タイトル: | 公開特許公報(A)_水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法 |
出願番号: | 2002200360 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,G01N29/04,G01N29/10,G01N33/20 |
佐藤海広 JP 2004045095 公開特許公報(A) 20040212 2002200360 20020709 水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法 山陽特殊製鋼株式会社 000180070 岸田 正行 100067541 水野 勝文 100087398 斉藤 秀俊 100120123 佐藤海広 7 G01N29/04 G01N29/10 G01N33/20 JP G01N29/04 503 G01N29/10 501 G01N33/20 J 3 1 OL 10 2G047 2G055 2G047AA07 2G047AB04 2G047AD02 2G047BA03 2G047BB06 2G047BC10 2G047BC12 2G047BC14 2G047CA01 2G047DA02 2G047DA03 2G047DB03 2G047DB12 2G047EA09 2G047EA10 2G047GB24 2G047GF11 2G047GG03 2G047GG33 2G047GG42 2G047GJ21 2G055AA03 2G055BA04 2G055BA20 2G055FA08 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、水浸超音波探傷法による鋼の清浄度評価方法に関し、詳しくは、水浸超音波探傷法を用いて(かつ、欠陥波の位相や周波数などを解析することなく)、鋼中に存在する非金属の介在物のレベル観を迅速に評価、鋼の清浄度の迅速な評価を可能にするための方法に関する。【0002】【従来の技術】従来より、鋼中に存在する介在物を検査するための方法として、研磨した試料を顕微鏡を用いて直接観察する顕微鏡法(JIS G0555、ASTM E45等)、希HNO3等を用いて鉄マトリックスを分解し、鋼中の酸化物などを抽出する酸溶解法等が存在する。しかし、顕微鏡法によると被検面積は、例えば、100〜200mm2/個と小さいために、約50μm以上の中大型介在物の検出精度が低いという問題点があった。酸溶解法による場合は、介在物が酸に溶解したり、溶損して小径化する場合があり、さらに酸溶解に時間がかかるなど、処理の迅速性に劣り、製品の量産工程に対応することも困難であった。【0003】また、探触子から出力した超音波ビームを検査対象となる鋼材(試験体)に伝達させ、その反射波(エコー)から試験体のきずを探す超音波探傷法などが知られている。【0004】そして、超音波探傷法において、水浸超音波探傷法(試験体と探触子との間に水を介在させて探傷する方法)は、直接接触法に比べて探触子の走査にかかわらず音響結合状態を一定に維持でき、試験体の表面の影響が少なく、安定した探傷ができる等のメリットがあることから、例えば鋼板の非金属介在物調査のためのCスキャン探傷や、鋼管や棒鋼のオンライン探傷などに利用されている。【0005】ここで、鋼材の内部欠陥を水浸超音波探傷法で検査するにあたり、当該欠陥がポロシティー(気泡,空孔)に基づくものであるか他の非金属介在物に基づくものなのかを判別することが、介在物の客観的なレベル観(鋼材の清浄度)を正確に評価する観点からも、非常に重要となる。【0006】(判別法の従来例その1)鋼材の内部欠陥につき、ポロシティーと非金属介在物(以下、単に介在物とも言う。)とを判別するための従来方法としては、MURAI値:P/Aによる判別法(以下、第1の方法という。)が知られていた。【0007】(判別法の従来例その2)また、ポロシティーと非金属介在物とを判別するための他の従来方法としては、特開平9−171005号公報(超音波探傷法による欠陥種類判別方法)において、欠陥エコー波形より得られるパラメータ(欠陥エコーの位相、中心周波数、強度)と、欠陥近傍の底面反射エコーの波形より得られるパラメータ(底面エコー強度、欠陥面積)とに基づいて判別する方法(以下、第2の方法という。)が提案されている。【0008】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した各判別法には、以下のような問題点があった。【0009】(第1の方法の問題点)すなわち、第1の方法においては、大体積の鋼材に対して焦点型探触子により探傷を行う場合には、長焦点距離の焦点型探触子(例えば水中焦点距離が150mm程度のもの)を使用することが望ましいのだが、超音波ビームの焦点距離/振動子径が大きくなると超音波ビームの開口角度が小さくなるため、MURAI値:P/Aにおける入射波→介在物からの反射波の波形正転条件が満たされなくなり、MURAI値:P/Aが使用できない。【0010】(第2の方法の問題点)一方、第2の方法については、▲1▼欠陥が塊状の介在物の場合には、欠陥エコーの中心周波数が「低」,欠陥エコー強度が「低」,欠陥エコー位相が「正」,底面エコー強度が「高」になり、▲2▼欠陥が球状の介在物の場合には、欠陥エコーの中心周波数が「低」,欠陥エコー強度が「低」,欠陥エコー位相が「反転」,底面エコー強度が「高」になり、▲3▼欠陥がポロシティーの場合には、欠陥エコーの中心周波数が「高」,欠陥エコー強度が「高」,欠陥エコー位相が「反転」,底面エコー強度が「低」になる、旨の知見が述べられているが、以下のような問題点があることが判明した。【0011】すなわち、欠陥エコー強度の値については、大きい介在物と小さいポロシティーとでは同様の値を示し、両者の判別が困難となるため、信頼性が低い。また、欠陥エコーの位相については、縦波垂直探触子や横波垂直探触子を用いた場合には、球状介在物でも気泡でも反転する条件では、介在物と気泡の弁別手段としては不十分である。焦点型探触子を用いた場合であっても、球状介在物では、正転条件を満たしても、塊状介在物である場合には、その形状により必ずしも位相が正転しない場合があるため、信頼性に欠ける。さらに、底面エコー強度の値については、超音波ビームの出力面に対して欠陥(介在物又はポロシティー)が非常に小さい場合には、その値に有意差が生じないため、これも信頼性が低いものであった。さらには、欠陥エコーの中心周波数の値は、欠陥がポロシティーの場合、介在物の場合よりもむしろ低下する場合が多いことが、実験により判明した。【0012】この、欠陥エコーの中心周波数を使用しようとすると、これを解析するために材料ノイズと欠陥エコーとの精密な弁別が必要となる。そのため、正確な波形をデジタルに収録する分、走査スピードが通常より遅くなり、また、データ解析工数が「欠陥エコーと材料ノイズの弁別」の分だけ増加することとなり、ランニング的な迅速さに欠ける、という問題点がある。これらの問題点に鑑み、鋭意研究の末、(焦点型探触子を好適に使用でき、かつ、特に大体積の)鋼中の非金属介在物の評価をより簡易かつ迅速に行うことが可能な水浸超音波探傷方法を提案するに至った。【0013】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水浸超音波探傷法を用いて鋼中に存在する非金属の介在物のの迅速な検出、評価を行ない、鋼の清浄度の正確な評価を可能とする方法を提供することにある。【0014】【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を重ねた結果、「鋼材の中心には、多くのポロシティが存在し、それは、圧鍛によっても容易に除去できるものではない」ということを見出し、当該知見に基づいて本発明を提案するにいたった。【0015】本発明に係る鋼の清浄度評価方法は、評価対象である鋼の試験片につき、鋳片を6以上の圧鍛比で圧鍛した鋼材より採取する工程と、水浸超音波探傷法を用いて前記試験片に存在する非金属の介在物を検出する工程と、前記検出工程で得られた結果に基づいて鋼の清浄度について評価する介在物評価工程と、を備え、前記介在物評価工程では、中心部ポロシティーの分布範囲を介在物評価対象範囲から除外して鋼の清浄度を評価することを特徴とする。【0016】この鋼の清浄度評価方法においては、中心部から一定の範囲を除外して判断するので、残りの範囲で作業者の主観によらず、鋼の清浄度(介在物のレベル観)を評価することができる。【0017】すなわち、本発明方法を使用することにより、当該除外した範囲を除いた周辺部における介在物のレベル観を、作業者の主観によらずに評価することが可能となる。【0018】本発明方法は、特に危険体積が表面からD/4程度となる材料であれば、素材としてユーザが直接使用する鋼材部位を直接評価できるので有効である。【0019】【発明の実施の形態】本発明にかかる鋼の清浄度を評価する方法は、金属材料中に含まれる介在物を検出し、評価するものであり、超音波探傷により得られたデータに基づいて被分析対象の金属材料の清浄度を評価することができる。かかる超音波探傷は、中心部を除外した周辺部分について介在物のレベル観を評価するものである。【0020】本発明にかかる鋼の清浄度を評価する方法では、超音波探傷により被検体となる鋼の試験片中の介在物を検出する。超音波探傷は、探触子から超音波(以下「ビーム」ということがある)が発せられ、対象物に当たり、その反射波を検出して、その反射波強度および反射波形情報(グラフとして出力された波形、正半波強度、負半波強度など)に基づいて所望の情報を得るものである。探触子による走査は、試験片の所定の間隔を置いた複数箇所で超音波の発射、反射波の受信を行う(この間隔のことを「探傷走査ピッチ」、または、単に「走査ピッチ」という)。【0021】超音波探傷における探傷走査ピッチは、試験片の大きさ、予想される被金属介在物の大きさなどから任意に設定することができるが、好ましくは焦点位置における探触子からのビーム束の直径1/2以下とする。ビーム束の直径の1/2以下とすれば、反射波強度の損失が略30%以内の領域で介在物の検出を行うことができる。【0022】このような探傷を行うことにより、大体積の試験片について検出対象である介在物の位置、数を特定することが可能となる。【0023】超音波ビームを当てて得られる介在物からの反射波強度は、その介在物から受信し得る最大の反射波強度であることが精度向上の点で望ましい。しかし、探傷走査ピッチが大きすぎると、介在物にビームが当たっても、本来その介在物から得られるべき最大の反射波強度よりも小さな値しか得られない場合がある。探触子から発せられる超音波ビームは、ビームの束であるので幅を持っているが、ビームの中心部と外周部とでは強度に差がある。また、ビーム束が介在物の中心部に当たった場合と、周辺部に当たった場合とでは、反射波強度に差が生じるため、走査ピッチを適正なものとする必要がある。そこで、本発明においては、種々の実験を行った結果、好適な探傷走査ピッチとしては、焦点型探触子(周波数15MHz、振動子径12.5mm、水中焦点距離150mm、ビーム径≒1mm)により、0.2mm×0.2mm(平面走査)であることを見出し、かかる条件により超音波探傷を行うものである。【0024】ここで、鋼などの金属材料においては、一般的に鋳造のままではミクロの空洞、即ち、ポロシティが無数にあり、超音波探傷走査すると無数の乱反射、ノイズが発生し検査が困難となる場合がある。そこで、試験片をあらかじめ圧鍛しておくことにより、ポロシティが圧着され、乱反射などの弊害を抑制することができる。【0025】しかし、かかる圧鍛を行ってもなお中心部に存在するポロシティは圧着させることが困難である。そこで、鋼材の中心部を除外して清浄度の評価を行うこととしたものである。【0026】本発明に係る鋼の清浄度評価方法では、超音波探傷を行なうが、これに用いる探触子をはじめとする装置は、様々な種類が既に市販されており、本発明ではこれらの物を用いることができる。好ましい探触子としては、焦点型探触子などが挙げられる。フラット型探触子の検出能は1/2波長といわれているが、焦点型探触子では、1/4波長であり、焦点型探触子は、本発明が評価の対象としている中型(約50μm以上)〜√Area100μm程度以上の介在物の評価をするのに適している。探触子の周波数は、大型介在物の検出評価のためには、5乃至25MHzとする。さらに好適には、10乃至15MHzとするものである。【0027】【実施例】次に、本発明にかかる鋼の清浄度を評価する方法について、実施例を示し、より詳細に説明する。ただし、本発明にかかる鋼の清浄度を評価する方法は、以下の実施例に限定されるものではない。【0028】≪ステップ1≫まず、試験片を作製する。本実施例においては、図1に点線で示す直径167mmのSCM435のビレットを用いるものである。かかるビレットを採取する鋳片は事前に圧鍛比8.5で圧鍛するものである。【0029】本発明においては、圧鍛を行なう際の圧鍛比を6以上とするものである。圧鍛比を6以下としたのでは、中心部を除く周辺部に存在するポロシティの圧着を十分に行なうことはできないが、圧鍛比を6以上とした場合には十分になされ、周辺部の鋼材の清浄度の評価も十分に行うことが可能となる。【0030】そして、図1に実線で示す40mm厚のブロックを切り出し、このブロックに対しフライス加工を施し、試験片を所定の寸法に加工し、その後、焼ならし、又は、焼なましを行う。これにより、凝固まま、圧延まま、鍛伸ままの組織を消して、微細かつ均質な組織とし、機械的性質を改善する。そして、最後に、平面研磨を行い、試験片の表面を平滑なものとし、超音波の伝達損失をより少ないものとする。【0031】≪ステップ2≫次に、感度校正を行なう。かかる感度校正は、試験片のφ1.5mm、深さ6mmの平底穴(φ1.5FBH)について超音波探傷を行ない位置を特定し、そのφ1.5FBHに超音波の焦点を合わせたときに得られる最大反射波強度を80%となるように超音波探傷装置を設定した。このとき感度設定値を基準感度とし、これより18dB分増感した感度設定値を探傷感度とした。【0032】≪ステップ3≫次に、作製した試験片1を全没式の水浸超音波探傷法により、鋼中介在物の評価を行う。全没式の水浸超音波探傷法とは、接触媒質として水を用いるもので、試験片全体を水に沈めて行うものである。【0033】図2には、焦点型探触子による超音波探傷装置の概略図を例示する。超音波探傷装置は、焦点型探触子11、超音波探傷ユニット12、走査ユニット13、マイクロプロセッサを備えたPC14、映像化ユニット15からなるものである。PCのマイクロプロセッサには、図3に示すフローチャートに沿った演算処理を行うプログラムが組み込まれる。かかるプログラムにより、中心部、不感体及び外周部(不感帯)、を除外して清浄度を評価する処理を行なう。【0034】まず、試験片1を水槽にセットした後、PC14に試験片のデータ及び以下に示す表1の測定条件を入力する。【0035】表1 測定条件【0036】≪ステップ4≫次に、探触子を作動させ、超音波探傷を開始させる。上記のように入力されたデータは、超音波探傷ユニット12及び走査ユニット13に伝達され、かかる条件の下において超音波探傷が開始される。すなわち、探触子11から超音波が発信され、対象物にあたり、その反射波を検出して、その反射波強度及び反射波形情報(グラフとして出力された波形、正半波強度、負半波強度など)に基づいて所望の情報を得るものである。探触子による走査は、試験片の所定の間隔をおいた複数箇所の超音波の発射、反射波の受信を行う(この間隔のことを「探傷走査ピッチ」または、単に「走査ピッチ」という)。【0037】本実施例における、探傷走査は、平面走査を行い、探傷走査ピッチは、焦点型探触子(周波数15MHz、振動子径12.5mm、水中焦点距離150mm、ビーム径≒1mm)により、0.2mm×0.2mm(平面走査)とする。【0038】試験片1に入射し、試験片表面、内部及び底面で反射した超音波は、焦点型探触子11に反射波形情報として受信され、PC14に保存される。反射波形情報とは、反射波を受信して得られる情報のことであり、具体的には反射波強度、反射波形情報(グラフとして出力された波形、正半波強度、負半波強度など)などの情報である。正半波強度とは、基準線より下に出ている反射波形の強度であり、負半波強度とは、基準線より下に出ている反射波形の強度である。【0039】≪ステップ5≫次に、受信した反射波形情報にもとづき鋼の清浄度の評価を行う。PC14には、介在物を検出するための演算プログラムが組み込まれたマイクロプロセッサが備えられており、大量のデータを迅速に処理することが可能となっている。【0040】かかる超音波探傷の結果得られた鋼中介在物のデータに基づいて、鋼中介在物のレベル観(鋼材の清浄度)を評価することができる。ここで得られるデータとは、介在物の数、位置、大きさなどであり、例えばこれらのデータに基づいて粒度分布をヒストグラムとして表して清浄度の評価を行うことができる。また、得られた実測データから、例えば、極値統計法などの統計的手法を用いて、被検査対象たる鋼の中の最大介在物径を推定したデータを得ることもできる。【0041】これらの清浄度の評価は、例えば、あらかじめ所定性状を備えている鋼について本発明の方法によりデータを得ておいて、このデータと別の試験片のデータを比較したり、また望まれる性状データと試験片のデータを比較することができる。【0042】かかるプログラムにおいては、前記超音波探傷で得られた反射波形情報は図4に示すようなグラフに表され、これにより介在物のレベル観すなわち鋼材の清浄度を評価することができる。【0043】試験片中には、一般に多くのポロシティが存在し、かかる空孔からも反射波が生じ、ポロシティに起因する乱反射、ノイズが発生し、正確な介在物評価が困難となる。試験片の中心には特に空孔が多く存在するため、かかる現象が特に顕著に生ずる。そのため、上述の如く、超音波探傷をするのに先立ち、事前に鋳造鋳片を6以上の圧鍛比で圧鍛しておく。これにより、中心部にはある程度の空孔が存在することとなるものの、中心部より外側に存在する空孔の多くは、圧着されて空孔の存在する範囲が狭まることとなる。このため、かかる中心部を除いた範囲については、介在物の正確な評価が可能となる。【0044】即ち、超音波探傷される試験片の範囲は、図1に示すゲート部2であり、中心部3については、走査終了後、評価工程から除外される。また、不感帯4、外周部5及び端部6は、ノイズが多く介在物の正確な検出が困難であるため、走査範囲から除外される。【0045】ここで、中心部とは、例えば、試験片の中心から略30%の範囲とする。なお、試験片の外周部とは、例えば、中心から略90〜100%の範囲とする。【0046】このようにして、大型介在物の評価を行った例は、図4のとおりである。事例1は、大型介在物が多い例で、事例2は、大型介在物が全く無い場合を表している。【0047】本発明の鋼の清浄度評価方法は、超音波を利用できる材料なら何でもよく、例えば、Mg合金、Al合金、Ti合金、Cr合金、Fe合金(鋼を含む)、Co合金、Ni合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金、Au合金等の各種合金やこれらの単体金属などの金属材料に広く適用することができ、好適にされるものとして、気泡を抑えたり、介在物のもととなる酸素の含有量を下げるため脱酸することを意図したアルミキルド鋼などの鋼種、合金が挙げられる。【0048】【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、迅速に鋼中の介在物を検出し、清浄度を評価する方法を提供することが可能となる。【図面の簡単な説明】【図1】試験片を示す図である。【図2】超音波探傷装置の概略を示す模式図である。【図3】マイクロプロセッサに組み込まれた演算処理プログラムの概略図である。【図4】介在物評価例である。【符号の説明】1・・試験片2・・ゲート部3・・中心部4・・不感帯5・・外周部6・・端部11・・焦点型探触子12・・超音波探傷ユニット13・・走査ユニット14・・PC15・・映像化ユニット 鋼の清浄度を評価する方法であって、評価対象である鋼の試験片につき、鋳片を6以上の圧鍛比で圧鍛した鋼材より採取する工程と、水浸超音波探傷法を用いて前記試験片に存在する非金属の介在物を検出する工程と、前記検出工程で得られた結果に基づいて鋼の清浄度について評価する介在物評価工程と、を備え、前記介在物評価工程では、中心部ポロシティーの分布範囲を介在物評価対象範囲から除外して鋼の清浄度を評価することを特徴とする鋼の清浄度評価方法。 前記介在物評価工程において、鋼の中心部から略30%の範囲を除外して鋼の清浄度を評価することを特徴とする請求項1に記載の鋼の清浄度評価方法。 鋼中介在物の検出を行う探触子の周波数が5乃至25MHzであることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼の清浄度評価方法。 【課題】水浸超音波探傷法を用いて鋼中に存在する非金属の介在物の迅速な検出、評価を行ない鋼中の清浄度評価方法を提供する。【解決手段】評価対象である鋼の試験片1につき、鋳片を6以上の圧鍛比で圧鍛した鋼材より採取する工程と、水浸超音波探傷法を用いて前記試験片に存在する非金属の介在物を検出する工程と、前記検出工程で得られた結果に基づいて鋼の清浄度について評価する介在物評価工程と、を備え、前記介在物評価工程では、中心部ポロシティーの分布範囲を介在物評価対象範囲から除外して鋼の清浄度を評価する。【選択図】 図1