生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ボリコナゾールを含有する薬剤製剤
出願番号:2002088076
年次:2012
IPC分類:A61K 31/506,A61K 9/19,A61K 47/40,A61P 31/10


特許情報キャッシュ

ハーディング,ヴァレリー・デニス JP 5089004 特許公報(B2) 20120921 2002088076 20020327 ボリコナゾールを含有する薬剤製剤 ファイザー・インク 593141953 室伏 良信 100096666 ハーディング,ヴァレリー・デニス GB 9713149.4 19970621 20121205 A61K 31/506 20060101AFI20121115BHJP A61K 9/19 20060101ALI20121115BHJP A61K 47/40 20060101ALI20121115BHJP A61P 31/10 20060101ALI20121115BHJP JPA61K31/506A61K9/19A61K47/40A61P31/10 A61K31/506 A61K47/40 特開平4−211078(JP,A) 特表平6−511513(JP,A) 特表平5−504783(JP,A) 1 1999503686 19980602 2002332234 20021122 5 20050602 2010010878 20100521 内藤 伸一 平井 裕彰 大久保 元浩 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む新規なボリコナゾール薬剤製剤に関する。【0002】【従来の技術】ボナコナゾールはヨーロッパ特許出願第0440372号に開示されている(実施例7参照)。これは下記構造を有し;【0003】【化2】真菌感染症の治療に有用である。ボリコナゾールは低い水溶性(0.2mg/ml@pH3)を有し、水中で不安定である(加水分解のレトロ−アルドール生成物の組換えから不活性エナンチオマーが形成される)。したがって、充分な貯蔵寿命を有する静脈内注射製剤の開発は困難である。これらの問題は、この化合物が例えば油、界面活性剤又は水混和性補溶媒のような慣用的手段によって一般に可溶化されないことを意味する半極性(logD=1.8)であることによって拡大される。【0004】ヨーロッパ特許出願第0440372号は、これに開示される化合物がシクロデキストリンによって製剤化されうるが;この場合に、誘導体化されない又は代謝されないシクロデキストリンが身体に対して有害な影響を及ぼすので、シクロデキストリンが特に非経口的投与されるときに薬剤賦形剤として不適切であると述べている。【0005】国際特許出願WO91/11172は、式Aのスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を開示している:【0006】【化3】式中、nは4、5、又は6であり;R1〜9は独立的にO-又はO−(C2−C6アルキレン)−SO-を表す、但し、R1とR2の少なくとも一方はO−(C2−C6アルキレン)−SO-である;S1〜9は独立的に製薬的に受容されるカチオン(例えば、H+又はNa+)を表す。【0007】【発明が解決しようとする課題および課題解決手段】国際特許出願WO91/11172に開示されている種類のスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体による分子カプセル封入によって、特にnが5(β−シクロデキストリン誘導体)であり、そのシクロデキストリン環がスルホブチル基によって置換されている場合に、水中のボリコナゾール溶解性が上昇されうることが、今回判明した。【0008】したがって、本発明によると、ボリコナゾール又はその製薬的に受容される誘導体と、式1:【0009】【化4】[式中、R1a-g、R2a-g、及びR3a-gは独立的にOH又はO(CH2)4SO3Hを表す;但し、R1a-gの少なくとも1つはO(CH2)4SO3Hを表す]で示されるシクロデキストリン誘導体又はその製薬的に受容される塩とを含む薬剤製剤を提供する。【0010】特に重要な製薬的に受容される塩はO(CH2)4SO3H基の塩、例えばナトリウム塩のようなアルカリ金属塩である。好ましくは、式Iの分子当りのO(CH2)4SO3H基の平均数は6.1〜6.9の範囲内であり、例えば6.5である。このことは分子カプセル封入を強化して、ボリコナゾールの強化された溶解性を生じる。置換度を高めることはシクロデキストリンのキャビティの周囲の立体障害を高め、錯体形成効率を減ずると考えられるので、この効果は予期されなかった。【0011】存在する各O(CH2)4SO3Hがアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩)の形状であることが好ましい。このことはボリコナゾールに対するアフィニティを高めるが、この効果は、ボリコナゾールが荷電されていないので、予測できない。【0012】好ましくは、この製剤は非経口投与用、例えばi.v.投与用である。ボリコナゾール−シクロデキストリン誘導体錯体の水性安定性は凍結乾燥によってさらに強化される。本発明に用いられるシクロデキストリン誘導体は、完成した凍結乾燥製品が安定性に不利な影響を与えずに高レベルの水分(3.0%まで)を受容することを可能にする。さらに、このようなシクロデキストリン誘導体の使用はボリコナゾールの不活性なエナンチオマーの形成を制御し、最少にする。【0013】一般に、本発明による静脈内及び筋肉内水性製剤では、ボリコナゾールは5mg/ml〜50mg/ml、例えば10mg/ml〜30mg/mlの濃度で存在する。式Iのシクロデキストリン誘導体は1:1から1:10まで、例えば1:2〜1:7、特に1:2〜1:3のボリコナゾール:シクロデキストリン誘導体のモル比率で存在する。製剤は使用前の貯蔵のために凍結乾燥(フリードライイング)することができ、必要時に水によって構成することができる。【0014】次の実施例では、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンはシクロデキストリン分子当り6.5の平均スルホブチルエーテル置換度を有し、各スルホブチルエーテル単位はそのナトリウム塩として存在する。【0015】【実施例】実施例1 ボリコナゾールのi.v.製剤【0016】【表1】方法1.絶えず撹拌しながら、注射用水の最終量の80%にスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン(SBECD)を加えて、SBECDの全てが溶解するまで撹拌を続ける。2.ボリコナゾールを加えて、撹拌しながら溶解させる。3.注射用水によって溶液を全体量にする。4.得られた溶液を滅菌0.2mmナイロンフィルターに通して濾過して、滅菌容器に入れる。5.20ml量を滅菌フリーズドライイング・バイアルに入れて、栓をする。凍結乾燥する。 ボリコナゾールと、式I;[式中、R1a-g、R2a-g、及びR3a-gは独立的にOH又はO(CH2)4SO3Hを表す;但し、R1a-gの少なくとも1つはO(CH2)4SO3Hを表す]で示されるシクロデキストリン誘導体のナトリウム塩[存在する各O(CH2)4SO3Hがナトリウム塩である]とを含む薬剤製剤であって、当該式Iのシクロデキストリン誘導体の分子当りのO(CH2)4SO3H基の平均数は6.1〜6.9の範囲内であり、当該式Iのシクロデキストリン誘導体が1:1から1:10までのボリコナゾール:シクロデキストリン誘導体のモル比率で存在し、および、当該製剤は凍結乾燥されている、当該製剤。


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