.1molのCa(NO3)2水溶液に、最終生成物中のCaとNd元素の合計に対するNd量が3mol%となるようNd2O3を加え、さらに0.06molのH3PO4水溶液を混合した。混合物のpHをアンモニア水でpH9に調製した後、テフロン製の容器に移し、ドライオーブン内に入れて100℃で6時間エージングを施した。生成した沈殿物を濾過分別した後、純水洗浄し、さらに乾燥して平均粒径約6.5μmのネオジウム修飾ヒドロキシアパタイトを得た。【0034】本品は、三波長蛍光灯下では、青色を呈し、20WのBLB蛍光灯下では、ピンクを帯びた紫色の蛍光色を呈した。20WのBLB蛍光灯を照射した蛍光強度は、Nd2O3粉末と同程度であった。【0035】実施例4 テルビウム修飾アパタイトの合成HAP組成の一部をTbで置換したCa/Tb複合HAPを作成した。0.1molのCa(NO3)2水溶液に、最終生成物中のCaとTb元素の合計に対するTb量が0.5mol%となるようTb4O7を加え、さらに0.06molのH3PO4水溶液を混合した。混合物のpHをアンモニア水でpH9に調製した後、テフロン製の容器に移し、ドライオーブン内に入れて100℃で6時間エージングを施した。精製した沈殿物を濾過分別した後、純水洗浄し、さらに乾燥して平均粒径約6.5μmのテルビウム修飾ヒドロキシアパタイトを得た。【0036】本品は、三波長蛍光灯下では、ベージュを呈し、20WのBLB蛍光灯下では、深緑色の蛍光色を呈した。20WのBLB蛍光灯を照射した蛍光強度は、Tb4O7粉末と同程度であった。【0037】実施例5 ホルミウム修飾アパタイトの合成HAP組成の一部をHoで置換したCa/Ho複合HAPを作成した。0.1molのCa(NO3)2水溶液に、最終生成物中のCaとHo元素の合計に対するHo量が1mol%となるようHo2O3を加え、さらに0.06molのH3PO4水溶液を混合した。混合物のpHを15mol/Lのアンモニア水でpH9に調製した後、テフロン製の容器に移し、ドライオーブン内に入れて100℃で6時間エージングを施した。生成した沈殿物を濾過分別した後、純水洗浄し、さらに乾燥して平均粒径約6.5μmのホルミウム修飾ヒドロキシアパタイトを得た。【0038】本品は、三波長蛍光灯下では、ベージュを呈し、20WのBLB蛍光灯下では、ピンクの蛍光色を呈した。20WのBLB蛍光灯を照射した蛍光強度は、Ho2O3粉末と同程度であった。【0039】実施例6、7 比較例1〜3表1に示す組成のパウダーファンデーションを調製し、肌への密着性、経時安定性および化粧仕上がりについて評価を行った。【0040】パウダーファンデーション処方【表1】【0041】(製法)(1)〜(12)をヘンシェルミキサーで混合し、これに均一に加熱溶解した(13)〜(17)を加え、混合粉砕を行い、中皿に圧縮成型しパウダーファンデーションを得た。得られたパウダーファンデーションを以下の性能試験に供した。【0042】[密着性の評価]得られたパウダーファンデーションを女性パネラー(10〜15人)が通常の使用方法にて用い、皮膚への密着性について、5:非常に良い、4:良い、3:普通、2:やや悪い、1:悪いの5段階で評価し、平均点を評価として表2の判定符号を付した。【0043】使用性テストにおける密着性の評価点と判定符号【表2】【0044】[経時安定性評価]得られたパウダーファンデーションを40℃、25℃、5℃の恒温槽に保管し、1ヶ月後の色、匂いを観察し下記基準より評価した。○: 色、匂いともに変化が見られない。△: 色、匂いのいずれかに変化が見られる。×: 色、匂い全てに変化が見られる。【0045】[化粧仕上がりの評価]得られたパウダーファンデーションを女性パネラー(10〜15人)が通常の使用方法にて用い、三波長蛍光灯下と太陽光下の化粧仕上がり(呈色状態)を専門評価者により、5:非常に自然な仕上がり、4:自然な仕上がり、3:普通、2:やや白浮きが生じる、1:白浮きが生じている の3段階で評価し、平均点を評価として表2の判定符号を付した。【0046】使用性テストにおける呈色状態の評価点と判定符号【表3】上記各評価の結果を表4にまとめた。【0047】評価結果【表4】【0048】表4から明らかなように、本発明のパウダーファンデーションは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下、太陽光下ともに自然な仕上がり感となった。これに対して比較例1は、太陽光下で白浮きを生じ、比較例2,3は経時安定性に問題を生じた。以上の結果、本発明のパウダーファンデーションは、光源の種類により、発色が可逆的に大きく変化し、自然な仕上がり感とするだけではなく、肌への密着性が良いため化粧効果の持続性に優れ、かつ、経時安定性に優れたものであった。【0049】実施例8 油性ケーキファンデーション【表5】【0050】(製法)(1)〜(8)を混合し、均一に粉砕する。次ぎに(9)〜(17)を加熱混合し、(1)〜(8)を加え均一に撹拌する。脱泡後トレイにバルクを流し込み、室温まで徐冷し、目的の油性ケーキファンデーションを得た。【0051】得られた油性ケーキファンデーションは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、薄いピンク色を呈し、太陽光下では、はっきりとしたピンクの蛍光色を呈し、自然な仕上がり感となった。【0052】実施例9 アイシャドー【表6】【0053】製 法)(1)〜(3)をヘンシェルミキサーで混合し、これに(4)〜(9)を加熱溶解混合したものを吹き付け、混合した後粉砕し、中皿に成型しアイシャドーを得た。【0054】得られたアイシャドーは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、青色を呈し、20WのBLB蛍光灯照射下では、ピンクを帯びた紫色の蛍光色を呈した。【0055】実施例10 頬紅【表7】【0056】(製 法)(1)〜(7)をヘンシェルミキサーで混合し、これに(8)〜(11)を加熱溶解混合したものを吹き付け、混合した後粉砕し、中皿に成型しブラッシャーを得た。得られた頬紅は、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、ベージュ色を呈し、太陽光下では、ピンクの蛍光色を呈した。【0057】実施例11 乳化ファンデーション【表8】【0058】(製 法)85℃にて加熱溶解した(1)〜(7)に混合粉砕した(8)〜(10)を加え均一に分散する。これに85℃に加熱溶解混合した(11)〜(15)混合物を徐々に添加し乳化を行い、室温まで撹拌冷却する。ついで、適当な容器に充填し乳化ファンデーションを得た。【0059】得られた乳化ファンデーションは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、薄いピンク色を呈し、太陽光下では、はっきりとしたピンク色の蛍光色を呈し、自然な仕上がり感となった。【0060】実施例12 化粧下地【表9】【0061】(製 法)(1)〜(11)を85℃に加熱溶解した後、(12),(13)を添加し均一に分散する。これに(14)〜(19)を85℃に加熱溶解混合した混合物を徐々に添加し乳化し、室温まで撹拌冷却する。ついで、適当な容器に充填し化粧下地を得た。得られた化粧下地は、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、ベージュ色を呈し、太陽光下では、ピンクの蛍光色を呈した。【0062】実施例13 ネイルエナメル【表10】【0063】(製 法)(2)、(3)の一部に(8)〜(10)を溶解しよく練り合わせる。これに(2)、(3)の残部(1)、(4)〜(7)および(11)を添加混合し、容器に充填しネイルエナメルを得た。得られたネイルエナメルは、爪に対する密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、青を呈し、太陽光下では、深緑色を呈した。【0064】実施例14 アイライナー【表11】【0065】(製 法)(8)に(5)(6)を加え、これに(1)〜(3)を添加し、コロイドミルで処理する(顔料部)。(4), (7), (9), (10)を混合し、70℃で顔料部を加えて均一に分散した後、冷却、充填しアイライナーを得た。【0066】得られたアイライナーは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、黒色を呈し、太陽光下では、濃紺を呈した。【0067】実施例15 口紅【表12】【0068】(製 法)(1)〜(11)を加熱混合し均一に撹拌する。脱泡後モールドにバルクを流し込み、急冷し、目的の口紅を得た。得られた口紅は、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、赤色を呈し、太陽光下では、さらに明るい赤色の蛍光色を呈した。【0069】実施例16 透明リップグロス【表13】【0070】(製 法)(1)〜(5)を85℃に加熱し均一に溶解させ、(6)〜(8)を加え均一に分散させる。高温で容器に充填し、室温まで急冷し、目的のリップグロスを得た。得られたリップグロスは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、透明で、太陽光下では、ピンクの蛍光色を呈した。【0071】実施例17 ボディー用クリーム【表14】【0072】(製 法)(1)〜(6)を85℃に加熱溶解する。これに(7)〜(13)を85℃に加熱溶解した混合物を徐々に添加し乳化し、室温まで撹拌冷却する。ついで、適当な容器に充填しボディー用クリームを得た。【0073】得られたボディー用クリームは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、透明で、太陽光下では、緑色の蛍光色を呈した。【0074】実施例18 透明蛍光ネイルエナメル【表15】【0075】(製 法)(1)〜(3)と(4)の一部に(5)〜(7)を溶解する。これに(9)及び(4)の残部を混合しゲル状にしたものを添加混合し、さらに(8)を添加混合し、容器に充填しネイルエナメルを得た。【0076】得られたネイルエナメルは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、薄い青色を呈し、太陽光下では、ピンクを帯びた紫色の蛍光色を呈した。【0077】実施例19 ボディペインティング【表16】(製 法)(1)に(2)を分散させ、ボディペインティングを得た。得られたボディペインティングは、密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、薄い青色を呈し、太陽光下では、ピンクを帯びた紫色の蛍光色を呈した。【0078】実施例20 ヘアジェル【表17】(製 法)(1),(3)を(10)の一部に分散させる。(10)の残部に(2),(4)〜(9)を溶解し、撹拌しながら添加し目的のヘアジェルを得た。得られたヘアジェルは、髪の毛への密着性、経時安定性に優れ、三波長蛍光灯下では、透明で、太陽光下では、ピンクの蛍光色を呈した。【0079】【発明の効果】以上、説明したよう本発明によれば、肌もしくは毛髪への密着性が良好で経時安定性に優れ、光源の種類により、発色が可逆的に大きく変化することが可能となり、服飾や生活空間に相応しい化粧効果が可能となる。 1以上の希土類元素をアパタイト構造中に担持した、希土類元素修飾アパタイトを配合してなる化粧料。 希土類元素修飾アパタイトが平均粒径100μm以下である、請求項1記載の化粧料。 希土類元素がネオジウム、ユウロピウム、テルビウム、およびホルミウムからなる群から選択される、請求項1または2記載の化粧料。 希土類元素修飾アパタイトが、希土類元素をアパタイト結晶構造中のアルカリ土金属および希土類元素の合計に対して0.01〜80mol%となるよう含有するものである、請求項1〜3いずれかに記載の化粧料。 アパタイトがヒドロキシアパタイトである、請求項1〜4いずれかに記載の化粧料。 希土類元素修飾アパタイト構造中、カルシウムおよび希土類元素の合計の、リン原子に対する原子比が1.4〜1.8の範囲である、請求項5記載の化粧料。 メイキャップ用化粧料である、請求項1〜6いずれかに記載の化粧料。 【課題】経時安定性が高く、光源の種類により発色が変化する化粧料を提供する。【解決手段】本発明は、1以上の希土類元素をアパタイト構造中に担持した、希土類元素修飾アパタイトを配合してなる化粧料を提供する。【選択図】 なし


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