生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_経皮吸収製剤用粘着剤
出願番号:2002161180
年次:2004
IPC分類:7,A61K47/32,A61K9/70,A61K47/14,A61K47/34,A61K47/46,A61P3/02,A61P9/06,A61P11/06,A61P11/14,A61P17/04,A61P19/06,A61P29/00,A61P31/04


特許情報キャッシュ

宮崎 英男 小澤 仁 JP 2004002246 公開特許公報(A) 20040108 2002161180 20020603 経皮吸収製剤用粘着剤 住友精化株式会社 000195661 宮崎 英男 小澤 仁 7 A61K47/32 A61K9/70 A61K47/14 A61K47/34 A61K47/46 A61P3/02 A61P9/06 A61P11/06 A61P11/14 A61P17/04 A61P19/06 A61P29/00 A61P31/04 JP A61K47/32 A61K9/70 401 A61K47/14 A61K47/34 A61K47/46 A61P3/02 107 A61P9/06 A61P11/06 A61P11/14 A61P17/04 A61P19/06 A61P29/00 A61P31/04 6 OL 9 4C076 4C076AA74 4C076BB31 4C076CC04 4C076CC11 4C076CC15 4C076CC18 4C076CC24 4C076CC32 4C076DD47 4C076EE03A 4C076EE03G 4C076EE08A 4C076EE09X 4C076EE17G 4C076EE23X 4C076EE48 4C076FF57 【0001】【発明が属する技術分野】本発明は、経皮吸収製剤用粘着剤に関する。さらに詳しくは、接着性、粘着性および薬剤放出性に優れ、かつ蒸れやかぶれが生じない経皮吸収製剤用粘着剤に関する。【0002】【従来の技術】近年、皮膚から体内に薬を吸収させる経皮吸収製剤が注目されている。経皮吸収製剤は、従来の内服薬や注射器による薬液の投与とは異なり、肝臓等の臓器への負担が少ないこと、注射針の挿入に伴う痛みのないこと、薬剤の投与量をコントロールしやすい等の利点がある。【0003】従来、経皮吸収製剤用粘着剤としては、アクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸との共重合体等のアクリル系粘着剤、スチレン−イソブレン−スチレン共重合体(SIS)等のゴム系粘着剤等が知られている。これらの経皮吸収製剤用粘着剤では、溶剤に溶解して薬剤を混合した後、支持体に塗工して溶剤を乾燥し、経皮吸収製剤とする方法がとられている。しかしながら、この方法では、薬剤の種類による溶剤の選択が難しいだけでなく、残溶剤や溶剤回収技術の問題等がある。【0004】一方、溶剤を使用しない方法として、経皮吸収製剤用粘着剤を加熱溶融して薬剤と混合した後、支持体に塗工する方法が知られている。しかしながら、ゴム系粘着剤は軟化点が高いため、経皮吸収製剤に加工する際に、使用する薬剤が変性するという問題がある。また、アクリル系粘着剤は軟化点が低く、薬剤の変性を防ぐことはできるが、接着性、粘着性および薬剤放出性が充分に満足いくものではない。さらに、前記経皮吸収製剤用粘着剤を用いた経皮吸収型製剤を長時間肌に貼りつけていると、皮膚の分泌作用により汗が粘着剤との界面に貯まってきて、蒸れやかぶれが生じるという問題もある。【0005】そこで、接着性、粘着性および薬剤放出性に優れ、かつ蒸れやかぶれが生じない経皮吸収製剤用粘着剤が望まれている。【0006】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接着性、粘着性および薬剤放出性に優れ、かつ蒸れやかぶれが生じない経皮吸収製剤用粘着剤を提供することにある。【0007】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、およびアモルファスポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の基材樹脂、粘着付与剤、可塑剤および吸水性樹脂を含むことを特徴とする経皮吸収製剤用粘着剤が、接着性、粘着性および薬剤放出性に優れ、かつ蒸れやかぶれが生じないことを見出し、本発明を完成した。【0008】【発明の実施の形態】本発明で用いられる基材樹脂としては、薬剤放出性の観点から、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、およびアモルファスポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも1種である。【0009】前記ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。中でも、低温での加工性に優れているという観点より、低密度ポリエチレンが好適に用いられる。【0010】前記エチレン・酢酸ビニル共重合体としては、特に限定されないが、低温での加工性に優れているという観点より、酢酸ビニル含量が1〜50重量%のものが好適に用いられる。【0011】前記アモルファスポリプロピレンとしては、プロピレン単独のアモルファスポリプロピレン、プロピレンとエチレンとを共重合させて得られるアモルファスポリプロピレン、プロピレンと1−ブテンとを共重合させて得られるアモルファスポリプロピレン等が挙げられる。中でも、低温での加工性に優れているという観点より、プロピレンと1−ブテンとを共重合させて得られるアモルファスポリプロピレンが好適に用いられる。【0012】前記基材樹脂はその軟化点が120℃以下、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは20〜110℃であるものが望ましい。基材樹脂の軟化点が120℃を超える場合、得られる経皮吸収製剤用粘着剤を薬剤と混合して基材に塗工する際、塗工温度による薬剤の変性が起こるおそれがある。【0013】ここで、本発明における軟化点とは、JIS−K6863に準じて測定した値をいう。具体的には、規定の環(環内径15.9mm)に試料を充填し、グリセリン浴中に水平に保持した。次に、試料の中央に鋼球(直径9.53mm、3.5g)を置き、グリセリン浴を昇温速度5℃/分で昇温し、試料が軟化して鋼球の重みで試料または鋼球が環台の底板に触れたときの温度を軟化点とした。【0014】本発明で用いられる粘着付与剤としては、テルペン樹脂、テルペンとフェノールの共重合体等のテルペン系樹脂;天然ロジン樹脂、合成ロジン樹脂およびこれらのエステル化合物等のロジン系樹脂;脂肪族飽和炭化水素樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、芳香族飽和炭化水素樹脂等の石油系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、基材樹脂との相溶性が良い観点より、テルペン樹脂、合成ロジン樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂が好適に用いられる。【0015】前記粘着付与剤はその軟化点が120℃以下、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは20〜110℃であるものが望ましい。粘着付与剤の軟化点が120℃を超える場合、基材樹脂と均一に混合できなくなるおそれがある。なお、粘着付与剤の軟化点は、上記と同様の方法で測定された軟化点である。【0016】前記粘着付与剤の含有量は、基材樹脂100重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは30〜150重量部であることが望ましい。粘着付与剤の含有量が10重量部未満の場合、得られる経皮吸収製剤用粘着剤の接着性が悪くなるおそれがある。また、粘着付与剤の含有量が200重量部を超える場合、得られる経皮吸収製剤用粘着剤の粘着性が高くなりすぎるおそれがある。【0017】本発明で用いられる可塑剤としては、ポリブテン、液状ポリイソブチレン、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジエチルフタレート(DEP)、液状ロジンエステルおよび塩素化パラフィン等が挙げられる。これらの中でも、基材樹脂との相溶性が良い観点より、ポリブテン、ジブチルフタレートおよびジオクチルフタレートが好適に用いられる。【0018】前記可塑剤の含有量は、基材樹脂100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは5〜90重量部であることが望ましい。可塑剤の含有量が1重量部未満の場合、得られる経皮吸収製剤用粘着剤の粘着性が悪くなるおそれがある。また、可塑剤の含有量が100重量部を超える場合、得られる経皮吸収製剤用粘着剤が柔らかくなり過ぎるおそれがある。【0019】本発明で用いられる吸水性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリアルキレンオキシド変性物、アクリル酸塩重合体の架橋物、澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の架橋物、アクリル酸塩−メタクリル酸塩共重合体の架橋物、アクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合体のケン化物の架橋物、澱粉−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物の架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリアルキレンオキシド架橋物等が挙げられる。これらの中でも、吸水性に優れる観点より、アクリル酸塩重合体の架橋物、ポリアルキレンオキシド変性物が好適に用いられる。【0020】前記吸水性樹脂の含有量は、基材樹脂100重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部であることが望ましい。吸水性樹脂の含有量が1重量部未満の場合、得られる経皮吸収製剤用粘着剤の吸水性が低いため、蒸れやかぶれが生じるおそれがある。吸水性樹脂の含有量が30重量部を超える場合、得られる経皮吸収製剤用粘着剤の接着性や粘着性が悪くなるおそれがある。【0021】本発明の経皮吸収製剤用粘着剤は、基材樹脂、粘着付与剤、可塑剤および吸水性樹脂を、例えば、通常用いられる、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の混合機を用いて、80〜120℃で加熱混合することにより製造することができる。【0022】本発明の経皮吸収製剤用粘着剤においては、薬剤に影響を及ばさない上記成分以外のもの、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、着色料、香料、充填剤等を必要に応じて添加してもよい。【0023】また、本発明は、前記経皮吸収製剤用粘着剤を含む経皮吸収製剤をも提供するものである。【0024】前記経皮吸収製剤を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、前記経皮吸収製剤用粘着剤に所定の薬剤を所定量配合した後、支持体に塗工する方法等が挙げられる。【0025】前記薬剤としては、特に限定されず、例えば、鎮痛消炎剤、気管支拡張薬、鎮咳薬、不整脈治療薬、痛風治療薬、抗生物質、かゆみ止め等の皮膚の表面から皮膚内部に吸収させて、患部を治療するために投与される薬剤等が挙げられる。【0026】前記支持体としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、軟質ポリウレタン等よりなるフィルム、シート、織布、不織布等が挙げられる。【0027】前記経皮吸収製剤用粘着剤を支持体に塗工する際、バーコーター、ロールコーター、スロットダイコーター、エクストルージョンラミネーター等を用いることができる。また、膜厚としては、通常、10〜300μmであることが望ましい。【0028】【実施例】本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。【0029】実施例1低密度ポリエチレン(住友精化株式会社製の商品名;フロービーズ、軟化点86℃)100g、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製の商品名;アルコン、軟化点100℃)50g、ポリブテン(日石三菱株式会社製の商品名;HV−300)80g、ポリアルキレンオキシド変性物(住友精化株式会社製の商品名;アクアコーク)15gをニーダーに仕込み、110℃で15分間加熱混合した。次いで、アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬)24.5gを添加し、110℃で15分間加熱混合した後、ロールコーターを用いて、110℃でPETフィルム(300×210mm、厚み100μm)上に膜厚100μmで塗工し、試験用の経皮吸収製剤を製造した。【0030】実施例2低密度ポリエチレン(住友精化株式会社製の商品名;フロービーズ、軟化点86℃)100g、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製の商品名;YSレジン、軟化点80℃)100g、ジブチルフタレート(関東化学株式会社製の試薬)50g、アクリル酸塩重合体の架橋物(住友精化株式会社製の商品名;アクアキープ)10gをニーダーに仕込み、110℃で15分間加熱混合した。次いで、アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬)26gを添加し、110℃で15分間加熱混合した後、ロールコーターを用いて、110℃でPETフィルム(300×210mm、厚み100μm)上に膜厚100μmで塗工し、試験用の経皮吸収製剤を製造した。【0031】実施例3アモルファスポリプロピレン(宇部興産株式会社製の商品名;ウべタック、軟化点107℃)100g、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製の商品名;アルコン、軟化点100℃)50g、ポリブテン(日石三菱株式会社製の商品名;HV−300)10g、ポリアルキレンオキシド変性物(住友精化株式会社製の商品名;アクアコーク)15gをニーダーに仕込み、110℃で15分間加熱混合した。次いで、アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬)17.5gを添加し、110℃で15分間加熱混合した後、ロールコーターを用いて、110℃でPETフィルム(300×210mm、厚み100μm)上に膜厚100μmで塗工し、試験用の経皮吸収製剤を製造した。【0032】実施例4アモルファスポリプロピレン(宇部興産株式会社製の商品名;ウべタック、軟化点107℃)100g、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製の商品名;アルコン、軟化点100℃)50g、ジオクチルフタレート(関東化学株式会社製の試薬)50g、アクリル酸塩重合体の架橋物(住友精化株式会社製の商品名;アクアキープ)10gをニーダーに仕込み、110℃で15分間加熱混合した。次いで、アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬)21gを添加し、110℃で15分間加熱混合した後、ロールコーターを用いて、110℃でPETフィルム(300×210mm、厚み100μm)上に膜厚100μmで塗工し、試験用の経皮吸収製剤を製造した。【0033】実施例5エチレン・酢酸ビニル共重合体(住友化学工業株式会社製の商品名;スミテート、軟化点105℃)100g、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製の商品名;アルコン、軟化点100℃)50g、ポリブテン(日石三菱株式会社製の商品名;HV−300)10g、ポリアルキレンオキシド変性物(住友精化株式会社製の商品名;アクアコーク)15gをニーダーに仕込み、110℃で15分間加熱混合した。次いで、アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬)17.5gを添加し、110℃で15分間加熱混合した後、ロールコーターを用いて、110℃でPETフィルム(300×210mm、厚み100μm)上に膜厚100μmで塗工し、試験用の経皮吸収製剤を製造した。【0034】実施例6エチレン・酢酸ビニル共重合体(住友化学工業株式会社製の商品名;スミテート、軟化点105℃)100g、合成ロジン樹脂(荒川化学工業株式会社製の商品名;ペンセル、軟化点100℃)50g、ジオクチルフタレート(関東化学株式会社製の試薬)50g、アクリル酸塩重合体の架橋物(住友精化株式会社製の商品名;アクアキープ)10gをニーダーに仕込み、110℃で15分間加熱混合した。次いで、アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬)21gを添加し、110℃で15分間加熱混合した後、ロールコーターを用いて、110℃でPETフィルム(300×210mm、厚み100μm)上に膜厚100μmで塗工し、試験用の経皮吸収製剤を製造した。【0035】比較例1ポリエチレン(住友精化株式会社製の商品名;フロービーズ、融点107℃)100g、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製の商品名;アルコン、軟化点100℃)50g、ポリブテン(日石三菱株式会社製の商品名;HV−300)80gをニーダーに仕込み、110℃で15分間加熱混合した。次いで、アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬)23gを添加し、110℃で15分間加熱混合した後、ロールコーターを用いて、110℃でPETフィルム(300×210mm、厚み100μm)上に膜厚100μmで塗工し、試験用の経皮吸収製剤を製造した。【0036】(評価)実施例および比較例で得られた試験用の経皮吸収製剤について、接着性、粘着性、薬剤放出性および蒸れ、かぶれを、以下の方法により評価した。【0037】(1)接着性180度引き剥がし試験(JIS−Z0237)に準じて引張強度を測定した。具体的には、250×25mmに切断した経皮吸収製剤の一端から125mmまでをステンレス板(125mm×50mm)に圧着して、残りの125mmを180度折り返した。次に、引張試験機を用いて、折り返した端を300mm/minの速度で引張り、経皮吸収製剤をステンレス板から引き剥がした際の引張強度を測定した。また、下記の基準により評価した。結果を表1に示した。なお、引張強度25〜35N/cmは実用的に通常要求される範囲である。○:25〜35N/cm×:25N/cm未満または35N/cmを超える値【0038】(2)粘着性ボールタック試験(JIS−Z0237)に準じて粘着性を測定した。300×10mmに切断した経皮吸収製剤を、傾斜角30度の斜面に設置し、経皮吸収製剤の上に助走路用の100mm×10mmのポリエステルフィルムを貼り付け、助走路の端から鋼球を転がし、経皮吸収製剤上で停止する最大の鋼球ナンバーを求めた。また、下記の基準により評価した。結果を表1に示した。なお、鋼球ナンバー8〜13は実用的に通常要求される範囲である。○:8〜13×:8未満または13を超えるナンバー【0039】(3)薬剤放出性100×100mmに切断した経皮吸収製剤を、36℃の蒸留水100mLに24時間浸漬した後、蒸留水中のアスコルビン酸の溶解量を、紫外線分光光度計(株式会社島津製作所製の商品名;UV−3150、波長:280nm)を用いて測定した。その後、下記式により薬剤放出率を算出した。結果を表1に示した。なお、薬剤放出率が80%以上であれば、薬剤放出性に優れていると判断できる。薬剤放出率(%)=(アスコルビン酸の溶解量/浸漬前の含有アスコルビン酸量)×100【0040】(4)蒸れ、かぶれ30×30mmに切断した経皮吸収製剤を、10人のパネラーの前腕部内側に貼付し、24時間後の皮膚の状態を観察し、下記の基準により評価した。○:蒸れ、かぶれが起きたのが0人×:蒸れ、かぶれが起きたのが1人以上【0041】【表1】【0042】表1より、本発明の経皮吸収製剤用粘着剤を用いた経皮吸収製剤は、引張強度が28〜31N/cm、鋼球ナンバーが9〜11、薬剤放出率が89%以上であるため、接着性、粘着性および薬剤放出性に優れていると判断でき、かつ蒸れやかぶれが生じていない。【0043】【発明の効果】本発明によれば、接着性、粘着性および薬剤放出性に優れ、かつ蒸れやかぶれが生じない経皮吸収製剤用粘着剤を提供することができる。 ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、およびアモルファスポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の基材樹脂、粘着付与剤、可塑剤および吸水性樹脂を含むことを特徴とする経皮吸収製剤用粘着剤。 基材樹脂100重量部に対して、粘着付与剤10〜200重量部、可塑剤1〜100重量部および吸水性樹脂1〜30重量部を含む請求項1に記載の経皮吸収製剤用粘着剤。 粘着付与剤が、石油系樹脂、テルペン系樹脂またはロジン系樹脂である請求項1または2に記載の経皮吸収製剤用粘着剤。 可塑剤が、ポリブテン、ジブチルフタレートまたはジオクチルフタレートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の経皮吸収製剤用粘着剤。 吸水性樹脂が、ポリアルキレンオキシド変性物またはアクリル酸塩重合体の架橋物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮吸収製剤用粘着剤。 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮吸収製剤用粘着剤を粘着成分として含む経皮吸収製剤。 【課題】接着性、粘着性および薬剤放出性に優れ、かつ蒸れやかぶれが生じない経皮吸収製剤用粘着剤を提供する。【解決手段】ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、およびアモルファスポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の基材樹脂、粘着付与剤、可塑剤および吸水性樹脂を含むことを特徴とする経皮吸収製剤用粘着剤。好ましくは、基材樹脂100重量部に対して、粘着付与剤10〜200重量部、可塑剤1〜100重量部および吸水性樹脂1〜30重量部を含んでいる。


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