タイトル: | 特許公報(B2)_癌細胞浸潤の予防又は抑制剤及び健康食品 |
出願番号: | 2002056062 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 36/18,A23L 1/30,A61K 31/4375,A61P 35/00 |
吉川 雅之 JP 4399142 特許公報(B2) 20091030 2002056062 20020301 癌細胞浸潤の予防又は抑制剤及び健康食品 株式会社 日本薬用食品研究所 501361600 野河 信太郎 100065248 吉川 雅之 20100113 A61K 36/18 20060101AFI20091217BHJP A23L 1/30 20060101ALI20091217BHJP A61K 31/4375 20060101ALI20091217BHJP A61P 35/00 20060101ALI20091217BHJP JPA61K35/78 CA23L1/30 BA61K31/4375A61P35/00 A61K 36/62 A23L 1/30 A61K 31/4375 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開2002−047146(JP,A) Yoshikawa,Masayuki et al,Crude drugs from aquatic plants. VI. On the alkaloid constituents of Chinese Nupharis Rhizoma, the dried rhizoma of Nuphar pumilum (Timm.) DC. (Nymphaceae): structures and rearrangement reaction of thiohemiaminal type nuphar alkaloids,Heterocycles,1997年,Vol.45,No.9,pp.1815-1824 Matsuda Hisashi et al,Research for anti-Oketsu crude drugs, Zedoariae Rhizoma, Saussureae Radix, Nupharis Rhizoma, and Rhei Rhizoma: NO production inhibitory, Tennen Yuki Kagobutsu Toronkai Koen Yoshishu ,1999年,41st,pp.217-222 Su,K.Lee et al,Aquatic plants from Minnesota.II.Toxicity, antineoplastic, and coagulant effects,U.S.Nat.Tech.Inform.Serv.,PB Rep.,1972年,No.208609,33 ,From:Govt.Rep.Announce.(U.S.)1972,72(11),53 Nishizawa,Makoto et al,Novel hydrolyzable tannins from Nuphar japonicum DC,Chemical & Pharmaceutical Bulletin ,1982年,Vol.30,No.3,pp.1094-1097 Kashiwada,Yoshikiet al,Tannins as potent inhibitors of DNA topoisomerase II in vitro,Journal of Pharmaceutical Sciences ,1993年,Vol.82,No.5,pp.487-492 4 2003252779 20030910 11 20041208 特許法第30条第1項適用 「2001年度大学院薬学研究科 修士学位論文口述発表<学位論文内容要旨>」京都薬科大学大学院2002年2月26日にて発表 鶴見 秀紀 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は癌細胞浸潤の予防又は抑制剤及び健康食品に関し、より詳細には、スイレン科(Nymphaeaceae)のコウホネ(Nuphar)属の植物を利用した癌細胞浸潤の予防又は抑制剤及び健康食品に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来から、スイレン科のコウホネ及びネムロコウホネの根茎は、日本では「川骨」、中国では「萍蓬草根」とも呼ばれ、食用又は家庭薬として用いられていた。【0003】コウホネは、主に、利尿、利水の効果があり、浮腫や打撲傷に用いられたり、浄血薬として産前・産後、月経不順、血の道症などに、また、鎮静薬として婦人の神経興奮状態の時などに応用されていた。さらに、疲労回復や発汗薬として風邪に、健胃薬として胃腸病などにも応用されていた。【0004】しかし、コウホネに含まれるセキステルペン系アルカロイドの薬効等についてはいまだ解明されていない部分があり、さらなる研究が求められている。【0005】【課題を解決するための手段】本発明によれば、スイレン科(Nymphaeaceae)のコウホネ(Nuphar)属の植物の粉末又は低級脂肪族アルコール若しくは含水低級脂肪族アルコールでの抽出物からなる癌細胞浸潤の予防又は抑制剤が提供される。また、上記の粉末及び/又は抽出物を含む健康食品が提供される。【0006】【発明の実施の形態】本発明の癌細胞浸潤の予防又は抑制剤を得るために用いることができる植物は、スイレン科(Nymphaeaceae)のコウホネ(Nuphar)属の植物であって、例えば、コウホネ(Nuphar japonicum DC.)、ネムロコウホネ(Nuphar pumilum (TIMM.) DC.)のほか、Nuphar luteum、ベニコウホネ(N. japonicum DC. froma fubrotinctum (CASP.) Kitam)、ヒメコウホネ(N. subintegerrimum Makino)、オコゼコウホネ(N. pumilum DC. var. ozeense (MIKI) Hara)、オグラコウホネ(N. oguraense Miki)等が挙げられる。この植物は、日本の本州、四国、九州、群馬、新潟・東北、北海道東部、ロシア、欧州等のいずれに育成しているものであってもよい。この植物は、根、根茎、茎、葉、種子等のいずれの部位をも用いることができるが、通常、根茎、茎が好適に用いられる。粉末として用いる場合には、採取した植物を、そのまま、乾燥又は凍結乾燥して粉砕機等で粉砕することにより、100〜1000メッシュ、好ましくは200〜500メッシュの粉末とすることが適当である。【0007】また、抽出物として用いる場合には、このような植物をそのまま、乾燥した後又は粉砕して、低級脂肪属アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール等)、含水低級脂肪族アルコール又は弱酸性水溶液(希塩酸、クエン酸、しゅう酸水溶液)により加熱又は冷浸して得ることができる。溶媒は、植物に対して2〜10重量倍程度、好ましくは2〜5重量倍程度で使用することが適当である。また、振盪下又は非振盪下に、40〜80℃程度の加熱下で1〜10時間程度あるいは10〜35℃程度の温度にて1〜10日間程度浸漬することによって抽出物を調製することができる。【0008】得られた抽出物は、濃縮して用いてもよいし、粉末状としてもよいし、凍結乾燥品としてもよい。濃縮は、低温低圧下で行うことが好ましい。また、この濃縮は乾固するまで行ってもよい。なお、濃縮する前にろ過し、ろ液を濃縮してもよい。粉末状及び凍結乾燥品とする方法は、当該分野で公知の方法を用いることができる。【0009】得られた抽出物は、精製処理に付してもよい。精製処理方法としては、クロマトグラフ法、イオン交換樹脂を使用する溶離法、溶媒による分配抽出等を単独又は組み合わせて使用する方法が挙げられる。【0010】例えば、クロマトグラフ法としては、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、遠心液体クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等のいずれか又はそれらを組み合わせる方法が挙げられる。この際の担体、溶出溶媒等の精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宜選択することができる。例えば、順相クロマトグラフィーの場合にはクロロホルム−メタノール系の溶媒、逆相クロマトグラフィーの場合には、水−メタノール系の溶媒を使用することができる。【0011】イオン交換樹脂を使用する溶離法としては、得られた抽出液を、水又は低級アルコールに希釈/溶解させ、この溶液をイオン交換樹脂に接触させて吸着させた後、低級アルコール又は水で溶離する方法が挙げられる。この際に使用される低級アルコールは、上述した通りであり、なかでもメタノールが好ましい。イオン交換樹脂としては、通常、当該分野の精製処理に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、巨大網状構造で多孔性の架橋されたポリスチレン系樹脂、アーバンライト、セルローズ等が挙げられる。【0012】また、溶媒による分配抽出法は、酸性又はアルカリ性水溶液、有機溶媒等を適宜用いて、当該分野で公知の方法により行うことができる。【0013】なお、本発明の抽出物は、6−ヒドロキシチオビヌファリジン、6,6’−ジヒドロキシチオビヌファリジン、6−ヒドロキシチオヌフルチンB、6’−ヒドロキシチオヌフルチンB及びヌファリジンからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有するため(Masayuki Yoshikawa et. al., Heterocycles, vol.46, p301-308(1997)及びHeterocycles, vol.45, p1815-1824(1997))、これらの化合物を抽出物から単離して用いてもよい。単離の方法は、当該分野で公知の方法によって行うことができる。【0014】スイレン科のコウホネ属の植物の粉末及び/又は抽出物は、そのままの状態又は適当な媒体で希釈して、医薬品又は食品の製造分野において公知の方法によって、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤又は液剤等の種々の形態で使用することができる。【0015】適当な媒体としては、医薬的に受容な塩、賦形剤、保存剤、着色剤、矯味剤等が挙げられ、具体的には、乳糖、澱粉、砂糖、マンニット、デキストリン、ゼラチン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、合成及び天然の珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、乾燥酵母、酸化亜鉛、タルク、カオリン、硼酸末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、次没子酸ビスマス、硫酸アルミニウムカリウム末、アルギン酸、アルギン酸塩、グリセリン、プロピレングリコール、脂肪油、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリビニルピロリドン、界面活性剤等が挙げられる。【0016】また、スイレン科のコウホネ属の植物の粉末及び/又は抽出物は、健康食品に利用することができる。健康食品とは、通常の食品よりも積極的な意味で、保健、健康維持・増進等の目的とした食品を意味し、例えば、液体又は半固形、固形の製品、具体的には、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅう等の菓子類、清涼飲料、栄養飲料、スープ等が挙げられる。これらの食品には、ニンニク、黄卵油、各種ビタミン等の通常健康食品に配合される成分をさらに添加してもよい。また、そのまま煎じて茶剤としてもよい。これらの食品の製造工程において、あるいは最終製品に、上記粉末、抽出物等を混合又は塗布、噴霧などして添加して、健康食品とすることができる。【0017】スイレン科のコウホネ属の植物の粉末及び/又は抽出物の使用量は、濃縮、精製等の程度、使用目的、治療又は予防等の対象疾患、その疾患の程度、体重、年齢、症状等によって適宜調整することができ、例えば、成人1回につき粉末では50〜1000mg程度、好ましくは50〜300mg程度、抽出物では精製度や水分含量等に応じて、10〜200mg程度、好ましくは10〜50mg程度が挙げられ、食前30分位に1日3回服用するのが望ましい。また、健康食品としての使用時には、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量、例えば、対象となる食品1kgに対し、粉末又は抽出物を、10〜1000mg程度の範囲で用いることが適当である。【0018】以下に、本発明の癌細胞浸潤の予防又は抑制剤の実施例を説明する。(1)スイレン科のコウホネ属の植物の抽出スイレン科のコウホネ属の植物の抽出方法の概要を図1に示す。【0019】ロシアで採取したスイレン科のコウホネ属のネムロコウホネ(Nuphar pumilum (TIMM.) DC.)の根茎7.9kgをメタノール(99.9%)15リットルに浸漬し、80℃の加温下、3時間抽出した。これを3回繰り返し、得られたメタノールを合液し、メタノールを蒸発させることにより、メタノール抽出物を得た(811g)。【0020】次いで、得られたメタノール抽出物811gに、室温下、1NのHCl/クロロホルム(1:1)を10リットル加えて振り混ぜ、得られたクロロホルム層及び水層をそれぞれ分液採取した。この操作を3回繰り返し、クロロホルム層を合わせて、溶媒を除去してクロロホルム分画110gを得た。【0021】さらに、得られた水層に、室温下、アンモニア水を加えてアルカリ性(pH1)とした後、酢酸エチルを5リットル加えて振り混ぜ、得られた酢酸エチル可溶部及び水可溶部をそれぞれ分液採取した。この操作を3回繰り返した。酢酸エチル可溶部から溶媒を蒸発させることにより、酢酸エチル分画を得た(16.3g)。【0022】クロロホルム分画及び酢酸エチル分画をそれぞれ精製し、図1に示すように、ジヒドロデヒドロジコニフェリル アルコール(58)及び6−ヒドロキシチオビヌファリジン(41)、6,6’−ジヒドロキシチオビヌファリジン(42)、アンチ−6’−ヒドロキシチオビヌファリジン スルホキシド(43)、アンチ−チオビヌファリジン スルホキシド(44)、syn−チオビヌファリジン スルホキシド(45)、アンチ−1−エピ−1’−エピ−チオビヌファリジン スルホキシド(46)、syn−1−エピ−1’−エピ−チオビヌファリジン スルホキシド(47)、ネオチオビヌファリジン(48)、ネオチオビヌファリジン β−スルホキシド(49)、6−ヒドロキシチオヌフルチンB(50)、6’−ヒドロキシチオヌフルチンB(51)、チオヌフルチンB β−スルホキシド(52)、6’−ヒドロキシチオヌフルチンB β−スルホキシド(53)、ヌファリジン(54)、デオキシヌファリジン(55)、7−エピデオキシヌファリジン(56)、ヌファロルチン(57)を単離した。【0023】・6−ヒドロキシチオビヌファリジン(41):無色油状、[α]D25+39.2°(c=3.0、CH2Cl2)、EI-MS m/z: 492 (M−H2O)+【0024】【数1】【0025】・6,6’−ジヒドロキシチオビヌファリジン(42):無色油状、[α]D25+78.0°(c=1.5、CH2Cl2)、EI-MS m/z: 490 (M−2H2O)+【0026】【数2】【0027】・6−ヒドロキシチオヌフルチンB(50):無色油状、[α]D25−37.2°(c=1.6、CHCl3)、EI-MS m/z: 492 (M−H2O)+【0028】【数3】【0029】・6’−ヒドロキシチオヌフルチンB(51):無色油状、[α]D25+55.2°(c=1.6、CHCl3)、EI-MS m/z: 492 (M−H2O)+【0030】【数4】【0031】また、上記化合物の13C−NMRデータを以下に示す。【0032】【数5】【0033】(2)高転移B16細胞の選別・作成理研細胞バンクから購入したB16−4A5メラノーマ細胞を10%ウシ子牛血清(FCS)、100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(ライフ・テクノロジー社)含有のDulbecco modified Eagle's medium(DMEM、シグマ社)で培養(5%CO2、37℃)した。ddY系雌性マウス(約22g、紀和実験動物)へB16−4A5メラノーマ細胞を5×105セル/200μl)腹腔内投与し、2週間後に解剖し、背部筋肉部位に転移の認められたマウスから癌巣を無菌的に摘出し、癌細胞を切り、ミンチ状にした。トリプシン250(0.25%、日本ベクトン・ディッキンソン社)処理を行い、DMEMを添加して滅菌ガーゼでろ過した。10分間振動した後、転移メラノーマを採取し、DMEMにて継代・培養を行った。同様の操作をddy系雌性マウスに繰り返し、6代目を得て、高転移株とした。【0034】(3)癌転移浸潤阻害作用の検討上記方法により選別したB16メラノーマ細胞を10%ウシ子牛血清(FCS)、100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(ライフ・テクノロジー社)含有のDulbecco modified Eagle's medium(DMEM、シグマ社)で培養(5%CO2、37℃)した。【0035】次に、24ウェル平底マイクロプレートにcell culture insertsを取り付け、その中に豚腱製由来コラーゲンタイプI溶液(100μl/セル、日本ハム社)でメンブレンをコートした。2時間放置後、PBSとDMEMでメンブレンを洗浄し、下層24ウェルプレートにDMEM(700マイクロl/ウェル)を分注し、20分間予備加熱(5%、CO2、37℃)した。その後、1〜0.001μg/mlの種々の濃度で抽出物、各分画及び各化合物を加えて(DMSO終濃度0.1%)、24時間(5%、CO2、37℃)培養した。DMEMを除去した後、25%グルタールアルデヒド溶液(75μl/ウェル和光純薬社)で細胞を固定し、クリスタルバイオレット(300μl/ウェル、和光純薬社)で核染色し、顕微鏡下に1ウェルごとにカウントした。【0036】得られた抽出物及び各分画の結果から、IC50を算出した。その結果を表1に示す。【0037】【表1】【0038】表1によれば、特に、メタノール抽出物及び酢酸エチル分画で強力な癌細胞浸潤抑制作用が認められた。【0039】また、酢酸エチル分画から得られた各化合物について癌細胞浸潤に対する抑制作用を測定した。その結果を表2に示す。【表2】【0040】これらの化合物においては、いずれも有意に癌細胞浸潤に対する抑制作用を示した。これらの化合物は、すでに癌細胞移転抑制効果が知られているクルクミン(culcumin、IC50:20μm)よりも非常に強い効果であった。【0041】(4)マウス肺癌転移抑制作用の検討ddy系雌性マウス(約22g)へ上記方法により選別したB16メラノーマ細胞を、PBSで懸濁し、静脈注射(5×105セル/200μlPBS)した。その後、酢酸エチル分画及び化合物(41)を、種々の濃度で10日間、1日1回11時ごろに経口投与した。【0042】10日後に開腹し、肺を摘出し、表面に発現した肺癌転移数を肉眼でカウントし、コントロールに対する阻害率を算出した。なお、比較物質としてクルクミンを用いた。その結果を表3に示す。【0043】【表3】表3から、酢酸エチル抽出物及びその中に含まれる化合物(41)は、いずれも強力な癌転移抑制効果を示した。その効果は、クルクミンよりも強力であった。【0044】(5)毒性得られた抽出物及び化合物についてMMTアッセイ法により、毒性を検討したところ、表2に示すように、化合物(41)では10μMにて、化合物(42)では100μM付近から毒性が認められた。また、化合物(44)及び(45)にも毒性は認められたが、化合物(41)及び(42)の毒性よりも弱かった。さらに、化合物(51)及び(54)では、毒性がほとんど認められなかった。【図面の簡単な説明】【図1】本発明のスイレン科のコウホネ属の植物の抽出方法を説明するための概略図である。 スイレン科(Nymphaeaceae)のコウホネ(Nuphar)属の植物の抽出物が、メタノール又はエタノール抽出物であるか、メタノール又はエタノール抽出物であってさらにアンモニアアルカリ性条件下で酢酸エチルに可溶である、抽出物からなる癌細胞浸潤の予防又は抑制剤。 スイレン科のコウホネ属の植物が、コウホネ(Nuphar japonicum DC.)、ネムロコウホネ(Nuphar pumilum (TIMM.) DC.)又はNuphar luteumである請求項1に記載の癌細胞浸潤の予防又は抑制剤。 抽出物が、6−ヒドロキシチオビヌファリジン、6,6'−ジヒドロキシチオビヌファリジン、6−ヒドロキシチオヌフルチンB、6'−ヒドロキシチオヌフルチンB及びヌファリジンからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有する請求項1または2に記載の癌細胞浸潤の予防又は抑制剤。 6−ヒドロキシチオビヌファリジン、6,6'−ジヒドロキシチオビヌファリジン、6−ヒドロキシチオヌフルチンB、6'−ヒドロキシチオヌフルチンB及びヌファリジンからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有する癌細胞浸潤抑制剤。