生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_肝疾患治療又は予防薬
出願番号:2002188657
年次:2004
IPC分類:7,A61K45/00,A61K38/00,A61P1/16


特許情報キャッシュ

中村 康司 宮島 篤 JP 2004026768 公開特許公報(A) 20040129 2002188657 20020627 肝疾患治療又は予防薬 財団法人神奈川科学技術アカデミー 591243103 谷川 英次郎 100088546 中村 康司 宮島 篤 7 A61K45/00 A61K38/00 A61P1/16 JP A61K45/00 A61P1/16 A61K37/02 8 OL 9 4C084 4C084AA02 4C084AA17 4C084BA01 4C084BA08 4C084BA22 4C084BA23 4C084BA44 4C084CA62 4C084DA01 4C084MA66 4C084ZA752 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、急性肝炎や劇症肝炎のような肝疾患の治療に有用な、肝疾患治療又は予防薬に関する。【0002】【従来の技術】肝臓は体内最大の代謝器官であり、生命維持に必須の臓器である。ウイルス感染やアルコール摂取、薬剤中毒などにより発症する急性肝炎は、しばしば急速に悪化し、劇症肝炎となる。劇症肝炎は、肝細胞の急激な大量壊死による高熱、激しい腹痛,全身性黄疸の後、肝性脳症により死亡率約70%にもおよぶ。現在のところ、治療としては、(1)抗炎症、または肝細胞壊死の阻止を目的としたステロイド剤やシクロスポリン等の免疫抑制剤、(2)肝再生促進を目的としたグルカゴン・インスリン療法,(3)抗ウイルスを目的としたインターフェロン療法、(4)血漿交換、交換輸血、人工肝補助装置など、が行われているが、いずれも十分な効果は得られておらず、新たな作用機序の急性肝不全、劇症肝炎の治療薬の開発が望まれている。【0003】【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、急性肝炎や劇症肝炎等の肝疾患の治療に優れた効果を発揮する新規な肝疾患治療又は予防薬を提供することである。【0004】【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研究の結果、オンコスタチンMを投与することにより、優れた肝疾患治療効果が得られることを見出し本発明を完成した。【0005】すなわち、本発明は、オンコスタチンM受容体アゴニストを有効成分として含有する肝疾患治療又は予防薬を提供する。【0006】【発明の実施の形態】オンコスタチンM(OSM)は、インターロイキン−6 (IL−6)ファミリーに属するサイトカインであり、OSMのアミノ酸配列は公知であり、OSMをコードする遺伝子も公知であり、遺伝子工学的に生産された組換えOSMが市販されている。OSMのアミノ酸配列は、例えばGenBank Accession No. D31942に記載されており、下記配列番号1にも記載されている。OSMは、受容体に結合することによりその生理活性を発揮することが知られており、該受容体は、OSM特異的なOSMRβとIL−6ファミリーに共通なgp130からなるヘテロ2量体である1。【0007】下記実施例に具体的に記載されるように、本願発明者らは、OSMが、四塩化炭素投与により引き起こされる急性肝障害の軽減に優れた効果を発揮すること、従って、急性肝炎や劇症肝炎のような肝疾患の治療に有効であることを見出した。上記の通り、OSMの生理作用は、OSMが、OSM受容体(OSMR)(より詳細にはOSMRβサブユニット)に結合し、OSM受容体を介して発揮することが知られている。従って、OSM以外の他のOSMRアゴニストも本発明の肝疾患治療又は予防薬の有効成分として用いることができる。【0008】また、一般に、生理活性を有するタンパク質は、そのアミノ酸配列のうち少数のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは該アミノ酸配列に少数のアミノ酸が挿入され又は付加された場合であってもその生理活性を維持する場合があることは当業者に広く知られているところである。本発明の肝疾患治療又は予防薬においては、このような修飾OSMも有効成分として用いることができる。ヒトOSMのアミノ酸配列は、上記の通り、配列番号1に示されているが、この配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するヒトOSMの他にも、該アミノ酸配列と好ましくは70%以上の相同性を有し、かつ、肝疾患治療効果を発揮するアミノ酸配列を有する修飾ヒトオンコスタチンMも本発明の肝疾患治療又は予防薬として用いることができる。なお、上記相同性は、70%以上が好ましく、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。なお、アミノ酸配列の相同性は、FASTAのような周知のコンピューターソフトを用いて容易に算出することができ、このようなソフトはインターネットによっても利用に供されている。なお、肝疾患治療効果を発揮するか否かは、下記実施例に記載されているように、四塩化炭素を投与して作製した急性肝疾患モデルや、臨床試験において患者に投与し、血中アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)(グルタミンオキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)活性又は血中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性(グルタミルトランスペプチダーゼ(GTP))活性が有意に減少するか否かを調べることにより知ることができる。【0009】本発明の肝疾患治療又は予防薬の有効成分として好ましく用いられるOSMは、精製された天然物であっても、遺伝子工学的に生産された組換えOSMのいずれでもよい。上記の通り、組換えOSMは市販されているので、このような市販の組換えOSMを好ましく用いることができる。また、上記した修飾OSMは、既にクローニングされているOSM遺伝子に周知の部位特異的変異法を適用して修飾した遺伝子を周知の方法で発現させることにより容易に調製することができる。【0010】下記実施例において具体的に記載されるように、本発明の肝疾患治療又は予防薬は、肝細胞壊死の軽減、肝臓の組織破壊の軽減及び血清肝障害マーカーの低減等、肝臓障害の軽減に種々の点から有効であり、急性肝炎や劇症肝炎のような、肝細胞壊死又は肝臓の組織破壊を伴う種々の肝疾患の治療に有効である。また、治療対象となる動物種は特に限定されず、ヒトをはじめ、肝細胞壊死又は肝臓の組織破壊を伴う肝疾患を患う他の動物にも適用することができる。なお、投与するOSMは、その動物種由来のOSMと同一のアミノ酸配列を有することが最も好ましいが、上記の通り、修飾OSMをも用いることができるので、肝疾患治療に効果がある限り、異種動物由来のOSMも用いることができる。【0011】本発明の肝疾患治療又は予防薬の投与量は、疾患の種類や程度、患者の体重や状態に応じて適宜設定されるが、有効成分がヒトOSMの場合、通常、成人1日当たり0.1mg〜100 mg程度、好ましくは2 mg〜60 mg程度を、1回又は数回に分けて投与することができる。また、投与経路は、非経口投与が好ましく、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与等を好ましく採用することができる。また、製剤化は、製薬分野において周知のいずれの方法によっても行うことができ、上記有効成分以外に各種賦形剤、希釈剤、溶剤その他の添加剤を添加することができる。具体的な製剤例としては、例えばリン酸緩衝液(PBS)中にOSMを0.01 g/L〜1 g/L程度の量で含むものを例示することができる。【0012】【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。【0013】1. 材料と方法(1) 四塩化炭素による急性肝障害実験には12週齢のC57/BL6マウスの雄を使用した。10% 四塩化炭素溶液(オリーブオイルで希釈)を200μL腹腔内投与し,投与後48時間後にネンブタール麻酔下、腹部大静脈より採血した後、頚椎脱きゅうにて屠殺した。次いで肝臓を摘出し組織化学、免疫組織化学、遺伝子発現、ザイモグラフィー解析に使用した。【0014】(2) OSMの投与マウス組換えOSM(R & D systems社より市販)をPBSで1 g/Lの濃度に希釈し、体重1 kgあたり1 mgの投与量で、四塩化炭素投与20分前、投与後8, 16, 24時間後に皮下注射した。コントロールとしてはPBSを用いた。【0015】(3) 血清肝障害マーカーの測定血清AST (GOT)活性およびALT (GTP)活性の測定は、GOT−UVテストワコー、GPT−UVテストワコー(共に和光純薬工業より市販)を用い、キット添付のプロトコルに従い測定した。【0016】(4) 組織化学および、免疫組織化学クリオスタットを用いて、7 μmの肝臓凍結切片を作製し、4 %パラホルムアルデヒドで固定した。組織化学はヘマトキシリン・エオジン染色を行い、アポトーシス細胞の検出はTerminal deoxynucleotidyl transferase−mediated dUTP nickend labeling (TUNEL) 染色により行った。TUNEL陽性肝細胞の数は、20倍の対物レンズで検鏡下、対照群とOSM投与群について、それぞれ16視野について計測した。【0017】(5) ノザンブロットによる遺伝子発現解析採取した肝臓からTrizol試薬(ニッポンジーン社より市販)を用いてRNAを抽出した。1レーンあたり10マイクログラムの全RNAを、ホルムアルデヒド変性ゲルにて電気泳動し、ナイロン膜に転写した後、DIGラベルしたTIMP−1遺伝子のcDNAプローブ(GenBank Accession No.:XM_135788)を用いてハイブリダイズを行った。プローブの検出は、CDP−starを基質とした化学発光により行った。【0018】(6) ゼラチンザイモグラフィー解析1レーン当たり80マイクログラムの肝臓抽出液を、非還元化、0.1%ゼラチンを含む8% SDS−PAGEで分離した後、ゲルを2.5% Triton X−100で洗浄し(30分X 2)、反応液(50 mM Tris−HCl (pH7.5)/150 mM NaCl/10 mM CaCl2)中で、37℃で24時間反応させた後、CBB染色を行い、次いで脱色処理をおこなった(メタノール30/酢酸10/水 60)。In situ ゼラチンザイモグラフィーはゼラチン膜をコートしたポリエステルフィルム(富士フィルム)上に肝臓新鮮凍結切片を張り付け、37℃で3時間反応させた後、ビーブリッヒ・スカーセット染色を行った。【0019】(7)  血清TNF−α濃度の測定血清TNF−αの濃度は、R & D systemsのQuantikine @M Mouse TNF−α Immunoassay (カタログ No. MTA00) を用い、キット添付のプロトコルに従い測定した。【0020】(8)  統計処理統計処理は、Student’s t−testにより行った。【0021】2. 結果(1) OSM投与による中心性壊死、血清肝障害マーカーの減少四塩化炭素を単回投与すると急性肝障害が引き起こされるが、これは肝のチトクロームP−450によって四塩化炭素からフリーラジカルが生じ、これによって肝小葉中心部の肝細胞が障害されて、まず肝細胞の細胞膜透過性が増大し、GPTやGOTといった肝特異的酵素の血中への漏えいが起き、それに続きいわゆる中心性壊死が引き起こされる2。また、この四塩化炭素による急性肝障害は抗TNF−α抗体の投与によって軽減されることから3 、TNF−αによる肝障害の悪化が関与していると考えられる。OSMの投与によって四塩化炭素による急性肝障害が軽減できるか検討したところ、OSM投与群 (3例)では、四塩化炭素投与48時間後における中心静脈の周りに観察される壊死巣が、対照群 (3 例)と比べていずれも劇的に改善されており、血清肝障害マーカーの値も対照群と比べて、ALTで25.2 + 3.7 %,ASTで31.8 + 8.8 % に抑えられていた (N =3, p < 0.05) (図1)。【0022】(2) OSM投与による肝細胞アポトーシスの抑制四塩化炭素投与によって誘導される肝細胞死は、壊死と同時にアポトーシスも誘導されることが報告されている5。アポトーシスを起こした肝細胞をTUNEL 法を用いて解析したところ、OSM投与群では、TUNEL陽性のアポトーシス肝細胞の数がいずれの個体においても対照群と比べて有意に減少しており(対照群:17.9 + 6.4 cell , OSM群:4.4 + 1.98 cell,  各16視野)、OSMの投与によって、肝細胞のアポトーシスも有意に抑制できることが明らかとなった(図2)。【0023】(3)  OSM投与による血清TNF−α産生の抑制TNF−αはエンドトキシン血症や薬物性肝障害によって、主に肝臓におけるクッパー細胞から産生される炎症性サイトカインで、肝細胞死(壊死、アポトーシス)やマトリクス分解酵素の産生促進による組織破壊を引き起こす5, 6, 7。四塩化炭素による急性肝障害もTNF−αに対する中和抗体の投与により、その症状が軽減化されることから、TNF−αの関与が明らかである。四塩化炭素投与48時間後の血清TNF−αをELISA法を用いて測定したところ、対照群では122 + 94 pg/mL (n=6)であるのに対し、OSM投与群では27.3 + 29.1 pg/mL (N=6)と約20 %にまで有意に抑えられていた(p < 0.01)(図3)。【0024】(4)  OSM投与による細胞外マトリクス分解の抑制細胞外マトリクスの分解は亜鉛とカルシウム依存性のマトリクスメタロプロテアーゼ (MMP)と呼ばれる酵素群により調節されており、MMPの活性は、様々な組織構築、組織再構築に重要な役割を担っているばかりでなく、癌細胞の転移や、リウマチなどの病態にも深く関与していることが知られている8。肝臓においても、肝障害にともないMMPの産生、活性化が起こり、細胞外マトリクスの分解が起こる。マウスにおける劇症肝炎モデルの1つであるTNF−α/ ガラクトサミンモデルにおいては、過度のMMP(特にMMP−2とMMP−9)の産生、活性化が引き起こされており, MMP阻害剤であるBB−94の投与によって、劇症肝炎が軽減化されることが報告されている9。ゼラチンザイモグラフィーによって、四塩化炭素投与48時間後の肝組織におけるMMP−2とMMP−9の産生および活性を、対照群とOSM投与群で比較したところ、OSM投与群では、MMP−2とMMP−9の活性が顕著に抑制されており、in situ ザイモグラフィーによる肝臓切片におけるゼラチナーゼ活性も、OSM投与群では対照群と比較して顕著に抑制されていた。この結果からOSM投与によって、四塩化炭素による急性肝障害における組織破壊が軽減化されることが示された。【0025】(5)  OSM投与によるTIMP−1遺伝子の発現誘導生体組織においてMMPの活性は、その内因性阻害分子であるTissue inhibitor of metalloproteinase (TIMP)により厳密に制御されている。肝障害時においては、MMP遺伝子の発現の後に、TIMP遺伝子の発現が誘導され、細胞外マトリクスの再構築を制御していることが知られている8。一方、OSMは、in vitroおよびinvivoにおいてTIMP−1遺伝子の発現を誘導することが報告されている10, 11。OSM投与群の肝臓におけるTIMP−1遺伝子の発現をノーザンブロットで調べたところ、全ての個体においてTIMP−1遺伝子の発現が対照群と比べて、著しく増強されていた。【0026】3. 考察ウイルス感染やアルコール摂取、薬剤中毒などにより発症する急性肝炎は、時折急速に悪化し、劇症肝炎となるが、現在のところ有効な治療法は確立されておらず、死亡率も非常に高い。延命率を上げる新しい治療法、治療薬の開発が望まれている。マウスに四塩化炭素を単回投与すると急性肝障害が引き起こされるが、これは肝のチトクロームP−450によって四塩化炭素からフリーラジカルが生じ、これによって肝小葉中心部の肝細胞が障害されて、まず肝細胞の細胞膜透過性が増大し、ALTやASTといった肝特異的酵素の血中への漏えいが起き、それに続きいわゆる中心性壊死が引き起こされる。同時に肝細胞のアポトーシスも引き起こされることが知られている。四塩化炭素誘導性の急性肝障害は、抗TNF−α抗体の投与によって軽減されることから, 肝障害によって産生されるTNF−αによって障害が悪化すると考えられる。TNF−αは肝細胞の壊死、アポトーシスを誘導するばかりでなく、MMPの産生、および活性化を促進し、組織破壊を引き起こす。また急性肝障害の劇症化にも中心的に関わっていると考えられている。【0027】上記実施例によって、OSMは急性肝炎治療薬として有効であることが示された。OSMを投与すると、急性肝炎における肝細胞の壊死、アポトーシス、血清肝障害マーカーは、いずれも対照群の約20〜30%レベルにまで改善され、組織破壊も軽度であった。急性肝炎の劇症化にも深く関与すると思われる血清TNF−α濃度も、OSM投与群では、対照群の約22 %のレベルに抑えられていた。組織破壊に深く関与するMMPに対する内因性阻害分子であるTIMP−1の遺伝子発現もOSM投与群では著しく増強されていた。以上の結果より、OSMの投与は、急性肝炎の治癒に有効であり、その抗肝炎活性は、血清TNF−αの産生を抑える事とTIMP−1発現誘導による組織破壊の軽減化によるものと示唆された。急性肝炎の劇症化を促進すると考えられているTNF−α濃度とMMP活性に対して抑制効果を示したOSMは、劇症肝炎に対しても有効な効果を示すことが予想される。また、OSMの構造を模倣した低分子物質、いわゆるOSMRβのアゴニストや、OSMによって発現が誘導される遺伝子は新規の急性肝炎、劇症肝炎の治療、予防薬となると考えられる。【0028】参考文献1. Miyajima, A. et al. (2000) Cytokine Growth Factor Rev. 11: 177−1832. Dabeva, M. et al. (2000) Am. J. Pathol. 156: 2017−20313. Czaja, M. J. Et al. (1995) Gastroenterology 108: 1849−18544. Shi, J. et al. (1998) Am. J. Pathol. 153: 515−5255. Gonzalez−Amano, R. et al (1994) J. Exp. Med. 179: 841−8486. Bird, G.L.A. et al (1990) Ann. Intern. Med.112: 917−9207. Muto, Y. et al (1988) Lancet 8602: 72−74 8. Knittel, T. et al (2000) Histochem. Cell. Biol. 113: 443−4539. Wielockx, B. et al (2001) Nature Med. 7:1202−120810. Richards, C. D. et al (1997) J. Immunol. 159: 2431−243711. Kerr , C. et al (1999) J. Interferon Cytokine Res. 19:1195−1205【0029】【発明の効果】本発明により、急性肝炎や劇症肝炎等の肝疾患の治療に優れた効果を発揮する新規な肝疾患治療又は予防薬が提供された。上記実施例から明らかなように、本発明の肝疾患治療又は予防薬は、肝細胞壊死の軽減、肝臓の組織破壊の軽減及び血清肝障害マーカーの低減等、肝臓障害の軽減に種々の点から有効であり、急性肝炎や劇症肝炎のような、肝細胞壊死又は肝臓の組織破壊を伴う種々の肝疾患の治療及び予防に有効である。【0030】【配列表】【0031】【図面の簡単な説明】【図1】四塩化炭素投与48時間の血清ALT値 (左)と血清AST値(右)を示す図である。【図2】PBS 投与群とOSM投与群について、20倍の対物レンズで検鏡下、それぞれ16視野についてアポートーシスを起こした肝細胞をカウントしグラフ化した図である。*P < 0.01 Student’s t−検定【図3】四塩化炭素投与48時間後の血清TNF−αの濃度をPBS投与群とOSM投与群で比較した図である。 オンコスタチンM受容体アゴニストを有効成分として含有する肝疾患治療又は予防薬。 前記オンコスタチンM受容体アゴニストが、ヒトオンコスタチンM又は肝疾患治療効果を発揮するその修飾体である請求項1記載の肝疾患治療又は予防薬。 前記オンコスタチンM受容体アゴニストが、ヒトオンコスタチンMである請求項2記載の肝疾患治療又は予防薬。 配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するヒトオンコスタチンM又は該アミノ酸配列と70%以上の相同性を有し、かつ、肝疾患治療効果を発揮するアミノ酸配列を有するヒトオンコスタチンM修飾体を有効成分として含有する肝疾患治療又は予防薬。 前記相同性が90%以上である請求項4記載の肝疾患治療又は予防薬。 配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するヒトオンコスタチンM又は該アミノ酸配列のうち1個ないし数個のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは該アミノ酸配列に1個ないし数個のアミノ酸が挿入され又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつ、肝疾患治療効果を発揮するアミノ酸配列を有するヒトオンコスタチンM修飾体を有効成分として含有する肝疾患治療又は予防薬。 ヒトオンコスタチンMを有効成分として含有する請求項5又は6記載の肝疾患治療又は予防薬。 前記肝疾患は、急性肝炎又は劇症肝炎である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の肝疾患治療又は予防薬。 【課題】急性肝炎や劇症肝炎等の肝疾患の治療に優れた効果を発揮する新規な肝疾患治療又は予防薬を提供すること。【解決手段】オンコスタチンM受容体アゴニストを有効成分として含有する肝疾患治療又は予防薬を提供した。【効果】本発明により、急性肝炎や劇症肝炎等の肝疾患の治療に優れた効果を発揮する新規な肝疾患治療又は予防薬が提供された。上記実施例から明らかなように、本発明の肝疾患治療又は予防薬は、肝細胞壊死の軽減、肝臓の組織破壊の軽減及び血清肝障害マーカーの低減等、肝臓障害の軽減に種々の点から有効であり、急性肝炎や劇症肝炎のような、肝細胞壊死又は肝臓の組織破壊を伴う種々の肝疾患の治療及び予防に有効である。【選択図】 なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る